イオンビームスパッタリング法による紫外線用フッ化物薄膜の作製

技術紹介 11 イオンビームスパッタリング法による紫外線用フッ化物薄膜の作製
1
技術紹介
11 イオンビームスパッタリング法による紫外線用フッ化物薄膜の作製
Fluoride multilayers fabricated by Ion Beam Sputtering Method for ultraviolet optical applications
吉田 俊也
原田 和明
西本 圭司
関根 啓一
江藤 和幸
Toshiya Yoshida
Kazuaki Harada
Keiji Nishimoto
Keiichi Sekine
Kazuyuki Etoh
中央研究所
中央研究所
中央研究所
中央研究所
中央研究所
研究開発部
研究開発部
研究開発部
研究開発部
研究開発部
主任
主任
エキスパート
シニアマネージャー
キーワード: イオンビームスパッタリング法、フッ化物薄膜、反射防止膜、低吸収損失、ミラー、表面粗さ、膜応力
Keywords : Ion beam sputtering method, Fluoride thin film, Antireflection coating, Low absorption loss,
Mirror, Surface roughness, coating stress
要 旨
SUMMARY
半導体デバイスの高性能化に伴い、製造技術として使
The lithography technology is used to manufacture
semiconductor devices. As the performance of
semiconductor devices advances, the light source
of a lithography system shifts to ArF excimer laser
with shorter wavelength of 193 nm than before. We
are developing optical applications for a lithography
system such as antireflection coatings, mirrors,
etc., using ion beam sputtering method. Fluoride
materials are used for optical multilayers at the
wavelength of 193 nm. Whereas, in case of fluoride
thin films fabricated by sputtering method, it was
difficult to reduce the absorption loss due to their
non-stoichiometric compositions. We produced the
antireflection coating with the transmittance of 99.7
% at the wavelength of 193 nm by the optimization
of the deposition conditions. It shows that fluoride
multilayers with low loss are fabricated by ion beam
sputtering method. The surface roughness is about
0.5 nm RMS regardless of their thickness. We realize
the fluoride multilayers with low loss as well as smooth
surface, which is characteristic of thin films fabricated
by sputtering method.
用されている光リソグラフィーは、その光源の短波長化
が進んでおり、現在では ArF レーザ ( 波長 193nm) の
光が使われ始めています。本研究では、この光リソグラ
フィーシステムの光学系で使用する反射防止膜やミラー
などの光学薄膜をイオンビームスパッタリング法という
成膜手法を用いることで高性能化することを目指した開
発を行っています。この波長では、光学薄膜の材料とし
てフッ化物が使われますが、これまでスパッタリング法
でフッ化物薄膜を作製する場合、フッ素欠損に起因した
吸収損失の低減が難しいという問題がありました。今回
成膜条件の最適化を行うことで、波長 193 nm におけ
る反射防止膜の透過率は 99.7 % まで向上し、イオン
ビームスパッタリング法により吸収損失の小さいフッ
化物薄膜の作製が可能であることを示すことができま
した。表面粗さは膜厚に依らず、約 0.5 nm RMS と
小さく、スパッタリング法の特長であるなめらかな表
面を維持しつつ、低吸収損失を実現することができま
した。
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1 まえがき
半導体回路の微細製造技術が発展した結果、近年ではシステム LSI と呼ばれる多機能
をひとつに集積した LSI がデジタルカメラや携帯電話、家電製品に至るまで使用されてい
ます。高付加価値製品であるシステム LSI には今後も高速化、多機能化、大容量化が求め
