ASAHI KASEI [AK4182A] タッチスクリーンコントローラ AK4182A 概要: AK4182Aは、逐次比較型12ビットA/Dコンバータを内蔵した抵 抗膜方式(4線式対応)タッチスクリーンコントローラです。 AK4182Aは、2.2Vから動作し、且つサンプリング周波数として 125kHzまで動作可能です。低電圧で動作するマイクロプロセッ サとのインタフェースを容易にするため、ディジタルI/Fは1.5V から動作可能です。 X軸/Y軸の位置検出に加え筆圧検出も可能です。基準電圧源を内 蔵しています。5Vまでのバッテリ電圧を直接測定することも可 能です。また、温度センサを内蔵しているため、温度測定も可 能です。 パッケージは、小型の16ピンQFNです。 特長: 逐次比較型12bit ADC内蔵 (S/H回路内蔵) 低電圧動作 (VCC = 2.2V〜3.6V) 低電圧ディジタルI/F(1.5V〜VCC) 4線式インタフェース サンプリング周波数 125kHz (max) 基準電圧内蔵 (2.5V) 筆圧測定 温度センサ内蔵 バッテリ電圧測定 低消費電流 (260μA) Package 16pin QFN XP DCLK YP Level Shifter XN Control Logic CSN DOUT YN DIN IN BUSY Internal VREF(2.5V) VBAT IOVDD R1 PENIRQN R2 VREF+ VREF- AIN+ AIN- 12bit ADC (SAR type) PEN INTERRUPT Temp. Sensor VCC VREF GND ブロック図 MS0482-J-01 1 2007/12 ASAHI KASEI ■ [AK4182A] オーダリングガイド AK4182AVN -40°C ∼ +85°C 16 pin QFN ■ ピン配置 VREF IOVDD PENIRQN DOUT IN BUSY DIN VBAT CSN GND DCLK YN 2 XN YP XP VCC MS0482-J-01 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] ピン/機能 No. 1 Signal Name BUSY I/O O 2 DIN I 3 CSN I 4 5 6 DCLK VCC XP I I/O 7 YP I/O 8 XN I/O 9 YN I/O 10 11 12 13 GND VBAT IN VREF I I I/O 14 IOVDD 15 PENIRQN O 16 DOUT O MS0482-J-01 Description BUSY Output CSN↓で “L” になります。8DCLK↓と 9DCLK↓の間は “H” になります。 CSN = “H” では Hi-Z 状態です。 Serial Data Input CSN = “L” で制御用データ(8 ビット)をシリアル入力します。 AK4182A は、DCLK の↑でデータをラッチします。データ入力時以外は “L” を入力 して下さい。 Chip Select Input CSN = “L” で、レジスタへの書き込みが可能です。 External Clock Input Power Supply Touch Screen X+ plate Voltage supply X 軸方向の位置測定時:タッチパネルの X+軸側に電圧供給します Y 軸方向の位置測定時:ADC への被測定電位入力端子として使用します。 筆圧検出時:Z1 測定では、ADC への被測定電位入力端子として使用します。 温度・バッテリ電圧・外部アナログ電圧測定時:OPEN です。 ペン割り込み検出時:内部抵抗 50kΩでプルアップしています。 Touch Screen Y+ plate Voltage supply Y 軸方向の位置測定時:タッチパネルの Y+軸側に電圧供給します X 軸方向の位置測定時:ADC への被測定電位入力端子として使用します。 筆圧検出時:タッチパネルの Y+軸側に電圧供給します 温度・バッテリ電圧・外部アナログ電圧測定時:OPEN です。 ペン割り込み検出時:OPEN です。 Touch Screen X- plate Voltage supply X 軸方向の位置測定時:タッチパネルの X-軸側に電圧供給します Y 軸方向の位置測定時:OPEN です。 筆圧検出時:タッチパネルの X-軸側に電圧供給します 温度・バッテリ電圧・外部アナログ電圧測定時:OPEN です。 ペン割り込み検出時:OPEN です。 Touch Screen Y- plate Voltage supply Y 軸方向の位置測定時:タッチパネルの Y-軸側に電圧供給します X 軸方向の位置測定時:OPEN です。 筆圧検出時:Z2 測定では、ADC への被測定電位入力端子として使用します。 温度・バッテリ電圧・外部アナログ電圧測定時:OPEN です。 