AK8776

[AK8776]
AK8776
パルスエンコーダ用ホール IC
概要
本 IC は、IC マーキング面に垂直方向に入る”縦磁場”と、水平方向に入る”横磁場”を同時に検出し、1 チップで
回転量(F 信号:1 磁極につき 1 パルス)と回転方向(D 信号)を出力するパルスエンコーダ用のホール IC です。
特長
□ 1.6~5.5V で動作
□ ±1.5mT(Typ.)の縦磁場と横磁場を交番検知
□ 間欠駆動による低消費電力 IC(Typ. 90μA @3V)
縦磁場と横磁場の検出は同時
□ F(パルス), D(回転方向)信号出力タイプ
□ 小型 SOP パッケージ, ハロゲンフリー
MS1317-J-00
AKEM D CONFIDENTIAL
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ブロック図
VDD
VSS
バイアス回路
OSC
ホール素子駆動及び
ホール素子バイアス
回路
タイミング回路
ラッチ&論理
出力回路
ホール素子
チ
ョ
ッ
パ
ス
イ
ッ
チ
F
CHOP_AMP
COMP
D
チョッパゲインアンプ
ヒステリシス
コンパレータ
図 1.AK8776 のブロック図
回路構成
表 1.各ブロックの機能
ブロック
機能
ホール素子
CMOS プロセスで構成された、ホール素子です。
ホール素子駆動切り替えスイッチです。ホール素子のオフセット、ノイズを軽減
するため、内部クロックでチョッピングします。
2 個のホール素子出力を増幅します。また、2 個のホール素子出力の演算を行
います。
チョッパスイッチ
チョッパゲインアンプ
ヒステリシスコンパレータ
チョッパゲインアンプの出力を比較し、その結果を保持します。
バイアス回路
ホール素子駆動及び
ホール素子バイアス回路
OSC
各回路に必要なバイアス電流を発生します。
ホール素子の駆動電流を供給します。また、磁場の閾値を決める為のバイアス
電流を発生します。
タイミングを制御するための発振回路です。
タイミング回路
チョッパスイッチ、チョッパアンプ、ヒステリシスコンパレータの為のタイミングを作
ります。
ラッチ&論理出力回路
縦磁場及び横磁場動作によって変化する信号の論理演算を行い、結果を出力
します。CMOS 出力です。
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入出力端子・機能
表 2.各端子の名称とその端子機能
端子番号
端子名称
I/O
端子機能説明
記事
1
VDD
-
電源端子
2
F
O
出力端子(パルス)
CMOS 出力です。
3
D
O
出力端子(回転方向)
CMOS 出力です。
4
VSS
-
グラウンド端子
絶対最大定格
項目
電源電圧
出力電流
保存温度範囲
記号
VDD
IOUT
TSTG
表 3.絶対最大定格一覧
Min.
-0.3
-0.5
-40
単位
V
mA
℃
Max.
+6.5
+0.5
+125
※ 絶対最大定格を超えて使用した場合、IC を破壊する恐れがあります。
その際、通常の動作は保証されません。
推奨動作条件
項目
電源電圧
動作温度
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記号
VDD
Ta
表 4.推奨動作条件一覧
Min.
Typ.
1.6
3.0
-30
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3
Max.
5.5
+85
単位
V
℃
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電気的特性
表 5.電気的特性一覧
項目
記号
Min.
平均消費電流
IDD
出力H電圧
VOH
出力L電圧
VOL
パルス駆動周期
TPD1
0.5
パルス駆動時間
TPD2
12.2
(Ta = 25°C, VDD = 3.0V)
Typ.
Max.