られ、それを実現するための製造技術の発展も不可欠となります。システム LSI を含む半
導体の製造技術には現在、マスクパターンを半導体ウエハ上に転写する光リソグラフィー
技術が使用されています。光リソグラフィーシステムの分解能はその光源波長に依存する
ため、半導体回路の微細化のためには光源の短波長化が必要となります。現在の主流は
KrF エキシマレーザ ( 光源波長 248 nm) で次世代には ArF エキシマレーザ ( 光源波長
193 nm)、F2 エキシマレーザ ( 光源波長 157 nm)、EUV( 波長 13 nm) へと移行して
いくと考えられています。ArF エキシマレーザから F2 エキシマレーザまでの深紫外 / 真
空紫外波長領域で吸収の小さい材料はフッ化物に限られます。そのため、光リソグラフィー
システムのように深紫外 / 真空紫外波長領域の光学系では基板、薄膜材料としてフッ化物
を使用する必要があります。一般にフッ化物薄膜の作製方法として蒸着法が使用されてい
ます。蒸着法では光吸収の小さいフッ化物薄膜を作製できる長所がありますが、表面が粗
く、薄膜の堆積密度も低いため、散乱損失が大きく、耐湿性が悪いなど問題点がありまし
た。一方、スパッタリング法によるフッ化物薄膜の作製はいくつかのグループで試みられて
おりますが表面がなめらかで薄膜の堆積密度が高いため、散乱損失が小さいなどの長所が
1)
ありますが、フッ素欠損による光吸収を低減することが難しいという問題がありました。
本研究ではイオンビームスパッタリング法の特長であるなめらかな表面を維持しつつ、
光吸収の小さいフッ化物薄膜を開発することを試みました。その結果の中からイオンビー
ムスパッタリング法で作製したフッ化物薄膜の光学特性、表面粗さ、膜応力について紹介
します。
写真 1 イオンビームスパッタリング法で CaF2 基板上に成膜したフッ化物薄膜
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2 実験
2.1 成膜装置
イオンビームスパッタリング成膜装置の概略図を図 1 に示します。
成膜装置はイオン源、ニュートラライザ、ターゲット、基板ホルダで構成され、成膜室
をクライオポンプで排気しています。
イオン源では高周波 放電によりアルゴンガスをイオン化し、グリッドにかけられた約
1KeV の電界でイオンビームを成膜室へ引き出します。
ニュートラライザより負電荷をもつ電子を供給し、正電荷をもつイオンビームを中和する
ことで成膜室内におけるイオンビームの発散を防ぎます。
イオンビームとターゲットとの衝突によりスパッタリングされた粒子は十数 eV と高いエ
ネルギーをもつことが知られており、基板上で緻密な薄膜を形成します。
スパッタリング法でフッ化物薄膜を作製する場合、ターゲットからスパッタリングされ
た粒子の組成がさまざまなため、成長した薄膜のフッ素欠損に起因した吸収損失が問題
となります。そこでフッ素欠損を補うために反応性ガスとしてフッ素ガスを成膜室に導入
しました。
成膜室
���
���������
スパッタリング粒子
������
イオンビーム
����
イオン源
基板ホルダ
�����
クライオポンプ
�������
流量コントローラ
��������
アルゴンガス
������
�����
ターゲッ
ト
グリッ
ド
����
ニュートラライザ
��������
図 1 イオンビームスパッタリング成膜装置
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2.2 薄膜構造
基板には光学研磨したフッ化カルシウム CaF2 を使用しました。多層膜を作製するため、
成膜材料として屈折率の異なるフッ化マグネシウム MgF2( 低屈折率薄膜材料 ) とフッ化ガ
ドリニウム GdF3 ( 高屈折率薄膜材料 ) を使用しました。作製した多層膜の構造を表 1 に
まとめ、概略図を図 2 に示します。多層膜は ArF エキシマレーザの発振波長である193
nm 用として設計しました。
表 1 作製した多層膜の構造 (L=MgF2,H=GdF3)
種類
構造
総層数 / 片面
成膜面
反射防止膜
LHL
3
両面
2
5
片面
5
11
片面
ハーフミラー
[HL] H
ハーフミラー
[HL] H
�����
���
GdF3�
MgF2�
CaF2��
(1) 反 射 防 止 膜
��������
���
���
CaF2��
GdF3�
MgF2�
(2)
ハーフミラー
���������
図 2 作製した多層膜の構造
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2.3 測定
2.3.1 光学特性
基板および薄膜の透過率は波長 190 ∼ 500 nm の範囲を紫外、可視分光光度計で、
波長 150-190 nm の範囲を真空紫外分光光度計で測定しました。真空紫外分光光度計
では酸素による紫外線の吸収を防ぐため、窒素雰囲気で測定を行いました。各成膜材料の
単層膜の光学定数は透過率の波長依存性を用いてエンベロープ法
2,3)
で計算しました。薄
膜の反射率は波長 150-250 nm の範囲を真空紫外分光光度計で測定しました。反射率
の測定は垂直入射と同等と仮定して入射角度 7.5 度で行いました。
2.3.2 表面粗さ
表面粗さは原子間力顕微鏡で測定しました。薄膜の表面粗さは取得した 1μ m 角の範
囲の画像から算出した粗さの二乗平均平方根値 (RMS 値 ) で評価しました。ArF レーザ
