日本語版

高精度、超ローノイズ、低バイアス電流、
広帯域幅JFETオペアンプ
AD8610
特長
機能ブロック図
ローノイズ6nV/√Hz
低オフセット電圧:100μV Max
8ピンMSOPおよびSOIC
低入力バイアス電流:10pA Max
(略号RM-8およびR-8)
高速セトリング時間:600ns/0.01%
低歪み
ユニティ・ゲインで安定
位相反転なし
両電源動作:±5∼±13V
NULL
− IN
+ IN
V
1
8
AD8610
4
5
NC
V+
OUT
NULL
NC=接続なし
アプリケーション
フォトダイオード用アンプ
ATE
計装機器
センサーおよび制御
高性能フィルタ
高速高・精度インテグレータ
高性能オーディオ機器
精度、高出力を兼ね備えたAD8610は、非常に高性能なA/D
概要
AD8610は、オフセット電圧およびドリフトが非常に低く、
全動作温度範囲にわたって低い入力バイアス電流を実現す
る、超高性能のJFET入力アンプです。AD8610は、非反転構
成でのユニティ・ゲインで1000pFの容量性負荷を安定して
駆動でき、また高いノイズ・レベルでは、1000pFをはるか
に超える容量性負荷を容易に駆動できます。AD8610は、1kΩ
の負荷でも、電源から1.2Vの範囲内でスイングさせること
ができ、限定された電源電圧範囲でダイナミックレンジを
最大化しています。反転回路および非反転回路のいずれで
も、出力スルーレートは50V/μsであり、600ns未満で0.01%
精度に整定します。高い入力インピーダンスと際立った高
コンバータの入力、およびD/Aコンバータの出力のバッファ
リングに理想的なアンプといえます。
AD8610のアプリケーションには、電子計装機器、ATEアン
プ、バッファリング、積分回路、CAT/MRI/ATなどの超音
波医療機器、高性能なフォトダイオードを用いた計装機器
用アンプ、高速・高精度なフィルタ(PLLフィルタを含む)、
高級オーディオ機器などがあります。AD8610は、拡張工業
温度範囲(−40∼+125℃)で全仕様を規定されています。
AD8610は狭体8ピンSOICおよび小型の表面実装8ピンMSOP
で供給されています。8ピンMSOPパッケージの製品はテー
プおよびリールのみで供給されています。
アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、そ
の情報の利用または利用したことにより引き起こされる第3者の特許または権利の侵害
に関して、当社はいっさいの責任を負いません。さらに、アナログ・デバイセズ社の特
許または特許の権利の使用を許諾するものでもありません。
REV.0
アナログ・デバイセズ株式会社
本 社/東京都港区海岸1-16-1 電話03
(5402)8200 〒105-6891
ニューピア竹芝サウスタワービル
大阪営業所/大阪市淀川区宮原3-5-36 電話06(6350)6868(代) 〒532-0003
新大阪第二森ビル
AD8610―仕様
(特に指定のない限り、@VS=±5.0V、VCM=0V、TA=25℃)
パラメータ
記号
入力特性
オフセット電圧、AD8610B
VOS
条件
Min
−40℃<TA<+125℃
オフセット電圧、AD8610A
VOS
25℃<TA<125℃
−40℃<TA<+125℃
入力バイアス電流
IB
−40℃<TA<+85℃
−40℃<TA<+125℃
入力オフセット電流
IOS
−40℃<TA<+85℃
−40℃<TA<+125℃
入力電圧範囲
コモン・モード除去比
大信号電圧ゲイン
オフセット電圧ドリフト、AD8610B
オフセット電圧ドリフト、AD8610A
−10
−250
−2.5
−10
−75
−150
−2
90
100
CMRR
AVO
ΔVOS/ΔT
ΔVSO/ΔT
VCM=−1.5∼2.5V
RL=1kΩ、VO=−3∼+3V
−40℃<TA<+125℃
−40℃<TA<+125℃
出力特性
出力電圧ハイレベル
出力電圧ローレベル
出力電流
VOH
VOL
IOUT
RL=1kΩ、−40℃<TA<+125℃
RL=1kΩ、−40℃<TA<+125℃
VOUT>±2V
+3.8
電源条件
電源除去比
アンプあたりの電源電流
PSSR
ISY
VS=±5∼±13V
VO=0
−40℃<TA<+125℃
100
ダイナミック特性
スルーレート
GB積
セトリング時間
SR
GBP
ts
RL=2kΩ
40
ノイズ特性
電圧ノイズ
電圧ノイズ密度
電流ノイズ密度
en p-p
en
in
Typ
Max
単位
45
80
85
90
150
+2
+130
+1.5
+1
+20
+40
100
200
250
350
850
+10
+250
+2.5
+10
+75
+150
+3
μV
μV
μV
μV
μV
pA
pA
nA
pA
pA
pA
V
dB
V/mV
μV/℃
μV/℃
95
180
0.5
0.8
+4
−4
±30
100
2,500
3,000
1
3.5
−3.8
3,000
3,500
V
V
mA
dB
μA
μA
AV=+1.4Vステップ、0.01%
50
25
350
V/μs
MHz
ns
0.1∼10Hz
f=1kHz
f=1kHz
1.8
6
5
μVp-p
nV√Hz
fA/√Hz
仕様は予告なく変更されることがあります。
2
REV.0
AD8610
