http://datasheet.sii-ic.com/jp/automotive_convenience_timer/S35710_J.pdf

S-35710シリーズ
車載用
www.sii-ic.com
© SII Semiconductor Corporation, 2014-2016
125°C動作 2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
コンビニエンスタイマは、低消費電流で、相対時間の時間管理に適したCMOSタイマICです。
S-35710シリーズは、タイマ値と内部レジスタに書き込みした値を比較し、値が一致したときに割り込み信号を出力します。
タイマは、24ビットのバイナリアップカウンタです。
ユーザは、2ワイヤシリアルインタフェースを介し、内部レジスタのデータ値を自由に設定できます。したがって、割り込み
信号発生までの時間を自由に設定可能です。
注意 本製品は、車両機器、車載機器へのご使用が可能です。これらの用途でご使用をお考えの際は、必ず弊社窓口までご相
談ください。
 特長
・
・
・
・
・
・
・
・
アラーム割り込み機能
: 1秒 ~ 194日 (およそ半年) まで1秒単位で設定可能
低消費電流
: 0.2 μA typ. (水晶振動子 : CL = 6.0 pF、VDD = 3.0 V、Ta = +25°C)
広動作電圧範囲
: 1.8 V ~ 5.5 V
2ワイヤ (I2C-bus) によるCPUインタフェース
32.768 kHz水晶発振回路内蔵
動作温度範囲
: Ta = −40°C ~ +125°C
鉛フリー (Sn 100%)、ハロゲンフリー
AEC-Q100進行中*1
*1.
詳細は、弊社営業部までお問い合わせください。
 用途
・ 各種システムスリープ期間中の時間管理
 パッケージ
・ TMSOP-8
1
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
 ブロック図
図1
2
車載用
125°C動作
2ワイヤ
Rev.1.4_00
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
 AEC-Q100進行中
AEC-Q100の信頼性試験の詳細については、弊社営業部までお問い合わせください。
 品目コードの構成
1. 製品名
S-35710
x
xx
A -
K8T2
U
環境コード
U:鉛フリー (Sn 100%)、ハロゲンフリー
パッケージ略号とICの梱包仕様*1
K8T2:TMSOP-8、テープ品
動作温度
A:Ta = −40°C ~ +125°C
オプションコード2*2
オプションコード1
B:水晶振動子CL = 9.0 pF
C:水晶振動子CL = 6.0 pF
D:水晶振動子CL = その他*3
製品名
*1.
*2.
*3.
テープ図面を参照してください。
ユーザ選択されたオプション機能により付加される連番です。
弊社営業部までお問い合わせください。
2. パッケージ
表1
パッケージ名
TMSOP-8
パッケージ図面コード
外形寸法図面
テープ図面
リール図面
FM008-A-P-SD
FM008-A-C-SD
FM008-A-R-SD
3. 製品名リスト
表2
製品名
_______
*1
RST端子
プルアップ抵抗あり
プルアップ抵抗なし
INT端子の出力形態*2
タイムアウト方式*3
CMOS出力
ハンドシェイクタイムアウト
S-35710B01A-K8T2U
Nchオープンドレイン出力 ハンドシェイクタイムアウト
S-35710C01A-K8T2U
*1. プルアップ抵抗あり / なしが選択可能。"各端子の機能説明" を参照してください。
*2. Nchオープンドレイン出力 / CMOS出力が選択可能。"各端子の機能説明" を参照してください。
*3. ワンショットループタイムアウト / ハンドシェイクタイムアウトが選択可能。
" INT端子割り込み信号出力" を参照してください。
備考
上記以外の製品をご希望のときは、弊社営業部までお問い合わせください。
3
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
 ピン配置図
1. TMSOP-8
表3
Top view
1
2
3
4
8
7
6
5
図2
4
端子番号 端子記号
_______
1
RST
2
3
4
XOUT
XIN
VSS
5
INT
6
SDA
7
SCL
8
VDD
端子内容
端子一覧
I/O
リセット信号入力端子 入力
水晶振動子接続端子
−
GND端子
−
端子構成
CMOS入力
(プルアップ抵抗あり / なし
選択可能)
−
−
Nchオープンドレイン出力 /
割り込み信号出力端子 出力
CMOS出力選択可能
Nchオープンドレイン出力、
シリアルデータ
双方向
CMOS入力
入出力端子
シリアルクロック
入力
CMOS入力
入力端子
正電源端子
−
−
車載用
Rev.1.4_00
125°C動作
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
 各端子の機能説明
1. SDA (シリアルデータ入出力) 端子
I2C-busインタフェースのデータ入出力端子です。SCL端子のクロックパルスに同期して、SDA端子はデータの入出力
を行います。この端子はCMOS入力とNchオープンドレイン出力で構成されています。通常、SDA端子は抵抗でVDD
電位にプルアップし、ほかのオープンドレイン出力、あるいはオープンコレクタ出力のデバイスとワイヤードオア接
続して使用します。
2. SCL (シリアルクロック入力) 端子
I2C-busインタフェースのクロック入力端子です。このクロックパルスに同期してSDA端子はデータの入出力を行いま
す。
3.
_______
RST (リセット信号入力) 端子
_______
_______
リセット信号を入力する端子です。RST端子に "L" を入力したときタイマはリセットされます。RST
端子に "H" を
_______
入力したときINT端子は "H" になり、タイマが動作を開始します。RST
端子はチャタリング除去回路を内蔵していま
_______
す。チャタリング除去回路については、"
RST端子" を参照してください。
_______
また、RST端子はプルアップ抵抗あり / なしを選択できます。
4.