単位
90
210
μA
VDD-0.4
備考
V
F, D端子 IOUT = -0.5mA
0.4
V
F, D端子 IOUT = +0.5mA
1.0
2.0
ms
24.4
48.8
μs
※
※ 出力状態の確定は、サンプリングが終了してから約 6.1μs 後です。
磁気的特性
表6.磁気的特性一覧
項目
記号
縦磁場動作磁束密度
BopV
縦磁場復帰磁束密度
BrpV
横磁場動作磁束密度
BopH
横磁場復帰磁束密度
BrpH
ヒステリシス幅
BhV, BhH
Min
-4.0
(Ta = 25°C, VDD = 3.0V)
Typ
Max
単位
備考
1.5
4.0
mT
※
mT
※
mT
※
-1.5
mT
※
3.0
mT
※
-1.5
1.5
-4.0
4.0
※ ノイズ磁場成分(縦磁場検出時の横磁場、横磁場検出時の縦磁場)を 0 とした場合。
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磁界検知動作
縦磁場磁束密度の極性の定義
IC マーキング面に垂直に印加される磁界を検知し、内部信号 A が変化します。IC マーキング面が S 極となる
場合を正極、N 極となる場合を負極と定義します。
S
IC マーキング面
IC パッケージ裏面
N
図 2.縦磁場の極性の定義
IC マーキング面に S 極が配置される場合、仕様に定められた BopV で内部信号 A は High 電圧から Low 電圧
に変化します。N 極が配置される場合、仕様に定められた BrpV で内部信号 A は Low 電圧から High 電圧に変
化します。
内部信号 A
BrpV
N 極[mT]
BhV
0
BopV
S 極[mT]
図 3.IC マーキング面に印加された縦磁場磁束密度と内部信号 A の関係
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横磁場磁束密度の極性の定義
IC マーキング面と水平方向に印加される磁界を検知し、内部信号 B が変化します。VSS 端子、D 端子側のパ
ッケージ側面が S 極となる場合を正極、VSS 端子、D 端子側のパッケージ面が N 極となる場合を負極と定義しま
す。
Line Marking
IC マーキング面
VSS 端子
N
S
D 端子
IC パッケージ裏面
図 4.横磁場の極性の定義
VSS 端子、D 端子側のパッケージ側面に S 極が配置される場合、仕様に定められた BopH で内部信号 B は
High 電圧から Low 電圧に変化します。VSS 端子、D 端子側のパッケージ側面に N 極が配置される場合、仕様
に定められた BrpH で内部信号 B は Low 電圧から High 電圧に変化します。
内部信号 B
BrpH
N 極[mT]
BhH
0
BopH
S 極[mT]
図 5.VSS, D 端子側のパッケージ側面に印加された横磁場磁束密度と内部信号 B の関係
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回転磁界検知時の内部信号 A,B と出力信号 F,D の動作
F (1 磁極で 1 パルス)信号は、内部信号 A, B の排他的論理和(XOR)から生成されます。また、D 信号は内部信
号 A, B の出力の変化の順序を参照して、生成されます。
回転方向転換
縦磁場磁束密度
横磁場磁束密度
回転方向転換
BopV
BrpV
t
BopH
BrpH
t
電源電圧 VDD
t
内部信号 A
(縦磁場検出)
t
内部信号 B
(横磁場検出)
t
F 信号 (パルス)
t
D 信号 (回転方向)
Undefined (High or Low)
t
出力信号確定
図 6.回転磁界検知時の内部信号 A, B と出力信号 F, D の関係
※ D 信号は F 信号の 1 パルス目で確定します。
※ 信号の不定区間は電源電圧投入直後にのみに発生します。
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動作タイミング
消費電流
TPD2 (24.4μs)
TPD1 (1.0ms)
IDD ON (3.5mA)
t
縦磁場磁束密度
BopV
t
BrpV
横磁場磁束密度
BopH
t
BrpH
内部信号 A
(縦磁場検出)
t
内部信号 B
(横磁場検出)
t
6.1μs
6.1μs
6.1μs
6.1μs
F 信号(パルス)
t
図 7.消費電流の変化と出力変化のタイミング
※ 図中の数値は標準値です。
※ VDD=3.0V 時とします。
※ F, D 信号は同時に更新されます。
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標準温度特性(参考)
4
3
BopV
2
BrpV
BopH, BrpH [mT]
BopV, BrpV [mT]
4
1
0
-1
-2
-3
3
BopH
2
BrpH
1
0
-1
-2
-3
-4
-4
-30 -20 -10
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
-30 -20 -10
0
Ambient temperature Ta [℃]
BopV, BrpV vs. Ta (VDD=1.6V)
4
30
40
50
60
70
80
90
2
BopH
BrpH
3
BopH, BrpH [mT]
BopV, BrpV [mT]
20
4
BopV
BrpV
3
1
0
-1
-2
-3
2
1
0
-1
-2
-3
-4
-4
-30 -20 -10