電気的特性 (特に指定のない限り、VS=±13V、VCM=0V、TA=25℃)
パラメータ
記号
入力特性
オフセット電圧、AD8610B
VOS
条件
Min
−40℃<TA<+125℃
オフセット電圧、AD8610A
VOS
25℃<TA<+125℃
−40℃<TA<+125℃
入力バイアス電流
IB
−40℃<TA<+85℃
−40℃<TA<+125℃
入力オフセット電流
IOS
−40℃<TA<+85℃
−40℃<TA<+125℃
入力電圧範囲
コモン・モード除去比
大信号電圧ゲイン
オフセット電圧ドリフト、AD8610B
オフセット電圧ドリフト、AD8610A
−10
−250
−2.5
−10
−75
−150
−10.5
90
100
CMRR
AVO
ΔVOS/ΔT
ΔVOS/ΔT
VCM=−10∼+10V
RL=1kΩ、VO=−10∼+10V
−40℃<TA<+125℃
−40℃<TA<+125℃
出力特性
出力電圧ハイレベル
出力電圧ローレベル
出力電流
短絡電流
VOH
VOL
IOUT
ISC
RL=1kΩ、−40℃<TA<+125℃
RL=1kΩ、−40℃<TA<+125℃
VOUT>10V
−11.75
電源
電源除去比
アンプあたりの電源電流
PSRR
ISY
VS=±5∼±13V
VO=0V
−40℃<TA<+125℃
100
ダイナミック特性
スルーレート
GB積
セトリング時間
SR
GBP
tS
RL=2kΩ
40
ノイズ特性
電圧ノイズ
電圧ノイズ密度
電流ノイズ密度
en p-p
en
in
Max
単位
45
80
85
90
150
+3
+130
+1.5
+1.5
+20
+40
100
200
250
350
850
+10
+250
+2.5
+10
+75
+150
+10.5
μV
μV
μV
μV
μV
pA
pA
nA
pA
pA
pA
V
dB
V/mV
μV/℃
μV/℃
110
200
0.5
0.8
+11.84
−11.84
±45
±65
110
3,000
3,500
1
3.5
−11.75
3,500
4,000
V
V
mA
mA
dB
μA
μA
AV=+1、10Vステップ、0.01%まで
60
25
600
V/μs
MHz
ns
0.1∼10Hz
f=1kHz
f=1kHz
1.8
6
5
μVp-p
nV√Hz
fA/√Hz
仕様は予告なく変更されることがあります。
REV.0
Typ
3
AD8610
絶対最大定格*
電源電圧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.3V
入力電圧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・VS−∼VS+
差動入力電圧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・±電源電圧
パッケージ・タイプ
θJA*
θJC
単位
8ピンMSOP(RM)
8ピンSOIC(R)
190
158
44
43
℃/W
℃/W
*θJAは、最悪時のコンディション、表面実装パッケージで回路ボードにハンダ付けした場合で仕
様規定しています。
GNDへの出力短絡時間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・未定義
保管温度範囲
R、RMパッケージ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・−65∼+150℃
動作温度範囲
AD8610 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・−40∼+125℃
接合温度範囲
R、RMパッケージ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・−65∼+150℃
ピン温度範囲(ハンダ付け、10秒)・・・・・・・・・・・・・・・・・300℃
*上記の絶対最大定格を超えるストレスを加えると、デバイスに永久的な損傷を与えることがあ
ります。この定格はストレス定格の規定のみを目的とするものであり、この仕様の動作セクショ
ンに記載する規定値以上でのデバイス動作を定めたものではありません。デバイスを長期間絶対
最大定格条件に置くと、デバイスの信頼度に影響を与えることがあります。
オーダー・ガイド
モデル
温度範囲
パッケージ
パッケージ・オプション
ブランド情報
AD8610ARM
AD8610AR
AD8610BR
−40∼+125℃
−40∼+125℃
−40∼+125℃
8ピンMSOP
8ピンSOIC
8ピンSOIC
RM-8
R-8
R-8
B0A
注意
ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000Vもの高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯電し、
検知されることなく放電されることがあります。本製品には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高エネル
ギーの静電放電を受けたデバイスには回復不可能な損傷が発生することがあります。このため、性能低下や機能喪
失を回避するために、適切なESD予防措置をとるようお奨めします。
4
WARNING!