INT (割り込み信号出力) 端子
割り込み信号を出力する端子です。ウェイクアップタイムレジスタに書き込みした時間になると割り込み信号を出力
します。割り込み信号出力 (タイムアウト方式) はワンショットループタイムアウト / ハンドシェイクタイムアウト
をオプション選択できます。割り込み信号出力の動作については、" INT端子割り込み信号出力" を参照してくださ
い。
また、INT端子の出力形態はNchオープンドレイン出力 / CMOS出力を選択できます。
5. XIN, XOUT (水晶振動子接続) 端子
XIN端子、XOUT端子間に水晶振動子を接続します。
6. VDD (正電源) 端子
正電源に接続してください。印加電圧値については、" 推奨動作条件" を参照してください。
7. VSS端子
GNDに接続してください。
5
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
 端子の等価回路
SDA
SCL
図3
SCL端子
図4
_______
_______
RST
RST
_______
図5
RST端子 (プルアップ抵抗あり)
INT
図7 INT端子 (Nchオープンドレイン出力)
6
SDA端子
_______
図6
RST端子 (プルアップ抵抗なし)
INT
図8 INT端子 (CMOS出力)
125°C動作
車載用
2ワイヤ
Rev.1.4_00
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
 絶対最大定格
表4
項目
記号
適用端子
絶対最大定格
単位
− _______
VSS − 0.3 ~ VSS + 6.5
*1
SDA,
SCL,
RST
VSS − 0.3 ~ VSS + 6.5
_______
入力電圧
VIN
VSS − 0.3 ~ VDD + 0.3≦VSS + 6.5
RST *2
*3
SDA, INT
VSS − 0.3 ~ VSS + 6.5
出力電圧
VOUT
*4
VSS − 0.3 ~ VDD + 0.3≦VSS + 6.5
INT
動作周囲温度*5
Topr
−
−40 ~ +125
保存温度
Tstg
−
−55 ~ +150
*1. プルアップ抵抗なし品を選択した場合。
*2. プルアップ抵抗あり品を選択した場合。
*3. Nchオープンドレイン出力を選択した場合。
*4. CMOS出力を選択した場合。
*5. 結露や霜がない状態です。結露や霜は、端子間を短絡させるため誤動作の要因となります。
電源電圧
注意
VDD
V
V
V
V
V
°C
°C
絶対最大定格とは、どのような条件下でも越えてはならない定格値です。万一この定格値を越えると、製品の劣化な
どの物理的な損傷を与える可能性があります。
 推奨動作条件
表5
項目
動作電源電圧
記号
条件
Ta = −40°C ~ +125°C
VDD
Min.
1.8
Typ.
−
Max.
5.5
(VSS = 0 V)
単位
V
 発振特性
表6
(特記なき場合 : Ta = +25°C, VDD = 3.0 V, VSS = 0 V)
(水晶振動子 : 日本電波工業株式会社製, NX3215SA (CL = 6.0 pF))
項目
発振開始電圧
発振開始時間
IC間周波数偏差*1
*1. 参考値
記号
VSTA
tSTA
δIC
条件
Min.
Typ.
Max.
単位
−
−
1.8
−
−20
−
−
−
5.5
1
+20
V
s
ppm
10秒以内
7
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
 DC電気的特性
表7
項目
記号
適用端子
消費電流1
IDD1
−
消費電流2
IDD2
−
高レベル入力リーク
電流
低レベル入力リーク
電流
高レベル出力リーク
電流
低レベル出力リーク
電流
高レベル入力電圧
低レベル入力電圧
高レベル出力電圧*3
低レベル出力電圧
低レベル入力電流*4
*1.
*2.
*3.
*4.
8
_______
(特記なき場合 : Ta = −40°C ~ +125°C, VSS = 0 V)
(水晶振動子 : 日本電波工業株式会社製, NX3215SA (CL = 6.0 pF))
条件
単位
Min.
Typ.
Max.
VDD = 3.0 V,
Ta = −40°C ~ +85°C,
非通信時,
−
0.2
0.35
μA
_______
RST 端子 = VDD,
INT 端子 = 無負荷
VDD = 3.0 V,
Ta = +125°C,
非通信時,
−
0.7
0.95
μA
_______
RST 端子 = VDD,
INT端子 = 無負荷
VDD = 3.0 V,
fSCL = 1 MHz,
通信時,
−
170
300
μA
_______
RST 端子 = VDD,
INT端子 = 無負荷
VIN = VDD
−0.5
−
0.5
μA
SDA, SCL, RST *1
VIN = VSS
−0.5
−
0.5
μA
IOZH
SDA, INT *2
VOUT = VDD
−0.5
−
0.5
μA
IOZL
SDA, INT *2
VOUT = VSS
−0.5
−
0.5
μA
0.7 × VDD
VSS − 0.3
0.8 × VDD
−
−100
−
−
−
−
−30
VSS + 5.5
0.3 × VDD
−
0.4
−5
V
V
V
V
μA
IIZH
SDA, SCL, RST
IIZL
_______
_______
VIH
SDA, SCL, _______
RST
VIL
SDA, SCL, RST
VOH
INT
VOL
SDA,
INT
_______
IIL
RST
プルアップ抵抗なし品を選択した場合。
Nchオープンドレイン出力を選択した場合。
CMOS出力を選択した場合。
プルアップ抵抗あり品を選択した場合。
−
−
IOH = −0.4 mA
IOL = 2.0 mA
VDD = 3.0 V, VIN = VSS
車載用
125°C動作
2ワイヤ
Rev.1.4_00
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
 AC電気的特性
表8
測定条件
入力パルス電圧
VIH = 0.8 × VDD, VIL = 0.2 × VDD
入力パルス立ち上がり /
20 ns
立ち下がり時間
出力判定電圧
VOH = 0.7 × VDD, VOL = 0.3 × VDD
出力負荷
100 pF
入力パルス電圧
出力判定電圧
0.8 × VDD
0.7 × VDD
0.3 × VDD
0.2 × VDD
図9
表9
AC測定入出力波形
AC電気的特性
(Ta = −40°C ~ +125°C)
VDD = 1.8 V ~ 2.5 V
VDD = 2.5 V ~ 5.5 V
単位
Min.
Max.
Min.
Max.