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
-30 -20 -10
0
Ambient temperature Ta [℃]
BopV, BrpV vs. Ta (VDD=3.0V)
10
20
30
40
50
60
70
80
90
Ambient temperature Ta [℃]
BopH, BrpH vs. Ta (VDD=3.0V)
4
3
BopV
2
BrpV
BopH, BrpH [mT]
4
BopV, BrpV [mT]
10
Ambient temperature Ta [℃]
BopH, BrpH vs. Ta (VDD=1.6V)
1
0
-1
-2
-3
3
BopH
2
BrpH
1
0
-1
-2
-3
-4
-4
-30 -20 -10
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
-30 -20 -10
0
Ambient temperature Ta [℃]
BopV, BrpV vs. Ta (VDD=5.5V)
10
20
30
40
50
60
70
80
90
Ambient temperature Ta [℃]
BopH, BrpH vs. Ta (VDD=5.5V)
図 8.感度の温度特性
160
160
140
140
5.5V
100
80
IDD [µA]
IDD [µA]
120
3.0V
60
1.6V
120
-30℃
0℃
25℃
100
85℃
80
60
40
40
20
20
0
0
-30 -20 -10
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
1
2
3
4
5
6
VDD [V]
IDD vs. VDD (in various Ta)
Ambient temperature Ta [℃]
IDD vs. Ta (in various VDD)
図 9.消費電流の温度特性
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パッケージ
外形寸法図
4
3
1
2
センサ中心
Marking
1:VDD
2:F
3:D
4:VSS
単位:mm
図 10. パッケージ外形寸法
(注 1) センサ中心は φ0.3mm の円内に位置します。
(注 2) 公差は特に定める以外は±0.1mm とします。
(注 3) リード平坦度:端子間のスタンドオフの差は最大 0.1mm とします。
(注 4) センサ感磁部はマーキング面からの深さ 0.4mm (Typ.)に位置します。
端子材料:Cu
端子めっき材:Sn 100%
端子めっき厚:10μm (Typ.)
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マーキング
Line Marking
4
3
マーキングはレーザー印字となります。
製品識別番号 :J (AK8776)
デートコード :YML
Y:製造年(0∼ 9)
M:製造月
C
1月
7月
D
2月
8月
E
3月
9月
F
4月
10 月
G
5月
11 月
H
6月
12 月
L:ロット(1∼ 9,A∼ Z)
JYML
1
2
図 11.パッケージマーキング
J
K
L
M
N
P
推奨動作回路
出力(D 信号)
GND
4
外付けコンデンサ
0.1μF
3
Top View
1
2
出力(F信号)
VDD
図 12. 推奨動作回路
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重要な注意事項
● 本書に記載された製品、および、製品の仕様につきましては、製品改善のために予告なく変更することがあり
ます。従いまして、ご使用を検討の際には、本書に掲載した情報が最新のものであることを弊社営業担当、あ
るいは弊社特約店営業担当にご確認ください。
● 本書に記載された周辺回路、応用回路、ソフトウェアおよびこれらに関連する情報は、半導体製品の動作例、
応用例を説明するものです。お客様の機器設計において本書に記載された周辺回路、応用回路、ソフトウェア
およびこれらに関連する情報を使用される場合は、お客様の責任において行ってください。本書に記載された
周辺回路、応用回路、ソフトウェアおよびこれらに関連する情報の使用に起因してお客様または第三者に生じ
た損害に対し、弊社はその責任を負うものではありません。また、当該使用に起因する、工業所有権その他の
第三者の所有する権利に対する侵害につきましても同様です。
● 本書記載製品が、外国為替および、外国貿易管理法に定める戦略物資(役務を含む)に該当する場合、輸出す
る際に同法に基づく輸出許可が必要です。
● 医療機器、安全装置、航空宇宙用機器、原子力制御用機器など、その装置・機器の故障や動作不良が、直接ま
たは間接を問わず、生命、身体、財産等へ重大な損害を及ぼすことが通常予想されるような極めて高い信頼性
を要求される用途に弊社製品を使用される場合は、必ず事前に弊社代表取締役の書面による同意をお取りくだ
さい。
● この同意書を得ずにこうした用途に弊社製品を使用された場合、弊社は、その使用から生ずる損害等の責任を
一切負うものではありませんのでご了承ください。
● お客様の転売等によりこの注意事項の存在を知らずに上記用途に弊社製品が使用され、その使用から損害等が
生じた場合は全てお客様にてご負担または補償して頂きますのでご了承下さい。
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