(No.36, 2010年度)ラジオグラフィーによる電子写真画像形成装置内部の粉流体挙動の可視化(8P/1,443KB)

ラジオグラフィーによる電子写真画像形成装置内部の粉流体
挙動の可視化
A Visualization Study of Powder Flow in an Electrophotographic Equipment with
Transmissible Radiography
内田 圭亮∗
Keisuke UCHIDA
要
旨
乾式二成分電子写真方式ではトナーとキャリアからなる現像剤粉体が現像器内部で,回転する
スクリューによって搬送・循環されている.この粉体流動挙動を正確に理解することは画像品質
向上や安定性に重要であり,スクリュー等の機能部品設計に生かすことによって設計効率化に寄
与できる.しかしながら一般に装置内部の粉体流動内部を,可視光で直接観察することは困難で
ある.そのため現像剤流動挙動には未解明なメカニズムが多く,上記目的達成の主阻害要因と
なっている.本点に鑑み,エックス線や中性子線といった透過放射線を用いて粉体流動を直接可
視化する技術を開発した.この技術によれば装置内部の現像剤流動の特徴はスクリュー形状に
よって大きく変化することや,トナーとキャリアの混合における興味深い性質が明らかになった.
ABSTRACT
Two-component developer powder of electrophotography, which comprises toner and carrier, is
translated and continuously circulated and transported by rotating screws in a development unit.
Understanding the properties of developer powder flow and designing suitable screw shape in the unit is
an important factor for the stability of image quality in an electro-photographic process. However, it is
almost impossible to observe the flow motion in a unit because powder is almost opaque to visual rays.
Since the difficulty in evaluating the screw function causes much trouble for a unit design process. New
visualization techniques with radiography using X-ray and neutron ray have been studied for direct
observation of the poeder flow motion. The visualization techniques provides some unique characteristics
of the powder flow including various path-line figures due to the screw shpae, and interesting mixing
motion of toner and carrier.
∗ 研究開発本部 基盤技術研究センター
Core Technology R&D Center, Research and Development Group
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体が付着してしまい,やはり観察が難しい.可視光に
1.背景と目的
よらず,粉体の内部を動的に可視化する技術としては,
乾式二成分現像方式を用いた電子写真画像形成装置
電気容量トモグラフィー2,3)や,超音波トモグラフィー4)
に対するカラー高画質化・高速化・装置小型化・画質
等があるが,本課題においては回転する内部構造体
安定性の市場要求が高まってきている.二成分現像剤
(スクリュー)が存在するため,適用困難である.
粉体を構成するキャリアやトナーは高画質化を目指し
このような問題に鑑み,エックス線と中性子線を用
小粒径化が進んでいるが,粉体としての流動の様相は
いたラジオグラフィにより,装置内部の現像剤粉体の
いっそう複雑になってきている.二成分現像方式の現
流動を透過的に可視化する技術を開発した.本技術は,
像器では,現像剤粉体の搬送・混合には螺旋状スク
現像剤粉体の流動メカニズム,スクリュー形状の流動
リューが主に用いられている.スクリュー機構には,
に及ぼす機能を明確にすることを目的としている.
外部から供給されたトナーを,現像剤中に短時間に均
一に混合させ,現像剤中トナー濃度やトナー帯電量な
2.ラジオグラフィの原理
どの条件を安定化させることが望まれている.
従来,現像器等のプロセス設計開発には品質工学や
透過放射線が物体内部を透過する際,式(1)のように
シミュレーションを用いた手法によってユニットの制
物体固有の吸収率μと透過方向の厚さxに依存して強度I
1)
御が行われてきた .しかしながら局所的な流動問題,
が減衰する.
例えばスクリューやトラフの構造が現像剤の流動特性
I = I 0 exp(− μx)
に及ぼす影響や,外部供給されたトナーがどのように
ここでI0 は初期強度である.Iの空間的な分布を可視
現像剤中に混合されていくか,滞留領域が存在してい
化することにより,物体内部の構造を観察するのがラ
ないか,という問題には未だ十分な解析が行われては
ジオグラフィである.透過放射線にはα線,β線,
いない.
エックス線(ガンマ線),中性子線等があるが,ラジ
このような流動物理メカニズムを解き明かすことは,
(1)
オグラフィは主にエックス線と中性子線が利用されて
より精密・効率的な現像剤粉体の搬送・混合のハンド
いる.Fig.2にエックス線と中性子線の元素に対する吸
リング技術につながると考えられる.
収率5)を示す.エックス線の吸収率は図中,緑の曲線
で,中性子線のそれは,各元素毎に不連続の点として
Fig.1
Attenuation coefficient (cm-1)
分布している.
Developer powder flow in a screw feeder unit
observed with visual ray.
