ご使用の手引き(330KB)

ご使用の手引き
進相コンデンサ取付けの効果
進相コンデンサの働き
効果 1
一般的によく使われる電気機器のうちモーターや溶接
機などのように鉄心に導線を巻いた負荷(機器)には
有効な電流とロスとなる無効電流があり実際にはそれ
らが合成された電流(皮相電流)が流れます。
この無効電流を減らすために進相コンデンサが使われ,
無効電流を減らすことを「力率改善」と言います。
進相コンデンサはこのモーターや溶接機などの無効
電流とまったく反対の無効電流を流す性質を持って
おりコンデンサを取り付けることにより無効電流を
減らし「力率改善」により無駄な電流を省くことが
出来ます。
電力需要家がコンデンサの取り付けにより力率改善を
行うと線路電流が低減出来ます。それにより送電線の
みならず変電所,発電所の有効利用が図れるため、電
力会社は電力料金に力率料金制度を設けており,力率
改善を図ることにより電気料金が安くなります。
電力料金は(基本料金)+(電力量料金)からなって
おりそれぞれに節減効果があります。
1. 基本料金の節減
力率料金制度(参考)
(仕事をする電力)
有効電力
(電流)
%
皮相電力
(電流)
無
(必 皮相
力率
要な 電力
% 効 (c)
電
トラ (KV
ンス A)
力
(a)
容量 (kvar)
2次
)
(実際に回路に流れている電力)
側
力率とは=
コンデンサ設置前
コンデンサが無い場合
電力変電所
50 kW 未満
コンデンサ(kvar)
90 ° (b)
有効電力
(kW)
基本料金の
割引・割増
● 力 率 が 85 %
各機器の力率
を上回る場合
負荷設備
を入力によっ
は 5 % 割引
低圧電力
契約
て加重平均に ● 力 率 が 85 %
する
を下回る場合
は 5 % 割増
負荷が最大
と認められ
る時間の力 ● 力率 85 % を上
率を需要家
回る場合,その
高圧電力 A
と電力会社
上回る1%に
業務用電力
で協議して
つき基本料金を
決める
1 % 割引き
✽ 実量制
その月のう ● 力率 85 % を下
回る場合,その
ち毎日午前
下回る1%に
高圧電力 B 8時から午
つき基本料金を
業務用電力 後 10 時 ま
1 % 割増し
での時間に
特別高圧
おける平均
電力
力率
契約電力 契約仕方
力率とは
●コンデンサは90°進み電流で無効
電力を相殺し力率を改善します。
電気料金が安くなります。
50 kW ~
100 kW 未満
100 kW ~
500 kW 未満
500 kW ~
2000 kW 未満
2000 kW 以上
皮相電力
契約種別
力率の決定
トランス
220 V
2. 電力量料金の節減
有効電力
無効電力
線路ロス,変圧器ロス等の低減で電力量料金の節減
が図れます。
負荷
ムダな
電力が
多いよ !
効果 2
力率改善例(基本料金が当初より24 %安くなります)
100 kW
コンデンサ
kW
88 kvar
3
13
)
100
%
130
無効電力
力率=75 %
(
力率改善により、流れる電流が低減されることで電
線路を有効利用でき,又変圧器容量の余裕を生み出
すなど受電設備の有効利用が図れます。
改善後
90°
遅れているよ!
100 kW
101
kVA
力率=99 %
効果 3
13 kvar
改善前
90°進んで
いるよ!
