ETC BA5938FM

BA5938FM
光ディスク IC
用 4ch BTL ドライバ
CD プレーヤ用
BA5938FM
BA5938FM は、CD プレーヤのモータ、及び、アクチュエータ駆動用に開発された 4ch 入りの BTL ドライバです。
HSOP-M28pin パッケージを採用しているため、セットの小型化がはかれます。
!用途
CD プレーヤ、CD-ROM
!特長
1) フォーカスコイル・トラッキングコイル・送りモータに加えてローディングモータ用ドライバを内蔵。
2) HSOP-M28pin パワーパッケージを採用しているため、セットの小型化がはかれる。
3) サーマルシャットダウン回路を内蔵。
4) 外付け抵抗でゲインを調整することが可能。
5) 外部ミュート端子により、出力電流(ch1, 4)をミュートすることが可能。
6) 電源が 3 系統。
絶対最大定格
!絶対最大定格(Ta=25°C)
Parameter
Symbol
Limits
Unit
電源電圧
VCC
13.5
V
許容損失
Pd
2.2*
W
動作温度範囲
Topr
−35∼+85
℃
保存温度範囲
Tstg
−55∼+150
℃
*PCB(70mm×70mm、厚さ1.6mm、ガラスエポキシ、銅箔占有率3%未満)基板実装時。
Ta=25℃以上で使用する場合は、1℃につき17.6mWを減じる。
推奨動作条件
!推奨動作条件(Ta=25°C)
Parameter
電源電圧
Symbol
Limits
Unit
VCC
4.5∼13.2
V
BA5938FM
光ディスク IC
!ブロックダイアグラム
27
26
×2
D
25
24
23
×2
22
21
20
VCC (ch1, 4)
VCC (ch3)
19
18
17
×2
D
D
20k
+
6.7k
−
28
20k
16
15
FWD
REV
×2
D
6.7k
LOGIC
−
−
+
+
LEVEL SHIFT
LEVEL SHIFT
T. S. D
VOLTAGE
CTRL
LEVEL SHIFT
×3 / 8
+
−
20k
6.7k
D
×2
MUTE
ch4
D
1
2
D
VCC (ch2)
×2
3
4
5
6
7
8
9
10
×2
11
D
×2
12
13
14
!各端子説明
Pin No.
端子名
1
OUT 1-1
2
3
機 能
Pin No.
端子名
機 能
ch1負出力
15
REV
ローディングリバース入力端子
OUT 1-2
ch1正出力
16
FWD
ローディングフォワード入力端子
IN 1-1
ch1入力
17
OUT 3-1
ch3負出力
4
IN 1-2
ch1ゲイン調整用入力端子
18
OUT 3-2
ch3正出力
5
NC
N.C.
19
LDIN
ローディング入力
6
NC
N.C.
20
IN 3
ch3入力
7
MUTE
ch4ミュートコントロール端子
21
VCC3
VCC(ch3)
8
GND
GND
22
VCC1
VCC(ch1, 4)
9
NC
N.C.
23
Vref IN
バイアスアンプ入力端子
10
VCC2
VCC(ch2)
24
IN 4-2
ch4ゲイン調整用入力端子
11
NC
N.C.
25
IN 4-1
ch4入力
12
OUT 2-2
ローディング正出力
26
OUT 4-2
ch4正出力
13
OUT 2-1
ローディング負出力
27
OUT 4-1
ch4負出力
14
GND
サブストレートGND
28
GND
*1 正出力、負出力は入力に対する極性
*2 ローディング正出力、ローディング負出力はモードに対する極性
サブストレートGND
BA5938FM
光ディスク IC
電気的特性
!電気的特性(特に指定のない限り
Ta=25°C, VCC=8V, RL=8Ω, VBIAS=2.5V)
Parameter
無信号時消費電流
Symbol
Min.
Typ.
Max.
