グリーン調達基準書

アルプス電気株式会社
グリーン調達基準書
発効:2015年 5月15日
改訂:2015年 4月15日
制定:2002年 7月26日
アルプス電気株式会社
目次
1.はじめに
------P 3
2.アルプス環境憲章
------P 3
3.アルプス電気(株)グリーン調達基準
------P 4
3.1.アルプス電気(株)環境企業評価基準
------P 6
3.2.アルプス電気(株)部材評価基準
------P 8
3.3.環境負荷物質調査要領
------P11
2
1.はじめに
御高承の通り、昨今、地球環境の保護については、全世界規模の課題としての取り組みが進めら
れております。この事は私達メーカーにおいても企業経営の最重要課題として取り組まねばならな
い課題でもあります。
さて、当社では1994年に環境憲章を制定し、
「人にやさしい、自然にやさしい」をスローガン
に地球環境保護活動を推進して参りました。1996年に環境マネジメントシステム ISO14001 を
取得したのを皮切りに、現在では国内および海外の全生産拠点で取得しております。また、省エネ
ルギー、リサイクル等の諸施策にも継続して取り組み、製品の開発、製造、販売の全ての場面で環
境負荷低減の為の活動を展開しております。
しかしながら、この様な活動を推進しても、自社内だけの活動では限界があります。すなわち、
各お取引先様から購入する資材についても“環境にやさしい”ものである必要があります。
よって当社では、
「地球環境保護に対する十分な理解をもって経営に当たっているお取引先様から
環境に優しい材料、部品を購入する」を当社共通の購買方針として掲げました。
具体的には、新たな施策として2002年7月に「グリーン調達規定」を制定し、9月よりその
基準に沿った調達を開始致しておりますので、各お取引先様の皆様のご協力をお願い致します。
2.アルプスグループ環境憲章
-基本理念-
アルプスは地球社会の一員として、社会の持続可能な発展のため、卓越した技術に支えられた事業
活動と社員行動を通じて、美しい自然を守り、貴重な資源を大切にします。
-行動指針-
私たちはいつも環境保全に心掛け
1.環境を意識した製品開発に取組みます。
2.環境にやさしい生産・販売に取組みます。
3.モノを大切にします。
4.ムダを省きます。
5.リサイクルに努めます。
3
3.アルプス電気(株)グリーン調達基準
1.総則
(1)目的
この調達基準は、当社が掲げる基本理念「アルプスは地球社会の一員として、社会の持続可能
な発展のため、卓越した技術に支えられた事業活動と社員行動を通じて、美しい自然を守り、
貴重な資源を大切にします。」を遵守するべく制定されています。即ち、地球環境保護に対す
る十分な理解をもって経営に当たっているお取引先様から環境に優しい資材を優先的に購入
するべく、資材調達の指針を示すものです。
(2)適用
この調達基準は、アルプス電気(株)および関連会社における各種資材の調達活動に適用され
ます。ここでいう各種資材とは、継続的に購入される購買品のうち、原材料、部品(一般購入
品・外注加工部品)
、包装材料、補助材を総称します。
2.グリーン調達における選定基準
(1)選定基準に関して
当社における各種資材のグリーン調達については、
以下の2つの選定基準によるものとします。
①お取引先様の選定基準(環境企業評価) ---- 環境保全活動の評価
②購入資材の選定基準(部材評価)
---- 購入資材個々の評価
(2)お取引先様の選定基準(環境企業評価)
お取引先様の選定に当っては、これまでの品質・納期・価格・サービス・技術開発力等の他、新
たにお取引先様自身の環境保全活動に対する取組状況を評価基準に加えるものです。
(3)購入資材の選定基準(部材評価)
購入する各種資材の選定に当たっては、必要な品質・機能・価格に加え、「環境負荷物質管理基準一
覧」(付属書4)の基準を満たしている資材を採用していきます。
3.調達基準の運用について
当社とのお取引にあたり、グリーン調達システムに製造拠点情報の登録をお願いしております。
当社で、グリーン調達システムの会社コード、ユーザ ID、パスワードを設定しご連絡します。
グリーン調達システムのURLは下記のとおりです。
URL: http://green.alps.com/public/
(1) 製造拠点の登録
当社に納入頂く部品の製造拠点を調査頂きます。
(2) 環境企業評価
貴社の環境保全活動に関する取り組みについて、以下の内容で調査頂きます。
①新規評価
製造拠点の変更・追加および新規取引が発生した場合、取引開始前に調査頂きます。
②定期評価
a)グリーン調達システムの登録データ(ISO の認定取得状況等)を定期的(1回/年)に更新
頂きます。
b)事業所(工場)及び海外生産現地法人がお取引先様を選定し、
「環境管理企業(取引先)自
己評価シート」
(付属書2)を用いて、定期的(1回以上/年)に調査頂きます。
4
③臨時評価