ペン割り込み検出時:GND です。 Ground Analog Input for Battery Monitor Auxiliary Analog Input Voltage Reference Input/Output 内部基準電圧を使用する場合は、2.5V を出力します。 Digital I/O Power Supply ディジタル I/F 用電源です。 Pen Interrupt Output CSN = “H” でペン割り込みEnable状態では、タッチパネルが押されている期間 “L” で、それ以外は “H” です。CSN = “H” でペン割り込みDisable状態では、タッチパネ ルの接触/非接触に関係なく常に “H” です。CSN = “L” では、パワーダウンモー ド、入力チャネル等により状態が変化します。詳細は、 パワーダウン制御 および ペン割り込みの項を参照下さい。 Serial A/D Data Output A/D データを DCLK の↓で MSB から順にシリアル出力します。 MSB は、BUSY の↓で出力します。 CSN = “L” では AD データを出力していない時は “L” を出力します。 CSN = “H” では Hi-Z 状態です。 3 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] 絶対最大定格 GND = 0V (Note 1) Parameter Power Supply Digital I/O Power Supply Input Current (any pins except for supplies) Input Voltage Touch Panel Drive Current Ambient Temperature (power supplied) Storage Temperature Symbol VCC IOVDD IIN VIN IOUTDRV Ta Tstg min -0.3 -0.3 -0.3 -40 -65 max 6.0 6.0 ±10 6.0(VCC+0.3) 50 85 150 Units V V mA V mA °C °C max 3.6 VCC Units V V Note 1. 電圧は全てグランドピンに対する値です。 注意: この値を超えた条件で使用した場合、デバイスを破壊することがあります。 また、通常の動作は保証されません。 動作条件 GND = 0V (Note 1) Parameter Power Supplies Digital I/O Power Supply Symbol VCC IOVDD min 2.2 1.5 typ 3.3 3.3 Note 1. 電圧は全てグランドピンに対する値です。 注意: 本データシートに記載されている条件以外のご使用に関しては、当社では責任負いかねますので 十分ご注意下さい。 MS0482-J-01 4 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] アナログ特性 (Ta = -40°C to 85°C, VCC = IOVDD = 2.7V, External Vref = 2.5V, fs = 125KHz, fDCLK = 16 x fs, 12bit mode) Parameter min. typ. max. ADC for Touch Screen Resolution 12 No Missing Codes 11 12 Integral Nonlinearity (INL) Error ±2 Differential Nonlinearity (DNL) Error ±1 ±2 Analog Input Voltage Range 0 Vref Offset Error ±6 Gain Error ±4 Touch Panel Driver 5 XP, YP, RL = 300Ω 5 XN, YN, RL = 300Ω XP Pull Up Register (when pen interrupt enable) 50 PSRR (10KHz 100mVpp) 70 Reference Output Internal Reference 2.44 2.50 2.56 Drift 30 Load Capacitance 0.1 Reference Input Input Voltage Range VCC Battery Monitor Input Voltage Range 5.0 Input Impedance (Battery Measure Mode) 5 10 ±2 Accuracy (Note 2) (外部VREF使用時) ±3 Accuracy (Note 2) (内部VREF使用時) Temperature Measurement Temperature Range -40 85 1.6 Resolution (Note 3) ±3 Accuracy (Note 4) Power Supply Current Normal Mode (Internal VREF OFF) 260 500 Normal Mode (Internal VREF ON) 540 800 0 3 Full Power Down (制御コマンドPD1=PD0= “0” 書き込み時) Units Bits Bits LSB LSB V LSB LSB Ω Ω KΩ dB V ppm/°C μF V V KΩ % % °C °C °C μA μA μA Note 2. 