AN-1114

AN-1114
アプリケーション・ノート
5.6 nV/√Hz の電圧ノイズ密度を持つ最小ノイズのゼロ・ドリフト・アンプ
著者: Vicky Wong
はじめに
ADA4528-1 対従来型チョッパ・アンプ
センサーは一般に低い出力電圧を発生するため、高いゲインと
正確な DC 性能を持つシグナル・コンディショニング回路を必要
としますが、特に DC または低周波および低レベルの電圧測定
では、アンプのオフセット電圧、ドリフト、1/f ノイズによる誤
差が発生します。このため、オフセット電圧、ドリフトを小さ
くし、さらに 1/f ノイズをなくして最適なシグナル・コンディ
ショニングを実現することが不可欠です。極めて低いオフセッ
ト電圧とドリフト、高いオープン・ループ・ゲイン、高い電源
除去比、高い同相モード除去比、1/f ノイズなしを実現するよう
にデザインされたゼロ・ドリフト・アンプは、高精度アプリケ
ーションのデザインで大きなメリットを提供します。
従来、チョッパ・アンプではベースバンド・ノイズ(表 1 参照)
がかなり大きく、さらにチョッピング周波数が低くかったため、
用途はDCおよび 100 Hz以下のアプリケーションに限定されて
いました。アナログ・デバイセズは、広い有効帯域幅を持つチ
ョッパ・アンプを必要とするアプリケーション向けに、半導体
業界で現在提供している最も低いノイズを持つチョッパ・アン
プADA4528-1 の提供を開始しています。ADA4528-1 では、新し
いチョッピング技術(自動補正帰還ループ付き)を採用し、従来
型チョッパ・アンプのチョッピング周波数に比べて 5~10 倍の
チョッピング周波数を使用しています。
オート・ゼロ機能対チョッピング
ゼロ・ドリフト・アンプは名前が示すように、オフセット電圧
ドリフトがほぼゼロです。このアンプは DC 誤差を連続的に自
己補正するため、可能な限り正確になります。ゼロ・ドリフ
ト・アンプは、オート・ゼロ機能またはチョッピングの 2 つの
技術を使ってデザインすることができます。各技術にはそれぞ
れ利点と欠点があるため、異なるアプリケーションで使用され
ます。
オート・ゼロ機能ではサンプル・アンド・ホールド技術を使う
ので、ベースバンドに折り返されるノイズのために帯域内電圧
ノイズが増えます。これに対して、チョッピングでは信号の変
調と復調を使うので、ベースバンド・ノイズは比較的小さくな
りますが、チョッピング周波数とその高調波周波数でノイズ・
スペクトルが発生します。このため、チョッパ・アンプは DC
または低周波アプリケーションに適し、オート・ゼロ・アンプ
は比較的帯域の広いアプリケーションに適します。
チョッピング周波数= 200 kHz かつ超低電圧ノイズ密度= 5.6
nV/√Hz のこのデザイン・ブレークスルーにより、従来型チョッ
パ・アンプが使用できなかった広帯域のアプリケーションで
ADA4528-1 を 使 用 で き る よ う に な り ま し た 。 さ ら に 、
ADA4528-1 は 0.3 µV のオフセット電圧、0.002 µV/°C のオフセ
ット電圧ドリフト、158 dB の同相モード除去比、150 dB の電源
除去比を提供します。これらの仕様は、高ゲイン低ノイズの高
精度アプリケーションで低レベル信号の増幅を必要とするアプ
リケーションに最適です。このようなアプリケーションとして
は、高精度重量計、センサー・フロントエンド、ロード・セルと
ブリッジ・トランスジューサ、熱電対センサーのインターフェ
ース、医用計装などがあります。
アナログ・デバイセズ社は、提供する情報が正確で信頼できるものであることを期していますが、その情報の利用に関して、あるいは利用によって
生じる第三者の特許やその他の権利の侵害に関して一切の責任を負いません。また、アナログ・デバイセズ社の特許または特許の権利の使用を明示
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Rev. A
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本
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AN-1114
アプリケーション・ノート
目次
はじめに..............................................................................................1
広帯域ノイズと外部ソース抵抗の考慮事項 ...............................4
