参考回路:日本語版

日本語参考資料
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回路ノート
CN-0346
使用/参考にしたデバイス
Circuits from the Lab®実用回路集は、今日のアナログ、ミッ
クスド・シグナル、および RF 回路の設計上の課題の解決に
役立つ、迅速で容易なシステム統合を行うために作製、テ
ス ト さ れて いま す 。 詳し い情 報 と サポ ート に つ いて は
www.analog.com/CN0346 をご覧ください。
実用回路集
AD7745
温度センサー付き 24 ビット容量デジタル・
コンバータ
AD8615
高精度レール to レール入出力 CMOS オペア
ンプ
相対湿度測定システム
用アプリケーションなど、温度管理下での正確な無接点型湿度測
定が必要なアプリケーションに最適です。
評価と設計支援
回路評価用ボード
周囲環境の相対湿度が変化すると、容量センサーの誘電率も変化
します。たとえば、この回路に使われている Innovative Sensor
Technology 社の P14-W 容量センサーは、トップ電極、ポリイミ
ド層、ボトム電極で構成されており、0.25 pF/% RH の感度と 1.5%
RH の直線性を持ちます。
CN-0346 回路評価用ボード(EVAL-CN0346-PMDZ)
SDP-I-PMOD インターポーザ・ボード(SDP-PMD-IB1Z)
システム・デモンストレーション・プラットフォーム、SDP-B
(EVAL-SDP-CB1Z)
設計および統合ファイル
湿度センサーの出力は、AD7745 24 ビット・シグマ・デルタ(ΣΔ)
容量デジタル・コンバータ(CDC)によってデジタル化されます。
2 線式の I2C 対応インターフェースにより、内部設定レジスタと
データ変換部にアクセスできます。
回路図、レイアウト・ファイル、BOM
回路の機能と利点
図 1 に示す 2 つのチップで構成された回路は無接点型の容量式相
対湿度(RH)測定のソリューションです。0% RH から 100% RH
まで 2%の精度で相対湿度を測定します。これにより、サイズの
大きい湿度計を使用する必要がなくなります。この回路は、
HVAC、通信用キャビネット、保育器、その他の産業用または医
オフセット電圧が非常に低く(65 µV)、信号帯域幅の広い(20 MHz
超)AD8615 レール to レール・アンプは、ユニティゲイン・バッファ
として機能し、適切な駆動信号をセンサーに提供します。
U1
VDD
RANGE
EXTENSION
CIRCUIT
C1
0.1µF
5
1
U2
2
3
4
VEXCS
RDY
SCL
SDA
AD7745
VEXCA
R1
100kΩ
R2
118kΩ
CSENS
VEXCB
SCL
SDA 16
2
RDY
NC 15
3
EXCA
R3
10kΩ
R4
10kΩ VDD
VDD
VDD 14
4
EXCB
5
REFIN(+)
VIN(–) 12
6
REFIN(–)
VIN(+) 11
7
CIN1(–)
NC 10
8
CIN1(+)
NC
GND 13
HOST
SYSTEM
C2
1µF
GND
9
11782-001
AD8615
1
NOTES
1. NC = NO CONNECT.
2. VDD = 2.7V TO 3.6V, OR 4.75V TO 5.25V.
図 1.
Rev. 0
容量センシングによる湿度測定システム(簡略図:接続とデカップリングはすべて省略)
アナログ・デバイセズ社は、提供する情報が正確で信頼できるものであることを期していますが、その情報の利用に関して、あるいは利用に
よって生じる第三者の特許やその他の権利の侵害に関して一切の責任を負いません。また、アナログ・デバイセズ社の特許または特許の権利
の使用を明示的または暗示的に許諾するものでもありません。仕様は、予告なく変更される場合があります。本紙記載の商標および登録商標
は、それぞれの所有者の財産です。※日本語版資料は REVISION が古い場合があります。最新の内容については、英語版をご参照ください。
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本
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電話 03(5402)8200
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電話 06(6350)6868
CN-0346
回路ノート
回路の説明
相対湿度の計算
RH は、空気中の水蒸気量を、特定の温度で空気中に含有できる
最大水蒸気量のパーセンテージで表わした値です。温度と圧力の
影響を考慮した測定値であるため、相対湿度は重要です。
相対湿度は、容量 C と温度 T の測定値から次のように計算しま
す。
湿度計は RH の測定に使われる従来型の装置で、金属と紙のコイ
ル、人の毛髪、乾湿計によるものなど、時を経て数多くの形態を
とってきました。現代の電子湿度計は、経年変化、結露、急激な
温度変化などの影響を受けにくい容量性素子を使用しています。
1.
