樹脂封止型CMOSリニアイメージセンサ/使用上の注意

使用上の注意
樹脂封止型 CMOS リニアイメージセンサ
樹脂封止型 CMOS リニアイメージセンサを使用する前に、必ず本資料をお読みください。
なお、封止樹脂の材質によって注意事項が異なります。使用する製品の封止樹脂の材質 (エポキシ樹脂、シリコー
ン樹脂)を納入仕様書またはデータシートにて確認の上、本資料をお読みください。
エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂の製品例 (「樹脂封止型 CMOS イメージセンサの封止樹脂を教えてください。」参照)
www.hamamatsu.com/jp/ja/support/faq/products_faq/cmos_image_sensor.html
仕様書に使用上の注意が掲載されている場合には、その内容を遵守してください。
1. 取り扱い
・ 樹脂封止型 CMOS リニアイメージセンサの受光部は透明樹脂にて保護されています。ガラス窓材などと比較し
て、透明樹脂は軽微な凹凸が見られる場合があり、また傷が付きやすい性質を持っています。取り扱いや光学
設計に注意してご使用ください。
・ シリコーン樹脂製品に以下の外力を加えるとパッケージにクラックが発生したり、特性の変動、ワイヤ変形による断
線が生じたりしますので、注意してください。
[パッケージ全面に均一な外力を加えた場合] 200 N 以上
[パッケージの一部に外力を加えた場合] 2 N/φ100 μm 以上
・ 弊社出荷時には、受光面の保護のため製品表面に琥珀色の耐熱性テープが貼ってあります。組立完了後はテー
プをはがして使用してください。また、テープをはがす際は、テープの端をピンセットなどでつかんではがしてくださ
い。
耐熱性テープが貼ってある状態
耐熱性テープをはがした状態
・ 溶剤 (エチルアルコールを除く)による洗浄は絶対に行わないでください。
・ 製品表面に付着した異物を取り除く場合は、エアブローで行ってください。エアブローで取れない場合は、エチルア
ルコールを少量含ませた綿棒などで軽く拭き取ってください。シリコーン樹脂製品については、製品表面に付いた
細かい傷は、40 ℃、 1 分程度の加熱により修復が可能です。
・ 本製品には静電気に対する保護がなされていますが、過度の静電気やサージによって破壊または劣化する危険
性があります。静電気による破壊を未然に防ぐために、作業者・作業台・作業工具を接地するなどの静電気対策を
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実施してください。また、周辺装置からのサージ電圧の印加を防ぐようにしてください。
・ リフローはんだ付けを行う場合は、表 1 の条件で行ってください。
急激な昇温・冷却はトラブルの原因となります。表 1 の「昇温/冷却条件」を参照してください。
使用する基板やリフロー炉によってセンサに与えるストレスは異なります。リフロー条件の設定時には過度のストレ
スを与えていないことを確認してください。図 1 にリフローはんだ付けの推奨温度プロファイルを示します。
【表 1】 リフローはんだ付け条件
項目
リフローはんだ付け温度
(パッケージ表面の温度)
リフロー回数
昇温/冷却条件
エポキシ樹脂製品
シリコーン樹脂製品
240 ℃以下
260 ℃以下
1 回まで
昇温 4 °C/秒未満
冷却 4 °C/秒未満
3 回まで
昇温 3 °C/秒未満
冷却 6 °C/秒未満
【図 1】 リフローはんだ付けの推奨温度プロファイル (代表例)
(a) エポキシ樹脂製品
300 °C
昇温
4 °C/s max.
ピーク温度
240 °C max.
冷却
6 °C/s max.
220 °C
190 °C
温度
170 °C
予備加熱
90~120 s
本加熱
50 s max.
時間
KMPDB0348JD
(b) シリコーン樹脂製品
300 °C
ピーク温度-5 °C
30 s max.
ピーク温度
260 °C max.
217 °C
昇温
3 °C/s max.
冷却
6 °C/s max.
温度
200 °C
150 °C
予備加熱
60∼120 s
本加熱
60∼150 s
25 °C~ピーク温度
8 m max.
時間
KMPDB0405JA
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2. 保管
封止樹脂が吸湿した状態でリフローはんだ付けを行うと、水分の膨張に起因した内部ストレスにより光学特性に影
響が出たり、動作不良を起こしたりすることがありますので注意してください。
・ 本製品は、封止樹脂の吸湿を抑えるためシリカゲル入りの導電性防湿袋に梱包されています。開封は製品の使
用直前まで行わないでください。
・ シリカゲルは吸湿により青色から赤色に変色します。開封時にシリカゲルの変色の有無と梱包袋の破れなどの異
常がないかを確認してください。
・ 開封前は、常温・常湿中 (5~35 °C、45~85%以下)であれば長期間 (3 ヵ月程度)の保管が可能です。ただし、未
開封状態であっても、急激な温度変化がある場所では保管しないでください。
・ 導電性防湿袋の開封後は、規定された耐湿性レベル (MSL: Moisture Sensitivity Level)に従って保管・実装してく
ださい。耐湿性レベルについては、表 2 を参照してください。
・ 未開封状態で 3 ヵ月以上または耐湿性レベルの保管期間・条件を超えた場合は、清浄な乾燥機にてベーキングを
実施してください。なお、本製品をトレイに移し替えてベーキングを行う場合、プラスチック製のトレイは熱に弱いた
め、金属製のトレイなどを使用してください。推奨ベーキング条件については、表 3 を参照してください。
【表 2】 耐湿性レベルの保管条件
耐湿性
レベル
保管期間
保管温度/湿度
1
無期限
30 °C 以下/85%以下
2
1年
30 °C 以下/60%以下
2a
4 週間
30 °C 以下/60%以下
3
168 時間
30 °C 以下/60%以下
4
72 時間
30 °C 以下/60%以下
5
48 時間
30 °C 以下/60%以下
5a
24 時間
30 °C 以下/60%以下
該当製品
シリコーン樹脂製品
エポキシ樹脂製品
【表 3】 推奨ベーキング条件
項目
ベーキング温度、時間
ベーキング回数
テーピング状態または金属製のトレイなどに移し変えた状態
120 ℃、3 時間
2 回まで
Cat. No. KMPD9007J04 Oct. 2014
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