AK2345

ASAHI KASEI
[AK2345]
AK2345
CTCSS エンコーダ/デコーダ
特
□
□
□
□
□
□
□
□
□
□
長
CTCSS(Continuous Tone Controlled Squelch System)用エンコーダ/デコーダ
50周波数のCTCSS信号発生
CTCSS信号除去フィルタ内蔵
CTCSS/CDCSSと音声信号の内部加算回路内蔵
CTCSS高速検出回路内蔵
CDCSS(Continuous Digital Controlled Squelch System)システムにも対応
リミッタ,スプラッタフィルタなどの音声信号用回路内蔵
水晶振動子による発振回路内蔵 (3.6864MHzまたは4.194304MHz) (P25参照)
CMOSプロセス 低電圧動作 (1.8V∼5.5V)
プラスチック小型パッケージを採用:24ピンVSOP
概
要
AK2345は、TIA/EIA-603規格に準拠したCTCSS(Continuous Tone Controlled Squelch System)
をサポートするICです。
67∼254.1Hzの範囲内で50種類の周波数の中から1種類のCTCSSを選択し、送信時にはその
CTCSSを音声信号と同時に送出し、受信時にはその周波数のCTCSSを検出した時のみオーディ
オ回路を動作させることにより、同一無線周波数において複数の通信を可能にします。さら
に送信系にはCTCSSと音声信号を内部加算する回路を内蔵し、受信系にはCTCSSを高速検出す
る回路を採用しております。
音声信号用のフィルタ,リミッタ,オペアンプなども内蔵しており、ワンチップで無線機の
ベースバンド部を構成することができ、FRS(Family Radio Service)等の用途に最適なICで
す。
■
ピン配置
TXIN1
1
24
RXTONE
23
RXIN
TXIN2
2
TXINO
3
22
RXINO
MOD
4
21
AGNDIN
MODIN
5
20
AGND
SPOUT
6
19
LIMLV
RXOUT
7
18
LIMBS
VDD
8
17
DREF
9
16
TXTONE
XOUT
10
15
VSS
STB
11
14
DETOUT
SDATA/DCS
12
13
SCLK
XIN
C0041-J-03
2006/09
-1-
ASAHI KASEI
[AK2345]
目
次
・目次
頁
・特長
1
・概要
1
・ブロック図
3
・回路構成
4
・ピン/機能
5
・絶対最大定格
7
・推奨動作条件
7
・ディジタル特性
8
・アナログ特性
9
・レベルダイヤグラム
12
・シリアルインターフェースの構成
13
・動作説明
19
・外付け応用回路例
23
・パッケージ
26
C0041-J-03
2006/09
-2-
C0041-J-03
-3-
9
10
TSQ
HPF1
TSQ
LPF1
Divider
or 4.194304MHz
DCS
Programmable
3.6864MHz
RX/TX
DCS
SMF
16
RX/TX
24
AMP4
TSQLIM
Power down
Splatter
8
SW 1
15
SW 3
TSQ BPF2
in Mode 0,1,2
TSQ RECT
Power down
in Mode 0,1
Power down
in Mode 0
VR1
RX/TX
SW 2
Adder
6
17
Detector
BIASG
AGNDG
AMP3
5
14
21
20
7
4
1uF
1uF
+
DETOUT
+
AGNDIN
AGND
RXOUT
MOD
ク
O SC
Register
Control
BPF
19
ッ
12
11
13
AMP2
RX/TX
Limiter
18
ロ
STB
SCLK
SDATA/DCS
RXIN
23
22
TXON
AMP1
SW 1
LIMBS
2
RX/TX
SPOUT
RXINO
TXIN 1
TXIN 2
TXINO
3
LIMLV
1
TXTONE
ブ
DEM
TXAF
AK2345 Block Diagram
ASAHI KASEI
[AK2345]
図
DREF
MODIN
VSS
VDD
RXTONE
TXTONE
XOUT
XIN
2006/09
ASAHI KASEI
[AK2345]
回
ブロック名
AMP1
AMP2
BPF
SMF
Limiter
Adder
VR1
Splatter
AMP3
Control Register
Programmable
Divider
OSC
TSQHPF1
TSQLPF1
AMP4
TSQLIM
TSQRECT
TSQBPF2
Detector
AGNDG
BIASG
路
構
成
機 能
送信音声信号のゲイン調整および後段のSCFの折り返しノイズを防止
するフィルタのための演算増幅器です。外付けの抵抗とコンデンサによ
りゲインを30dB以下、カットオフ周波数を10kHz程度に設定して下さい。
受信音声およびCTCSS/CDCSS信号のゲイン調整と後段のSCFの折り返
しノイズを防止するフィルタのための演算増幅器です。外付けの抵抗と
コンデンサによりゲインを30dB以下、カットオフ周波数を10kHz程度に設
定して下さい。
入力された音声信号を帯域制限するSCF回路です。送信時は300Hz以下
の音声信号が、CTCSS信号に悪影響を与えることを防止します。受信時は、
CTCSS/CDCSS信号が除去され音声信号だけが出力されます。
BPFで発生する高周波成分およびクロック成分の除去を行います。
変調信号の周波数偏移を抑えるための振幅制限回路です。リミットレベ
ルはLIMLVピンにDC電圧を加えることにより調整できます。LIMLVピンを
オープンにすると予め決められたリミットレベルになります。
送信系のCTCSS/CDCSSと音声信号とを内部加算するための回路です。
送信系CTCSS/CDCSS信号レベル調整用の電子ボリュームです。
粗および微調整が可能で、粗調整は−10dB,−20dBの切り替え、微調整は
−8.5dB∼+7.0dBを0.5dB/ステップで調整できます。
リミッタの出力信号に含まれる3kHz以上の成分を除去するためのSCF
回路です。
送信SCF回路のスムージングフィルタを構成するための演算増幅器で
す。
外付けの抵抗とコンデンサによりゲインを0dB、カットオフ周波数を