オート・ゼロ機能対チョッピング...................................................1
出力換算ノイズ成分の計算...........................................................5
ADA4528-1 対従来型チョッパ・アンプ..........................................1
電圧リップル ..................................................................................6
改訂履歴..............................................................................................2
計装アンプとしてのADA4528-1.......................................................7
ADA4528-1 チョッパのアーキテクチャ..........................................3
結論......................................................................................................8
ノイズ特性..........................................................................................4
1/fノイズ ........................................................................................4
改訂履歴
5/11—Rev. 0 to Rev. A
Added ADA4528-1 vs. Traditional Chopper Amplifiers
Section..................................................................................................1
Changes to Figure 11 ............................................................................7
4/11—Revision 0: Initial Version
Rev. A
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アプリケーション・ノート
ADA4528-1チョッパのアーキテクチャ
ADA4528-1 は、チョッパ・アンプのオフセット関連リップルを
抑える特許取得済みの新しい技術を採用しています。この技術
は、AC領域でリップルをフィルタで除去する他のチョッパ技術
とは異なり、DC領域でアンプの初期オフセットをゼロにします。
ADA4528-1 は自動補正帰還(ACFB)と呼ばれるローカル帰還ルー
プを使ってオフセットをゼロにするため、出力全体でリップル
を防止します。
C2
さらに、CHOP3 は CHOP2 出力の所望のベースバンド信号をチ
ョッピング周波数へ変調します。クロック周波数と同期してい
るノッチ・フィルタは、チョッピング周波数の信号(したがって
変調された成分)をフィルタ処理します。このため、ACFB ルー
プは所望の入力ベースバンド信号を乱すことなく、不要なオフ
セット電圧と 1/f ノイズを選択的に除去します。
Gm3
CHOP2
Gm1
Gm2
OUT
IN–
NULL–
C3
NULL+
NF
C1
CHOP3
Gm4
高周波フィード・フォワード・パスは、チョッピング周波数付
近またはそれ以上の高周波入力信号を増幅するように機能しま
す。また、ACFBループにより発生した位相シフトをバイパス
します。この結果、ADA4528-1 は−20 dB/ディケードの標準ゲイ
ン・ロールオフと 4 MHzのユニティ・ゲイン帯域幅を持つことに
なります(図 2 参照)。この高い帯域幅により、ADA4528-1 は最
小ゲイン誤差に対して十分なループ・ゲインを持つ高ゲインに
設定することができます。
ACFB
09798-001
Gm5
図 1.アンプのブロック図
OPEN-LOOP GAIN (dB)
PHASE
90
90
60
45
GAIN
–30
1k
- 3/8 -