SCLクロック周波数
fSCL
0
400
0
1000
kHz
SCLクロック "L" 時間
tLOW
1.3
−
0.4
−
μs
SCLクロック "H" 時間
tHIGH
0.6
−
0.3
−
μs
SDA出力遅延時間*1
tAA
−
0.9
−
0.5
μs
スタートコンディションセットアップ時間
tSU.STA
0.6
−
0.25
−
μs
スタートコンディションホールド時間
tHD.STA
0.6
−
0.25
−
μs
データ入力セットアップ時間
tSU.DAT
100
−
80
−
ns
データ入力ホールド時間
tHD.DAT
0
−
0
−
ns
ストップコンディションセットアップ時間
tSU.STO
0.6
−
0.25
−
μs
SCL, SDA立ち上がり時間
tR
−
0.3
−
0.3
μs
SCL, SDA立ち下がり時間
tF
−
0.3
−
0.3
μs
バス開放時間
tBUF
1.3
−
0.5
−
μs
ノイズサプレッション時間
tl
−
50
−
50
ns
*1. SDA出力遅延時間は、SDA端子の出力形態がNchオープンドレイン出力のため、IC外部の負荷抵抗値、負荷容量値によ
り決まります。出力負荷の関係を図11に示します。
項目
記号
9
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
tF
tHIGH
tR
tLOW
SCL
tSU.STA
tHD.DAT
tHD.STA
tSU.STO
tSU.DAT
SDA
(S-35710入力)
tBUF
tAA
SDA
(S-35710出力)
図10
バスタイミング
15
最大プルアップ抵抗値 [k]
13
11
9
fSCL = 400 kHz
7
5
3
fSCL = 1.0 MHz
1
100
10
負荷容量値 [pF]
図11
10
出力負荷
1000
車載用
125°C動作
2ワイヤ
Rev.1.4_00
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
 INT端子割り込み信号出力
INT端子の割り込み信号出力 (タイムアウト方式) は、下記のどちらかを選択できます。
・ ワンショットループタイムアウト
・ ハンドシェイクタイムアウト
1. ワンショットループタイムアウト
ワンショットループタイムアウトは、INT端子から
"L" パルスの割り込み信号を繰り返し出力する方式です。
_______
RST 端子が "L" から "H" に変化した後タイマは動作を開始し、タイマ値とウェイクアップタイムレジスタに書き込
みした値が一致したときに、INT端子は "L" パルスを出力します。その後、S-35710シリーズは自動的にタイマをリセ
ットし、カウントアップ動作を再開します。
備考 上記は、Nchオープンドレイン出力品の例です。
CMOS出力品の場合、INT端子出力はNchオープンドレイン出力品の逆論理になります。
1. 1
ライトモード
カウントアップ動作中にウェイクアップタイムレジスタへ書き込みを行うと、タイマをリセットした後カウントアッ
プ動作を再開します。この動作を "ライトモード" と呼びます。
_______
タイマ値とウェイクアップタイムレジスタに書き込みした値が一致する前にRST 端子に "L" を入力すると、タイマ
とウェイクアップタイムレジスタはリセットされます。
図12
ワンショットループタイムアウトの出力タイミング例 (Nchオープンドレイン出力)
図13
ワンショットループタイムアウトの出力タイミング例 (CMOS出力)
11
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
1. 2
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
リードモード
タイマが動作を開始したあと、ウェイクアップタイムレジスタへ書き込みを行わない場合、INT端子から割り込み信号
は出力されません。タイマは "FFFFFF h" で停止します。計時途中のタイマ値は、タイムレジスタを読み出しするこ
とで確認できます。この動作を "リードモード"
と呼びます。
_______
再度タイマを動作させるためには、RST 端子を "L" から "H" にするかウェイクアップタイムレジスタへ書き込みを
行ってください。
ウェイクアップタイムレジスタへ書き込みを行わない場合は
INT端子割り込み信号出力なし
図14
ウェイクアップタイムレジスタに書き込みを行わない場合 (Nchオープンドレイン出力)
図15
12
ウェイクアップタイムレジスタに書き込みを行わない場合 (CMOS出力)
車載用
125°C動作
2ワイヤ
Rev.1.4_00
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
ワンショットループタイムアウトの動作について、状態遷移図を図16、図17に示します。
Write
電源投入
R S T 端子 = "L"
初期状態
ウェイクアップタイムレジスタ = "0 h"
タイマ = "0 h"
INT端子 = "H"_______
R S T 端子 = "H"
1秒ごとにカウ
ントアップ
________
R S T 端子 = "L"
タイマリセット
タイマ = "0 h"
INT端子 = "H"
自動移行
1秒ごとにカウン
Write
トアップ
Write
計時状態
INT端子 = "H"
タイマ = "FFFFFF h"
計時停止状態
INT端子 = "H"
タイマ
= ウェイクアップタイムレジスタ
自動移行
計時停止状態
INT端子 = "L" パルス
リードモード
R S T 端子 = "L"
備考
図16
Read
_______
Read
ライトモード
R S T 端子 = "L"
Write
計時状態
INT端子 = "H"
Read
Read
_______
_______
R S T 端子 = "L"
_______
Write : ウェイクアップタイムレジスタライト命令
Read : タイムレジスタリード命令
ワンショットループタイムアウトの状態遷移図 (Nchオープンドレイン出力)
Write
電源投入
R S T 端子 = "L"
初期状態
ウェイクアップタイムレジスタ = "0 h"
タイマ = "0 h"
INT端子 = "L"_______
R S T 端子 = "H"
1秒ごとにカウ
ントアップ
________
R S T 端子 = "L"
タイマリセット
タイマ = "0 h"
INT端子 = "L"
自動移行
1秒ごとにカウン
Write
トアップ
Write
計時状態
INT端子 = "L"
タイマ = "FFFFFF h"
_______
R S T 端子 = "L"
計時停止状態
INT端子 = "H" パルス
Read
リードモード
R S T 端子 = "L"
備考
図17
R S T 端子 = "L"
_______
Read
ライトモード
_______
計時停止状態
INT端子 = "L"
タイマ
= ウェイクアップタイムレジスタ
自動移行
Read
Write
計時状態
INT端子 = "L"
Read
_______
Write : ウェイクアップタイムレジスタライト命令
Read : タイムレジスタリード命令
ワンショットループタイムアウトの状態遷移図 (CMOS出力)
13
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
2. ハンドシェイクタイムアウト
ハンドシェイクタイムアウトは、INT端子から