75 kvar
受電設備の有効利用が図れます。
電圧降下を低減します。
線路ロスなどのために配線距離により次第に電圧が降
下していきます。力率改善により線路ロスが低減出来
ますので電圧降下を低く抑えることが出来ます。
88−75=13
(無効電力が相殺される)
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
00 Dec. 2015
ご使用の手引き
進相コンデンサ取付け効果の計算式
1. 線路損失の低減
3. 設備の余裕度向上
線路の電力損失波流れる電流(I)の2乗と電線抵抗
(R)の積(P)で表されます。
線路電流が減少しますので変圧器や配線の負担が軽減
し設備に余裕が出来ます。
I2 × R × l = P
余裕度 (%) =
L
:力率改善により低減出来る電力損失
P
:電力
V
:線路(線間)電圧
R
:線路1条の抵抗
Cos q1 :改善前力率
Cos q2 :改善後力率
l
:線路の長さ
(
(W)
(W)
(V)
(Ω/m)
2P2
·R ·l
V2
(
(m)
P2
·R ·l
V2
(
1
1
−
Cos2 q1
Cos2 q2
)
改善前の力率
(Cos q1)
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1
1
−
Cos2 q1
Cos2 q2
)
2. 変圧器の損失(銅損)低減
(
( ) (
)
W
100
−1 × K × T ×
T
h
2
× 1−
Cos2 q1
Cos2 q2
)
h :変圧器の効率 (%)(通常は 98 %程度)
K :変圧器全体負荷時の全損失に対する銅損の比率
(通常 2/3 ∼ 6/7)
T :変圧器定格容量 (VA)
W :改善前の変圧器運転容量 (VA)
電力損失低減係数
改善前の力率
(Cos q1)
0.95
0.90
0.85
0.80
0.75
0.70
0.65
0.60
1.00
0.108
0.235
0.384
0.563
0.778
1.041
1.367
1.778
(
0.6
20 %
0
改善後の力率 (Cos q2)
0.7
0.8
0.9
40 %
60 %
80 %
17
33
50
0
14
29
0
13
0
1.0
100 %
67
43
25
11
4. 電圧降下の減少効果
力率改善により線路損失とともに,変圧器巻線にも線
路電流減少は波及し、銅損が低減されます。
L=
)
力率改善と余力電力(kVA)の発生率
b)三相回路1回線の線路損失の低減
L =
(
P1
:力率改善により低減出来る電力損失 (kVA)
P2
:電力
(kVA)
Cos q1 :改善前力率
Cos q2:改善後力率
a)単相回路1回線の線路損失の低減
L =
)
P1−P2
Cos q2
× 100 =
−1 × 100
Cos q1
P2
1
1
−
Cos2 q1 Cos2 q2
ΔE =
ΔE
P
V
R
X
Cos q
P
RCos q + XCos q
VCos q
(
:電圧降下の大きさ
:電力
:線路(線間)電圧
:線路及び変圧器の抵抗
:線路及び変圧器のリアクタンス
:力率
)
(V)
(W)
(V)
(Ω)
(Ω)
)
改善後の力率 (Cos q2)
0.95 0.90 0.85 0.80 0.75 0.70 0.65
0.127
0.276
0.455
0.670
0.933
1.259
1.670
0.150
0.328
0.543
0.806
1.132
1.543
0.178
0.394
0.657
0.983
1.394
0.215
0.478 0.263
0.804 0.589 0.326
1.215 1.000 0.737 0.411
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
00 Dec. 2015
ご使用の手引き
進相コンデンサ取付け容量基準表
200 V・400 V三相誘導電動機の場合
コンデンサ容量
200 V 回路
400 V 回路
定格出力
50 Hz
60 Hz
50 Hz
60 Hz
kW
HP
μF kvar μF kvar μF kvar μF kvar
0.2 以下 1/4 以下 15 0.19 10 0.15
0.4
1/2
20 0.25 15 0.23 5
0.25
5
0.30
0.75
1
30 0.38 20 0.30 7.5 0.38
5
0.30
(1)
—
30 0.38 20 0.30 7.5 0.38
5
0.30
(1.1)
(1.5)
30 0.38 20 0.30 7.5 0.38
5
0.30
1.5
2
40 0.50 30 0.45 10 0.50 7.5 0.45
(2)
—
50 0.63 40 0.60 15 0.75 10
0.60
2.2
3
50 0.63 40 0.60 15 0.75 10
0.60
(3)
—
50 0.63 40 0.60 15 0.75 10
0.60
3.7
5
75 0.94 50 0.75 20 1.01 15
0.90
(4)
—
75 0.94 50 0.75 20 1.01 15
0.90
(5)
—
100 1.26 75 1.13 25 1.26 20
1.21
5.5
7.5
100 1.26 75 1.13 30 1.51 25
1.51
7.5
10
