Small IPM(民生用途向け) PDF [816KB]

Preliminary
富士 IGBT Intelligent-Power-Module
"Compact Type"
(Preliminary)
アプリケーション マニュアル
6MBP15VR*060-50
富士電機株式会社
2013年7月3日
Fuji Electric Co., Ltd.
MT6M10224 Rev.1.1
July.-2013
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目次
第1章 製品概要
1. 製品紹介 ………………………………………………………………………..
2. 製品ラインナップ ………………………………………………………………...
3. 製品型式名及び捺印の定義 …………………...............................................
4. 外形図 ……………………………………………………………………………
5. 絶対最大定格 ……………………………………………………………………
1-2
1-4
1-5
1-6
1-7
第2章 端子記号、用語の説明
1. 端子記号の説明 …………………………………………………………………
2. 用語の説明 ………………………………………………………………………
2-2
2-3
第3章 制御端子の詳細
1. ローサイド・ハイサイド制御電源端子 VCCH,VCCL,COM ……….....................
2. ハイサイド駆動電源端子 VB(U,V,W) ……………………...........................
3. 内蔵ブートストラップダイオード機能 …………………………………………..
4. 入力端子 IN(HU,HV,HW), IN(LU,LV,LW) ……………………………………
5. 過電流保護検出端子 IS ……………………………………………………….
6. アラーム出力端子 VFO ………………………………………………………..
7. 温度出力端子 TEMP …………………….....................................................
8. 過熱保護機能 …………………………………………………………………..
3-2
3-6
3-9
3-13
3-16
3-17
3-18
3-20
第4章 パワー端子の詳細
1. バス電圧入力端子と下アームIGBTエミッタの接続 ..........…..........................
2. 過電流保護用 外部シャント抵抗の設定方法 ………………….......................
4-2
4-3
第5章 推奨配線及びレイアウト
1. 応用回路例 ……………………………………………………………………..
2. プリント基板設計における推奨パターン及び注意点 ………............................
5-2
5-5
第6章 実装ガイドライン及び熱設計
1. プリント基板へのはんだ付け方法 ……………………………………………… 6-2
2. ヒートシンクへの実装方法 …………………………………………………….. 6-3
3. 冷却体(ヒートシンク)の選定 ……………………………………………………. 6-4
第7章 注意事項
1. 使用上の注意事項 ………………………………………………………………
2. ご注意 ……………………………………………………………………………
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7-2
7-3
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第1章
製品概要
内容
1. 製品紹介 …………………………………………………………………………
2. 製品ラインナップ …………………………………………………………………
3. 製品型式名及び捺印の定義 ……………………………………………………
4. 外形図 ……………………………………………………………………………
5. 絶対最大定格 ……………………………………………………………………
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1-1
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第1章 製品概要
1. 製品紹介
このマニュアルは、富士IGBT Inteligent-Power-Module “Compact Type”について
・製品概要
・端子記号、用語の説明
・制御端子及びパワー端子の詳細説明と設計ガイドライン
・推奨配線及びレイアウト、実装ガイドライン
以上の内容を説明しております。
特徴と機能
1.1 内蔵駆動回路
• 最適に設定された条件でIGBTを駆動しております。
• 上アームの制御ICは、 高電圧レベルシフト回路(HVIC)を内蔵しております。
• 本IPMは、マイクロプロセッサーによって直接駆動することが可能であり、上アームも直接駆動することが可
能となっております。入力信号の電圧レベルは、3.3V又は5.0Vとなっております。
• 内蔵駆動回路とIGBT間の配線が短く、駆動回路のインピーダンスが低い為、逆バイアス電源は不要となっ
ております。
• 本IPMは下アーム側1個と絶縁された上アーム側3個の合計4個の制御電源が必要となりますが、
ブートストラップダイオード(BSD)を内蔵している為、上アーム側用に別途絶縁電源を用意する必要は有りま
せん。
VB(U)
3
VB(V)
5
VB(W)
7
36
NC
32 P
3×HVIC
IN
VB
IN(HU) 9
3×BSD
Vcc
IN(HV) 10
OUT
GND
Vs
IN
VB
Vcc
30 U
6×IGBT 6×FWD
OUT
GND
Vs
IN(HW) 11
IN
VB
VCCH
12
Vcc
COM
13
GND
28 V
OUT
Vs
26 W
LVIC
IN(LU) 14
UIN
IN(LV) 15
VIN
IN(LW) 16
WIN
VCCL
17
Vcc
VFO
18
Fo
IS
19
IS
COM
20
GND
TEMP
21
TEMP
UOUT
24 N(U)
VOUT
23 N(V)
WOUT
22 N(W)
図.1-1 内部回路図
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第1章 製品概要
1.2 内蔵保護回路
• 本IPMには、下記の保護回路が内蔵されています。
(OC): 過電流保護機能
(UV): 低入力電圧保護機能
(LT): 温度出力機能 又は、(OH): 過熱保護機能
(FO): アラーム出力機能
• 過電流保護回路は、負荷短絡、アーム短絡時の過電流によるIGBTの破壊を保護する機能です。本保護回路
は外部シャント抵抗を用いて下アームの各層エミッタ電流をモニターしている為、アーム短絡保護も可能となっ
ております。
• 低入力電圧保護回路は、制御電源及びハイサイド駆動電源の電圧低下に対して動作する保護機能であり、全
駆動回路に内蔵しております。
• 過熱保護機能は、本IPMを過熱から保護する機能であり、ローサイド制御IC(LVIC)に内蔵しております。
• 温度出力機能は、検出温度をアナログ電圧に変換して出力しております。
(LVICに内蔵)
• アラーム出力機能は、アラーム信号を外部に出力する機能であり、IPMが異常信号を検出した際、マイクロプ
ロセッサー(MPU)へアラーム信号を出力することでシステム破壊を確実に停止することが可能となっておりま
す。
1.3 小型化
•本製品は、アルミ絶縁基板を使用しており、放熱に優れています。
•制御端子間ピッチは1.778mmとなっております。
•パワー端子間は、標準ピッチの2.54mmとなっております。
•コレクタ-エミッタ間飽和電圧Vce(sat) とスイッチング損失とのトレードオフを改善したことで、トータル損失を
低減します。
Mold resin
Lead frame
BSD IC IGBT FWD
WIRE
Mold resin
Aluminum base PCB with isolation layer
図.1-2 外観
図.1-3 パッケージ断面構造
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1-3
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第1章 製品概要
2. 製品ラインナップと本アプリケーションマニュアルの適用対象
表. 1-1 ラインナップ
IGBT定格
型式名
電圧
[V]
電流
[A]
6MBP15VRA060-50
600
15
6MBP15VRB060-50
絶縁電圧[Vrms]
1500Vrms
正弦波 60Hz, 1min.
(全端子ショートとケース間)
タイプ
LT*1
OH*1
6MBP15VRC060-50
LT*1
OH*1
6MBP15VRD060-50
LT*1
*1
主用途
・エアコン用コンプレッサ
モータドライブ
・ヒートポンプ用コンプ
レッサーモータドライブ
・ファンモータードライブ
(LT): 温度出力(LT)
(OH):過熱保護(OH)
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1-4
第1章 製品概要
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3. 製品型式名及び捺印の定義
• 型式名
6 MBP 15 VR A 060 –50
機種の追番(無い場合もあります。)
50 : RoHS
耐圧
060 : 600V
シリーズの追番
A ,D: 温度出力
B : 過熱保護
C : 温度出力、過熱保護
シリーズ名
VR: パッケージタイプ
IGBT 電流定格
15: 15A
IGBT-IPMを表す
トランジスタ数
6 : 6個入
図.1-4 捺印仕様
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1-5
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第1章 製品概要
4. 外形図
A
43.0 ±0.5
18x1.778(=32.004)
35.0 ±0.5
0.72(min.)
1.8 ±0.1
B
16-0.6
- 0.15
0.15 +0.20
※ Note.1
21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9
7
5
40
3
39
38
37
22 23 24
26
28
30
32
36
1.6 ±0.1
4.2 ±0.1
Insulated Metal Substrate
0.98(min.)
3.50(min.)
1.8 ±0.1
8-0.6
1.5 ±0.1
3.7 ±0.1
14x2.54 (=35.56)
Solder Plating
Insulated Metal Substrate
2.5(min)
1.2 ±0.1
0.7 ±0.4
0.5 ±0.1
DETAIL A
DETAIL B
15.2 ±0.5
30.4 ±0.5
Note.1
The IMS (Insulated Metal Substrate) deliberately protruded from back surface of case.
It is improved of thermal conductivity between IMS and heat-sink.
Pin No.
3
5
7
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
Pin Name
VB(U)
VB(V)
VB(W)
IN(HU)
IN(HV)
IN(HW)
VCCH
COM
IN(LU)
IN(LV)
IN(LW)
VCCL
VFO
IS
COM
Temp
Pin No.