"L" レベルの割り込み信号を出力する方式です。
_______
RST端子が "L" から "H" に変化した後タイマは動作を開始し、タイマ値とウェイクアップタイムレジスタに書き込み
した値が一致したときに、INT端子は "L" レベルを出力します。INT端子が "L" レベルを出力しているときタイマは停
止し、タイマ値を保持します。
_______
_______
タイマは、RST端子に "L" を入力することでリセットされます。その後、RST端子に "H" を入力するとINT端子は "H"
になり、タイマはカウントアップ動作を再開します。
備考 上記は、Nchオープンドレイン出力品の例です。
CMOS出力品の場合、INT端子出力はNchオープンドレイン出力品の逆論理になります。
2. 1
ライトモード
カウントアップ動作中にウェイクアップタイムレジスタへ書き込みを行うと、タイマをリセットした後カウントアッ
プ動作を再開します。この動作を "ライトモード" と呼びます。
_______
タイマ値とウェイクアップタイムレジスタに書き込みした値が一致する前にRST端子に "L" を入力すると、タイマは
リセットされます。
図18
ハンドシェイクタイムアウトの出力タイミング例 (Nchオープンドレイン出力)
図19
14
ハンドシェイクタイムアウトの出力タイミング例 (CMOS出力)
車載用
125°C動作
2ワイヤ
Rev.1.4_00
2. 2
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
リードモード
タイマが動作を開始したあと、ウェイクアップタイムレジスタへ書き込みを行わない場合、INT端子から割り込み信号
は出力されません。タイマは "FFFFFF h" で停止します。計時途中のタイマ値は、タイムレジスタを読み出しするこ
とで確認できます。この動作を "リードモード"
と呼びます。
_______
再度タイマを動作させるためには、RST端子を "L" から "H" にするかウェイクアップタイムレジスタへ書き込みを
行ってください。動作については、図14、図15を参照してください。
ハンドシェイクタイムアウトの動作について、状態遷移図を図20、図21に示します。
電源投入
Write
_______
R S T 端子 = "L"
初期状態
ウェイクアップタイムレジスタ = "0 h"
タイマ = "0 h"
INT端子 = "H"_______
R S T 端子 = "H"
_______
R S T 端子 = "L"
タイマリセット
タイマ = "0 h"
INT端子 = "H"
自動移行
Write
計時状態
INT端子 = "H"
タイマ = "FFFFFF h"
1秒ごとにカウン
トアップ
Write
計時状態
INT端子 = "H"
Read
Write
Read
_______
R S T 端子 = "L"
Write
_______
計時停止状態
INT端子 = "H"
R S T 端子 = "L"
タイマ
= ウェイクアップタイムレジスタ
計時停止状態
INT端子 = "L"
1 秒ごとにカウン
トアップ
Read
リードモード
Read
_______
R S T 端子 = "L"
Write
タイマリセット
ウェイクアップタイムレジスタ = "0 h"
タイマ = "0 h"
INT端子 = "L"
Read
ライトモード
図20
_______
R S T 端子 = "H"
備考
Write : ウェイクアップタイムレジスタライト命令
Read : タイムレジスタリード命令
ハンドシェイクタイムアウトの状態遷移図 (Nchオープンドレイン出力)
15
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
電源投入
Write
_______
R S T 端子 = "L"
初期状態
ウェイクアップタイムレジスタ = "0 h"
タイマ = "0 h"
INT端子 = "L"_______
R S T 端子 = "H"
_______
R S T 端子 = "L"
タイマリセット
タイマ = "0 h"
INT端子 = "L"
自動移行
Write
計時状態
INT端子 = "L"
タイマ = "FFFFFF h"
1秒ごとにカウン
トアップ
Write
計時状態
INT端子 = "L"
Read
Write
Read
_______
R S T 端子 = "L"
Write
_______
計時停止状態
INT端子 = "L"
R S T 端子 = "L"
タイマ
= ウェイクアップタイムレジスタ
計時停止状態
INT端子 = "H"
1 秒ごとにカウン
トアップ
Read
リードモード
Read
_______
R S T 端子 = "L"
Write
タイマリセット
ウェイクアップタイムレジスタ = "0 h"
タイマ = "0 h"
INT端子 = "H"
Read
ライトモード
図21
16
_______
R S T 端子 = "H"
備考
Write : ウェイクアップタイムレジスタライト命令
Read : タイムレジスタリード命令
ハンドシェイクタイムアウトの状態遷移図 (CMOS出力)
125°C動作
車載用
2ワイヤ
Rev.1.4_00
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
 レジスタ構成
1. タイムレジスタ
タイムレジスタは、3バイトのレジスタです。タイマの値をバイナリコードで記憶します。
タイムレジスタは、読み出しのみ可能です。
タイムレジスタは、TM23からTM0まで3バイト連続して読み出しを行ってください。
例:
3秒
(0000_0000_0000_0000_0000_0011)
45分
(0000_0000_0000_1010_1000_1100)
5時間30分
(0000_0000_0100_1101_0101_1000)
TM23 TM22 TM21 TM20 TM19 TM18 TM17 TM16
B7
B0
TM15 TM14 TM13 TM12 TM11 TM10
TM9
B7
TM7
TM8
B0
TM6
TM5
TM4
TM3
TM2
TM1
B7
TM0
B0
図22
2. ウェイクアップタイムレジスタ
ウェイクアップタイムレジスタは、3バイトのレジスタです。マイコンのウェイクアップ時間をバイナリコードで記憶
します。
ウェイクアップタイムレジスタは、書き込みと読み出しが可能です。
ウェイクアップタイムレジスタの書き込みと読み出しは、WU23からWU0まで3バイト連続して行ってください。
_______
ウェイクアップタイムレジスタの読み出しを行う場合、RST
端子を "H" に設定してください。
_______
RST端子を "L" に設定した場合、タイムレジスタのデータが読み出されます。
WU23 WU22 WU21 WU20 WU19 WU18 WU17 WU16
B7
B0
WU15 WU14 WU13 WU12 WU11 WU10 WU9
B7
WU7
WU8
B0
WU6
WU5
WU4 WU3
B7
WU2 WU1 WU0
B0
図23
17
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
 シリアルインタフェース
S-35710シリーズは、I2C-bus方式のシリアルインタフェースによりコマンドを送受信し、データのリード / ライトを行
います。
1. スタートコンディション
SCLが "H" のときに、SDAが "H" から "L" へ変化することで、スタートコンディションとなり、アクセスが開始され