10kHz程度に設定してください。
CTCSS/CDCSS周波数や送信/受信の切替えなどを行うための制御信号を
入力し、記憶するための回路です。
50種類のCTCSS信号周波数を発生したり検出したりするために必要な
クロックを発生させる回路です。
外付けの水晶振動子および抵抗とコンデンサにより、基準クロックを発
生する回路です。
送信時は、プログラマブル分周器からの矩形波を正弦波にするためのプ
ログラマブルフィルタです。受信時は、受信信号からCTCSS/CDCSS信号だ
けを抽出します。
TSQHPF1からのCTCSS信号を増幅してTSQLIMに加えるため
の演算増幅器です。シリアルデータによりゲインを変えることができま
す。
CTCSS信号の振幅制限を行う回路です。
CTCSS信号検出時間短縮モード用の全波整流回路です。
50種類のCTCSS信号周波数を識別するための狭帯域のバンドパスフィ
ルタです。プログラマブル分周器からのクロックにより中心周波数が変
化します。
TSQBPF2の出力信号により、CTCSSの有無を判別する回路です。
内部アナログ回路の基準電圧を発生させるための回路です。
内部で使用する演算増幅器の動作電流を決める回路です。
C0041-J-03
2006/09
-4-
ASAHI KASEI
[AK2345]
ピ
ピン番号
ピン名称
1
TXIN1
2
TXIN2
3
TXINO
4
MOD
5
MODIN
6
SPOUT
7
RXOUT
8
VDD
9
XIN
10
11
XOUT
STB
12
SDATA
/DCS
13
SCLK
ン
/
I/O
機
能
機
能
送信信号入力ピン1
AMP1の反転入力端子です。外部に抵抗とコンデンサ
を接続しマイクアンプを構成します。
送信信号入力ピン2
AMP1の反転入力端子です。TXIN1ピンより入力された
I
信号と加算されてTXINOピンに出力されます。シリアルレ
ジスタのTXONデータにより信号をミュートできます
AMP1出力ピン
O
30kΩ以上のAC負荷を駆動できます。
送信被変調信号入力ピン
O
10kΩ以上のAC負荷を駆動できます。
送信被変調信号入力ピン
AMP3の反転入力端子です。外部に抵抗とコンデンサ
I
を接続しスムージングフィルタを構成します。
スプラッタフィルタ出力ピン
10kΩ以上のAC負荷を駆動できます。シリアルレジスタの
O
SW1データにより、リミッタからスプラッタまでをバイパ
スできます。
受信音声信号出力ピン
O
10kΩ以上のAC負荷を駆動できます。スタンバイモード時
はハイインピーダンスになります。
正電源ピン
−
1.8∼5.5Vの電圧を加えます。
水晶振動子接続ピン
このピンとXOUT間に3.6864MHzまたは4.194304MHzの振動
子を接続することにより、IC内部で使用する基準クロ
I/O ックを作ります。水晶振動子の周波数はシリアルレジス
タのCKSLデータにより選択します。外部からのクロック
を供給する場合は、外付け応用回路例(P24 図-2,3)をご
参照下さい。
I
水晶振動子接続ピン
I
シリアルデータ用ストローブ信号入力ピン
シリアルデータ入力ピン
動作モードや、CTCSS/CDCSS周波数などの設定を行うため
I
の8ビットのシリアルデータを入力します。シリアルレ
ジスタのDCSデータにより、CDCSS信号が入力可能となり、
TSQLPF1通過後TXTONEピンより出力されます。
I
シリアルデータ用クロック入力ピン
I
C0041-J-03
2006/09
-5-
ASAHI KASEI
[AK2345]
ピン番号
ピン名称
I/O
14
DETOUT
O
15
VSS
−
16
TXTONE
O
17
DREF
I
18
LIMBS
I
19
LIMLV
I
20
AGND
O
21
AGNDIN
I
22
RXINO
O
23
RXIN
I
24
RXTONE
O
機 能
CTCSS検出信号出力ピン(オープンドレイン出力)
受信モード時、シリアルデータによって設定された周波数の
CTCSSを検出すると“Low”になります。送信モード時は常に
ハイインピーダンスとなります。
負電源ピン
0Vの電圧を加えます。
送信CTCSS/CDCSS信号モニターピン
送信モード時、シリアルデータによって設定された周波数の
CTCSSが出力されます。またCPU等からのCDCSS信号は
SDATA/DCS(12)ピンから入力するとTSQLPF1通過後、このピン
から出力されます。受信モードの時は、AGND電位が出力され
ます。スタンバイ時はハイインピーダンスとなります。10kΩ
以上のAC負荷を駆動できます。
CTCSS検出レベル調整ピン
このピンにAGND電位以上のDC電圧を加えることにより、CTCSS
デコーダは検出動作を行い、そのレベルはVth=0.575*VDDで求
められます。詳細は、P.21と24をご参照願います。
リミッタレベル微調整ピン
このピンにDC電圧を加えることにより下限リミッタレベレベ
ルを微調整し、リミッタの対称性の調整を行います。
リミッタレベル調整ピン
このピンにDC電圧を加えることによりリミットレベルを調整
できます。無接続にすると規定のリミットレベルになります。
アナロググランドピン
アナログ回路の規準となる1/2VDDの電圧が出力されます。ア
ナロググランドを安定化するためのコンデンサを接続しま
す。
アナロググランド入力ピン
アナロググランドを安定化するためのコンデンサを接続しま
す
AMP2出力ピン
30kΩ以上のAC負荷を駆動できます。
受信復調信号入力ピン
AMP2の反転入力端子です。外部に抵抗とコンデンサを接
続しプリフィルタを構成します。
受信CTCSS/CDCSS信号モニターピン
受信モード時、RXINピンより入力された音声+CTCSS/CDCSS信
号からCTCSS/CDCSS信号だけを選択し出力します。10kΩ以上
のAC負荷を駆動できます。
C0041-J-03
2006/09
-6-
ASAHI KASEI
[AK2345]
絶
対
最
パラメータ
電源電圧 : (VDD)
グランド・レベル
入力電流(電源ピンを除く)
アナログ入力電圧
ディジタル入力電圧
大
定
記号
VDD
VSS
IIN
VAIN
VDIN
VDINO 注1)
Tstg
保存温度
格
Min.
