日本語版

超高速SiGe
電圧コンパレータ
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
機能ブロック図
特長
伝搬遅延:180ps
オーバードライブおよびスルーレートによる
ディスパーション:15ps
入力立上がり時間等価帯域幅:8GHz
最小パルス幅:100ps
出力立上がり/立下がり時間:37ps(typ値)
確定ジッタ(DJ):10ps
ランダム・ジッタ(RJ):200fs
入力電圧範囲:−2∼+3V(±5V電源使用時)
両入力ピンに終端抵抗内蔵
抵抗プログラマブルなヒステリシス
差動ラッチ信号制御
電源電圧変動除去比:70dB超
V TP 終端
V P 非反転入力
ADCMP580/
ADCMP581/
ADCMP582
Q出力
CML/ECL/
PECL
Q出力
V N 反転入力
LE入力
HYS
LE入力
04672-001
V TN 終端
図1
アプリケーション
自動試験装置(ATE)
高速計測器
パルス分光法
医療用画像処理と診断
高速ライン・レシーバ
スレッショールド検出
ピークおよびゼロクロス検出器
高速トリガ回路
クロックおよびデータ再生
概要
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582は、アナログ・デバイセ
ズ独自の XFCB3 シリコン・ゲルマニウム( SiGe )バイポー
ラ・プロセスで製造された超高速の電圧コンパレータです。
ADCMP580はCML出力ドライバ、ADCMP581は振幅の小さ
いECL(負のECL)出力ドライバ、ADCMP582は振幅の小さ
いPECL(正のECL)出力ドライバになっています。
これら3つのコンパレータは、180psの伝播遅延と100psの最小
パルス幅性能によって、 200fs のランダム・ジッタ( RJ )で
10Gbps の動作を可能にします。オーバードライブおよびス
ルーレートによるディスパーションの代表値は、 15ps 未満で
す。
CML出力段は、50Ωで終端した伝送ラインに400mVを直接駆
動できる設計となっています。 ECL 出力段は、− 2V に終端し
た50Ωに400mVを、PECL出力段はVCCO−2Vに終端した50Ω
に400mVを直接駆動するように設計されています。高速ラッチ
とプログラム可能なヒステリシス機能も搭載されています。差
動ラッチ入力制御も50Ωで終端されており、独立したVTTピン
でCML/ECL/PECLロジックのいずれかとインターフェースす
ることが可能となっています。
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582 は、いずれも 16 ピン
LFCSPパッケージを採用しています。
±5Vの電源電圧は−2∼+3Vの広い入力範囲と、ロジック・レ
ベルでの CML/ECL/PECL 出力を可能にします。入力には
50Ωの終端抵抗が内蔵されており、高インピーダンス入力を必
要とするアプリケーションでは、(個々のピンごとに)開放し
て使用することも可能です。
REV. 0
アナログ・デバイセズ株式会社
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ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
目次
電源/グラウンドのレイアウトとバイパス. . . . . . . . . . . . . 11
ADCMP58xファミリーの出力段. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11
ラッチ機能の使用とディスエーブル. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11
高速性能の最適化. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12
コンパレータの伝搬遅延ディスパーション. . . . . . . . . . . . . 12
コンパレータのヒステリシス. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13
最小入力スルーレート条件. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13
外形寸法 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14
オーダー・ガイド. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14
仕様 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3
タイミング特性 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
絶対最大定格 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6
熱に関する注意事項. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6
ESDに関する注意 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6
ピン配置と機能の説明 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
代表的な性能特性 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8
代表的なアプリケーション回路 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10
