進相コンデンサ関連のJIS規格改正について

ご利用の手引き
進相コンデンサ関連のJIS規格改正について
高圧進相コンデンサ関連の JIS規格改正について
規格編成の変更
容量の許容偏差(JIS C 4902:1998)
容
格
正
格
― 5∼+15%
量
の
位
三相コンデンサ又は
コンデンサ群
なし
1Mvar
未満
1∼30Mvar
未満
30Mvar
以上
― 5∼
+10%
― 5∼
+10%
― 0∼
+10%
― 0∼
+5%
※容量偏差については、単位コンデンサ及び三相コンデンサ
は改正規格どおりとしますが、パックコンシリーズなどのバ
ンク品(コンデンサ群)については、小容量コンデンサを複
数台組み合わせて構成していることより、1∼3Mvar未満につ
いても−5%∼+10%にしてシリーズの統一をいたします。
附属機器」−第1部:コンデンサ
尚、ご用命により、容量許容偏差をJIS規格に合わせたもの
も、製作可能です。
JIS C 4902-2:2010:「高圧及び特別高圧進相コンデンサ並びに
附属機器」−第2部:直列リアクトル
4902-3:2010:「高圧及び特別高圧進相コンデンサ並びに
②「絶縁の種類」から「耐熱クラス」への変更
(JIS C 4902-2:2010,JIS C 4902-3:2010)
附属機器」−第3部:放電コイル
規格改正の理由と背景
コンデンサ
分
許 容 偏 差
JIS C 4902-1:2010:「高圧及び特別高圧進相コンデンサ並びに
JIS C
単
区
容
規格本体:「高圧及び特別高圧進相用コンデンサ」
附属書1:「高圧及び特別高圧進相コンデンサ用直列リアクトル」
附属書2:「高圧及び特別高圧進相コンデンサ用放電コイル」
規
コンデンサの
容 量 区 分
JIS C 4902:1998
高圧及び特別高圧進相コンデンサ及び附属機器
2010年1月20日 三部構成に改正されました。
改
なし
分
容量の許容偏差(JIS C 4902-1:2010)
る規格本体の3部構成として制定されました。
規
区
↓
格が、コンデンサに関する規格本体、附属機器(直列リアク
トル)に関する規格本体及び附属機器(放電コイル)に関す
来
量
容 量 の 許 容 偏 差
アクトル、放電コイル)に関する附属書で構成されていた規
従
なし
コ ン デ ン サ の 区 分
高圧進相コンデンサ関連のJIS規格が2010年1月20日付で改
正され、コンデンサに関する規格本体と、附属機器(直列リ
直列リアクトル及び放電コイルの規格において、JIS C 4003
(電気絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価)に合わせ、絶縁の
従来規格のJIS C 4902 :1998 は、IEC 60871-1 :1987 (Shunt
区分に関する呼称が、「絶縁の種類」から「耐熱クラス:
capacitors for a.c. power systems having a rated voltage
Thermal classification of electrical insulation」に変更された。
なお呼称が変更されても耐熱性能に変更はありません。
above 1000V−Part 1 General−Performance, testing and
rating−Safety requirements−Guide for installation and
operation)との整合性を図った規格であった。
2005年にIEC規格が改正されたこと及び旧規格改正から11年
例)油入リアクトル 絶縁の種類 A種
が経過していることから、わが国の実状を踏まえながらIEC
例)乾式リアクトル 絶縁の種類 H種
規格(IEC 60871-1:2005)への整合化を図り、一部項目の追
加・見直し改正を行い、附属機器である直列リアクトル、放
例)乾式放電コイル 絶縁の種類 A種
電コイルをコンデンサの規格から分離し、コンデンサを第1
部、直列リアクトルを第2部、放電コイルを第3部とした3部
耐熱クラス105(A)
→
耐熱クラス180(H)
耐熱クラス105(A)
内線規程(JEAC 8001 )について
編成として制定された。
内線規程では2000年の改訂以降、コンデンサ関係について高調
波抑制対策の観点から、
