Component - CRC V2.10 Datasheet (Japanese).pdf

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PSoC Creator™ コンポーネント・データシート
巡回冗長チェック(CRC)
2.10
特長
 1~64 ビット
 時分割多重化モード
 シリアル ビット ストリーム入力用のクロックおよびデータが必要
 シリアルデータ入力、パラレル出力
 標準 [CRC-1 (パリティ ビット)、CRC-4 (ITU-T G.704)、CRC-5-USB など] 、またはカスタム多項式
 標準またはカスタムのシード値
 イネーブル入力が、他のコンポーネントとの同期動作を提供
概要説明
巡回冗長チェック (CRC) コンポーネントのデフォルトの使用方法は、あらゆる長さのシリアル ビット ストリームから
CRC を計算することです。データ クロックの立ち上がりエッジで、入力データがサンプリングされます。CRC 値は、
開始前に 0 に設定されるか、オプションで初期値をシードとして使用できます。ビットストリームが完了すると、計
算された CRC 値が読み出されます。
CRC を使用するとき
デフォルトの CRC コンポーネントは、送信やストレージ中のデータの変化を検出するため、チェックサムとして使用
します。CRC は、バイナリ ハードウェアに簡単に実装でき、数学的に簡単に解析可能であり、伝送路のノイズに
よって引き起こされる一般的なエラーの検出に特に適しているといった点から、よく利用されています。
Cypress Semiconductor Corporation • 198 Champion Court • San Jose, CA 95134-1709 • 408-943-2600
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Revised May 30, 2012
巡回冗長チェック (CRC)
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入出力接続
ここでは、CRC のさまざまな入出力接続について説明します。I/O リストのアスタリスク (*) は、I/O が、その I/O の
説明でリストされている条件において、シンボル上から隠されている可能性があることを示します。
clock – 入力
CRC は、CRC の計算に使用される、シリアル ビットストリームを提供するデータ入力を必要とします。シリアル
データ入力を正しくサンプリングするために、データ クロック入力も必要です。データ クロックの立ち上がりエッジで、
入力データがサンプリングされます。
reset – 入力
リセット入力は、CRC を非同期リセットするための信号を定義します。
enable – 入力
CRC コンポーネントは、スタートされた後、イネーブル信号が HIGH である限り動作し続けます。この入力が、他
のコンポーネントとの同期動作を提供します。
di – 入力
CRC の計算に使用される、シリアル ビットストリームを提供するデータ入力。
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巡回冗長チェック (CRC)
コンポーネント・パラメータ
CRC コンポーネントをデザイン上にドラッグし、ダブルクリックして [Configure (設定)]ダイアログを開きます。この
ダイアログには、CRC コンポーネントのセットアップをガイドする複数のタブがあります。
[Polynomial (多項式)] タブ
Standard Polynomial (標準多項式)
[Standard polynomial (標準多項式)] コンボボックスに提供されている標準の CRC 多項式のいずれかを選
択するか、カスタム多項式を生成できます。各標準多項式に関するその他の情報は、ツールのヒントに表示され
ます。デフォルトは CRC-16 です。
多項式名
多項式
用途
カスタム
ユーザ定義
汎用
CRC-1
x+1
パリティ
CRC-4-ITU
x +x+1
CRC-5-ITU
x + x + x +1
CRC-5-USB
x +x +1
CRC-6-ITU
x +x+1
CRC-7
x +x +1
CRC-8-ATM
x +x +x+1
CRC-8-CCITT
x +x +x +x +1
4
5
4
5
2
ITU G.704
2
ITU G.704
USB
6
ITU G.704
7
3
電話通信システム、MMC
8
2
ATM HEC
8
7
3
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2
1 ワイヤ バス
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巡回冗長チェック (CRC)
多項式名
多項式
8
5
4
8
7
6
4
8
4
3
2
1 ワイヤ バス
CRC-8-Maxim
x +x +x +1
CRC-8
x +x +x +x +x +1
CRC-8-SAE
2
汎用
x +x +x +x +1
x
10
CRC-12
x
12
CRC-15-CAN
x
CRC-16-CCITT
CRC-10
用途
9
5
SAE J1850
4
汎用
+x +x +x +x+1
+x
11
+x +x +x+1
15
+x
14
+x
x
16
+x
12
+x +1
CRC-16
x
16
+x
15
+x +1
CRC-24-Radix64
x +x
x+1
24
23
+x
CRC-32-IEEE802.3
x +x +x +x +x
2
x +x+1
32
26
23
22
CRC-32C
x +x +x +x +x +x +x +x +x +x +x +x
11
+x +x +x +1
+x +x 9 8 6
32
28
27
26
25
23
22
20
CRC-32K
x +x +x +x +x +x +x +x +x +x +x +x
7
+x +x +x+1
+x +x 4 2
32
30
29
28
26
20
19
17
CRC-64-ISO
x
4
3
CRC-64-ECMA
x +x +x +x +x +x +x +x +x +x +x +x
ECMA-182
38
+x
+x
+x
+x
+x
+x
+x
+x
+x
+x
+
+ x + x 35 33 32 31 29 27 24 23 22 21
x
+x
+x
+x
+x
+ x + x + x + x +1
19 17 13 12 10 9 7 4
62
57
64
64
3
10
2
8
7
電話通信システム
4
3
+x +x +x +x +1
CAN
5
XMODEM、X.25、V.41、
Bluetooth、PPP、IrDA、
CRC-CCITT
2
18
USB
+x
17
14
+x
16
+x
+x
11
+x
10
12
+ x + x + x + x + x + x + Ethernet、MPEG2
11
7
6
5
4
3
10
8
7
5
4
19
18
14
13
汎用
16
15
11
10
汎用
+ x + x + x + x + x + 汎用
+x +x +x+1
55
ISO 3309
54
53
52
47
46
45
40
39
Polynomial Value (多項式値)
このパラメーターは 16 進数で表現されています。標準多項式のいずれかが選択されている場合は、自動的に
計算されます。手動で入力することもできます (「カスタム多項式」を参照)。
シード値
このパラメーターは 16 進数で表現されています。可能な最大値は 2N-1 です。
N
このパラメーターは多項式の全次数を定義します。可能な値は 1~64 ビットです。で表での数字は、多項式中
にどの次数が含まれているのか示しています。選択した数のセルは青、その他は白になっています。アクティブなセ
ルの数は N に等しくなります。数は、降順に配列されています。セルをクリックし、数値を選択または選択解除で
きます。
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Polynomial Representation (多項式表現)
このパラメーターは数学的な式として、多項式の結果を表示します。
Custom Polynomials (カスタム多項式)
3 つの異なる方法で、カスタム多項式を入力できます。
標準の多項式に多少の変更を加える