150 1.88 100 1.51 40 2.01 25
1.51
(10)
—
200 2.51 150 2.26 50 2.51 40
2.41
11
15
200 2.51 150 2.26 50 2.51 40
2.41
15
20
250 3.14 200 3.02 75 3.77 50
3.02
18.5
25
300 3.77 250 3.77 75 3.77 75
4.52
(20)
—
300 3.77 250 3.77 75 3.77 75
4.52
22
30
400 5.06 300 4.52 100 5.03 75
4.52
(25)
—
400 5.06 300 4.52 100 5.03 75
4.52
30
40
500 6.28 400 6.03 125 6.28 100 6.03
37
50
600 7.54 500 7.54 150 7.54 125 7.54
(40)
—
600 7.54 500 7.54 150 7.54 125 7.54
45
60
750 9.42 600 9.04 200 10.05 150 9.05
(50)
—
900 11.30 750 11.30 250 12.57 200 12.06
55
75
900 11.30 750 11.30 250 12.57 200 12.06
注
電気供給約款および内線規程(3335 節)に基づいた参考値 kvar は参考です。
400 V は内線規程には含まれていません。
電動機の定格出力( )は,JIS C 4210(200 V 三相)および JIS C 4203(100 V・
200 V 単相)の標準品以外のものです。
コンデンサの容量は、 負荷の無効分より大きくしないこと。(内線規程)
詳細については各電力会社の電気供給約款および内線規程をご参照下さい。
100 V・200 V単相誘導電動機の場合
コンデンサ容量
100 V 回路
200 V 回路
50 Hz
60 Hz
50 Hz
60 Hz
kW
HP
μF kvar μF kvar μF kvar μF kvar
0.1 以下 1/8 以下 50 0.16
50 0.19 20 0.25 20 0.30
0.2
1/4
75 0.24
50 0.19 20 0.25 20 0.30
(0.25)
(1/3)
75 0.24
75 0.28 30 0.38 20 0.30
0.4
1/2
75 0.24
75 0.28 30 0.38 20 0.30
(0.55)
(3/4)
100 0.31
75 0.28 40 0.50 30 0.45
(0.75)
100 0.31
75 0.28 40 0.50 30 0.45
(1.1)
(1.5)
100 0.31 100 0.38 50 0.63 40 0.60
定格出力
200 V交流アーク溶接機の場合
最大入力
kVA
1 以下
2 以下
3 以下
5 以下
7.5 以下
10 以下
15 以下
20 以下
25 以下
30 以下
35 以下
40 以下
40 ~ 50 kVA 未満
注
コンデンサ容量
50 Hz
60 Hz
μF
kvar
μF
kvar
40
0.50
40
0.60
75
0.94
75
1.13
100 1.26 100
1.51
150 1.88 150
2.26
200
2.51 200
3.01
250
3.14 250
3.77
300
3.77 300
4.52
400
5.03 400
6.04
500
6.28 500
7.54
600
7.54 600
9.05
700 8.80 700 10.56
800 10.50 800 12.60
900 11.30 900 13.57
交流抵抗溶接機,直流アーク溶接機の場合は,上表の
1/2容量のものを用いて下さい。
インバータ制御式アーク溶接機の場合は「進み力率」
になりますので,コンデンサを取り付けると逆効果に
なります。
その他
蛍光灯の場合
定格消費電力
(W)
10
15
20
30
40
60
80
100
コンデンサ容量 (μF)
100 V 回路
200 V 回路
50 Hz 60 Hz 50 Hz 60 Hz
4.5
3.5
5.5
4.5
−
−
9
5.5
11
9
17
11
4.5
3.5
21
17
5.5
4.5
30
25
7.0
5.5
36
30
9.0
7.0
高力率形のもの及びフリッカレス回路のものは,基準容量の
コンデンサありとみなします。
水銀灯の場合
定格消費電力
(W)
40 以下
80 以下
100 以下
200 以下
250 以下
300 以下
400 以下
700 以下
1000 以下
コンデンサ容量 (μF)
100 V
200 V
20
4.5
40
9
50
11
75
15
100
20
150
30
250
50
350
75
ランプの市場性に対応し,内線規程に定められた 50 W,
125 W を削除し,80 W を新たに挿入しています。
ネオン管灯(1 次電圧 100 V)
変圧器 2 次電圧 変圧器容量
(W)
(VA)
3000
6000
9000
12000
15000
80
100
200
300
350
コンデンサ容量 (μF)
50 Hz
60 Hz
30
50
75
100
150
20
30
50
75
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
