NJU39610 データシート

NJU39610
D/Aコンバータ内蔵
マイクロステッピングモータコントローラ
■ 概要
■ 外形
NJU39610は、ステッピングモータドライバのNJM3771と
ペアで使用するデュアル7ビット+符号のD/A変換内蔵の
マイクロステッピングモータコントローラです。電流補正
が可能であり高速マイクロステッピングアプリケーション
に最適です。
NJU39610D2
NJU39610FM2
■ 特徴
●3Vから0.0Vまでのアナログ制御電圧
●高速マイクロプロセッサインタフェース
●自動高速/低速電流補正
●フルスケールエラー
±1LSB
●高速変換速度
3μs
●NJM3771とペアでの使用に最適
●外形 DIP22/PLCC28
■ ブロック図
V DD
V Ref
NJU39610
DA- Data 1
WR
Sign
E
1
C
D
E1
R
CS
Level 1
Digit
Comp
E1
E
CD 1
C
D
E
E2
C
D/A
R
DA 1
D
A0
R
Level 2
E3
E
DA
C
D/A
2
D
A1
R
E4
DA- Data 2
D7 - D0
Digit
Comp
E
CD 2
C
R
D
R
POR
R
V
ss
図1.ブロック図
E
D
C
RESET
E4
Sign 2
NJU39610
VSS
CS
A1
A0
N/C
1
28
27
26
DA 2
2
Reset
Sign 2
22
CD 2
1
3
V ref
4
■ 端子配列
DA 1
2
21
Sign 1
3
20
Sign 2
CD 1
4
19
CD 2
N/C
5
25
D0
VSS
DA 2
6
24
D1
Reset
7
23
D2
N/C
8
VDD
5
WR
6
D7
D6
NJU
39610D2
18
17
CS
7
16
A1
V ref
9
8
15
A0
DA 1
N/C
NJU
39610FM2
9
14
D0
D4
10
13
D1
14
15
16
17
18
D3
11
12
D2
D7
D6
N/C
D5
D5
WR
D4
19
VDD
20
11
13
10
12
D3
CD 1
N/C
21
Sign 1
22
図2.端子配列
■ 端子説明
図2を参照
DIP
PLCC
記号
説明
1
2
3
9
10
12
VRef
DA1
Sign1
4
13
CD1
5
6
14
15
VDD
WR
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
19
20
21
23
24
25
27
D7
D6
D5
D4
D3
D2
D1
D0
A0
16
28
A1
17
1
CS
18
19
2
3
VSS
CD2
20
4
Sign2
21
22
6
7
DA2
Reset
基準電圧供給ピン
デジタル-アナログ1、電圧出力。0.0VとVR-1LSBの間の出力。
サイン1、TTL/CMOSレベル。NJM3771 フェーズ入力に直接接続されます。データビットD7
は、NJU39610データ入力から反転されずに転送されます。
電流減衰制御1、TTL/CMOSレベル。この信号は、減衰レベルがプログラムされるとき自動的
に生成されます。Lレベル=高速電流減衰。
ロジック部電源電圧。
書き込み、TTL/CMOSレベル、内部レジスタへの書き込み用入力。データは、ポジティブ・
エッジでフリップフロップにクロックされます。
データ7、TTL/CMOSレベル、データ・ワードのデータ・ビット7を設定する入力。
データ6、TTL/CMOSレベル、データ・ワードのデータ・ビット6を設定する入力。
データ5、TTL/CMOSレベル、データ・ワードのデータ・ビット5を設定する入力。
データ4、TTL/CMOSレベル、データ・ワードのデータ・ビット4を設定する入力。
データ3、TTL/CMOSレベル、データ・ワードのデータ・ビット3を設定する入力。
データ2、TTL/CMOSレベル、データ・ワードのデータ・ビット2を設定する入力。
データ1、TTL/CMOSレベル、データ・ワードのデータ・ビット1を設定する入力。
データ0、TTL/CMOSレベル、データ・ワードのデータ・ビット0を設定する入力。
アドレス0、TTL/CMOSレベル、データ転送を選択する入力。A0はチャンネル1(A0=LOW)
とチャンネル2(A0=HIGH)間で選択します。
アドレス1、TTL/CMOSレベル、データ転送を選択する入力。A1は通常のD/A抵抗プログラ
ミング(A1=LOW)と減衰レベル抵抗プログラミング(A1=HIGH)間で選択します。
