楽器事業の 成長を目指して

楽器事業の
成長を目指して
2010年11月26日
目次
1. ヤマハにおける楽器事業の位置づけ
2. 楽器市場とヤマハのポジション
3. ヤマハの事業戦略
• アコースティック楽器事業の収益化
• 中国と新興市場での成長
2
ヤマハにおける
楽器事業の位置づけ
楽器セグメント
「楽器・音楽・音響」に関わるコア事業
モ ノ
コ ト
楽器セグメント
楽
器
音 響 機 器
音 楽 教 室
音 楽 ソ フ ト
A V 機 器
4
楽器セグメント 売上高/営業利益
6,000 億円
リビング
楽器以外
楽器
売上高
5,000
4270
4148
4,000
営業利益
億円
300
250
3,000
3,090
200
185
2,000
100
68
1,000
51
2,763
0
0
'07/3
'08/3
'09/3
'10/3
'07/3 '08/3 '09/3 '10/3
'13/3
'13/3
-100
2010年3月 楽器セグメントの占める割合は
売上の67% 営業利益の75%
5
楽器市場と
ヤマハのポジション
世界の楽器市場規模
商品別の推定 世界市場規模(単位 億円、卸売金額)
ピアノ
1,200
PA
3,700
市場規模
約1兆100億円
管楽器
1,500
ヤマハシェア
18%
電子
鍵盤
1,300
ギター
ドラム
2,400
*当社推定
7
これまでの楽器市場トレンド
先進国でのトレンド
経済危機による需要
縮小から回復の兆し
–
–
–
–
低価格化の進行
公的支出削減
企業の設備投資抑制
緩やかな回復
新興国でのトレンド
堅調な需要拡大
– 経済危機の影響小さい
– BRICS市場の拡大
– アジア中間所得層の増加
流通変化
– WEBショップ販売の拡大
– 専門店の減少と量販店
の台頭
8
楽器市場 成長予測(商品群別)
14,000
12,000
億円
10,800
11,300
10,100
は円高によ
る為替影響
数字は為替影響を含
まない
PA
10,000
8,000
電子鍵盤
6,000
管楽器
4,000
ギタードラム
2,000
ピアノ
0
2010/3月
2013/3月
US$ =93
Euro=131
US$ =87
Euro=112
5年後
5年間で11.2% (年率2.2%)の成長を予想
2015年の推定市場規模=1兆1300億円
9
楽器市場 成長予測(地域別)
14,000
12,000
億円
10,800
11,300
10,100
は円高によ
る為替影響
数字は為替影響を含
まない
中国
10,000
8,000
アジアパシフィック
6,000
欧州
4,000
北米
2,000
国内
0
2010/3月
US$ =93
Euro=131
2013/3月
5年後
US$ =87
Euro=112
日米欧先進国で概ね横ばい、中国・アジアパシフィックが成長を牽引
10
市場環境の認識とヤマハ
ジャンル
シェア
市場の状況と見通し
(2010年)
ピアノ
33%
中国が世界最大の市場として更に成長、先進国で今後
は漸減。ヤマハは世界市場でNo.1のポジション。
電子
鍵盤
ギター
ドラム
管楽器
49%
需要の伸びは新興市場が中心。カシオ、ローランド、
Korgなど日本企業で寡占状態。ヤマハは世界シェア
No.1ブランド。
PA
7%
市場は先進国で安定、新興国で拡大。各ジャンルは少
数の有力ブランドと多数の小規模専業メーカーから成り
立っている。ヤマハはエレアコを軸にシェア拡大を狙う。
20%
安定した市場、新興国で成長を期待。中国メーカーの成
長著しい。
多くのジャンルでヤマハは首位を争うブランド。
8%
市場規模はさらに拡大。各カテゴリに強力なライバルが
ある。ヤマハは入力系(ミキサー)で優位性を持つ。
11
商品群別の市場規模とヤマハシェア
ピアノ
33%
2010
2013
.