評価方法の変更時、お取引先様のシステム変更発生時、その他(事故発生時、お客様対応の必
要性等)
、事業所(工場)及び海外生産現地法人の依頼に合わせて調査頂きます。
評価結果はグリーン調達システムに、ISO 認証状況・評価結果としてのランク・自己評価シー
トを入力頂きます。
(3) 部材評価
購入資材の環境保全に関する取り組みについて、以下の内容で調査頂きます。
①必要に応じ、当社担当者より調査依頼を致します。分析データにつきましては「分析方法」
(付属書6)に従った方法にて調査をお願い致します。
②「グリーン調達一括登録ツール」
(付属書7、以下「一括登録ツール」と表す)にて調査頂き
ました評価結果は電子データ(Excel データ)での回収となります。また、入力の証として記
載内容を印刷したものもご提出頂きます。
(4)運用の改訂
この調達基準は、社会情勢の変化や法規制の動向に応じて随時改訂していきます。
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3.1.アルプス電気(株)環境企業評価基準
1.環境企業評価
当社では「地球環境保護に対する十分な理解を持って経営に当っているお取引先様から環境に優
しい材料・部品を購入する」を購買方針として掲げ、
「グリーン調達規定」を制定しました。
また、環境企業評価基準の作成に当たりましては、日本工業規格「JIS Z 7201:2012 製品含有化学
物質管理-原則と指針」に準拠して策定致しました。
新規取引開始および製造拠点の変更・追加時は取引開始前に、また、定期評価(1回/年)およ
び臨時評価では事業本部および海外生産現法の依頼に合わせて調査頂きます。本環境企業評価の基
準をクリアして頂いた上でのお取引をお願いします。
2.評価対象範囲
(1) 量産部品(原材料・購入部品・加工部品・包装材・補助材)の製造拠点における環境保全活
動について、評価頂きます。
(2)ご回答は、会社単位ではなく、当社に納入頂く資材の製造拠点単位でお願いします。
(3)貴社が商社・代理店の場合、貴社ではなく、最終工場(製造拠点)を評価対象と致します。
3.評価の進め方
(1)「グリーン調達基準書」および「環境管理企業(取引先)自己評価シート」
(以下、自己評価
シートという)を配布致します。
(2)自己評価シートへの記入を行い、自己評価して頂きます。
(3)環境保全活動に関する管理体制の確認として、以下の認証取得状況を自己評価シート上で明確に
してください。
①ISO14001 の取得日(更新日)、認証機関、認証 NO.
②ISO9001 の取得日(更新日)、認証機関、認証 NO.
③TS16949 の取得日(更新日)、認証機関、認証 NO.
(4) 自己評価シートで管理枠組を明確にし、その管理枠組に該当する項目について、適合(3点)・
準適合(1点)・不適合(0点)・非該当のいずれかを選択してください。
選択頂くことによりシート上で計算が行われ、100点満点換算値が表示されます。
「証拠」欄には、証拠となる客観的に確認した事実をドキュメント名などと共に記入してください。
非該当がある場合は、その理由をそれぞれについて可能な範囲で記入してください。
*客観的に確認した証拠としてドキュメントのコピーを添付する場合は、そのドキュメントに参照 NO.を付
与すると共に、同 NO.を「回答」欄に記入してください。
なお、詳しい記入方法は、「自己評価シートの解説および作成手順」(付属書1)をご参照ください。
<評価結果と当社方針>
ランク
新規取引先判定基準
次年度継続取引判定基準
Aランク 総得点 100 点
取引開始となります。
継続してお取引させて頂き
不適合無し
ます。
Bランク 総得点 80~99 点
不適合無し
取引開始となります。
改善計画の作成と改善結
果・エビデンスを報告して頂
きます。
Cランク 総得点 50~79 点
条件付き取引となります。
6
継続してお取引させて頂き
ます。
改善計画の作成と改善結
果・エビデンスを報告して頂
きます。
条件付き取引となります。
不適合無し
条件:改善計画書の作成と 条件:改善計画書の作成と
改善結果・エビデンスを報告 改善結果・エビデンスを報告
して頂きます。
して頂きます。
原 則 的 に お 取 引 で き ま せ 連続このランクの場合は、
ん。但し、改善の見込みがあ お取引を停止させて頂くこと
ると判断できた場合は、お取 になります。
引を開始します。
(5)自己評価シートを記入頂いた後、自己評価シート(Excel データ)を担当窓口(依頼元)宛に
お送りください。当社で評価結果確認欄をチェックした後、システム登録を行います。
(6)自己評価結果が100点未満の場合は、自己評価シートの改善計画欄にご記入ください。改善後、改
善結果とエビデンスをご提出ください。
(7)自己評価結果が80点以上の場合は、取引開始させて頂きます。評価方法が変更となった場
合は、新評価方法による評価をお願いすることがありますので、その際はご協力ください。