チップ選択、TTL/CMOSレベル、データ入力部からチップとアクティブなデータ転送を選択
する入力。Lレベル=チップが選択されています。
GND電圧。特に断りがないかぎり、すべての信号と測定に対する接地ピン、0V基準。
電流減衰制御2、TTL/CMOSレベル。この信号は、減衰レベルがプログラムされるとき自動的
に生成されます。Lレベル=高速電流減衰。
サイン2、TTL/CMOSレベル。NJM3771 フェーズ入力に直接接続されます。データビットD7
は、NJU39610データ入力から反転されずに転送されます。
デジタル-アナログ2、電圧出力。0.0VとVRef-1LSBの間の出力。
リセット、デジタル入力リセット内部レジスタ。Hレベル=リセット、VRes≧3.5V=Hレベル。
内部的にプルダウンされています。
5
8
11
18
22
26
N/C
接続されません。
NJU39610
■ 用語定義
分解能
分解能は、DACステップ数の逆数として定義されます。これは、DACのスイッチ数またはビット数と直接関係し
ています。たとえば、NJU39610には27または128個の出力レベルがあるため、7ビット分解能を持ちます。これ
は、利用可能なマイクロステップ数とは同じではありません。
直線性エラー
直線性エラーは、DAC転送特性の終点を通る直線からの最大のずれです。これは、ゼロおよびフルスケールを調
整した後に測定されます。直線性エラーは、デバイスに固有のパラメータであるため、外部調整できません。
電源感度
電源感度は、DACフルスケール出力に対する電源変化の影響の尺度です。
セトリングタイム
フルスケール電流セトリングタイムには、ゼロからフルスケール、またはフルスケールからゼロの出力変化が必要
です。セトリングタイムは、コード移行から、DAC出力が最終出力値の±1/2LSB内に達するまでに必要な時間で
す。
フルスケール・エラー
フルスケール・エラーは、理想的なDACと実際のデバイス出力との間の出力エラーの尺度です。
微分非直線性
理論的1LSBからの、転送曲線の任意の2つの連続したコード間の差が微分非直線性です。
単調性
増加するデジタル入力コードに対して、DAC出力が増加する場合、DACは単調です。7ビットに単調な7ビット
DACは、 デジタル入力コードの増加によるアナログ出力の増加を意味します。NJU39610は7ビットに対し単調で
す。
■ 機能説明
各DACチャンネルには、2つのレジスタ、デジタルコンパレータ、フリップフロップ、およびD/A変換器が含まれ
ています。最初のページにブロック図を示します。レジスタの1つは、電流レベルを保存します。このレベルより
下では、高速電流減衰が始まります。CD出力の状態により、高速または低速の電流減衰のどちらがドライバで使
用されるかを決定します。
デジタルコンパレータは、それぞれの新しい値を前の値、および高速電流減衰の場合はあらかじめ設定されたレベ
ルの値と比較します。新しい値が、他の両方の値より低い場合は、高速電流減衰条件となり、フリップフロップが
CD出力を設定します。CD出力は、D/Aレジスタに新しい値がロードされるたびに更新されます。高速電流減衰信
号は、出力部の電流制御方法を変化させるために、ドライバ回路NJM3771で使用されています。これは、図9で示
すような、高速ステッピング時の、負の電流スロープ中に、モータ電流のドラッギングを避けるためのものです。
Output
Output
Output
Gain
error
Actual
More
than 2
bits
Less
than 2
bits
Negative
difference
Input
図3 D/A変換でのエラー。1ビット
を超える微分非直線性、出力は非単
調。
Correct
Endpoint
non-linearity
Positive
difference
Input
図4 D/A変換でのエラー。1ビット
未満の微分非直線性、出力は単調。
Offset error
Full scale
Input
図5 D/A変換でのエラー。非直線性、
ゲインおよびオフセット・エラー。
NJU39610
高速電流減衰の開始に、8つの異なるレベルが選択できます。
符号出力はフェーズシフトを発生させます。すなわち、フェーズ巻線の電流の方向を逆転します。
データバス・インタフェース
NJU39610は、6800、6801、6803、6808、6809、8051、8085、Z80、およびその他の一般的な種類の8ビット・
