日本語版

12ビット、80MSPS/105MSPS
A/Dコンバータ
AD9432
特長
機能ブロック図
リファレンスおよびトラック/ホールド内蔵
入力バッファ内蔵
V CC
105MSPS動作で消費電力850mW typ.
500MHzアナログ帯域幅
49MHz AIN、105MSPS動作でS/N比=67dB
AIN
AIN
49MHz AIN、105MSPS動作でSFDR=80dB
ENCODE
差動アナログ入力範囲2.0Vp-p
ENCODE
+5.0V単電源動作
BUF
T/H
パイプライン
ADC
V DD
12
出 力
STAGING
12
D11–D0
REF
タイミング
AD9432
GND
VREFOUT VREFIN
+3.3V CMOS/TTL出力
2の補数形式出力フォーマット
アプリケーション
通信
基地局、‘Zero-IF’サブシステム
ワイヤレス・ローカル・ループ(WLL)
ローカル・マルチポイント・ディストリビューション・
サービス(LMDS)
HDTV放送カメラおよびフィルム・スキャナ
概要
AD9432は、トラック/ホールド回路を内蔵し、高速変換と
で、分離された出力電源ピンによって3.3Vロジックとのイ
使い易さを最適化した、12ビットのモノリシック・サンプ
ンターフェースを確保します。エンコード入力ピンは、差
リングA/Dコンバータです。105MSPSの変換レートで動作
動とシングルエンドの両方の動作をサポートし、TTL/
し、動作範囲全域にわたって優れたダイナミック特性を発
CMOSコンパチブルです。
揮します。
AD9432は、先進のBiCMOSプロセスによって製造され、52
AD9432は、5.0Vの単電源で105MHzのエンコード・クロッ
ピン・プラスチック・クワッド・フラットパック・パッケ
クを与えるだけで、最大限の特性での動作が可能です。殆
ージ(LQFP)で供給されます。工業温度範囲(−40∼+
どのアプリケーションでは、外部リファレンスやドライバ
85℃)で仕様規定されています。
部品が不要です。デジタル出力はTTL/CMOSコンパチブル
アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、そ
の情報の利用または利用したことにより引き起こされる第3者の特許または権利の侵害
に関して、当社はいっさいの責任を負いません。さらに、アナログ・デバイセズ社の特
許または特許の権利の使用を許諾するものでもありません。
REV.0
アナログ・デバイセズ株式会社
本 社/東京都港区海岸1-16-1 電話03
(5402)8200 〒105-6891
ニューピア竹芝サウスタワービル
大阪営業所/大阪市淀川区宮原3-5-36 電話06(6350)6868(代) 〒532-0003
新大阪第二森ビル
AD9432−仕様
パラメータ
(特に指示のない限り、VDD=3.3V、VCC=5.0V、外部リファレンス、差動エンコード入力)
温度
テスト・
レベル
AD9432BST-80
Min
Typ Max
AD9432BST-105
Min
Typ
Max
単位
12
12
ビット
分解能
DC精度
微分非直線性
積分非直線性
+25℃
I
−0.75
±0.25
+0.75
−0.75
±0.25
+0.75
LSB
全範囲
VI
−1.0
±0.5
+1.0
−1.0
±0.5
+1.0
LSB
+25℃
I
−1.0
±0.5
+1.0
−1.0
±0.5
+1.0
LSB
全範囲
VI
−1.5
±1.0
+1.5
−1.5
±1.0
+1.5
LSB
−5.0
±1.5
+5.0
−5.0
±1.5
+5.0
%FS
ミッシング・コードなし
全範囲
VI
ゲイン誤差1
+25℃
I
全範囲
V
1
ゲイン温度係数
保証
保証
150
150
ppm/℃
アナログ入力
入力電圧範囲(AIN∼AIN)
全範囲
V
±1.0
±1.0
V
コモン・モード電圧
全範囲
V
3.0
3.0
V
入力オフセット電圧
全範囲
VI
−5
±0
+5
−5
±0
+5
mV
入力抵抗
全範囲
VI
2
3
4
2
3
4
kΩ
入力容量
+25℃
V
4
4
pF
アナログ帯域幅、フルパワー
+25℃
V
500
500
MHz
出力電圧
全範囲
VI
温度係数
全範囲
V
50
入力バイアス電流
全範囲
VI
15
最大変換レート
全範囲
VI
最小変換レート
全範囲
VI
アナログ・リファレンス
2.4
2.5
2.6
2.4
2.5
2.6
50
50
15
V
ppm/℃
50
μA
スイッチング特性
80
105
MSPS
1
1
MSPS
エンコード・パルス幅、
ハイ
(tEH)
+25℃
IV
4.0
6.2
4.0
4.8
ns
エンコード・パルス幅、
ロー
(tEL)
+25℃
IV
4.0
6.2