規格内容の主な変更点
●
高圧進相コンデンサには直列リアクトルを施設することが規定され
ています。
●
低圧進相コンデンサを各負荷に共用して施設する場合、直列リア
クトルを施設することが規定されています。
●
高圧受電設備の標準結線図等に直列リアクトルが記載されると
1998年の前回改正は、電力系統の高調波による電圧ひずみの
増加に伴う対応として直列リアクトルの取り付けを前提とし
た全面的な見直しであったことと比べると、今回改正はコン
デンサ容量偏差変更、直列リアクトル及び放電コイル耐熱ク
ラスへの変更、JIS様式の変更に伴う見直し、用語の見直
し・追記など小幅なものであり、主な変更点は以下である。
ともに、凡例に直列リアクトルが追加されています。
①容量偏差の変更(JIS C 4902-1:2010)
コンデンサの規格において、コンデンサの容量偏差が、IEC
規格(IEC 60871-1:2005)に合わせて、−5∼+10%に変更さ
れた。ただしわが国の実情に合わせ、単器の三相コンデンサ
又はコンデンサ群で、容量偏差のマイナスを認める容量区分
を、1Mvar未満(IEC規格では3Mvar未満)とするとともに、小
容量コンデンサを複数台組み合わせて容量区分が1∼3Mvarと
なる場合における混乱を避けるため、容量偏差のマイナスを
認めるか否かは使用者と製造業者との協議とされた。
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CAT.3000D
ご利用の手引き
進相コンデンサ関連のJIS規格改正について
低圧進相コンデンサJIS C 4901 の改訂について
低圧進相コンデンサのJIS規格が2013年6月20日に改訂されました。
【規格改定の理由と背景】
IEC規格及び関連規格の改正が行われ、これらの規格との整合を図るため今回の改正がなされました。
【規格内容の主な改正点】
1)容量の許容範囲
従来規格
改正規格
静電容量−5∼+15%(µF品)
容量
静電容量−5∼+10%( µF品)
容量
−5∼+15%(106kvar以下)
−5∼+10%(106kvar以下)
0∼+10%(106kvar超過)
−5∼+05%(106kvar超過)
では、100kvar以下は−5∼+10%、100kvar超過
※定格静電容量及び定格容量の許容差は、IEC60831-1 Amendment 1(2002年)
は−5∼+5%と変更されたため、IECとの整合を図るために変更されました。
2)線路端子一括と接地端子間 耐電圧試験
従来規格
改正規格
3000V
受渡試験:10秒
2UN+2000又は3000Vの高い電圧
受渡試験:10秒
(T.V 1.2倍で2秒以上)
形式試験:60秒
(T.V 1.2倍で2秒以上)
形式試験:60秒
※IEC 60831-1 Amendment-1(2002年)
で、
「定格電圧2倍+2000V又は3000V」
と変更になったため、IECとの整合を図るために
変更されました。
3)定格静電容量
定格電圧
V
定格周波数
Hz
定格静電容量
µF
相数
従来規格
単相
三相
200
50/60共用
400
10 15 20 30 40 50 75 100
600 700 750 800 900 1000
単相・三相両用
50 75 100 150 200 250 300
400 500 600 750 900 1000
単相
三相
単相・三相両用
5 7.5 10 15 20 25 30 40
50 75 100 125 150 200 250
改正規格
10 15 20 30 40 50 75 100
10 15 20 30 40 50 75 100
600 700 750 800 900 1000
150
200 250
300 400
500
5 7.5 10 15 20 25 30 40
50 75 100 125 150 200 250
※定格静電容量の種類は、内線規程など実状に合わせて値を見直され、表にない値は、受渡当事者間の協定によって任意の組み合
わせを認めることとされました。
4)保護接点付きコンデンサ追記
乾式タイプのガス封入式では広く採用されている保護接点付きコンデンサを追加されました。
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