標準多項式のいずれかを選択します。

多項式値が、表示された多項式に基づいて自動的に再計算されます。
該当するセルをクリックし、表で必要な次数を選択します。[Standard Polynomial (標準多項式)] のテ
キストが [Custom (カスタム)] に変わります。
Use Polynomial Degrees (多項式の次数を使用)

N テキストボックスにカスタム多項式を入力します。[Standard Polynomial (標準多項式)] のテキストが
[Custom (カスタム)] に代わります。



該当するセルをクリックして、表で必要な次数を選択します。
[Polynomial Representation (多項式)] で多項式を確認します。
多項式値が、表示された多項式に基づいて自動的に再計算されます。
Use Hexadecimal Format (16 進法形式の使用)


Polynomial Value テキスト ボックスに、16 進法形式で多項式値を入力します。

N 値と多項式の次数は、入力した多項式値を基にして再計算されます。
[Enter] を押すか、別のコントロールに切り替えます。[Standard Polynomial (標準多項式)] が
[Custom (カスタム)] に変わります。
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Advanced タブ
Implementation (実装)
このパラメーターは、CRC コンポーネントの実装を定義します。時分割多重化またはシングル サイクル。デフォル
トは、シングル サイクルです。
ローカル パラメータ (API での使用)
これらのパラメータは、API によって使用され、GUI には表示されません。

PolyValueLower (uint32) – 16 進法形式による多項式値の下位半分が含まれます。デフォルトの分解
能は 8 であるため、デフォルトは 0xB8h (LFSR = [8,6,5,4]) です。

PolyValueUpper (uint32) – 16 進法形式による多項式値の上位半分が含まれます。デフォルトの分解
能は 8 であるため、デフォルトは 0x00h です。

SeedValueLower (uint32) – 16 進法形式によるシード値の下位半分が含まれます。デフォルトの分解
能は 8 であるため、デフォルトは 0xFFh です。