5VをVBAT pinに印加した場合に実際に出力されるコードと、1.25Vが入力された場合の理想コードとの差 です。 Note 3. 計算上の理論値です。 Note 4. 特定の温度下で、2つの電流源に対する内部ダイオードの電位差と、理想的な場合の電位差との差です。 MS0482-J-01 5 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] DC 特性(Logic I/O) (Ta=-40°C to 85°C, IOVDD=1.5V to 3.6V) Parameter “H” level input voltage “L” level input voltage Input Leakage Current “H” level output voltage (@ Iout = -250μA) “L” level output voltage (@ Iout = 250μA) Tri-state Leakage Current All pins except for XP, YP, XN, YN pins XP, YP, XN, YN pins Symbol VIH VIL IILK VOH VOL IOLK min. 0.8xIOVDD typ. - -10 IOVDD-0.4 - - -10 -10 max. 0.4 Units V V μA V V 10 10 μA μA max Units 125 kHz 2100 60 kHz % μs 1/fDCLK ns ns ns ns ns ns ns ns ns ns ns ns 0.2xIOVDD 10 スイッチング特性 (Ta=-40°C to 85°C, VCC=2.2V to 3.6V, IOVDD = 1.5V to VCC, CL=50pF) Parameter Symbol min Touch Panel (A/D Converter) Throughput Rate fs DCLK frequency fDCLK 10 duty duty 40 tTRK 1.428 Tracking Time (Rin=600Ω) (Note 5) Conversion Time tCONV t1 100 CSN “↓” to First DCLK “↑” t2 CSN “↓” to BUSY Tri-State Disabled t3 CSN “↓” to DOUT Tri-State Disabled DCLK High Pulse Width t4 190 DCLK Low Pulse Width t5 190 t6 DCLK “↓” to BUSY “↑” Data Setup Time t7 100 Data Valid to DCLK Hold Time t8 10 t9 Data Output Delay after DCLK “↓” t10 0 CSN “↑” to DCLK Ignored t11 CSN “↑” to BUSY Hi-Z state t12 CSN “↑” to DOUT Hi-Z state Note 5. 実際のトラッキング時間は、3tDCLKになります(tDCLK = 1/fDCLK)。 typ 50 12 200 200 160 160 200 200 CSN 50%VCC t5 t1 t6 t6 t9 t4 t10 DCLK 50%VCC t8 t7 PD0 50%VCC DIN t2 t11 VOH BUSY VOL t12 t3 DOUT D11 D10 D0 Figure 1. Timing Diagram MS0482-J-01 6 2007/12 VOH VOL ASAHI KASEI [AK4182A] ■ タッチスクリーン A/D コンバータ タッチパネルの軸に生じた電位差や筆圧、また、温度やバッテリ電圧測定用として、12 bit 逐次比較型 A/D コンバータ を内蔵しています。この A/D コンバータは、電荷再分配方式を採用しており、内部のキャパシタアレイは、サンプル・ ホールド回路としても機能します。 12 ビットA/Dコンバータの出力フォーマットはTable 1のようにストレートバイナリです。 