Main component of toner
X-ray
Main component of carrier
Atomic number
しかしながら,装置内部の現像剤の流動構造を直接
観察,計測することは難しい.粉体は可視光には非透
Fig.2
過であるので,基本的に表面しか観察できない(Fig.1).
Neutron and X-ray attenuation coefficient on
elements.
トラフ壁面等に透明部材を用いても,表面に瞬時に粉
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エックス線の吸収率はほぼ原子量に依存して増加す
トレーサーであるタングステン粒子平均直径(50μ
る.すなわち高比重のフェライトキャリアは低比重の
m)は本実験で使用したキャリア粒子とほぼ等しいが,
トナーよりも吸収率が高い.一方,中性子線の吸収率
比重は異なる(タングステン:19,000 kg/m3,キャリ
の傾向は殆ど原子量の大きさに依存せず,トナーの主
ア:4,000 kg/m3).そこでトレーサーの追随性能を,
要構成元素である水素が高い吸収率を有する.このよ
事前に検証した.Fig.4はスクリュー回転速度に対する,
うな性質を利用して,(i)エックス線ラジオグラフィで
タングステントレーサーの平均移動速度とキャリアの
は,現像剤の主要構成粉体のキャリア粉体流動を,(ii)
平均速度である.本条件の下ではトレーサーの挙動は
中性子線ラジオグラフィでは,現像剤粉体中のトナー
キャリアのそれに十分追随している.
粉体の挙動を,可視化することが可能となる.
Velocity (mm/s)
㪈㪇㪇
3.エックス線ラジオグラフィ
3-1
エックス線によるキャリア粉体流動の可視化
エックス線ラジオグラフィによれば,前述のように
Carrier
㪏㪇
Tracer (Tungsten)
㪍㪇
㪋㪇
㪉㪇
装置内部のキャリア粉体流動現象を透過的に観察でき
㪇
㪇
る可能がある.しかしながら,単純に現象にエックス
㪌㪇
㪈㪇㪇
㪈㪌㪇
㪉㪇㪇
㪉㪌㪇
㪊㪇㪇
Screw rotational speed (rpm)
線ラジオグラフィを適用しても,流動特徴を反映する
画像情報は得られない.そこで,キャリアよりも高い
Fig.4
Tungsten tracer followability
powder translated by a screw.
エックス線吸収率を有するタングステン粒子を微量に
in
carrier
トレーサーとして注入し,その挙動をエックス線で観
一般に振動・回転・斜面カスケードのような場では,
察することで間接的に流動現象を可視化することにし
た.実験装置の概略をFig.3に示す.エックス線装置は,
粉体は粒子比重差による偏析が起こりやすい,とされ
東芝ITコントロールシステム株式会社製TF4550を用い
ている6,7).しかしスクリュー機構は,トナーとキャリ
た.エックス線(管電圧130 kV, 管電流1.0 mA)を,
アのような比重差の大きい粒子同士の混合でも広く利
観察対象たる現像剤粉体を充填したスクリュー粉体搬
用されており,そのような偏析が起こりにくい機構で
送装置に鉛直照射し,透過像をイメージインテンシ
ある.すなわち比重の大きいタングステントレーサー
ファイヤーによって画像化する.スクリュー粉体搬送
も偏析せずに追随性を保っていると考えられる.
装置やトレーサー注入装置は,放射線防護室の外部か
3-2
ら有線で操作する.
現像剤スクリュー搬送装置
使用したスクリューをFig.5に示す.トレーサーの移
動速度はエックス線ラジオグラフィ画像(Fig.6)から,
画像計測にて容易に確認可能である.キャリアの平均
速度vは,単位時間あたりの搬送質量Mを計測し,平均
比重ρ・トラフの断面積Aから下記式より算出した.
v=
Fig.3
M
ρA
(2)
Experimental apparatus for X-ray visualization
of Screw feeder.
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本可視化手法を用いて,Table 1に示す異なる5種類
Flow
の特徴的な形状を有するスクリューによって搬送され
=25mm
Single A
る流動構造を解析した.回転数は24 rpmである.
Single B
Screw lead =25mm Trough width =25mm
Single C
Axis diameter =9mm
Double
Blade diameter =20mm
Plate
Fig.5 Schematic diagram of screw and trough.
Fig.7
Powder flow visualization
different shaped screws.
results
with
Tracer
Flow
また,画像処理によって計測された流動速度・混合
係数の結果をFig.8(A),Fig.8(B)に示す.
8.0
=25mm
Fig.6
Tungsten tracer captured
radiography in carrier powder.
with
7.0
X-ray
(mm/s)
6.0
5.0
4.0
3.0
Table 1 Properties of screws tested.