22
23
24
26
28
30
32
36
Pin Name
N(W)
N(V)
N(U)
W
V
U
P
NC
図.1-5. ケース外形図
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1-6
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第1章 製品概要
5. 絶対最大定格
表1-2に6MBP15VSA060-50の絶対最大定格例を示します。
表 1-2 絶対最大定格 Tj=25C,Vcc=15V (特に指定がない場合)
項目
記号
定格
単位
説明
電源電圧
VDC
450
V
P-N(U),N(V),N(W)端子間に印加可能な
直流電源電圧
電源電圧 (サージ)
VDC(Surge)
500
V
スイッチングによりP-N(U),N(V),N(W)
端子間に印加可能なサージ電圧の
ピーク値
コレクタ-エミッタ間電圧
VCES
600
V
内蔵IGBTチップのコレクタ-エミッタ間最
大電圧及びFWDチップの繰返しピーク
逆電圧
コレクタ電流
IC@25
15
A
IGBTチップに許容される最大直流コレ
クタ電流 Tc=25℃, Tj=150℃
ピークコレクタ電流
ICP@25
45
A
IGBTチップに許容される最大パルスコ
レクタ電流 Tc=25℃, Tj=150℃
ダイオード順電流
IF@25
15
A
FWDチップに許容される最大直流順電
流 Tc=25℃, Tj=150℃
ピークダイオード順電流
IFP@25
45
A
FWDチップに許容される最大パルス電
流 Tc=25℃, Tj=150℃
コレクタ電力損失
PD_IGBT
38.5
W
IGBTチップ1素子で消費できる電力の
最大値 Tc=25℃, Tj=150℃
FWD電力損失
PD_FWD
20.5
W
FWDチップ1素子で消費される電力の
最大値Tc=25℃, Tj=150℃
動作時接合温度
(インバータ回路)
Tj
-40 ~ +150
C
IGBTとFWDチップの接合温度
ハイサイド制御電源電圧
VCCH
-0.5 ~ 20
V
VCCH-COM端子間に印加可能な電圧
ローサイド制御電源電圧
VCCL
-0.5 ~ 20
V
VCCL-COM端子間に印加可能な電圧
ハイサイド駆動電源電圧
VB(U)-COM
VB(V)-COM
VB(W)-COM
-0.5 ~ 620
V
VB(U)-COM, VB(V)-COM, VB(W)-COM間
に印加可能な電圧
ハイサイド駆動電源電圧
(上アームIGBT駆動)
VB(U)
VB(V)
VB(W)
20
V
U-VB(U), V-VB(V),W-VB(W)端子間に印
加可能な電圧
入力電圧
VIN
-0.5 ~ VCCH+0.5
-0.5 ~ VCCL+0.5
V
各Vin-COM端子間に印加可能な電圧
入力電流
IIN
3
mA
各Vin-COM端子間に注入可能な電流
アラーム印加電圧
VFO
-0.5 ~ VCCL+0.5
V
VFO-COM端子間に印加可能な電圧
アラーム出力電流
IFO
1
mA
過電流検出入力電圧
VIS
-0.5 ~ VCCL+0.5
V
IS-COM端子間に印加可能な電圧
動作時接合温度
(制御回路)
Tj
-40 ~ +150
C
制御回路の接合温度
VFOからCOM端子に流れるシンク電流
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1-7
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第1章 製品概要
表 1-2 絶対最大定格 at Tj=25C,Vcc=15V (続き)
項目
記号
定格
単位
説明
動作時ケース温度
TC
-40 ~ +125
C
動作時ケース温度(IGBT若しくはFWD
直下のアルミ絶縁基板下面の温度)
保存温度
Tstg
-40 ~ +125
C
保管及び搬送時の周囲温度範囲
(無負荷状態)
絶縁電圧
Viso
AC 1500
Vrms
全端子を短絡した状態で端子とヒート
シンク間に許容される正弦波電圧の
最大実効値 (正弦波 60Hz/1min)
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1-8
Preliminary
第1章 製品概要
コレクタ-エミッタ間電圧の絶対最大定格仕様
絶対最大定格時のIGBTのコレクタ-エミッタ電圧については下記に示します。
動作時、PN(*)間印加電圧は通常ハイサイド若しくはローサイドの1相に印加されます。そのため、PN(*)間印加
電圧は、IGBTの絶対最大定格を越えてはいけません。絶対最大定格時のコレクタ-エミッタ電圧について下記を
ご参照下さい。
N(*): N(U),N(V),N(W)
VCES
: IGBTコレクタ-エミッタ電圧の絶対最大定格
VDC
: P-N(*)間電源電圧の絶対最大定格
VDC(Surge) : VDCに、P-N(*)間につながる電解コンデンサとIPMのP-N(*)間の配線インダクタンスにより発生す
るサージ電圧を加えた電圧値
≤ VDC(Surge)
コレクタ-エミッタ電流
≤ VDC(Surge)
≤ VDC
≤ VDC
短絡電流
VCE,IC=0
VCE,IC=0
(a) ターンオフ時
(b) 短絡動作時
図. 1-6 コレクタ-エミッタ電圧
図.1-6にターンオフ時及び短絡動作時の波形を示します。それぞれのVDC(Surge)は異なるため、VDCは上記の動
作モードを想定して設定する必要があります。
VCESは、IGBTのコレクタ-エミッタ間の絶対最大定格電圧を表します。 VDC(Surge)は、配線インダクタンスにより生
じるサージ電圧のマージンを考慮しています。
また、VDCは、P-N(*)端子と電解コンデンサ間の配線インダクタンスにより生じるサージ電圧のマージンを考慮し
ています。
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1-9
Preliminary
第2章
端子記号、用語の説明
内容
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1. 端子記号の説明 …………………………………………………………………. 2-2
2. 用語の説明
……………………………………………………… 2-3
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2-1
Preliminary
2章 端子記号、用語の説明
1. 端子記号の説明
表 2-1と表2-2はそれぞれ端子記号と定義について説明しています。
表 2-1 端子記号の説明
端子番号
端子名
端子説明
3
VB(U)
ハイサイド駆動電源電圧端子(上アームU相IGBT駆動)
5
VB(V)
ハイサイド駆動電源電圧端子(上アームV相IGBT駆動)
7
VB(W)
ハイサイド駆動電源電圧端子(上アームW相IGBT駆動)
9
IN(HU)
ハイサイドU相入力端子
10
IN(HV)
ハイサイドV相入力端子
11
IN(HW)
ハイサイドW相入力端子
12
VCCH
ハイサイド制御電源電圧端子
13
COM
共通グランド端子
14
IN(LU)
ローサイドU相入力端子
15
IN(LV)
ローサイドV相入力端子
16
IN(LW)
ローサイドW相入力端子
17
VCCL
ローサイド制御電源電圧端子
18
VFO
アラーム出力端子
19
IS
過電流検出入力端子
20
COM
共通グランド端子
21
TEMP
温度出力端子
22
N(W)
主電源(-)入力端子(下アームW相IGBTエミッタ)
23
N(V)
主電源(-)入力端子(下アームV相IGBTエミッタ)
24
N(U)
主電源(-)入力端子(下アームU相IGBTエミッタ)
26
W
W相出力端子
28
V
V相出力端子
30
U
U相出力端子
32
P
主電源(+)入力端子(上アームIGBTコレクタ)
36
NC
未使用
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2-2
2章 端子記号、用語の説明
Preliminary
2. 用語の説明
表 2-2 用語の説明
(1) インバータ回路
項目
記号
説明
Zero gate Voltage Collector
current
ICES
全入力信号L(=0v)でIGBTのコレクタとエミッタ間に所定の電圧を印加
したときの漏れ電流
Collector-emitter saturation
voltage
VCE(sat)
測定対象素子の入力信号のみをH(=5V)、他の全素子の入力をL(=0V)
としたとき、定格コレクタ電流を流したときのコレクタ-エミッタ間電圧
FWD
forward voltage drop
VF
全入力信号L(=0V)で、ダイオードに定格電流をながしたときの順方向
電圧
Turn-on time
ton
入力信号電圧レベルが閾値を上回ってから、コレクタ電流が定格の
90%に上昇するまでの時間。図. 2-1参照。
Turn-on delay
td(on)
入力信号電圧レベルが閾値を上回ってからコレクタ電流が定格の
10%以上になるまでの時間。図. 2-1参照。
Turn-on rise time
tr
IGBTのターンオン時にコレクタ電流が定格の10%から定格の90%に上
昇するまでの時間。図. 2-1参照。
VCE-IC Cross time of turn-on
tc(on)
IGBTのターンオン時にコレクタ電流が定格の10%になってからVCE電
圧が定格の10%以下になるまでの時間。図.2-1参照。
Turn-off time
toff
入力信号電圧レベルが閾値を下回ってからコレクタ電流が定格の10%
以下になるまでの時間。図. 2-1参照。
Turn-off delay
td(off)
入力信号電圧レベルが閾値を下回ってからコレクタ電流が定格の
90%以下になるまでの時間。図. 2-1参照。
Turn-on fall time
tf
IGBTのターンオフ時にコレクタ電流が定格の90%から、定格の10%以
下になるまでの時間。図. 2-1参照。
VCE-IC Cross time of turn-off
tc(off)
IGBTがターンオフ時にコレクタ電圧が定格の10%になってからコレクタ
電流が定格の10%以下になるまでの時間。図. 2-1参照。
FWD
Reverse recovery time
trr
内蔵ダイオードの逆回復電流が消滅するまでに要する時間。
図. 2-1参照。
(2) 制御回路
項目
記号
説明
Circuit current of
Low-side drive IC
ICCL
ローサイド制御電源VCCLとCOM間に流れる電流
Circuit current of
High-side drive IC
ICCH
ハイサイド制御電源VCCHとCOM間に流れる電流
Circuit current of Bootstrap
circuit
ICCHB
上アームIGBTの駆動電源VB(U)とU、VB(V)とV、VB(W)とW間に
流れる電流(各相ごと)
Vth(on)
IGBTをオフからオンさせる入力制御信号閾値電圧
Vth(off)
IGBTをオンからオフさせる入力制御信号閾値電圧
Input Signal threshold
hysteresis voltage
Vth(hys)
Vth(on)とVth(off)のヒステリシス電圧
Operational input pulse
width
tIN(on)
IGBTをオフからオンさせる為に必要な入力制御信号のパルス幅。
詳細は第3章4節をご参照下さい。
Operational input pulse
width
tIN(off)
IGBTをオンからオフさせる為に必要な入力制御信号のパルス幅。
詳細は第3章4節をご参照下さい。
Input Signal threshold
voltage
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2-3
2章 端子記号、用語の説明
Preliminary
表 2-2 用語の説明
(2) 制御回路 (続き)
項目
記号
説明
Input current
IIN
入力端子IN(HU,HV,HW,LU,LV,LW)とCOM間に流れる電流。
Input pull-down resistance
RIN
入力端子IN(HU,HV,HW,LU,LV,LW)とCOM間抵抗(各相ごとにそれぞれ内蔵)。
Fault output voltage
VFO(H)
通常動作時のVFO端子出力電圧(ローサイド保護機能は動作していませ
ん)。外部プルアップ抵抗=10kΩ。
VFO(L)
ローサイド保護機能動作時のVFO端子出力電圧。
Fault output pulse width
tFO
ローサイド保護機能が動作してからVFO端子出力が出力され続ける期間。
詳細は第3章6節をご参照下さい。
Over current protection
voltage level
VIS(ref)
過電流保護機能が動作するIS端子閾値電圧。
詳細は第3章5節をご参照下さい。
Over Current Protection
Trip delay time
td(IS)
過電流状態を検出してからコレクタ電流が定格の50%以下になるまでの時
間。詳細は第3章5節をご参照下さい。
Output Voltage of
temperature sensor
V(temp)
TEMP端子出力電圧。温度出力タイプに適用。
詳細は第3章7節をご参照下さい。
Overheating protection
temperature
TcOH
ローサイド制御ICによる過熱保護検出温度。温度が過熱保護検出温度を
上回ったら全相ローサイドIGBTはシャットダウンします。
詳細は第3章8節をご参照下さい。
Overheating protection
hysteresis
TcH
過熱保護動作時に出力遮断動作をリセットしないヒステリシス温度。詳細
は図2-2と第3章8節をご参照下さい。TcOHとTcHは、過熱保護タイプに適用。
Vcc Under voltage trip level of
Low-side
VCCL(OFF)
ローサイド制御IC 制御電源の低電圧保護動作閾値電圧。VCCL電圧が閾
値電圧を下回ると全相ローサイドIGBTはシャットダウンされます。
詳細は第3章1節をご参照下さい。
Vcc Under voltage reset level
of Low-side
VCCL(ON)
ローサイド制御ICの低電圧保護動作をリセットする閾値電圧。
詳細は第3章1節をご参照下さい。
Vcc Under voltage hysteresis
of Low-side
VCCL(hys)
VCCL(OFF)とVCCL(ON)のヒステリシス電圧。
Vcc Under voltage trip level of
High-side
VCCH(OFF)
ハイサイド制御IC 制御電源の低電圧保護動作しきい値電圧。VCCH電圧
が閾値電圧を下回ると全相ハイサイドIGBTはシャットダウンされます。第3
章1節をご参照下さい。
Vcc Under voltage reset level
of High-side
VCCH(ON)
ハイサイド制御ICの低電圧保護動作をリセットする閾値電圧。
第3章1節をご参照下さい。
Vcc Under voltage hysteresis
of High-side
VCCH(hys)
VCCH(OFF)とVCCH(ON)のヒステリシス電圧。
VB Under voltage trip level
VB(OFF)
VB(*)電源の低電圧保護動作閾値電圧。VB(*)電圧が閾値電圧を下回ると
該当相のIGBTはシャットダウンされます。第3章2節をご参照下さい。
VB Under voltage reset level
VB(ON)
VB(*)電源の低電圧保護動作をリセットする閾値電圧。第3章2節をご参照
下さい。
VB Under voltage hysteresis
VB(hys)
VB(OFF) and VB(ON)のヒステリシス電圧。
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2-4
2章 端子記号、用語の説明
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表 2-2 用語説明
(3) BSD 回路
用語
記号
説明
Forward voltage of
Bootstrap diode
VF(BSD)
BSDに定格の順方向電流を流したときの順方向電圧
項目
記号
説明
Junction to Case Thermal
Resistance
(per single IGBT)
Rth(j-c)_IGBT
IGBT1アームあたりのチップ・ケース間の熱抵抗
Junction to Case Thermal
Resistance
(per single FWD)
Rth(j-c)_FWD
FWD1アームあたりのチップ・ケース間の熱抵抗
Case to Heat sink
Thermal Resistance
Rth (c-f)
サーマルコンバウンドを用いて推奨トルク値にて冷却体に取り付けた
状態でのケース・冷却体間の熱抵抗
記号
説明
(4) 熱特性
(5) 機械的特性
項目
Tighten torque
-
規定のネジで、ケースと冷却体を取り付ける際の最大トルク
Heat-sink side
flatness
-
ヒートシンク面の平坦度は、図.2-3をご参照下さい。
図2-1 スイッチング波形
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2-5
2章 端子記号、用語の説明
Preliminary
Temperature sensor position for Temp. sensor
output or TcOH function.