Max.
単位
-0.3
0
-10
-0.3
-0.3
-0.3
-55
6.5
0
+10
VDD+0.3
VDD+0.3
6.5
130
V
V
mA
V
V
℃
注:電圧は全てVSSピンに対する値です。
注1)DETOUTピンに適用。
注意:この値を超えた条件で使用した場合、デバイスを破壊することがあります。
また、通常の動作は保証されません。
推
奨
動
パラメータ
動作温度
電源電圧: (VDD)
アナログ基準電圧
消費電流
RXOFF=1,STBY=1(モード 0)
RXOFF=0,STBY=1(モード 1)
RX/TX=1,STBY=0(モード 3)
作
条
記号
Min.
Ta
VDD
AGND
Idd0
Idd1
Idd2
-30
1.8
件
Typ.
3.0
1/2VDD
0.01
3.2
4.3
Max.
単位
70
5.5
℃
V
V
0.1
5.0
8.5
mA
注:電圧は全てVSSピンに対する値です。
C0041-J-03
2006/09
-7-
ASAHI KASEI
[AK2345]
デ
ィ
ジ
タ
ル
特
性
1.DC特性
パラメータ
高レベル入力電圧
低レベル入力電圧
高レベル入力電流
低レベル入力電流
低レベル出力電圧
VIH=VD+
VIL=0V
IOL=0.8mA
端子
記号
Min.
(1)
(1)
(1)
(1)
(2)
VIH
VIL
IIH
IIL
VOL
70%VD+
記号
Min.
Typ.
Max.
単位
0.3
V
V
μA
μA
V
Max.
単位
30%VD+
10
-10
(1)SDATA/DCS, SCLK, STB
(2)DETOUT
2.AC特性
パラメータ
マスタクロック周波数
CKSL="1"
CKSL="0"
シリアルデータ入力タイミング
クロックパルス幅1
クロックパルス幅2
SDATA Set Up time
SDATA Hold time
STROBE Set up time
STROBE pulse width
STROBE dehold time
digital input rising time
digital input falling time
ta
fclk
Typ.
3.6864
4.194304
MHz
500
500
100
100
100
100
100
ta
tb
tc
td
te
tf
tg
th
ti
250
250
ns
ns
ns
ns
ns
ns
ns
ns
ns
tb
SCLK
tc
SDATA/DCS
td
SA1
te
SA0
SD5
SD0
CDCSS Data
tf
tg
STB
th
ti
0.9DVDD
0.1DVDD
シリアルデータ入力
注意:CDCSS信号はSTB信号立ち下がり後、tg:時間経過したのちに入力してください。
この時SCLKピンはHighレベル、STBピンはLowレベルに固定するようご推奨致します。
C0041-J-03
2006/09
-8-
ASAHI KASEI
[AK2345]
ア
ナ
ロ
グ
特
性
0dBm=0.775Vrms
0dBx=-5dBm at VDD=2V 注6)
1)送信系
パラメータ
@TXINO
TXINO→MOD 1kHz
注1)
@MOD
@MOD 1kHz
注1)
外付けRなし
外付けRによる調整範囲
ノイズレベル
TXIN→MOD
注1,注2)
送信CTCSS出力レベル @TXTONE
送信CTCSS周波数偏差 @TXTONE
送信CTCSS歪率
@TXTONE
送信CDCSS信号出力レベル @TXTONE
SDATA/DCS入力:134Hzの矩形波でDuty比50%
TSQLPF1のカットオフ周波数:136.5Hz設定時
標準入力レベル
絶対ゲイン
最大出力レベル
リミッタレベル
Min.
Max.
-1.5
Typ.
-10
0
-9
-8
dBx
-12
-0.3
-10
-35
-7
-7
-62
-8
+0.3
-26
-12
-10
-8
dBx
Min.
Typ.
-10
0
Max.
単位
dBx
dB
dBx
dBm
1.5
0
単位
dBx
dB
dBx
dBm
dBx
%
dB
2)受信系
パラメータ
標準入力レベル
@RXINO
絶対ゲイン
RXINO→RXOUT 1kHz 注1)
最大出力レベル
@RXOUT
ノイズレベル
RXIN→RXOUT
注1,2)
検出時間通常及び短縮モード
受信CTCSS検出レベル
RXINO→DETOUT
注3)
検出時間通常及び短縮モード
受信CTCSS非検出レベル RXINO→DETOUT
注4)
検出時間通常モード
注5) @100Hz
受信CTCSS検出時間
RXINO→DETOUT
@67Hz
検出時間短縮モード
注5) @100Hz
受信CTCSS検出時間
RXINO→DETOUT
@67Hz
受信CDCSS信号ゲイン
RXINO→RXTONE(DCS=1)
受信CDCSS信号最大出力レベル
@RXTONE(DCS=1)
-1.5
1.5
0
-62
-38
-2
dBx
-18
dBx
160
240
95
150
250
370
150
210
ms
ms
ms
ms
0
2
dB
-10
dBx
3)オペアンプ
ゲインエラー
パラメータ
AMP1∼3 周波数: 60Hz∼3.4kHz
設定ゲイン: 0∼30dB
C0041-J-03
Min.
Typ.
Max.
単位
-1
0
1
dB
2006/09
-9-
ASAHI KASEI
[AK2345]
4)フィルタ特性
送信総合特性
(図1参照)
受信総合特性
(図2参照)
パラメータ
TXINO → SPOUT
Min.