ESD SENSITIVE DEVICE
REV.0
代表的な性能特性―AD8610
600
14
18
VS = ±13V
VS = ±13V
12
8
6
4
14
200
12
アンプの数
入力オフセット電圧−μV
アンプの数
10
0
− 200
2
−250
−150
50
150
−50
入力オフセット電圧−μV
25
85
温度−℃
− 40
250
特性2 入力オフセット電圧 対 ±13Vに
おける温度
(300アンプ)
600
14
3.6
VS = ±13V
3.4
アンプの数
入力バイアス電流−pA
10
200
8
6
−200
4
−400
25
85
温度−℃
−40
125
3.2
3.0
2.8
2.6
2.4
2
2.2
0
2.0
0
0.2
0.6
1.0
1.4
1.8
2.2
2.6
−10
−5
0
5
コモン・モード電圧−V
TCVOS – µ V/ °C
特性4 入力オフセット電圧 対 ±5V
における温度(300アンプ)
特性5
3.0
入力オフセット電圧のドリフト
10
特性6 入力バイアス電流 対
コモン・モード電圧
3.05
2.65
VS = ±5V
VS = ±13V
2.5
250
特性3 入力オフセット電圧 対 ±5Vに
おける温度
12
0
−150
50
150
−50
入力オフセット電圧−μV
VS=±5Vまたは±13V
400
−600
0
−250
125
特性1 ±13Vにおける入力オフセット電圧
VS = ±5V
入力オフセット電圧−μV
8
6
− 600
0
2.60
2.95
2.55
1.5
1.0
電源電流−mA
2.0
電源電流−mA
電源電流−mA
10
4
− 400
2
VS = ±5V
16
400
2.85
2.75
2.50
2.45
2.40
2.65
0.5
0
2.35
0
1
2
3 4
5 6
7
8
9 10 11 12 13
2.55
−40
電源電圧−±V
特性7
REV.0
電源電流 対 電源電圧
特性8
25
85
温度−℃
125
電源電流 対 ±13Vにおける温度
5
2.30
−40
特性9
25
85
温度−℃
125
電源電流 対 ±5Vにおける温度
AD8610
4.25
1.0
0.8
0.6
0.4
4.15
4.10
4.05
4.00
12.05
10M
−40
100M
出力電圧ローレベル−V
12.00
60
−11.95
−12.00
11.80
−12.05
125
−40
25
85
125
40
G = 100
225
180
135
90
45
0
0
− 20
− 45
− 40
− 90
− 60
− 135
− 80
10
周波数−MHz
1
100
− 180
200
特性15 オープンループのゲイン
および位相 対 周波数
190
260
VS =± 13V
RL = 2kΩ
CL = 20pF
270
20
特性14 出力電圧ローレベル 対
±13Vにおける温度
60
125
40
温度−℃
特性13 出力電圧ハイレベル 対
±13Vにおける温度
25
85
温度−℃
VS =± 13V
RL = 1kΩ
印は27MHz
θM = 69.5
CL = 20pF
100
80
−11.90
−40
特性12 出力電圧ローレベル 対
±5Vにおける温度
−11.85
11.85
25
85
温度−℃
−4.20
120
VS = ±13V
RL = 1kΩ
11.90
−4.15
−4.30
125
−11.80
VS =± 13V
RL = 1kΩ
11.95
−4.10
特性11 出力電圧ハイレベル 対
±5Vにおける温度
電源レールへの出力電圧 対 負荷
−40
25
85
温度−℃
ゲイン−dB
特性10
10k
100k
1M
抵抗性負荷−Ω
−4.05
−4.25
3.95
1k
VS = ±5V
RL = 1kΩ
−4.00
出力電圧ローレベル−V
出力電圧ハイレベル−V
VS = ±13V
VO = ±10V
RL = 1kΩ
240
220
VS = ±5V
VO =± 3V
RL = 1kΩ
180
170
AVO – V/mV
160
20
G = 10
0
G=1
− 20
200
AVO – V/mV
電源レールへの出力電圧−V
1.2
0
100
出力電圧ハイレベル−V
VS =± 5V
RL = 1kΩ
4.20
1.4
0.2
クローズドループゲイン−dB
−3.95
VS =± 13V
1.6
位相−度
1.8
180
160
1k
10k
100k
1M
周波数−Hz
10M
100M
特性16 クローズドループのゲイン
および位相 対 周波数
140
130
140
120
120
110
100
− 40
150
100
− 40
特性17
25
85
温度−℃
125
AVO 対 ±13Vにおける温度
6
− 40
特性18
25
85
温度−℃
125
AVO 対 ±5Vにおける温度
REV.0
AD8610
160
160
VS = ±13V
140
120
121
120
100
+PSRR
80
120
PSRR – dB
80
–PSRR
60
40
PSRR – dB
100
PSRR – dB
122
VS =± 5V
140
+PSRR
60
–PSRR
40
118
20
20
0
0
–20
–20
–40
100
1k
特性19
10k
100k
1M
周波数−Hz
117
–40
100
10M 60M
PSRR 対 ±13Vにおける周波数
119
特性20
116
1k
