LTC1540 - リファレンス付きナノパワー・コンパレータ

LTC1540
LTC1540
リファレンス付き
ナノパワー・コンパレータ
特長
概要
■
LTC®1540はリファレンスを内蔵する超低消費電力シン
グル・コンパレータです。このコンパレータは全コマー
シャル温度範囲で0.6µA未満の電源電流、1.182V±2%の
リファレンス、プログラム可能なヒステリシス、電流をシ
ンクおよびソースできるTTL/CMOS出力を備えていま
す。リファレンス出力は、0.01µFまでのバイパス・コンデ
ンサを発振を起こさずにドライブすることができます。
■
■
■
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■
超低消費電流:0.3µA標準
リファレンス出力は0.01µFのコンデンサをドライブ
調整可能なヒステリシス
広い電源電圧範囲:2V∼11V
入力電圧範囲は負電源まで可能
リファレンス出力は1mAまでソース可能
TTL/CMOSコンパチブル出力
伝搬遅延:60µs(10mVのオーバードライブ)
クローバ電流なし
40mAの連続ソース電流
LTC1440、MAX921、MAX931とピン・コンパチブル
アプリケーション
■
■
■
■
バッテリ駆動システムのモニタ
スレッショルド検出器
ウィンドウ・コンパレータ
発振回路
コンパレータは単一2V∼11V電源または±1V∼±5.5V
両電源で動作します。コンパレータ・ヒステリシスは、
2本の抵抗とHYSTピンで簡単にプログラム可能です。
各コンパレータの入力動作範囲は、負電源から正電源の
1.3V以内です。コンパレータの出力段は最大40mAを連
続してソース可能です。コンパレータが論理状態を変え
たときに一般に発生する交差伝導電流をなくすことによ
り、電源グリッチを除去しています。
LTC1540は8ピンMSOPおよびSOパッケージで供給され
ます。
、LTC、LTはリニアテクノロジー社の登録商標です。
標準的応用例
ナノパワー2.9V VCCスレッショルド検出器
LTC1540電源電流と温度
3.3V
R2
3M
1%
0.50
7
V+
3 IN +
LTC1540
0.45
+
8
4 IN–
–
5 HYST
6 REF
OUT
SUPPLY CURRENT (µA)
R1
4.32M
1%
V + = 5V
V – = GND = 0V
0.40
0.35
0.30
0.25
0.20
V–
2
0.15
–40 –20
GND
1
40
20
60
0
TEMPERATURE (°C)
80
100
1540 • TA02
1540 • TA01
10-20
LTC1540
絶対最大定格
電圧
V+∼V−、V+∼GND、GND∼V− ......... 12V∼−0.3V
IN+、IN−、HYST ............(V++0.3V)∼(V−−0.3V)
REF ..................................(V++0.3V)∼(V−−0.3V)
OUT ..............................(V++0.3V)∼(GND−0.3V)
電流
IN+、IN−、HYST ............................................. 20mA
REF ................................................................... 20mA
OUT .................................................................. 50mA
OUT短絡時間(V+ ≤ 5.5V)....................................... 連続
消費電力 ............................................................. 500mW
動作温度範囲
LTC1540C.................................................. 0℃∼70℃
LTC1540I ............................................. −40℃∼85℃
保存温度範囲 ......................................... −65℃∼150℃
リード温度(半田付け、10秒)............................... 300℃
パッケージ/発注情報
ORDER PART
NUMBER
TOP VIEW
GND 1
8
OUT
V– 2
7
V+
3
6
REF
IN – 4
5
HYST
IN +
GND
V–
IN +
IN –
LTC1540CS8
LTC1540IS8
S8 PART MARKING
S8 PACKAGE
8-LEAD PLASTIC SO
1
2
3
4
8
7
6
5
OUT
V+
REF
HYST