7.0
Heat sink side
Tc measurement position
SIDE VIEW
TOP VIEW
図2-2 温度センスとTcの測定点
図2-3 ヒートシンク面の平坦度の測定点
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2-6
Preliminary
第3章
制御端子の詳細
内容
1. ローサイド・ハイサイド制御電源端子 VCCH,VCCL,COM ………………………
2. ハイサイド駆動電源端子 VB(U,V,W) …………………………………………
3. 内蔵ブートストラップダイオード機能 .……………….....................................
4. 入力端子 IN(HU,HV,HW), IN(LU,LV,LW) …………………………………..
5. 過電流保護検出端子 IS ….………………………………..………………….
6. アラーム出力端子 VFO ……………………………………………………….
7. 温度出力端子 TEMP ………………………………………….………………
8. 過熱保護機能 ………………………………………..…………………………
ページ
3-2
3-6
3-9
3-13
3-16
3-17
3-18
3-20
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3-1
第3章 制御端子の詳細
Preliminary
1. ローサイド・ハイサイド制御電源端子 VCCH,VCCL,COM
1. ローサイド・ハイサイド制御電源端子VCCH, VCCL の電圧範囲
本IPMの制御電源は、通常15Vの直流電源をVCCH, VCCL とCOM端子間に接続してください。適切な動作のた
めには、この電圧は15V  10%に調整して下さい。
表3-1は、この電源電圧の変化に対するIPMの動作状態を示しています。制御電源には、インピーダンスが低
い電解コンデンサと周波数特性の良いコンデンサを端子直近に接続して下さい。
制御電源の高調波ノイズにより、本IPMは誤動作及び異常信号を出力する恐れがあります。 これらの問題を
避けるために、制御電源の最大電圧変化は1V/µs以下にして下さい。
COM端子電位とN(*)*1端子電位は異なる電位となります。全ての制御回路とインバータ回路においてN(*)*1端
子ではなくCOM端子を基準電位にして下さい。回路接続が不適切な場合、シャント抵抗に電流が流れ過電流
保護機能が誤作動する可能性があります。通常、プリント基板のレイアウトにおいてCOM端子をグランド電位
にすることを推奨します。
制御電源はブートストラップ回路にも接続され、上アームIGBTのゲート駆動用のフローティング電源へ供給し
ます。
ハイサイド制御電源電圧(VCCH)がVCCH UV(低入力電圧保護トリップ電圧)を下回ると入力信号が入力された
場合でもUVが機能した上アームIGBTのみオフ状態になります。
ローサイド制御電源電圧(VCCL)がVCCL UV(低入力電圧保護トリップ電圧)を下回ると入力信号が入力された
場合でも下アームIGBTは全相オフ状態になります。
表 3-1 ハイサイド・ローサイド制御電源電圧 VCCH, VCCL範囲の動作状態
電源電圧範囲 [V]
動作
0~4
本IPMは動作しておらず低入力電圧保護 (UV)とアラーム出力は機能しません。
P-N電源のdV/dtノイズにより、IGBTは誤動作する恐れがあります。
4 ~ 13
本IPMは動作し低入力電圧保護(UV)状態になります。入力信号が入力された
場合でもスイッチング動作せず、アラーム出力信号VFOを出力します。
13 ~ 13.5
低入力電圧保護動作はリセットされ、IGBTは入力信号に従いスイッチング動作
します。駆動電圧は推奨電圧より低い為、IGBTの導通損失とスイッチング損失
は通常動作条件より大きくなります。上アームIGBTは、VB(*)*2の初期充電後
VB(ON)に達するまでは、動作しません。
13.5 ~ 16.5
16.5 ~ 20
20 以上
推奨動作条件での通常動作となります。
スイッチング動作します。駆動電圧が推奨電圧より高い為、IGBTのスイッチング
は速くなり、システムのノイズ増加を招きます。また、適切な過電流保護設計を
した場合でも短絡ピーク電流は、非常に大きくなり破壊に至る可能性があります。
本IPMは破壊する恐れがあります。必要に応じてツエナーダイオードを各制御電
源端子に接続することを推奨いたします。
*1 N(*) : N(U), N(V), N(W)
*2 VB(*) : VB(U)-U, VB(V)-V,VB(W)-W
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3-2
Preliminary
第3章 制御端子の詳細
2. ハイサイド・ローサイド制御電源端子VCCH,VCCLの低入力電圧保護機能
図.3-1にハイサイド・ローサイド制御電源(VCCH,VCCL)の低入力電圧保護回路を示します。図.3-2と図3-3に
VCCHとVCCLの低入力電圧保護動作のシーケンスを示します。
図.3-1に示すようにVCCH-COMとVCCL-COM端子間に電気的にダイオードが接続されています。これらのダイ
オードはIPMをサージ入力から保護するために内蔵しており、電圧クランプダイオードとして使用した場合、本
IPMは破壊する恐れがありますので、電圧クランプダイオードとして使用しないでください。
C3 +
C4
VB(U,V,W)
<BSD>
R
D
P
<HVIC>
internal supply
Vcc
VB
VCCH
UV
VCCH
IGBT(H)
in
R
Driver
R HV
level
shift
OUT
U,V,W
GND
Vs
<LVIC>
internal supply
Vcc
VCCL
VCCL
UV
(OH) OC
in
R
Driver
U,V,W
OUT
IGBT(L)
GND
Vcc
C1 + C2
VFO
FO
COM
Alarm
timer
N(U,V,W)
図.3-1 ハイサイド・ローサイド制御電源 VCCH, VCCL の低入力電圧保護回路
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3-3
Preliminary
第3章 制御端子の詳細
入力信号
20µs
VCCL 電源電圧
VCCL(ON)
VCCL(ON)
VCCL(OFF)
UV 検出
>20µs
VCCL(ON)
VCCL(OFF)
UV 検出
UV 検出
下アームIGBT
コレクタ電流
VFO 出力電圧
tFO 20µs(min.)