2.
3.
4.
5.
容量測定値からバルク容量を引きます。
感度で割ります。
計算した値に基準湿度を足します。
温度依存性 TDEPEND を計算します。
ステップ 3 の結果に TDEPEND を足します。
たとえば、
容量センサーの測定値が温度 T = 23°C で C = 153 pF で、
以下の理論的特性を備えているものとします。
容量センサーでは、ポリマー層や金属酸化物層が湿度の変化を受
けると誘電率が変化します。容量センサーは、一般に数秒間で湿
度の変化に反応します。
•
•
•
•
湿度センサーの特性
図 1 に示す回路では、Innovative Sensor Technology 社の P14-W シ
リーズ容量センサーを使用しています。バルク容量、感度、温度、
直線性、ヒステリシスは、センサーの重要なスペックです。
バルク容量 = 150 pF(30% RH 時)
TDEPEND = −0.0191% RH
感度 = 0.25 pF/% RH
基準点 = 30% RH, 23°C
以上の説明と以下の式に従って相対湿度を計算します。
センサーの代表的なバルク容量は 30% RH で 150 pF ± 50 pF です。
このコモンモード容量は相対湿度測定値には影響しませんが、容
量デジタル・コンバータに接続するには特別な回路が必要です。
 C − CBULK 
 + TDEPEND
RH = RH REF + 

 Sensitivity 
容量性素子の感度は相対湿度の測定値を決定します。感度は相対
湿度が 1%変化した時の容量の変化であり、2 つの異なる相対湿
度値における容量を測定し、RH の変化(%)で割ることによっ
て求めます。
 153 pF − 150 pF 
 − 0.0191% RH
RH = 30% RH + 
 0.25 pF / %RH 


RH = 30% RH + 12% RH − 0.0191% RH
Sensitivity = ΔC/Δ% RH
RH = 41.809% RH
P14-W の代表的な感度は 0.25 pF/% RH です。
相対湿度測定における温度依存性の計算方法は、選択した湿度セ
ンサーによって異なります。したがって、正しい式を決定するに
あたっては、必ずデータシートを参照する必要があります。
C
− C10%RH
Sensitivity = 95%RH
90%− 15%
容量-デジタル・コントローラ(CDC)
以下の式と係数(Innovative Sensor Technology P14-W のデータ
シートによる)を使用して、特定の相対湿度条件におけるセン
サーの温度依存性を計算します。
24 ビットの AD7745 CDC は、図 2 に示すように、スイッチド・
キャパシタ電荷平衡回路を使用することによって容量を測定し
ます。スループット・レートは 10 Hz~90 Hz です。
TDEPEND = (B1 × % RH + B2) × T [°C] + (B3 × % RH + B4)
ここで、
CAPACITANCE-TO-DIGITAL CONVERTER
(CDC)
B1 = 0.0014/°C
% RH = 42%
B2 = 0.1325% RH/°C
T = 23°C
B3 = −0.0317
B4 = −3.0876% RH
CLOCK
GENERATOR
DATA
TDEPEND = −0.0191% RH
24-BIT Σ-Δ
MODULATOR
EXC
EXCITATION
DIGITAL
FILTER
図 2.
