アダプテック MaxIQ SSD キャッシュパフォーマンスソリューショ ン Web サーバ環境におけるパフォーマンス分析 22.09.09 はじめに アダプテックは、Adaptec 5445Z ストレージコントローラでアダプテック MaxIQ™ SSD キャッシュパフォ ーマンスソリューション使用した場合のパフォーマンス評価を弊社へ依頼しました。弊社の今回のテス トにおいて、Adaptec RAID 5445Z コントローラは、コントローラに直接接続されたキャッシュとして動作 する MaxIQ SSD (ソリッドステートドライブ)を装備しています。 (アダプテック 5 シリーズコントローラはラインアップ全製品において MaxIQ をサポートしています。) テストの目的と方法 このテストの目的は、コントローラ上の SSD キャッシュを有効にした時と、SSD キャシュを無効にした時 のパフォーマンス統計を把握し、比較分析することです。 このテストにおけるウェブサーバ環境設定は以下のようなものです。 ¾ ¾ 1 台のウェブサーバ上で 8,300 のウェブサイトと 1,500 ユーザをホストします。 MaxIQ SSD キャッシュを無効にしてパフォーマンスを計測し、その後に同一のテストを MaxIQ SSD キャッシュを有効にして行う。 ¾ 最初の 30 のウェブサイトのパフォーマンス計測とその他のサーバでのパフォーマンス計測を行 う。 90 分のテストラン ¾ 結果 Adaptec RAID 5445Z コントローラは、アダプタに直接接続してキャッシュとして機能する、MaxIQ SSD (ソリッドステートドライブ)をコントローラ 1 台につき最大 4 台まで搭載することができますが、 この実験では、Web サーバ分析のため 1 台の SSD を組み込みました。 1台の MaxIQ SSD が MaxIQ SSD キャッシュに割り当てられると: z z z z z ウェブサーバのスループットが 3.6 倍に増加 TTFB (Time to First Byte)が 5 倍改善 負荷条件下でのウェブサーバの応答時間の平均が 10.3 倍減少 ユーザレスポンスレート(ユーザ数対応答時間)が 6 倍改善 同一応答時間における対応可能ユーザ数がほぼ 2 倍に増加 ソフトウェア Web サーバ環境をテストするために使用されたソフトウェアは下記の通りです。 デバイス ソフトウェア RedHat 5.3 Web サーバ Apache2 Web Server Windows 2003 Server – Standard Edition Test Management WebLoad 8.3 Console Windows XP, SP3 with WebLoad 8.3 Load Generators ハードウェア Web サーバ環境をテストするために使用されたハードウェアは下記の通りです。 デバイス ハードウェア Web サーバ WebLoad Server (Test Management Console) 3 Load Generators Xeon – Quad Processor Quad Core 7400 at 2.9 GHz (16 Logical CPUs) Intel 82575EB Gigabit Network 2 GB RAM, 300GB HD Intel 82575EB Gigabit Network Adaptec AAC-RAID (aacraid v1.1-5[2468]) MaxIQ Solid state drive for cache: one drive Model: SSDSA2SH032G1GN, firmware: 045C8790 BIOS: v5.2-0 [Build 17508] Controller Memory: 512MB RAID 5 with 3 SATA drives Model: WDC WD10EADS-00M Firmware:01.00AA01 2+ GHz Processor, 2 GB memory 2+ GHz Processor, 512 MB memory トポロジー 下記は、Web サーバ環境の図です。 ウェブサーバでのテスト結果比較 アダプテック MaxIQ SSD キャッシュパフォーマンスソリューションは、MaxIQ キャッシュを有効にしてテ ストされ、それから再度 MaxIQ キャッシュを無効にして比較テストを行いました。全てのテストで、Web サーバとロードジェネレータは監視されており、パフォーマンスのボトルネックがストレージコントローラ でのみであることを確認した上でテストを行いました。同時に CPU、RAM、ネットワーク、Apache お よびその他のデバイスもまた監視されており、これらがパフォーマンスを低下させる要因(ボトルネッ ク)になっていないことも確認しました。 スループット スループットは、Adaptec 5445Z コントローラで、秒当たりのメガビット(Mbps: Mega bit per second)で 測定されます。