2.0
1.0
Screw name
Lead width and the feature
Single A
25.0 mm
Single B
37.5 mm
Single C
57.5 mm
Double
25.0 mm
0.9
Plate
25.0 mm, Single screw with small
plates on the axis
0.7
0.0
Single A
Fig.8(A)
0.8
Single B
Single C
Double
Plate
velocity of tracer on different shaped screws.
(mm2/s)
0.6
0.5
3-3
0.4
エックス線可視化結果
0.3
0.2
0.1
本手法によって得られた可視化画像から,画像フ
0.0
レームを積算する画像処理によってトレーサー粒子の
Single A
粒跡線(pathline)を可視化した結果をFig.7に示す.
Single B
Single C
Double
Plate
Fig.8(B) Mixing performance of the flow on different
shaped screws.
粒跡線の色はトレーサー注入時からの経過時間を示し
ている.
ここで,混合係数とはスクリューの混合力の強さを
表す量である.スクリューによる混合が強い程,ト
レーサー濃度・領域が変化する割合が強い.その変化
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割合が分子拡散現象に相似であると仮定し,可視化画
4-2
像のトレーサー変形挙動を,分子拡散方程式に当ては
める.得られた拡散係数を,混合強度として表す8).
中性子線発生源
中性子ラジオグラフィに用いる中性子発生源として,
本結果によれば従来不可視で評価困難だった粉体流
日本原子力研究開発機構の研究用原子炉JRR3を主に用
動構造が,スクリュー形状によって大きく異なること
いた.原子炉の中性子線はフラックス強度が非常に大
が明瞭に分かる.一条スクリュー(Single A, B, C)では
きく高速な画像撮影が可能であるが,試料放射化抑制
リードが大きくなると,搬送方向のスクリューブレー
や粉体飛散防止など,実験安全面の制約も大きい.そ
ド表面と粉体との滑りが大きくなり,搬送速度は減少
こで相補的手段として,住重試験検査株式会社のサイ
する.ブレードの傾斜角度が,搬送方向となす角度が
クロトロンCYPRIS-370も用いた.各中性子線ラジオグ
減少するためである.一方,搬送方向に直角な方向へ
ラフィとしての特徴を,Table 2に示す.
の挙動が顕著になり,結果的に混合強度が増加する.
Table 2 Specifications of the neutron radiographies.
また,二条スクリュー(Double)ではリード長さは等し
JRR3
いがピッチ幅が半分になるため,ブレードとの接触面
2
CYPRIS-370
8
1.0x105
積が倍となる.よって粉体とスクリューブレード表面
Neutron flux (n/cm .s)
1.5x10
との滑りが相対的に減り搬送速度が大きくなる.しか
Image capture
Dynamic
しながら,混合強度は低下する.軸表面に小型プレー
Observation area size (mm) 255x300
400x400
トをつけたスクリュー(Plate)では,搬送速度がやや低
Observation direction
Vertical
Horizontal
Static
くなるが,混合強度が大きくなるという性質を有する.
4-3
このように本可視化手法によれば従来不可視であっ
た粉体の流動状態について,定量的に評価することが
トナー・現像剤混合試験装置
トナーと現像剤の混合を評価するために,シンプル
可能となる.
な回転シリンダによる混合装置と,より実際の現像ユ
ニットに近い回転スクリュー混合装置の二種類を用意
した.回転シリンダ装置は混合の性質上,水平方向か
4.中性子線ラジオグラフィ
4-1
ら JRR3 に て 高 速 度 カ メ ラ に て 動 的 に 観 察 し た
(Fig.9(A)).回転スクリュー混合装置は鉛直方向か
中性子線による現像剤中トナー挙動の可視化
らCYPRIS-370にてイメージングプレートで静止画とし
トナーは画像プロセスで適宜消費されるので,常に
て観察した(Fig.9(B)).
外部から現像剤内部に供給されなくてはならない.か
Fig.9(A)の回転シリンダ装置では,図のように直径
つ,現像剤のトナー濃度(TC)を均一に保つために,
35 mmのシリンダ内部に,キャリアは下面から15 mm,
トナーは迅速に混合されなくてはならない.しかしな
トナーはその上に厚さ1 mmでそれぞれ積層させる.3
がら,トナーが混合されるのは現像剤粉体の内部であ
rpsで回転させたときの混合挙動を高速度カメラで観察
るので,可視光での観察は困難である.よって,本混
する.
合現象の物理メカニズムも,不明な点が多かった.
Fig.9(B)の回転スクリュー装置はFig.4の装置と同一
前述したように,トナーは水素原子を多く含むため,
であり,スクリューはSingle A(リード25 mm)である.
フェライトキャリアよりも中性子線吸収率が高い.こ
現像剤が充填されたスクリュー粉体搬送装置に対して
のため,中性子ラジオグラフィによれば,トナーが現
上方からトナーを注入しその混合挙動を可視化する.