発振波長であるλ=193nm の光に対する散乱損失 Lscatter は
L scatter = 1 − exp −(
4πδcosθ 2
)
λ
(1)
4)
で計算しました 。但し、δは表面粗さの RMS 値、θは光の入射角です。
2.3.3 膜応力
成膜後の円板基板が椀状に湾曲すると仮定してその曲率半径 r から Stoney の式
σ=
Eb 2
rd
6 1 −ν)
(
5)
(2)
を用いて膜応力σを見積りました。但し、E、ν、b はそれぞれ基板のヤング率、ポアソン
比、厚さで d は薄膜の膜厚です。円板基板の曲率半径 r はフィゾー干渉計により透過波面
を測定し、その歪量から計算しました。フィゾー干渉計による透過波面像の例を図 3 に示
します。
図 3 フィゾー干渉計による透過波面像
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3 結果
3.1 単層膜の光学特性
各成膜材料単層膜の透過率の波長依存性を図 4 に示します。
光学膜厚がそれぞれ 4/4 λ ,6/4 λに相当する波長 320,220 nm では各成膜材料の
透過率は基板透過率とほぼ一致しており、損失が小さいことがわかります。光学膜厚が
8/4 λに相当する波長 172nm ではフッ化ガドリニウム GdF3 の透過率が基板透過率から
離れており、フッ化マグネシウム MgF2 の透過率は基板透過率とほぼ一致しています。こ
のことからこの波長域ではフッ化マグネシウム MgF2 のほうが低損失であることがわかり
ます。図 4 に示す透過率の波長依存性からエンベロープ法
2,3)
を用いて計算した屈折率の
波長依存性を図 5 に示します。ArF レーザ発振波長である波長 193 nm におけるフッ化
マグネシウム MgF2, フッ化ガドリニウム GdF3 の屈折率はそれぞれ 1.44、1.71 で消衰
係数はともに 10
��� (%)
95
−4
のオーダでした。
MgF2
CaF2
90
GdF3
85
150 200 250 300 350 400 450 500
�� (nm)
図 4 単層膜と CaF2 基板の透過率の波長依存性
1.9
���
1.8
GdF3
1.7
1.6
CaF2
1.5
1.4
1.3
150
MgF2
200
250
300 350 400
�� (nm)
450
500
図 5 単層膜と CaF2 基板の屈折率の波長依存性
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3.2 多層膜
3.2.1 多層膜の光学特性
(1)反射防止膜
反射防止膜の透過率と反射率の波長依存性を図 6 に示します。波長 193 nm における反
射率がゼロであることから設計通り反射防止されていることがわかります。波長 193 nm
における透過率は 99.7 % と高く、低損失な反射防止膜
6)
であることがわかります。
���(%)
95
15
99.8
90
99.7
85
99.5
190
10
99.6
80
150
192
193.4
194
196
198
5
��� (%)
20
100
0
250
193
200
�� (nm)
図 6 反射防止膜の透過率と反射率の波長依存性
(2)ハーフミラー
5 層および 11 層ハーフミラーの反射率の波長依存性を図 7 に示します。波長 193 nm に
���(%)
おける反射率はそれぞれ 33 %、64 % でした。
70
60
50
40
30
20
10
0
150
11�
5�
200
250
��(nm)
図 7 ハーフミラーの反射率の波長依存性
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3.2.2 多層膜の表面粗さ
イオンビームスパッタリング法で作製した反射防止膜と蒸着法で作製した反射防止膜の
原子間力顕微鏡像を図 8 に示します。各像の左図は X-Y 平面像で右図は 3 次元像です。
蒸着法で作製した反射防止膜の表面は粗く、その表面粗さは 1.23 nm RMS です。一方、
イオンビームスパッタリング法で作製した反射防止膜の表面は蒸着法のものと比較してな
めらかで粒径も緻密です。その表面粗さは 0.52 nm RMS と小さく、スパッタリング法で
作製した薄膜の特長が現れています。
� 3 AlF3/LaF3 ����������������
� 4 AlF3/GdF3 ����������������
� 5 AlF3/GdF3 �������������������
� 6 ����������������
����
(1) ������������������������
����
(2) �������������
図 8 反射防止膜の原子間力顕微鏡像
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イオンビームスパッタリング法で成膜したハーフミラーの原子間力顕微鏡像を図 9 に示し
ます。膜厚が 5 層から11 層に増加するに従い、粒径は大きくなりますが表面粗さは約 0.5
nm RMS で変わらないことがわかります。イオンビームスパッタリング法で作製した多層
膜には 3 層の反射防止膜と比較しても膜厚の増加に依存した表面粗さの増加は見られない
ことがわかります。多層膜の表面粗さと(1)式から計算した波長 193 nm における散乱損失
(垂直入射θ= 0°