(8)貴社で、調査回答後、ISO14001・ISO9001・TS16949 を新規取得・取得喪失および更新された
場合は、グリーン調達システムに入力頂くと共に、当社窓口宛にご連絡ください。
(9)製造拠点の追加および変更を実施する場合は、上記自己評価をして頂くと共に、当社承認を
受けてください。
Dランク 総得点 49 点以下
または不適合有り
(未提出も含む)
4.自己評価方法詳細
「自己評価シートの解説および作成手順」
(付属書1)
、
「環境管理(取引先)自己評価シート」
(付
属書2)をご利用ください。貴社の環境保全に関する取組み状況を、当社からの質問に対してご回
答頂く形式で自己評価して頂きます。
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3.2.アルプス電気(株)部材評価基準
1.目的
当社は化学物質が持つ性状を有益に利用することにより効果的・効率的な生産活動を行っていま
す。反面それらの化学物質の多くは使用・管理方法を誤ると環境および人体に対して有害性を生
じます。従ってそれらの化学物質の有益な性状を利用しながら有害性を排除することが、当社の
生産活動にとって重要な課題となっています。
このような背景の下に企業の責務として、
法規制を越えた当社独自の環境負荷物質管理基準を制
定することにより、環境負荷の少ない、安全な製品を提供すること並びに生産活動に伴う環境負
荷の低減を図ることを目的としています。
2.適用範囲
(1)本基準は当社製品に使用している原材料、部品(一般購入品、外注加工部品)、包装材料、
補助材料、当社の製造工程内で使用する部材等および前記対象物の包装材に適用します。
なお、お客様より要求がある場合には、設備・治工具・備品等にも適用します。
(2)お取引先様が、その製造工程で使用する化学物質は、オゾン層破壊物質を除き適用しません。
ただし、当社が購入する資材に残留する場合は適用となります。
(3)原則的に、意図的に含有するものを対象としますが、不純物として存在する場合も許容値が
設定されているものは適用となります。
(4)当社基準として使用禁止時期を決めておりますが、お客様毎に異なる場合もありますので、
その際は当社製品毎に取り決めることを前提とします。
3.用語の定義
(1) 環境負荷物質:地球環境や人間を含む生態系に有害な影響を与える化学物質であって当社
が指定した化学物質(
「環境負荷物質管理リスト(物質群)
」 (付属書3)参照)
。
(2)均質材質:均質材質とは、機械的に異なる材料に分解できない材料をいいます。
「均質」という用語は、
「全てに均一の構成物の」という意味です。
「均質材質」の例として、
個別の種類のプラスチック、セラミック、ガラス、金属、合金、紙、未実装基板、樹脂、コ
ーティングがあります。
「機械的に分解」という表現は、物質が原則として、ビスはずし、切断、粉砕、研削、研磨
工程などの機械的な作業により分離できることを意味します。
(3)意図的含有:対象物に一定の性能を持たせるために添加された状態をいいます。
(4)不純物:当該物質中に存在する未反応残留物、精錬過程で技術的除去が不可能な残留物や 自
然由来の物質であって非意図的に含有するものを指します。
(5)含有許容値:略して「許容値」という。環境負荷物質として影響を与えないであろう含有の目
安。具体的な記載方法としては、均質材質中の環境負荷物質について、
「指定された含有率」
で示す場合と、
「意図的含有せず」と示す場合があります。専門的には閾値(しきいち)といい
ます。また、この基準書においては意図的含有せずと指定された含有率が併記されている場
合、指定された含有率については不純物の含有許容値を意味します。
(6)プラスチック:ある程度の剛性を有する高分子材料の総称で、合成樹脂性の成形品を意味しま
す。熱硬化性樹脂の成形品や熱可塑性樹脂の成形品を示します。また硬化後の接着剤なども
本カテゴリーに含みます。
合成繊維:合成樹脂を原料とした繊維の総称として表す。
(事例)アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等
(7)合成ゴム(エラストマー):各種合成樹脂を原料とした弾性を有する成形品を指します。一
8
般的な架橋タイプのゴム(熱硬化性エラストマー)と熱可塑性を有する熱可塑性エラストマ
ーの2つに大別されます。
(架橋ゴムの代表事例)シリコーンゴム製ラバー接点用ラバー、NBR製Oリング等
(8)化成品:洗浄剤、接着剤、潤滑剤、離型剤、研磨剤等の特定形状を有しない液体、固体また
は粉体であって化学物質そのもの、またはその混合物であるもの。
調剤と同意語として使用します。
(9)成形品:その化学組成が果たすよりも大きな程度に、その最終使用の機能を決定付ける特定
の形状、外見またはデザインが製造中に与えられたものを指します。
(例)基板、チップコンデンサ、モータ等の調達部品、ギヤ、ケース等の成形加工部品
(10)環境負荷物質含有報告書(兼禁止物質不使用保証書)