LTC1540CMS8
MS8 PACKAGE
8-LEAD PLASTIC MSOP
MS8 PART MARKING
TJMAX = 125°C, θJA = 250°C/ W
1540
1540I
TJMAX = 125°C, θJA = 175°C/ W
ORDER PART
NUMBER
TOP VIEW
LTCE
ミリタリ・グレードに関してはお問い合わせください。
電気的特性 注記がない限り、V+=5V、V−=GND=0V、TA=25℃
SYMBOL PARAMETER
CONDITIONS
MIN
TYP
MAX
UNITS
11.0
V
0.68
0.71
µA
µA
±12
±15
±16
mV
mV
mV
±1.0
±1.0
nA
nA
Power Supply
V+
ICC
Supply Voltage Range
Supply Current
●
IN + = IN –
= 80mV, HYST = REF, C-Grade
IN + = IN – = 80mV, HYST = REF, I-Grade
2.0
0.3
●
●
Comparator
VOS
Comparator Input Offset Voltage
VCM = 2.5V
●
●
LTC1540CMS8
IIN
Input Leakage Current (IN +, IN –)
Input Leakage Current (HYST)
VCM
Comparator Input Common Mode Range
VIN + = VIN – = 2.5V
●
to V +
±0.01
±0.02
●
●
V–
V + – 1.3V
V
CMRR
Common Mode Rejection Ratio
V–
– 1.3V
0.1
1
mV/V
PSRR
Power Supply Rejection Ratio
V + = 2V to 11V
0.1
1
mV/V
VHYST
Hysteresis Input Voltage Range
tPD
Propagation Delay
COUT = 100pF
VOH
Output High Voltage
IO = – 13mA
●
VOL
Output Low Voltage
IO = 1.8mA
●
● REF – 50mV
Overdrive = 10mV
Overdrive = 100mV
REF
V
µs
µs
60
50
V + – 0.4V
V
GND + 0.4V
V
10-21
10
LTC1540
電気的特性 注記がない限り、V+=5V、V−=GND=0V、TA=25℃
SYMBOL PARAMETER
Reference
Reference Voltage
VREF
∆VREF
Load Regulation
CONDITIONS
(SO-8) No Load
Commercial Temp Range
Industrial Temp Range
LTC1540CMS8
0 ≤ ISOURCE ≤ 1mA
0 ≤ ISINK ≤ 10µA
●
●
●
MIN
TYP
MAX
UNITS
1.158
1.152
1.156
1.182
1.182
1.182
0.5
0.5
1.206
1.212
1.208
2.5
1.5
5
V
V
V
mV
mV
mV
MIN
TYP
MAX
UNITS
11
V
0.28
0.61
0.64
µA
µA
±12
±15
±16
mV
mV
mV
±1
±1
nA
nA
V + – 1.3V
V
●
●
注記がない限り、V+=3V、V−=GND=0V、TA=25℃
SYMBOL PARAMETER
CONDITIONS
Power Supply
V+
Supply Voltage Range
ICC
Supply Current
●
IN + = IN – = 80mV, HYST = REF, C-Grade
IN + = IN – = 80mV, HYST = REF, I-Grade
2
●
●
Comparator
VOS
Comparator Input Offset Voltage
VCM = 2.5V
●
●
LTC1540CMS8
IIN
Input Leakage Current (IN +, IN –)
Input Leakage Current (HYST)
VCM
Comparator Input Common Mode Range
VIN + = VIN – = 1.5V
●
to V +
±0.01
±0.02
●
●
V–
CMRR
Common Mode Rejection Ratio
V–
– 1.3V
0.1
1
mV/V
PSRR
Power Supply Rejection Ratio
V + = 2V to 11V
0.1
1
mV/V
VHYST
Hysteresis Input Voltage Range
tPD
Propagation Delay
COUT = 100pF
VOH
Output High Voltage