アプリケーション情報 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11
改訂履歴
7/05―Revision 0: Initial Version
―2―
REV. 0
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
仕様
特に指定のない限り、VCCI=+5.0V、VEE=−5.0V、VCCO=+3.3V、TA=25℃。
表1
パラメータ
記号
条件
Min
Typ
Max
単位
−2.0
+3.0
−2.0
+2.0
10
15
30.0
50
2
±5.0
47∼53
50
500
48
60
1
V
V
mV
µV/°C
µA
nA/°C
µA
Ω
kΩ
kΩ
dB
dB
mV
47∼53
175
100
Ω
ps
ps
DC入力特性
入力電圧範囲
VP、VN
入力差動電圧範囲
入力オフセット電圧
オフセット電圧温度係数
入力バイアス電流
入力バイアス電流温度係数
VOS
ΔVOS/dT
IP、IN
ΔIB/dT
−10.0
オープン終端
入力オフセット電流
入力抵抗
入力抵抗(差動モード)
オープン終端
入力抵抗(同相モード)
アクティブ・ゲイン
同相ノイズ除去
オープン終端
AV
CMRR
ヒステリシス
VCM=−2.0∼+3.0V
RHYS=∞
±4
+10.0
ラッチ・イネーブル特性
ラッチ・イネーブル入力インピーダンス ZIN
ラッチから出力までの遅延
ラッチ最小パルス幅
各ピン、ACグラウンドでのVTT
tPLOH、tPLOL VOD=200mV
tPL
VOD=200mV
ADCMP580(CML)
−0.8
0.2
ラッチ・イネーブル入力範囲
ラッチ・イネーブル入力差動
ラッチ・セットアップ時間
ラッチ・ホールド時間
tS
tH
VOD=200mV
VOD=200mV
0.4
95
−90
0
0.5
V
V
ps
ps
+0.8
0.5
V
V
ps
ps
ADCMP581(NECL)
−1.8
0.2
ラッチ・イネーブル入力範囲
VOD=200mV
VOD=200mV
0.4
70
−65
VOD=200mV
VOD=200mV
VCCO−1.8
0.2
0.4
30
−25
ラッチ・イネーブル入力差動
ラッチ・セットアップ時間
ラッチ・ホールド時間
tS
tH
ADCMP582(PECL)
ラッチ・イネーブル入力範囲
ラッチ・イネーブル入力差動
ラッチ・セットアップ時間
ラッチ・ホールド時間
tS
tH
VCCO−0.8 V
0.5
V
ps
ps
DC出力特性
ADCMP580(CML)
出力インピーダンス
出力ハイレベル電圧
出力ローレベル電圧
ZOUT
VOH
VOL
出力差動電圧
340
50
0
−0.40
395
0.03
−0.35
450
−0.99
−0.87
−0.75
−1.06
−0.94
−0.82
−1.11
−0.99
−0.87
−1.43
−1.26
−1.13
−1.50
−1.33
−1.20
−1.55
−1.38
−1.25
340
395
450
50Ω∼GND
50Ω∼GND
5Ω∼GND
−0.10
50Ω∼−2V、TA=125°C
50Ω∼−2V、TA=25°C
50Ω∼−2V、TA=−55°C
50Ω∼−2V、TA=125°C
50Ω∼−2V、TA=25°C
50Ω∼−2V、TA=−55°C
50Ω∼−2.0V
−0.50
Ω
V
V
mV
ADCMP581(ECL)
出力ハイレベル電圧
出力ハイレベル電圧
出力ハイレベル電圧
出力ローレベル電圧
出力ローレベル電圧
出力ローレベル電圧
出力差動電圧
REV. 0
VOH
VOH
VOH
VOL
VOL
VOL
―3―
V
V
V
V
V
V
mV
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
記号
条件
Min
Typ
Max
単位
VOH
VOH
VOH
VOL
VOL
VOL
Vcco=3.3V
50Ω∼Vcco−2V、TA=125°C
50Ω∼Vcco−2V、TA=25°C
50Ω∼Vcco−2V、TA=−55°C
50Ω∼Vcco−2V、TA=125°C
50Ω∼Vcco−2V、TA=25°C
50Ω∼Vcco−2V、TA=−55°C
50Ω∼Vcco−2.0V
VCCO−0.99
VCCO−1.06
VCCO−1.11
VCCO−1.43
VCCO−1.50
VCCO−1.55
340
VCCO−0.87
VCCO−0.94
VCCO−0.99
VCCO−1.26
VCCO−1.33
VCCO−1.35
395
VCCO−0.75
VCCO−0.82
VCCO−0.87
VCCO−1.13
VCCO−1.20
VCCO−1.25
450
V
V
V
V
V
V
mV
伝搬遅延
tPD
VOD=500 mV
伝搬遅延温度係数
ΔtPD/dT
パラメータ
ADCMP582(PECL)
出力ハイレベル電圧
出力ハイレベル電圧
出力ハイレベル電圧
出力ローレベル電圧
出力ローレベル電圧
出力ローレベル電圧
出力差動電圧
AC性能
伝搬遅延スキュー
(立上がりと立下がりの差)
VOD=500 mV、5V/ns
180
0.25
10
オーバードライブ・
ディスパーション
50mV<VOD<1.0V
10mV<VOD<200mV
2V/ns∼10V/ns
10
15
15
ps
ps
ps
100ps∼5ns
1.0V/ns、15MHz、VCM=0.0V
15
10
ps
ps
VOD=0.2V、−2V<VCM<3V
0.0V∼400mV入力
tR=tF=25ps、20/80
>50%出力振幅
VOD=500mV、5V/ns
PRBS31−1NRZ、5Gbps
VOD=200 mV、5V/ns
PRBS31−1NRZ、10Gbps
VOD=200mV、5V/ns、1.25GHz
ΔtPD<5ps
ΔtPD<10ps
20/80
5
ps/V
8
12.5
GHz
Gbps
15
ps
25
0.2
100
80
37
ps
ps
ps
ps
ps