<1>
<2>
<3>
tFO
<4>
<3>
図.3-2 VCCL低入力電圧保護動作シーケンス (ローサイド)
<1> VCCLがVCCL(ON)より低い場合、下アームIGBTは全相オフ状態になります。
VCCLがVCCL(ON)以上に上昇した場合アラーム出力電圧 VFOはLレベルからHレベルにリセットされます。
また、下アームIGBTは次の入力信号からスイッチング動作を開始します。
<2> VCCLがVCCL(OFF)を下回った場合、アラーム出力電圧 VFOが有効になり、下アームIGBTは全相オフ状態にな
ります。
電圧低下期間が20us以下であれば、アラーム出力の最小パルス幅はtFO=20us(min)で、その期間中は入力
信号に関わらず、下アームIGBTは全相オフ状態になります。
<3> tFO経過後、VCCLがVCCL(ON)を上回ったら低入力電圧保護動作(UV)はリセットされ、同時にアラーム出力電圧
VFOもリセットされます。また、下アームIGBTは次の入力信号からスイッチング動作を再開します。
<4> 電圧低下期間がtFOより長ければ、それと同等な時間幅のアラーム出力パルス幅を出力します。その期間中、
下アームIGBTは全相オフ状態になります。
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3-4
Preliminary
第3章 制御端子の詳細
入力信号
20s
VCCH 電源電圧
VCCH(ON)
VCCH(OFF)
UV 検出
>20us
VCCH(ON)
VCCH(ON)
VCCH(OFF)
UV 検出
UV 検出
上アームIGBT
コレクタ電流
VFO 出力電圧 : High-level (no fault output)
<1>
<2> <3>
<2>
<3>
図.3-3 VCCH低入力電圧保護動作シーケンス (ハイサイド)
<1> VCCHがVCCH(ON)より低い場合、上アームIGBTはオフ状態になります。VCCHがVCCH(ON)を上回った場
合、上アームIGBTは次の入力信号からスイッチング動作を開始します。アラーム出力電圧 VFOは、
VCCHに依存せず変わりません。
<2> VCCHがVCCH(OFF)を下回った場合、上アームIGBTはオフ状態になります。ただしアラーム出力電圧
VFOはHレベルから変化しません。
<3> 低入力電圧保護動作(UV)がリセットされた後、上アームIGBTは次の入力信号からスイッチング動作を
開始します。
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3-5
第3章 制御端子の詳細
Preliminary
2. ハイサイド駆動電源端子 VB(U,V,W)
1.ハイサイド駆動電源端子 VB(U,V,W) の電圧範囲
VB(U,V,W)とU,V,W間の電圧VB(*)は、IPM内部のHVICのハイサイド駆動電源となります。この電源を13.0~
18.5V範囲内に設定すれば、HVICは上アームIGBTを駆動することができます。本IPMは、VB(*)の低入力電
圧保護機能を内蔵しており、VB(*)電圧が規定の電圧を下回ると上アームIGBTを駆動することはできません。
この機能により、IGBTの損失が増加することを防いでいます。VB(*)の低入力電圧保護機能(UV)は、機能が
有効となったハイサイド相のみでIGBTをオフ状態とします。この時、アラーム出力はありません。
ブートストラップ回路を使用する場合、ハイサイド・ローサイド制御電源からハイサイド駆動電源を生成すること
ができます。従来の上アームIGBT駆動回路はハイサイド・ローサイド制御電源の他に三つの独立したフロー
ティング電源が必要です。
ハイサイド駆動電源は、下アームIGBTがオン状態もしくはフリーホイール電流が下アームFWDを還流するタ
イミングで充電されます。表 3-2にハイサイド駆動電源電圧の変化による動作状態を示します。高周波ノイズ
による本IPMの誤動作を防止するため、ハイサイド駆動電源には、インピーダンスが低い電解コンデンサと周
波数特性の良い平滑コンデンサを端子直近に接続して下さい。
ハイサイド駆動電源電圧(VB(U)-U,VB(V)-V,VB(W)-W))がVB(OFF) (低入力電圧保護トリップ電圧)を下回り
ますと、入力信号が入力された場合でもUVが機能した上アームIGBTのみオフ状態になります。
表 3-2 各ハイサイド駆動電源電圧 VB(*)範囲の動作状態
ハイサイド駆動電圧範囲 [V]
IPM動作
0~4
本IPMは動作しておらず低入力電圧保護 (UV)動作は機能しません。P-N電源
のdV/dtノイズにより、IGBTは誤動作する恐れが有ります。
4 ~ 12.5
本IPMは動作し低入力電圧保護(UV)状態になります。入力信号が入力された
場合でもスイッチング動作はしません。
12.5 ~ 13
低入力電圧保護動作はリセットされ、上アームIGBTは入力信号に従いスイッ
チング動作をします。ハイサイド駆動電圧は推奨電圧より低い為、IGBTの導
通損失とスイッチング損失は通常動作条件より大きくなります。
13 ~ 18.5
推奨動作条件での通常動作となります。
18.5 ~ 20
上アームIGBTはスイッチング動作します。ハイサイド駆動電圧が推奨電圧より
高い為、IGBTのスイッチング速度は速くなり、システムのノイズ増加を招きま
す。また、適切な過電流保護設計をした場合でも短絡ピーク電流は、非常に大
きくなり破壊に至る可能性があります。
20 以上
本IPMは破壊する恐れがあります。必要に応じてツエナーダイオードを各ハイ
サイド駆動電源端子に接続することを推奨いたします。
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3-6
Preliminary
第3章 制御端子の詳細
2. ハイサイド駆動電源端子 VB(U,V,W)の低入力電圧保護機能
図.3-4にハイサイド駆動電源の(VB(U)-U,VB(V)-V,VB(W)-W) 低入力電圧保護回路を示します。
図.3-5にVB(U)-U,VB(V)-V,VB(W)-Wの低入力電圧保護動作のシーケンスを示します。
図.3-4に示すようにVB(U,V,W)-(U,V,W)とVB(U,V,W)-COM端子間に電気的にダイオードが接続されていす。
これらのダイオードはIPMをサージ入力から保護するために内蔵しており、電圧クランプダイオードとして使用
した場合、本IPMは破壊する恐れがありますので、電圧クランプダイオードとして使用しないでください。
C3 +
C4
VB(U,V,W)
<BSD>
R
D
P
<HVIC>
VCCH
VB
Vcc
VB
UV
IGBT(H)
in
R
Driver
OUT
U,V,W
GND
Vs
<LVIC>
VCCL
VFO
Vcc
Vcc
FO
C1 + C2
Alarm
timer
VCCL UV
OC
U,V,W
OUT
IGBT(L)
GND
COM
N(U,V,W)
図.3-4 ハイサイド駆動電源VB(*)の低入力電圧保護回路
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3-7
Preliminary
第3章 制御端子の詳細
入力信号
20s
VB(*) 電源電圧
VB(ON)
VB(OFF)
UV 検出
>20us
VB(ON)
VB(ON)
VB(OFF)
UV 検出
UV 検出
コレクタ電流t
VFO 出力電圧
<1>
<2> <3>
<2>
<3>
図.3-5 VB(*)*1低入力電圧保護動作のシーケンス(ハイサイド)
<1> VB(*)がVB(ON)より低い場合、上アームIGBTはオフ状態になります。
VB(*)がVB(ON)以上に上回った場合、上アームIGBTは次の入力信号からスイッチング動作を開始し
ます。アラーム出力電圧VFOはVB(*)に依存せず、 Hレベルのまま変化しません。
<2> VB(*)がVB(OFF)を下回った場合、上アームIGBTはオフ状態になります。ただしアラーム出力電圧
VFOはHレベルのまま変化しません。
<3>低入力電圧保護動作(UV)がリセットされた後に上アームIGBTは次の入力信号からスイッチング動作を
再開します。
*1 VB(*) : VB(U)-U,VB(V)-V,VB(W)-W
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3-8
Preliminary
第3章 制御端子の詳細
3. 内蔵ブートストラップダイオード(BSD)機能
VB(*)ハイサイド駆動電源の供給には幾つかの方法があり、ここでは、ブートストラップ回路について説明いた
します。ブートストラップ回路は簡単且つ安く実現できる方法ですが、ブートストラップコンデンサの充電動作条
件からデューティ比とオン時間が制限されます。図.3-6,図.3-8,図.3-11に示す電流経路のように、このブートス
トラップ回路は、内蔵する制限抵抗付きブートストラップダイオードと外付けコンデンサから構成されます。
1.インバータ動作時のブートストラップコンデンサの充放電動作
a) ブートストラップコンデンサ(C)の充電動作タイミング
<シーケンス (図.3-7) : 下アームIGBTターンオン(図.3-6)>
下アームIGBTがオン状態の時、ブートストラップコンデンサの
充電電圧Vc(t)は、次式のようになります。
VC(t1) = VCC-VF-VCE(sat)-Ib·R …… 過渡状態
VC(t1)  VCC
…… 定常状態
VF : ブートストラップダイオードの順方向電圧 (D)
VCE(sat) : 下アームIGBTの飽和電圧
R : ブートストラップ抵抗 (R)
Ib : ブートストラップ充電電流
下アームIGBTがターンオフするとモータ電流は上アーム
FWDに流れます。Vs電位がVcc以上になった時、Cへの
充電動作は止まり、ハイサイド駆動回路の消費電流により
ブートストラップコンデンサ電圧は徐々に低下します。
図.3-6 充電動作回路図
*1 VB(*) : VB(U)-U,VB(V)-V,VB(W)-W
上アームIGBT
ゲート信号
ON
下アームIGBT
ゲート信号
ON
上アームIGBT駆動回路の
Vb(t1)
ブートストラップ
コンデンサ電圧(Vb)
Vcc
消費電流による低下
Cの自然放電
Vs
図.3-7 充電動作のタイミングチャート
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3-9
Preliminary
第3章 制御端子の詳細
<シーケンス (図.3-9): 下アームIGBTオフ、下アームFWD
オン(フリーホイール動作) (図.3-8) >
C
下アームIGBTがオフ、下アームFWDがオン状態の時、フ
リーホイール電流は下アームFWDを流れます。この時、
ブートストラップコンデンサ電圧Vc(t2)は次式のようになりま
す。
<BSD> VB(U,V,W)
R
D
<HVIC>
Vc(t2) = VCC-VF+VF(FWD)-Ib・R…………過渡状態
Vc(t2)  VCC
…………定常状態
VCCH
Vcc
VB
IGBT(H)
OFF
OUT
VF : ブートストラップダイオードの順方向電圧 (D)
VF(FWD) : 下アームFWDの順方向電圧
Vcc
GND
U,V,W
Vs
-
R : ブートストラップ抵抗 (R)
Ib : ブートストラップ充電電流
下アームと上アームIGBTが両方オフ状態の時、回生電流は、
下アームFWDを流れます。そのためVs電位がFWDの-VF
まで低下し、それによりブートストラップコンデンサは設定電
位に再充電されます。上アームIGBTがターンオンし、 Vs電
位がVcc以上になった時、Cへの充電動作は止まり、駆動回
路の消費電流によりブートストラップコンデンサ電圧は徐々
に低下します。
ON
上アームIGBT
ゲート信号
下アームIGBT
ゲート信号
P
N(U,V,W) +
COM
OFF
IGBT(L)
図.3-8 下アームFWDがオン状態の充電動作
回路図
ON
ON
OFF
(FWD:ON)
(FWD:ON)
(FWD:ON)
Vb(t2)
ブートストラップ
コンデンサ電圧(Vb)
Vs
上アームIGBT駆動回路の
消費電流による低下
図.3-9 下アームFWDがオン状態時の充電動作タイミングチャート
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3-10
Preliminary
第3章 制御端子の詳細
2) ブートストラップコンデンサと最小オン/オフパルス幅の設定
ブートストラップコンデンサは、次式のように求められます。
C  Ib 