SeedValueUpper (uint32) – 16 進法形式によるシード値の上位半分が含まれます。デフォルトの分解
能は 8 であるため、デフォルトは 0 です。
クロック選択
このコンポーネントには、内部クロックはありません。クロックソースを必ず取りつけてください。
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巡回冗長チェック (CRC)
注 Imprementation パラメータで Time Division Multiplex を選択した場合、8 を超える分解能で正しい
CRC シーケンスを生成するには、データ レートの 4 倍のクロック信号が必要です。
配置
CRC は、UDB アレイ全体に配置され、すべての配置情報は、cyfitter.h ファイルを通して API に提供されま
す。
リソース
シングル サイクル実装
リソースのタイプ
API メモリ(バイト)
リソース
データパス
セル
PLD
Control/ Count7
セル
フラッシュ
RAM
ピン
(外部入出力ごと)
1〜8 ビット分解能
1
1
1
166
2
4
9〜16 ビット分解能
2
1
1
210
2
4
17〜24 ビット分解能
3
1
1
287
2
4
25〜32 ビット分解能
4
1
1
288
2
4
時分割多重化の実装
リソースのタイプ
API メモリ(バイト)
リソース
データパス
セル
PLD
RAM
ピン
(外部入出力ごと)
9〜16 ビット分解能
1
3
1
242
2
4
17〜24 ビット分解能
2
3
1
538
2
4
25〜32 ビット分解能
2
3
1
615
2
4
33〜40 ビット分解能
3
3
1
763
2
4
41〜48 ビット分解能
3
3
1
894
2
4
49〜56 ビット分解能
4
3
1
999
2
4
57〜64 ビット分解能
4
3
1
1101
2
4
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Control/ Count7
セル
フラッシュ
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巡回冗長チェック (CRC)
アプリケーション プログラミング インタフェース
アプリケーション プログラミング インターフェース (API) ルーチンにより、ソフトウェアを使用してコンポーネントを設定
できます。次の表は、各関数へのインターフェースとその説明を示しています。続くセクションでは、各関数について
詳しく説明します。
初期設定で、PSoC Creator により、インスタンス名「CRC_1」が、所定のデザイン中の最初のコンポーネント イ
ンスタンスに割り当てられます。コンポーネントのインスタンス名称は、識別子の文法ルールに従って独自の名前
に変更できます。インスタンス名は、すべてのグローバル関数名、変数名、定数名のプリフィックスになります。分
かりやすいよう、次の表では、インスタンス名「CRC」を使用しています。
関数
説明
CRC_Start()
初期値で、シード値及び多項式レジスタを初期化します。CRC の計算は、入力クロックの
立ち上がりエッジで開始されます。
CRC_Stop()
CRC の計算を停止します。
CRC_Wakeup()
CRC 設定を復元し、入力クロックの立ち上がりエッジで CRC の計算を開始します。
CRC_Sleep()
CRC の計算を停止し、CRC の設定を保存します。
CRC_Init()
シード値および多項式レジスタを初期値で初期化します。
CRC_Enable()
入力クロックの立ち上がりエッジで CRC の計算を開始します。
CRC_SaveConfig()
シード値及び多項式レジスタを保存します。
CRC_RestoreConfig()
シード値及び多項式レジスタを復元します。
CRC_WriteSeed()
シード値を書き込みます。
CRC_WriteSeedUpper()
シード値の上位半分を書き込みます。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成されます。
CRC_WriteSeedLower()
シード値の下位半分を書き込みます。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成されます。
CRC_ReadCRC()
CRC 値を読み取ります。
CRC_ReadCRCUpper()
CRC 値の上位半分を読み取ります。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成されます。
CRC_ReadCRCLower()
CRC 値の下位半分を読み取ります。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成されます。
CRC_WritePolynomial()
CRC 多項式値を書き込みます。
СRC_WritePolynomialUpper()
CRC 多項式値の上位半分を書き込みます。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成され
ます。
CRC_WritePolynomialLower()
CRC 多項式値の下位半分を書き込みます。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成され
ます。
CRC_ReadPolynomial()
CRC 多項式値を読み取ります。
CRC_ReadPolynomialUpper()
CRC 多項式値の上位半分を読み取ります。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成され
ます。
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巡回冗長チェック (CRC)
関数
説明
CRC_ReadPolynomialLower()
CRC 多項式値の下位半分を読み取ります。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成され
ます。
グローバル変数
変数
CRC_initVar
説明
CRC が初期化されたかどうかを示します。変数は、0 に初期化され、最初に CRC_Start() が呼び出されると
1 に設定されます。これで、CRC_Start() ルーチンを最初に呼び出した後で、再初期化することなく、コンポーネ
ントを再起動できます。
コンポーネントの再初期化が必要な場合は、CRC_Int() 関数を CRC_Start() または CRC_Enable() 関数
の前に呼び出すことができます。
void CRC_Start(void)
説明:
初期値で、シード値及び多項式レジスタを初期化します。CRC の計算は、入力クロックの立ち上がり
エッジで開始されます。
パラメータ:
なし
返り値:
なし
副作用:
なし
void CRC_Stop(void)
説明:
CRC の計算を停止します。
パラメータ:
なし
返り値:
なし
副作用:
なし
void CRC_ Sleep(void)
説明:
CRC の計算を停止し、CRC の設定を保存します。
パラメータ:
なし
返り値:
なし
副作用:
なし
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void CRC_ Wakeup(void)
説明:
CRC 構成を復元し、入力クロックの立ち上がりエッジで、CRC の計算を開始します。
パラメータ:
なし
返り値:
なし
副作用:
なし
void CRC_ Init(void)
説明:
初期値で、シード値及び多項式レジスタを初期化します。
パラメータ:
なし
返り値:
なし
副作用:
なし
void CRC_ Enable(void)
説明:
入力クロックの立ち上がりエッジで、CRC の計算を開始します。
パラメータ:
なし
返り値:
なし