Innovative Sensor Technology P14-W シリーズの直線性とヒステリシ
スは±1.5% RH です。
11782-002
CSENS
温度が 23°C の場合は、42% RH の計算に−0.0191% RH の変化が
生じます。計算した% RH にこの値を加えることで、センサーの
温度依存性を補正します。
Rev. 0
CIN
シングルエンド容量センサー実装
電荷は電圧と容量の積(Q = V × C)に比例し、変換結果は入力
センサー容量(CSENS)と内部基準容量(CREF)の比を表します。
励起電圧(EXC)と内部基準電圧(VREF)は既知の固定値です。
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CN-0346
回路ノート
測定する CSENS は、励起信号源と ΣΔ モジュレータ入力を接続し
ます。変換中は 32 kHz の矩形波励起信号が CSENS に加えられ、
CSENS を通過する電荷をモジュレータが連続的にサンプリングし
ます。デジタル・フィルタは、1 と 0 のストリームであるモジュ
レータ出力を処理します。変換値は、ビットストリームの 1 の密
度に含まれています。デジタル・フィルタからのデータはスケー
リングされ、キャリブレーション係数を掛けたうえで、シリア
ル・インタフェースからデータを読み出します。
次式によりセンサーのダイナミック・レンジを計算します。
CDYN = (0.25 pF/% RH) × 100% RH = 25 pF
このダイナミック・レンジに必要な範囲拡大係数(FDYN)は、次
式により計算します。
FDYN = 25 pF/8.192 pF = 3.05
これらの計算は、センサーのバルク容量が範囲拡大係数を決定す
るパラメータであることを示しています。したがって、以後の計
算には F = 11.76 を使用します。
入力範囲のスケーリング
AD7745 で入力容量を測定するにあたっては 2 つの制約がありま
す。第一に、ダイナミック・レンジは±4.096 pF ですが、多くの
容量式湿度センサーのダイナミック・レンジはこれより大きくな
ります。第二に、CDC の最大コモンモード容量は 21 pF です。し
かし、多くの湿度センサーのバルク容量はこれより大きい値です。
AD7745 は、内部 7 ビット・コンデンサ DAC(CAPDAC)のレジ
スタを設定することによって、入力コモンモード範囲をオフセッ
トさせることができます。CAPDAC は、CIN1±ピンに内部的に接
続された負の容量として機能します。これにより、コモンモード
容量を代表値である 21 pF までとすることができます。
必要な範囲拡大係数が得られるように R1 と R2 の値を選択しま
す。R1 は 100 kΩ としました。抵抗 R2 の値は計算で求め、切り
下げにより標準 E96 シリーズの最も近い値にしました。
R2 =
R1× (F + 1)
F −1
ここで、
R1 = 100 kΩ
F = 11.76
R2 = 118.58 kΩ
CSENS 内での電荷移動を AD7745 の入力範囲内に収めるために、
図 1 に示す範囲拡大回路を追加します。そのために励起電圧を
1/F に低減し、センサー容量を F 倍に増大できるようにします。
誤差 1%以下の抵抗を使用してください。どちらかの抵抗(R1
または R2)の値がわずかでも変化すると、範囲拡大係数が大き
く変化します。R1 の抵抗値を 100 kΩ、R2 の抵抗値を 118 kΩ と
すると、範囲拡大係数は次のようになります。
範囲拡大係数の計算
範囲拡大係数を計算するには、AD7745 の 2 つの独立した励起信
号源(EXCA と EXCB)を、EXCB が EXCA の逆数となるように
設定する必要があります。抵抗 R1 と R2 を図 1 に示すように接
続すると、得られる範囲拡大係数 F は、AD7745 の EXCA~EXCB
間の差動励起電圧(VEXCA/VEXCB)と、AD8515 オペアンプの正入
力における減衰励起信号(VEXCS)の比になります。範囲拡大係
数は次のように計算します。
F=
抵抗値の選択
F=
R1 + R2
R1 − R2
=
100 − 118
= 12.11
CAPDAC を使用したコモンモード容量の除去
AD7745 の容量性入力は、入力範囲がシングルエンド・モードで
0 pF~4.096 pF、差動モードで±4.096 pF となるように工場でキャ
リブレーションされています。AD7745 は CAPDAC を内蔵して
おり、入力コモンモード容量を調整することができます。
VEXCA /V EXCB R1 + R2
=
VEXCS
R1 − R2
減衰励起電圧 VEXCS の平均電圧は VDD/2 です。AD8515 オペアン
プは低インピーダンス・バッファとして機能し、AD7745 がサン
プリングを開始した時に CSENS が完全に充電されるようにします。
センサーのバルク容量は最大 200 pF になることがあり、AD7745
コモンモード容量の最小値は 17 pF です。これによって必要な範
囲拡大係数(FCM)が得られます。その値は次のとおりです。
CAPDAC は、CIN1±ピンに内部的に接続された負の容量として機
能します。CAPDAC は 2 つあり、1 つは CIN1(+)に、もう 1 つ