マイクロプロセッサ、およびそれらに対応する16/32ビット・マイクロプロセッサの8ビット・データ・モードと
互換性があるように設計されています。データバス・インタフェースは、8つのデータビット、書込み信号、チッ
プ選択、および2つのアドレス・ピンで構成されています。すべての入力はTTL互換です(リセットを除く)。2
つのアドレス・ピンは、4つの内部Dタイプ・レジスタへのデータ転送を制御します。データは、図10に従って、
書込み信号のポジティブ・エッジで転送されます。
電流方向
-Sign1とSign2
電流方向-Sign
これらのビットは、それぞれのDAレジスタの書き込み時にD7から転送されます。A0とA1は、図10のデータ転送表
に従って設定する必要があります。
電流減衰
-CD1とCD2
電流減衰-CD
CD1とCD2の2つは、アクティブローの信号です(LOW=高速電流減衰)。CD 1は、DA-Data1の前の値が、DAData1の新しい値より大きく、レベル・レジスタLEVEL1(L 61-L 41)の値がDA-Data1の新しい値より大きい場合
にアクティブになります。CD1は、DA-Data1に新しい値がロードされるたびに更新されます。CD1のロジック定
義は次の通りです。
CD1 = NOT{[(D6- D0) < (Q61 -Q01)]
AND[(D6 -D4) < (L61 - L41)]}
ここで、(D 6-D 0 )はDA-Data1に送られる新しい値であり、(Q 61 -Q 01 )はDA-Data1の古い値です。(L 61 -L 41)
は電流減衰レベルをLEVEL1に設定するための3ビットです。
CD2のロジック定義は、CD1と似ています。
CD2 = NOT{[(D6- D0) < (Q62 -Q02)] AND[(D6 -D4) < (L62 - L42)]}
ここで、(L 62-L 42 )はチャンネル2のレベル・レジスタでプログラムされたレベルです。(D 6-D 0)と(Q 62 -Q 02 )
は、それぞれDA-Data2の新しい値と古い値です。
T2
I2 [mA]
[mNm]
DA output [V]
T max
Current dragging
Tnom
Tmin
I
t
CD
T1
I1 [mA]
[mNm]
図6a トルクが対応する巻線内の電流に比 のアクセス可能な位置の例。1番目のマ
例すると仮定すると、図8bが描けます。
CS
0
0
0
0
1
A0
0
0
1
1
X
Time
図6b 任意のトルクずれ/フルステップ
A1
0
1
0
1
X
図7 高ステップ率と電流減衰の影響で
イクロステップによって、最大の分解能
のモータ電流ドラッギング。高速電流減
が得られることに注意してください。
衰によって、電流が理想的サイン曲線に
データ・ポイントは、説明のため誇張し
近づけることが可能になります。出力
てあります。TNom=7FHを入力
は、符号移行なしで描かれています。
Data Transfer
D7 —> Sign1, (D6—D0) —> (Q61—Q01), New value —> CD1
(D6—D4) —> (L61—L41)
D7 —> Sign2, (D6—D0) —> (Q62—Q02), New value —> CD2
(D6—D4) —> (L62—L42)
No Transfer
図8 NJU39610内でデータが転送される方法を示す表
NJU39610
2つの2レベル・レジスタLEVEL1とLEVEL2は、それぞれ3つのフリップフロップで構成されています。これらは、
符号ビットを除くDA-Data値の最上位3ビットと比較されます。
DA1とDA2
これらは、DAC1とDAC2の2つの出力です。DACへの入力は、内部データバス(Q61-Q01)と(Q62-Q02)です。
基準電圧
VRef
基準電圧V
VRefは、2つのDACへのアナログ入力です。レイアウトでは、ピンから抵抗への電圧降下が非常に低くなるように
特別な注意が払われています。0.0VからVDDまでの任意のVRefが可能ですが、3.0Vより上では出力が非直線になる
ことがあります。
パワーオン・リセット
この機能は、電源投入時にすべての内部フリップフロップを自動的にリセットします。この結果、両方のDAC出
力部、およびすべてのデジタル出力部で、VSS電圧が発生します。
Reset
Resetを使用しない場合は、切断したままにしてください。
Time when motor is in
a compromise
position.