副作用:
なし
void LCD_Char_SaveConfig(void)
説明:
初期のシード値及び多項式レジスタを保存します。
パラメータ:
なし
返り値:
なし
副作用:
なし
void CRC_ RestoreConfig (void)
説明:
初期のシード値及び多項式レジスタを復元します。
パラメータ:
なし
返り値:
なし
副作用:
なし
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巡回冗長チェック (CRC)
void CRC_WriteSeed(uint8/16/32 seed)
説明:
シード値を書き込みます。
パラメータ:
uint8/16/32 シード: シード値
返り値:
なし
副作用:
シード値は、マスク = 2
Resolution
- 1 に準じてカットされます。
例えば、CRC 分解能が 14 ビットの場合、マスク値が次のようになります。
14
マスク = 2 – 1 = 0x3FFFu。
シード値 = 0xFFFFu はカットされ、シードおよびマスク = 0xFFFFu および 0x3FFFu = 0x3FFFu と
なります。
void CRC_WriteSeedUpper(uint32 seed)
説明:
シード値の上位半分を書き込みます。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成されます。
パラメータ:
uint32 seed: シード値の上位半分
返り値:
なし
副作用:
シード値の上位半分は、マスク = 2
Resolution – 32
- 1 に準じてカットされます。
例えば、CRC 分解能が 35 ビットの場合は、マスク値が次のようになります。
(35 – 32)
2
3
– 1 = 2 – 1 = 0x0000 0007u。
シード値の上位半分 = 0x0000 00FFu はカットされ、
シードの上位半分およびマスク = 0x0000 00FFu および 0x0000 0007u = 0x0000 0007uになりま
す。
void CRC_WriteSeedLower(uint32 seed)
説明:
シード値の下位半分を書き込みます。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成されます。
パラメータ:
uint32 seed: シード値の下位半分
返り値:
なし
副作用:
なし
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巡回冗長チェック (CRC)
uint8/16/32 CRC_ReadCRC(void)
説明:
CRC 値を読み取ります。
パラメータ:
なし
返り値:
uint8/16/32: CRC 値を返します
副作用:
なし
uint32 CRC_ReadCRCUpper(void)
説明:
CRC 値の上位半分を読み取ります。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成されます。
パラメータ:
なし
返り値:
uint32: CRC 値の上位半分を返します
副作用:
なし
uint32 CRC_ReadCRCLower(void)
説明:
CRC 値の下位半分を読み取ります。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成されます。
パラメータ:
なし
返り値:
uint32: CRC 値の下位半分を返します
副作用:
なし
void CRC_ WritePolynomial(uint8/16/32 polynomial)
説明:
CRC 多項式値を書き込みます。
パラメータ:
uint8/16/32 多項式: CRC 多項式
返り値:
なし
副作用:
多項式値は、マスク = 2
- 1 に準じてカットされます。例えば、CRC 分解能が 14 ビットの場
14
合、マスク値が次のようになります。マスク = 2 – 1 = 0x3FFFu。
Resolution
多項式値 = 0xFFFFu はカットされ、
多項式値およびマスク = 0xFFFFu および 0x3FFFu = 0x3FFFu。
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巡回冗長チェック (CRC)
void СRC_WritePolynomialUpper(uint32 polynomial)
説明:
CRC 多項式値の上位半分を書き込みます。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成されます。
パラメータ:
uint32 多項式: CRC 多項式値の上位半分
返り値:
なし
副作用:
多項式値の上位半分は、マスク = 2
- 1 に準じてカットされます。例えば、CRC 分解能
が 35 ビットの場合は、マスク値が次のようになります。
(Resolution - 32)
(35 – 32)
2
3
– 1 = 2 – 1 = 0x0000 0007u.
多項式値の上位半分 = 0x0000 00FFu はカットされ、
多項式の上位およびマスク = 0x0000 00FFu および 0x0000 0007u = 0x0000 0007u になりま
す。
void CRC_WritePolynomialLower(uint32 polynomial)
説明:
CRC 多項式値の下位半分を書き込みます。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成されます。
パラメータ:
uint32 多項式: CRC 多項式値の下位半分
返り値:
なし
副作用:
なし
uint8/16/32 CRC_ ReadPolynomial(void)
説明:
CRC 多項式値を読み取ります。
パラメータ:
なし
返り値:
uint8/16/32: CRC 多項式値を返します
副作用:
なし
uint8/16/32 CRC_ ReadPolynomialUpper(void)
説明:
CRC 多項式値の上位半分を読み取ります。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成されます。
パラメータ:
なし
返り値:
uint32: CRC 多項式値の上位半分を返します
副作用:
なし
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巡回冗長チェック (CRC)
uint32 CRC_ ReadPolynomialLower (void)
説明:
CRC 多項式値の下位半分を読み取ります。33〜64 ビットの CRC に対してのみ生成されます。
パラメータ:
なし
返り値:
uint32: CRC 多項式値の下位半分を返します。
副作用:
なし
ファームウェア・ソースコードのサンプル
PSoC Creator は、[Find Example Project (サンプルプロジェクトを検索)] ダイアログに多数のサンプルプロジェ
クトを提供しており、そこには回路図およびサンプル コードが含まれています。コンポーネント固有の例を見るには、
[Component Catalog ] または回路図に置いたコンポーネント インスタンスからダイアログを開きます。一般例に
ついては、[Start Page] または [File (ファイル)] メニューからダイアログを開きます。必要に応じてダイアログにある
Filter Options を使用し、選択できるプロジェクトのリストを絞り込みます。
詳しくは、PSoC Creator ヘルプの「Find Example Project (サンプルプロジェクトを検索)」を参照してください。
機能説明
CRC は、リニア フィードバック シフト レジスタ (LFSR) として実装されます。シフト レジスタは、LFSR 関数を計
算します。多項式レジスタは、LFSR 多項式を定義する多項式を保持し、シード レジスタは、開始データの初