00 Dec. 2015
ご使用の手引き
容量値の設定方法例
容量値の設定方法
改善前
の力率
(Cos q1)
0.61
0.62
0.63
0.64
0.65
0.66
0.67
0.68
0.69
0.70
0.71
0.72
0.73
0.74
0.75
0.76
0.77
0.78
0.79
0.80
0.81
0.82
0.83
0.84
0.85
0.86
0.87
0.88
0.89
0.90
0.91
0.92
0.93
0.94
0.95
0.96
0.97
0.98
0.99
改善後の力率 (Cos q2)
1.00 0.99 0.98 0.97 0.96 0.95 0.94 0.93 0.92 0.91 0.90 0.89 0.88 0.87 0.86 0.85 0.84 0.83 0.82 0.81 0.80
130
127
123
120
117
114
111
108
105
102
99
96
94
91
88
86
83
80
78
75
72
70
67
65
62
59
57
54
51
48
46
43
40
36
33
29
25
20
14
116
112
109
106
103
100
97
94
91
88
85
82
79
77
74
71
69
66
63
61
58
56
53
50
48
45
42
40
37
34
31
28
25
22
19
15
11
6
110 105 101 97 94 90
106 102 97 94 90 87
103 98 94 90 87 84
100 95 91 87 84 81
97 92 88 84 81 77
94 89 85 81 78 74
91 86 82 78 75 71
88 83 79 75 72 68
85 80 76 72 69 65
82 77 73 69 66 63
79 74 70 66 63 60
76 71 67 64 60 57
73 69 64 61 57 54
71 66 62 58 55 51
68 63 59 55 52 49
65 60 56 53 49 46
63 58 54 50 47 43
60 55 51 47 44 41
57 53 48 45 41 38
55 50 46 42 39 36
52 47 43 40 36 33
50 45 41 37 34 30
47 42 38 34 31 28
44 40 35 32 28 25
42 37 33 29 26 23
39 34 30 26 23 20
36 32 28 24 20 17
34 29 25 21 18 15
31 26 22 18 15 12
28 23 19 16 12
9
25 21 16 13
9
6
22 18 13 10
6 3.1
19 14 10
7 3.2
16 11
7 3.4
13
8 3.7
9 4.1
4.8
87 84 82 79 76 73 71 68 65 63 60 58 55
84 81 78 75 73 70 67 65 62 59 57 54 52
81 78 75 72 69 67 64 61 59 56 54 51 48
78 75 72 69 66 63 61 58 56 53 50 47 45
74 71 69 66 63 60 58 55 52 50 47 45 42
71 68 65 63 60 57 55 52 49 47 44 41 39
68 65 62 60 57 54 52 49 46 44 41 38 36
65 62 59 57 54 51 49 46 43 41 38 35 33
62 59 57 54 51 48 46 43 40 38 35 33 30
59 56 54 51 48 45 43 40 37 35 32 30 27
57 54 51 48 45 43 40 37 35 32 29 27 24
54 51 48 45 42 40 37 34 32 29 27 24 21
51 48 45 42 40 37 34 32 29 26 24 21 19
48 45 43 40 37 34 32 29 26 24 21 19 16
46 43 40 37 34 32 29 26 24 21 18 16 13
43 40 37 34 32 29 26 24 21 18 16 13 11
40 37 35 32 29 26 24 21 18 16 13 11
8
38 35 32 29 26 24 21 18 16 13 10
8
5
35 32 29 26 24 21 18 16 13 10
8
5 2.6
32 29 27 24 21 18 16 13 10
8
5 2.6
30 27 24 21 18 16 13 10
8
5 2.6
27 24 21 19 16 13 11
8
5 2.6
25 22 19 16 13 11
8
5 2.6
22 19 16 13 11
8
5 2.6
19 16 14 11
8
5 2.7
17 14 11
8
5 2.6
14 11
8
6 2.7
11
8
6 2.8
9
6 2.8
6 2.8
3
【使用例】
① 負荷 400 kW,力率 80 % を 95 % に改善する場合
縦軸 (Cos q1) =0.8,横軸 (Cos q2) =0.95,交点 42 % を得る。