4.0
4.8
ns
アパーチャ遅延(tA)
+25℃
V
1.0
ns
アパーチャ不確定性(ジッター)
+25℃
V
2
出力有効時間(tV)
全範囲
VI
2
出力伝達遅延(tPD)
全範囲
VI
5.5
2
出力立ち上がり時間(tR)
全範囲
V
2.1
2.1
ns
出力立ち下り時間(tF)
全範囲
V
1.9
1.9
ns
範囲外リカバリー時間
+25℃
V
2
2
ns
過渡応答時間
+25℃
V
2
2
ns
エンコード入力コモン・モード
全範囲
V
1.6
1.6
V
差動入力(ENC∼ENC)
全範囲
V
750
750
mV
ロジック“1”電圧
全範囲
IV
ロジック“0”電圧
全範囲
IV
1.0
0.25
3.0
5.3
3.0
8.0
0.25
ps rms
5.3
ns
5.5
8.0
ns
デジタル入力
シングルエンド
入力抵抗
全範囲
VI
入力容量
+25℃
V
ロジック“1”電圧(VDD=+3.3V)
全範囲
VI
ロジック“0”電圧(VDD=+3.3V)
全範囲
VI
2.0
2.0
V
0.8
3
5
8
0.8
3
4.5
5
8
4.5
V
μA
pF
デジタル出力
VDD−0.5
VDD−0.5
V
0.05
出力コーディング
0.05
2の補数
2の補数
電源
消費電力3
全範囲
VI
電源除去比(PSRR)
+25℃
I
−5
2
790
1000
0.5
+5
−5
850
1100
mW
0.5
+5
mV/V
REV.0
AD9432
パラメータ
ダイナミック特性4
S/N比(SNR)
(高調波を含まない)
fIN=10.3MHz
fIN=40MHz
fIN=49MHz
fIN=70MHz
S/N比(SINAD)
(高調波を含む)
fIN=10.3MHz
fIN=40MHz
fIN=49MHz
fIN=70MHz
有効ビット数
fIN=10MHz
fIN=40MHz
fIN=49MHz
fIN=70MHz
2次および3次高調波歪み
fIN=10MHz
fIN=40MHz
fIN=49MHz
fIN=70MHz
最悪高調波またはスプリアス
(2次および3次を除く)
fIN=10MHz
fIN=40MHz
fIN=49MHz
fIN=70MHz
2トーン・相互変調歪み(IMD)
fIN1=23.9MHz、fIN2=30.3MHz
fIN1=70.3MHz、fIN2=71.3MHz
温度
テスト・
レベル
AD9432BST-80
Min
Typ Max
AD9432BST-105
Min
Typ
Max
65.5
+25℃
+25℃
+25℃
+25℃
I
I
I
I
65.5
65
+25℃
+25℃
+25℃
+25℃
I
I
I
I
65
64.5
+25℃
+25℃
+25℃
+25℃
I
I
I
I
+25℃
+25℃
+25℃
+25℃
I
I
I
I
−75
−73
+25℃
+25℃
+25℃
+25℃
I
I
I
I
−80
−80
+25℃
+25℃
V
V
67.5
67.2
67.0
66.1
67.2
66.9
66.7
65.8
64
65
63
11.0
10.9
10.9
10.7
85
85
83
80
−75
90
90
90
90
−80
−72
−80
−75
−66
単位
67.5
67.2
67.0
66.1
dB
dB
dB
dB
67.2
66.9
66.7
65.8
dB
dB
dB
dB
11.0
10.9
10.9
10.7
ビット
ビット
ビット
ビット
85
83
80
78
dBc
dBc
dBc
dBc
90
90
90
90
dBc
dBc
dBc
dBc
−75
−66
dBc
dBc
注
1 ゲイン誤差および温度係数はA/Dコンバータのみについてのものです(2.5V固定外部リファレンス使用)
2 tVおよびtPDはENCODE入力の遷移点からデジタル出力振幅の50%/50%までを測定したものです。テストにおけるデジタル出力負荷は、10pFのAC負荷または±40μAのDC電流を
超えません。立ち上がり/立ち下り時間は10∼90%の間で計測したものです。
3 消費電力は定格速度におけるエンコードおよびDCアナログ入力で計測したものです。
4 S/N比、高調波は、2Vのフルスケール入力範囲をリファレンスとした、アナログ入力電圧の−5dBFSに基づくものです。
仕様は予告なく変更されることがあります。
絶対最大定格*
注記
VDD ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+6V
* 上記の絶対最大定格を超えるストレスを加えると、デバイスに永久的な損傷を与え
ることがあります。この定格はストレス定格の規定のみを目的とするものであり、
この仕様の動作セクションに記載する規定値以上でのデバイス動作を定めたもので