スルーレート・
ディスパーション
パルス幅ディスパーション
デューティーサイクル・
ディスパーション(5∼95%)
同相ディスパーション
等価入力帯域幅1
BWEQ
トグル・レート
確定ジッタ
DJ
確定ジッタ
DJ
RMSランダム・ジッタ
最小パルス幅
最小パルス幅
立上がり/立下がり時間
RJ
PWMIN
PWMIN
tR、tF
ps
ps/°C
ps
電源
正側電源電圧
負側電源電圧
VCCI
VEE
+4.5
+5.0
+5.5
−5.5
−5.0
−4.5
6
8
−40
−34
230
260
6
8
−25
−19
155
200
+3.3
6
44
−25
310
−75
−60
−75
+5.0
8
55
−19
350
V
V
ADCMP580(CML)
正側電源電流
負側電源電流
消費電力
IVCCI
IVEE
PD
VCCI=+5.0V、50Ω∼GND
VEE=−5.0V、50Ω∼GND
50Ω∼GND
−50
IVCCI
IVEE
PD
VCCI=+5.0V、50Ω∼−2V
VEE=−5.0V、50Ω∼−2V
50Ω∼−2V
−35
mA
mA
mW
ADCMP581(ECL)
正側電源電流
負側電源電流
消費電力
mA
mA
mW
ADCMP582(PECL)
VCCO
IVCCI
出力電源電流
IVCCO
負側電源電流
IVEE
消費電力
PD
電源電圧変動除去比(VCCI) PSRVCCI
電源電圧変動除去比(VEE) PSRVEE
電源電圧変動除去比(VCCO) PSRVCCO
+2.5
ロジック電源電圧
入力電源電流
1
VCCI=+5.0V、50Ω∼VCCO−2V
VCCO=+5.0V、50Ω∼VCCO−2V
VEE=−5.0V、50Ω∼VCCO−2V
50Ω∼VCCO−2V
VCCI=5.0V+5%
VEE=−5.0V+5%
VCCO=3.3V+5% (ADCMP582)
−35
V
mA
mA
mA
mW
dB
dB
dB
入力等価帯域幅では、簡単な一次入力応答を想定しており、BWEQ=0.22/(trCOMP2−trIN2)の式で計算しています。ここで、trINはコンパレータ入力に適用される準
ガウス入力エッジの20/80遷移時間であり、trCOMPはコンパレータによってデジタル化される実効遷移時間です。
―4―
REV. 0
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
タイミング特性
図2は、ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582の比較とラッチのタイミング関係を示します。表2は、図中で使用した用語の定義です。
LE
50%
LE
tS
tPL
tH
差動入力電圧
VN
VN ± VOS
VOD
tPDL
tPLOH
Q出力
50%
tF
tPDH
tPLOL
tR
図2.
表2.
04672-028
50%
Q出力
コンパレータのタイミング図
タイミングの説明
記号
タイミング
説明
tPDH
入力から出力ハイレベルまでの遅延
入力信号が基準レベル(±入力オフセット電圧)を交差した時点
から、出力がローレベルからハイレベルの50%ポイントに遷移す
るまでを測定した伝播遅延です。
tPDL
入力から出力ローレベルまでの遅延
入力信号が基準レベル(±入力オフセット電圧)を交差した時点
から、出力がハイレベルからローレベルの50%ポイントに遷移す
るまでを測定した伝播遅延です。
tPLOH
ラッチ・イネーブルから出力ハイレベルまでの遅延
ラッチ・イネーブル信号がローレベルからハイレベルに遷移する
50%ポイントから、出力がローレベルからハイレベルに遷移する
50%ポイントまでを測定した伝播遅延です。
tPLOL
ラッチ・イネーブルから出力ローレベルまでの遅延
ラッチ・イネーブル信号がローレベルからハイレベルに遷移する
50%ポイントから、出力がハイレベルからローレベルに遷移する
50%ポイントまでを測定した伝播遅延です。
tH
最小ホールド時間
ラッチ・イネーブル信号がローレベルに遷移した後で、収集する
入力信号が変化することのないように維持し、これを出力で保持
しなければならない最小時間です。
tPL
最小ラッチ・イネーブル・パルス幅
入力信号の変化を取り込むために、ラッチ・イネーブル信号をハ
イレベルに保持しなければならない最小時間です。
tS
最小セットアップ時間
ラッチ・イネーブル信号がローレベルに遷移する前に、収集する
入力信号が変化し、これを出力で保持しなければならない最小時
間です。
tR
出力立上がり時間
出力がローレベルからハイレベルに遷移する場合、20%および
80%ポイントで測定した所要時間です。
tF
出力立下がり時間
出力がハイレベルからローレベルに遷移する場合、20%および
80%ポイントで測定した所要時間です。
VN
正常入力電圧
出力が真の場合の入力電圧VPとVNの差です。
VOD
電圧オーバードライブ
出力が偽の場合の入力電圧VPとVNの差です。
REV. 0
―5―
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
絶対最大定格
表3
正側電源電圧
(GNDに対するVCCI)
−0.5∼+6.0V
負側電源電圧
(GNDに対するVEE)
−6.0∼+0.5V
左記の絶対最大定格を超えるストレスを加えると、デバイスに
恒久的な損傷を与えることがあります。この規定はストレス定
格のみを指定するものであり、この仕様の動作セクションに記
載する規定値以上でのデバイス動作を定めたものではありませ
ん。デバイスを長時間絶対最大定格状態に置くと、デバイスの
信頼性に影響を与えることがあります。
ロジック電源電圧
(GNDに対するVCCO)
−0.5∼+6.0V
熱に関する注意事項
入力電圧
−3.0∼+4.0V
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582 の 16 ピン LFCSP パッ