ます。
2. ストップコンディション
SCLが "H" のときに、SDAが "L" から "H" へ変化することで、ストップコンディションとなり、アクセスが終了し、
S-35710シリーズはスタンバイ状態となります。
tSU.STA
tHD.STA
tSU.STO
SCL
SDA
スタート
コンディション
ストップ
コンディション
図24
スタート / ストップコンディション
3. データ転送とアクノリッジ
データ転送は、スタートコンディション検出後に1バイトずつ行います。SDAを変化させるときはtSU.DATとtHD.DATのス
ペックに注意し、SCLが "L" のときに行ってください。もし、SCLが "H" のときに、SDAが変化すると、データ転送
中であってもスタート / ストップコンディションとして認識されます。これによって、現在のアクセスは中断されます
ので注意してください。
データ転送時、1バイトのデータを受信するたびに、受信側のデバイスはアクノリッジを返します。例えば、図25のよ
うに、S-35710シリーズが受信側のデバイスで、マスタデバイスを送信側とします。8ビット目のクロックパルスが立
ち下がると、マスタデバイスはSDAを解放します。そして、S-35710シリーズはアクノリッジとして、9ビット目のク
ロックパルス中、SDAを "L" にします。S-35710シリーズからアクノリッジの出力がないときは、アクセスが正しく行
われていないことを示します。
SCL
(S-35710入力)
1
tSU.DAT
8
9
tHD.DAT
SDA
(マスタデバイス出力)
SDAを解放
High-Z
アクノリッジ出力
(アクティブ "L")
SDA
(S-35710出力)
High-Z
スタート
コンディション
tAA
図25
18
アクノリッジ出力タイミング
125°C動作
車載用
2ワイヤ
Rev.1.4_00
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
4. データ転送フォーマット
スタートコンディション転送後の最初の1バイトは、スレーブアドレスと2バイト目以降のデータの転送方向を表すコマ
ンド (リードライトビット) に割り付けられています。
S-35710シリーズのスレーブアドレスは、"0110010" に規定しています。続いて、リードライトビットが "0" のときは
ウェイクアップタイムレジスタにデータを書き込み可能となり、"1" のときはウェイクアップタイムレジスタまたはタ
イムレジスタのデータが読み出し可能となります。
ウェイクアップタイムレジスタにデータを書き込み可能な場合、B7からB0の順にマスタデバイスからデータを入力し
てください。1バイトのデータが入力されるごとに、S-35710シリーズからアクノリッジ ("L") が出力されます。
ウェイクアップタイムレジスタまたはタイムレジスタのデータが読み出し可能な場合、1バイト単位でB7からB0の順に
S-35710シリーズからデータが出力されます。1バイトのデータが入力されるごとに、マスタデバイスからアクノリッ
ジ ("L") を入力してください。ただし、最後のバイトデータに対しては、アクノリッジを入力しないでください
(NO_ACK)。これにより、データ読み出しの終了を知らせます。
マスタデバイスは最後のバイトデータに対する、アクノリッジを受信、または送信後、ストップコンディションを
S-35710シリーズへ入力しアクセスを終了してください。
このとき、マスタデバイスがストップコンディションを入力せず、スタートコンディションを入力した場合は、リス
タート条件となり、続けてスレーブアドレスを入力すると続けて送受信が可能です。
9
1
18
27
36
45
SCL
データ書き込み
SDA ST Slave address 0 A
フォーマット
Data
データ読み出し SDA
ST Slave address 1 A
フォーマット
Data
B7
B1 R/W B7
B1 R/W B7
B7
リスタート
フォーマット
SDA ST Slave address 0 A
ST Slave address 1 A
B7
B0
A
B0
A
Data
B0
B0
図26
A
A
A
SP
B0
SP
B0
A
Data
B7
B0
A
Data
B7
A
Data
B7
: マスタデバイス入力データ ST : スタートコンディション
: S-35710出力データ
A
Data
B7
A
Data
A
Data
B7
B0
B7
A
Data
B7
A
Data
B7
A
Data
B7
B0
B1 R/W B7
B0
A
Data
A
Data
B7
B0
B1 R/W B7
B7
A
B0
B0
SP
B0
SP
: ストップコンディション
: アクノリッジ
シリアルインタフェースのデータ転送フォーマット
19
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
5. タイムレジスタの読み出し
はじめに、マスタデバイスからスタートコンディションとスレーブアドレスを転送します。S-35710シリーズのスレー
ブアドレスは、"0110010" に規定しています。続いて、リードライトビットが "1" のときは、タイムレジスタのデータ
が読み出し可能となります。
2バイト目 ~ 4バイト目が、タイムレジスタとなります。データはB7から1バイトずつ転送されます。
タイムレジスタの読み出しを終了するときは、マスタデバイスからB0出力後のアクノリッジに "1" (NO_ACK) を転送
し、その後ストップコンディションを転送します。
タイムレジスタは3バイトのレジスタです。タイムレジスタを3バイト読み出した後、さらに読み出しを続けると "1" が
読み出されます。タイムレジスタについては、" レジスタ構成" を参照してください。
1
9
18
27
36
SCL
B1 R/W
B7
B7
B0
スレーブアドレス
(0110010)
B7
B0
B7
STOP
0 1 1 0 0 1 0 1
NO_ACK
TM0
TM1
TM2
TM3
TM4
TM5
TM6
TM7
ACK
TM8
TM9
TM10
TM11
TM12
TM13
TM14
TM15
ACK
TM16
TM17
TM18
TM19
TM20
TM21
TM22
TM23
ACK
START
SDA
B0
タイムレジスタ (3バイト)
このタイミングでカウンタの値を取り込み、シリアルデータとして転送
: マスタデバイス入力データ
3バイト目のデータ転送後、NO_ACKを入力してください。
: S-35710出力データ
図27
タイムレジスタの読み出しタイミング
6. ウェイクアップタイムレジスタの書き込み
はじめに、マスタデバイスからスタートコンディションとスレーブアドレスを転送します。S-35710シリーズのスレー
ブアドレスは、"0110010" に規定しています。続いて、リードライトビットに "0" を転送します。
続いて、2バイト目のデータを転送してください。B7はアドレスポインタのため "1" としてください。B6 ~ B1はダミー
データのため、"0"、"1" どちらでもかまいません。B0はテストビットのため、必ず "1" としてください。
3バイト目 ~ 5バイト目がウェイクアップタイムレジスタとなります。
その後マスタデバイスからストップコンディションを転送することで、アクセスが終了します。
ウェイクアップタイムレジスタについては、" レジスタ構成" を参照してください。
ウェイクアップタイムレジスタの書き込みは、1バイトごとに実行します。そのため、3バイト連続で転送してください。