電子鍵盤
ヤマハ
ヤマハシェア
49%
2010
2013
.
ギタードラム
ヤマハ以外
7%
2010
2013
.
管楽器
20%
2010
2013
.
PA
8%
2010
2013
0
1000
2000
3000
4000 億円
2010年推定市場規模とシェア
PAを除く楽器市場でのヤマハシェアは23%
12
ヤマハの事業戦略
楽器事業 中期売上高・営業利益目標
売上
営業利益
(億円)
3,500
3,000
400
3,090
2,763
2,700
300
2,500
2,000
200
1,500
185
1,000
100
500
51
70
0
0
'10/3
US$ =93
Euro=131
'11/3
US$ =87
Euro=112
'12/3
'13/3
5年後
-
US$ =90
Euro=127
売上成長 3年間で12%
売上高営業利益率 3年目で6%, 将来は10%以上を目指す
14
中期計画 売上高増減イメージ
(単位 億円)
北米・欧州・日
PA機器
(+8%)
ギター
ドラム
ピアノ
電子ピアノ
101
2,763
電子
鍵盤
106
管楽器
アジア・
パシフィック
35
3,090
64
166
(+21%)
中国
88
(+50%)
21
73
+ 32
7
2%
1
+
(
2010年3月
)
2013年3月
事業領域別
地域別
15
ピアノ事業の収益化
ピアノ事業の収益化
事業部機能
構造改革
•業務/機能見直し
•業務量の見直し
•現地パーツ
•木材調達見直し
•Premium ピアノ
•Prestige ピアノ
•Affordable ピアノ
•インドネシア製ピアノ
(国内)
製造原価
低減
商品力
強化
17
ピアノ事業の収益化 -業務効率化
事業部機能の見直し
事業部と3工場との等距離化
 商品開発を含む事業部間接機能の移管(本社→3工場)
 事業部は必要最小限の機能を残す
 製造拠点自立化促進と業務効率アップ
ピアノ事業部
営業
SCM
開発
設計
品質
管理
杭州
中国
掛川
工場
生産
技術
管理
購買
ジャカルタ
インドネシア
18
ピアノ事業の収益化 -業務効率化
事業部機能の見直し
事業部と3工場との等距離化
 商品開発を含む事業部間接機能の移管(本社→3工場)
 事業部は必要最小限の機能を残す
 製造拠点自立化促進と業務効率アップ
ピアノ事業部
営業
営業
SCM営業
SCM
SCM
間接機能
掛川
掛川
工場
工場
開発
開発
設計 開発
設計
設計
品質
品質
管理 品質
管理
管理
間接機能
杭州
杭州
中国
中国
掛川 生産
工場 生産
技術
技術
生産
技術
管理
管理
管理
購買
購買
購買
間接機能
ジャカルタ
ジャカルタ
インドネシア
インドネシア
19
ピアノ事業の収益化-製造コストダウン
掛川工場
・中国・インドネシア製部品/部
・中国・インドネシア製部品/部
材搭載によるコストダウン・価格
材搭載によるコストダウン・価格
競争力強化
競争力強化
KDパーツの供給
海外工場
(中国/インドネシア)
•部品自製化・現地調達化推進
•部品自製化・現地調達化推進
•海外2工場による木材加工
•海外2工場による木材加工
(前工程)取り込み
(前工程)取り込み
・掛川工場の海外部品調達率
・掛川工場の海外部品調達率
Up
Up 現状3%
現状3%→
→3年後
3年後15%
15%
収益力アップ
操業アップ・現調
率アップにてコスト
ダウン
20
商品力強化と掛川の収益力アップ
2極化する「こだわり志向」と「低価格志向」に対応
フラッグシップモデルCFX
→ Premium Piano series
CFXのDNAを受け継いだ商品開発
→ Prestige Piano series
海外工場製コストダウン部品活用
→ Affordable Piano
CF series
Premium Piano
掛川製GP
Prestige Piano (GP)
掛川製UP