Time when micro
position is correct.
Write
signal.
Motor
position.
Writing to
channel 1.
Writing to
channel 2.
Write time = incorrect position
Double pulse write signal
Useful time = correct
position
Actual data = true position
Normal resolution
Time
Ideal data = desired position
図9.ダブルパルスプログラミング。入力、および出力信号タイミングチャート。
Time when motor is in
an intermediate
position.
Time when micro
position is almost
correct.
Write
signal.
Motor position. Note
that position is always
a compromise.
Writing to
channel 1.
Writing to
channel 2.
Time
Useful time = compromise position
with equally spaced angles
Single pulse write signal
Useful time = almost
correct position
"Ideal data" = desired
position
Actual data = true position
Note increased resolution
図10.シングルパルスプログラミング。出力信号タイミングチャート。
NJU39610
■ 絶対最大定格 (Ta=+25°C)
項目
電圧
ロジック電源電圧
ロジック入力
基準入力電圧
電流
ロジック入力電流
温度
保存温度
動作温度
■
ピン番号(DIP)
記号
最小
最大
単位
5
6- 17
1
VDD
VI
VR
-0.3
-0.3
6
VDD+0.3
VDD+ 0.3
V
V
V
6- 17
II
-0.4
+0.4
mA
Tstg
Topr
-55
-20
+150
+85
°C
°C
最小
4.75
0
標準
5.0
2.5
推奨動作条件
項目
ロジック電源電圧
基準入力電圧 (@ V =5V)
DD
記号
VDD
VR
最大
5.25
3.8
単位
V
V
NJU39610
■ 電気的特性 (Ta=+25°C , VDD=5V)
項目
ロジック入力部
Hレベルリセット入力電圧
Lレベルリセット入力電圧
Hレベル入力電圧
Lレベル入力電圧
入力電流(リセット)
入力電流(その他)
入力容量
内部タイミング特性
アドレスセットアップタイム
データセットアップタイム
チップセレクトセットアップタイム
アドレスホールドタイム
データホールドタイム
チップセレクトホールドタイム
書き込みサイクル長
リセットサイクル長
基準入力部
入力抵抗
ロジック出力部
Hレベル出力電流
Lレベル出力電流
書き込み遅延時間
リセット遅延時間
D/A出 力 部
公称出力電圧
記号
条件
VIHR
VILR
VIH
VIL
VSS<VIR< VDD
IIR
VSS<VI< VDD
II
tas
tds
tcs
tah
tdh
tch
tWR
tR
A0, A1に適用
D0-D7に適用
Rref
IOH VO =2.4V
IOL VO =0.4V
tpWR WR端子の立ち上がりから出力が確定するまでの時間,
Cload=120pF
tpR RESET端子の立ち上がりから出力が確定するまでの
時間, Cload=120pF
RESET端子オープン,VREF=2.5V
VDA
最小
標準
最大
単位
3.5
2.0
-0.01
-1
-
3
0.1
0.8
1
1
-
V
V
V
V
mA
μA
pF
60
60
70
50
80
-
20
20
20
-
ns
ns
ns
ns
ns
ns
ns
ns
6
9
-
kΩ
1.7
-13
5
-5
-
mA
mA
-
30
100
ns
-
60
150
ns
0
-
V
Bits
LSB
LSB
LSB
LSB
-
7
0.2
0.1
0.2
0.2
VREF
-1LSB
0.5
0.5
0.5
0.5
-
0.1
0.1
0.5
0.3
LSB
LSB
-
3
8
μs
分解能
オフセットエラー
ゲインエラー
積分非直線性
微分非直線性
ロードエラー
電源感度
変換速度
tDAC
(VDA,無負荷-VDA,負荷時)
Rload=2.5kΩ,DACに7FHを入力
DACに7FHを入力,4.75V<VDD<5.25V
フルスケールから最終値の
±0.5 LSB に確定するまでの時間,
Rload=2.5 kΩ, Cload=50pF.