10k
100k
1M
周波数−Hz
10M
60M
PSRR 対 ±5Vにおける周波数
−40
25
125
85
温度−℃
特性21 PSRR 対 温度
140
VS = ± 13V
60
40
電圧−300mV/DIV
電圧−300mV/DIV
CMRR – dB
100
80
VS = ±13V
VIN =+300mV p-p
A V = −100
RL = 10kΩ
CL = 0pF
VS = ±13V
VIN =− 300mV p-p
A V = − 100
RL = 10kΩ
120
0V
VIN
VOUT
CH2 = 5V/DIV
VIN
0V
VOUT
20
0
10
CH2 = 5V/DIV
0V
100
1k
特性22
10k 100k 1M
周波数−Hz
10M
60M
時間−4μs/DIV
時間−4μs/DIV
特性23
CMRR 対 周波数
特性24
正の過電圧からの復帰
ピークtoピーク入力電圧ノイズ−1μV/DIV
負の過電圧からの復帰
100
1,000
90
VSY = ±13V
VS = ±13V
VIN p-p = 1.8 µV
VS = ±13V
70
100
ZOUT – Ω
電圧ノイズ密度−nV/√Hz
80
10
60
ゲイン=1
50
40
30
ゲイン=100
ゲイン=10
20
10
時間−1s/DIV
1
1
10
100
1k
10k
100k
1M
周波数−Hz
特性25 0.1∼10Hzにおける入力電圧ノイズ
REV.0
0V
特性26 入力電圧ノイズ 対 周波数
7
0
1k
10k
100k
1M
周波数−Hz
特性27
10M
ZOUT 対 周波数
100M
AD8610
100
VS = ±5V
90
1,600
40
1,400
35
小信号オーバーシュート−%
80
1,200
60
入力バイアス−pA
ZOUT – Ω
70
ゲイン=1
50
40
ゲイン=10
30
800
600
400
ゲイン=100
20
1,000
0
1k
100k
特性28
1M
周波数−Hz
10M
0
100M
特性29
ZOUT 対 周波数
25
20
15
+OS
−OS
10
0
0
10k
30
5
200
10
VS = ±13V
RL = 2kΩ
VIN = 100mV p- p
25
50
75
温度−℃
100
125
入力バイアス電流 対 温度
1
10
100
容量−pF
1k
10k
特性30 小信号オーバーシュート 対
負荷容量
40
30
20
15
+OS
電圧−5V/DIV
電圧−5V/DIV
VIN
25
−OS
VS = ±13V
VIN p-p = 20V
A V = +1
RL = 2kΩ
CL = 20pF
VOUT
10
5
0
10
100
1k
10k
特性32
特性31 小信号オーバーシュート 対
負荷容量
位相反転なし
電圧−5V/DIV
VS = ±13V
VIN p-p = 20V
A V = +1
RL = 2kΩ
CL = 20pF
G=+1における+SR
特性33 G=+1における大信号応答
VS = ±13V
VIN p-p = 20V
A V = +1
RL = 2kΩ
CL = 20pF
時間−400ns/DIV
特性34
時間−1μs/DIV
時間−400μs/DIV
容量−pF
電圧−5V/DIV
1
電圧−5V/DIV
小信号オーバーシュート−%
VS = ±13V
VIN =± 14V
A V = +1
周波数 = 0.5kHz
VS = ±5V
RL = 2kΩ
VIN = 100mV
35
VS = ±13V
VIN p-p = 20V
A V = −1
RL = 2kΩ
CL = 20pF
時間−400ns/DIV
特性35
G=+1における−SR
8
時間−1μs/DIV
特性36
G=−1における大信号応答
REV.0
VS = ±13V
VIN p-p = 20V
A V = −1
RL = 2kΩ
SR = 50V/µ s
CL = 20pF
電圧−5V/DIV
電圧−5V/DIV
AD8610
VS = ±13V
VIN p-p = 20V
A V = −1
RL = 2kΩ
SR = 55V/µ s
CL = 20pF
時間−400ns/DIV
時間−400ns/DIV
特性37
G=−1における+SR
特性38
G=−1における−SR
機能の解説
AD8610は、アナログ・デバイセズ社の独自技術であるXFCB
し、温度の上昇により入力バイアス電流も同様に増大します。
(eXtra Fast Cmplementary Bipola)
プロセスに基づいて製造さ
板のレイアウトには、細心の注意が必要です。レイアウトや基
れています。XFCBは完全に電気絶縁(DI)
されており、Nチャ
板の取扱いが適切でない場合には、AD8610のバイアス電流
ンネルのJFET技術とトリミングが可能な薄膜抵抗を組み合わせ
を超えるリーク電流が発生します。
PC基板の配線回路間のリーク電流を最小化するために、PC基
て、世界で最も精度の高いJFET入力のアンプを構成していま
す。XFCBの上に形成され電気絶縁されたNPNおよびPNPの
トランジスタのFT値は、3GHzを上回ります。TC値の低い薄膜
消費電力
AD8610は、省電力化のため新設計において、大きく先行して
抵抗は、極めて高精度なオフセット電圧とオフセット電圧温度
います。AD8610の低消費電力は、ポータブル機器や高密度な
係数の調整を可能にします。これらのプロセスのブレーク・ス
システムにはさらに魅力的であり、温度管理の簡略化や、電源