t1
dV
* t1 : 上アームIGBTの最大オンパルス幅
* Ib : ハイサイド駆動回路の消費電流(温度と周波数特性に依存)
* dV: 許容放電電圧 (図.3-10をご参照ください)
ブートストラップコンデンサは計算値にマージンを加算して下さい。このコンデンサは一般的に計算結果の2~3
倍の値を選定します。
ブートストラップ動作における下アームIGBTの最小オンパルス幅(t2)の推奨値は、基本的にオン期間に放電
電圧(dV)分、再充電できるC・R時定数となります。
上アームIGBTがスイッチング動作し、下アームFWDオン時に充電するモード(シーケンス(図.3-10))では、上
アームIGBTのオフ期間にオン期間で消費した電力を再充電できる時定数とします。
最小パルス幅は、下アームIGBTの最小オンパルス幅もしくは上アームIGBTの最小オフパルス幅のどちらか
短い条件となります。
t2 
R  C  dV
Vcc  Vb(min)
* R : ブートストラップダイオードの直列抵抗 ΔRF(BSD)
* C : ブートストラップコンデンサ
* dV: 許容放電電圧
*Vcc : ハイサイド・ローサイド制御電源電圧 (ex.15V)
*Vb(min) : ハイサイド駆動電源の最小電圧 (低入力電圧保護リセット電圧のマージン加算値 ex.14V)
上アームIGBT
ゲート信号
t1
下アームIGBT
ゲート信号
t2
ブートストラップ
コンデンサ電圧(Vb)
Vs
dV
dV
上アームIGBT駆動回路の
消費電流による低下
図.3-10 充放電動作のタイミングチャート
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3-11
Preliminary
第3章 制御端子の詳細
3) ブートストラップコンデンサの初期充電の設定
C
ブートストラップコンデンサの初期充電は、インバータを起動
するために必要となります。
<BSD> VB(U,V,W)
R
D
パルス幅もしくはパルス数はブートストラップコンデンサをフ
ル充電できるように十分長い積算時間として下さい。
P
<HVIC>
参考として、内蔵するブートストラップダイオードで10uFのコ
ンデンサを充電する時間は約2msになります。
VCCH
Vcc
VB
IGBT(H)
OFF
OUT
Vcc
GND
COM
U,V,W
Vs
ON
IGBT(L)
N(U,V,W)
図.3-11 初期充電動作の回路図
主電源電圧
V(P-N)
ハイサイド・ローサイド
PWM
開始
制御電源電圧Vcc
ハイサイド
駆動電源電圧Vb(*)
下アームIGBT
ON
ゲート信号
初期充電期間
図.3-12 初期充電動作タイミングチャート
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3-12
第3章 制御端子の詳細
Preliminary
4. 入力端子 IN(HU,HV,HW), IN(LU,LV,LW)
1. 入力端子接続
図3-13にMPUとIPMの接続例を示します。入力端子は、直接MPUに接続することができます。入力端子には
プルダウン抵抗を内蔵しており、外付けプルダウン抵抗をつける必要はありません。また、入力端子はハイア
クティブ動作であるため、外付けプルアップ抵抗をつける必要もありません。
信号配線が長くノイズが重畳する場合は、図.3-13に点線で示すRCフィルタ回路で除去して下さい。RCの定
数は、PWM制御方式やプリント基板の配線パターンに応じて調整下さい。
IN(HU), IN(HV), IN(HW)
MPU
IN(LU), IN(LV), IN(LW)
COM
図.3-13 IN(HU,HV,HW), IN(LU,LV,LW) 端子とMPU I/Oとの推奨接続回路
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3-13
Preliminary
第3章 制御端子の詳細
2. 入力端子回路
本IPMの入力端子はハイアクティブ動作です。この動作論理により、入力信号は制御電源の立上げ・立下げ
シーケンスにおいて制限が無いため、システムとしてフェイルセーフとなります。また、図.3-14に示すように入
力端子には、プルダウン抵抗を内蔵しているため、外付けプルダウン抵抗を必要とせずシステムの部品点数
を減らせます。更に、入力閾値電圧を低く設定していることにより3.3V電源のMPUに直接接続できます。
MPUとIPMの入力端子間に外付けフィルタ抵抗を接続する際には、図3-14に示す入力端子のプルダウン抵
抗を考慮して、入力端子電圧が入力閾値電圧以上になるようご注意下さい。
図.3-14に示すようにVCCL-IN(HU,HV,HW,LU,LV,LW)とIN(HU,HV,HW,LU,LV,LW)-COM端子間に電気的に
ダイオードが接続されています。これらのダイオードはIPMをサージ入力から保護するために内蔵しており、電
圧クランプダイオードとして使用した場合、本IPMは破壊する恐れがありますので、電圧クランプダイオードとし
て使用しないでください。
VB(U,V,W)
<BSD>
R
D
P
<HVIC>
VCCH
VB
Vcc
IGBT(H)
IN(HU)
IN(HV)
IN(HW)
+
IN
-
Input
Noise
Filter
R HV
level
shift
R
Driver
OUT
U,V,W
Vs
GND
<LVIC>
internal supply
Vcc
VCCL
IN(LU)
IN(LV)
IN(LW)
+
UIN
VIN
WIN
-
Input
Noise
Filter
Delay
R
Driver
U,V,W
OUT
IGBT(L)
GND
COM
N(U,V,W)
図.3-14 入力端子 IN(HU,HV,HW), IN(LU,LV,LW) 回路
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3-14
第3章 制御端子の詳細
Preliminary
3. IGBT駆動状態と入力信号パルス幅
tIN(ON)は、オフ状態から誤動作なくIGBTをオンする為に必要な最小入力オンパルス幅で、tIN(OFF)はオン状態から
誤動作なくIGBTをオフする為に必要な最小入力オフパルス幅です。図.3-15と図.3-16に各制御パルス幅での
IGBT駆動状態を示します。
A : 入力信号のオンパルス幅がtIN(ON)の最小値未満のときでも、IGBTはオンすることがあります。
また、 tIN(ON)の最小値未満でU-COM,V-COM,W-COM端子間に-5Vを下回る電圧が印加された場合、誤
動作によりオフしない可能性があります。
B : 定常動作状態で、IGBTは線形領域動作します。
C : 入力信号のオフパルス幅がtIN(OFF)の最小値未満のときでも、IGBTはオフすることがあります。
また、 tIN(OFF)の最小値未満でU-COM,V-COM,W-COM端子間に-5Vを下回る電圧が印加された場合、誤
動作によりオンしない可能性があります。
D : 定常動作状態で、IGBTは完全にオフします。
保証範囲外
保証範囲
A
B
0
tIN(ON)
最小値
図.3-15 IGBT駆動状態と入力信号のオンパルス幅
保証範囲外
保証範囲
C
0
D
tIN(OFF)
最小値
図.3-16 IGBT駆動状態と入力信号のオフパルス幅
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3-15
第3章 制御端子の詳細
Preliminary
5. 過電流保護検出端子 IS
過電流保護機能(OC)はN(*)*1とCOM端子間に接続される外付けシャント抵抗で発生する電圧を、IS端子で
検出し、アラーム出力及び下アームIGBTをオフ状態にする保護機能です。
図.3-17に過電流検出入力のIS端子回路ブロック、図.3-18に過電流保護動作シーケンスを示します。
通常動作時のスイッチングノイズもしく
はリカバリー電流によるIPMの誤動作
を防ぐ為に、IS端子には外部RCフィル
タ(時定数はおおよそ1.5us)が必要と
なります。また、IPMとシャント抵抗間
の配線は可能な限り短くして下さい。
図.3-17に示すようにVCCL-ISとISCOM端子間に電気的にダイオードが
接続されています。このダイオードは、
IPMをサージ入力から保護するために
内蔵しており、電圧クランプダイオード
として使用した場合、本IPMは破壊す
る恐れがありますので、電圧クランプ
ダイオードとして使用しないでください。
図.3-17 過電流検出 IS端子回路図
*1 N(*) : N(U), N(V), N(W)
OC detected
図.3-18 過電流保護動作シーケンス
t1 : IS電圧がVIS(ref)以下のとき、下アームIGBTはスイッチング動作します。
t2 : IS電圧がVIS(ref)を越えたとき、過電流を検出します。
t3 : アラーム出力電圧VFOは、過電流保護遅延時間td(IS)経過後に出力し、同時に下アームIGBTを全相遮断しま
す。td(IS)は過電流検出してからアラーム出力を出すまでのブランキング時間です。
t4 : アラーム出力信号パルス幅tFO経過後、過電流保護状態はリセットされ、次の入力信号からスイッチングを再開
します。
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3-16
Preliminary
第3章 制御端子の詳細
6. アラーム出力端子 VFO
図.3-19に示すようにアラーム出力VFO端子はMPUと直接接続することが可能です。VFO端子はオープンドレ
イン出力となりますので、5Vもしくは3.3Vのロジック制御用の直流電源におおよそ10kΩの外付け抵抗でプル
アップして下さい。また、MPUラインにバイパスコンデンサC1と5kΩ以上の突入電流制限抵抗R1を接続する
ことを推奨いたします。これらの信号ラインは、可能な限り最短距離で配線して下さい。
アラーム出力VFOは、VCCLの低入力電圧保護(UV)、過電流保護(OC)、過熱保護(OH)に対してアラーム出力
します。(過熱保護は、”6MBP15VRB060-50”, “6MBP15VRC060-50” に内蔵します。)
図.3-19に示すようにVCCL-VFOとVFO-COM端子間に電気的にダイオードが接続されています。このダイオー
ドは、IPMをサージ入力から保護するために内蔵しており、電圧クランプダイオードとして使用した場合、本IPM
は破壊する恐れがありますので、電圧クランプダイオードとして使用しないでください。
図.3-20にアラーム出力時のVFO端子の電圧-電流特性を示します。IFOは図.3-19に示すVFO端子のシンク
電流となります。
+5V
<LVIC>
internal supply
VCCL
Vcc
10kΩ
R1
IFO
VFO
MPU
FO
C1
Alarm
timer
COM
VCCL_UV
OC
(OH)
GND
図.3-19 VFO端子とMPU I/Oとの推奨接続回路
0.16
0.14
0.12
VFO[V]
0.10
0.08
0.06
0.04
10kΩ resistance to 5V pull-up
0.02
0.00
0.0
0.2
0.4
IFO[mA]
0.6
0.8
1.0
図.3-20 アラーム出力状態のVFO端子のVI特性
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3-17
Preliminary
第3章 制御端子の詳細
7. 温度出力端子 TEMP
温度出力機能は、” 6MBP15VRA060-50”, “6MBP15VRC060-50”, “6MBP15VRD060-50” に内蔵します。
図3-21に示すように、温度出力TEMP端子はMPUに直接接続することが可能です。
ただし、MPUラインにバイパスコンデンサと10kΩ以上の突入電流制限抵抗を接続することを推奨いたします。
これらの信号ラインは、可能な限り最短距離で配線して下さい。
本IPMは温度センサを内蔵しており、LVICのジャンクション温度に従ってアナログ電圧を出力します。
この機能は、IPM自身を保護する目的ではないため、アラーム出力はありません。
ただし、“6MBP15VRC060-50”は過熱保護も内蔵しているため、TcOHを超える温度で、過熱保護機能によりア
ラーム出力します。
図.3-21に示すようにTEMP-COM端子間に電気的にダイオードが接続されています。このダイオードは、IPMを
サージ入力から保護するために内蔵しており、電圧クランプダイオードとして使用した場合、本IPMは破壊する