0
30
0
入力ベースバンド信号は、最初に CHOP1 により変調されます。
次に、CHOP2 が入力信号を復調し、Gm1 の初期オフセットと
1/f ノイズをチョッピング周波数へ変調します。次に、ACFB ル
Rev. A
135
120
図 1 に、ADA4528-1 アンプのブロック図を示します。このアン
プは、自動補正帰還(ACFB)を持つ高いDCゲイン・パスと高周
波フィード・フォワード・パスの並列で構成されています。
高いDCゲイン・パスは、入力チョッピング・スイッチ回路
(CHOP1)、初段の相互コンダクタンス・アンプ(Gm1)、出力チョ
ッピング・スイッチ回路(CHOP2)、2 番目と 3 番目の相互コンダ
クタンス・アンプ(Gm2 とGm3)から構成されています。ACFBル
ープには、4 番目の相互コンダクタンス・アンプ(Gm4)、チョッ
ピング・スイッチ回路(CHOP3)、スイッチド・キャパシタ・ノ
ッチ・フィルタ(NF)が含まれています。最後に、高周波フィー
ド・フォワード・パスは 5 番目の相互コンダクタンス・アンプ
(Gm5)から構成されています。すべてのチョッピング・スイッ
チ回路のチョッピング周波数fCHOPは、200 kHzで動作するように
デザインされています。
VSY = 5V
RL = 10kΩ
CL = 100pF
GBP = 4MHz
ΦM = 57 Degrees
10k
PHASE (Degrees)
CHOP1
–45
100k
1M
–90
10M
FREQUENCY (Hz)
図 2.オープン・ループ・ゲインおよび位相の周波数特性
09798-002
IN+
ープ内の Gm4 が CHOP2 出力で変調されてリップルを検出しま
す。リップルは CHOP3 により DC 領域へ復調され、ノッチ・フ
ィルタを経由して、Gm1 のヌル入力端子 (NULL+と NULL−)に
入力されます。Gm1 は初期オフセットと 1/f ノイズをゼロにし
ます。もし、ここで初期オフセットと 1/f ノイズを除去しない
と、変調されたリップルとして全体出力に現れてしまいます。こ
の連続 ACFB ループの方法では、変調されたリップルが除去され
ます。
AN-1114
アプリケーション・ノート
ノイズ特性
100
NO 1/f NOISE
1
10
100
1k
10k
FREQUENCY (Hz)
図 4.ADA4528-1 ゼロ・ドリフト・アンプの
電圧ノイズ密度周波数特性
広帯域ノイズと外部ソース抵抗の考慮事項
ADA4528-1 は、1 kHzで 5.6 nV/√Hzの電圧ノイズ密度(VSY = 2.5 V
でAV = 100)を持つ現在業界に存在する最小ノイズのゼロ・ドリ
フト・アンプです。したがって、システムの全体低ノイズ性能
を維持するため外部入力ソース抵抗に対する考慮は重要です。
VSY = 5V
VCM = VSY/2
100
アンプ・デザインで考慮する必要のある入力換算の総合ノイズ
(en total)は基本的に、入力電圧ノイズ、入力電流ノイズ、外部抵
抗の熱ノイズ(ジョンソン)の 3 種類のノイズの関数になってい
ます。入力電圧ノイズと入力電流ノイズは通常、データシート
の電気的仕様のセクションで規定されています。外部ソース抵
抗の熱ノイズは次式で計算されます。
BROADBAND
NOISE
1/f NOISE
VSY = 5V
AV = 100
VCM = VSY/2
10
1
10
VRS = √4 kTRS
1
10
100
1k
FREQUENCY (Hz)
10k
ここで、
k はボルツマン定数(1.38 × 10−23 J/K)。
T はケルビン(K)で表した温度。
RS は合計入力ソース抵抗(Ω)。
09798-003
VOLTAGE NOISE DENSITY (nV/√Hz)
1000
VOLTAGE NOISE DENSITY (nV/√Hz)
"ピンク・ノイズ"とも呼ばれる 1/fノイズは、半導体デバイスに
固有で周波数が小さくなると大きくなります。このため、DCま
たは低周波で支配的なノイズになります。アンプの 1/fコーナー
周波数は、フリッカ・ノイズが広帯域ノイズに等しくなる周波
数です。図 3 に、ゼロ・ドリフト技術を採用していないアンプ
の例を示します。1/fコーナー周波数は 800 Hzです。DCまたは
低周波アプリケーションでは 1/fノイズが支配的なノイズ成分で
あるため、回路のノイズ・ゲインで増幅されると、大きな出力
電圧オフセットが発生しますが、ゼロ・ドリフト・アンプは 1/f
ノイズを持ちません。ゼロ・ドリフト・アンプでは、電圧ノイ
ズを再成型して 1/fノイズをなくします。1/fノイズは低速で変化