3バイト単位で転送しない場合、S-35710シリーズは意図した通りの動作をしない可能性がありますのでご注意くださ
い。
1
9
18
27
36
45
SCL
WU[23:16]
書き込みタイミング
B1R/W
スレーブアドレス
(0110010)
1
1
B7
B0
ダミーデータ
B7
*1
B0
B7
B0
ウェイクアップタイムレジスタ (3 バイト )
テストビットのため、必ず "1" にしてください。
アドレスポインタの設定
: マスタデバイス入力データ
: S-35710 出力データ
*1. B6  B1 はダミーデータのため "0"、"1" どちらでもかまいません。
図28
20
B7
ウェイクアップタイムレジスタの書き込みタイミング
B0
STOP
B7
WU[7:0]
書き込みタイミング
ACK
WU0
WU1
WU2
WU3
WU4
WU5
WU6
WU7
ACK
WU8
WU9
WU10
WU11
WU12
WU13
WU14
WU15
ACK
WU16
WU17
WU18
WU19
WU20
WU21
WU22
WU23
ACK
01100100
ACK
START
SDA
WU[15:8]
書き込みタイミング
車載用
125°C動作
2ワイヤ
Rev.1.4_00
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
7. ウェイクアップタイムレジスタの読み出し
ウェイクアップタイムレジスタの読み出しは、リスタートフォーマットで行います。リスタートフォーマットについて
は "4. データ転送フォーマット" を参照してください。
_______
ウェイクアップタイムレジスタの読み出しを行う場合、RST
端子を "H" に設定してください。
_______
RST端子を "L" に設定した場合、タイムレジスタのデータが読み出されます。
はじめに、マスタデバイスからスタートコンディションとスレーブアドレスを転送します。S-35710シリーズのスレー
ブアドレスは、"0110010" に規定しています。続いて、リードライトビットに "0" を転送します。
2バイト目のB7はアドレスポインタです。ウェイクアップタイムレジスタ読み出しの場合は、"0" としてください。続
いて、B6 ~ B1はダミーデータを転送してください。B0はテストビットのため、必ず "1" としてください。この処理を
"ダミーライト" と呼びます。
続いて、スタートコンディションとスレーブアドレス、リードライトビットを転送します。リードライトビットを "1" と
すると、ウェイクアップタイムレジスタのデータが読み出し可能となります。
続いて、ウェイクアップタイムレジスタのデータがS-35710シリーズから出力されます。データはB7から1バイトずつ
転送されます。
ウェイクアップタイムレジスタの読み出しを終了するときは、マスタデバイスからB0出力後のアクノリッジに "1"
(NO_ACK) を転送し、その後ストップコンディションを転送します。
ウェイクアップタイムレジスタは3バイトのレジスタです。ウェイクアップタイムレジスタを3バイト読み出した後、さ
らに読み出しを続けると "1" が読み出されます。
ウェイクアップタイムレジスタについては、" レジスタ構成" を参照してください。
また、内部アドレスポインタは、ストップコンディションを認識するとリセットされます。そのため、ダミーライトの
あとにストップコンディションを転送しないでください。ストップコンディションを転送後にレジスタの読み出しを行
うとタイムレジスタが読み出されます。
1
9
18
1
9
18
27
36
SCL
B7
B0
ダミーデータ
*1
01100101
B7
B1R/W
B7
スレーブアドレス
(0110010)
B0
B7
B0
B7
B0
ウェイクアップタイムレジスタ (3 バイト )
テストビットのため、必ず "1" にしてください。
アドレスポインタの設定
3 バイト目のデータ転送後、
NO_ACK を入力してください。
ダミーライト
: マスタデバイス入力データ
: S-35710 出力データ
*1. B6  B1 はダミーデータのため "0"、"1" どちらでもかまいません。
図29
STOP
スレーブアドレス
(0110010)
1
NO_ACK
WU0
WU1
WU2
WU3
WU4
WU5
WU6
WU7
ACK
WU8
WU9
WU10
WU11
WU12
WU13
WU14
WU15
ACK
WU16
WU17
WU18
WU19
WU20
WU21
WU22
WU23
ACK
B1 R/W
0
START
B7
ACK
01100100
ACK
START
SDA
ウェイクアップタイムレジスタの読み出しタイミング
21
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
 SDAの解放
_______
S-35710シリーズのRST端子は、通信インタフェースのリセット動作を行いません。そのため、通常はストップコンディ
ションを入力し内部インタフェース回路をリセットします。
しかし、SDAが "L" を出力した状態 (アクノリッジ出力時または読み出し時) であるとS-35710シリーズはマスタデバイ
スからのストップコンディションを受け付けません。そのためアクノリッジ出力動作または読み出し動作を終了させる必
要があります。図30にSDAの解放方法を示します。
はじめに、マスタデバイスはスタートコンディションを入力します (S-35710シリーズのSDAは "L" を出力しているので、
S-35710シリーズはスタートコンディションを検出できません)。続けて、1バイトデータアクセス分のクロック (9クロッ
ク) をSCLより入力します。この間、マスタデバイス側のSDAを解放してください。これにより通信中断前のSDAの入出
力が終了し、S-35710シリーズのSDAは解放状態になります。続けて、ストップコンディションを入力すると、内部回路
がリセットし、通常の通信が可能な状態に復帰します。
SDAの解放方法は、マスタデバイス側の電源電圧立ち上げ後、システムの初期化の際に実行することを強く推奨します。
スタート
コンディション 1バイトデータアクセス分のクロック
1
SCL
2
8
ストップ
コンディション
9
SDA
(マスタデバイス出力)
SDA
(S-35710出力)
"L"
"L" またはHigh-Z
"L"
"L" またはHigh-Z
SDA
図30
22
SDAの解放方法
High-Z
車載用
125°C動作
2ワイヤ
Rev.1.4_00
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
 パワーオン検出回路
パワーオン検出回路が正常に動作するためには、図31に示すように、ICの電源電圧は0.2 V以下から立ち上げ、動作電源
電圧min.値の1.8 Vまでの到達時間を10 ms以内で立ち上げてください。
10 ms以内
1.8 V
(動作電源電圧min.)
0.2 V以下
0V
*1.
*1
0 Vは、S-35710シリーズのVDD端子とVSS端子の電位差がないことを意味します。
図31
電源電圧の立ち上げ方
上記の条件でS-35710シリーズの電源電圧の立ち上げができない場合、パワーオン検出回路が正常に動作せず、発振が
_______
_______
開始しない可能性があります。その場合、"1. RST端子 = "L" で電源電圧を立ち上げる場合" および "2. RST端子 =
"H" で電源電圧を立ち上げる場合" で示す動作を行ってください。
1.