恐れがありますので、電圧クランプダイオードとして使用しないで下さい。
図.3-22に LVICのジャンクション温度とTEMP端子出力電圧特性を示します。
MPU電源電圧が3.3Vの場合は、TEMP端子に電圧クランプ用ツェナーダイオードを接続して下さい。
図.3-23に電源立上げと立下げ時のTEMP端子の動作シーケンスを示します。
<LVIC>
VDD internal
power supply
TEMP
+
Ref
Temperature
signal
MPU
COM
図.3-21 TEMP端子とMPU I/Oとの推奨接続回路
Output voltage of temperature sensor: V(temp) [V]
5
Temperature sensor Characteristics
V(temp)=f(Tj);VCCL=VCCH=VB(*)=15V
4
max
3
typ
min
2
1
0
-40 -25
0
25
50
75
100
125
150
Junction Temperature of LVIC:Tj(LVIC) [°c]
図.3-22 LVIC温度とTEMP出力電圧特性
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3-18
Preliminary
第3章 制御端子の詳細
VCCL上昇時
VCCL下降時
VCCL(ON)
VCCL 電圧
VCCL(OFF)
VFO
端子電圧
TEMP
端子電圧
t1
t2
t3 t4
図.3-23 IPM起動と停止時のTEMP端子の動作シーケンス
t1-t2 : TEMP端子の温度出力機能は、VCCLがVCCL(ON)以上のとき、有効になります。 VCCLがVCCL(ON) 未満の
場合、TEMP端子電圧は、ほぼ0Vになります。
t2-t3 : TEMP端子電圧は、LVICのジャンクション温度上昇に従って上昇します。
t3-t4 : TEMP端子の温度出力機能は、VCCLがVCCL(OFF)以下のとき、リセットされ、TEMP端子電圧はほぼ0V
になります。
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3-19
第3章 制御端子の詳細
Preliminary
8. 過熱保護機能
過熱保護機能は、 “6MBP15VRB060-50”, “6MBP15VRC060-50” に内蔵します。
本IPMは、LVICのジャンクション温度をモニターして過熱保護動作をします。
TcOHセンサの位置を図.2-2に示します。
図.3-24に示すようにLVICのジャンクション温度がTcOHを上回った場合、IPM の下アームIGBTは全相オフし
ます。 LVICのジャンクション温度が (TcOH-TcH)未満になった場合、過熱保護状態はリセットされます。
図.3-24 過熱保護機能シーケンス
t1 : LVICのジャンクション温度が過熱保護(OH)温度(TcOH)を上回った場合、過熱保護状態になりアラーム出
力し、下アームIGBTは全相遮断します。
t2 : LVICのジャンクション温度がTcOH-TcHを下回り且つtFO経過後に過熱保護状態及びアラーム出力はリセッ
トされ、次の入力信号から下アームIGBTはスイッチング動作を再開します。TcHは、過熱保護のヒステリシ
ス温度となります。
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3-20
Preliminary
第4章
パワー端子の詳細
内容
ページ
1. バス電圧入力端子と下アームIGBTエミッタの接続 …………………………….. 4-2
2. 過電流保護用 外部シャント抵抗の設定方法 …………………………………… 4-3
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4-1
Preliminary
第4章 パワー端子の詳細
1. バス電圧入力端子と下アームIGBT エミッタの接続
この章では、シャント抵抗値の決め方などパワー端子の回路設計におけるガイドラインと注意点について説明し
ます。
(1) パワー端子の説明
表4-1 にパワー端子の詳細を示します。
表 4-1 電源端子の詳細説明
端子名
説明
P
主電源(+)入力端子です。
この端子は、IPM内部で上アームIGBTのコレクタに接続しています。
配線やプリント基板パターンのインダクタンスにより発生するサージ電圧を抑制するため、
この端子の近くにスナバコンデンサを接続します。
(一般的には、フィルムコンデンサが使われます)
U,V,W
インバータの出力端子です。
モーター負荷に接続します。
N(U),N(V),N(W)
主電源(-)入力端子です。
これらの端子は、各相の下アームIGBTのエミッタに接続しています。
各相の電流を観測するために、これらの端子とパワーGND間にシャント抵抗が接続され
ます。
(2) シャント抵抗とスナバコンデンサの推奨配線
過電流(OC)状態や相電流を検出する為に、外部シャント抵抗を使用します。シャント抵抗とIPM間の配線パ
ターンが長い場合、発生するサージによって内部制御ICと過電流検出用の部品にダメージを与える可能性
がありますので、配線のインダクタンスを低減するために、シャント抵抗とIPM間の配線は可能な限り短くして
下さい。
図.4-1に示すように、スナバコンデンサはサージ電圧を効果的に抑制する為に、正しく接続しなければなりま
せん。一般的に0.1~0.22uFを推奨いたします。スナバコンデンサを図.4-1の”A” 箇所に接続すると配線のイ
ンダクタンスが無視できないため、サージ電圧を効果的に抑制することができません。
スナバコンデンサを”B”箇所に接続すると、スナバ
コンデンサに流れる充放電電流はシャント抵抗に
も流れます。これは、電流検出信号に影響を与え
るため、過電流保護レベルが設計値よりも低くな
ります。”B”箇所のサージ電圧抑制効果は、”A”又
は”C”箇所より優れていますが、電流検出精度を
考慮すると”C”箇所の方が優れているため、一般
的に”C”箇所に接続します。
inductance of wire(or pattern of PCB)
DC Bus
Positive
P
B
C
A
+
Bluk Capacitor
N(U)
N(V)
COM
N(W)
DC Bus
Negative
Shunt resister
図.4-1 シャント抵抗とスナバコンデンサの推奨配線
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4-2
Preliminary
第4章 パワー端子の詳細
2. 過電流保護用 外部シャント抵抗の設定方法
(1) シャント抵抗の選定について
シャント抵抗値は、次式のように求められます:
RSh 
VIS ( ref )
(4.1)
I OC
VIS(ref)は、IPMの過電流保護 入力検出電圧、Iocは過電流保護の電流検出レベルです。VIS(ref)は、
0.43V(min.)、0.48V(typ.)、0.53V(max) の範囲で規定されます。そして、Rshはシャント抵抗値となります。
最大過電流検出レベルは、シャント抵抗のばらつきを考慮し、本IPMデータシートの繰り返しピークコレクタ電
流より低く設定して下さい。
例えば、過電流検出レベルを30Aに設定する場合、推奨のシャント抵抗値は次式で求められます。
RSh (min) 
VIS ( ref )(max)
I OC

0.53
 17.7 [m]
30
(4.2)
Rsh(min)は、シャント抵抗の最小値であり、上記に基づき、シャント抵抗の最小値は導き出されます。
実機にて要求される過電流レベルを考慮して、適切なシャント抵抗値の選定及び確認することが必要です。
(2) 過電流保護の遅延時間の設定について
ノイズによる過電流保護回路の誤動作を防ぐ為に、外部にRCフィルタが必要となります。RC時定数は、ノイ
ズの印加時間とIGBTの短絡耐量により決定されます。おおよそ1.5usに設定することを推奨いたします。
シャント抵抗の電圧が過電流レベルを超える時に、IS端子への入力電圧が過電流レベルまで上昇する遅延
時間(tdelay)は、RCフィルタの時定数で決まり、次式のようになります。
t( delay )    ln(1 
VIS ( ref )(max)
RSh  I P
)
(4.3)
はRC時定数で、IPはシャント抵抗に流れるピーク電流です。
更に、過電流の遮断伝達遅延時間がある為、過電流状態が検出されてからIGBTが遮断するまでのトータル
遅延時間ttotalは、
ttotal  t delay  t d ( IS )
(4.4)
トータル遅延時間ttotalは、必ずIGBTの短絡耐量を考慮しなければなりません。
適切な遅延時間は、実機にて確認の上設定願います。
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4-3
Preliminary
第5章
推奨配線及びレイアウト
内容
ページ
1. 応用回路例 ………………………………………………………………………. 5-2
2. プリント基板設計における推奨パターン及び注意点 ………………………….. 5-5
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5-1
Preliminary
第5章 推奨配線及びレイアウト
1. 応用回路例
この章では、推奨配線とレイアウトについて説明しています。プリント基板設計時におけるヒントと注意事項につ
いては、以下の応用回路例をご参照下さい。
図.5-1と図.5-2には、それぞれ2種類の電流検出方法での応用回路例を示しており、注意事項は共通となります。
ハイサイド駆動電源の基
準側は、U,V,W端子に直
接接続しますが、端子部
直近でモーター主配線か
らすぐに分岐させ配線して
下さい。
電源電圧(正)
バルク容量
<C>
電源電圧(負)
<A>
<B>
GND配線の引き回
しは、入力信号にノ
イズを発生させ、
IGBT誤動作の原因
となります。
この配線が長いと
アーム短絡を起こ
す可能性がありま
すので、配線インダ
クタンスは10nH以
下にして下さい。
この配線が長いと 過電
流検出レベルが変動し
過電流保護 誤動作の
原因になります。
図. 5-1 応用回路例1
(3相一括で電流検出する場合)
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5-2
Preliminary
第5章 推奨配線及びレイアウト
ハイサイド駆動電源の基
準側は、U,V,W端子に直
接接続しますが、端子部
直近でモーター主配線か
らすぐに分岐させ配線して
下さい。
ZD1
C4
C3
ZD1
C4
C3
ZD1
C4
VB(U)
C3
VB(V)
VB(W)
IN(HU)
電源電圧(正)
NC 36
3
5
P
7
32
3×HVIC
IN
VB
9
3×BSD
Vcc
OUT
GND
IN(HV)
10
IN
+5V
Vcc
VB
Vcc
U
Vs
30
6×IGBT 6×FWD
OUT
GND
Vs
11
IN
VB
12
Vcc
V
M
28
C6
IN(HW)
VCCH
C1
13
MPU
COM
GND
10kΩ
14
15
16
17
C1
15V
C5
ZD2
GND
18
19
20
21
IN(LU)
IN(LV)
IN(LW)
VCCL
VFO
IS
COM
TEMP
バルク容量
OUT
W
Vs
26
LVIC
UIN
UOUT
VIN
N(U)
24
<C>
23
<C>
22
<C>
R1
Ns
WIN
VOUT
Vcc
N(V)
Fo
電源電圧(負)
R1
IS
WOUT
R1
GND
N(W)
TEMP
<A>
R2
COMP
OR
<B>
D1
C2
D1
C2
D1
C2
R2
COMP
GND配線の引き回
しは、入力信号にノ
イズを発生させ、
IGBT誤動作の原因
となります。
<B>
R2
COMP
<B>
この配線が長いと
アーム短絡を起こ
す可能性がありま
すので、配線インダ
クタンスは10nH以
下にして下さい。
Vref=VIS(ref)
この配線が長いと 過電
流検出レベルが変動し
過電流保護 誤動作の原
因になります。
図. 5-2 応用回路例2
(3相個別で電流検出する場合)
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5-3
<ご注意>
第5章 推奨配線及びレイアウト
Preliminary
<注意事項>
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
13.