所要コンデンサ容量 =400 kW×0.42=168 kvar → 175 kvar
② 負荷が kVA の場合
kW=kvar×Cos q1 を算出し,①と同様にして計算する。
kvar → µF換算式
計算式
C =
kvar×109
2×p×f×E2
C :静電容量
f :周波数
E :定格電圧
p :定数
(µF)
(Hz)
(V)
(3.14)
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
00 Dec. 2015
ご使用の手引き
低圧進相コンデンサご使用上の注意
5.Y −△始動誘導電動機への接続
低圧進相コンデンサは屋内用です。屋外では使用でき
ません。
次のような場所には取り付けないで下さい。
−25 ℃∼+45 ℃の温度範囲以外の場所
湿気が多い場所
水を取扱う場所
振動の激しい場所
雨水がかかったり,浸入する場所
塩害の恐れのある場所
じんあい,鉄粉,腐食性ガス雰囲気の場所
パッケージ形エアコンの内部
直射日光のあたる場所
Y−△始動誘導電動機の力率改善に使用する低圧進相
コンデンサの結線に誤りがありますと回路に異常電圧
が発生しコンデンサが損傷することがあります。結線
に際して下図の正常結線通りにして下さい。
2. 運搬と取付
1. 電線の太さ
低圧進相コンデンサに接続する電線の最小太さは
内線規程に規定されています。
(次ページを参照ください)
コンデンサに接続する電線の太さはコンデンサの
定格電流の1.5倍に耐える電線をご使用下さい。
品種
N2 形 200 V 100 μF 以下
N2 形 200 V 150 μF 以上
注)
間隔 (A)
25 mm 以上
30 mm 以上
N2 形 400/440 V 級は 200 V 級ケースと対
応しています。(ご参照下さい。)
N2 形 200 V 100 µF 以下の場合,JIS 協約
形連接取付板脚に取付けのように背面取付の場
合は側面間隔は 25 mm 以下でも使用できます。
A
取付方向
N2形:200 V 100 µF以下は4方向,200 V 150 µF
以上は正立・2方向取り付けできます。
(カタログ,取扱説明書をご参照下さい。)
取り付けの際、コンデンサケースを損傷したり穴
をあけたりしないで下さい。
3. 無負荷時のコンデンサの開放について
負荷を電源から切り放したとき,コンデンサも同時に
切り放せるように接続して下さい。コンデンサだけが
接続されたままですと,力率の進み過ぎによる過電
圧・高調波などが発生し、コンデンサが損傷したり,
使用機器に悪影響を及ぼします。
正しい結線例
誤った結線例
W
電源スイッチ
正しい結線例
誤った結線例
Y−△
始動器
Y−△
始動器
U
V
X
M
電源
運搬の際は、コンデンサ本体をお持ち下さい。
端子部を持つ事はコンデンサ故障の原因になります。
コンデンサを2台以上集合して取り付ける場合
は,コンデンサ相互間の間隔をおとり下さい。
電源
1. 設置場所
Y
誘導電動機
Z
X
U
M
V
W
電源スイッチ 誘導電動機
Y
Z
コンデンサ
コンデンサ
6. コンデンサの接続について
2. コンデンサへの接続
接続電線は確実にネジ止めして下さい。締め付け
がゆるいと,端子部が過熱することがありますか
ら電線、リード線の接続後,線が動かないことを
ご確認のうえ,ご使用下さい。
例 200 V 150 μF(N2形)の場合
電線の先端
端子台
3. 接地工事
N2形:樹 脂 ケ ー ス , 樹 脂 モ ー ル ド タ イ プ で ,
接地工事は不要です。
7. コンデンサ容量の選定
低圧進相コンデンサ取付容量基準表に基づいて選
定下さい。
コンデンサを誘導電動機(個々)に直結して使用
される場合には、自己励磁による電圧上昇の防止
のため、コンデンサの容量は負荷の無効電力分よ
り大きくしないで下さい。
8. コンデンサの再投入
M
M
4. 過電圧・高調波
進み力率などによる過電圧,サイリスタ負荷などによ
る高調波により,コンデンサが過熱して故障すること
があります。適切な処置を講じて設置して下さい。
コンデンサは,電源から開放後3分間以内に残留電圧
が75 V以下となる放電抵抗器を内蔵しております。
残留電圧が充分放電しない時点で再投入しますと大き
な過電流が流れコンデンサを損傷させる原因になるこ
とがあります。短時間に開閉される場合は放電コイル
(放電時間5秒以内)のご使用をお願いします。
但し,この場合も再投入は5秒以上経過してからご使
用下さい。
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
00 Dec. 2015
ご使用の手引き
低圧進相コンデンサの保護
1.SH 式コンデンサについて
低圧進相コンデンサは,蒸着電極を採用したSH式コ
ンデンサです。
SH式コンデンサは,誘電体に何らかの局部的な絶縁
破壊が生じても,絶縁を回復させる自己回復作用を有
しております。
しかし寿命末期や過電圧等の異常発生時等において自
己回復作用で回復し得ない場合ケース内圧が徐々に上
昇し,ケースが破壊して二次災害に発展する可能性が
あります。
自己回復作用時の微少電流は電流ヒューズ,配線用遮
断器等では検出されませんのでコンデンサ保護の為,
保安機構又は,保安装置を採用致しております。
保安機構
蒸着電極を数百∼数千に分割した分割電極毎にヒュー