ルーによって、アナログ・デバイセズは最も近い競合他社製品
特性についての要求の緩和などが実現します。図1に示す
と比べて、より高速のスルーレート、50%上回る高帯域、半分
AD8610とOP627の消費電力の違いに注目してください。
の 消 費 電 流 を 備 えた 世 界 的レ ベ ル の I C を 実 現しました 。
AD8610は、使用環境に左右されずに各ゲインにおいて安定し
ており、1nFを大きく上回る容量性負荷でも安定性を失いませ
8
ん。AD8610Bは、非常に高精度のバイポーラ入力のアンプに
匹敵する、100μVのオフセットと1μV/℃のオフセット・ドリフト
7
OPA627
を達成しています。AD8610は小型の8ピンMSOPおよび表面
6
電源電流−mA
実装型の狭体8ピンSOICで供給されており、±5∼±13Vの電
源電圧範囲に完全に仕様規定されています。また、+125℃ま
での非常に高い温度で仕様規定されているので、自発的な冷
却装置が乏しい、または全くないシステムでも、優れた動作が
5
4
可能です。AD8610のユニークな入力部のアーキテクチャは、
3
非常に低い入力バイアス電流と入力オフセット電圧を実現し
AD8610
ています。低い消費電力はダイの温度を最小に抑え、低バイ
2
–75
アス電流を維持します。競合するほとんどのJFETアンプとは
–50
–25
25
50
75
温度−℃
異なり、AD8610の入力バイアス電流は温度が上昇しても低く
図1
維持されます。バイアス電流の代表値は、85℃でも200pA未
満です。JFETのゲート電流は温度が10℃上昇するごとに倍増
REV.0
0
9
電源電流 対 消費電力
100
125
AD8610
大きな容量性負荷駆動
AD8610は、優れた容量性負荷の駆動能力を持っていて、±5V
VS = ±5V
RL = 10kΩ
CL = 2µ F
電源で動作するときは、10nFまでの容量を駆動できます。図2お
よび図3に、AD8610とOP627を非反転ゲイン設定で10kΩの抵
電圧−50mV/DIV
抗を10,000pFの出力に並列に接続し、200MHzの矩形波を入力
した場合の比較を示します。大きな容量性負荷では、AD8610
はOPA627と比較して格段にリンギングが低くなっています。
VS = ±5V
RL = 10kΩ
CL = 10,000pF
電圧−20mV/DIV
時間−20μs/DIV
OPA627による容量性負荷駆動、AV=+2
図5
電圧−50mV/DIV
VS = ± 5V
RL = 10kΩ
CL = 2 µF
時間−2μs/DIV
図2
CL=10,000pFをOPA627で駆動
VS = ±5V
RL = 10kΩ
CL = 10,000pF
電圧−20mV/DIV
時間−20μs/DIV
AD8610による容量性負荷駆動、AV=+2
図6
スルーレート(ユニティ・ゲイン、反転 対 非反転)
アンプは、一般的に、差動入力が存在しない反転のユニテ
ィ・ゲインで高速なスルーレートなります。図7から図10に、
ゲインを−1に設定したAD8610の動作を、OPA627と比較し
て示します。
時間−2μs/DIV
図3
CL=10,000pFをAD8610で駆動
VS = ±13V
RL = 2kΩ
G = –1
AD8610は補償回路を外付けせずに、さらに大きな容量を駆動
できます。AD8610は非常に大きな容量性負荷を駆動できますが、
この容量性負荷によりアンプの帯域幅が制限されることに注意し
電圧−50mV/DIV
てください。大きな容量性負荷により、出力におけるオーバーシュ
ートとリンギングも増加します。図5および図6は非反転のゲインを
2に設定したAD8610およびOPA627が2μFの容量性負荷をドラ
イブした 状 態を示します。O P A 6 2 7 が 発 生 するリンギングは
SR = 54V/µ s
AD8610に比べて振幅が大きく、時間も10倍長くなっています。
+5V
2
VIN = 50mV
7
3
時間−20μs/DIV
4
–5V
2kΩ
図4
図7
2µF
ユニティ・ゲイン=−1のAD8610の(+SR)
2kΩ
容量性負荷駆動のテスト回路
10
REV.0
AD8610
AD8601は、非反転ゲインを+1に設定した場合にも、60V/μsと
いう非常に高速なスルーレートを示します。この状態では、アン
VS = ± 13V
RL = 2kΩ
G = –1
プの入力のコモンモードの容量がSRを悪化させて、アンプにと
って最も厳しい条件となります。アンプのスルーレートは2入力
電圧−5V/DIV
間の電位差によって変化します。AD8610のデータ・シートに規
定されたSRの最大値を得るには、2つの入力間の電位差を約
SR = 42.1V/µ s
2Vにする必要があります。これは、大部分のJFETでも求められ
る事項であり、オペアンプの一方を完全にオフにして、内部の
補償コンデンサを充電し放電するために、電流を最大限とする
ことが必要となります。差動入力間の電位差を下げると、スル
ーレートの測定値も小さくなります。ユニティ・ゲイン、VIN=10V
でスルーレートが60V/μsのオペアンプを、ゲイン=100、VIN=
時間−400ns/DIV
図8
100mVで動作すると、スルーレートが20V/μsになる場合があり
ユニティ・ゲイン=−1のOPA627の(+SR)
ます。AD8610のスルーレートは、ユニティ・ゲインを+1に設定
した場合に、スルーレートはOPA627の2倍となります。