本製品の入力信号はハイアクティブです。制御ICの入力回路には、プルダウン抵抗を内蔵しています。誤
動作防止の為、各入力配線は可能な限り短くしてください。RCフィルタをご使用される場合、入力信号が
ターンオン及びターンオフ閾値電圧を満たすように設定して下さい。
本製品は、内蔵HVICにより、フォトカプラ若しくはパルストランス無しで直接マイクロプロセッサー(MPU)に
接続することができます。
アラーム出力は、オープンドレインタイプです。5V電源に10kΩ程度の抵抗でプルアップして使用下さい。
誤動作防止の為、(A)、(B)、(C)の配線は可能な限り短くして下さい。
過電流保護回路のR2-C2による時定数は、約1.5usになるように設定して下さい。また、過電流遮断時間は、
配線パターンにより変わる可能性があります。R2、C2は、温度補償用などばらつきの小さいものをご使用
するよう推奨いたします。
過電流保護回路の外部コンパレータ基準電圧は、IPMの過電流検出 閾値電圧と同じレベルに設定するこ
とを推奨いたします。
過電流状態を瞬時に検出する為に、高速型コンパレータとロジックICを使用下さい。
スイッチング動作時にR1に負電圧が発生する場合、ショットキーバリヤーダイオードD1を接続することを推
奨いたします。
全てのコンデンサは可能な限り端子直近に実装して下さい(C1、C4は、温度特性・周波数特性・DCバイア
ス特性に優れたセラミックコンデンサ、C3、C5は温度特性・周波数特性に優れた電解コンデンサをご使用
下さい)。
サージ電圧による破壊を防止する為にスナバコンデンサC6とP端子、Ns間の配線は可能な限り短くして下
さい。一般的にP端子とNs間に接続するスナバコンデンサの容量は0.1uFから0.22uFを推奨いたします。
2つのCOM端子( 9 & 16 pin)は”Compact-IPM”内部で接続されており、どちらかの端子を15V電源のGND
側に接続し、他の端子はオープンで使用して下さい。
サージ電圧による制御電源及びハイサイド駆動電源の破壊を防止するため、各相の電源端子に(ツェナー
電圧22V)ツェナーダイオードを接続することを推奨いたします。
基板パターン上で制御GNDがパワーGNDに接続された場合、パワーGNDの変動による誤動作が起きる可
能性があります。そこで、制御GNDとパワーGNDは1点グランドとすることを推奨いたします。
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5-4
Preliminary
第5章 推奨配線及びレイアウト
2. プリント基板設計における推奨パターン及び注意点
ここでは、 プリント基板設計における推奨パターン配線と注意点について説明いたします。
図5-3から図5-7は、応用回路例(図.5-1、図.5-2)での推奨プリント基板パターン配線のイメージを
示しています。
これら図中で、システムからの入力信号は”IN(HU)”で表現します。
推奨パターンと注意点は以下の通りです。
(2)IPM周辺の全体設計
(A) 電位差が高い境界部分では、適切な沿面距離を確保して下さい。(必要に応じて境界のところにスリット
を入れて下さい)
(B) 伝導ノイズの増加を防止する為に、パワー入力(DCバス電圧)部とハイサイド駆動部の電源パターンは
分離して下さい。多層プリント基板を使用し、これらの配線をパターン上で交差させた場合は、配線間
の浮遊容量とプリント基板の絶縁性能にご注意下さい。
(C) システムの誤動作を防止する為に、ハイサイド駆動部の電源と各相の入力回路部のパターンは分離し
て下さい。多層プリント基板をご使用される場合、これらの配線を交差させないようにして下さい。
各部の詳細は、次のページで説明します。
Explanatory notes
Boundary between
high potential difference
slit in PWB
PWB pattern
snubber capacitor
C
SR
+
Power
GND
NC
+
Power supply for high side drive
C
electrolytic capacitor
VB(U)
-
-
ZD
R
C SBD
P
ceramic capacitor
C
C
Power
Supply
IPM
shunt resistor
A
VB(V)
zener diode
resister
C
VB(W)
ZD
C
U
C
V
A Schottky barrier diode
Interface
from system control,
and power supply for driver IC in IPM
R
C
C
IN(HW)
VCCH
Jumper
lead
C
C
COM
ZD
W
C
IN(LU)
SGND
ZD
ZD
IN(HU)
SGND
C
C
IN(HU)
TO
Motor
IN(LV)
IN(LW)
C
VCCL
SGND
Over current protection
VFO
R
IS
COM
SBD
N(U)
N(V)
SR
C
N(W)
TEMP
Power input
注意) 入力信号は“IN(HU)”で表します。
図.5-3 推奨プリント基板配線のイメージ
(IPM周囲の全体設計)
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5-5
Preliminary
第5章 推奨配線及びレイアウト
(2)パワー入力部
Power
Supply
(A) スナバコンデンサをP端子とシャント抵抗のGND間
に可能な限り近接して配置して下さい。配線インダ
クタンスによる影響を避ける為に、スナバコンデン
サとP端子及びシャント抵抗間の配線は可能な限
り短くして下さい。
IPM
Power
GND
NC
bulk
capacitor
P
(B)
(B) バルクコンデンサからの配線とスナバコンデンサ
からの配線は、P端子とシャント抵抗の直近で互い
に分割して下さい。
U
(C) パワーGNDとCOM端子からの配線は、1点グラン
ドでシャント抵抗に接続し、可能な限り短くして下さ
い。
(A)
V
C
(D) シャント抵抗は低インダクタンス型をご選定下さい。
W
(E) N(U),N(V),N(W)端子とシャント抵抗間の配線は可
能な限り短くして下さい。
(E) (D)
(B)
N(U)
N(V)
SR
To IS terminal
N(W)
(3) ハイサイド駆動電源部
図.5-4 推奨プリント基板配線のイメージ
(パワー入力部)
(A) 配線インダクタンスによる影響を避ける為に、
VB(U,V,W)端子と電子部品(セラミックコン
デンサ、電解コンデンサ、ツェナーダイオー
ド)間の配線は可能な限り短くして下さい。
(B) アプリケーションにより適切なコンデンサを
ご使用ください。特にVB(U,V,W)端子直近
にはセラミックコンデンサ又は低ESRのコン
デンサを配置して下さい。
(C) 共通インピーダンスによる誤動作を避ける
為に、モータ出力への配線とVB(U,V,W)に
接続するコンデンサのマイナス電極側の配
線は、U,V,W端子直近で分割して下さい。
(A)
IPM
(B)
(C)
VB(U)
VB(V)
VB(W)
(D) VB(U)とパワーGND(若しくは同電位)端子
間の浮遊容量が大きい場合、IGBTのター
ンオンとターンオフ時の高いdV/dtの影響に
より、VB(U) - U端子間電圧は過電圧また
は負電圧になる可能性があります。そのた
め、VB(U)とU端子間にツェナーダイオード
を配置することを推奨いたします。またツェ
ナーダイオードはVB(U)端子直近に接続し
て下さい。(VB(V)、VB(W)もVB(U)と同じで
す。)
(C)
To COM terminal
of interface part
C
ZD
C
U
C
ZD
C
V
C
ZD
C
W
TO
Motor
(D)
図.5-5 推奨プリント基板配線のイメージ
(ハイサイド駆動部電源)
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5-6
Preliminary
第5章 推奨配線及びレイアウト
(4) インターフェイス部
(A) ハイサイド駆動電源部からのノイズの影響が
無視できない場合、入力信号とCOM端子間に
コンデンサを配置してください。コンデンサのマ
イナス電極は可能な限りCOM端子の近くの制
御GNDに接続して下さい。
(B) 本IPMは2つのCOM端子があり、IPM内部で
接続されていますが、どちらか片方を必ずご
使用下さい。
(C) VCCLとCOM配線間、VCCHとCOM配線間に電
解コンデンサとセラミックコンデンサを接続して
ください。これらコンデンサは可能な限り各端
子の直近に接続して下さい。
(D) ノイズの影響を抑える為に、TEMP端子からの
出力信号は制御GNDと並走させて下さい。
C
IN(HW)
VCCH
Jumper
lead
C
COM
IN(LU)
SGND
C
IN(HU)
IN(HU)
SGND
ZD
(B)
IN(LV)
IN(LW)
C
VCCL
SGND
VFO
IS
COM
Signal
GND
(SGND)
To Shunt resister
To Power GND
TEMP
(D)
(E) システムからの制御GND配線とCOM端子か
らの配線は1点グランドとして下さい。また、
1点グランドは可能な限りCOM端子の直近に
接続して下さい。
(C)
R
from system control and
power supply for control IC
フィルタ抵抗若しくはコンデンサを接続する場
合、IPM内部のプルダウン抵抗を考慮し、実機
で信号レベルをご確認下さい。
IPM
(A)
(E)
図.5-6 推奨プリント基板配線のイメージ
(インターフェイス部)
注意) 入力信号は“IN(HU)”で表します。
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5-7
Preliminary
第5章 推奨配線及びレイアウト
(5) 過電流保護回路部
図5-1と図5-2に示すように、過電流状態を検出し、保護するための電流検出には二つの方法があります。一方は、
“3相一括で電流検出する方法” (図.5-7 (a)) ともう一方は、 “3相個別で電流検出する方法” (図.5-7 (b))です。
図.5-7 (a)
(B)
(C)
(D)
(B)
To Snubber
from system control
シャント抵抗のGND側とCOM端
子間の配線は非常に重要です。
それは、制御ICの基準電位だけ
ではなく、ハイサイドのブートスト
ラップコンデンサの充電電流経路
とローサイドのIGBTのゲート駆動
電流経路の役割も果たします。そ
こで、共通インピーダンスの影響
を最小限にする為に、可能な限り
配線を短くして下さい。
N(U)
IS
COM
スイッチング時 IS端子に負電圧
が印加される場合、IS端子と
COM端子間又はシャント抵抗と
並列にショットキーバリヤーダイ
オードを接続して下さい。
SBD
SR
(C)
C
To Power GND
N(W)
TEMP
IPM
過電流保護レベルの変動と誤動
作を避ける為に、IS信号の配線は
可能な限り短くして下さい。
スイッチング時の誤検出を防止す
る為に、IS端子にRCフィルタを入
れて下さい。RCフィルタのコンデ
ンサはCOM端子の直近の制御
GNDに接続して下さい。
N(V)
R
(D)
(A)
(a) 3相一括で電流検出する方法
(A)
from system control
(A)
IPM
N(U)
C
IS
V+
COM
V+IN
+
- -IN
TEMP
Jumper
lead
Voltage supply for
comparator and logic IC
C
N(V)
R
SBD
C
N(W)
SR
To Snubber
SR
To Power GND
SR
(D)
Comparator and "OR" logic IC
Signal GND of comparator
(B)
(C)
Reference voltage for OC
(b) 3相個別で電流検出する方法
図.5-7 推奨プリント基板配線のイメージ(過電流保護部)
図.5-7 (b)
(A)
過電流状態を瞬時に検出する為に、高速コンパレータとロジックICをご使用下さい。
(B)
コンパレータに入力する基準電圧と制御GND間にコンデンサを接続して下さい。また可能な限りコンパ
レータ直近に配置して下さい。
(C)
COM端子の制御GND配線とコンパレータの制御GND配線は分割して下さい。