Unit
Conditions
ICC
―
12.5
21.0
mA
無負荷時
〈ローディングドライバ以外のドライバ〉
出力オフセット電圧
VOO
−50 ―
50
mV
ch1,ch3,ch4ドライバ
最大出力端子間電圧1
VOH1
5.4
6.0
―
V
VBIAS=4V,VIN=8V
最大出力端子間電圧2
VOH2
―
V
VBIAS=4V,VIN=0.7V
閉回路電圧利得
GVC
19.5
21.0
22.5
dB
VIN=VBIAS±0.2V
VIN=0.1Vrms,100Hz
−6.0 −5.4 リップル除去率
RR
―
60
―
dB
ミュート・オン電圧
VMON
2.0
―
―
V
ミュート・オフ電圧
VMOFF
―
―
0.5
V
ミュート時出力電圧
VMO
−0.5 ―
0.5
mV
tm=125μs
2.0
2.6
3.2
V
VCC=8V,RL=8Ω
V
LDIN=1.7V
V
VCC=5V,RL=8Ω
V
LDIN=4.5V*1
〈ローディングドライバ〉
出力間電圧F
VOF
−3.1 −2.5 −1.9 出力間電圧R
VOR
出力電圧範囲F
VOMF
2.8
出力電圧範囲R
VOMR
―
出力負荷変動F1
ΔVF1
―
100
500
mV
VCC=8V,LDIN=3.0V
出力負荷変動R1
ΔVR1
―
100
500
mV
I=100→400mA*2
出力負荷変動F2
ΔVF2
―
400
850
mV
VCC=5V,LDIN=OPEN
出力負荷変動R2
ΔVR2
―
400
850
mV
I=100→400mA*2
電源電圧変動F
ΔVFL
−500 ―
500
mV
電源電圧変動R
ΔVRL
−500 ―
500
mV
VOOL
−50 ―
50
mV
ブレーキ時, 出力間電圧
出力オフセット電圧
3.5
―
−3.5 −2.8 VCC=5V→13V,RL=∞
〈コントローラFWD REV端子〉
入力ハイレベル電圧1
VIH1
2.0
―
―
V
FWD(16pin),REV(15pin)
入力ローレベル電圧1
VIL1
―
―
0.5
V
入力端子電圧で規定
入力ハイレベル電流
IIH
―
―
500
μA
VIN=5V
入力ローレベル電流
IIL
―
―
500
μA
VIN=0V
◎耐放射線設計はしておりません。
*1 ローディング入力(19pin)LDINをオープンにしてもVOMF,VOMRは同程度となります。
*2 ΔVF1,ΔVR1は出力がクリップせずに3.0V出力した状態での負荷変動。
ΔVF2,ΔVR2は減電5Vの時に入力をオープンにするため、出力はクリップしています。この状態での負荷変動。
BA5938FM
光ディスク IC
!入出力回路図
3, 20, 25
pin
6.7k
10k
1, 2, 12, 13,
17, 18, 26, 27pin
4, 24
pin
150
10k
15, 16pin
23pin
50k
50k
50k
50k
100k
50k
50k
7pin
158
19pin
126k
50k
BA5938FM
光ディスク IC
!測定回路図
REV
I
15
14
16
13
17
12
18
11
19
10
20
9
21
8
22
7
23
6
24
5
25
4
I
RL'
RL
RL
RL
FWD
RL
LD
DC
Vref
ch3IN
10kΩ
+
10μF AC
OFF
20Ω
NORM
+
100μF
LIP
LIP
1000μF
+
VMUTE
BIAS
OFF
DC
+
DC
AC
RL
26
3
+
10μF
OFF
ch4IN
ch1IN
AC
RL
27
2
28
1
RL
Fig.1
RL
10μF
BA5938FM
光ディスク IC
!測定回路スイッチ表
Switch
Parameter
無信号時消費電流
RL
RL'
LD
LIP
ch1
ch3
ch4
OFF
OFF
OFF
NORM
OFF
OFF
OFF
Conditions
―
〈ローディングドライバ以外のドライバ〉
出力オフセット電圧
ON
ON
OFF
NORM
DC
DC
DC
DC:バイアス電圧
最大出力端子間電圧
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
DC:VCC or 0.7V
閉回路電圧利得
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
DC:バイアス±0.5V
リップルリジェクション
↓
↓
↓
LIP
↓
↓
↓
DC:バイアス電圧
〈ローディングドライバ〉