)を表 2 に示します。イオンビームスパッタリング法で作製した多層膜
の散乱損失は 0.1 % と小さく、損失は主に吸収損失に起因していると考えられます。一方、
蒸着法で作製した反射防止膜の散乱損失は 0.6 % と損失に対する寄与は無視できないと
考えられます。
���������������������� 5 �������
���������������������� 11 �������
図 9 ハーフミラーの原子間力顕微鏡像
表 2 多層膜の表面粗さと波長 193nm における散乱損失
成膜方法
種類
層数
表面粗さ
(nm RMS)
193 nm における
散乱損失 (%)
イオンビーム
反射防止膜
3
0.52
0.1
スパッタリング法
ハーフミラー
5
0.52
0.1
ハーフミラー
11
0.54
0.1
反射防止膜
3
1.23
0.6
蒸着法
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3.2.3 多層膜の応力
イオンビームスパッタリング法で作製した多層膜の膜応力の膜厚依存性を図 10 に示しま
す。多層膜の膜応力は表面粗さと同様に膜厚依存性を示さず、約 − 500 ∼ − 400MPa
です。膜応力の負符号は圧縮応力であることを示します。スパッタリング法による薄膜で
はしばしば圧縮応力を示すことが知られており、応力発生のメカニズムがスパッタリング
粒子の叩き込みに起因している
7)
と考えられています。
��(MPa)
0
3������
-200
-400
-600
11�������
5�������
-800
-1000
0
100
200
300
����(nm)
400
図 10 膜応力の膜厚依存性
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4 むすび
フッ化物薄膜では光吸収の低減が難しいと考えられていたイオンビームスパッタリング
法を用いて成膜条件の最適化を行った結果、フッ化マグネシウムとフッ化ガドリニウムの消
衰係数を波長 193 nm で 10
−4
のオーダまで低減することができました。それら材料を
使用して反射防止膜を作製した結果、波長 193 nm における透過率は 99.7 % まで向上
し、イオンビームスパッタリング法で低吸収損失なフッ化物多層膜の作製が可能であるこ
とを示すことができました。5 層、11 層ハーフミラーとの比較により、フッ化物多層膜の
表面粗さを調査した結果、膜厚に依らず、約 0.5 nm RMS と粗さは小さく、イオンビーム
スパッタリング法の特長であるなめらかな表面を維持できていることがわかりました。膜
応力にも表面粗さと同様に膜厚依存性が見られず、約 − 500 ∼ − 400MPa の圧縮応
力であることがわかりました。今後の課題としてエキシマレーザに対する耐久性を調査す
る目的でエキシマレーザ照射試験を実施する予定です。
[参考文献]
1) T. Yoshida, et al.:“Development of high-reflection mirrors of fluoride
multilayers for F2 excimer laser by ion beam sputtering method,”Jpn. J.
Appl. Phys. 41, p.5751 (2002).
2) J. C. Manifacier, et al.:“A simple method for the determination of the
optical constants n, k and the thickness of a weakly absorbing thin film,”
J. Phys. E 9,p.1002 (1976).
3) C. K. Carniglia:“Effects of dispersion on the determination of optical
constants of thin films,”Proc. SPIE 652,p.158 (1986).
4) H. E. Bennett and J. O. Porteus:“Relation between surface roughness
and specular reflectance at normal incidence,”J. Opt. Soc. Am. 51, 123
(1961)
5) G.G.Stoney, Proc. R. Soc. A82, 172 (1909)
6) T. Yoshida, et al. : “ Fluoride antir eflection multilayers with high
transmittance for ArF excimer laser by ion beam sputtering method,”
Jpn. J. Appl. Phys. 43, p.L258 (2004).
7) D. Ristau, et al.:“Ultraviolet optical and microstructual properties of
MgF2 and LaF3 coatings deposited by ion-beam sputtering and boat and
electron-beam evaporation,”Appl. Opt. 41, p.3196 (2002)
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