するオフセットとして現れるため、チョッピング技術で効果的
に除去することができます。補正は、ノイズ周波数がDCに近づ
くほど効果的になり、周波数の低下とともに指数的にノイズが
増加する傾向をなくします。 図 4 に、1/f電圧ノイズのない
ADA4528-1 の電圧ノイズ密度を示します。チョッピング技術に
より、ADA4528-1 の電圧ノイズは、電源電圧= 2.5 Vかつ 0.1 Hz
~10 Hzで 97 nV p-pと小さくなり、1/fノイズに弱い標準の低ノ
イズ・アンプに比べてはるかに低い低周波ノイズになります。
09798-004
1/fノイズ
図 3.非ゼロ・ドリフト・アンプの電圧ノイズ密度周波数特性
これらの相関のないノイズ・ソースは、次式を使って 2 乗平均
(rss)をとることにより加算することができます。
en total = √[en2 + 4 kTRS + (in × RS)2]
ここで、
en はアンプの入力電圧ノイズ(V/√Hz)。
in はアンプの入力電流ノイズ(A/√Hz)。
特定帯域幅での等価総合 rms ノイズは次のように表されます。
en,RMS = en total √BW
ここで、
BW は Hz で表した帯域幅です。
Rev. A
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アプリケーション・ノート
この解析は、フラット・バンド・ノイズ計算に対して有効です。
注目の帯域にチョッピング周波数が含まれる場合は、チョッピ
ング周波数でのノイズ・スペクトルの影響を考慮するため計算
はさらに複雑になります(図 8 参照)。
電圧ノイズ密度はアンプのゲイン設定に依存することがあります。
図 5 に、主要競合他社のゼロ・ドリフト・アンプの電圧ノイズ
密度対クローズド・ループ・ゲインを示します。アンプの電圧
ノイズ密度は、クローズド・ループ・ゲインが 1000 から 1 へ減
少すると、11 nV/√Hzから 21 nV/√Hzへ増加しています。図 6 に、
AV = 1、10、100 の 3 つのゲイン設定に対して ADA4528-1 の電圧
ノイズ密度周波数特性を示します。ADA4528-1 は、ゲイン設定
に無関係に 6 nV/√Hz~7 nV/√Hzの一定電圧ノイズ密度を提供し
ます。
図 7 に、非反転構成の ADA4528-1 を示します。外部抵抗ノイズ、
アンプ電圧ノイズ、アンプ電流ノイズの出力換算(RTO)ノイズ
成分は、次のように計算されます。
ノイズ・ゲイン= 1 + RF/RS
VRS = √4 kTRS
VRF = √4 kTRF
RS 熱ノイズに起因する誤差= VRS × RF/RS
RF 熱ノイズに起因する誤差= VRF
アンプ電圧ノイズに起因する誤差= en × (1 + RF/RS)
アンプ電流ノイズに起因する誤差= in × RF
24
VSY = 5V
f = 100Hz
COMPETITOR A
20
計算結果については 表 1 を参照してください。
RF
10kΩ
16
VIN
12
VOUT
ADA4528-1
8
09798-008
RS
100Ω
図 7.非反転ゲイン構成
4
0
1
10
100
1000
CLOSED-LOOP GAIN (V/V)
09798-006
VOLTAGE NOISE DENSITY (nV/√Hz)
出力換算ノイズ成分の計算
図 5.競合他社 A のクローズド・ループ・ゲイン対
電圧ノイズ密度
VSY = 5V
VCM = VSY/2
10
AV = 1
AV = 10
AV = 100
1
1
10
100
1k
FREQUENCY (Hz)
10k
09798-007
VOLTAGE NOISE DENSITY (nV/√Hz)
100
図 6.ADA4528-1 の電圧ノイズ密度周波数特性
表 1.出力ノイズの計算値(VSY = 5 V)
Noise Source
RS
RF
Voltage Noise
Current Noise
1
Value (at f = 1 kHz)
100 Ω
10 kΩ
5.9 nV/√Hz
0.5 pA/√Hz
Thermal Noise (nV/√Hz)
1.283
12.83
N/A1
N/A
N/A は適用なし
Rev. A
- 5/8 -
Total Noise RTO (nV/√Hz)
128.3
12.83
595.9
5
Output Noise Contribution (%)
4.43
0.04
95.52
0.01
AN-1114
アプリケーション・ノート
電圧リップル
CF
220nF
リップルの 1 つ目のタイプは、Gm1 の初期オフセットに対応す