出力間電圧F
ON
ON
ON
NORM
OFF
OFF
OFF
VFWD=2.0V,VREV=0.7V
出力間電圧R
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
VFWD=0.7V,VREV=2.0V
出力電圧範囲F
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
VFWD=2.0V,VREV=0.7V
出力電圧範囲R
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
VFWD=0.7V,VREV=2.0V
出力負荷変動F
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
VFWD=2.0V,VREV=0.7V
出力負荷変動R
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
VFWD=0.7V,VREV=2.0V
電源電圧変動
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
VFWD=2.0V,VREV=0.7V
電源電圧変動
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
VFWD=0.7V,VREV=2.0V
出力オフセット電圧
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
VFWD=2.0V,VREV=2.0V
入力“H”レベル電圧1
ON
ON
OFF
NORM
OFF
OFF
OFF
―
入力“L”レベル電圧1
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
―
入力“H”レベル電流
OFF
OFF
OFF
↓
↓
↓
↓
―
入力“L”レベル電流
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
―
〈コントローラ端子〉
!動作説明
(1) ドライバ部
サーボプリアンプからのフォーカス・トラッキングのエラー信号、または、モータ系の制御信号が入力となります。
入力信号は通常 2.5V 中心の信号でそれを前段アンプの方で V/I 変換し、入力電圧に対応する電流を発生し、それを
内部リファレンス電圧の部分に抵抗を介して流し込みます。その結果、前段アンプの出力は内部リファレン ス電圧
中心の信号となります。なお、V/I 変換する際に、正相と逆相の 2 系統をつくっており、ドライブバッファを介して
BTL 出力を得ています。
INA
中心信号
Vref
6.7kΩ
V/I
正相出力
OUT B
Rf20kΩ
(Typ.)
RIN
Vref
BIAS
(2.5V)
中心信号
Vref
V/I
逆相出力
OUT A
Rf20kΩ
(Typ.)
Vref
前段アンプ
出力段(ドライブバッファ)
Fig.2
BA5938FM
光ディスク IC
(2) ローディングモータドライバの出力モード切り換え(VCC=8V)
FWD
L
H
L
L
1.7V
16pin
REV
ローディング
図解
L
ハイインピーダンス
Fig. 3
H
リバース
Fig. 4
L
フォワード
Fig. 5
H
ブレーキ
Fig. 6
FWD
15pin
ON
12pin
REV
19pin
0V
Loading input OFF
13pin
16pin
L
15pin
H
Loading motor
FWD
−2.5V
Loading input OFF
Fig.3
H
L
1.7V
16pin
15pin
FWD
ON
12pin
13pin
16pin
H
2.5V
Loading input OFF
13pin
Loading motor
Fig.4
REV
19pin
12pin
REV
19pin
1.7V
ON
Loading motor
15pin
H
19pin
1.7V
FWD
ON
12pin
REV
0V
Loading input OFF
Fig.5
13pin
Loading motor
Fig.6
注)ローディングドライバのゲインは、約3.5dBとしています。
(3) ローディングモータドライバの電圧設定(例 : フォワードモード)
F
12pin(Loading positive output)
19pin
1.7V
2.5V
13pin(Loading negative output)
R