_______
RST端子 = "L" で電源電圧を立ち上げる場合
_______
_______
電源電圧が1.8 V以上に到達するまで、RST 端子を "L" に設定してください。RST 端子が "L" に設定されている間
_______
に発振起動信号は "H" となり、水晶発振回路は正常に発振します。電源電圧が1.8 Vに到達した後RST端子が "H" に
設定されると、500 ms以内に発振起動信号が "L" になり、発振状態は維持されます。
_______
RST端子が "L" に設定されている間は、以下のように消費電流が増加します。
・プルアップ抵抗なし品を選択した場合 :
・プルアップ抵抗あり品を選択した場合 :
*1.
1.7 μA typ.
30 μA typ.
0 Vは、S-35710シリーズのVDD端子とVSS端子の電位差がないことを意味します。
_______
図32
RST端子= "L" で電源電圧を立ち上げる場合
23
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
2.
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
_______
RST端子 = "H" で電源電圧を立ち上げる場合
_______
_______
電源電圧が1.8 V以上に到達した後、RST端子を "L" に設定してください。RST_______
端子が500 ms以上 "L" に設定され
ると、発振起動信号が "H" となり、水晶発振回路は正常に発振します。その後RST 端子が "H" に設定されると、
500
ms以内に発振起動信号が "L" になり、発振状態は維持されます。
_______
RST端子が "L" に設定されている間は、以下のように消費電流が増加します。
・プルアップ抵抗なし品を選択した場合 :
・プルアップ抵抗あり品を選択した場合 :
*1.
1.7 μA typ.
30 μA typ.
0 Vは、S-35710シリーズのVDD端子とVSS端子の電位差がないことを意味します。
_______
図33
_______
RST端子 = "H" で電源電圧を立ち上げる場合
_______
_______
RST端子はチャタリング除去回路を内蔵しています。RST端子の "H" 入力を確定するには、RST端子が "L" から "H"
に変化した後クロック
(8 Hz) の3.5周期 (0.438秒)
以上の期間を空けて、通信を行ってください。
_______
_______
RST端子のチャタリング除去については " RST端子" を参照してください。
24
車載用
125°C動作
2ワイヤ
Rev.1.4_00
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
_______
 RST端子
1. チャタリング除去
_______
RST端子はチャタリング除去回路を内蔵しており、出力論理はアクティブ "L" です。
チャタリング除去のタイミングチャートを図34に示します。8 Hzでサンプリングを行い、シフトレジスタ回路を動作さ
せます。3回のシフト動作を行い、DF1 ~ DF3がすべて "L" の場合にカウンタをリセットします。チャタリング除去中
_______
は、クロック (8 Hz) の2周期 (0.25秒程度) のパルス幅を除去することができます。
RST端子の "L" 入力を確定するに
_______
_______
端子
は、クロック (8 Hz) の3.5周期 (0.438秒) 以上の期間、RST端子の "L" 入力を維持してください。同様に、RST
_______
の "H" 入力を確定するには、クロック (8 Hz) の3.5周期 (0.438秒) 以上の期間、RST端子の "H" 入力を維持してくだ
さい。
クロック (8 Hz)
________
RST 端子入力信号
シフトレジスタ_DF1
シフトレジスタ_DF2
シフトレジスタ_DF3
チャタリング除去幅
2周期
チャタリング除去後の
リセット信号
3.5周期
図34
カウンタリセット
カウントアップ動作開始
3.5周期
チャタリング除去のタイミングチャート
2. 電源投入時の動作
_______
電源投入時、RST 端子の状態に関係なく、チャタリング除去後のリセット信号は "L" となっています。そのため、
S-35710シリーズは初期状態 ("図16 ワンショットループタイムアウトの状態遷移図 (Nchオープンドレイン出力)"、
"図17 ワンショットループタイムアウトの状態遷移図 (CMOS出力)" および "図20 ハンドシェイクタイムアウトの
状態遷移図 (Nchオープンドレイン出力)"、"図21 ハンドシェイクタイムアウトの状態遷移図 (CMOS出力)" 参照) と
なっており、ウェイクアップタイムレジスタへ書き込みはできません。チャタリング除去後のリセット信号が "L" のと
き、ウェイクアップタイムレジスタへ書き込みを行うと、2バイト目以降でノーアクノリッジが出力されます。
電源投入後に水晶発振回路が発振を開始するとクロックが動作し、チャタリング除去後のリセット信号は "H" となり、
リードモードへ移行します。リードモードに移行することで、ウェイクアップタイムレジスタへ書き込みが可能になり
ます。図35に電源投入時のタイミングチャートを示します。
また、図35に示したウェイクアップタイムレジスタの書き込み不可期間は、発振起動時間によって変わります。電源投
入直後、ウェイクアップタイムレジスタへの書き込み時ノーアクノリッジがS-35710シリーズから出力された場合、次
の通信は発振が安定するまで0.5秒 ~ 1秒程度の時間を空けることを推奨します。
VDD
クロック (8 Hz)
________
RST 端子入力信号
シフトレジスタ_DF1
シフトレジスタ_DF2
シフトレジスタ_DF3
リードモードに移行
チャタリング除去後の
リセット信号
ウェイクアップタイムレジスタ書き込み不可期間
図35
電源投入時のタイミングチャート
25
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
12 V
SCL
10 k
VOUT
VR
10 k
VIN
S-35710
VDD
1 k
S-19xxx
1 k
 応用回路例
VCC
VCC
SDA
RST
VSS
VSS
CPU
INT
XIN
XOUT
VSS
図36
注意 1. システム電源を立ち上げて安定状態になってから通信を行ってください。
2. 上記接続図は動作を保証するものではありません。実際のアプリケーションで十分な評価の上、定数を設定して
ください。
26
車載用
125°C動作
2ワイヤ
Rev.1.4_00
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
 水晶発振回路構成
S-35710シリーズはコンデンサ (Cg、Cd) が内蔵されています。そのため、発振周波数の調整は必要ありません。
しかし、水晶発振回路は外部ノイズや寄生容量 (CP) の影響を受けやすく、これらの影響は時計精度を悪化させる要因
になります。そのため、水晶発振回路の構成は下記のような対策を推奨します。
・
・
・
・
・
バイパスコンデンサをS-35710シリーズの電源ピンに近接して配置する。
S-35710シリーズと水晶振動子は、極力近くに配置し基板配線を短くする。
XINとXOUT間の基板および端子間絶縁抵抗を高くする。
水晶発振回路の近くに信号線および電源線を通さない。
水晶発振回路の直下にGND層を配置する。
(多層基板の場合は、水晶発振回路から一番離れた層のみをGND層として配置する。中間層には回路パターンを配
置しない。)
水晶振動子 : 32.768 kHz
CL = 6.0 pF ~ 9.0 pF
S-35710
XIN
Cg
Rf
Cd
寄生容量 (CP)
XOUT
Rd
Rf = 100 MΩ (typ.)