(D)
COM端子の制御GND配線とコンパレータの制御GND配線は1点グランドとして下さい。1点グランドは
可能な限りシャント抵抗の直近に接続して下さい。
(E)
その他の注意点と推奨パターンは図.5-7(a)と同じです。
回路定数決定の詳細については第4章2節をご参照下さい。
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5-8
Preliminary
第6章
実装ガイドライン及び熱設計
内容
ページ
1. プリント基板へのはんだ付け方法 ….…......................................................... 6-2
2. ヒートシンクへの実装方法………………...................................................... 6-3
3. 冷却体 (ヒートシンク)の選定 ……………………………………………………. 6-4
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6-1
Preliminary
第6章 実装ガイドライン及び熱設計
1. プリント基板へのはんだ付け方法
はんだ付け
はんだ付け時の温度はデバイスの絶対最大定格の温度を越える可能性があります。デバイスへのダメー
ジを防止し、信頼性を保証するために下記のはんだ付け温度以下でご使用下さい。
(1)
表6.1 はんだ温度と浸漬時間
(2)
(3)
方法
はんだ温度と時間
a
ディップはんだ付 / はんだごて
260±5℃,10±1秒
b
ディップはんだ付 / はんだごて
350±10℃,3.5±0.5秒
注意
端子の浸漬深さはデバイスから1.5mm以上離して下さい。フローはんだ付け時にパッケージをはんだ漕に
浸漬しないようご注意下さい。
一度基板から外したデバイスは再利用しないことを推奨いたします。基板から外したデバイスは、はんだを
取り除いた時の熱若しくは機械的なダメージを受けた可能性があります。
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6-2
第6章 実装ガイドライン及び熱設計
Preliminary
2. ヒートシンクへの実装方法
実装方法と注意点
IPMをヒートシンクに取り付ける時、以下の推奨締め付け順序をご参照下さい。過大トルクによる片締めは、チッ
プの破壊または劣化を招く可能性があります。
推奨:
1
2
仮絞め:
12
本絞め:
21
注意) 仮絞めの締め付けトルクは最大トルクの30%を目役に設定してください。
図.6-1 推奨締め付け順序
図.6-2はヒートシンクの平坦度の測定位置を示しています。ねじ締め付け位置間で0~+100umの平坦度(反り)
と10μm以下の粗さでヒートシンク表面を仕上げて下さい。
ヒートシンクの表面が窪んでいる場合はヒートシンクとIPMの間で隙間が生じ、冷却効率の低下につながりま
す。平坦度が100μm以上の場合は、IPMのアルミ基板が変形して内部絶縁基板に亀裂が発生する可能性が
ありますのでご注意下さい。
External Heat sink
Heat sink flatness area
-
Edge of
module
+
図.6-2 ヒートシンクの平坦度測定位置
放熱効果を得るためには、熱伝導性の良いサーマルコンパウンドをデバイスとヒートシンクの接触面に約
50μmで均一に塗布する必要があります。塗布位置や塗布量は、以下をご参照下さい。
推奨:
製品名 : G-747 (信越シリコーン )
塗布位置 : アルミニウムベースの終端部より7.5mm
塗布量
Center line of
Aluminum base
: 0.03g
サーマルコンパウンド
7.5mm
7.5mm
図.6-3 推奨する塗布位置と塗布量
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6-3
第6章 実装ガイドライン及び熱設計
Preliminary
3. 冷却体(ヒートシンク)の選定
• IGBTの動作保護のため、接合温度TjはTjmaxを超えないようにご確認下さい。定格負荷と同様に過負荷動
作等の異常状態が発生した場合でもTjはTjmaxを常に下回るように冷却体(ヒートシンク)を設計する必要があ
ります。
• Tjmaxより高い温度でのIGBTの動作はチップ損傷の要因となります。 IPMではIGBTのチップ温度がTjmax
では、過熱保護機能が動作しますが、温度が急激に上昇する場合は、チップは保護されないことがあります。
• 上記と同様、FWDのチップ温度がTjmaxを超えないようにご注意下さい。
• 冷却体(ヒートシンク)を選定する場合は、必ず図2-2に示す位置で直接温度を測定し、チップ温度を確認し
て下さい。
具体的な設計は、第6章第2節及び次の文書をご参照下さい。
“IGBTモジュールアプリケーションマニュアルRH984b”
内容:
• 発生損失の求め方
• ヒートシンクの選定方法
• ヒートシンクの取り付け時の注意事項
• トラブルシューティング
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第7章
注意事項
内容
1. 使用上の注意事項 ……………………………………………………………
2. ご注意 …………………………………………………………………………
ページ
7-2
7-3
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7-1
第7章 注意事項
Preliminary
1. 使用上の注意事項
動作及び取扱い上の注意事項
(1)
定格を越えてご使用をされた場合、IPM破壊の恐れがあります。IPMは電圧、電流、温度などの絶対最大定
格内で製品をご使用下さい。
(2)
万一の不慮の事故でチップが破壊した場合を考慮して、商用電源と本製品の間に適切な容量のヒューズ又
はブレーカーを必ず付けて二次破壊(火災、爆発等)を防いでください。
(3)
製品の使用環境を十分に把握し、製品の信頼性寿命が満足できるか検討の上、本製品を適用してください。
製品の信頼性寿命を超えて使用した場合、装置の目標寿命より前にチップが破壊する場合があります。
(4)
ESD(静電気放電)によりIPM破壊の恐れがありますので取り扱いにはご注意下さい。
(5)
IPMの取り扱いは、ケース(パッケージ)を保持し主端子や制御端子に触れないで下さい。
(6)
IPMの取り扱いは、導電性の床とテーブルマットで行うことを推奨いたします。
(7)
IPMの取り扱い前に、高インピーダンスの抵抗(1MΩ程度)を接地して、体や衣服から静電気を除去して下さ
い。
(8)
はんだ付けの際、静電気からIPMを保護するために、低インピーダンスの抵抗をはんだごてやはんだ槽に接
地して下さい。
(9)
ジャンクションとケースだけでなく、主端子、制御端子も温度上昇するのでご注意下さい。
(10) 感電や火傷を避けるために電源を供給中、端子やパッケージに直接触れないで下さい。
(11) IPMは不燃性材料で作られていますが、IPMが破壊した場合には、煙や炎を発する恐れがあります。
(12) 周囲に可燃性物質がある場所でIPMを動作しますと、煙や炎を発する恐れがあります。火災の拡大を防止す
るような配置で設計して下さい。
(13) IPMは硫化水素、亜硫酸ガスなどの有機物質、腐食性ガス、酸が存在している環境下でご使用しないで下さ
い。
(14) IPMは耐放射線ではありませんので、放射線が照射されている環境下でご使用しないで下さい。
(15) オープンショート試験中、IPMの内部が瞬時に爆発する可能性があります。そのため、低電圧端子に高電圧
が印加された際に樹脂モールドパッケージが吹き飛ぶ恐れがあります。オープンショート試験を行う場合は、
低電圧端子に高電圧が印加されないような設計をしてください。高電圧が印加された際に事故や爆発のダ
メージを防ぐため、ヒューズをご使用下さい。
保管方法の注意事項
(1) IPMは温度5~35℃、湿度45~75%の範囲内で保管して下さい。周囲が乾燥している状態でIPMの保管を
行う場合には、加湿器が必要になることがあります。加湿を行う際に水道水を用いますと水道水内に含まれ
る塩素が端子を腐食させる恐れがありますので純水または煮沸した水をご利用下さい。
(2) 温度が安定している場所でIPMを保管して下さい。急激な温度変化にさらされますとIPMの表面上に結露が
できる恐れがあります。
(3) IPMを重ねての保管は行わないで下さい。IPMを重ねて置きますとIPMに過度な力が加わる恐れがあります。
(4) IPMはリード端子を未処理のまま保管を行って下さい。端子はんだ処理を行った後の保管は端子の錆が原
因で後処理に失敗する恐れがあります。
(5) IPMは静電気防止容器またはESD処理済み梱包箱に保管して下さい。
(6) 上記保管条件の下、1年以内にご使用下さい。
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7-2
第7章 注意事項
Preliminary
ご注意
(1)
この内容は製品の仕様変更のため、または他の理由により予告なく変更されることがあります。この文書
に記載されている製品を使用される場合には、その製品の最新版の仕様書を入手して、データを確認して
ください。
(2)
本文書に記載してある応用例は、富士電機の半導体製品を使用した代表的な応用例を説明するものであ
り、本文書によって工業所有権、その他権利の実施に対する保証または実施権の許諾を行うものではあり
ません。
(3)
富士電機(株)は、絶えず製品の品質と信頼性の向上に努めています。しかし、半導体製品はある確率で
故障する可能性があります。富士電機の半導体製品の故障が、結果として人身事故、火災等による財産
に対する損害や、社会的な損害を起こさぬように冗長設計、延焼防止設計、誤動作防止設計など安全確
保のための手段を講じてください。
(4)
本アプリケーションマニュアルに記載している製品は、普通の信頼度が要求される下記のような電子機器
や電気機器に使用されることを意図して造られています。
・コンプレッサモータインバータ ・ルームエアコン用ファンモータインバータ
・ヒートポンプアプリケーション用コンプレッサモータインバータ
(5)
本アプリケーションに記載の製品を、下記のような特に高い信頼度が必要な機器に使用予定のお客様は、
事前に富士電機(株)へ必ず連絡の上、了解を得てください。このアプリケーションマニュアルの製品をこれ
らの機器に使用するには、そこに組み込まれた富士電機の半導体製品が故障しても、機器が誤動作しな
いように、バックアップ・システムなど、安全維持のための適切な手段を講じることが必要です。
・輸送機器 (車載、船用など) ・幹線用通信機器 ・交通信号機器
・ガス漏れ検知及び遮断機
・防災/防犯装置 ・安全確保のための各種装置 ・ 産業用ロボットなど
(6)
極めて高い信頼性を要求される下記のような機器及び戦略物資に該当する機器には、本アプリケーション
マニュアルに記載の半導体製品を使用しないでください。
・宇宙機器
・航空機搭載用機器
・原子力制御機器
・海底中継機器
・医療機器
(7)
本アプリケーションマニュアルの一部または全部の転載複製については、文書による当社の承諾が必要で
す。
(8)
このアプリケーションマニュアルの内容にご不明の点がありましたら、製品を使用する前に富士電機(株)
または、その販売店へ質問してください。本注意書きの指示に従わないために生じたいかなる損害も富士
電機(株)とその販売店は責任を負うものではありません。
Fuji Electric Co., Ltd.
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7-3
Preliminary
第7章 注意事項
改訂履歴
改訂
日付
Subjects (Changes)
Drawn
Check
Approve
1.0
2013.5.30
Initial Release (Preliminary)
S.Tezuka T.Yamada
H.Ota
1.1
2013.7.3
Ton, td(off), スイッチング波形訂正
S.Tezuka T.Yamada
H.Ota
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July.-2013
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