はありません。デバイスを長期間絶対最大定格条件に置くと、デバイスの信頼度に
影響を与えることがあります。
VCC ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+6V
アナログ入力 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥−0.5∼VCC+0.5V
デジタル入力 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥−0.5∼VDD+0.5V
VREF IN‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥−0.5∼VCC+0.5V
オーダー・ガイド
デジタル出力電流 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20mA
モデル
動作温度 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥−55∼+125℃
保管温度 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥−65∼+150℃
温度範囲
52ピン・プラスチッ
AD9432BST-80、-105 −40∼+85℃
ク・クワッド・フラッ
ト・パック
(LQFP)
AD9432/PCB
+25℃
評価ボード
最大接合温度 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+175℃
最大ケース温度 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+150℃
注意
ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000Vもの高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯電し、
検知されることなく放電されることがあります。ADuC812には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高エネ
ルギーの静電放電を受けたデバイスには回復不可能な損傷が発生することがあります。このため、性能低下や機能
喪失を回避するために、適切なESD予防措置をとるようお奨めします。
REV.0
パッケージ
3
パッケージ・
オプション
ST-52
WARNING!
ESD SENSITIVE DEVICE
AD9432
テスト・レベルの解説
DNC
DNC
DNC
GND
VCC
けるサンプル・テスト。
III サンプル・テストのみ
VREFOUT
VREFIN
VCC
+25℃における100%製造テスト、および指定温度にお
GND
VCC
II
AIN
AIN
100%製造テスト
GND
ピン配置
I
52 51 50 49 48 47 46 45 44 43 42 41 40
IV 設計/特性テストによりパラメータ保証
GND
V
VCC 2
GND 3
パラメータは代表値のみ
VI +25℃における100%製造テスト、および工業温度範囲
1
DNC
GND
37 V CC
36 V CC
39
ピン1
目印
38
GND 4
VCC 5
における設計/特性テストにより保証
35
VCC 6
34
AD9432
ENCODE 7
ENCODE 8
33
上面図
32
(縮尺は異なります)
GND
GND
GND
V DD
DGND
D0 (LSB)
GND 9
31
VCC 10
GND 11
30
DGND 12
VDD 13
28
D1
D2
27
D3
29
D4
DGND
D5
V DD
V DD
D6
DGND
D8
D7
OR
(MSB) D11
D10
D9
14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26
ピン機能説明
ピン番号
記号
機能
1,3,4,9,11,33,34,35,38,43,48,51
GND
アナログ・グラウンド
2,5,6,10,36,37,44,47,52
VCC
アナログ電源(+5V)
7
ENCODE
ADC−補数へのエンコード・クロック
8
ENCODE
ADC−真値へのエンコード・クロック(エンコードの立ち上がり
14
OR
範囲外出力
15∼20,25∼30
D11∼6、D5∼0
デジタル出力
12,21,24,31
DGND
デジタル出力グラウンド
エッジでADCがサンプル処理)
13,22,23,32
VDD
デジタル出力電源(2.7∼3.6V)
39,40∼42
DNC
無接続
45
VREFIN
A/Dコンバータへのリファレンス入力(2.5V typ.)