IO = – 8mA
●
VOL
Output Low Voltage
IO = 0.8mA
●
Reference Voltage
(SO-8) No Load
● REF – 50mV
Overdrive = 10mV
Overdrive = 100mV
REF
V
µs
µs
70
60
V + – 0.4V
V
GND + 0.4V
V
1.182
1.182
1.182
1.206
1.212
1.208
V
V
V
0.75
3.5
mV
0.5
1.5
5
mV
mV
Reference
VREF
∆VREF
Load Regulation
Commercial Temp Range
Industrial Temp Range
LTC1540CMS8
●
●
●
0 ≤ ISOURCE ≤ 1mA
●
0 ≤ ISINK ≤ 10µA
●
● は全動作温度範囲の規格値を意味する。
10-22
1.158
1.152
1.156
Note 1:MS8パッケージ・デバイスは、コマーシャル温度範囲の仕様に適合す
るように設計されているが、0℃ではテストされていない。
LTC1540
標準的性能特性
電源電流と温度
0.5
1.190
V + = 5V
V – = GND = 0V
0.3
V + = 2V
V – = GND = 0V
0.2
0.1
0
– 60 – 40 –20 0 20 40 60
TEMPERATURE (°C)
80
100
8
1.186
7
1.184
1.182
1.180
1.178
2
1
0
80
コンパレータ出力電圧“H”
と負荷電流
TA = 25°C
2.0
OUTPUT VOLTAGE (V)
OUTPUT VOLTAGE (V)
3
V+ = 3V
2
0
10
20 30 40 50 60
LOAD CURRENT (mA)
1540 G04
120
60
60
55
45
40
20
35
30
1
2
3 4 5 6 7 8
SUPPLY VOLTAGE (V)
9
10
1540 G07
tPLH
50
40
0
20 30 40 50 60
LOAD CURRENT (mA)
70
80
1540 G06
10
80
65
OUTPUT
CONNECTED
TO V +; SINK
CURRENT
10
ヒステリシス制御
TA = 25°C
75 V + = 5V
V – = GND = 0V
70
100
80
0
80
80
TIME (µs)
140
70
コンパレータ応答時間
と入力オーバドライブ
TA = 25°C
OUTPUT
CONNECTED TO
– = GND = 0V;
V
SOURCE
CURRENT
1.0
1540 G05
コンパレータ短絡電流と電源電圧
160
V+ = 2V
1.5
0
0
4
V+ = 5V
V+ = 3V
0.5
V+ = 2V
DIFFERENTIAL INPUT VOLTAGE (V)
∆VREF (mV)
コンパレータ出力電圧“L”
と負荷電流
4
0
40
2.5
1
180
10 15 20 25 30 35
OUTPUT SINK CURRENT (µA)
1540 G03
V+ = 5V
3
2
1
OUTPUT SOURCE CURRENT (mA)
5
1540 G02
1
CURRENT (mA)
0
TA = 25°C
2
0
100
5
3
200
4
1.172
20 40 60
– 60 – 40 – 20 0
TEMPERATURE (°C)
V + = 5V
V – = GND = 0V
TA = 25°C
0
5
1.174
リファレンス電圧
ロード・レギュレーション(ソース)
4
6
3
1.176
1540 G01
5
V + = 5V
V – = GND = 0V
TA = 25°C
9
∆VREF (mV)
V + = 3V
V – = GND = 0V
10
V + = 5V
V – = GND = 0V
1.188
REFERENCE VOLTAGE (V)
SUPPLY CURRENT (µA)
0.4
リファレンス電圧
ロード・レギュレーション(シンク)
リファレンス電圧と温度
tPHL
60
40
20
0
– 20
– 40
– 60
– 80
10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110
INPUT VOLTAGE (mV)
1540 G08
0
10
20
30
VREF – VHYST (mV)
40
50
1540 G09
10-23
LTC1540
ピン機能
GND(ピン1):グランド。単一電源動作ではV− に接続
します。
V−(ピン2):負電源。電位はGNDより負にしてくださ
い。単一電源動作の場合はグランドに接続します。
V+(ピン7):正電源の動作電圧は2V∼11Vです。
OUT(ピン8):コンパレータCMOS出力。GNDからV+
に振幅します。出力は最大40mAをソースし、5mAをシ
ンク可能です。
(ピン3)