(付属書8)
:お取引先様に環境負荷物
質の含有情報を報告頂くための当社独自の書式です。
グリーン調達一括登録ツールというエクセルファイルに環境負荷物質を入力、
印刷することで
作成されます。この書式が、禁止物質不使用保証書を兼ねます。
この基準書では、調査報告書ともいいます。
(11)SDS:化成品や原材料等特定形状を有しない化学物質またはその混合物で、危険有害性、適
用法規、取り扱い上の注意などの情報を供給元が提供するための文書。前記化成品や原材料は
提出して頂きます。
(12)成分表:その部材を構成する化学物質の名称と比率を表したもので、禁止物質不使用の
検証資料とします。
また、以下の文書でも成分表を見なします。
【化成品の場合】
・SDS と特定の化学物質含有情報シート
・SDS と JAMP MSDSplus
【成形品(アーティクル)の場合】
・JAMP AIS
(13)JAMP MSDSplus:アーティクルマネジメント推進協議会(以下 JAMP)が推奨する製品含有
化学物質情報を伝達するための基本的な情報伝達シートであり、物質・調剤中に含有される
成分を管理対象とする「法規等の名称」
、管理対象物質の「含有有無」
、
「物質名」
、
「CAS 番
号」
、
「濃度」などの情報を記載したもの。SDS を補完するものとして使われ、通常 SDS とセ
ットで伝達されます。
(14)JAMP AIS:JAMP が推奨する製品含有化学物質情報を伝達するための基本的な情報伝達シー
トであり、成形品の「質量」
、
「部位」
、
「材質」
、
「管理対象法規に該当する物質の含有有無・
物質名・含有量・成形品当たりの濃度」などの情報を記載したものです。
4.部材評価に関する必要書類の入手管理
前記適用範囲で規定された当社が購入する資材については、「環境負荷物質含有報告書(兼禁止物
質不使用保証書)」並びにその検証データとして、分析データ、成分表、SDS、JAMP MSDSplus あるい
は JAMP AIS のいずれかまたは複数をそれぞれの対象物品の種類と化学物質の種類に応じて、ご提出く
ださい。ご提出頂く検証データは当社より調査依頼の都度連絡致します。
「環境負荷物質含有報告書(兼禁止物質不使用保証書)
」は、禁止物質の不使用保証書を兼ねて
います。禁止物質の非含有を保証するための文書類は、変更がない限り有効とします。ただし、
お客様要求により期限を定める場合がありますので、ご承知おきください。
当社製品の梱包に使用する包装材料は、本基準書で指定する全ての環境負荷物質を対象として、
検証データをご提出ください。なお、当社に納入頂く部品の梱包に使用されている包装材料の分
析データは、鉛、カドミウム、六価クロム、水銀(4重金)のみご提出ください。
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5.化学物質の管理基準 : 管理レベル
環境負荷物質はその用途、使用方法によって環境へのリスクが変化します。従って同一物質で
あっても、その用途を厳しく規制しなければならないものと、用途によっては、適切な管理をす
ることによって、そのリスクをかなり軽減できる場合があります。加えて適切な代替技術が存在
せず、使用するリスクより使用しないで生ずるリスクの方が大きい場合もあります。以上のこと
から、二通りの管理レベルを定め、適切な管理を実行できるようにするものです。
(
「環境負荷物
質管理基準一覧」 (付属書4)
)
(1)禁止物質
何らかの法的根拠や過去の事例から環境へのリスクが重大と判断されたもの。
現時点で使用禁止を意味し、その適用範囲内での使用、含有を認めません。特に法規制が根拠
になっているものは例外を認めません。
禁止物質に関し、閾値を超えず意図的含有がある場合でも報告をお願いします。
購入品に禁止物質が含まれていないことを保証して頂くために、環境負荷物質含有報告書(兼
禁止物質不使用保証書)
、分析データ、成分表、SDS、などを提出頂きます。
(2)管理物質
現時点では、環境負荷物質であることを顕在化させ、適正管理に努めることを主眼とし、今後
の知見、社会環境および法規制の動向で禁止物質に格上げされる可能性のあるものです。
国内外の法令で適用除外の指定を受けた用途は管理物質として扱います。
管理物質に関し、意図的含有がある場合にはご報告頂きます。この時不純物等の意図的に含有
していない物質については、許容値を超えて含有する場合のみご報告頂きます。
6.改訂
新たな環境汚染データ、科学的知見、法規制等の動向または社会的変化により、本基準書は改
訂する場合があります。
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3.3.環境負荷物質調査要領
1.目 的
グリーン調達基準書に基づく環境負荷物質含有調査に際しその調査要領を明確にすることにより、
環境負荷物質の含有特定を行い、その結果を利用することによって、当社製品の環境負荷や生産活
