全ての製品 758KB (2010/05/13) - シチズン電子

LEDは使用に際してその特性をよく理解していただき、
ご希望に適した製品をお選びください。
CONTENTS
1. はじめに
P.2
2. 絶対最大定格
P.2
3. 電気光学特性
P.3
4. 色度座標
P.4
5. 全光束の電流依存性
P.4
6. 色度の電流依存性
P.5
7. 放熱特性
P.5
8. 全光束の温度依存性
P.6
9. 色度の温度依存性
P.6
10. リファレンス
P.6
使用条件の設定は、
すべての項目で最大定格の順守を。
1.
はじめに
特性理解の重要性について
LEDを使用する上で、その特性を理解することは非常に重要です。諸特性については仕様書を中心とした技術資料として提供されて
います。今回はCL-L251-C4Nの仕様書を元にして、LEDの主な特性について説明します。本資料に掲載されている諸特性は一例であ
り、実際にLEDを使用される際には、各製品の仕様書の内容を確認してください。
2.
絶対最大定格
全項目を限界値以下に
表1はCL-L251-C4Nの絶対最大定格です。絶対最大定格とは、超えてはいけない限界値を意味します。複数の項目が存在する場
合は、たとえ1つの項目であっても限界値を超えてはいけません。仮にこれらの値をオーバーした場合、LEDが深刻なダメージを受け
て寿命が短くなったり、破壊されたりする危険性があります。
LEDの使用条件を設定する際には、
どのような場合でも絶対最大定格を超えないようにマージンを設けてください。
■表1 絶対最大定格
項目
許容損失
記号
最大定格
単位
Pd
5.9
W
A
順電流
IF
0.56
パルス順電流
IFP
0.8
A
逆電流
IR
1
mA
動作温度範囲
TOP
-30~+85
°C
保存温度範囲
TST
-40~+100
°C
TjMax
120
°C
ジャンクション温度
*1 パルス順電流 : Duty 1/10, Pul se Wi dth 10msec
*2 D.C. 通電時 : Tj=Tc+Rj-c・Pd
パルス.通電時 : Tj=Tc+Rj-c・Pw(1パルスあたりの損失)
・duty
*1
*2
LEDの性能、信頼性を左右する、
基本特性の理解が設定の基本となります。
3.
電気−光学特性
最も基本となる重要な特性について
表2はCL-L251-C4Nの電気-光学特性です。
これらはLED
数値が低いほど熱を伝えやすく放熱性が高くなります。
の最も基本的な特性です。
全光束は、LEDから出力される光の総量であり、明るさを示
順方向電圧 : Vfは、点灯に必要な電圧値です。図1のように、
しています。LEDの最も重要な特性といえます。
Vfは順方向電流 : Ifの値に応じて変化しますが、Vfがわずか
平均演色評価数は、ある物体に光を照射した時、その物体
に変化しただけでIfが大きく変化することに注意が必要です。
の 色 が 正しく表 現 されるかどうか の 指 標 です。基 準 光 は
逆電流は、逆方向に電圧をかけた場合に流れる電流です。
Ra=100であり、基準光から離れるほど数値が下がります。
こ
LEDには極性があり、電流は逆方向にはほとんど流れません。
の製品はRa=65と高くはありませんが、
これは高い発光効率
極性を間違えて使用するとLEDが破損しますので十分に注意
を優先するためです。
シチズン電子では演色性が高い製品もラ
をしてください。
インナップしていますので、用途に応じてご選択いただけます。
熱抵抗は、LEDパッケージの放熱性能を示しています。
この
(Tc=25°C)
記号
条件
MIN
TYP
MAX
単位
順方向電圧
VF
IF=480mA
8.75
9.30
10.5
V
逆電流
IR
VR=15V
-
-
100
µA
熱抵抗
RJ-C
Junction-case
-
6.0
-
°C/W
全光束
φv
IF=480mA
340
425
-
Im
Ra
IF=480mA
-
65
-
-
項目
平均演色
評価数
■図1 順電流と順電圧 Tc=25°C
9.6
9.4
9.2
VF (V)
■表2 電気-光学特性
9.0
8.8
8.6
8.4
8.2
0
100
200
300
If (mA)
400
500
600
ご希望の色度や光量に応じて、
製品ラインナップから選択してください。
4.
色度座標
機種によって異なる色度範囲
機種に応じていくつかの色度範囲を規定しております。
さら
を示します。
この色度範囲はエネルギースター規格で規定され
に、同機種でも色度により異なる色度範囲を規定しておりま
るL1色度範囲(破線部)
よりも狭いマクアダム楕円3-step内
す。図2aはCL-L251-MC4N1-C(高発光効率タイプ)に関す
に規定されています。
る色度範囲を示します。
この色度範囲はエネルギースター規格
他にもいくつかのカラーバリエーションを揃えております。詳
で規定されるN1色度範囲に準拠しています。また、図2bは同
細は仕様書や
「色度範囲」
の資料を確認してください。
機種で色度が異なるCL-L251-MC4L1-Cに関する色度範囲
0.44
0.38
0.43
0.37
0.42
0.36
0.41
0.35
0.40
0.34
0.39
0.33
0.38
0.32
0.32
5.