期化をイネーブルにします。
シード値及び多項式レジスタは、コンポーネントを開始する前に初期化する必要があります。
N ビット LFSR 結果の計算は、X0 = 1 となる X0 項 が最後の項となる N+1 項の多項式によって指定されます。
例えば、広く利用されている CRC–CCITT 16 ビットの多項式は、X16+X12 + X5 +1 です。CRC アルゴリズムは、
X0 項が存在すると想定するため、N ビット結果の多項式は、N+1 ビットの仕様ではなく、N ビットによって表現で
きます。
多項仕様を指定するには、各項の存在を 1 で表す、完全な多項式に該当する N+1 ビットの 2 進数を書き込
みます。CRC–CCITT 多項式値は、10001000000100001b のようになります。次に、一番右のビット (X0 項)
をドロップし、CRC 多項式値を取得します。CRC–CCITT 例を実装するため、多項式レジスタに値 8810h が
ロードされます。
入力クロックの立ち上がりエッジにより、入力データ ストリームの各ビットがシフトされます。これは、指定された
CRC アルゴリズムを計算するシフト レジスタを通して、MSB から始まります。入力データの各バイトの CRC を計
算するには、8 クロックが必要です。
初期シード値が失われることに注意してください。シード値は、シフト レジスタを各データセットにつき一度だけ初
期化するためにのみ使用されるため、初期シード値が失われることで悪影響が出ることはありません。
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巡回冗長チェック (CRC)
ブロックダイアグラムと設定
Polynomial
Register
XN
XN-1
XN-2
X2
X1
N-1
N-2
N-3
1
0
Shift / Seed
Register
N-1
N-2
2
1
0
Input
Data
タイミング図
clock
図 1. 時分割多重化の実装モード
reset
time
di
time
enable
time
time
CRC Calculated Values
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PSoC Creator™ コンポーネント・データシート
巡回冗長チェック (CRC)
clock
図 2. シングル サイクル実装モード
reset
time
enable
time
di
time
time
CRC Calculated Values
DC 電気的特性と AC 電気的特性
以下の値は、期待される性能を示しており、初期特性データを基にしています。
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Document Number: 001-79847 Rev. **
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PSoC Creator™ コンポーネント・データシート
巡回冗長チェック (CRC)
「公称ルーティングでの最大」タイミング特性
パラメータ
説明
構成
コンポーネントクロック周波数
fCLOCK
tCLOCKH
入力クロック HIGH 時間
tCLOCKL
入力クロック LOW 時間
2
3
3
1
Max
単位
構成 1
45
MHz
構成 2
30
MHz
構成 3
41
MHz
構成 4
24
MHz
構成 5
35
MHz
構成 6
21
MHz
Min
Typ
該当せず
0.5
1/fCLOCK
該当せず
0.5
1/fCLOCK
Inputs (入力)
入力パス遅延、同期ピン
tPD_ps
1
4
1
STA
5
ns
設定:
設定 1:
分解能: 8 ビット
実装: シングル サイクル
設定 2:
分解能: 16 ビット
実装: シングル サイクル
設定 3:
分解能: 16 ビット
実装: 時分割多重化
設定 4:
分解能: 32 ビット
実装: シングル サイクル
設定 5:
分解能: 32 ビット
実装: 時分割多重化
設定 6:
分解能: 64 ビット
実装: 時分割多重化
2
Time Division Multiplex Implementation (時分割多重化の実装) が選択されると、コンポーネント クロック周波数はデータレートの 4 倍でなけれ
ばなりません。
3
tCY_clock = 1/fCLOCK. これは 1 クロック周期のサイクル時間です。
4
tPD_ps は、後述されるように静的タイミング (STA) の結果内にあります。ここに挙げた数字は、多くの入力の STA 分析に基づく公称値です。
5
tPD_ps と tPD_si はルートパスの遅延です。ルーティングは動的なためこれらの値は変化することがあり、最大コンポーネント クロックと同期クロックの周波
数に直接影響することがあります。これらの値は、Static Timing Analysis Results (静的タイミング分析の結果) に記載されています。
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PSoC Creator™ コンポーネント・データシート
巡回冗長チェック (CRC)
パラメータ
1
説明
構成
6
tPD_ps
入力パス遅延、同期ピン
tPD_si
Sync出力から入力パスへの遅延
(配線)
1,2,3,4
tI_clk
clockXとクロックのアライメント
1,2,3,4
tPD_IE
コンポーネントクロックへの入力パス遅延
(エッジセンシティブ入力)
tPD_IE
Min
Typ
2
Max
単位
8.5
ns
STA
5
ns
0
1
tCY_clock
1,2
tPD_ps +
tSYNC +
tPD_si
tPD_ps +
tSYNC +
tPD_si +
tI_clk
ns
コンポーネントクロックへの入力パス遅延
(エッジセンシティブ入力)
3,4
tsync +
tPD_si
tsync +
tPD_si +
tI_clk
ns
tIH
入力 HIGH 時間
1,2,3,4
tCY_clock
7
ns
tIL
入力 LOW 時間
1,2,3,4
tCY_clock
7
ns
6
tPD_ps 構成 2 で、デバイスのピン毎に定義された固定値。ここに挙げた数字は、デバイスで利用可能なすべてのピンの公称値です。
7
tCY_clock = 4 x [1/fclock] Time Division Multiplex Implementation (時分割多重化の実装) が選択された場合。
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PSoC Creator™ コンポーネント・データシート
巡回冗長チェック (CRC)
「すべてのルーティングでの最大」タイミング特性
パラメータ
説明
構成
コンポーネントクロック周波数
fCLOCK
TCLOCKH
入力クロック HIGH 時間
TCLOCKL
入力クロック LOW 時間
10
11
11
8
Min
Typ
Max
9
単位
構成 1
23
MHz
構成 2
15
MHz
構成 3
21
MHz
構成 4
12
MHz
構成 5
18
MHz
構成 6
11
MHz
該当せず
0.5
1/fCLOCK
該当せず
0.5
1/fCLOCK
Inputs (入力)
入力パス遅延、同期ピン
tPD_ps
8
12
1
STA
13
ns
設定:
設定 1:
分解能: 8 ビット
実装: シングル サイクル
設定 2:
分解能: 16 ビット
実装: シングル サイクル
設定 3:
分解能: 16 ビット
実装: 時分割多重化
設定 4:
分解能: 32 ビット
実装: シングル サイクル
設定 5:
分解能: 32 ビット
実装: 時分割多重化
設定 6:
分解能: 64 ビット
実装: 時分割多重化
9
すべてのルーティングでの最大タイミング数は、公称ルーティング タイミング数を 2 倍に下げて計算されます。コンポーネント インスタンスがこれらの速度