46
VREFOUT
内部リファレンス出力(2.5V typ.)
、0.1μFのコンデンサでVCCに
49
AIN
アナログ入力−真値
50
AIN
アナログ入力−補数
バイパス
4
REV.0
AD9432
仕様の定義
電源除去比
入力オフセット電圧の変動の、電源電圧の変動に対する比。
アナログ帯域幅(小信号)
基本周波数(FFT解析によって決定)のスペクトル電力が
3dB減少する、アナログ入力周波数。
信号対ノイズ・パルス歪み(SINAD)
rms信号振幅(フルスケールの1dB下に設定)の、その他
アパーチャ遅延
アナログ入力がサンプル処理される時点と、ENCODEおよ
(高調波を含み直流分を除く)のスペクトル信号の合計の
びENCODEの差動交差点の間の遅延。
rms値に対する比。
アパーチャ不確定性(ジッター)
サンプル処理間におけるアパーチャ遅延の変動。
信号対ノイズ比(S/N比)
rms信号振幅(フルスケールの1dB下に設定)の、その他
(最初の5次までの高調波とDCを除く)のスペクトル信号の
微分非直線性
任意のコードについての、理想的な1LSBステップからの偏
合計のrms値に対する比。
差。
スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ(SFDR)
rms信号振幅のピーク・スプリアス・スペクトル成分の、
エンコード・パルス幅/デューティ・サイクル
パルス幅ハイは、定格の性能を達成するためにエンコー
rms値に対する比。ピーク・スプリアスは、高調波であるか
ド・パルスがロジック“1”の状態に保持されるべき最小の
またはdBFS(常にコンバータのフルスケールに関連づけら
時間。パルス幅ローは、エンコード・パルスがローの状態
れる)による表示が可能。
否かを問いません。dBc(信号レベルの低下とともに劣化)
に保持されるべき最小の時間。これらの仕様は、任意のク
ロックに対して受容可能なエンコード・デューティ・サイ
2トーン相互変調歪み除去
いずれかの入力トーンのrms値の、最悪時の3次相互変調出
クルを定義します。
力のrms値に対する比、dBcで表示。
積分非直線性
最小二乗誤差によって決定される「最良直線」を用いて
2トーンSFDR
いずれかの入力トーンのrms値の、ピーク・スプリアス成分
1LSB単位で計測された、基準線からの伝達関数の偏差。
のrms値に対する比。ピーク・スプリアス成分は、IMD出力
最小変換レート
最低のアナログ信号周波数におけるS/N比の劣化が、保証さ
であるか否かを問いません。dBc(信号レベルの低下ととも
れた限界から3dB以内となるエンコード・レート。
連づけられる)による表示が可能。
最大変換レート
パラメータのテストが行われるエンコード・レート。
最悪高調波
rms信号振幅の最悪ハーモニック成分の、rms値に対する比。
に劣化)またはdBFS(常にコンバータのフルスケールに関
dBcで表示。
出力伝達遅延
ENCODEとENCODEの差動交差点および、すべての出力デ
ータ・ビットが有効なロジック・レベルの範囲内となる時
間の間の遅延。
REV.0
5
AD9432
サンプル N
サンプル N–1
サンプル N+10
サンプル N+11
AIN
サンプル N+1
tA
t EH
ENCODE
サンプル N+9
t EL
1/fS
ENCODE
t PD
データ N–11
D11– D0
データ N–10
N–9
図1
N–2
データ N–1
tV
データ N
データ N + 1
タイミング図
V CC
V DD
VREFIN
デジタル出力
デジタル出力
図2
等価電圧リファレンス入力回路
図5
等価デジタル出力回路
V CC
V CC
Q1
NPN
5kΩ
5kΩ
7kΩ
7kΩ
AIN
VREFOUT
AIN
V REF 出力
図3
アナログ入力
等価電圧リファレンス出力回路
図6
等価アナログ入力回路
V CC
17kΩ
17kΩ
ENCODE
ENCODE
100Ω
100Ω
8kΩ
8kΩ
図4
等価エンコード入力回路
6
REV.0
AD9432
90
100
AIN = 10.3MHz
エンコード = 105MSPS
85
90
SFDR
80
80
dBc
dB
2次または3次 (–6.0dBFS)
75
70
70
60
S/N比
50
65
2次または3次 (–0.5dBFS)
SINAD
60
0
20
図7
S/N比/SINAD/SFDR 対 fS(fIN=10.3MHz)
40
60
80
100
エンコード – MSPS
120
140
40
160