注7)
1kHzでの利得を0dB
とした相対値
RXINO → RXOUT
1kHzでの利得を0dB
とした相対値
250Hz
300Hz
350Hz
2kHz
3kHz
3.6kHz
250Hz
300Hz
350Hz
2.5kHz
3kHz
3.6kHz
Typ.
-43
-3
-1
-1
-3
-50
-43
-3
-1
-1
-1
-45
Max.
-38
+0.5
+1
+1
0
-40
-38
+0.5
+1
+1
+1
-40
注1)
外付け応用回路例 P.23参照。
注2)
カットオフ30kHzのLPF通過後
注3)
周波数偏差±0.5%以内
注4)
周波数偏差±3.0%以上(TSQBPF2のQ値が“H”の場合)
注5)
-20dBx入力時
注6)
dBxは1.8∼5.5Vのすべての電圧に対応できるように規格化したものです。
電圧が2Vの時は0dBx=-5dBmとなり、電圧をX[V]とすると、
単位
dB
dB
外付け応用回路例参照。AMP4ゲインが21dB。
AMP4ゲインが21dB。
外付け応用回路例 P.24 図-1参照。AMP4ゲインが21dB。
0dBx=-5+20log(X/2)
[dBm]
となります。
注7)
SW1データを“0”に設定し、Limiter, Adder, Splatter通過時
C0041-J-03
2006/09
- 10 -
ASAHI KASEI
□
[AK2345]
フィルタ特性
10
0
GAIN(dB)
-10
-20
-30
-40
-50
-60
1.E+02
1.E+03
1.E+04
FREQENCY(Hz)
図1
送信総合特性
10
0
GAIN(dB)
-10
-20
-30
-40
-50
-60
1.E+02
1.E+03
1.E+04
FREQUENCY(Hz)
図2
受信総合特性
C0041-J-03
2006/09
- 11 -
ASAHI KASEI
[AK2345]
レ
ベ
ル
ダ
イ
ヤ
グ
ラ
ム
1)送信系
TXTONE
VR1
Adder
BPF
Limiter
Splatter
Filter
0dB
リミットレベル
-8dBx
-10dBx
TXAF
AMP1
30dB
at 1kHz
0dB
dBx
0
MOD
AMP3
音声:0dB
トーン:-10/-20dB
-5
音声標準レベル
-10
-10
-15
-20
-20
トーン
-25
-30
-30
-35
-40
2)受信系
RXOUT
DEM
AMP2
BPF
20dB
0dB
DETECT
TXQBPF1
13dB
AMP4
22.5dB
∼0dB
dBx
0
TSQLIM
リミットレベル
-7dBx
( 22 .5 dB)
-2.5(22.5dB)
音声標準レベル
-10
-20
-40
-45.4
-7
トーン
標準レベル
-12.4 (0dB)
-25.4
-25(0dB)
-30
TSQBPF2
-4.9
-10
-38
トーン
最低検出レベル
-50
-60
-58
注意:AMP2をディエンファシス特性とする場合、CTCSS信号のレベルダイヤグラムは変わります。
C0041-J-03
2006/09
- 12 -
ASAHI KASEI
[AK2345]
シリアルインターフェースの構成
AK2345はシリアルインタフェースピン(SDATA/DCS,SCLK,STB)からコントロールレジスタにデー
タを書き込むことによって、各種モード設定や、CTCSS/CDCSSの周波数設定を行います。シリアル
データはアドレス2ビット、データ6ビットの計8ビットにより構成されています。
■レジスタの構成
アドレス
SA1 SA0
0
0
0
1
1
0
1
1
レジスタ説明
モード設定1
内部スイッチの設定1
モード設定2
内部スイッチの設定2
マスタクロックの選択
AMP4のゲイン設定
周波数設定
データ
SD3 SD2
SD5
SD4
SD1
SD0
TST
RXOFF
RVTN
RXON
RX/TX
STBY
0
0
DCS
SW3
SW2
SW1
0
1
1
1
0
1
0/1
0
0
VR15
VR12
0
VR14
VR11
0
VR13
VR10
0
GA3
CKSL
TXON
GA2
GA1
GA0
CTCSS/CDCSS周波数設定レジスタ
注)SA[1:0]_SD[5:0]=01_100001のSD3と01_110000のSD[3:0]はテストレジスタとなっており、
常に"0"を設定願います。
■ レジスタマップ
1)モード設定1、内部スイッチの設定1
アドレス
SA1 SA0
SD5
SD4
0
0
TST
RXOFF
データ名
TST
RXOFF
RVTN
RXON
RX/TX
STBY
テストモードの制御
データ
SD3
SD2
RVTN
RXON
SD1
RX/TX
SD0
STBY
機 能
“1”:通常動作
“0”:テストモード
RXOUTピンの制御
送信CTCSSの位相制御
“1”:正相 (0゜)
“0”:逆相 (180゜)
RXOUTピンの制御
RXOFF
RXON
RXOUTピン
1
1
受信CTCSSの有無によりON/OFFする
1
0
常時ON
0
0/1 常時OFF(AGND電位)
送受信モードの制御
“1”:受信モード
“0”:送信モード
スタンバイモードの制御
“1”:スタンバイモード
“0”:通常動作
C0041-J-03
2006/09
- 13 -
ASAHI KASEI
[AK2345]
2−1)モード設定2、内部スイッチの設定2
アドレス
SA1 SA0
0
1
0
1
0
1
0
1
サブアドレス
SD5
SD4
0
0
0
1
1
0
1
1
データ名
DCS
SD3
DCS
注4)
0
0
機 能
データ名
DCS
RX/TX
“1”
“1”
受信モード
CDCSSモード
“0”
CDCSS/CTCSSの制御
“0”
CTCSSモード
SW3
SW2
SW1
VR15
VR14∼10
データ
SD2
SD1
SW3
SW2
VR15
VR14
VR12
VR11
0
0
SD0
SW1
VR13
VR10
0
回路ブロック状態
TSQLPF1
TSQHPF1
通過
迂回
(Gain:0dB)
通過
迂回
送信モード
(Gain:0dB)
“1”
通過
通過
受信モード
(Gain:13dB)
(Gain:0dB)
“0”
通過
迂回
送信モード
(Gain:0dB)
検出時間のモード制御