以下で動作する場合、このコンポーネントに対してタイミングを気にする必要はありません。
10
Time Division Multiplex Implementation (時分割多重化の実装) が選択されると、コンポーネント クロック周波数はデータレートの 4 倍でなけ
ればなりません。
11
tCY_clock = 1/fCLOCK. これは 1 クロック周期のサイクル時間です。
12
tPD_ps は、後述される通り静的タイミング解析 (STA) 結果内にあります。ここに挙げた数字は、多くの入力の STA 分析に基づく公称値です。
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巡回冗長チェック (CRC)
パラメータ
説明
構成
14
tPD_ps
ピンからSyncへの入力パス遅延
tPD_si
Sync出力から入力パスの遅延(配線)
1,2,3,4
tI_clk
clockXとクロックのアライメント
1,2,3,4
tPD_IE
コンポーネントクロックへの入力パス遅延
(エッジセンシティブ入力)
tPD_IE
8
Min
Typ
2
Max
9
8.5
STA
単位
ns
5
ns
0
1
tCY_clock
1,2
tPD_ps +
tSYNC +
tPD_si
tPD_ps +
tSYNC +
tPD_si +
tI_clk
ns
コンポーネントクロックへの入力パス遅延
(エッジセンシティブ入力)
3,4
tSYNC +
tPD_si
tSYNC +
tPD_si +
tI_clk
ns
tIH
入力 HIGH 時間
1,2,3,4
tCY_clock
15
ns
tIL
入力 LOW 時間
1,2,3,4
tCY_clock
15
ns
特性データ用の STA 結果の使用方法
公称ルーティング最大値は、静的タイミング分析 (STA) を使って、複数のテスト パスから収集されます。STA 結
果を用いた設計の場合、以下の手法で最大値を計算します。
fCLOCK 最大コンポーネントクロック周波数が、名前付きの外付けクロックとして、クロック サマリのタイミング結果に
表示されます。下図は、_timing.html によるクロック制限の例を示しています。
入力パス遅延とパルス幅
入力の機能を特性化する場合は、どのように構成しても、すべての入力は、図 3 に示されるように、4 つの可能
な設定のいずれかになります。
13
tPD_ps と tPD_si はルートパスの遅延です。ルーティングは動的なためこれらの値は変化することがあり、最大コンポーネント クロックと同期クロックの周
波数に直接影響することがあります。これらの値は、Static Timing Analysis Results (静的タイミング分析の結果) に記載されています。
14
tPD_ps 構成 2 で、デバイスのピン毎に定義された固定値。ここに挙げた数字は、デバイスで利用可能なすべてのピンの公称値です。
15
tCY_clock = 4 x [1/fclock] Time Division Multiplex Implementation (時分割多重化の実装) が選択された場合。
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巡回冗長チェック (CRC)
すべての入力は同期されていなければなりません。同期のメカニズムは、コンポーネントへの入力ソースによって異
なります。システムの動作を完全に解釈するには、各入力でどの入力構成を設定したか、またシステムのクロック
構成を理解する必要があります。このセクションでは、Static Timing Analysis (静的タイミング分析、STA) の
結果を使用して、システムの特性分析を行う方法について説明します。
図 3. コンポーネントタイミング仕様のための入力構成
構成
コンポーネントクロック
シンクロナイザクロック(周波数)
図
1
master_clock
master_clock
図8
1
クロック
master_clock
図6
1
クロック
clockX = clock
16
16
図4
クロック周波数は同等ですが、立ち上がりエッジのアライメントは保証されていません。
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巡回冗長チェック (CRC)
構成
コンポーネントクロック
シンクロナイザクロック(周波数)
図
1
クロック
clockX > clock
図5
1
クロック
clockX < clock
図7
2
master_clock
master_clock
図8
2
クロック
master_clock
図6
3
master_clock
master_clock
図13
3
クロック
master_clock
図 11
3
クロック
clockX = clock
3
クロック
clockX > clock
図10
3
クロック
clockX < clock
図 12
4
master_clock
master_clock
図13
4
クロック
クロック
図9
16
図9
1. 入力は、デバイスピンによって駆動され、内部で「sync」コンポーネントと同期します。このコンポーネントには、
このコンポーネントが使用するクロックと異なる内部クロックを使用してクロックが供給されます (すべての内部ク
ロックは master_clock から派生)。
この方法で設定される入力を特徴付けた場合、clockX は、コンポーネント クロックより高速、低速、または
同じのいずれでもかまいません。また、図 4、図 5、図 7、図 8 に示されているように、特性化パラメータを生
成する、master_clock にも等しくなる場合があります。
2. この入力は、デバイスピンによって駆動され、master_clock を使用してそのピンと同期されます。
このような方法で構成された入力の特性を分析する際は、master_clock はコンポーネントのクロック以上の
速度です(遅いことはありません)。これにより、図 5 および図 8 に示されているように、特性化パラメータが生
成されます。
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巡回冗長チェック (CRC)
図 4. 入力構成 1 および 2。シンクロナイザ クロック周波数 = コンポーネント クロック周波数 (クロックおよび
clockX のエッジ アライメントは保証されません)
master_clock
clockX
tsync
clock
tPD_ps
Input @ pin
tPD_si
Input @ sync output
Input @ component
tPD_IE
tIH
tI_clk
tIL
図 5. 入力構成 1 および 2。シンクロナイザクロック周波数>コンポーネントクロック周波数
master_clock
clockX
tsync
clock
tPD_ps
Input @ pin
tPD_si
Input @ sync output
Input @ component
tPD_IE
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tIH
tIL
tI_clk
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巡回冗長チェック (CRC)
図 6. 入力構成 1 および 2。[シンクロナイザクロック周波数 == master_clock > コンポーネントクロック
周波数
master_clock
tsync
clock
tPD_ps
Input @ pin
tPD_si
Input @ sync output
Input @ component
tIH
tPD_IE
tI_clk
tIL
図 7. 入力構成 1。シンクロナイザクロック周波数 < コンポーネントクロック周波数
master_clock
clockX
tsync
clock
tPD_ps
Input @ pin
tPD_si