動によって生ずる環境負荷の低減を目指すものです。
2.調査対象
当社が調達する原材料・部品(一般購入品・外注加工部品)
・包装材料、消耗材料、補助材、工場
管理用部材および調査を指定した一部の生産設備、治工具を対象に行います。
3.調査報告の方法
3.1.報告様式
調査につきましては、対象に応じて当社より必要書類を要請致しますので、お取引先様で判断
される必要はありません。当社担当者よりご依頼申し上げた内容で回答をお願い致します。
以下のケースについて説明致します。対応困難な場合は、調査担当者宛にご相談ください。
(1)当社製品の一部を構成するもの
例;原材料・部品(一般購入品・外注加工部品)
・包装材料・補助材等
調査報告は、当社のグリーン調達システムにデータ登録するための「一括登録ツール」と調
査内容を保証して頂くための文書が必要となります。
「一括登録ツール」には電気用と車載用があります。どちらをご使用頂くかは当社より調査
依頼の都度連絡致します。車載用で回答頂く場合は構成材料の物質をすべてご報告頂きます。
「一括登録ツール」を用いて必要事項を入力後、
「環境負荷物質含有報告書(兼禁止物質不使
用保証書)
」を使用してご報告ください。なお、調査報告書は、
「一括登録ツール」にて作成
できます。お取引先様では、調査責任者のお名前を記載し社印を押印したものを、
「一括登録
ツール」とあわせてご提出ください。
(2)化成品ではあるが、当社製品に残留またはその一部を構成するもの
(1)の手順に従って頂くと共に成分表を必ずご提出ください。
(3)当社製造工程で使用されるが、当社製品には残留せず、工程中でのみ消費される化成品
例;洗浄剤、研磨剤、エッチング液、界面活性剤、水処理剤等、放電加工油、レジスト、剥
離液、現像液、設備保守管理用化成品など
SDS をご提出ください。前記「一括登録ツール」および調査報告書への記載は必要としない
ことを基本としますが、当社判断より提出をお願いする場合があります。
3.2.データの記入内容
ここでは、
「一括登録ツール」に環境負荷物質に関するデータを記入するために必要な内容に
ついて説明致します。不明な点は担当窓口にお問い合わせください。
「一括登録ツール」の記入方法、規則については「グリーン調達一括登録ツール操作説明書」
を参照してください。操作説明書については、グリーン調達システムよりダウンロードしてご覧
ください。もしくは「一括登録ツール」上でもご覧いただけます。
(1)貴社情報の記入
貴社名;貴社の名称および必要に応じて事業所名を記入してください。
担当者名;調査を担当された方のお名前を記入してください。
TEL、E-mail は調査を担当された方のものを記入してください。
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(2)品番等
ALPS 品番:当社が指定致します。別紙やメール等でお願いする場合もありますので、その
場合は転記してください。また当社品番のないものは、貴社の品番での記入をお願い致し
ます。
仕入先品番:貴社の品番を記入してください。
ALPS 品目名称:当該品番の名称を記載してください。
製品質量:調査対象品の調査単位の質量を記入してください。個別部品の場合は、一個当た
りの質量を記載してください。特定形状を有しないものや、板状、シート等は、単位質量
(1kg当たり、あるいは1g当たり等)を記載してください。
(3)含有負荷物質の調査方法
① 調査対象環境負荷物質 「環境負荷物質管理リスト(物質群)
」
(付属書3)に記載された
物質がその調査対象となります。
② 調査対象品をその部位に分け、すべての部位を記載の上、それぞれに前記①の環境負荷物
質が含有されているかどうか調査します。含有負荷物質が含まれない部位については、
「環
境負荷物質含有なし」とご記入ください。
③ 構成部位
「一括登録ツール」の材料構成情報調査の欄にある部位がこれに対応します。化学物質含有
調査の項にある部位も同じ内容を記入してください。
調査対象物を構成する最小単位を部位と称します。部位は、その対象物の最小構成均質材質
材を指します。
なお、均質とはその部材を構成する構成要素が同一であることを指します。以下のものは均
質とは認めません。
同一種の樹脂で色が異なるもの
同一種の樹脂に難燃剤の含有があるものとないもの
同一種の樹脂にフィラーの含有があるものとないもの
部位の表記方法は、ギヤ(ナイロン)
、リード(錫メッキ銅線)
、保持版(亜鉛メッキ鋼板)等、部
位の名称と構成素材をかっこ内に記入してください。
部位の考え方の事例は、
「
(参考)部品の構成単位となる部位の考え方」を参照してください。
④ 部位の質量
「一括登録ツール」の材料構成情報調査の欄にある質量がこれに対応します。
前記同一組成の材料で出来ている形状の異なる部位は、合算した質量を記載してください。
調査対象部品のすべての部位を記入し、製品質量と部位の合計質量を合致させてください。
調査対象が化成品の場合は、全ての構成素材の合算した値になります。