:コンパレータの非反転入力。
V−からV+−1.3V
IN+
の同相入力電圧範囲、
入力電流は25℃で標準10pAです。
IN−
(ピン4)
:コンパレータの反転入力。V−からV+−1.3V
の同相入力電圧範囲、入力電流は25℃で標準10pAです。
1
HYST
(ピン5)
:ヒステリシス入力。使用しない場合はREF
に接続します。
入力電圧範囲はVREFからVREF−50mVです。
REF(ピン6):リファレンス出力。V−を基準に1.182Vで
す。25℃で最大1mAをソースし、最大10µAをシンク可
能です。発振を起こさずに0.01µFバイパス・コンデンサ
をドライブします。
GND
LTC1540
–
2 V
OUT 8
V+
7
+
3 IN+
–
4 IN
–
REF 6
HYST
5
1540 • PD
アプリケーション情報
LTC1540は1.182Vリファレンス内蔵のナノパワー・コン
パレータです。プログラム可能なヒステリシス、広い電
源範囲(2V∼11V)、最大0.01µFコンデンサを発振を起こ
さないでドライブするリファレンス性能などの特長を備
えています。コンパレータのCMOS出力は最大40mAを
ソース可能で、ロジック状態が切り換わるときに一般に
発生する電源電流グリッチが除去されています。
電源
このコンパレータは単一2V∼11V電源で動作します。
LTC1540はコンパレータ出力段用に独立したグランドを
備えており、±1V∼±5.5Vの両電源での動作が可能で
す。また、V−をGNDに接続すると、単一電源での動作
が可能になります。コンパレータ出力が1mA以上ソース
する必要がある場合、または電源のソース・インピーダ
ンスが高い場合は、0.1µFコンデンサでV+をバイパスし
なければなりません。
コンパレータ入力
コンパレータ入力は、負電源(V−)から正電源(V+)の最
大1.3V以内まで振幅可能です。入力を300mVだけV− ま
たはV+より低くまたは高くしても損傷を受けません。
また、標準の入力リーク電流はわずか±10pAです。
10-24
コンパレータ出力
コンパレータ出力はGNDからV+まで振幅し、両電源で
のTTL互換性を保証します。消費電流をナノアンペアの
オーダーに抑えながら、出力は最大40mAをソースし、
最大5mAをシンクすることができます。出力段は遷移中
にクローバ・スイッチ電流を発生しないため、電源ピン
を通した寄生帰還を抑えるのに役立ちます。
電圧リファレンス
内 部 バ ン ド ギ ャ ッ プ 電 圧 リ フ ァ レ ン ス は 、 V− よ り
1.182V高くなっています。リファレンスの精度は0℃∼
70℃で±2.0%です。5V電源で最大1mAをソースし、最
大10µAをシンクすることができます。リファレンスは
発振することなく、最大0.01µFのバイパス・コンデンサ
をドライブできます。また、直列抵抗を挿入すれば、最
大10µFの容量値まで使用できます(図1)。
図2に決定的なダンピングを達成するための各コンデン
サ値に対する所要抵抗値を示します。リファレンスをバ
イパスすれば、V+でのグリッチやリファレンス負荷過
渡信号がリファレンス出力電圧を乱すのを防ぐことに
よって、コンパレータが誤ってトリップするのを防ぐの
に役立ちます。
LTC1540
アプリケーション情報
REFERENCE
OUTPUT
7
V+
REF
R1
3 IN +
LTC1540
LTC1540
+
8
C1
4 IN–
–
V–
5V
TO
8V
1540 • F01
OUT
5 HYST
R2
10k
6 REF
図1. リファレンス出力のダンピング
R3
2.4M
R1
430Ω
RESISTOR VALUE (kΩ)
1000
V–
C1
1µF
GND
2
1
100
1540 • F03a
図3a. 電源過渡テスト回路
10
1
8V
V+
0.01
0.1
1
CAPACITOR VALUE (µF)
10
1540 • F02
図2. ダンピング抵抗とバイパス・コンデンサ値
V+ ピンに矩形波を印加したときのバイパスされたリ
フ ァ レ ン ス の 出 力 を 図 3に 示 し ま す 。 抵 抗 R2と R3は
10mVのヒステリシスを設定し、R1はリファレンスの
応答を減衰させます。コンパレータの出力はトリップし
ないことに注意してください。
5V
2mV/DIV
0.1
0.001
VREF
OUT
2ms/DIV
図3b. 電源過渡の除去
5
低電圧動作:V+=1.6V
10
V – = GND = 0V
IN+ = 0V
IN – = REF = HYST
TA = 25°C
4
SUPPLY CURRENT (µA)
保証されている最小動作電圧は2V(または±1V)です。
全電源電圧が2Vより低くなるにつれ、性能が低下し、
電源電流も低下します。電源電圧が低いと、コンパレー
タの出力ドライブが低下し、伝搬遅延が増加します。
VREFとVOSも、やや悪化します。有効な入力電圧の範囲
は負電源から正電源より0.9V低い電位までです。2V以