AD8610のスルーレートは、ユニティ・ゲインを+1に設定した場
電圧−5V/DIV
VS = ± 13V
RL = 2kΩ
G = –1
合に、OPA627の2倍となります(図11および12参照)。
VS = ± 13V
RL = 2kΩ
G = +1
電圧−5V/DIV
SR = 54V/µ s
SR = 85V/µ s
時間−400ns/DIV
図9
ユニティ・ゲイン=−1のAD8610の(−SR)
TIME – 400ns/DI V
図11
ユニティ・ゲイン=+1のAD8610の(+SR)
VS = ± 13V
RL = 2kΩ
G = +1
SR = 56V/µ s
電圧−5V/DIV
電圧−5V/DIV
VS = ± 13V
RL = 2kΩ
G = –1
SR = 23V/ µ s
時間−400ns/DIV
図10
ユニティ・ゲイン=−1のOPA627の(−SR)
時間−400ns/DIV
図12
ユニティ・ゲイン=+1のOPA627の(+SR)
アンプのスルーレートは、大信号に応答できる最大の周波
数を決定します。この周波数(フルパワー帯域幅、FPBW)
は、任意の歪みについて(例えば1%)、次の式によって算
出されます。
SR
FPBW=
(2π×VPEAK)
REV.0
11
AD8610
CH1 = 20.8V/DIV
VIN
電圧−5V/DIV
電圧−10V/DIV
0V
CH2 = 19.4V/DIV
0V
VOUT
時間−400ns/DIV
図13
0
時間−400μs/DIV
AD8610のFPBW
図15
入力過電圧からの保護
アンプの入力が、VEEから電位差VBE以上下回り、またはVCCから電
位差VBE以上上回るときには、それぞれ大きな電流がサブストレート
から負電源
(V−)
へ、または、サブストレートから正電源
(V+)
へ流
れ、入力ピンに流れてデバイスが破壊されることがあります。入力ソ
ースがダイオードの最大順方向電流
(>5mV)
を越える電流を発生
させる場合には、直列抵抗を付加して入力を保護してください。入
力バイアスおよびオフセット電流が極めて低いので、AD8610の入力
に高い直列抵抗を接続して、部品が損傷しないようなレベルに電流
を制限する必要があります。10kΩの直列抵抗によってオフセットか
ら25μV未満の電圧が発生します。この10kΩの抵抗により、入力
電圧から両方の電源を5V以上超えた電圧が発生します。この抵抗
の熱ノイズが加わって、AD8610のノイズが7.5nV/√Hz加えられます。
AD8610では、電源電圧と等しい差動電圧でも、何の問題も生じま
せん
(図15参照)
。このような状態では、FETの入力での高いブレイ
クダウン電圧のため、通常ほとんどの高精度オペアンプで行われる、
FETの両入力間へのクランプ・ダイオードの設置が不要になります。
残念ながらクランプ・ダイオードは、高精度の整流器およびコンパレー
タなどの多くのアプリケーション回路において大きな妨害となります。
AD8610にはその制約がありません。
位相反転なし
全高調波歪み(Total Harmonic Distortion, THD)の測定 対
コモン・モード電圧
AD8610は全高調波歪みは、600Ω以上のすべての負荷に対し
て0.0006%を大きく下回ります。AD8610は、歪みの面でも
OPA627より高性能であり、特に20kHzを上回る周波数で、この
傾向が強くなります。
0.1
VSY = ± 13V
VIN = 5V rm s
BW = 80kH z
THD+N – %
0.01
OPA627
0.001
AD8610
0.0001
10
位相反転なし
多くのアンプでは、一方また両方の入力が強制的に入力のコモン・
モード電圧を超える状態になると、誤動作を引き起こします。位相反
転はアンプの伝達関数により特徴づけられ、結果的に伝送の極性
の反転を生じさせます。場合によっては、ロックアップをお越し、サー
ボ・システムの機器に損傷を生じることさえあり、アンプの永久的な損
傷またはアンプ自体に回復不可能なパラメータ変化を与えることもあ
ります。多くのアンプはこのような自体に対応するための補償回路を
備えていますが、その一部は反転入力にしか効果がありません。
AD8610は、一方または両方の入力が強制的に入力コモン・モード
電圧を超える電圧となったときにも、このような位相反転が生じないよ
う設計されています。
100
図16
THD + N – %
0.1
1k
周波数−Hz
80k
10k
AD8610 対 OPA(THD+N@VCM=0V)
VSY = ± 13V
RL = 600Ω
2V rm s
0.01
4V rm s
6V rm s
+13V
2
V1
14V
0
図14
3
7
6
0.001
10
4 AD8610
100
1k
10k
20k
周波数−Hz
–13V
図17
THD+ノイズ 対 周波数
ユニティ・ゲイン・フォロワ
12
REV.0
AD8610
ノイズ 対 コモン・モード電圧
表Iに示すようにAD8610のノイズ密度は入力範囲の全体にわた
3.0
エラー帯域±0.01%
り、わずか10%しか変化しません。
2.5
ノイズ 対 コモン・モード電圧
F=1kHz(V)におけるVCM
ノイズの測定値(nV√Hz)
−10
−5
0
+5
+10
7.21
6.89
6.73
6.41
7.21
セトリング時間−μs
表I
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