⑤ 含有
意図的に含有されたものが対象となります。不純物は含まれませんが、許容値を設定してい
る物質で許容値を超える不純物の含有がある場合は報告対象になります。
⑥ 環境負荷物質
名称並びにCAS番号を記載してください。名称およびCAS番号は「環境負荷物質詳細リ
スト」
(付属書5)を参照してご記入ください。原則としてCAS番号で特定される化学物質
名称で記載することとします。
「環境負荷物質詳細リスト」に記載がなく、CAS番号が判っ
ている物質については、物質名称、CAS番号の記入をお願い致します。CAS番号が判ら
ない場合は管理番号にて報告下さい。
なお、同一物質が複数の部位に含有する場合は、部位毎に記載してください。
⑦ 含有量
部位毎の環境負荷物質の含有量をmg単位で有効数字2桁(3桁目は四捨五入)で記入して
ください。
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なお、含有量の項は含有率でも回答可能になっていますが、含有率では答えないでください。
例) 2,549mg の場合 : 2500
mg
1.1456mg の場合 :
1.1 mg
0.00214mg の場合 :
0.0021mg
0.1mg
の場合 :
0.1 mg
含有量の算出に当たっては、実測値、理論値、設計値のいずれも可としますが、幅がある
場合には最大値とします。ただし樹脂等の部位のカドミウム、鉛および包装材料中のカドミ
ウム、鉛、水銀、六価クロムは実測値(分析値)を記入してください。
*金属化合物の場合、金属換算を行わないで金属化合物の含有量でお答えください。
合金の場合は、構成金属の質量でお答えください。
例1:三塩化アンチモン(SbCl3)100mg を含有する場合の量は、そのまま三塩化アンチモンの
量100mgを記入してください。
例2:共晶はんだの場合は、はんだの量ではなくはんだ中の鉛の量をご回答ください。また、
前記記載の物質群でしか答えられない場合で、かつ金属化合物群の場合は金属換算値を
記入してください。特にカドミウム、水銀、鉛、六価クロムは必ず金属換算値で記入し
てください。法規の順守状況を判断する時に必須項目となります。
⑧目的
その物質を含有している目的を記入してください。
例 1:安定剤、可塑剤、着色剤、難燃剤、防錆、はんだ成分等
例 2:主成分、熱安定性向上、電気特性向上、機械特性向上等
例 3:不純物(意図的な含有でないことが明確な場合)等
⑨調査対象品が複数ある場合には、欄を区切って同様に記入してください。
なお、記入欄が不足するときには、行を追加して使用してください。
⑩記載のない環境負荷物質は、「含有無し」と判断致します。
⑪調査に当たっての注意事項
以下の部材は、環境負荷物質を含有する場合が多いので、充分な確認をお願いします。
・ベアリングやレバー等の稼動部分を有する部品に使用のグリス等の潤滑剤
・樹脂材料の難燃剤
・リード線被覆のポリ塩化ビニルや難燃剤、安定剤
・接点の電気的潤滑等を目的とした特別な金属類(合金)
・ベルト、ローラー、ブッシュ、チューブ等のゴム類の添加剤
・カラーコードなどの表示塗料
3.3.調査報告書およびデータ等の回収
①環境負荷物質含有報告書(兼禁止物質不使用保証書)は禁止物質の不使用保証書を兼ねてお
りますので、禁止物質が含有されていた場合は、この報告書そのものが提出できませんし、
当社では受入出来ませんのでご注意ください。
②全ての必要事項を記入した後、調査報告書を印刷してください。内容をご確認の上、所定の
欄に責任者の方のお名前と社印(事業部印等)を押印して、含有調査を依頼した当社担当者
に提出してください。
③入力済み「一括登録ツール」ファイルも含有調査を依頼した当社担当者にご提出ください。
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(参考) 部品の構成単位となる部位の考え方
【含有算出量計算例】
:電解コンデンサ
スリーブ(外装チュー
ケース
内部エレメント(本体)
電解液
封止ゴム
(電極箔、電解紙、電極端子、素子止めテープ)
構成部品ごとの含有量(例)とその計算
構成
対象物質
アルミ電解コンデンサ
スリーブ(外装チューブ)
1.256
g
0.300
g
含有量
ポリ塩化ビニル
150.000
含有目的
mg
主材
配合比 50% 0.3g×0.50=150mg
フタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)
120.000
mg
可塑剤
配合比 40% 0.3g×0.40=120mg
三酸化アンチモン
30.000
mg
難燃剤
配合比 10% 0.3g×0.10= 30mg
銅(金属)
0.500
mg
不純物
その他の金属
0.100
mg
不純物
アルミニウム
100.000
mg
主材(基材)
酸化アルミ(A1203)
10.000
mg
主材(誘電体)
アルミニウム
100.000
mg