は CIN1(−)に接続されています。
CAPDAC の分解能は 7 ビットで、フルスケール値は 21 pF ± 20%
です。
図 1 に示すシングルエンド湿度検出素子の例に必要な CAPDAC
設定を計算します。以下に示す 10 進コード値に相当する 17 pF
のコモンモード容量に合わせて CAPDAC を設定します。
FCM = 200 pF/17 pF = 11.76
CAPDACCODE =
Rev. 0
100 + 118
- 3/7 -
17 pF
21 pF
× 127 = 103, or 0x67
CN-0346
回路ノート
テスト・セットアップ
CN-0346 システムの正しいセットアップとキャリブレーション
が完了後、テスト・データがとれるようになります。まず、高精
度 LCR メータ(HP4284A)にアクセスできる湿度を管理したチャ
ンバ内に EVAL-CN0346-PMDZ プリント回路基板(PCB)を置き
ます。LCR メータは、あらゆる容量計算と、センサーの実際の
容量値を相互に関連付けます。容器からは、各 PCB 用に 2 組の
ワイヤが出ています。最初のワイヤ・セットは I2C デジタル通信
用です。2 組目のワイヤ・セットを使用すれば LCR メータによっ
てセンサーの容量を直接測定できますが、これは
EVAL-CN0346-PMDZに電源を接続していない場合に限られます。
ベンチ・テスト・セットアップでのデータ収集に使用するブロッ
ク図を図 3 に示します。
HUMIDITY CONTROLLED CHAMBER
6V DC
POWER
SUPPLY
BOVEDA
PACK
EVAL-CN0346-PMDZ
CONNECT
TO SENSOR
TERMINALS
11782-004
J5
I2C WIRES
6V DC
WALL WART
SDP-PMD-IB1Z
図 4.
CN-0346 評価用ソフトウェアのスクリーンショット
(Calculations タブ)
図 5.
CN-0346 評価用ソフトウェアのスクリーンショット
(Calibration タブ)
LCR METER
328.24pF
EVAL-SDP-CB1Z
11782-003
USB TO PC
図 3.
ベンチ・テストのブロック図
次に、2 つの湿度レベル(5% RH と 95% RH)において、AD7745
を使用してチャンバー内の温度を、LCR メータを使用してセン
サーの容量を測定します。さらに、これら 2 つのキャリブレー
ション・ポイントを使ってセンサーの感度を計算します。
Sensitivity =
C95%RH − C10% RH
95% − 10%
Calculations タブにある Relative Humidity Calculation の該当
フィールドに感度を入力します(図 4 を参照)。10% RH キャリ
ブレーション・ポイントを使い、C_BULK フィールドと RH_REF
(%)フィールドに値を入力します。
最後に必要な CAPDAC コモンモード値を計算して、図 5 に示す
ように CAPDAC フィールドに入力します。
Rev. 0
11782-105
以上で CN-0346 システムの準備と計算は完了です。Click to
Sample をクリックすると、Capacitance Calculation ウィンドウの
C_CALC フィールドにセンサー容量が表示されます。サンプル
を収集しながら湿度を変化させて、相対湿度計算の変化を確認し
てください。
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CN-0346
回路ノート
テスト結果
プリント回路基板のレイアウトに関する留意事項
すべてのテスト・データは、図 6 に示すように、密封容器内に
Boveda パック(Boveda, Inc.)と 3 枚の EVAL-CN0346-PMDZ PCB
を設置することによって収集しました。Boveda パックには純水と
塩で作られた特別な溶液が入っており、密封容器内の湿度を、定
められた特定の相対湿度±2.5%に保つことができるように設計さ
れています。
高精度が要求される回路では、基板上の電源とグラウンド・リ
ターンのレイアウトを十分に考慮する必要があります。まず、プ
リント基板上のアナログ部とデジタル部はできる限り分離して
ください。このシステムの基板は、大面積のグラウンド・プレー
ン層や電源プレーン・ポリゴンの 4 層が積載された構成となって
います。レイアウトとグラウンディングに関する詳細は MT-031
チュートリアルを、デカップリング技術に関する情報については
MT-101 チュートリアルをご覧ください。
適切なノイズ抑制とリップル軽減のために、1 µF と 0.1 µF のコ
ンデンサを使用してすべての IC の電源をデカップリングしてく
ださい。また、コンデンサはできるだけデバイスの近くに配置し
てください。あらゆる高周波数デカップリングにはセラミック・
コンデンサを使用することを推奨します。
11782-005
電源ラインはできるだけ太いパターンにして低インピーダンス
の経路とし、電源ライン上のグリッチによる影響を軽減させる必
要があります。クロックその他の高速スイッチング・デジタル信
号は、デジタル・グラウンドに接続させ、基板の他の部分からシー
ルドしてください。このプリント回路基板を図 8 に示します。
図 6.