Input @ sync output
Input @ component
tPD_IE
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tIH
tIL
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巡回冗長チェック (CRC)
図 8. 入力構成 1 および 2。シンクロナイザクロック==コンポーネントクロック==master_clock
tsync
clock
tPD_ps
Input @ pin
tPD_si
Input @ sync output
Input @ component
tPD_IE
tIH
tIL
3. 入力は PSoC 内部のロジックに駆動されます。これはコンポーネントが使用するクロックとは異なるクロックを
ベースにして同期しています(すべての内蔵クロックは master_clock によって駆動しています)。
この方法で設定された入力を特性化する場合、シンクリナイザ クロックは、図 9、図 10、図 12 に示されてい
る特性化パラメータを生成するコンポーネント クロックより高速、低速、または等しくなります。
4. 入力は PSoC 内部のロジックに駆動されます。これはコンポーネントが使用するクロックと同じクロックをベース
にして同期しています。
この方法で設定された入力を特性化する場合、シンクロナイザ クロックは、図 13 に示されている特性化パラ
メータを生成するコンポーネント クロックに等しくなります。
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巡回冗長チェック (CRC)
図 9. 入力構成 3 のみ。シンクロナイザ クロック周波数 = コンポーネント クロック周波数(クロックおよび clockX
のエッジ アライメントは保証されません)
master_clock
clockX
clock
tPD_si
Logic Output
Input @ component
tIH
tIL
この数字は、静的タイミング分析のクロックに対する理解を示します。デジタルクロック領域のすべてのクロックは
master_clock と同期します。但し、同じ周波数を持つ 2 つのクロックは、立ち上がりエッジでアライメントされない
ことがあります。そのため、静的タイミング分析ツールには、クロックが同期しているエッジがどちらか判別できず、最
低の 1 master_clock サイクルを想定する必要があります。これは、tPD_si がシステムの master_clock に与える
影響が限定的であることを意味します。このパスの遅延が長すぎると、master_clock セットアップ時間の違反が
表示されます。この場合、システムの同期クロックを変更するか、master_clock を遅い周波数で実行しなけれ
ばなりません。
図 10. 入力構成 3。シンクロナイザクロック周波数 > コンポーネントクロック周波数
master_clock
clockX
clock
tPD_si
Logic Output
Input @ component
tIH
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tIL
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巡回冗長チェック (CRC)
図 9 に示されているのとほぼ同じ方法で、すべてのクロックは、master_clock から生成されます。STA は、この
構成で 1master_clock サイクル分、master_clock における tPD_si の制限を示します。このパスの遅延が長すぎ
ると、master_clock セットアップ時間の違反が発生します。この場合、システムの同期クロックを変更するか、
master_clock を遅い周波数で実行しなければなりません。
図 11. 入力構成 3。シンクロナイザクロック周波数 = master_clock > コンポーネントクロック周波数
master_clock
clock
tPD_si
Logic Output
Input @ component
tIH
tIL
図 12. 入力構成 3。シンクロナイザクロック周波数 < コンポーネントクロック周波数
master_clock
clockX
clock
tPD_si
Logic Output
Input @ component
tIH
tIL
図 9 に示されているのとほぼ同じ方法で、すべてのクロックは master_clock から生成されます。STA は、この構
成で 1master_clock サイクル分、master_clock における tPD_si の制限を示します。このパスの遅延が長すぎる
と、master_clock セットアップ時間の違反が発生します。この場合、システムの同期クロックを変更するか、
master_clock を遅い周波数で実行しなければなりません。
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巡回冗長チェック (CRC)
図 13. 入力構成 4 のみ。シンクロナイザクロック == コンポーネントクロック
clock
tPD_si
Logic Output
Input @ component
tIH
tIL
このセクションでこれまで示した図の中で、実装を理解するために最も重要なパラメータは、fCLOCK と tPD_IE です。
tPD_IE は tPD_ps と tSYNC (構成 1 と 2 のみ)、tPD_si、 および tI_Clk で定義されます。非常に重要なことは、tPD_si に
よって最大コンポーネント クロック周波数が定義されることです。tI_Clk は STA の結果によるものではなく、通常は
tPD_IE が登録されたときに示されます。これはシンクロナイザ クロックとコンポーネントクロックの間のルートにあるマー
ジンです。
tPD_ps と tPD_si は STA の結果に含まれています。
tPD_ps は、_timing.html ファイルで定義されている入力設定時間を参照してください。2 つ以上入力のファンアウ
トがある場合があるので、これらのパスの最大を評価する必要があります。
tPD_si は、レジスタ~レジスタ時間に定義されています。_timing.html ファイルを使用するには、ネット名を
知っていなければなりません。2 つ以上パスのファンアウトがある場合があるので、これらのパスのなかで最大の
ものを評価する必要があります。
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巡回冗長チェック (CRC)
出力パス遅延
出力のパス遅延の特性分析を行う場合、STA 結果のどこでデータを見つけることができるかを知るために、出力
の送信先を知らなければなりません。このコンポーネントでは、すべての出力がコンポーネントクロックに同期されて
います。出力は 2 つのカテゴリのうち、いずれかに該当します。出力は、デバイス内の別のコンポーネントへ送られ
るか、デバイス外のピンに進むかのどちらかです。前者の場合、上述のロジック~入力の説明に記載されているレ
ジスタ~レジスタ時間を見ます(ソースクロックはコンポーネントクロックです)。後者の場合、_timing.html STA
結果のクロック~出力時間を調べます。
コンポーネントの変更
ここでは、過去のバージョンからコンポーネントに加えられた主な変更を示します。
バージョン
2.10
変更の説明
変更の理由 / 影響
実装パラメータに対する、変更されたエラーメッセージとその
外観。
多項式の次数「N」の設定を 64 ビット解像度に固定しまし
た。
固定多項式値の検証。
2.0.b
データシートのマイナーな編集と更新
2.0.a
データシートに特性データを追加
データシートのマイナーな編集と更新
2.0
PSoC ES3 シリコンでのサポートが追加されました。変更は
以下のとおりです。