下の動作が予測される試作品は、全温度範囲および全電
源電圧範囲でテストしてください。電源電流が増加する
ため、1.5V以下の動作は推奨しません(図4)。
1540 F03b
3
2
1
0
0
0.5
1.5
2.0
1.0
SUPPLY VOLTAGE (V)
2.5
1540 F04
図4. 電源電流と電源電圧
10-25
LTC1540
アプリケーション情報
ヒステリシス
REFピンとHYSTピンの間に抵抗(R1)を接続し、HYST
からV− に2本目の抵抗(R2)を接続すれば、LTC1540に
ヒステリシスをもたせることができます(図5)。
じます。ヒステリシス幅は15%まで変化する可能性があ
ります。ヒステリシスが不要な場合は、HYSTピンをREF
に短絡してください。IREF範囲の許容値は0.1µA∼5µAで
す。したがって、R2に2.4Mを選択すれば、R1
( kΩ)=
(mV)
となります。
VHB
上側および下側のスレッショルド電圧の差、つまりヒス
テリシス電圧幅(VHB)は、REFピンとHYSTピン間の電圧
差の2倍になります。
6
IREF
LTC1540
R1
5
HYST
R2 =
(
V–
2
R2
さらにヒステリシスを追加すると、下位スレッショルド
が低下するのと同じ量だけ上位スレッショルドが上昇し
ます。REFピンとHYSTピンとの間で許容される最大電
圧は50mVで、100mVの最大ヒステリシス電圧幅を生
VHB
(2)(IREF)
R1 =
REF
1.182V –
VHB
2
)
IREF
1540 • F05
図5. プログラム可能なヒステリシス
標準的応用例
レベル検出器
図6に示すように、LTC1540はナノパワー・レベル検出
器として使用するのに最適です。R1とR2はVINから非反
転コンパレータ入力までの分割器を形成します。R3と
R4はヒステリシス電圧を設定し、R5とC1はリファレン
ス出力をバイパスします。以下の設計手順を使用して部
品値を選択することができます:
1 . VIN電圧トリップ・レベルを選択します。この例では
4.65Vで す 。
2 . 所要抵抗分割比を計算します。
比率=VREF/VIN
比率=1.182V/4.65V=0.254
3 . 入力VHBINでの所要ヒステリシス電圧幅を選択しま
す。この例では60mVです。コンパレータ入力VHBを
基準とするヒステリシス電圧幅を計算します。
R1 =
VREF 1.182V
=
= 1.18M
IBIAS
1µA
VIN
R2 = R1
VREF +
R2 = 1.18M
VHB
2
–1
4.65V
–1
15mV
1.182V +
2
R2 = 3.40M
VIN
5V
7
R2
3.4M
1%
V+
3 IN +
VHB=15.24mV
4. R3とR4の値を選択してヒステリシスを設定します。
R4=2.4M
R3(kΩ)=15k,VHB(mV)=15mV
5. R1とR2の値を選択してトリップ点を設定します。
10-26
+
8
R1
1.18M
1%
4
VHB=(VHBIN)
(比率)
VHB=(60mV)
(0.254)
LTC1540
IN–
OUT
–
5 HYST
R3
15k
1%
R4
2.4M
1%
6 REF
R5
430Ω
5%
C1
1µF
V–
2
GND
1
1540 F06
図6. グリッチのないヒステリシス付きレベル検出器
LTC1540
標準的応用例
3.3V出力低ドロップアウト・リニア・レギュレータ
LTC1540は、マイクロパワー(VIN=5VのときIQ=5.5µA)
低ドロップアウト・リニア・レギュレータとして接続す
ることができます(図7)。出力が“L”になるとQ1がター
ンオンし、電流が流れて出力コンデンサC1を充電する
ことができます。R4、Q1、およびQ2によって形成され
たローカル・フィードバックは、5V入力からC1への定
電流源を形成します。R4、R1およびQ2のVBEは、出力
がグランドに短絡した場合には電流を制限します。C2
は出力のリップルを低減し、R2-R3フィードバック分圧
器は出力電圧を確定します。
に示します。コンパレータ出力はスイッチ電源出力で
す。負荷を10mAにすると、標準で(VBAT−0.17V)の電圧
を供給します。VBAT=5Vのとき、回路全体に流れる消費
電流はわずか0.8µAです。3つの抵抗で構成されている分
圧器は、コンパレータ用に50mVのヒステリシスをプログ
ラムし、IN−電圧を200mVに設定します。これで、IN+ト
リップ・スレッショルドは約150mVとなります。
また、RC時定数により、パワーダウンが起こる前の
OUTピンの最大パワーオン時間が決まります。この時間
は次式で概算できます。
t=4.6RC
(秒)
自動パワーオフ電源
時限式自動パワーオフ機能を持つ30mA電源の回路を図8
実際の時間は、コンデンサのリーク電流とIN+ピンでの
入力電流の両方に応じて変化します。
V BAT
V IN = 5V
7
V
3 IN +
+
LTC1540