2次または3次 (–3.0dBFS)
20
0
40
図10
100
–50
60
80
100 120 140
アナログ入力周波数 – MHz
180
200
高調波 対 fIN(fS=105MSPS)
エンコード = 105MSPS
AIN = 10.3MHz
–55
その他の最悪時 (–0.5dBFS)
90
–60
–65
80
その他の最悪時 (–6.0dBFS)
dBc
–70
dBc
160
–75
その他の最悪時 (–3.0dBFS)
70
–80
60
–85
3次
–90
–100
50
2次
–95
40
0
20
40
図8
60
80
100
エンコード – MSPS
120
140
160
高調波 対 fS(fIN=10.3MHz)
0
図11
40
60
80
100 120 140
アナログ入力周波数 – MHz
160
180
200
最悪時のスプリアス(2次および3次を除く)
対 fIN(fS=105MSPS)
0
70
エンコード = 105MSPS
–10
65
–20
–30
60
エンコード = 105MSPS
AIN = 10.3MHz (–0.53dBFS)
S/N比 = 67.32dB
SINAD = 67.07dB
SFDR = –80.32dBc
–40
–50
55
dB
SINAD (–3.0dBFS)
dB
20
SINAD (–6.0dBFS)
–60
–70
SINAD (–0.5dBFS)
50
–80
–90
–100
45
–110
40
0
20
図9
REV.0
40
60
80
100 120 140
アナログ入力周波数 – MHz
160
–120
180 200
サンプル
図12
SINAD 対 fIN(fS=105MSPS)
7
スペクトラム(fS=105MSPS、fIN=10.3MHz)
AD9432
0
0
–10
–20
–10
–20
AIN1 = 29.3MHz (–7dBFS)
AIN2 = 30.3MHz (–7dBFS)
エンコード = 105MSPS
–30
–40
–40
–50
–50
dBc
dB
–30
エンコード = 105MSPS
AIN = 27.0MHz (–0.52dBFS)
S/N比 = 67.3dB
SINAD = 67.0dB
SFDR = –83.1dBc
–60
–60
–70
–70
–80
–80
–90
–90
–100
–100
–110
–110
–120
–120
サンプル
サンプル
図13
スペクトラム(fS=105MSPS、fIN=27MHz)
図16
2トーン・スペクトラム広帯域
(fS=105MSPS、AIN1=29.3MHz、AIN2=30.3MHz)
0
0
–10
–20
–10
–20
AIN1 = 70.3MHz (–7dBFS)
AIN2 = 71.3MHz (–7dBFS)
エンコード = 105MSPS
–30
–40
–40
–50
–50
dBc
dB
–30
エンコード = 105MSPS
AIN = 40.9MHz (–0.56dBFS)
S/N比 = 67.2dB
SINAD = 66.9dB
SFDR = –80dBc
–60
–60
–70
–70
–80
–80
–90
–90
–100
–100
–110
–110
–120
–120
サンプル
サンプル
図14
スペクトラム(fS=105MSPS、fIN=40.9MHz)
図17
2トーン・スペクトラム、広帯域
(fS=105MSPS、AIN1=70.3MHz、AIN2=71.3MHz)
110
0
–20
–30
100
最悪事スプリアス―dBcおよびdBFS
–10
エンコード = 105MSPS
AIN = 50.3MHz (–0.46dBFS)
S/N比 = 67.0dB
SINAD = 66.7dB
SFDR = –80dBc
–40
dB
–50
–60
–70
–80
–90
–100
dBFS
90
80
70
エンコード= 105MSPS
AIN = 50.3MHz
60
50
dBc
40
30
20
10
–110
0
–80
–120
サンプル
–70
–60
–50
–40
–30
–20
–10
0
アナログ入力パワー・レベル – dBFS
図15
スペクトラム(fS=105MSPS、fIN=50.3MHz)
図18
8
シングル・トーンSFDR
REV.0
AD9432
3.0
1.00
0.75
0.50
2.5
電圧 – V
LSB
0.25
0.00
–0.25
2.0
–0.50
–0.75
1.5
–1.00
0