“1”:短縮モードによる検出回路動作
注1)
“0”:通常モードによる検出回路動作
送信CTCSS/CDCSS信号の制御 “1”:ON 送信音声信号TCS/DCS信号を加算
(デバイス内部での加算)
“0”:OFF(AGND電位)
注2,3)
(デバイス外部での加算)
送信音声信号の制御
“1”:リミッタ,スプラッタ迂回(Bypass)
“0”:リミッタ,スプラッタ通過(Through)
送信CTCSS/CDCSS信号加算時 “1”:−10dB
注2)
のレベル粗調整
“0”:−20dB
送信CTCSS/CDCSS信号加算時のレベル微調整
次ページ参照。
注1)検出時間の短縮モードでは、回路の特性からリバーストーン(送信CTCSSの逆相(180度))を
受信しても、非検出時間の短縮効果は得られません。リバーストーンをご使用になるシステ
ムでは、検出時間短縮モードはお使いにならないようご配慮願います。
注2)送信時、音声信号とCTCSS/CDCSS信号とをデバイス内部で加算する場合、SW2で設定されま
す。またCTCSS/CDCSS信号のレベルは、VR15で粗調整、次ページのVR14∼VR10 で微調
整が可能です。
注3) 送信モード時、TXTONE端子からはアドレス“11”の設定に従ったCTCSS/CDCSS周波数の信号が
SW2=1/0の設定にかかわらず常時出力されます。
注4) “1”、“0”のどちらを設定されても、回路動作に影響はありません。
注5) アドレス:01、サブアドレス:10のSD3と
アドレス:01、サブアドレス:11のSD3,SD2,SD1,SD0はテストレジスタの機能を持ちます。
通常は、上記テーブルのようにすべて“0”に設定願います。
C0041-J-03
2006/09
- 14 -
ASAHI KASEI
[AK2345]
2−2)送信CTCSS/CDCSS信号加算時のレベル微調整用ボリューム
GAIN
データ
VR14 VR13 VR12 VR11 VR10 (dB)
0
0
0
0
0
−8.5
0
0
0
0
1
−8.0
0
0
0
1
0
−7.5
0
0
0
1
1
−7.0
0
0
1
0
0
−6.5
0
0
1
0
1
−6.0
0
0
1
1
0
−5.5
0
0
1
1
1
−5.0
0
1
0
0
0
−4.5
0
1
0
0
1
−4.0
0
1
0
1
0
−3.5
0
1
0
1
1
−3.0
0
1
1
0
0
−2.5
0
1
1
0
1
−2.0
0
1
1
1
0
−1.5
0
1
1
1
1
−1.0
1
0
0
0
0
−0.5
1
0
0
0
1
0.0
1
0
0
1
0
0.5
1
0
0
1
1
1.0
1
0
1
0
0
1.5
1
0
1
0
1
2.0
1
0
1
1
0
2.5
1
0
1
1
1
3.0
1
1
0
0
0
3.5
1
1
0
0
1
4.0
1
1
0
1
0
4.5
1
1
0
1
1
5.0
1
1
1
0
0
5.5
1
1
1
0
1
6.0
1
1
1
1
0
6.5
1
1
1
1
1
7.0
C0041-J-03
2006/09
- 15 -
ASAHI KASEI
[AK2345]
3)マスタクロックの選択、AMP4のゲイン設定
アドレス
データ
SA1 SA0
SD5
SD4
SD3
SD2
1
0
GA3
CKSL
TXON
GA2
データ名
CKSL
TXON
GA3
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
マスタクロックの選択
TXIN2ピンの制御
データ名
GA2
GA1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
1
0
1
0
1
1
0
1
0
1
0
1
0
1
1
1
1
1
1
1
1
GA0
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
SD1
GA1
SD0
GA0
機 能
“1”:3.6864MHz
“0”:4.194304MHz
“1”:OFF(ミュート)
“0”:ON
機 能
AMP4ゲイン(dB)
0.0
1.5
3.0
4.5
6.0
7.5
9.0
10.5
12.0
13.5
15.0
16.5
18.0
19.5
21.0
22.5
C0041-J-03
2006/09
- 16 -
ASAHI KASEI
[AK2345]
4)CTCSS/CDCSS周波数の設定
アドレス
SA1
1
SA0
1
*:標準CTCSS周波数
データ
SD5
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
SD4
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
SD3
0
0
0
0
0
0
0
1
1
1
1
1
1
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
1
1
1
1
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
1
1
1
1
1
1
0
SD2
0
0
0
1
1
1
1
0
0
0
0
1
1
1
1
0
0
0
0
1
1
1
1
0
0
0
0
1
1
1
1
0
0
0
0
1
1
1
1
0
0
0
0
1
1
1
1
0
C0041-J-03
周波数
SD1
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0
SD0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
(Hz)
67.0
71.9
77.0
82.5
88.5
94.8
100.0
103.5
107.2
110.9
114.8
118.8
123.0
127.3
131.8
136.5
141.3
146.2
151.4
156.7
162.2
167.9
173.8
179.9
186.2
192.8
203.5
210.7
218.1
225.7
233.6
241.8
250.3
67.0
71.9
74.4
77.0
79.7
82.5
85.4
88.5
91.5
97.4
69.4
159.8
165.5
171.3
177.3
TSQBPF2の