ケージのθJA(ジャンクション部と周囲間の熱抵抗値)は、自
然空冷で70℃/Wです。
差動入力電圧
−2∼+2V
入力電圧
(ラッチ・イネーブル)
−2.5∼+5.5V
パラメータ
定格値
電源電圧
入力電圧
ヒステリシス制御ピン
印加電圧
(VEEに対するHYS)
−5.5∼+0.5V
最大入出力電流
1mA
出力電流
ADCMP580(CML)
ADCMP581(ECL)
ADCMP582(PECL)
−25mA
−40mA
−40mA
温度
動作温度(周囲)
−40∼+125°C
動作温度(ジャンクション) 125°C
保存温度範囲
−65∼+150°C
注意
ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。人体や試験機器には4000Vもの高圧の
静電気が容易に蓄積され、検知されないまま放電されることがあります。本製品は当社独自の
ESD保護回路を内蔵してはいますが、デバイスが高エネルギーの静電放電を被った場合、回復
不能の損傷を生じる可能性があります。したがって、性能劣化や機能低下を防止するため、
ESDに対する適切な予防措置を講じることをお勧めします。
―6―
REV. 0
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
図3.
表4.
ADCMP580のピン配置
図4.
VTN 4
ADCMP581のピン配置
図5.
14 HYS
13 VEE
ADCMP582
上面図
(実寸ではありません)
11 Q
10 Q
9 VCCO
04672-004
9 GND
15 GND
16 VCCI
VN 3
VTT 8
(実寸ではありません)
LE 7
VTN 4
LE 6
9 GND
10 Q
12 VCCO
VTT 8
上面図
VP 2
LE 7
ADCMP581
VN 3
11 Q
1番ピン
識別マーク
LE 6
10 Q
VTP 1
VCCI 5
VP 2
12 GND
04672-003
14 HYS
13 VEE
15 GND
16 VCCI
11 Q
VCCI 5
(実寸ではありません)
1番ピン
識別マーク
VTP 1
04672-002
14 HYS
13 VEE
上面図
VCCI 5
VTN 4
ADCMP580
12 GND
VTT 8
VN 3
LE 7
VP 2
1番ピン
識別マーク
LE 6
VTP 1
15 GND
16 VCCI
ピン配置と機能の説明
ADCMP582のピン配置
ピン機能の説明
ピン番号
記号
機能
1
VTP
VP入力用の終端抵抗リターン・ピン
2
VP
非反転アナログ入力
3
VN
反転アナログ入力
4
VTN
VN入力用の終端抵抗リターン・ピン
5、16
VCCI
正側電源電圧
LE
ラッチ・イネーブル入力ピン(反転側)。比較モード(
LE=ローレベル)では、出力はコンパレータ
___
の入力変動をトラッキングします。ラッチ・モード(LE=ハイレベル)では、出力はコンパレータが
___
ラッチ・モードに設定される直前の入力状態を反映します。LEはLEとともに駆動する必要がありま
す。
7
LE
ラッチ・イネーブル入力ピン(非反転側)。比較モード(LE=ハイレベル)では、出力はコンパレー
タの入力変動をトラッキングします。ラッチ・モード(LE=ローレベル)では、出力はコンパレータ
___
がラッチ・モードに設定される直前の入力状態を反映します。LEはLEとともに駆動する必要がありま
す。
8
VTT
LE/LE入力ピン用の終端リターン・ピン
ADCMP580(CML出力段)では、このピンをGNDグラウンドに接続します。
ADCMP581(ECL出力段)では、このピンを−2Vの終端電位に接続します。
ADCMP582(PECL出力段)では、このピンをVCCO−2Vの終端電位に接続します。
9、12
GND/VCCO
デジタル・グラウンド・ピン/正ロジック電源端子
ADCMP580/ADCMP581では、このピンをGNDピンに接続します。
ADCMP582では、このピンを正ロジックVCCO電源に接続します。
10
Q
反転出力。非反転入力VPでのアナログ電圧が反転入力VNでのアナログ電圧より大きい場合は、
Qはロ
___
ジック・ローです(コンパレータが比較モードの場合)。詳細についてはLE/LEの説明(6番∼7番ピン)
を参照してください。
11
Q
非反転出力。非反転入力VPでのアナログ電圧が反転入力VNでのアナログ電圧より大きい場合は、
Qは
___
ロジック・ハイです(コンパレータが比較モードの場合)。詳細についてはLE/LEの説明(6番∼7番ピ
ン)を参照してください。
13
VEE
負側電源
14
HYS
ヒステリシス制御。ゼロ・ヒステリシスを実現するには、このピンを非接続にしておきます。希望す
るヒステリシス量を追加するには、適当なサイズの抵抗を用いて、このピンをVEE電源に接続します。
HYSヒステリシス制御抵抗の適切なサイズについては、図9を参照してください。
15
GND
アナログ・グラウンド
ヒート・
シンク
パドル
N/C
パッケージの金属裏面は、回路のどの部分にも電気的に接続されていません。これを開放しておくと、
パッケージ・ハンドルとダイのサブストレートの間で最適な電気的分離が得られます。熱的/機械的
な安定性を改善したい場合は、アプリケーション・ボードにハンダ付けしてください。
6
REV. 0
___
_
___
___
―7―
__
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
代表的な性能特性
特に指定のない限り、VCCI=+5.0V、VEE=−5.0V、VCCO=+3.3V、TA=25℃。
80
12
70
10
60
ヒステリシス(mV)
バイアス電流(µA)
VIN同相バイアス掃引
8
6
4
50
40
30
20
2
0
–4
–2
0
2
04672-009
04672-005
10
0
0
4
10
100
図6.