NJU39610
t cs
t ch
CS
t as
t ah
A0-A1
t dh
t ds
D0-D7
t WR
WR
t DAC
DA
t pwr
Sign, CD
図11 タイミングチャート
t res
Reset
t pres
Sign, CD
図12 リセットのタイミングチャート
NJU39610
■ 応用例
マイクロステップの数
利用できる有効なマイクロステップの数は、デジタル-アナログ変換器のデータビット数、変換器でのエラー、許
容可能なトルク・リップル、シングルパルスまたはダブルパルス・プログラミング、モータの電気的、機械的、お
よび磁気的特性など、多様な変数に依存します。また正常動作するモータの能力、摩擦、反復性、トルク直線性な
どにも限界があります。電流レベルの数128(27)は、利用できるステップ数ではないことを理解する必要があり
ます。128はあくまで各ドライバ部から利用できる電流レベル(基準電圧レベル)の数です。
一方の巻線の電流レベルを、もう一方の巻線のその他128の電流レベルのどれかと組み合わせることで、128の電
流レベルが生じます。したがって、これを拡張すると、2つの巻線で、電流レベルの16,384(128・128)種類の異
なる組合せが得られます。忘れてはならないのは、16384の(マイクロ)位置の全てが有効なわけではなく、トルク
が100%から0%に変化しても同じ位置を取るオプションもあります。たとえば、一方の巻線の電流レベルがOFF
(0%)ならば、もう一方の巻線の電流を128レベルで変化させることができます。この組み合わせでは同じ(位置)の
ままトルクが変化します。
典型的な応用例
マイクロステッピング(ソリューション)は、マイクロプロセッサを使用するシステムでも使用しないシステムでも
使用できます。
マイクロプロセッサを使用しない場合は、カウンタで適切なステップ・データが格納されるROMのアドレスを指
定します。ステップと方向はクロック、およびカウンタのアップダウンで作られた入力信号となります。これは、
マイクロプロセッサが存在しないシステム、または他のタスクの負荷が非常に大きいシステムに理想的なソリュー
ションです。
マイクロプロセッサを使用する場合は、データがROM/RAM領域に格納されるか、各ステップが連続的に計算され
ます。NJU39610は、任意のアドレッシング可能な周辺デバイスと同様に接続されます。すべてのステッピング
は、特定のダンピング・ニーズに対して調整できます。これは、余裕量をもつマイクロプロセッサが利用でき、単
純性よりも低コストが重要なシステムに理想的なソリューションです。図14の典型的な用途を参照してください。
■ 使用上のヒント
電源が供給されているときは、ICまたはPCBを取り外さないでください。
所定のトルクを得るのに必要な定格電流のモータを選択してください。高電源電圧では、モータがVMM電圧の定格
でない場合でも、より優れたステッピング性能が得られます。NJM3771の電流制御機能で対応可能です。通常の
ステッピング・モータで十分な結果が得られますが、マイクロステッピングでは、「マイクロステッピング適応」
モータを推奨します。すなわち、動作をスムーズにするために、ロータ/ ステータの歯が異ピッチで、静止トルク
が低めのものです。
NJU39610は、クォーター・ステッピング、ハーフステッピング、フルステッピング、および波動ドライブと同様
に望みの分解能でマイクロステップを生成するプログラムを扱えます。
電流減衰は高速か低速か
高速または低速の電流減衰をどのように使用するかは、静的動作か動的動作かで違いがあります。一般に、低速で
のステッピング時は、低速の減衰が使用されます。これによって、ドライブ部での低い電流リップル、正確かつ高
い全体的平均電流、およびサイン- コサイン曲線のポジティブ・エッジでの正常な電流増加などの利点がありま
す。位置の喪失と、その結果としての不正確なステップ角度による電流ドラッギングを避けるため、高速では高速
電流減衰が使用されます。