この回路ノート用のフルセットの設計支援パッケージについて
は、www.analog.com/CN0346-DesignSupport をご覧ください。
データ収集ベンチ・テスト・セットアップ
図 7 は、全相対湿度範囲における相対湿度誤差です。
2.0
1.5
ERROR (% RH)
1.0
0.5
0
–0.5
–1.5
2
10
18
26
82
90
99
相対湿度測定誤差
11782-007
図 7.
34 42 50 58 66 74
RELATIVE HUMIDITY (%)
11782-006
–1.0
図 8.
Rev. 0
EVAL-CN0346-PMDZ プリント回路基板
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CN-0346
回路ノート
バリエーション回路
測定の準備
容量センシングは、近接センサーの実装にも利用できます。基本
的な近接センサーはレシーバとトランスミッタからなり、それぞ
れが基板の各層に形成された金属トレースで構成されています。
AD7745 は励起信号源を内蔵しており、これをセンサーのトラン
スミッタ・トレースに接続します。レシーバとトランスミッタの
トレース間には電界が生成されます。ほとんどの電界は、セン
サー基板のこの 2 つの層の間に集中します。しかし、フリンジ電
界はトランスミッタから基板の外部に広がり、レシーバ背面まで
達します。レシーバでの電界強度は内蔵 Σ-ΔCDC で測定します。
人間の手がフリンジ電界内に入ると電気的環境が変化し、電界の
一部はレシーバに達することなくグラウンドに流れます。結果と
して容量が減少し(電界全体がピコファラドの規模の場合はフェ
ムトファラドの単位)、コンバータによって検出されます。
PC に CN-0346 評価用ソフトウェア CD を挿入して、評価用ソフ
トウェアをロードします。マイ・コンピュータを使用して評価用
ソフトウェア CD があるドライブを探し、Readme ファイルを開
いてください。Readme ファイルに示されている説明に従い、評
価用ソフトウェアをインストールして使用します。
回路評価とテスト
この回路は、EVAL-SDP-CB1Z システム・デモンストレーショ
ン・プラットホーム(SDP)評価用ボードと、EVAL-CN0346-PMDZ
ボードを使用しています。2 つのボードには、迅速な回路のセッ
トアップと性能評価を可能にする 120 ピン・コネクタがあります。
この回路ノートに示すように、EVAL-CN0346-PMDZ ボードには
評価対象回路が含まれています。EVAL-SDP-CB1Z は、CN-0346
評価用ソフトウェアとともに使用し、EVAL-CN0346-PMDZ の
データを取り込みます。SDP/PMD インターポーザ・ボード
(SDP-PMD-IB1Z)は、図 3 に示すように、EVAL-CN0346-PMDZ
ボードを EVAL-SDP-CB1Z ボードに接続するために使用します。
必要な装置
以下の装置が必要です。









EVAL-CN0346-PMDZ 評価用ボード
EVAL-SDP-CB1Z 評価用ボード
SDP/PMD インターポーザ・ボード(SDP-PMD-IB1Z)
CN-0346 評価用ソフトウェア
、または Windows® 7
Windows® XP、Windows® Vista(32 ビット)
(32 ビット)搭載の USB ポート付き PC
容 量 式 湿 度 セ ン サ ー 、Innovative Sensor Technology P14-W
(EVAL-CN0346-PMDZ ボードに含む)
6 V(100 mA 時)電源
6 V AC アダプタ
湿度管理されたチャンバ
Rev. 0
機能ブロック図
テスト・セットアップのブロック図は図 3 を、回路図については
EVAL-CN0346-SDPZ-SCH-RevX.pdf ファイルをご覧ください。
このファイルは、CN-0346 設計支援パッケージに含まれています。
セットアップ
EVAL-SDP-CB1Z の 120 ピン・コネクタを SDP-PMD-IB1Z ボード
に接続します。120 ピン・コネクタの末端にある穴を利用し、ナ
イロン製ハードウエアを使って 2 枚のボードをしっかり固定し
てください。EVAL-CN0346-PMDZ を、SDP-PMD-IB1Z ボードの