DNL
図19
微分非直線性(fS=105MSPS)
図21
0.75
0.50
LSB
0.25
0.00
–0.25
–0.50
–0.75
–1.00
INL
REV.0
4
6
8
電流 – mA
1.00
図20
2
積分非直線性(fS=105MSPS)
9
電圧リファレンス出力 対 電流負荷
10
AD9432
概して、最もクリーンなクロック・ソースとなるのは、純
粋なサイン波を生成する水晶発振器です。この構成、また
は大まかに対称なクロック入力の場合は、入力をENCODE
にも供給されるリファレンス電圧に対してAC結合し、バイ
アスすることができます。これにより、リファレンス電圧
がエンコード信号について対称となります。
アプリケーション・ノート
動作原理
AD9432は、スイッチド・キャパシタ・アーキテクチャを採用
した、マルチビットのパイプライン・コンバータです。高速で
の動作に最適化されているので、ナイキスト周波数に近い領
域までフラットなダイナミック特性を示します。内蔵のキャ
リブレーション・フィードバック・ループは、キャパシタの値
を2048分の1の精度でシークエンスに応じて最適化します。
これにより、
DNL遷移誤差は0.25LSB以内に抑えられます。
デジタル出力
デジタル出力は、低消費電力の3.3V(2.7∼3.6V)
のTTL/DMOS
コンパチブルです。
AD9432の使用にあたって
ENCODE入力
高速のA/Dコンバータは、ユーザーの供給するサンプリン
グ・クロックの品質に非常に敏感です。トラック/ホールド
回路は本質的にはミキサーであり、クロックのあらゆるノイ
ズ、歪み、ジッターが、A/Dコンバータの出力における希望の
信号と合成されてしまいます。このため、AD9432のENCODE
入力は、細心の注意を以て設計されました。以上の理由から、
クロック・ソースについては相応の配慮を払うことを推奨し
ます。AD9432のENCODE入力は差動およびシングルエンド
の両方をサポートしており、
TLL/CMOSコンパチブルです。
ENCODE入力は、PECLレベルの信号(VIHDは最大3.5V)によ
る直接駆動ができないことに注意してください。PECLレベ
ルの信号は、図22に示すACカップリングによって簡単に入
力できます。回路中のMC10EL16を用いてエンコード入力
をドライブすることによって、良好な特性が得られます。
アナログ出力
AD9432へのアナログ入力は差動バッファです。入力バッファ
は、DCコモン・モード電圧を公称値の3Vに設定する内蔵の抵
抗分圧器によって自己バイアスされます(等価回路の項を参
照)。入力を差動でドライブすることによって、定格の特性を達
成できます。A/Dコンバータをシングルエンドでドライブすると、
特性が劣化します。最良のダイナミック特性を得るためには、
AINとAINのインピーダンスをマッチさせる必要があります。
入力がオーバー・ドライブの状態となった場合の損傷とデータの
破壊を防止するため、AD9432のアナログ入力部の設計には細
心の注意が払われています。公称入力範囲は2.0Vp-pです。
4.0
AIN
3.5
AD9432
0.1μF
ENCODE
PECL
GATE
3.0
ENCODE
510Ω
510Ω
0.1μF
AIN
2.5
GND
図22
ENCODE入力へのACカップリング
2.0
ENCODE電圧レベルの定義
シングルエンドおよび差動モードにおける、ENCODEおよ
びENCODEをドライブするための電圧レベルの定義を図23
に示します。
ENCODE入力
図24
電圧リファレンス
AD9432は、安定した高精度の2.5V電圧リファレンスを内蔵
しています(VREFOUT)
。
入力範囲は、AD9432に供給するリファレンス電圧を変化さ
せて調節できます。リファレンスを±5%に調整すれば、感
知される特性の劣化は生じません。A/Dコンバータのフルス
ケール範囲は、リファレンス電圧の変化に対して直線的に
比例します。
差動信号振幅(VID) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥500mV min,
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 750mV nom
ハイ差動入力電圧(VIHD)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3.5V max