Q値
L
L
L
L
L
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
2006/09
- 17 -
ASAHI KASEI
[AK2345]
アドレス
データ
周波数
TSQBPF2の
(Hz)
Q値
SA1
SA0
SD5
SD4
SD3
SD2
SD1
SD0
1
1
1
1
0
0
0
1
183.5
H
1
1
0
0
1
0
189.9
H
1
1
0
0
1
1
196.6
H
1
1
0
1
0
0
199.5
H
1
1
0
1
0
1
206.5
H
1
1
0
1
1
0
229.1
H
1
1
0
1
1
1
254.1
H
注1)
1
1
1
0
0
0
1
1
1
0
0
1
74.0
−
H
注1) 送信モード、CDCSSモード設定時にTSQLPF1のカットオフ周波数が、CKSLデータ=“1”の時
3.24kHzになり、CKSLデータ=“0”の時3.69kHzになります。
注2) 上記の表コード以外を入力した時は、送信モード時TXTONEピンはAGND電位となり、受信モー
ド時のDETOUTピンは“Low”となります。
注3) 74.4Hzと74.0Hzは隣接した周波数であることから、検出/非検出の識別がきわめて困難にな
ります。同一システムでの使用に際しては十分にご注意ください。
C0041-J-03
2006/09
- 18 -
ASAHI KASEI
[AK2345]
動
作
説
明
1)動作モード(アドレス“00”)
AK2345の動作モードはアドレス“00”によって選択される6ビットのシリアルデータのうち
TST,RXOFF,RX/TX,STBYの4ビットの論理によって決まります。(表−1参照)
さらに送信モードと受信モードについてはRXOFF,RVTN,RXON,RX/TXの4ビットにより、音声信号出
力やCTCSS/CDCSS信号出力を制御することができます。(表−2,3,4参照)
TST
RXOFF
RVTN
RXON
RX/TX
STBY
動作モード
0
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
テストモード
1
1
0/1
0/1
0/1
1
スタンバイ
モード
(モード0)
1
0
0/1
0/1
0/1
1
音声動作
モード
(モード1)
1
0/1
0/1
0/1
0
0
送信モード
(モード2)
1
0/1
0/1
0/1
1
0
受信モード
(モード3)
動作説明
IC出荷時のテストに使用する
モードです。
発振回路が停止し、アナログ出力
はハイインピーダンス状態とな
り、消費電流が下がります。
音声フィルタなどの音声信号系
のみが動作します。CTCSS回路の
動作は停止し、消費電流が下がり
ます。
TXIN1,2からの音声信号がBPF,
Limiter, Splatterなどのフィル
タを通ってMODに出力されます。
TXTONEには周波数設定コードに
従ったCTCSS信号もしくは
SDATA/DCSに入力されたCDCSS
信号が出力されます。この時
DETOUTは“High”となります。
RXINで受信したCTCSS信号は、周
波数設定コードに従ったCTCSSを
検出するとDETOUTが“Low”とな
ります。RXOUTにはBPFによって
CTCSS/CDCSSが除去された音声信
号が出力されます。
表−1
C0041-J-03
2006/09
- 19 -
ASAHI KASEI
[AK2345]
・音声動作モード時の信号制御
データ名
送受信の切替
SW1
0
RX/TX
SW1
0
1
RXON
RXOUTピンの制御
機 能
RX/TX
RXOUTピン
AMP1の出力はBPFに接続されます。
0
AMP2の出力はRXOUTに接続されます。
AMP1の出力はLimiter, Splatterを通
ってSPOUTに出力されます。
1
AMP2の出力はBPFに接続されます。
AMP1の出力はSPOUTに接続されます。
0/1
AMP2の出力はRXOUTに接続されます。
“1”:OFF(AGND電位)
“0”:ON
表−2
・送信モード時の信号制御
データ名
RXOUTピンの制御
RXOFF
RXON
RVTN
機 能
RXOUTピン
RXOFF
RXON
OFF(AGND電位)
1
1
1
0
ON
0
0/1 OFF(AGND電位)
TXTONEピンの位相制御
“1”:正相(0゜)
“0”:逆相(180゜)
表−3
・受信モード時の信号制御
データ名
RXOUTピンの制御
RXOFF
RXON
機 能
RXON
RXOUTピン
受信CTCSSの有無によりON/OFFする
1
常時ON
0
RXOFF
1
1
0
0/1 常時OFF(AGND電位)
表−4
2)CTCSSモード(アドレス“01”,DCSデータ=“0”)
①送信モード(アドレス“00”,RX/TXデータ=“0”)
TIA/EIA-603に準拠した39種類のCTCSSに加え、156.7Hz以上の隣接CTCSS間に新たに11種類
のCTCSSを加え、計50種類のCTCSSの発生が可能です。
送信CTCSSは、アドレス“11”で設定される周波数をProgrammable Dividerで発生し、
TSQLPF1で高調波を除去した後、TXTONE(16)ピンより出力されます。
送信音声信号とは、デバイス外部もしくは内部で加算でき、SW2データにより選択されま
す。また内部加算時は、VR15,VR14∼VR10によりレベル調整が可能です。
なお、CTCSSを止める場合は、周波数設定表に示された値以外のコードを設定願います。
(例:SD0∼SD5を全て“0”)
C0041-J-03
2006/09
- 20 -
ASAHI KASEI
[AK2345]
②受信モード(アドレス“00”,RX/TXデータ=“1”)
RXINピンより入力された音声とCTCSS/CDCSS信号はTSQLPF1により帯域制限され、+13dBゲ
イン倍した後、TSQHPF1でDCオフセット成分を除去し、アドレス“11”で設定した周波数
のCTCSS信号がRXTONE(24)ピンより抽出されます。
受信したCTCSS信号は、ゲインアンプのAMP4、リミッタのTSQLIM、Q値の高いTSQBPF2等で
波形処理され、最終段のDetector回路でCTCSSの検出/非検出を判定し、検出されると