ウェブサーバコンテンツは、Adaptec 5445Z がコントロールする RAID 5 パーティション 内に格納されています。 緑の線が Adaptec 5445Z 上で MaxIQ SSD キャッシュを有効にした場合で、Web ロードユーザ数が 1500 ユーザに達したときに、スループットが平均で約 110 Mbps であったことを示しています。 ピンクの線が Adaptec 5445Z 上で MaxIQ SSD キャッシュを無効にした場合で、Web ロードユーザ数 が 1500 ユーザに達したときに、スループットが平均で約 30 Mbps だったことを示しています。 MaxIQ SSD キャッシュ有効時には、キャッシュ無し時よりスループットが 3.6 倍向上しています。 ウェブページTTFB(Time to First Byte) TTFB (Time to First Byte)は、インターネットエクスプローラのようなウェブブラウザがウェブサーバへ 要求を発行し、ウェブサーバがデータとともにウェブブラウザへ応答を返すまでの時間です。測定の開 始時間は、ウェブブラウザが要求を開始してすぐです。ウェブサーバから返されるデータの1バイト目が ウェブブラウザに到達した時が測定の終わりの時間です。 緑の線が Adaptec 5445Z 上で MaxIQ SSD キャッシュを有効にした場合で、Web ロードユーザ数が 1500 ユーザに達したときに TTFB (Time to First Byte)が平均で約 0.5 秒だったことを示しています。 ピンクの線が Adaptec 5445Z 上で MaxIQ SSD キャッシュを無効にした場合で、Web ロードユーザ数 が 1500 ユーザに達したときに、TTBF が平均で約 2.5 秒だったことを示しています。 MaxIQ SSDキャッシュ有効時には、キャッシュ無し時よりTTFBのパフォーマンスが5倍改善していま す。 ウェブページ応答時間 テスト環境は、8300ウェブページで構成され、それぞれのウェブページは、3つのロードジェネレータ(ウ ェブブラウザクライアント)によってランダムにヒットされる設定です。応答時間は、ウェブサーバがデー タをブラウザへ返すまでにかかる時間で示されます。単位は秒です。 以下のデータが30のウェブページから集められました。 キャッシュ無し キャッシュ有り 改善幅 データ群平均(秒) 最小 平均 最大 1.41 42.2 134.43 0.08 4.1 20.56 16.8 10.3 6.5 MaxIQ SSDキャッシュ有効時には、キャッシュ無し時より、ウェブページ応答時間のパフォーマンスが 10.3倍改善しています。 ユーザレスポンスレート(ユーザ数対応答時間) テスト環境は、ユーザ数に対するウェブサーバの応答時間(レスポンスレート)の比較分析のために構 成されました。Webロードユーザ数を増やしていった場合のウェブサーバの応答時間(レスポンスレー ト)を測定しました。 以下は各ユーザ数における応答時間(レスポンスレート)で、単位は秒です。 ユーザ 数 500 1000 1500 2000 2500 キャッシュ無しで の応答時間(秒) 0.3 0.8 2.4 3.8 15.7 キャッシュ有りで の応答時間(秒) 0.2 0.5 1.0 1.8 2.6 MaxIQ SSDキャッシュ有効時には、キャッシュ無し時よりユーザレスポンスレートが6倍改善されまし た。 結論 以下が、ウェブサーバ環境で、アダプテック MaxIQ SSD キャッシュパフォーマンスソリューションを比較 テストした結果の概要になります。 ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ ¾ スループットは、SSD キャッシュ無効時の 29.4Mbps から、SSD キャシュ有効時の 107.0Mbps になり、キャッシュ無し環境の 3.6 倍のパフォーマンス増加となった。 Web ロードユーザ数 1500 時の「TTFB (Time to First Byte)」は、SSD キャッシュ無効時の 2.5 秒から、SSD キャッシュ有効時の 0.5 秒になり、キャッシュ無し環境より 5 倍のパフォー マンス増加となった。 Web ロードユーザ数 1500 時の平均応答時間は、SSD キャッシュ無効時の 42.2 秒から、 SSD キャッシュ有効時での 4.1 秒へと、キャッシュ無し環境より 10.3 倍のパフォーマンス増 加となった。 SSD キャッシュ有りでのレスポンスレートは、キャッシュ無し環境の 6 倍に改善した。 同一応答時間での、対応可能なユーザ数がほぼ 2 倍に増加 テスト環境は、CPU 使用、ネットワークトラフィック、メモリがボトルネックとならず、5445Z の キャッシュを使用するために Adaptec RAID 5445Z からのディスク I/O の負荷が重くなるよう に設定されました。 コントローラ SSD キャッシュのインストール、設定、管理は、容易で、早く、直感的です。MaxIQ キャッシ ュの管理は、既存の GUI インターフェイスの実行から終了まで 6 クリック以下しか必要としません。