Rd = 100 kΩ (typ.)
図37
水晶発振回路構成
直下のレイヤにGND層を配置
(多層基板の場合は、発振回路から一番
離れた層のみをGND層として配置する。
中間層には回路パターンを配置しない。)
XOUT
XIN
VSS
S-35710
Top view
水晶振動子
周辺をGNDでシールド
図38
接続パターン図の推奨例
注意 1. 発振特性は、基板の寄生容量、寄生抵抗、水晶振動子、外付け容量など各部品の特性バラツキの影響を受けます。
水晶発振回路の構成は、これらの影響を考慮してください。
2. 自動車搭載機器でご使用の際は、水晶振動子、外付け容量、基板など各部品についても自動車搭載可能部品を選
定してください。
27
車載用 125°C動作
S-35710シリーズ
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
Rev.1.4_00
 水晶振動子使用時の注意
ICと水晶振動子のマッチング評価を水晶振動子メーカに依頼してください。
推奨の水晶振動子特性値は、表10を参照してください。Ta = +85°Cを越える環境でご使用の際は、表10で示す発振余裕
度を常温にて確保することを推奨します。
表10
水晶振動子特性
水晶振動子CL値 (負荷容量)
R1値 (等価直列抵抗)
9.0 pF
6.0 pF
80 kΩ max.
80 kΩ max.
起動時発振余裕度
5倍以上
5倍以上
 注意事項
・ 本ICは静電気に対する保護回路が内蔵されていますが、保護回路の性能を越える過大静電気がICに印加されないよう
にしてください。
・ 弊社ICを使用して製品を作る場合には、その製品での当ICの使い方や製品の仕様、出荷先の国などによって当ICを含
めた製品が特許に抵触した場合、その責任は負いかねます。
28
車載用
125°C動作
2ワイヤ
コンビニエンスタイマ
S-35710シリーズ
Rev.1.4_00
 諸特性データ (Typicalデータ)
1. 消費電流1 − 電源電圧特性
2. 消費電流2 − SCL周波数特性
Ta = +25°C, CL = 6.0 pF
1.0
500
IDD2 [A]
0.8
IDD1 [A]
Ta = +25°C, CL = 6.0 pF
600
0.6
0.4
0.2
VDD = 5.0 V
400
300
VDD = 3.0 V
200
100
0.0
0
2
4
0
6
0
VDD [V]
3. 消費電流1 − 温度特性
CL = 6.0 pF
VDD = 5.0 V
0.4
0.2
VDD = 3.0 V
25
50
Ta [C]
75
100
Ta = +25°C, CL = 6.0 pF
20
f/f [ppm]
IDD1 [A]
0.6
0
10
0
10
20
125
0
f/f [ppm]
IOL [mA]
25
50
Ta [C]
75
100
VDD = 5.0 V
VDD = 3.0 V
0
2
_______
RST端子, Ta = +25°C
プルアップ抵抗あり品
0
10
10
IIL [A]
IOH [mA]
6
8. 低レベル入力電流 − 電源電圧特性
VDD = 3.0 V
15
4
VOUT [V]
INT端子, Ta = +25°C
CMOS出力
5
6
INT端子, SDA端子, Ta = +25°C
70
60
50
40
30
20
10
0
125
7. 高レベル出力電流 − VDD − VOUT特性
0
4
6. 低レベル出力電流 − 出力電圧特性
CL = 6.0 pF
0
2
VDD [V]
5. 水晶振動子の周波数偏差 − 温度特性
50
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
40 25
1500
4. 水晶振動子の周波数偏差 − 電源電圧特性
0.8
0.0
40 25
500
1000
SCL frequency [kHz]
VDD = 5.0 V
20
20
30
40
50
25
60
0
2
4
VDD  VOUT [V]
6
0
2
4
6
VDD [V]
29
2.90±0.2
8
5
1
4
0.13±0.1
0.2±0.1
0.65±0.1
No. FM008-A-P-SD-1.2
TITLE
TMSOP8-A-PKG Dimensions
No.
FM008-A-P-SD-1.2
ANGLE
UNIT
mm
SII Semiconductor Corporation
2.00±0.05
4.00±0.1
4.00±0.1
1.00±0.1
+0.1
1.5 -0
1.05±0.05
0.30±0.05
3.25±0.05
4
1
5
8
Feed direction
No. FM008-A-C-SD-2.0
TITLE
TMSOP8-A-Carrier Tape
FM008-A-C-SD-2.0
No.
ANGLE
UNIT
mm
SII Semiconductor Corporation
16.5max.
13.0±0.3
Enlarged drawing in the central part
13±0.2
(60°)
(60°)
No. FM008-A-R-SD-1.0
TITLE
TMSOP8-A-Reel
No.
FM008-A-R-SD-1.0
ANGLE
UNIT
QTY.
4,000
mm
SII Semiconductor Corporation
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3.
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6.
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手続きを行ってください。
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弊社の書面による許可なくして使用しないでください。
特に、生命維持装置、人体に埋め込んで使用する機器等、直接人命に影響を与える機器には使用できません。
これらの用途への利用を検討の際には、必ず事前に弊社営業部にご相談ください。
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9.
半導体製品はある確率で故障、誤動作する場合があります。
弊社製品の故障や誤動作が生じた場合でも人身事故、火災、社会的損害等発生しないように、お客様の責任において
冗長設計、延焼対策、誤動作防止等の安全設計をしてください。
また、システム全体で十分に評価し、お客様の責任において適用可否を判断してください。
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11. 本資料に記載の製品は、通常使用における健康への影響はありませんが、化学物質、重金属を含有しているため、口
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1.0-2016.01
www.sii-ic.com