主材
銅(金属)
0.200
mg
不純物
内部エレメント
電極箔
電解紙
電極端子
素子止めテープ
電解液
封止ゴム
0.210
0.110
0.004
0.002
0.110
0.100
g
g
g
g
g
g
セルロース
100.000
mg
主材
その他の添加剤
10.000
mg
安定剤
アルミニウム
4.000
mg
主材
銅(金属)
0.080
mg
不純物
ポリプロピレン
1.000
mg
主材
アクリル共重合体
0.400
mg
主材
酢酸エチル
0.400
mg
主成分
トルエン
0.100
mg
主成分
n-ヘキサン
0.090
mg
主成分
アクリル酸 n-ブチル
0.009
mg
柔軟材
フタル酸ジエチル;DEP
0.001
mg
柔軟材
エチレングリコール
80.000
mg
主成分(溶媒)
アジピン酸のアンモニウム塩
20.000
mg
主成分(溶質)
ホウ酸
0.100
mg
安定剤
その他の添加剤
9.900
mg
安定剤
ニトリルブタジエンゴム(NBR)
50.000
mg
主成分
カーボンブラック
25.000
mg
機械的性能向上
シリカ、石英
10.000
mg
機械的性能向上
フタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)
リード端子
0.020
g
銅(金属)
スズ
14
8.000
mg
柔軟材
19.980
mg
主成分
0.019
mg
主成分
リード端
回答は以下のようになります。(電気用)
構成部位情報
部位名称/
材料名称
スリーブ
(外装チューブ)
化学物質含有情報
質量
0.3
単位
g
CAS 番号
9002-86-2
117-81-7
1309-64-4
ケース
内部エレメント
(本体)
物質名称
ポリ塩化ビニル
ビス(2-エチルヘキサン-1-イル)
=フタラート
三酸化アンチモン;酸化アンチモ
ン
含有量
・率
単位
含有目的
150
mg
主材
120
mg
可塑剤
30
mg
難燃剤
0.4
g
AL99
環境負荷物質含有なし
0
mg
含有なし
0.32
g
84-66-2
フタル酸ジエチル;DEP
0.001
mg
含有なし
10043-35-3
ホウ酸
0.1
mg
安定剤
8
mg
柔軟材
0
mg
含有なし
電解液
封止ゴム
0.1
g
117-81-7
リード端子
0.02
g
AL99
ビス(2-エチルヘキサン-1-イル)
=フタラート
環境負荷物質含有なし
例:環境負荷物質含有報告書(兼禁止物質不使用保証書)
(電気用)
イメージ
15
回答は以下のようになります。(車載用)
構成部位/材料情報
部位名称
化学物質含有情報
材料名称
質量
単位
CAS 番号
物質名称
含有量・率
単位
含有目的
JAMA 含有目的
スリーブ
ポリ塩化ビニル
0.3
g
9002-86-2
ポリ塩化ビニル
150.000
mg
主材
主成分
120.000
mg
可塑剤
加工性向上
30.000
mg
難燃剤
難燃性向上
(外装チューブ)
ビス(2-エチルヘキサン
117-81-7
-1-イル)=フタラート
三酸化アンチモン;
1309-64-4
酸化アンチモン
ケース
アルミニウム
0.4
g
7429-90-5
アルミニウム
399.400
mg
主剤
主成分
7440-50-8
銅(金属)
0.500
mg
不純物
意図せずに含有
0.100
mg
不純物
意図せずに含有
規制物質を含まない
AL99
その他物質
内部エレメント
電極箔
0.2102
g
7429-90-5
アルミニウム
100.000
mg
主材(基材)
主成分
1344-28-1
酸化アルミ(A1203)
10.000
mg
主材(誘電体)
主成分
7429-90-5
アルミニウム
100.000
mg
主材
主成分
7440-50-8
銅(金属)
0.200
mg
不純物
意図せずに含有
セルロース
100.000
mg
主材
主成分
内部エレメント
電解紙
0.11
g
9004-34-6
AL99
その他の添加剤
10.000
mg
安定剤
熱安定性向上
内部エレメント
電極端子
0.00408
g
7429-90-5
アルミニウム
4.000
mg
主材
主成分
7440-50-8
銅(金属)
0.080
mg
不純物
意図せずに含有
25085-53-4
ポリプロピレン
1.000
mg
主材
主成分
26760-85-0
アクリル共重合体
0.400
mg
主材
主成分
141-78-6
酢酸エチル
0.400
mg
主成分
主成分
108-88-3
トルエン
0.100
mg
主成分
主成分
110-54-3
n-ヘキサン
0.090
mg
主成分
主成分
141-32-2
アクリル酸 n-ブチル
0.009
mg
柔軟材
加工性向上
84-66-2
フタル酸ジエチル;DEP
0.001
mg
柔軟材
加工性向上
107-21-1
エチレングリコール
80.000
mg
主成分(溶媒)
主成分
19090-60-9
アジピン酸のアンモニウム塩