R1
47k
+
OUT 8
4 IN–
R4
10Ω
Q2
2N3906
7
C1
10µF
–
6 REF
R2
430k
1%
C3
GND
1
V–
R
+
5 HYST
C2
2.2nF
IN + 3
MOMENTARY
SWITCH
C
V OUT
3.3V
432k
R3
750k
1%
V+
LTC1540
Q1
TP0610L
OUT 8
4 IN –
(VBAT – 0.17V)
10mA
–
2M
5 HYST
121k
6 REF
2
V–
1540 F07
2
GND
10
1
1540 F08
図7. 3.3V出力低ドロップアウト・リニア・レギュレータ
図8. 自動パワーオフ・スイッチは0.8µA
の消費電流で動作
10-27
LTC1540
標準的応用例
低バッテリ検出器
保証されるのは最小2Vの電源電圧までですが、1.6Vの
電源でも動作します。ただし、VREFやVOSのように電源
電圧が低くなると悪化するパラメータもあります。入力
電圧範囲は正電源より0.9V低い電位から負電源までで
す。
LTC1540の低バッテリ検出器としての使用方法を図9に
示します。VBAT=2Vでの消費電流はわずか1.4µAです。
この回路は2セルのNiCdバッテリから給電します。バッ
テリを完全に消耗すると、VBATピンは1.6Vまで低下す
ることがあります。LTC1540の電気的特性により動作が
VBAT = ~1.6V TO 2.5V
2-CELL
NiCd
7
R1
3M
V+
3 IN +
LTC1540
+
OUT
R2
1.1M
4 IN–
8
LBO
–
6 REF
R3
40k
R4
1.2M
R5
1M
5 HYST
V–
2
GND
1
1540 F09
図9. 低バッテリ検出器は最小1.6Vまで動作
10-28
LTC1540
標準的応用例
RFフィールド・ディテクタ
445MHzでテストされたフィールド・ディテクタの全回
路を図10に示します。伝送ラインを使用し、ディテク
タ・ダイオード(1N5712)を1/4波長ホイップ・アンテナ
にマッチングさせます。0.23λ波長の伝送ライン部は、
ダイオードの接合容量1pF(350Ω)をアンテナの下部にお
ける仮想ショートに変換します。同時に、受信したアン
テナ電流をダイオードで電圧ループに変換し、優れた感
度を与えます。
整流された出力はLTC1540コンパレータによってモニタ
されます。内部リファレンスを使用して、反転入力での
スレッショルドを約18mVに設定します。コンパレータ
出力の立上りエッジはワンショットをトリガし、一時的
にアンサー・バックおよびその他のパルス動作をイネー
ブルにします。
全電源電流は400nAです。モノリシック・ワンショット
の中で、CD4047を流れる過渡電流は最小です。
2V TO 11V
λ /4
FB
12M
10k
5
3
10nF
6
LTC1540
4
0.23λ
10nF
+
–
180k
7
8
CMOS
ONE SHOT
(CD4047)
Q
Q
1
2
1540 F10
1N5712
図10. ナノパワー・フィールド・ディテクタ
関連製品
製品番号
説明
注釈
LT®1178/LT1179
デュアル/クワッド17µA高精度単一電源オペアンプ
最大VOS70µV、最大IBIAS5nA
LT1351
シャットダウンを備えた、250µA、3MHz、
200V/µsシングル・オペアンプ
あらゆる容量性負荷に対し安定してドライブ可能な
C-LoadTMオペアンプ
LT1352/LT1353
デュアル/クワッド250µA、3MHz、200V/µs
オペアンプ
あらゆる容量性負荷に対し安定してドライブ可能な
C-Loadオペアンプ
LTC1440
1%のリファレンス内蔵のマイクロパワー・
コンパレータ
リファレンス1.182V±1%、入力オフセット
±10mV(最大)
LTC1443/LTC1444/
LTC1445
1%リファレンスを内蔵したマイクロパワー・
クワッド・コンパレータ
LTC1443は1.182Vのリファレンスを内蔵、
LTC1444/LTC1445は1.221Vのリファレンスと
調整可能なヒステリシスを内蔵
LTC1474
低消費電流、高効率降圧コンバータ
待機電流10µA、効率92%、省スペースの8ピン
MSOPパッケージ
LT1495
最大1.5µA、高精度レール・トゥ・レール
入力および出力のデュアル・オペアンプ
最大VOS375µV、IBIAS250pA、IOS25pA
LT1521
超低消費電流、シャットダウン機能付き
300mA低ドロップアウト・レギュレータ
ドロップアウト電圧0.5V、消費電流12µA、可変出
力、固定出力3V、3.3Vおよび5V
LT1634
マイクロパワー高精度シャント電圧リファレンス
1.25V、2.5V、4.096V、5V出力、動作電流
10µA、初期精度0.05%、最大ドリフト25ppm/℃、
SO-8、MSOPおよびTO-92パッケージ
C-Loadはリニアテクノロジー社の商標です。
10-29
10