Prestige Piano (UP)
Affordable Piano
新たに低価格帯ピアノを投入
21
ピアノ事業の収益化-製造拠点戦略
129,100台
140,000
116,000台
120,000
100,000
71,500
83,000台
82,000台
中国
63,000
80,000
20,000
36,000
60,000
24,000
40,000
20,000
インドネシア
39,000
37,600
34,000
20,000
26,000
20,000
19,000
掛川
0
2007年3月
2010年3月
2013年3月
5年後
中期計画一部見直し 掛川生産1.8万台→ 2万台へ
海外生産(特に中国)比率の拡大
掛川生産規模(2万台)の維持
→ 5年後13万台
22
損益改善 見直しによる収益向上
10/3月期→13/3月期
50億円の収益改善
掛川統合効果=8億円
物流費
エネルギーコスト
掛川損益分岐点
引き下げ=26億円
増産効果=16億円
海外部品大幅採用
中国・インドネシア増産
不採算モデル削減
(海外拠点部品自製化)
生産性向上
高級GP増産
23
ピアノ事業 ー 数値目標
2010年3月期
実績
2013年3月期
目標
5年後
目標
売上高
(億円)
403
450
500
営業利益
赤字
黒字化
5%目標
24
管楽器事業 収益力強化
管楽器事業の収益力強化
製造改革を当初計画より前倒し
コストダウンのスピードUP
市場競争力・収益アップ
国内製造拠点統合
中国で大幅拡販
欧米でのシェア奪取
コストダウンモデルの投入
(2012年3月期完了)
海外生産拠点への
工程移管
材料調達先の拡大
(海外材料採用拡大)
新蕭山工場→
26
管楽器事業-製造拠点戦略
40
万本
40万本
400千本
35万本
350千本
33万本
330千本
インドネシア
310千本
31万本
30
23%
14%
34%
•木管生産拠点
•木管部品の一貫
生産
40%
38%
中国
20
27%
25%
•中国及び輸出
金管生産拠点
•現地材料調達機能
28%
63%
10
豊岡
35%
34%
・高付加価値製品
・技能伝承
31%
0
2007年3月
2010年3月
海外生産拡大
2013年3月
5年後
5年後 40万本/年
27
管楽器事業 ー 数値目標
2010年3月期
実績
2013年3月期
計画
5年後
目標
売上高
(億円)
310
345
360
営業利益率
3%
10%
>10%
28
中国市場での成長
中国・新興国での楽器セグメント売上計画
億円
850
900
800
680
700
600
520
成熟市場
韓国、台湾、
オーストラリア
シンガポールなど
570
500
成長市場
400
ロシア, CIS, インド,
ASEAN, 中南米,
中近東アフリカ
300
200
中国
100
0
2010/3月
2011/3月
2013/3月
-
5年後
3年後=30%成長、5年後=60%成長
30
中国楽器市場
億 人民元
140
ヤマハがカバーする領域
120
120
PA
98
100
80
B&O
70
価格帯
ギタードラム
60
電子鍵盤
40
ピアノ
20
0
2010年
3月
2013年
3月
5年後
2015年
3月
2010年時点で市場の4割はピアノが占め
る、ピアノ中心の市場
数量
裾野の非常に広いピラミッド
底辺では中国製が席巻
31
成長戦略 市場適合商品の拡大
楽器セグメント売上高 3年後15億元、5年後23億元へ
ピアノ 価格帯別
小売台数
価格帯(千元)
35~40
2008年までは
2万元が最下限
30~35
天津工場
(電子楽器)
25~30
17,800元 モデル
2009年投入
20~25
蘇州工場
(電子部品,AV)
杭州工場
(ピアノ,ギター)
蕭山工場
(管楽器)
15~20
10~15
5~10
来期15,000元台
ターゲットに
0
2
4
6
台数 (万台)