1k
10k
抵抗(Ω)
同相電圧(V)
図9.
同相電圧 対 バイアス電流
–0.8
RHYS制御抵抗 対 ヒステリシス
2.5
温度出力 対 VOH(ECL)
–0.9
2.4
温度出力 対 VOH(PECL)
–1.0
出力(V)
出力(V)
2.3
–1.1
–1.2
2.2
2.1
温度出力 対 VOL(ECL)
–1.3
04672-007
–1.5
–55
–5
45
温度出力 対 VOL(PECL)
1.9
–55
145
95
–5
45
温度(℃)
温度(℃)
図7.
04672-010
2.0
–1.4
ADCMP581の出力電圧の温度特性
図10.
80
8
70
7
60
6
95
145
ADCMP582の出力電圧の温度特性
オフセット(mV)
50
40
30
5
4
3
25 C同相オフセット掃引
20
2
10
1
0
0
100
200
300
400
500
04672-011
‒55 C同相オフセット掃引
04672-008
ヒステリシス(mV)
125 C同相オフセット掃引
0
–2
600
0
‒IHYST(µA)
図8.
2
4
同相電圧(V)
−IHYST 対 ヒステリシス
図11.
―8―
代表的な同相電圧 対 VOS
REV. 0
5
45
4
43
3
41
2
39
TR/TF(ps)
1
0
–1
37
35
33
31
–2
LOT2 CHAR1立上がり
LOT2 CHAR1立下がり
LOT3 CHAR1立上がり
LOT3 CHAR1立下がり
–4
–5
–2
–1
QBAR立上がり
Q立上がり
QBAR立下がり
Q立下がり
29
04672-031
–3
0
1
2
27
25
–55
3
–35
–15
25
45
65
85
105
125
温度(℃)
VCM (V)
図12.
5
04672-033
TPD 誤差(ps)
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
同相電圧 対 ADCMP580の伝搬遅延
図15.
ADCMP581のTR/TFの温度特性
500mV
M1
M1
M1
500mV
図13. ADCMP580のアイ・ダイアグラム
(7.5Gbps)
図16. ADCMP582のアイ・ダイアグラム
(2.5Gbps)
18
16
12
10
8
6
ODディスパーションの
立下がり
ODディスパーションの
立上がり
2
04672-032
ディスパーション(ps)
14
4
0
0
50
100
150
200
250
オーバードライブ(mV)
図14.
REV. 0
20ps/DIV
オーバードライブ 対 ディスパーション
―9―
04672-030
04672-029
M1
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
代表的なアプリケーション回路
GND
VTP
VIN
50Ω
50Ω
VP
VN
VP
Q
VN
ADCMP580
CML
ADCMP580
Q
04672-020
1.5kΩ
ラッチ
入力
図17.
50Ω
50Ω
04672-025
VTN
VEE
CML出力を持つゼロクロス検出器
図21. ラッチ機能のディスエーブル
(ADCMP580)
VTP
VN
Q
VP
ADCMP581
VN
Q
VTN
50Ω
VTT
VEE
図18. 50Ωのバック終端(RS)ECLレシーバ
へのLVDS
図22. ラッチ機能のディスエーブル
(ADCMP581)
VP
ADCMP580
VN
HYS
50Ω
50Ω
VEE
図19.