DETOUT(14)ピンは“Low”レベルを出力します。
CTCSS検出回路は、DREFピンにAGNDレベル以上のDC電圧を印加することで動作し、そのス
レッショルドレベルは、次式により求められます。(P.24 図−1参照)
Vth = AGND+3.9kΩ/(22kΩ+3.9kΩ)*AGND = 1/2VDD+0.1506*1/2VDD = 0.575*VDD
VDD=3.0Vの場合、Vth=1.73V となります。
また、DETOUTピンは、非検出時、スタンバイモード(モード0)時、音声動作モード(モー
ド1)時、送信モード(モード2)時においては、“High”レベルを出力します。ただし、
P.18注2)記載の通り定義されていない周波数を設定した場合は、“Low”となります。
TSQBPF2は、周波数偏差±3.0%以上のCTCSSを識別する性能を有し、39種類の標準CTCSSの
検出が可能です。追加した11種類についても±3.0%以上の偏差があり検出は可能ですが、
上記39周波数のうち156.7Hz以上と併用すると偏差が±1.5%程度となり、隣接したCTCSS
と誤検出する可能性があります。
したがって、50種類のCTCSSの中から周波数偏差が±3.0%以上を確保できる隣接CTCSSを選
択し、ご使用頂きますようご推奨いたします。
③受信モード、検出時間について
検出時間は、TSQBPF2のQ値の切り替えとTSQRECTによる高速化により短縮が可能です。
67.0, 71.9, 77.0, 82.5, 88.5Hzの5種類のCTCSSではTSQBPF2のQ値を“L”と“H”の
2種類選択できます。“L”を選択した場合検出時間を短くすることができますが、隣接
周波数(88.5Hzの時で84.5Hzと91.5Hz)との識別が困難になります。
一方、TSQRECTは整流回路を応用した逓倍回路により、50種類すべのCTCSSに対し高速検出
が可能で、SW3データ=“1”と設定することで約30%の短縮効果が得られます。
④受信モード、検出状態→非検出状態について
所望のCTCSSを受信してDETOUTピンが“Low”を示す検出状態になるまでの時間を検出時間
と呼びますが、CTCSSが止まる、もしくは別の周波数に変わりDETOUTピンが再び“High”
に戻り非検出状態になるまでには、同様に時間を要します。
この検出から非検出までの時間は、以下の設定を順番に行うことで2mS程度にまで短縮で
きます。
・CTCSS周波数に“11/111000”を設定する。
・受信モード(RX/TXデータ=“1”)を設定する。
・10mS程度の“待ち時間”をとる。
・所望のCTCSS周波数を設定する。
C0041-J-03
2006/09
- 21 -
ASAHI KASEI
[AK2345]
3)CDCSSモード(アドレス“01”,DCSデータ=“1”)
①送信モード(アドレス“00”,RX/TXデータ=“0”)
CPU等からのCDCSS信号はSDATA/DCS(12)ピンから入力するとTSQLPF1により帯域制限され
TXTONE(16)ピンより出力されます。CDCSS信号のパスは、P.14に記載するDCSデータをCDCSS
モードに設定することで確保されます。入力タイミングについては、P.8のチャートをご
参照願います。またTSQLPF1のカットオフ周波数は、P17,18に記載する周波数により設定
され、134Hzの矩形波に対し、音声の標準レベルと同じ−10±2dBxが得られます。
(P.9アナログ特性参照)
②受信モード(アドレス“00”,RX/TXデータ=“1”)
RXINピンより入力された音声とCDCSS信号はTSQLPF1により帯域制限されRXTONE(24)ピン
より抽出されます。TSQLPF1のカットオフ周波数は、P17,18に記載する周波数により設定
されます。CDCSS信号レベルについてはP.9に記述の通りRXINO→RXTONEでゲインは0dBで、
RXTONEピンでの最大出力レベルは−10dBxを仕様しております。
RXTONEピンとCPUとを接続される場合には、必要に応じてコンパレータ等で外部にて波形
処理をして頂くようお願い致します。
4)音声フィルタ(BPF)のパワーダウン
テストモードを使用して音声フィルタをパワーダウンすることができます。パワーダウン状
態では、すべての動作モードにおいてSPOUT,RXOUTピンはハイインピーダンスとなります。
アドレス
SA1 SA0
0
0
SD5
0
0
SD4
1
0
データ
SD3 SD2
0
0
0
0
SD1
0
0
SD0
0
0
音声フィルタ
パワーダウン
パワーダウン解除
5)電源投入時の設定
AK2345は、リセットピンを持っていないため電源投入時、内部レジスタの状態が不定となり
ます。
電源投入後は、以下の順番にデータを設定ねがいます。
SA[1:0]_SD[5:0]
① 00_111111(スタンバイモード)
② 00_000000(音声フィルタパワーダウン解除)
③ 01_100001(SD3=0でテストレジスタ解除)
④ 01_110000(SD[3:0]=0でテストレジスタ解除)
続いて所望の動作に対応したデータをご設定頂きますようお願い致します。
C0041-J-03
2006/09
- 22 -
ASAHI KASEI
[AK2345]
外
付
け
応
用
回
路
例
◎AMP1
送信信号のゲイン調整と80kHz以上のノイズをカットする折り返し防止フィルタを構成するため
のアンプです。ゲインは30dB以下に設定してください。下図にゲイン30dB、カットオフ10kHzの1
次のLPFを示します。また1kHzでのゲイン0dBのプリエンファシスフィルタは、
C1=1000pF,C2=15pF,R1=15kΩ,R2=160kΩの構成で実現できます。
TXINO
C2
R2
R1
C1
━
TXIN
╋
C1=1μF
C2=47pF
R1=10kΩ
R2=330kΩ
AMP1
LSI
◎AMP2
受信信号のゲイン調整と80kHz以上のノイズをカットする折り返し防止フィルタを構成するため
のアンプです。ゲインは20dB以下に設定してください。下図にゲイン20dB、カットオフ周波数10kHz
の1次のLPFを示します。また1kHzでのゲイン0dBのディエンファシスフィルタは、
C1=0.47μF,C2=0.01μF,R1=16kΩ,R2=56kΩの構成で実現できます。