8
10
12
製造拠点を生かした中国
専用モデルの投入を計画
32
成長戦略 販売網の拡大
2010年3月
1,000店舗
ピアノ
管楽器
電子鍵盤
その他
合計
2010年 →2013年
350
500
170
260
250
500
230
240
1,000
1,500
2013年3月
1,500店舗へ
地方都市では総合楽器店を布石
大都市で専門店を拡充
33
成長する中国市場とヤマハ
市場(台数) 成長予想
(千台)
市場
2010年
2013年
ピアノ
250
280
300
電子ピアノ
100
140
160
PK
370
460
530
ギター
500
670
800
管楽器
310
370
430
2010年
2013年
ピアノ
32
50
65
電子ピアノ
22
40
60
112
180
300
ギター
13
50
100
管楽器
17
30
50
(千台)
ヤマハ
PK
5年後
5年後
34
その他新興国での成長
その他地域の売上計画
5年後にはアジア・パシフィック地域の中で「新興国市場」の占める
割合が48%へ
億円
600
483
500
400
300
200
548
+38%
397
新興国市場
412
258
218
156
83
174
90
準成長市場
108
108
成熟市場
100
157
151
153
179
'2010/03
'2011/03
'2013/03
5年後
0
36
新興国の売上計画
新興国市場は3年後40%、5年後66%の成長を図る
300
258
億円
+66%
250
21
200
150
100
156
18
41
39
50
0
19
44
32
その他・開発市場
64
中東/アフリカ
/CIS
60
ブラジル
53
インドネシア
インド
51
55
44
49
33
5
19
35
8
24
11
30
17
34
'2010/03
'2011/03
'2013/03
5年後
ロシア
37
拡大する中間所得層
急成長する新興国で台頭する中間所得層
富裕層
1~5%
中間所得層
10~35%
低価格商品投入による売上拡大
ローカルテイストモデル
CIS対応PA機器
低価格キーボード
低価格エレキギター
低価格電子ピアノ
FG・ナイロン弦ギター
38
新興市場でのヤマハ拠点
拠点布石一巡⇒本格的成果出しのフェーズへ
ロシア(2007)
ドバイ(1997)
ロシア、インド=拠点設置、
販売網の拡充ステージへ
韓国(2001)
中国(2002)
インド(2008)
台湾(1996)
タイ(1989)
マレーシア(1974)
シンガポール(1966)
インドネシア(1990)
メキシコ(1958)
パナマ(1975)
ブラジル(1973)
オーストラリア(1986)
 新興国での販売拠点増強 ’10年 2,000拠点→ ‘13年 3,400拠点→ 5年後 4,400拠点
 音楽普及活動の強化 ’10年 生徒数 13万人 → ‘13年 18万人 → 5年後 20万人
 青少年のための多様な音楽活動の支援
39
中国・新興国での戦略ポイント ー まとめ
●膨らむ中間層への戦略商品 投入
– 開発の主要ターゲットを先進国から中国・新興
市場へシフトする
• 中国向けボリュームゾーンへのピアノ投入
• 新興国向け廉価版ギター、ローカルテイストPK
• 中国製に対抗する管楽器商品
●販売網の拡大
●ヤマハ音楽教室を軸に楽器演奏人口拡大
– ヤマハビジネスモデルの展開による中間所得層
の取り込み
40
この資料の中で、将来の見通しに関する数値につきましては、
ヤマハ及びヤマハグループ各社の現時点での入手可能な
情 報 に 基 い て お り 、 こ の 中 に は リ ス ク や 不 確 定 な 要 因も
含まれております。
従いまして、実際の業績は、事業を取り巻く経済環境、需要
動向、米ドル、ユーロを中心とする為替動向等により、これら
の業績見通しと大きく異なる可能性があります。
text
42