ADCMP582
1kΩ
04672-026
0 ∼5kΩ
50Ω
450Ω
04672-021
VTT
RSECL
50Ω
50Ω
ラッチ
入力
ADCMP581
04672-023
VN
RSPECL
50Ω
VTT
HYS制御によるヒステリシスの追加
50Ω
04672-027
VP
VP
図23. ラッチ機能のディスエーブル
(ADCMP582)
GND
50Ω
VIN
+
VTH
–
50Ω
Q
ADCMP580
ラッチ
入力
04672-022
Q
図20. −2∼+3Vの入力電圧範囲を持つコンパ
レータ
― 10 ―
REV. 0
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
アプリケーション情報
GND
50Ω
50Ω
電源/グラウンドのレイアウトとバイパス
ADCMP58xファミリーのコンパレータは、きわめて高速なア
プリケーション向けに設計されています。したがって、仕様規
定された性能を達成するには、高速設計技法を採用する必要が
あります。特に、負側電源(VEE)、出力電源プレーン(VCCO)、
グラウンド・プレーン( GND )に対しては、低インピーダン
スの電源プレーンを使用することがきわめて重要です。それぞ
れ独立した電源プレーンで多層ボードを構成することを推奨し
ます。スイッチング電流に最小インダクタンスのリターン・パ
スを提供することにより、ターゲット・アプリケーションで最
高の性能が保証されます。
Q
Q
VEE
図24.
CML出力段の簡略回路図(ADCMP580)
入出力電源を十分にバイパスすることも重要です。1µFの電解
型バイパス・コンデンサを、各電源ピンから数インチ以内に配
置してグラウンドと接続します。さらに、高品質の複数の
0.1µFバイパス・コンデンサをVEE、VCCI、VCCOの各電源ピンの
できるだけ近くに配置し、冗長ビアにより GND プレーンに接
続します。高周波バイパス・コンデンサの選択に際しては、最
小のインダクタンスと ESR が実現するように注意してくださ
い。高周波において最大のバイパス効率を達成するには、寄生
レイアウト・インダクタンスはあくまでも回避してください。
GND / Vcco
Q
仕様規定された伝搬遅延ディスパーション性能を達成するに
は、伝送ラインの適切な終端が必要です。ADCMP580ファミ
リー・コンパレータの出力は、適切なリターンを基準にして
50Ωで終端されたマイクロストリップ/ストリップライン伝送
ラインまたは50Ωケーブルに、400mVを直接駆動するように設
計されています。図 24 の簡略回路図に、 CML 出力段を示しま
す。最高の伝送ライン・マッチングが得られるように、各出力
は 5 0 Ω で バ ッ ク 終 端 さ れ て い ま す 。 図 2 5 に 、
ADCMP581/ADCMP582の出力を示します。これらの出力は、
ADCMP581のNECL出力では−2Vに、ADCMP582のPECL出
力では V CCO − 2V に、それぞれ終端してください。あるいは、
Thevenin等価の終端ネットワークを使用することもできます。
これらの高速信号を1cm以上ルーティングする必要がある場合
は、マイクロストリップまたはストリップラインの技術が必要
となります。これにより、適切な遷移時間を確保し、過度の出
力リンギングやパルス幅に依存する伝搬遅延ディスパーション
を防止します。
VEE
04672-015
Q
ADCMP58xファミリーの出力段
REV. 0
04672-014
16mA
図25. ECL/PECL出力段の簡略回路図
(ADCMP581/ADCMP582)
ラッチ機能の使用とディスエーブル
___
ラッチ入力( LE/LE )は、ラッチ・モードではアクティブ・
ローであり、50Ω抵抗によりVTTピンに内部的に終端されます。
ADCMP580を使用する場合、VTTをグラウンドに接続します。
ADCMP581を使用する場合はVTTを−2Vに接続し、
ADCMP582を使用する場合はVTTを(できれば専用の低インダ
クタンス・プレーンを使用して)V CCO −2V に外部的に接続し
ます。
ADCMP580/ADCMP582を使用し、ラッチ機能をディスエー
___
ブルにするには、外付けプルダウン抵抗によりLEピンをVEEに
接続し、LEピンは非接続にしておきます。過度の消費電力を防
止するには、ADCMP580では1.5kΩ、ADCMP582では1kΩの
抵抗を使用します。ADCMP581コンパレータを使用し、ラッ
チをディスエーブルにするには、外付けの
450Ω抵抗によりLE
___
ピンをGNDに接続し、LEピンは非接続にしておきます。この
方法では、内部抵抗を分圧器の半分として使用して、約0.5Vの
オフセットを発生させます。VTTピンは推奨の方法で接続して
ください。
― 11 ―
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
高速性能の最適化
コンパレータの伝搬遅延ディスパーション
他の高速コンパレータと同様、仕様性能を確実に引き出すには、
正しい設計とレイアウト技術を採用する必要があります。浮遊
容量、インダクタンス、誘導電力、グラウンド・インピーダン
ス、およびその他のレイアウト上の問題があると、性能が著し
く制限されて発振を生じることがあります。入出力伝送ライン
に沿って不連続性がある場合も、仕様規定されたパルス幅ディ