セトリング時間
AD8610は、図18に示すように、非常に厳しいエラー帯域におい
0
図20
ても非常に高速なセトリング時間を持っています。AD8610の反
1000
CL – pF
500
1500
2000
AD8610のセトリング時間 対 負荷容量
転ゲインは1に設定され2kΩの入力およびフィードバック抵抗を持
3.0
っています。出力はスコープの10x、10M、11.2pFのプローブによ
エラー帯域±0.01%
って出力を監視したものです。
セトリング時間−μs
2.5
1.2k
セトリング時間−ns
1.0k
2.0
1.5
1.0
800
0.5
600
0.0
400
図18
500
図21
200
0
0.001
0
0.01
0.1
エラー帯域−%
1
10
1000
CL – pF
1500
2000
OPA627のセトリング時間 対 負荷容量
出力電流量
AD8610は、出力電流量が多いので、非常に重い負荷を駆動で
AD8610のセトリング時間 対 エラー帯域
きます。電流のソースをとシンクを、±10V出力で45mAにできま
す。短絡電流は非常に大きく、AD8610は、±5V電源による動作
時に、95mAの電流を入力でき、60mAを超える出力ができます。
1.2k
関係を示します。
800
10
600
各レールからのΔ−V
セトリング時間−ns
図22および23に、AD8610とOPA627の負荷電流と出力電圧の
1.0k
400
OPA627
200
0
0.001
図19
0.01
0.1
エラー帯域−%
1
10
1
VEE
VCC
OPA627のセトリング時間 対 エラー帯域
0.1
0.00001
AD8610は、図20に示すように、大きな容量性負荷に対して
図22
も高速なセトリング時間を維持します。
REV.0
13
0.0001
0.001
0.01
負荷電流−A
0.1
1
AD8610の±13Vからのドロップ・アウト 対 負荷電流
AD8610
10
+5V
各レールからのΔ−V
VIN
100Ω
VCC
AD8610
5
1
10kΩ
5pF
–5V
+5V
12
VL
0.1
0.00001
図23
VOUT
U10
VEE
0.0001
0.001
0.01
負荷電流−A
1
1
0.1
OPA627の±15Vからのドロップ・アウト 対 負荷電流
+5V
13
VDD
Y0
Y1
AD8610に課される動作条件(±13V)
は、OPA627に課される条
A0
件(±13V)
よりも厳しいにもかかわらず、AD8610の方が任意の
A1
A
Y2
B
Y3
74HC139
16
9
負荷電流に対して優れたドライブ能力(電源に対して小さなヘッ
±13Vを超える電源での動作
AD8610の最大動作電圧は±13Vに仕様規定されています。
1kΩ
D1
2
10kΩ
S2
14
D2
15
S3
11
D3
10
S4
6
D4
7
G =1
G =10
IN2
1kΩ
G =100
IN3
ドルーム)
を示しています。
8
3
IN1
ADG452
G
S1
100Ω
G =1000
IN4
VSS GND
4
±13Vの電源が使用できない場合には、安価なLDOによって公
11Ω
5
–5V
称±15Vの電源から±12Vの電源が得られます。
図25
入力オフセット電圧の調整
AD8610のオフセットは非常に小さいため、通常は、オフセット調
高精度PGA
1. R ONおよびI Bによる、室温での温度誤差は以下の式で算出され
整向けの部品を追加する必要はありません。しかし、図24に示
ます。
すようにオフセット調整ピンを接続して、DCオフセットをさらに低減
ΔVOS=IB×RON=2pA×5Ω=10pV
することができます。50kΩ程度の抵抗を使用した場合のオフセ
全オフセット=AD8610(オフセット)+ΔVOS
ットのトリム範囲は±3.3mV程度となります。
全オフセット=AD8610(トリム済みオフセット)+ΔVOS
+VS
全オフセット=5μV+10pV5μV
2. RONおよびIBによる全温度誤差は以下の式で算出されます。
7
2
×RON(@85℃)=
ΔVOS(@85℃)=IB(@85℃)
6
AD8610
3
VOUT
250pA×15Ω=3.75nV
1
3. スイッチおよびAD8610の温度係数の合計値は、本質的に
5
4
AD8610のTCVOSと同じです。
R1
(全範囲)
=ΔVOS/ΔT
(AD8610)
+ΔVOS/ΔT
(IB×RON)
ΔVOS/ΔT
ΔVOS/ΔT(全範囲)=1.5μV/℃+0.06nV/℃1.5μV/℃
–VS
図24
オフセット電圧ヌル回路
高速計装用アンプ
(IN AMP)
図26に示す3つのオペアンプにより構成されるアンプは、ユニティから
プログラマブル・ゲイン・アンプ(PGA)
ロー・ノイズ、低入力バイアス電流、低オフセット入力電圧、低い温
1,000を越える範囲のゲインを持っています。計装用アンプの構成は、
高いコモン・モード除去比、バランス型の差動入力、正確に定義さ
度ドリフトを兼ね備えたAD8610は、プログラマブル・ゲイン・アンプを
れた安定したゲインなどの特長を備えています。AD8610のJFET入
構成する上で完全なソリューションです。PGAは、
しばしばセンサー
力により、低いバイアス電流と高速なセトリング時間が達成されてい
の直後に接続されて、計測回路のダイナミックレンジを拡張するため
ます。ほとんどの計装用アンプは、この回路のような高周波での動作
