新製品紹介 自己学習型マスフローコントローラ Self Leaning Type Mass Flow Controller Mass flow controller :HG200 series 高集積・微細化が進む半導体にお ており,プロセス不具合発生前に装 試験で得られた実ガスごとの固有 いて,半導体製造プロセスの流体制 置に警告を発し , 事故を予防する自 情報から計測流量や応答性を修正 御に使用されるマスフローコント 己診断技術も要求されている。開発 し,動作環境が変化しても一定の ローラ( 以下,MFC と示す)にも, した MFC「HG200 シリーズ」 ( 図 1) 性能が発揮できる。図 3 に入力 微細化を実現するための厳しい性能 では既存製品からの性能向上を図る 圧変化時の応答性を,図 4 に流 が 求 め ら れ て い る。 一 般 的 に, とともに,先述の個体差を低減した。 量精度安定性のグラフを示す。従 MFC の高性能化は高精度,高速応 また自己診断技術を開発し,これか 来は 6% であった流量誤差を 1% 答性などに代表されるが,高速応答 らの半導体プロセス革新に貢献でき 以内に低減した。 よりも製造装置間や反応炉間の機差 る製品となった。 (3)自己診断機能により制御安定性 をリアルタイムで診断。不具合があ 特 長 が問題となる場合が多く,それらは 半導体の性能のばらつきに直接影響 (1)学習機能を付加することにより れば装置に診断結果を伝送する。 する。この機差は,MFC に関して 一定の応答性を安定して実現で (4)SD カード機能を搭載し自己診 は流量精度や応答性の個体差に起因 きる。これにより応答性の個体 断結果や MFC 出力の履歴を保存 し,これらの低減が求められている。 差をゼロに近づけることができ また,ウェハーの高密度化や大口径 る( 図 2)。 することができる。 (5)EtherCAT 通信対応により次世 化によって,プロセス不具合による (2)MFC に搭載したセンサーで計 ウェハースクラップコストが肥大し 測した温度,圧力と事前の実ガス 代半導体装置への搭載が可能。 (日立金属ファインテック株式会社) Setpoint: 100% MFC read out (%) 100 20 mm 0 Setpoint: 12% Setpoint: 2% 0.2 0.4 0 1 Time (sec) 2 日立金属技報 Vol. 31(2015) 0.8 1 1.2 1.4 2 (b) Gas quality 80 60 40 0 Set point 0 CF4 C4F8 CHF3 -2 HG200 MFC -4 -6 -8 Legacy MFC 0 1 2 Time (sec) 図 3 HG200 シリーズ MFC の応答性改善結果( 供給圧力:50-450 kPa) (a)Legacy MFC (b)HG200 MFC Fig. 3 Response time improvement of HG200 series (Inlet pressure: 50-450 kPa) (a) Legacy MFC (b) HG200 MFC 54 0.6 図 2 学習機能による応答性学習波形( 目標応答時間を1秒に設定した例) Fig. 2 Response wave of learning function (target time is set to 1 sec) 20 Set point Setpoint: 35% 20 Flow accuracy (%SP) Overshoot by Legacy MFC at high inlet pressure 40 20 40 ←Target time Response wave before learning 100 MFC read out (%) MFC read out (%) 60 60 Time (sec) 120 (a) 100 80 Setpoint: 73% 0 図 1 HG200 シリーズ MFC 外観 (EtherCAT 通信仕様) Fig. 1 Appearance of HG200 series MFC (EtherCAT version) 120 80 -10 0 20 40 60 80 100 120 MFC Setpoint (%) 図 4 HG200 シリーズ MFC の流量精度安定性 ( 環境温度 25℃ → 60℃) Fig. 4 Flow accuracy stability of HG200 series MFC (depending on temperature change 25 to 60ʝ)