20.000
mg
主成分(溶質)
主成分
10043-35-3
ホウ酸
0.100
mg
安定剤
熱安定性向上
9.900
mg
安定剤
熱安定性向上
内部エレメント
電解液
素子止めテープ
電解液
0.002
0.11
g
g
規制物質を含まない
AL99
その他物質
封止ゴム
封止ゴム
0.1
g
AL88
ゴムポリマー(NBR)
50.000
mg
主成分
主成分
1333-86-4
カーボンブラック
25.000
mg
機械的性能向上
機械特性向上
14808-60-7
シリカ、石英
10.000
mg
機械的性能向上
機械特性向上
8.000
mg
柔軟材
加工性向上
ビス(2-エチルヘキサン
117-81-7
-1-イル)=フタラート
リード端子
リード端子
0.019999
g
AL99
その他の添加剤
7.000
mg
機械的性能向上
機械特性向上
7440-50-8
銅(金属)
19.980
mg
主成分
主成分
7440-31-5
スズ
0.019
mg
主成分
主成分
16
例:環境負荷物質含有報告書(兼禁止物質不使用保証書)
(車載用)
イメージ
17
【構成部位の考え方の例1】 コネクター類
構成部位:ハウジング、コンタクト
コンタクト
ハウジング
【構成部位の考え方の例2】 スイッチ,リレー等、機構部分を持つ部品
構成部位:部品ケース(樹脂モールド等),金属部分(レバー,フレーム,端子等)
可動部(接点等)
可動部
ケース
接点
フレーム
コイルボビン
コイル
モールド基台
端子
*樹脂の難燃剤,接点の電気的特性・潤滑などを目的とした特別な金属類(合金)等にご留意くださ
い。
【構成部位の考え方の例3】 表面実装型チップ部品
構成部位:端子部分,部品本体
部品本体
端子部分
【構成部位の考え方の例4】 半導体デバイス
構成部位:リード端子(リードフレーム等)
,パッケージ本体(モールド樹脂等)
,デバイス
チップ
デバイスチップ
パッケージ本体
リード端子
*パッケージ樹脂材料の難燃剤,リードの材質・処理にご留意ください。
18
【構成部位の考え方の例5】 トランス,インダクタ類
構成部位:コア,巻線,ボビン,リード線,リード線被覆、絶縁物,ケース・フレーム等
コア
コイル
引出しリード
コイルボビン
コア
*樹脂材料や絶縁部品の難燃剤,コイルの含浸剤,リード線被覆のPVCや難燃剤にご留意くださ
い。
【構成部位の考え方の例6】 DCモーター
構成部位:部品ケース(樹脂モールド等)
,軸受け、含浸オイル、軸、ブラシ,ローターコア、
マグネット、巻線、ブラシ、樹脂ケース
ケース
マグネット
ローター・コア
軸受け
巻線
ブラシ
整流子
樹 脂
*樹脂の難燃剤,整流子の電気的特性・潤滑などを目的とした特別な金属類(合金)等、また軸受け
部のグリース等にご留意ください。 リード線,電子回路を含む場合など、それぞれの部位の含有
量を算出してください。
注:
「
(参考)部品の構成単位となる部位の考え方」は、グリーン調達調査共通化協議会の「部品・
材料含有化学物質調査マニュアル」より一部引用しました。
19
アルプスグループ環境憲章
基本理念
アルプスは地球社会の一員として、社会の持続可能な発展のため、
卓越した技術に支えられた事業活動とし社員行動を通じて、
美しい自然を守り、貴重な資源を大切にします。
行動指針
私たちはいつも環境保全に心掛け
1. 環境を意識した製品開発に取組みます
2. 環境にやさしい生産・販売に取組みます
3. モノを大切にします
4. ムダを省きます
5. リサイクルに努めます
The Alps Group Environmental Charter
Basic Philosophy
Alps, as a member of the global community, is committed to protecting the
beauty of nature and to safeguarding our precious resources through the use of
technologically advanced business practices and the efforts of its employees, in
order to promote sustainable development.
Action Program
Placing priority on environmental preservation, we at Alps will:
1. Develop products in light of environmental concerns
2. Engage in environmentally friendly production and sales
3. Conserve our natural resources
4. Reduce or eliminate waste
5. Increase recycling activities
ASMP004