RXINO
C2
R2
R1
━
RXIN
╋
C1
C1=1μF
C2=47pF
R1=33kΩ
R2=330kΩ
AMP2
LSI
◎AMP3
送信信号のゲイン調整およびスムージングフィルタを構成します。スムージングフィルタは、
SPOUTに含まれる80kHzのクロック成分をカットするためのものです。またアンプを用いて音声信
号とCTCSS信号を加算します。下図にゲイン0dB,カットオフ13kHz,1次ローパスフィルタの構成例
を示します。
TXTONE
R3
SPOUT
R1
MODIN
C
C=220pF
R1=R2=56kΩ
R3=330kΩ
R2
━
╋
MOD
AMP3
LSI
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- 23 -
ASAHI KASEI
[AK2345]
◎受信CTCSS検出回路のスレッショルドレベル
受信CTCSS検出回路は、DREFピンにAGNDレベル以上のDC電圧を印加することで動作し、そのスレッ
ショルドレベルは、図−1の回路例の場合、次式により求められます。
Vth = AGND+3.9kΩ/(22kΩ+3.9kΩ)*AGND = 1/2VDD+0.1506*1/2VDD = 0.575*VDD
VDD=3.0Vの場合、Vth=1.73V となります。
スレッショルドレベルを変えると検出時間も変化します。スレッショルドレベルを高くすると検
出時間は長くなり、低くすると短くなる傾向を示します。
また、DETOUTピンをフィードバックすることで、検出レベルと非検出レベルとの間にヒステリシ
スを持たせることが可能です。図−2に約3dBのヒステリシスを持った回路例を示します。
VDD
DETOUT
R4
AGND
DETOUT
VDD
R3
R1
DREF
R2
R1=22kΩ
R2=3.9kΩ
R3=150kΩ
R4=15kΩ
R1
R2
AGND
LSI
図−1
R4
R4=15kΩ
VDD
DREF
VDD
R1=22kΩ
R2=3.9kΩ
LSI
ヒステリシス無し
図−2
ヒステリシス有り
◎AGND安定化容量
AGNDピンには、AGND信号の安定化のためVSSとの間に0.3μF以上のコンデンサを接続してくださ
い。また電源に含まれるリップルの影響をなくすためAGNDIN-VSS間にも適当な値のコンデンサを
接続してください。下図に接続例を示します。
AGNDIN
C
AGND
C=1μF
C
LSI
◎電源安定化容量
電源ノイズの影響を少なくするため、VDD-VSS間にコンデンサを接続してください。コンデンサは
電源ピンのなるべく近くになるように配置してください。
VDD
C1
C2
C1=22μF(電解コンデンサ)
C2=0.1μF(セラミックコンデンサ)
VSS
LSI
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[AK2345]
◎発振回路
内蔵の発振回路を使用する場合は、3.6864MHz, 4.194304MHzの水晶振動子と抵抗とコンデンサを
図−1の様に接続願います。内部バッファは、等価直列抵抗:150Ω(MAX.)、並列容量:5pF(Max.)
の等価回路定数を示す水晶振動子に対し、安定発振が得られることを目標に設計しております。
また外付けコンデンサには22pFを接続し、負荷容量がトータルで16pF(5pF+22pF//22pF)以下と
なるようご推奨いたします。
周辺のICとクロックを共通にする場合は、XIN端子に入力、出力するよう接続願います。XIN端子
初段の回路は、電源電圧にトラッキングしないタイプを採用しており、スレッシュルド電圧は
0.8Vです。
入力クロック振幅のhighレベルが1.5V以上で、Lowレベルが0.5V以下の場合は、図−2のように接
続願います。また入力クロックの振幅(p-p値)が0.2V以上で1.0V以下の場合は、図−3のように
ACカップルし接続願います。
またクロックの振幅は、絶対最大定格を超えないようご注意願います。
22pF
XIN
XIN
3.6864MHz
4.194304MHz
外部クロック入力
3.6864MHz
4.194304MHz
XOUT
XOUT
1MΩ
22pF
LSI
LSI
図−2
図−1
XIN
0.01μF
外部クロック入力
3.6864MHz
4.194304MHz
1MΩ
XOUT
LSI
図−3
◎リミッタレベル設定用抵抗
リミッタレベルを外部で調整する場合、下図のようにLIMLVピンにDC電圧を加えます。加えるDC
電圧はAGND電圧以上とし、LIMLV−AGND間の電圧をaVとするとAGND±aVがリミットレベルとな
ります。LIMLVをオープンにすると、予め定められたリミットレベルになります。また、LIMBSピ
ンにDC電圧を加えることにより、下限リミッタレベルを微調整し、リミッタの非対称性を補正す
ることができます。
LIMBS
LIMLV
VDD
R=50kΩ
R
VSS
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LSI
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[AK2345]
パ
ッ
ケ
ー
ジ
■マーキング
AK2345
XXXYZ
[XXXYZ内容]
XXX: 製造時期 西暦年号下1桁,週番号2桁
Y
: 製造ロット記号
Z
: 組立地記号
生産地:日本(デバイス裏面にJAPANと記載)
■ パッケージ外形寸法
2 4 ピン V S O P
単位:mm
+0.20
1.25 - 0.10
0.10
13
+0.20
A
* 5.6
24
7.60 - 0.20
*
+0.1
7.8 -0.1
12
1
0.2 0
+0.03
0.65
0.17 -0.05
0.08 M
0.5 -0.2
+ 0. 2
0.10
注 )*印 寸 法 は レ ジ ン 残 り 含 ま ず 。
0∼10゚
A部詳細図
パッケージ材質:エポキシ樹脂
リードフレーム材質:Cu
リードフレーム処理:半田メッキ
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[AK2345]
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