る残留リップルの一部です(図 1 参照)。このリップルは、チョ
ッピング周波数(200 kHz)とその高調波周波数で高いノイズ・ス
ペクトルを発生します。図 8 に、3 つのゲイン設定に対する
ADA4528-1 の電圧ノイズ密度周波数特性を示します。ユニテ
ィ・ゲイン設定のアンプは、200 kHzで 50 nV/√Hzのノイズ・ス
ペクトルを持ちます。このノイズ・スペクトルは、オペアンプ
がチョッピング周波数より高いクローズド・ループ帯域幅を持
つときに大きくなりますが、ゲインが高くなると、アンプの自
然なゲイン・ロールオフ特性のためノイズ・スペクトルは小さ
くなります。このため、ADA4528-1 は極めて低いノイズ、オフ
セット電圧、ドリフト能力を持つ高いDCゲイン設定での使用に
優れています。
VOUT
図 9.帰還コンデンサの使用によるノイズの削減
VSY = ±2.5V
10
1
WITH CF
0.1
10
VSY = 5V
VCM = VSY/2
WITHOUT CF
100
1k
10k
100k
1M
FREQUENCY (Hz)
09798-013
VOLTAGE NOISE DENSITY (nV/√Hz)
100
出力でのノイズを小さくするためには、アンプの周りに帰還コ
ンデンサを接続してください。図 9 と 図 10 に、構成とそれに対
応する電圧ノイズ密度の周波数特性を示します。ノイズを小さ
くするために帰還コンデンサを使用すると、アンプ帯域幅が減
少します。
100
RF
2kΩ
RS
200Ω
09798-010
チョッパ・アンプが初期オフセット電圧をゼロにしますが、電
圧リップルは残ります。これらの電圧リップルには 2 つのソー
スがあります。
VOLTAGE NOISE DENSITY (nV/√Hz)
図 10.帰還コンデンサを使用した場合の電圧ノイズ密度
電圧リップルの 2 つ目のソースは、入力信号周波数(fIN)とチョ
ッピング周波数(fCHOP)との間の相互変調により発生するもので
す。相互変調歪み(IMD)は入力信号周波数の関数であるため、
入力信号周波数がチョッピング周波数に近づくと誤差が大きく
なります。この相互変調により、2 次IMD積のノイズ・スペク
トルがfCHOP ± fINで、3 次IMD積のノイズ・スペクトルが 2fIN ±
fCHOPや 2fCHOP ± fINなどで、それぞれ発生します。ADA4528-1 で
は、他のゼロ・ドリフト・アンプと比較して相互変調歪みが非常
に低くなっています。180 kHzの 500 mV p-p電圧の入力信号で、
20 kHzで 14.6 µV rmsの歪みが発生します。
10
1
1
10
100
1k
10k
100k
FREQUENCY (Hz)
1M
09798-009
0.1
AV = 1
AV = 10
AV = 100
さらに、すべてのゼロ・ドリフト・アンプは、初期オフセット
の残留リップルと相互変調歪みに敏感であることに注意してく
ださい。
図 8.様々なクローズド・ループ・ゲインでの
電圧ノイズ密度周波数特性
Rev. A
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AN-1114
アプリケーション・ノート
計装アンプとしてのADA4528-1
ADA4528-1 は、極めて低いオフセット電圧とドリフト、高いオ
ープン・ループ・ゲイン、高い同相モード除去比、高い電源除
去比を持つため、ディスクリートの単電源計装アンプとして優
れたオペアンプ選択肢になっています。
する必要があります。表 2 に、出力換算(RTO)の外部抵抗ノイ
ズ成分を示します。
表 2.熱ノイズ成分の例
図 11 に、ADA4528-1 を使用した従来型 3 オペアンプ構成の計装
アンプを示します。この計装アンプの高いCMRRにとって重要
なのは、抵抗比と相対ドリフトが一致している抵抗素子です。
真の差増幅のためには、抵抗比の一致(R5/R2 = R6/R4)が重要で
す。抵抗は、製造偏差、時間、温度に対して性能を決定する際
に重要です。無限の同相モード除去比を持つ理想的なユニテ
ィ・ゲイン・ディファレンス・アンプでは、1%の抵抗不一致で
34 dBの同相モード除去比になります。このため、0.01%以上の
抵抗精度が推奨されます。
VIN1
A1
RG1
RG2
R5
R1
R2
R3
R4
A3
A2
VOUT
R6
09798-012
図 11.ディスクリート 3 オペアンプ構成の計装アンプ
Resistor Thermal
Noise (nV/√Hz)
Thermal Noise RTO
(nV/√Hz)