時分割多重化の実装モードに 4x クロックを追加

1x クロックでのシングル サイクル実装が 1〜32 ビットで
使用できるようになりました。

4x クロックでの時分割多重化の実装モードが 9〜64
ビットで使用できるようになりました。

非同期入力信号のリセットが追加されました。

同期入力信号のイネーブルが追加されました。

[Implementation (実装)] (時分割多重化、シングル
サイクル) パラメータの [Configure (設定)] ダイアログに
新しい [Advanced (詳細)] ページが追加されました
CRC_Sleep()/CRC_Wakeup() および
CRC_Init()/CRC_Enable() API が追加されました。
Document Number: 001-79847 Rev. **
PSoC 3 ES3 デバイスをサポートする新しい要求により、
CRC コンポーネントの新しい 2.0 バージョンが作成されま
した。
低消費電力モードをサポートし、ほとんどのコンポーネント
の初期化と有効化の制御を分離する共通インターフェー
スを提供するため。
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巡回冗長チェック (CRC)
バージョン
1.20
変更の説明
変更の理由 / 影響
関数 CRC_WriteSeed() および
CRC_WriteSeedUpper() が更新されました。
マスク パラメータは、シード値をカットして、書き込み中に
CRC の分解能を定義するために使用されました。
Resolution (分解能) パラメータへの検証が追加されまし
た。
CRC の分解能は 1〜64 ビットです。検証が、入力値を
制限するために追加されました。
リセット DFF のトリガが、次の多項式書き込み関数に追加
されました。CRC_WritePolynomial()、
CRC_WritePolynomialUpper()、
CRC_WritePolynomialLower()。
CRC の計算を開始する前に、DFF トリガを正しい状態に
設定する必要があります (多項式の最上位ビットは常に
1)。この条件を満たすため、シードまたは多項式レジスタへ
の書き込みにより、DFF トリガがリセットされます。
次のパラメータで、Expression View が見れるよう、
[Configure (設定)] ダイアログが更新されました。
PolyValueLower、PolyValueUpper、
SeedValueLower、SeedValueLower
Expression View は、記号パラメータに直接アクセスする
ために使用されます。このビューを使うと、必要に応じて、コ
ンポーネント パラメータと外部パラメータを接続できます。
[Configure (設定)] ダイアログが更新され、さまざまなパラ
メータにエラー アイコンが追加されました。
テキスト ボックスに不正な値を入力すると、問題を説明す
るツールのヒントとともに、エラー アイコンが表示されます。こ
れにより、エラー メッセージを別途表示するより、使いやすく
なりました。
API 生成の方法が変更されました。バージョン 1.10 では、
API はカスタマイザの設定から生成されていました。1.20 で
は、API は、他のほとんどのコンポーネントと同様に、.c およ
び .h ファイルによって提供されます。
この変更により、生成された API を表示して、変更を加え
ることができるようになりました。また、次のビルドで上書きさ
れることはありません。
シード値及び多項式パラメータが、16 進法形式に変更され 変更は、サイプレスの標準に準拠するためのものです。
ました。
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