ランピング
すべてのドライブ・システムには、考慮するべき慣性があります。高速では、ローターと負荷慣性が大きな働きを
します。DCモータとは異なり、ステッピング・モータは同期モータであり、負荷の変動によって速度が変化しま
せん。典型的なステッピング・モータのトルク対速度の曲線を調べると、「起動トルク(引き込みトルク)」曲線で
の鋭いトルク激減が示されます。
この理由は所要トルクは速度変化の3乗で増加するからです。マイクロステッピングは全体的な性能を向上させ
ますが、すぐれたモータ性能を得るには、制御された加速または減速を考慮する必要があります。
NJU39610
のプログラミング
■ NJU39610
NJU39610のプログラミング
NJU39610をプログラミングする方法には、基本的に「シングルパルス・プログラミング」と「ダブルパルス・プ
ログラミング」の2種類があります。デバイスへの書き込みは、一度に1つのレジスタにアドレスすることでのみ
達成されます。1つのステップを実行するとき、通常は少なくとも2つのレジスタが更新されます。それに従っ
て、1番目と2番目のレジスタに書き込む間に一定の時間の遅延が必要です。このプログラミングの必要性によっ
て、特別なステッピングの長所が得られます。
ダブルパルス・プログラミング
通常の方法は、正しいアドレッシングを挟んで、デバイスに2つの書き込みパルスを送り、パルス間の遅延をでき
るだけ短く保つことです。書き込み信号は、図9で示されるとおりです。長所には次のものがあります。
・トルク・リップルが小さい
・ダブルパルスの各セット間で正しいステップ角度が得られる
・通常のマイクロステップ分解能
シングルパルス・プログラミング
別のアプローチは、等しい間隔のデューティーで、一度に1つのパルスを送ることです。これは簡単に実行できま
す。任意の2つの隣接するデータで、1つのマイクロステップ位置を構成します。書き込み信号は、図10で示され
るとおりです。長所は以下のようになります。
・高いマイクロステップ分解能
・円滑な動作
短所は以下のようになります。
・トルク・リップルが大きい
・ほぼ正しいステップ角度での妥協位置
NJU39610
Counter
PROM
D0-D7
NJU39610
NJM3771
A0
WR
CS
CE
A1
Clock Up/Dn
Vref
Step
Voltage
Reference
Control Logic
Direction
図13 マイクロプロセッサを使用しない用途の標準的なブロック図。
V MM
V CC (+5 V)
+
0.1 µF
0.1 µF
11
5
14
V
V DD
D0
Sign1
CD1
7
To
µP
+2.5V
15
16
6
17
22
1
D7
NJU39610
A0
A1
WR
CS
RESET
V Ref
DA1
Sign2
CD2
V SS
DA2
3
7
4
8
2
9
20
16
19
15
21
14
CC
20
V
MM1
MM2
Phase 1
CD1
V R1
MA1
4
MB1
1
NJM3771
MA2
Phase 2
CD 2
V R2
RC GND
12
18
3
V
+5 V 15 kΩ
3 300 pF
GND
(V CC )
5, 6,
17, 18
MB2
C1
E1
2
10
C2
22
STEPPER
MOTOR
E2
13
1 kΩ
820 pF
820 pF
RS
19
21
1 kΩ
1.0 Ω
10 µF
1.0 Ω
Pin numbers refer
to DIP package.
RS
GND (V MM )
図14 マイクロプロセッサ・ベースのシステム応用回路例
このデータブックの掲載内容の正確さには
万全を期しておりますが、掲載内容について
何らかの法的な保証を行うものではありませ
ん。とくに応用回路については、製品の代表
的な応用例を説明するためのものです。ま
た、工業所有権その他の権利の実施権の許諾
を伴うものではなく、第三者の権利を侵害し
ないことを保証するものでもありません。