像剤中に混合していく挙動を動的かつ選択的に観察で
サイクロトロンCYPRIS-370の場合,中性子線フラック
きるので,上記メカニズムを解き明かす重要なツール
スが低いため露光時間が長時間必要である.そこでス
となりうる.
クリューを所定回数(2回転)回転させ停止し,その状
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態で静止画撮影することを繰り返し,注入されたト
Table 3 Properties of Toner A and B
ナーが搬送・混合されていく状態を,連続静止画とし
Toner A
Toner B
5.24
5.16
Size distribution variance
1.00
(μm2)
1.14
Flowability index
48.0
て評価する.
Mean diameter (μm)
4-5
76.5
中性子線可視化結果
回転シリンダによるトナーAの混合状態可視化結果
をFig.10(A),トナーBのそれをFig.10(B)にそれぞれ示
す.また,各トナーの典型的なトナーの偏在の様子を
Fig.10(C)に概略図として示す.
Fig.9(A) Experimental apparatus of rotating cylinder
and the layout in JRR3.
Fig.10(A) Mixing motion of Toner A with carrier
powder in a rotating cylinder.
Fig.9(B) Experimental apparatus of screw auger and
the layout in Cypris-370.
4-4 使用したトナー
粒子平均直径・分布が殆ど同一であるが,流動性が
Fig.10(B) Mixing motion of Toner B with carrier
powder in a rotating cylinder.
異なる二種類のトナーA,Bを用意した(Table 3).流
動性指数(Flowability index)はホソカワミクロン
(株)のパウダーテスターPT-6で計測した.流動性指
数の値は安息角や見掛け比重など5つの計測値から求め
られ,値が大きいほど流体のように流れやすい.ト
ナーAの流動性は,トナーBのそれに対して非常に大き
い.
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Fig.10(C) Typical mixing motion of Toner A and B.
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トナーは現像剤よりも中性子線吸収率が高いために,
0-Rotatin
図中画像濃度が黒く観察される.混合が進むと,その
Injected
Toner
濃度は現像剤のそれと等しくなる.図中の数字は各画
像フレームの,回転開始からの経過時間を示している.
2-Rotatin
トナーAとBの混合挙動には明確な差が見られた.回転
直後,トナーと現像剤は回転方向に巻き上げられ,ト
4-Rotatin
ナーは上層に現像剤は下部に堆積する.トナーAでは,
Fig.10(A)の0.75 sの図に示したように,現像剤とト
6-Rotatin
ナーは垂直方向に明瞭な界面を形成し,その界面を介
=25 mm
して混合が進み,約30秒後にはほぼ完全に両者が混合
8-Rotatin
される.一方,トナーBではFig.10(B)の矢印に示した
ように,トナーは回転シリンダ内面に付着し,トナー
と現像剤は全く混合しないことが分かった.
10-Rotatin
次に,スクリュー粉体搬送装置におけるトナーAの
混合状態の可視化結果をFig.11(A)に,トナーBのそれ
Fig.11(B) Mixing motion of Toner B in a rotating
screw feeder.
をFig.11(B)に示す.
0-Rotatin
Fig.11(A),(B)は,スクリュー二回転ごとに静止画
Injected
で撮影した画像を時系列に並べている.注入されたト
Toner
ナーの領域は,画像処理によってカラー強調している.
2-Rotatin
トナーAとトナーBでは混合挙動に顕著な差が出ている
が,その傾向は前述の回転シリンダの結果とは反対で
あった.すなわち,トナーAではあまり混合が進まな
4-Rotatin
いが,トナーBは速やかに混合されている.すなわち
6-Rotatin
トナーの混合のメカニズムは,流動性だけではなく機
=25 mm
械的な駆動場に大きく依存すると考えられる.本物理
メカニズムについては今後の展開としたいが,中性子
ラジオグラフィによる混合挙動の可視化技術は,直接
8-Rotatin
混合状態を観察できるという点で非常に有効なツール
であると,結論できる.
10-Rotatin
Fig.11(A) Mixing motion of Toner A in a rotating
screw feeder.
5.結論と今後の展開
従来可視光の観察では不可能であった,装置内部の
現像剤粉体の流動挙動をエックス線と中性子線という
放射線を用いて可視化する手法を開発した.エックス
線ラジオグラフィでは,現像剤の主要構成粉体のキャ
リア粉体流動を,中性子線ラジオグラフィでは,現像
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剤粉体中のトナー粉体の挙動を,それぞれ可視化する
ことが可能となる.
一般的に粉体の挙動は非線形で,種々の初期条件に
強く依存し予測することは非常に難しいが,本手法を
用いて観測データを蓄積し,より精密・効率的な現像
剤粉体の搬送・混合のハンドリング技術につなげてい
きたいと考える.
参考文献
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Technical Report, 34, (2008), pp. 79-85.
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