RG1
RG2
R1
R2
R3
R4
R5
R6
400
400
10 k
10 k
10 k
10 k
20 k
20 k
2.57
2.57
12.83
12.83
12.83
12.83
18.14
18.14
128.30
128.30
25.66
25.66
25.66
25.66
18.14
18.14
小さい電圧ドリフトを必要とするDCと低周波アプリケーション
の場合には、A3 に対して AD8538 や AD8628 のようなゼロ・ド
リフト・アンプを使用してください。電圧ドリフトが問題にな
らない場合は、AD8603 を使用してください。
ノイズを犠牲にすることなく外部抵抗を使うディスクリート計
装アンプを構築するときは、選択する抵抗値に注意してくださ
い。RG1 とRG2 は熱ノイズを持ち、これらが計装アンプの総合ノ
イズ・ゲインで増幅されるため、出力での熱ノイズ成分を十分
小さくし、かつ正確な測定値が得られるように十分小さい値に
Rev. A
Value
(Ω)
A1 とA2 は 1 + R1/RG1 の高いゲインを持っていることに注意し
てください。この場合、アンプの入力オフセット電圧と入力電
圧ノイズは重要です。同様にRG1 とRG2 についても、アンプの入
力オフセット電圧と入力電圧ノイズが全体ノイズ・ゲインで増
幅されます。このため、A1 とA2 には ADA4528-1 のような高精
度低オフセット電圧かつ低ノイズのアンプを使ってください。
これに対して、A3 ははるかに低いゲインで動作するため、オペ
アンプ条件が異なります。全体計装アンプ入力に換算された入
力ノイズは、初段ステージのゲインで除算されるため、重要で
はありません。
VIN2
RG1 = RG2, R1 = R3, R2 = R4, R5 = R6
VOUT = (VIN2 – VIN1) (1 + R1/RG1) (R5/R2)
Resistor
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AN-1114
アプリケーション・ノート
結論
ADA4528-1 の主な特長は、

オフセット電圧とドリフトが極めて小さい

1/f 電圧ノイズがない

電圧ノイズ密度が極めて小さい

同相モード除去比が高い

電源除去比が高い

レール to レールの入力および出力
低ノイズ・オペアンプのセレクション・テーブルは、AN-940 ア
プリケーション・ノート「Low Noise Amplifier Selection Guide for
Optimal Noise Performance」に記載してあります。
ノイズの詳細については、3 部構成のウェビナー・シリーズ
「Noise Optimization in Sensor Signal Conditioning Circuits」をご覧
ください。



このデザイン・アーキテクチャは、DC または低周波帯域で正
確で安定な性能を必要とする高ゲイン高精度のシグナル・コン
ディショニング・アプリケーションを特に対象としています。
Part 1: www.analog.com/webcast_noiseopt_part1
Part 2: www.analog.com/webcast_noiseopt_part2
Part 3: www.analog.com/webcast_noiseopt_part3
その他のゼロ・ドリフト・アンプの選択については、表 3 を参
照してください。
表 3.ゼロ・ドリフトのシングル・アンプ
Part
Number
VSY (V)
VOS Max
(µV)
TCVOS Max
(µV/C)
GBP
(MHz)
ISY/Amp
Max (mA)
eN at 1 kHz
(nV/√Hz)
CMRR
Min (db)
PSRR
Min (db)
IB Max
(pA)
R-R In
R-R Out
ADA4528-1
AD8628
AD8638
AD8538
ADA4051-1
2.2 to 5.5
2.7 to 5
5 to 16
2.7 to 5.5
1.8 to 5.5
2.5
5
9
13
15
0.015
0.02
0.06
0.1
0.1
4
2
1.35
0.43
0.115
1.7
1
1.3
0.18
0.018
5.6
22
60
50
95
135
110
118
110
105
130
115
127
105
110
400
100
40
25
50
Yes
Yes
No
Yes
Yes
Yes
Yes
Yes
Yes
Yes
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