コネクタ J2 に接続します。
電源オフの状態で、6.0 V DC バレル・ジャックを SDP-PMD-IB1Z
ボードのコネクタ J1 に接続します。さらに、EVAL-SDP-CB1Z
付属の USB ケーブルを PC の USB ポートに接続します。電源オ
フの状態で、6 V 電源を EVAL-CN0346-PMDZ 評価用ボードの J5
コネクタに接続します。この時点では、まだ USB ケーブルと SDP
ボード上のミニ USB コネクタを接続しないでください。
セットアップしたもの全体を湿度管理された密封チャンバに入
れます。必要に応じて、検出素子だけを対象環境内に置くことも
できます。外付けの湿度計やその他のキャリブレーション済み湿
度センサーを、CN-0346 評価用ソフトウェアからの出力データの
キャリブレーション用または検証用の基準点として使用するこ
ともできます。
テスト
SDP-PMD-IB1Z ボードのコネクタ J1 に接続したバレル・ジャッ
クの電源をオンにします。EVAL-CN0346-PMDZ ボードの J5 コネ
クタの電源をオンにします。CN-0346 評価用ソフトウェアを起動
して、PC の USB ケーブルを EVAL-SDP-CB1Z のミニ USB コネ
クタに接続します。
USB 通信を確立したら、EVAL-SDP-CB1Z ボードを使用して
EVAL-CN0346-PMDZ のシリアル・データの送信、受信、取り込
みができます。
EVAL-SDP-CB1Z に関する情報は「SDP ユーザー・ガイド」に記
載されています。テスト・セットアップとキャリブレーションに
ついての情報と詳細、およびキャリブレーション用ソフトウェア
を使用してデータを収集する方法については、「CN-0346 ソフト
ウェア・ユーザー・ガイド」をご覧ください。
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CN-0346
回路ノート
さらに詳しくは
データシートと評価用ボード
CN0346 設計支援パッケージ:
http://www.analog.com/CN0346-DesignSupport
CN-0346 回路評価用ボード(EVAL-CN0346-PMDZ)
MT-031 Tutorial, Grounding Data Converters and Solving the Mystery
of AGND and DGND, Analog Devices.
システム・デモンストレーション・プラットフォーム
(EVAL-SDP-CB1Z)
AD7745 データシート
MT-101 Tutorial, Decoupling Techniques, Analog Devices.
AD8615 データシート
改訂履歴
9/14—Revision 0: Initial Version
I2C は、Philips Semiconductors(現 NXP Semiconductors)によって開発された通信プロトコルです。
(1 ページから続き)「Lab reference designs/実用回路集」はアナログ・デバイセズ社製品専用に作られており、アナログ・デバイセズ社またはそのライセンスの供与者の知的所
有物です。お客さまは製品設計で「 Lab reference designs /実用回路集 」を使用することはできますが、その回路例を利用もしくは適用したことにより、特許権またはその他の知
的所有権のもとでの暗示的許可、またはその他の方法でのライセンスを許諾するものではありません。アナログ・デバイセズ社の提供する情報は正確でかつ信頼できるものであるこ
とを期しています。しかし、「 Lab reference designs /実用回路集 」は現状のまま、かつ商品性、非侵害性、特定目的との適合性の暗示的保証を含むがこれに限定されないいかな
る種類の明示的、暗示的、法的な保証なしで供給されるものであり、アナログ・デバイセズ社はその利用に関して、あるいは利用によって生じる第三者の特許権もしくはその他の権
利の侵害に関して一切の責任を負いません。アナログ・デバイセズ社はいつでも予告なく「 Lab reference designs /実用回路集 」を変更する権利を留保しますが、それを行う義務
はありません。
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