Internal Vref
BA5938FM
入力電圧≒出力電圧×1.5
Fig.7
※ローディングドライバの出力電圧を設定される場合、使用電源電圧に対応する最大出力電圧を超えて設定しても、
出力は最大出力電圧以上にはなりません。
最大出力電圧以外に設定される場合のみ上記の例が適用できます。また、ローディング入力(19pin)をオープンに
することで使用電源電圧に対応する最大出力電圧が出力されます。
BA5938FM
光ディスク IC
!応用例
REVERSE
SLED
FORWARD
CONTROLLER
BIAS
FOCUS
TRACKING
SERVO PRE MAP
SLED MOTOR
TRACKING
COIL
VCC 1
VCC 3
28
27
26
25
24
23
22
21
20
19
18
17
16
15
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
MUTE
FOCUS
COIL
VCC 2
ON−HIGH
OFF−LOW
LOADING MOTOR
Fig.8
!使用上の注意
(1) BA5938FM では、サーマルシャットダウン回路を内蔵しています。
チップ温度が、175°C(Typ.)になると、出力電流がミュートされ、再びチップ温度が、150°C(Typ.)になると、
ドライバ部回路が立上がります。
(2) バイアス端子(23pin)は、1.0V(Typ.)以下になるとミュートが掛かります。
通常使用状態では 1.4V 以上、6.5V 以下にしてください。
(3) ミュート端子(7pin)電圧を 2.0V 以上にプルアップすると、ch1, 4 の出力電流をミュートすることができます。
通常使用状態では、7pin をオープン、または、0.5V 以下にしてください。
下図にハイインピーダンスミュートのタイミングチャートを示します。
2V
VCC=12V
BIAS=1.7V
Vout=Vomax
RL=8Ω
Vmute
0V
7pin
50k
50k
tm
Vomax
Vout
0.5mV
0V
tm≦125μs
ミュート端子等価回路図
(4) サーマルシャットダウン、ミュート ON、及び、パイアス端子電圧の低下で、ミュートが掛かりますが、そのい
ずれの場合も、ドライバ部以外はミュートされません。
また、出力端子は、内部バイアス電圧(およそ、
(VCC-VF)/ 2)になります。
(5) 供給電源間には、この IC の根元にパスコン(0.1µF 程度)を、付けてください。
(6) 放熱フィンは、パッケージ内部で GND につながっていますが、外部の GND とつないでください。
BA5938FM
光ディスク IC
PCB(70mm×70mm、厚さ1.6mm、
ガラスエポキシ、銅箔占有率3%未満)
基板実装時
3
2
1
0
0
25
50
75
100
125
150
AMBIENT TEMPERATURE:Ta(℃)
LOADING OUTPUT VOLTAGE:VLOUT(V)
VIN=VBIAS=2.5V
RL=8Ω
ch1
20
ch4
10
ch3
0
−10
−20
−30
5
6
7
8
9
10 11 12 13 14 15
POWER SUPPLY VOLTAGE:VCC(V)
Fig.9 熱軽減率曲線
8
7
6
5
4
3
2
1
0
−1
−2
−3
−4
−5
−6
−7
−8
30
Fig.10 電源電圧―出力オフセット電圧
RL=∞
VCC=8V
20Ω
16Ω
12Ω
4Ω 8Ω
Forward
Reverse
4Ω 8Ω
12Ω
16Ω
20Ω
0
1
2
3
RL=∞
4
5
6
LOADING INPUT VOLTAGE:VLIN(V)
Fig.12 ローディングドライバ入出力特性
外形寸法図(Unit: mm)
!外形寸法図
18.5±0.2
1
14
0.11
2.2±0.1
5.15±0.1
0.25±0.1
9.9±0.3
15
7.5±0.2
28
0.8
0.35±0.1
0.3Min.
0.15
HSOP-M28
OUTPUT VOLTAGE:VO(V)
OUTPUT OFFSET VOLTAGE:VOFF(mV)
POWER DISSIPATION:Pd(W)
!電気的特性曲線
8
7
6
5
4
3
2
1
0
−1
−2
−3
−4
−5
−6
−7
−8
−2
VCC=8V
VBIAS=2.5V
4Ω
−1
0
RL=∞
20Ω
16Ω
12Ω
8Ω
1
INPUT VOLTAGE:VIN(V)
Fig.11 ch1,3,4入出力特性
2