ユーザー側で任意の周波数に設定・変更が可能な小型VCXOを開発

2013 年 11 月 25 日
日本電波工業株式会社
代表取締役社長 竹内 寛
ユーザー側で任意の周波数に設定・変更が可能な小型VCXOを開発
(SMD、サイズ7×5mm、光通信で使われる、あらゆる伝送レートに対応)
日本電波工業(株)は、サイズが 7.0×5.0×1.6 mm と小型で、納品後に 15 MHz~915 MHz
の範囲でユーザーが任意の周波数1波を設定し、出力することを可能にした(*1)電圧制御水晶発
振器(VCXO)の新商品、「NV7050SH」を開発致しました。同時に、この「NV7050SH」は、優れた
通信品質のために VCXO に要求される低位相雑音と低ジッタを実現しています。
基幹ネットワーク、メトロネットワーク、CATV 等での光ファイバーによる光通信は、より高速でよ
り大容量、かつ数百kmの長距離伝送が可能になっております。その光伝送装置ではさまざまな
伝送レートが使われますが、従来は伝送レートごとに異なる周波数に対応した VCXO が必要で
した。その結果、伝送レートの数に応じて装置基板の種類が増えユーザーの部品管理が煩雑
になること、伝送レート変更の場合はVCXOの手配後納品までに日数が掛かること、伝送レート
変更の際に交換作業の工数が掛かることなどの課題がありました。
当社はこうした課題を解決するため、当社が培ってきた高度な水晶発振技術をベースにして、
独自開発のデジタル PLL- IC を使用することにより、ユーザー側で任意の周波数に設定・変更
が可能な VCXO を実現したものです。これにより、光通信における通信品質の維持・向上と共に、
光伝送装置基板の共通化、ユーザーの管理面での負担の軽減と無駄の削減、伝送レート変更
に際してのユーザーの迅速な対応等に貢献致します。
サンプル出荷は今月から、量産開始は来年 1 月からを予定しております。
*1
:I2C 通信を使ってレジスタに設定値を書き込む方法による。
【外観写真】
【仕様・特性】
形名
NV7050SH
外観寸法
7.0×5.0×1.6 mm
周波数範囲
15~915 MHz
電源電圧
3.3 V±10 %
制御電圧範囲
0~3.3 V
動作温度範囲
-40~+85 ℃
消費電流
Max. 175 mA
総合周波数許容偏差 (注 1)
Max. ±50 ppm
出力
LVPECL
絶対周波数可変範囲(APR) (注 2)
Min. ±100 ppm
Typ. -50 dBc/Hz @ 100 Hz
Typ. -79 dBc/Hz @ 1 kHz
位相雑音
Typ. -100 dBc/Hz @ 10 kHz
(@622.08 MHz)
Typ. -119 dBc/Hz @ 100 kHz
Typ. -125 dBc/Hz @ 1 MHz
Typ. -158 dBc/Hz @ 10 MHz
位相ジッタ
Max. 0.6 ps (12 kHz~20 MHz)
(@622.08 MHz)
注 1:総合周波数許容偏差
=周波数許容偏差+周波数温度特性+周波数対電源電圧変動特性+長期周波数安定度
注 2:絶対周波数可変範囲(APR)
=周波数可変範囲-総合周波数許容偏差
【お問い合わせ先】
日本電波工業株式会社 営業代表
TEL : 03-5453-6751
E-Mail : [email protected]