に用いられます。従来、スイッチの大きなオン抵抗がアンプの大きな
には向いていません。回路の帯域幅は、ゲイン1で25MHz、ゲイン10
IBと組み合わさり、PGAにおいて大きなDCオフセットが発生していま
で5MHzに近くなります。回路全体のセトリング時間は、10Vのステッ
した。先進の改良型モノリシックのスイッチおよびアンプが、この問
プでは、0.01%に制定するのに550nsかかります。抵抗と回路の浮遊
題を完全に解消しました。図25に示すように、AD8610の10pFでの
容量によって形成されるRCの時定数によって回路の帯域幅が制限
バイアス電流がスイッチのR ON(<5Ω)
以下にまで低下したため、
されることがないよう、入力ピンの近くの抵抗は十分に小さい値にし
オフセット誤差は無視できるほど低くなっています。
てください。
図25に示すように、高精度の抵抗が使用されるようになって、PGA
に加わる誤差は16ビットのシステムで1/2 LSB以内となりました。
14
REV.0
AD8610
意深い配慮が必要となります。この場合には、スルーレー
V+
ト帯域幅、オープンループ・ゲインがアンプの選択におい
て重要です。歪みを最小化するために、スルーレートが高
VIN1
速かつ対照的でなければなりません。アンプの帯域幅がフ
AD8610
U1
ィルタのゲインと組み合わさり、フィルタの周波数応答を
決める主要な要因になります。AD8610のような高性能なア
V–
C5
10pF
ンプの導入により、あらゆるアクティブ・フィルタ・アプ
リケーションのDCおよびACの誤差を最小化できます。
V+
R1 1kΩ
R4 2kΩ
RG
C4
15pF
AD8610
R7
2kΩ
V+
二次のローパス・フィルタ
図27に、AD8610を用いて構成した二次のバタワース・ロー
VOUT
U3
パス・フィルタを示します。表示されている数値によって、
R6
2kΩ
VIN2
フィルタのコーナー周波数は1MHzとなります。AD8610の
V–
広い帯域幅によって、コーナー周波数を数10MHzに増幅で
R5 2kΩ
AD8610
U2
きます。部品の選択には以下の式を使用できます。
R3 2kΩ
C3
15pF
V–
C2
10pF
R1=R2=ユーザーにより選択(代表値:10∼100kΩ)
1.414
C1=
(2π)
(fCUTOFF(
)R1)
R2 1kΩ
図26
0.707
C2=
(2π)
(fCUTOFF(
)R1)
高速計装用アンプ
ここで、C1およびC2はファラドの単位で表したものです。
高速フィルタ
最も一般的なものとして、バタワース・フィルタ、楕円フ
C1
22pF
ィルタ、ベッセル・フィルタ、チェビシェフ・フィルタの、
4つのフィルタがあります。各フィルタの任意の特性での適
+13V
性を表IIに示します。
オペアンプを使用するアクティブ・フィルタのアプリケー
VIN
ションでは、フィルタの最適な動作のためにアンプのDC特
5
R2
10k Ω
性が重要です。アンプのオフセット誤差およびバイアス電
R1
10k Ω
流は出力誤差に影響します。入力オフセット電圧がフィル
AD8610
U1
C2
11pF
タを通過して、過剰な出力オフセット電圧に増幅される場
合があります。大きな入力抵抗が必要な低周波アプリケー
–13V
ションでは、これらの抵抗を流れるバイアスおよびオフセ
ット電流によってもオフセット電圧が生成されます。
図27
二次のローパス・フィルタ
より高い周波数ではアンプのダイナミック応答について注
表 II
フィルタのタイプ
タイプ
感度
オーバーシュート
バタワース
チェビシェフ
楕円
ベッセル(トンプソン)
中間
良好
最良
不良
良好
中間
不良
最良
REV.0
位相
増幅度(通過帯域)
非線形
最大平坦
等価リップル
等価リップル
線形
15
VOUT
AD8610
外形寸法
TDS02/2002/1000
サイズはインチと(mm)で示します。
8ピンMSOP
(末尾記号RM)
0.122 (3.10)
0.114 (2.90)
8
5
0.122 (3.10)
0.114 (2.90)
0.199 (5.05)
0.187 (4.75)
1
4
ピン1
0.0256 (0.65) BSC
0.120 (3.05)
0.112 (2.84)
0.120 (3.05)
0.112 (2.84)
0.043 (1.09)
0.037 (0.94)
0.006 (0.15)
0.002 (0.05)
0.018 (0.46)
0.008 (0.20)
実装面
0.011 (0.28)
0.003 (0.08)
33°
27°
0.028 (0.71)
0.016 (0.41)
8ピンSO
(末尾記号R)
0.1968 (5.00)
0.1890 (4.80)
8
0.1574 (4.00)
0.1497 (3.80) 1
ピン1
0.0098 (0.25)
0.0040 (0.10)
4
0.2440 (6.20)
0.2284 (5.80)
0.0688 (1.75)
0.0532 (1.35)
0.0500 0.0192 (0.49)
(1.27) 0.0138 (0.35)
BSC
0.0196 (0.50)
x 45°
0.0099 (0.25)
0.0098 (0.25)
0.0075 (0.19)
8°
0° 0.0500 (1.27)
0.0160 (0.41)
PRINTED IN JAPAN
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