ズ機能を持たせ,絶縁破壊が発生しても分割電極単位
で回路から開放させるものです。
弊社のN2形低圧進相コンデンサすべてに採用致して
おります。
保安機構
万一部分破壊が起きても,絶縁破壊したコンデンサ片
(分割電極)のみが蒸着電極のヒューズ作用で瞬時に
切り離される。
分割電極
ヒューズ作用
短絡電流
正常時
(自己保安機能が働き,正常な
機能が続けられます。)
自己保安機能による
蒸着電極飛散
ショート状態
(自己保安機能が働き,正常な
機能が続けられます。
)
自己保安機能による
蒸着電極飛散
絶縁破壊箇所
絶縁破壊箇所
不完全な自己回復作用
コンデンサの接続について
1)電線の太さ
1. 個々の負荷に接続する場合
(長さ3 m以上)
2. コンデンサを各負荷に共用する場合の
電線の太さ及び開閉器の容量
電動機負荷の場合
電動機の
定格出力
kW
2.2 以下
3.7 以下
7.5 以下
15 以下
37 以下
37 超過
55 以下
75 以下
110 以下
150 以下
220 以下
単相2線式
100 V
200 V
三相3線式
200 V
400 V
2
8 mm f2.0mm f1.6mm f1.6mm
14 mm2 5.5 mm2 f2.0mm f1.6mm
38 mm2 14 mm2 5.5 mm2 f2.0mm
−
−
14 mm2 5.5 mm2
−
−
22 mm2 14 mm2
−
−
38 mm2
−
14 mm2
−
−
−
−
−
−
22 mm2
−
−
−
38 mm2
−
−
−
60 mm2
−
−
−
100 mm2
電動機以外の負荷の場合
電動機の
定格出力
kW
3 以下
5 以下
10 以下
20 以下
50 以下
75 以下
100 以下
150 以下
200 以下
300 以下
単相2線式
100 V
f1.6mm
f2.0mm
5.5 mm2
14 mm2
38 mm2
−
−
−
−
−
200 V
f1.6mm
f1.6mm
f2.0mm
5.5 mm2
14 mm2
38 mm2
38 mm2
−
−
−
三相3線式
200 V
f1.6mm
f1.6mm
f1.6mm
f2.0mm
14 mm2
14 mm2
22 mm2
38 mm2
60 mm2
60 mm2
400 V
f1.6mm
f1.6mm
f1.6mm
f1.6mm
f2.0mm
8 mm2
14 mm2
14 mm2
22 mm2
38 mm2
コンデンサ容量 (μF)
コンデンサの
電線の 開閉器の
50 Hz
60 Hz
定格電流
最小太さ 容 量
三相
単相
三相
単相 (概数) (銅線) (A)
(A)
400 V 200 V 200 V 100 V 400 V 200 V 200 V 100 V
135 275 155 315 115 230 130 265 10 以下 f1.6 mm 50 ~ 30
205 410 235 475 170 345 195 395 15 以下 f2.0 mm ✽30 (15~30)
275 550 315 635 230 455 265 530 20 以下 5.5 mm2
30
410 820 475 950 345 685 395 790 30 以下
8 mm2
60
550 1100 630 1250 455 910 530 1050 40 以下 14 mm2
60
680 1350 790 1550 570 1150 660 1300 50 以下 22 mm2
100
820 1650 950 1900 690 1350 790 1550 60 以下 38 mm2
100
1000 2050 1150 2350 860 1700 990 1950 75 以下 38 mm2
100
1200 2450 1400 2850 1000 2050 1250 2350 90 以下 60 mm2
200
1350 2750 1550 3150 1150 2300 1300 2650 100 以下 60 mm2
200
1700 3450 1950 3950 1400 2850 1650 3300 125 以下 100 mm2
200
2050 4100 2350 4750 1700 3400 1950 3950 150 以下 100 mm2
200
・ 3335 − 3 表より ✽( )内の数値は三相 400 V 独自の場合を示します。
注)① 詳細については,内線規程 JEAC 8001-2005,3335 節をご参照ください。
② 左表は,個々の負荷に取り付けし,本線から分岐してコンデンサにいたる長さが
3 m 以上の場合の電線最小太さを示しています。(内線規程より)
③ 分岐点より長さ 3 m以下の場合,内線規程 3335 節 3335-3 表に示す値によ
ることができます。
④ 負荷一括の場合などは,コンデンサの定格電流値の最低 150 %を許容する電線
をご使用ください。
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
00 Dec. 2015
ご使用の手引き
低圧進相コンデンサの保守点検
保守・点検・更新・廃棄
安全にお使いいただくため最低,年1回の点検をお願
いします。
尚,点検の際は,電源を切りコンデンサが十分放電し
ていることを確認の上お取り扱い下さい。
点検項目
① 温度上昇の異常はないか?