スパーション性能は著しく制限されることがあります。
ADCMP58xファミリーのコンパレータは、5∼500mVという
広い入力オーバードライブ範囲で伝搬遅延ディスパーションを
減らすように、特別に設計されています。伝搬遅延ディスパー
ションとは伝搬遅延の変動であり、オーバードライブやスルー
レートの変化(入力信号がスイッチング・スレッショールドを
超える程度や速度)に伴って生じます。こうした伝播遅延ディ
スパーションを減少させると、より高度なタイミング精度が得
られます。
伝搬遅延ディスパーションは、データ通信、自動試験/測定、
計測器などのタイミングが重視されるアプリケーションや、パ
ルス分光法、原子力計測、医療用画像処理などのイベント駆動
型アプリケーションにおいて重要になる仕様です。ディスパー
ションとは、入力オーバードライブ条件が変化するときの、全
体 的 な 伝 搬 遅 延 の 変 動 を い い ま す ( 図 2 6 と 図 2 7 を 参 照 )。
ADCMP58xファミリーのコンパレータでは、オーバードライ
ブが5mVから500mVまで変化し、入力スルーレートが1V/nsか
ら10V/nsまで変化する条件下で、ディスパーションは15ps未満
(typ 値)です。ADCMP58x ファミリーのコンパレータでは正
方向と負方向の入力の遅延時間がほぼ等しいため、この仕様は
正と負の両方の信号に適用できます。
高速動作を必要としても、50Ωの終端抵抗を内蔵していないア
プリケーションでは、いくらかの反射が予想されます。デバイ
スにつながる入力パターンに対して、コンパレータ入力が整合
インピーダンスを提供できなくなるからです。このため、複数
の反射を最小限に抑えるには、入力につながる入力送信パスに
対して駆動ソース・インピーダンスをバックマッチさせること
が重要になります。コンパレータが駆動信号源から1cm未満の
アプリケーションでは、ソース・インピーダンスを最小限に抑
えてください。高いソース・インピーダンスに加えて、コンパ
レータの寄生入力容量がある場合は、入力側の帯域幅に望まし
くない低下が生じて、全体的な応答が低下することがあります。
したがって、最適な高速性能を実現するには、駆動ソース・イ
ンピーダンスを50Ω以下にしてください。
500mVオーバードライブ
入力電圧
5mVオーバードライブ
VN ± VOS
ディス
パーション
Q/Q出力
図26.
04672-016
50Ω 環境でのアプリケーションでは、入出力のマッチングは、
データ依存型(または確定)ジッタ( DJ )とパルス幅ディス
パーション性能に大きな影響を与えます。ADCMP58xファミ
リーのコンパレータには、 V P 入力と V N 入力の両方に 50Ω の内
部終端抵抗が内蔵されています。各終端のリターン側では、そ
れぞれ V TP ピンと V TN ピンという、別々のピンを使用します。
VP/VN入力の一方または両方で50Ω終端が必要な場合は、希望
する終端電位との間で、VTPピンとVTNピンを適宜、接続(また
は接続解除)できます。終端リターン・パスでの寄生インダク
タンスによる入力信号上の不要な逸脱を防止するには、前述の
ようにセラミック・コンデンサを使用して、終端電位を慎重に
バイパスしてください。50Ω終端が望ましくない場合は、
VTP/VTN終端ピンの一方または両方を非接続にすることができ
ます。この場合のオープン・ピンは、外付けプルダウンやバイ
パス・コンデンサを使わずに開放しておきます。
伝搬遅延−オーバードライブ・ディスパーション
入力電圧
1V/ns
VN ± VOS
Q/Q出力
ディス
パーション
04672-017
10V/ns
図27. 伝搬遅延−スルーレート・ディスパーション
― 12 ―
REV. 0
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
コンパレータのヒステリシス
80
ノイズの多い環境や、差動入力が非常に小さいか動きが遅い場
合、コンパレータにヒステリシスを追加すると良い結果が得ら
れることがあります。図28に、ヒステリシスを持つコンパレー
タの伝達関数を示します。入力電圧が負の方向からスレッ
ショールドに近づく場合は、入力が+VH/2に達すると、コンパ
レータはローレベルからハイレベルに切り替わります。新しい
スイッチング・スレッショールドは、−VH/2になります。入力
電圧が正の方向から−VH/2のスレッショールドに達するまで、
コンパレータはハイレベル状態に留まります。このように、入
力電圧が±V H /2 の境界領域を超えない限り、0V の入力を中心
とするノイズによってコンパレータが状態を切り替えることは
ありません。
–VH
2
+VH
2
0V
入力
1
出力
図28.
04672-018
0
コンパレータのヒステリシス伝達関数
ADCMP58xファミリーのコンパレータにはヒステリシスをプ
ログラミングできる機能が備わっており、希望するヒステリシ
スの精度と安定性を大幅に改善できます。HYSピンからVEEま
でを外付けプルダウン抵抗で接続することにより、ヒステリシ
ス量を調整できます。HYSピンを非接続にしておくとこの機能
がディスエーブルになり、仕様規定によりヒステリシスは1mV
未満となります。この方法で加えられるヒステリシスの最大範
囲は、約±25mVです。
ヒステリシス(mV)
60
40
30
20
10
0
0
10
100
1k
10k
抵抗(Ω)
図29.