■図2b マクアダム楕円3-step
0.39
y
y
■図2a エネルギースター規格
0.33
0.34
x
0.35
0.36
0.37
0.37
0.41
0.42
0.43
0.44
x
0.45
0.46
全光束の電流依存性
順電流の厳密な制御が必須
図3はCL-L251-C4NのIfと全光束比の関係を示してい
■図3 順電流と全光束比
ます。
このグラフでわかるように、LEDから出力される光の量
はIfに応じて変化します。照明器具の性能を安定させるため
1.0
定電流駆動方式を採用することを推奨します。詳細は技術情
報の「駆動方式」の資料を参照してください。
なお、Ifの値は許容値を超えない範囲であれば、必要な光
量に応じて変えることができます。許容値は温度によって変
化しますが、
これは後述します。
φV (a.u)
にも、Ifを厳密に制御することが必要となります。
また、Vfは温度によって変化しますので、LEDの制御には
Tc=25°C
1.2
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
0
100
200
300
If (mA)
400
500
600
温度により、発光効率と色度が変化します。
効率的な放熱システムが重要です。
6.
色度の電流依存性
■図4 順電流と色度座標
Tc=25°C
0.020
0.015
Ifに依存して色度が変化することに注意してください。図4
はCL-L251-C4NのIfと色度の変化量の関係を示していま
す。If = 4 8 0 m Aを基準とした場合、If=100mAでは色度はx
が+0.003、yが+0.007変化することを意味しています。
Δx,Δy
順電流に依存して変化する色度
0.010
0.005
0.000
-0.005
-0.010
Δx
-0.015
Δy
-0.020
0
100
200
300
400
500
600
If (mA)
7.
放熱特性
放熱は使用時の必須要件
熱はLEDに対して様々な悪影響を及ぼします。LEDは発
Tc = 120−( 6 ・ 0.56 ・ 9.3 )
光 時にそれ自身が発 熱するため、熱を効 率良く分 散させて
= 89°C
LEDの温度を下げる放熱システムを設計することが特に重
となります。
これは即ち、Tc=89℃の時にIf=0.56Aで使用す
要です。ヒートシンクを使用して放熱を行うのが代表的な例
るとTj=120℃になるということを意味しています。
です。
「 放熱設計」の資料にシチズン電子製の照明用LEDを
Tc 㱡 8 9℃の範 囲では、許 容 電 流はI fの絶 対 最 大 定 格に
モデルにした放熱システムのシミュレーション結果を掲載し
よって制限されIf=0.56Aとなります。
ていますので、放熱システムの設計をする際に参考にしてく
一方、Tc>89℃の範囲では、Tjの絶対最大定格によって
ださい。
制限されます。この時の許容電流は式②となり、ケース温度
続いて、熱がLEDの特性に与える影響について説明します。
が高くなるほど許容電流が小さくなります。
図5はCL-L251-C4Nのケース温度:TcとIfの許容値の関係
If = ( Tj−Tc ) / ( Rj−c ・ Vf )
を示しています。
この許容値は各パラメータが絶対最大定格
= ( 120−Tc ) / ( 6 ・ 9.3 )
= 2.15−( 0.018 ・ Tc )…②
を超えない値となっています。
下記のようにジャンクション温度:Tjを求める計算式からIfと
■図5 ケース温度と順電流
600
Tcの関係式を求めることができます。
= Tj−( Rj−c ・ If ・ Vf )…①
2頁の表1「絶対最大定格」に示されるIf( 0.56A)、Tj Max
(120℃)及び、0.56A時のVf( 3頁図1より9.3v)を式①に
代入すると、
IF (mA)
Tc = Tj−( Rj−c ・ Pd )
89°C
500
Tj = ( Rj−c ・ Pd ) + Tc
400
Ifの絶対最大定格
300
式②
200
100
0
0
25
50
Tc (°C)
75
100
125
温度により、発光効率と色度が変化します。
8.
全光束の温度依存性
■図6 ケース温度と全光束比
If=480mA
110%
温度が上がるほど発光効率は低下
100%
あ り ま す 。図 6 は I f = 4 8 0 m A を 一 定 と し た 条 件 で 、
CL-L251-C4Nのケース温度と全光束比の関係を示してい
φV (a.u)
LEDは温度が上昇するほど、発光効率が低下する性質が
ます。Tc=100℃では、Tc=25℃と比較してφvが約82%に
90%
80%
70%
低下してしまいます。LEDの発光効率を高く保つためには、
60%
ヒートシンク等を使用して放熱を行い、LEDのケース温度を
できるだけ低くする必要があります。LED照明の設計を行う
50%
ときは、熱による全光束の低下を考慮してください。
9.
色度の温度依存性
ています。Tc=100℃まで上昇した場合、色度はTc=25℃の
ときと比較してxが+0.001、yが+0.005変化しています。
40.0
60.0
80.0
100.0
120.0
■図7 ケース温度と色度座標
If=480mA
0.020
0.015
0.010
Δx,Δy
LEDは温度によって光の色度が変化することにも注意して
CL-L251-C4Nのケース温度と色度の変化量の関係を示し
20.0
Tc (°C)
温度によって色度も変化
くだ さ い 。図 7 は I f = 4 8 0 m A を 一 定 と し た 条 件 で 、
0.0
0.005
0.000
-0.005
-0.010
Δx
-0.015
Δy
-0.020
0.0
20.0
40.0
60.0
Tc (°C)
10. リファレンス
〈シチズン電子 照明LED Webサイト〉
製品一覧:http://ce.citizen.co.jp/lighting_led/jp/products/index.html
技術情報:http://ce.citizen.co.jp/lighting_led/jp/technology/index.html
80.0
100.0
120.0
あるいは、使用できな
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