② ケースに損傷や欠け,穴があいていないか?
③ 湿気や水滴がかかっていないか?
④ 鉄粉やホコリが異常にかかっていないか?
⑤ 締め付けネジのゆるみはないか?
⑥ コンデンサ電流の異常はないか?
(高調波の流入も含む。)
⑦ ケースが異常にふくれていないか?
⑧ サビが発生していないか?
更 新・ 廃 棄
1. 更新推奨時期
(社)日本電機工業会発行「低圧機器の更新推
奨時期に関する調査」報告書において低圧進相
コンデンサの更新推奨時期は
低圧進相コンデンサ 使用開始後10年
と記載されております。
寿命バラツキはありますが,より安全にご使用
いただくため,この使用期間を目途に更新をお
勧め致します。
尚,現在お使いの古いもので保安装置,又は保
安機構のないものについては,早急にお取り替
えをお勧め致します。
2.廃棄
コンデンサのご使用後の廃棄は,産業廃棄物と
して処理して下さい。
PCB 使用コンデンサの処置について
昭和47年以前に生産されたPCB使用コンデンサに
つきましては特別管理産業廃棄物として事業者はそ
の環境の保全上支障が生じないよう保管が義務付け
られております。
又平成13年7月には「ポリ塩化ビフェニール廃棄物
の適正な処置の推進に関する特別処置法」が施行さ
れ,PCB廃棄物を所有する事業者等には保管状況等
を届け出しなければならない他,一定期間内に適正
に処分することが義務付けられています。
<PCB廃棄物を所有する事業者に課せられる規制>
○ 保管及び処分の状況届け出
平成13年度以降毎年度,そのPCB廃棄物の保管
及びその処分の状況に関して都道府県知事に届
けなければなりません。
○ 期間内の処分
事業者は,平成39年3月31日までに,PCB廃棄
物を自ら処分するか,若しくは処分を他人に委託
しなければなりません。
○ 譲渡し及び譲受けの制限
何人もPCB廃棄物を譲り渡し,又は譲り受けては
ならないこととされています。
○ 承継
事業者について相続,合併又は分割があったとき
は,相続人,合併後存続する法人もしくは合併に
より設立した法人又は分割によりその事業の全部
を承継した法人は,その事業者の地位を承継する
ものとされています。事業者の地位を承継した者
はその承継があった日から30日以内に,その旨
を都道府県知事に届け出ることになっています。
○ 特別管理産業廃棄物管理責任者の設置
事業所ごとに廃棄物の処理及び清掃に関する法律
に基づく「特別管理産業廃棄物管理責任者」を置
かなければなりません。
✽ 上記規制に違反した場合,懲役もしくは罰金
に処し,またはこれを併科されます。
「ポリ塩化ビフェニール廃棄物の適正な処置の推
進に関する特別処置法」については都道府県,及
び保健所を設置する市の問い合わせ窓口にご確認
願います。
弊社PCB使用製品は型式「AF式」,「AF(T)式」
が対象となります。
✽ 他にMP式,MF式,SH式などがあります
が,これらにはPCBは使用しておりません。
他に一部微量PCB混入の可能性を完全に否定
できないものもありますので,詳細は弊社問
い合わせ窓口にご確認願います。
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
00 Dec. 2015