コンパレータのRHYS制御抵抗 対 ヒステリシス
最小入力スルーレート条件
多くの高速コンパレータと同様、入力信号がスレッショールド
を交差するときにデバイスが発振を起こさないようにするに
は、最小スルーレート条件を満たす必要があります。この発振
は、コンパレータの高い入力帯域幅とパッケージの帰還寄生成
分が一因となって発生します。ADCMP58xファミリーのコン
パレータでクリーンな出力遷移を保証するには、最小スルー
レートを50V/µsにしてください。
他の理由により、スルーレートが遅すぎることもあります。こ
れらのデバイスの帯域幅はきわめて高いため、入力スルーレー
トが低い場合は、ブロードバンド・ノイズが重要な要因となる
ことがあります。室温では2 つの50Ω 終端によってコンパレー
タの帯域幅の全域で120µVの熱ノイズが生成されます。わずか
50V/µsのスルーレートにより、入力は2ps以上にわたってこの
ノイズ帯域に収まるため、 200fs というコンパレータのジッタ
性能は無関係になります。入力信号のスルーレートを上げたり、
その抵抗が入力において認識される帯域幅を減らしたりする
と、ジッタを大幅に減らすことができます。このデバイスはこ
のように特性化されていませんが、低スルーレート・アプリ
ケーションでは、リファレンス入力をパッケージの近くにバイ
パスするだけで、ジッタを30%低減することができます。
図29に、加えられるヒステリシスの量と外付け抵抗値の関係を
示します。この方法でヒステリシスを加えることの利点は、精
度と安定性の向上、および部品数の削減です。外付けのバイパ
ス・コンデンサは、デバイスのジッタ性能を低下させることが
ありますが、HYSピンには不要です。
ヒステリシス・ピンは、電流源によって駆動されることもあり
ます。これは、 V E E よりも約 400mV 上にバイアスされ、約
600Ωの内部直列抵抗を持ちます。
REV. 0
50
04672-034
通常の方法でコンパレータにヒステリシスを発生させるには、
出力から入力への正の帰還を使用します。この方法の問題点は、
ヒステリシス量が出力ロジック・レベルに応じて変動するた
め、ヒステリシスがスレッショールドに対して対称でなくなる
ことです。また、外付け帰還回路によって著しい寄生容量が発
生し、高速性能が低下するだけでなく、場合によっては、全体
的な安定性に悪影響を及ぼすこともあります。
70
― 13 ―
ADCMP580/ADCMP581/ADCMP582
外形寸法
3.00
BSC SQ
0.60 MAX
13
12
0.45
上面図
2.75
BSC SQ
0.80 MAX
0.65 TYP
12° MAX
実装面
1
露出
パッド
0.50
BSC
0.90
0.85
0.80
16
1番ピン
識別マーク
*1.65
1.50 SQ
1.35
9
8
(底面図)
5
D04672-0-7/05(0)-J
1番ピン
識別マーク
0.50
0.40
0.30
4
0.25 MIN
1.50 REF
0.05 MAX
0.02 NOM
0.30
0.23
0.18
0.20 REF
*露出パッド寸法を除き、JEDEC規格MO-220-VEED-2に準拠
図30.
16ピン・リード・フレーム・チップ・スケール・パッケージ[LFCSP_VQ]
(CP-16-3)
寸法単位:mm
オーダー・ガイド
モデル
温度範囲
パッケージ
パッケージ・オプション
マーキング
ADCMP580BCP-WP
−40∼+125°C
16ピンLFCSP-VQ
CP-16-3
GO7
ADCMP580BCP−R2
−40∼+125°C
16ピンLFCSP-VQ
CP-16-3
GO7
ADCMP580BCP−RL7
−40∼+125°C
16ピンLFCSP-VQ
CP-16-3
GO7
ADCMP581BCP-WP
−40∼+125°C
16ピンLFCSP-VQ
CP-16-3
GO9
ADCMP581BCP−R2
−40∼+125°C
16ピンLFCSP-VQ
CP-16-3
GO9
ADCMP581BCP−RL7
−40∼+125°C
16ピンLFCSP-VQ
CP-16-3
GO9
ADCMP582BCP-WP
−40∼+125°C
16ピンLFCSP-VQ
CP-16-3
GOB
ADCMP582BCP-R2
−40∼+125°C
16ピンLFCSP-VQ
CP-16-3
GOB
ADCMP582BCP-RL7
−40∼+125°C
16ピンLFCSP-VQ
CP-16-3
GOB
EVAL-ADCMP580BCP
評価用ボード
EVAL-ADCMP581BCP
評価用ボード
EVAL-ADCMP582BCP
評価用ボード
― 14 ―
REV. 0