ロー差動入力電圧(VILD)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0V min
コモン・モード入力(VICM)‥‥‥‥‥1.25V min, 1.6V nom
ハイ・シングルエンド電圧(VIHS)‥‥‥2V min∼3.5V max
ロー・シングルエンド電圧(VILS)‥‥‥0V min∼0.8V max
ENCODE
ENCODE
タイミング
AD9432は、ラッチされたデータ出力を10パイプライン遅延
で提供します。データ出力は、エンコード・コマンドの立ち上
がりエッジから1伝播遅延(tPD)経過後に利用可能となります
(図1参照)。出力データのラインの長さとこれらに接続され
る負荷は、AD9432の内部における過渡波形を減らすために、
最小に抑えるべきです。これらの過渡波形は、コンバータの
ダイナミック特性を低下させる場合があります。
AD9432の保証最低変換レートは、1MSPSです。1MSPSを下
回る内部クロック・レートはダイナミック特性を劣化させ
ることがあるので、入力クロック・レートが1MHzを下回ら
ないようにしてください。
V IHD
V ICM
V ID
V ILD
V IHS
ENCODE
0.1μF
図23
フルスケール・アナログ入力範囲
V ILS
差動およびシングルエンド入力レベル
10
REV.0
AD9432
出力コーディング(VREF=+2.5V)
AIN∼ AIN (V)
コード
+2047
1.000
・
・
0
0
0000 0000 0000
−1
−0.00049
1111 1111 1111
S/N比
・
・
64
63
SINAD
62
・
・
・
・
−2048
65
0111 1111 1111
・
・
・
・
66
デジタル出力
dB
表I.
−1.000
61
1000 0000 0000
60
0
20
40
60
AIN MHz
AD8138を使ってAD9432をドライブする場合
当社の新しい差動出力オペアンプAD8138を、DCカップリ
図26
S/N比およびSINADの測定結果(エンコード=105MSPS)
ングされたアプリケーションでのAD9432のドライブに使用
できます。AD8138はA/Dコンバータのドライバ・アプリケ
ーションに特化して設計されており、30MHzまでのアナロ
グ周波数で優れたS/N比を保持します。オペアンプAD8138
–70
は、シングルエンドから差動への変換を行い、また、ACア
プリケーションにおけるトランスによるカップリングを、
H2
ローコストで実現できます。
図25の回路はブレッドボードによって構成されており、そ
–80
dB
の特性の測定結果は図26および27に示されています。示さ
れた数値はAD8138を±5V電源で動作させており、単電源
5V動作の場合には、特性が1∼2dB程度低下します。
H3
–90
図26は、エンコード・レート105MSPSにおいて、周波数2∼
40MHz間での−1dBFSのアナログ入力に対するS/N比および
SINADを示したものです。測定は室温で、公称条件によっ
–100
て行われました。図27は、同じ条件における2次および3次
の高調波歪みを示したものです。
図27
能であり、AD9432の入力が必要とする3Vのコモン・モード
電圧を供給できます。
500Ω
AD9432
10pF
50Ω
AIN
500Ω
AD8138
50Ω
22pF
50Ω
AIN
Vocm
+5
500Ω
25Ω
500Ω
図25
REV.0
10pF
20
40
60
AIN MHz
AD8138の出力コモンモード電圧は、入力VOCM経由で調節可
VIN
0
2kΩ
3kΩ
0.1μF
AD8138/AD9432の概略図
11
2次および3次高調波の測定結果(エンコード=105MSPS)
AD9432
外形寸法
D4169-2.7-2/00,1A
サイズはインチと(mm)で示します。
52ピン・プラスチック・クワッド・フラットパック(LQFP)
(ST-52)
0.063 (1.60)
MAX
0.472 (12.00) SQ
0.030 (0.75)
0.018 (0.45)
39
27
40
26
実装面
0.394
(10.0)
SQ
上面図
(ピンは下部)
14
52
0.006 (0.15)
0.002 (0.05)
13
0.026 (0.65)
BSC
0.015 (0.38)
0.009 (0.22)
PRINTED IN JAPAN
0.057 (1.45)
1
このデータシートはエコマーク認定の再生紙を使用しています。
12
REV.0