磁石可動型高速垂直可動アクチュエーター

新製品紹介
磁石可動型高速垂直可動アクチュエーター
Moving Magnet High-Speed Vertical Motion Linear Actuator
Moving magnet linear actuator
2
電子回路基板の穴あけ装置や,部
ニアモーターの採用も検討されてき
力加速度(9.8 m/s )の 30 倍と高
品をつかんで所定の位置に置くピッ
たが,可動子質量が大きいため,応
出力。
クアンドプレース型ロボットの移動
答速度が十分ではない(図2)。
装置には,重力方向(垂直軸,Z軸)
(2)電機子は駆動時に磁気飽和が起
開発したアクチュエーターは可動
こりにくく,推力と駆動電流の比
のアクチュエーター(移載機)が用
子磁石側にヨーク(継鉄)を持たな
率の直線性が優れているため,位
いられる。日立金属は,可動子が軽
い構造であるため,可動子が軽量で
置制御時の負帰還を大きく設定で
量で電機子捲き線の電気抵抗が小さ
ある。また,垂直移動では常に可動
き,高速応答と高い位置決め精度
く発熱の少ない垂直軸駆動に適した
部支持のために駆動電力を印加する
の双方に有利である。(図3)
アクチュエーターを開発した。その
必要があるが,その電機子捲き線の
(3)電機子捲線は各相で一括集中捲
構造を図1に示す。
電気抵抗が小さいため発熱が抑制さ
きとしたので,捲線の電気抵抗は
垂直軸用アクチュエーターは,水
れ冷却機構が不要となる。さらに独
同推力の個別捲きリニアモーター
平軸(X軸,Y軸)用のそれと異な
自の固定子側磁気回路形状により駆
に比べ約 1/3 であり,よって駆動
り常に可動部分の重量を支える。こ
動時における部分的な磁気飽和を抑
時の発熱を約 1/3 に抑制すること
のため一般には垂直軸に位置の保持
えた構造である。同規模の従来型試
が容易な,ボールねじ駆動(回転型
作品との特性を表1に比較して示す。
1. 特 長
磁気効率が高く,同推力の他方式
運動に変える駆動方法)が用いられ
(1)磁石可動型により産業機器に多
てきた。しかし同方法は移動速度が
く用いられる電機子可動型リニア
遅く高速化要求には不利であった。
モーターと比べ可動子質量が 1/6
高速化を目的として電機子可動型リ
程度と小さく,無負荷加速度が重
電機子コア
可動子磁石
可動子
シャフト
図1 垂直軸用磁石可動型アクチュエーターの構造と外観
(a)電機子コア断面形状(b)単相ユニット構成
(c)アクチュエーター外観
Fig. 1 Structure and appearance of a vertical motion actuator
a cross-sectional shape of (a) armature core (b) single
phase unit configuration and (c) appearance
表1 定格 500 N 級リニアアクチュエーターの性能比較
Table 1 Characteristic comparison of 500 N thrust class linear
actuators
性 能 項 目
本製品
従来型比較品*3
Response frequency(Hz)
電機子捲き線
電子部品
部品
実装装置
10 -3
電機子
電
電機子可動型
機子
子
子可動
型リニアモーター
タ
加速
度=
重力
加速
度
ピック&
プレース
ス
の10
倍
半導体液晶検査装置 加速度
=重
力加
速度
10 -1
10 -2
10 -1
Moving stroke(m)
1
10
出展:社内営業情報をもとに作成
図2 垂直軸リニアモーターの用途と要求性能
Fig. 2 Applications and required specifications of vertical
motion linear motors
500
100
450
90
推力比例限*1 375N
400
推力
コイル起電力
推力定数
350
300
230
500_@14
600_@20
推力体格比(kN/m3)
200
190
可動子質量(kg)
0.6
4.0
50
ディテント力*1(Nrms)
2.5
2.0
0
コイル捲き線抵抗(相間;Ω)
2.3
7.0
推力定数 *2(N/Arms)
72
60
*1 ディテント力:駆動電力を印加しない状態で可動子を移動させたときに,移動方向に平
行な方向に発生する脈動応力の実効値
*2 推力定数:モーターに駆動電流を印加し,発生した推力を駆動電流の実効値で除した値
*3 従来型比較品:両側磁石型固定子−電機子可動型で作製した評価用試作品の値
磁石可動
磁石可動型
可 型リニアモーター
タ
穴あ
あけ
抵抗溶接
接
375
最大推力(N_@駆動電流;A)
ワイ
イヤー
ボンダー
1
100×60×200
推力比例限(N/A値-1dB)
(NEOMAX カンパニー)
VCM
V
CM
C 回路基板
回 基板
10
94×85×230
電機子外形(幅×高さ×長さ;㎜)
磁力比が約 30 %高い。
10 2
(c)
推力(N)
・コイル起電力(V)
(b)
のリニアモーターに比べて推力起
250
70
60
50
1dB
200
80
40
150
30
*2
100
推力定数(N/A)
モーターの出力をボールねじで平行
(a)
が期待できる。
(4)電機子の漏洩磁束が少ないため
20
10
0
0
2
4
6
8
10
12
14
駆動電流(A)
*1 推力比例限:推力定数が1 dB(11 %)低下するときの推力
*2 コイル起電力:移動速度0.5 m/s時の単相分の起電力
図3 垂直軸用磁石可動型高速アクチュエーター試作品の性能
Fig. 3 Example of thrust characteristics of a vertical motion actuator
日立金属技報 Vol. 26(2010) 71