入力電圧 出力コード FFFH (ΔVREF-1.5LSB)~ ΔVREF FFEH (ΔVREF-2.5LSB) ~ (ΔVREF-1.5LSB) ----------------0.5LSB ~ 1.5LSB 001H 0 ~ 0.5LSB 000H ΔVREF : (VREF+) – (VREF-) Table 1 出力コード A/D 変換のフルスケールΔVREF は、入力モードにより異なります。タッチスクリーンコントローラは、8 ビットシリア ルコマンドデータにより制御します。 ■ アナログ入力 アナログ入力チャネルは、A2, A1, A0、SER/ DFR により切り替えます。アナログ入力として、タッチパネル(XP, YP)が選択されかつ、コマンド中の SER/ DFR bit が “0” の場合(ディファレンシャル方式)、A/D コンバータのフル スケール(ΔVREF)は、測定対象軸に印加される電位差(X 軸測定の場合、(XP) – (XN))になります。測定対象軸のネ ガティブ側と、もう一方の軸のポジティブ端子との電位差(X 軸測定の場合、(YP) – (XN))が、A/D コンバータのアナ ログ入力(ΔAIN)になります。SER/ DFR bit が “1”に設定された場合(シングルエンド方式)、A/D コンバータのフル スケール(ΔVREF)は、内蔵基準電圧あるいは外部基準電圧と、GND との電位差がフルスケールになります。A/D コン バータのアナログ入力(ΔAIN)は、選択されたチャネルと GND との電位差になります。 CSN = “L”で START bit の検出後、5DCLK↓から 8CLK↓までの区間は、トラッキング時間になります。 内部キャパシタに電荷をチャージするための時間(トラッキング時間)は、少なくとも、1.428μs(2.1MHz で 3tDCLK)必 要です。また ADC の最大スループットは、125kHz です。 ■ タッチスクリーンの位置検出 タッチスクリーンの位置検出は、スクリーンの一方の軸(例えば、XP, XN 間)に電圧を印可し、他方の軸(例えば、 YP)で検出される電位を測定することで得られます。位置検出は、X 軸・Y 軸の座標を計算する必要があるため、最低 2 回の A/D 変換が必要です。 MS0482-J-01 7 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] ON ON XP VREF XP AIN+ VREF YP ADC VREF- AIN+ YP ADC VREF- AIN- AIN- XN XN ON YN YN ON a) X-Position Measurement Differential Mode b) Y-Position Measurement Differential Mode Figure 2 位置測定回路 一般にタッチスクリーンの位置検出は、ディファレンシャルモードの方が、高精度に測定することが可能です。測定電 圧は電源電圧に比例しますが、シングルエンド方式では、フルスケールは、電源電圧の変動に関係なく内蔵あるいは外 部基準電圧源の電圧に固定されます。従って、スクリーン上の同じ位置をタッチしても、別の位置として測定される可 能性があります。また、入力電圧がフルスケールを超えてしまう可能性があります。ディファレンシャルモードでは、 そのようなことは起きません。 ただし、ディファレンシャルモードでは、A/D 変換中も、ドライバスイッチは ON であり、タッチスクリーンに電流を 流し続ける必要があります。これに対して、シングルエンド方式では、トラッキング時(3tDCLK)のみドライバスイッ チは ON で、この期間のみタッチスクリーンに電流が流れ、A/D 変換中はスイッチを OFF にすることが可能です(PD0 bit を “0” に設定した場合)。消費電流の削減の点ではシングルエンド方式が有利です。しかし一般的に高精度に測定可 能なディファレンシャル方式を使用します。 ■ タッチスクリーンの筆圧検出 タッチスクリーンの筆圧検出は、YP に VREF+、XN に VREF-の電圧を印加した状態で、XP、YN の電圧を測定し、2 枚のシートの接触抵抗を算出することで得られます。 これには 2 つの方法があります。 一つ目の方法は、X 軸のシート抵抗(Rxplate)のみが既知の場合です。この場合、下式のように、接触抵抗が既知のシ ートの座標と、Z1 位置、Z2 位置を求めることで、接触抵抗を算出できます。 Rtouch = (Rxplate)*(Xposition/4096) * [ (Z2/Z1) – 1] 二つ目の方法は、X 軸、Y 軸の両方のシート抵抗(Rxplate, Ryplate)が、既知の場合です。この場合、下式のように、 接触した X 位置、Y 位置、Z1 位置から接触抵抗を計算できます。 Rtouch = (Rxplate*Xposition/4096)*[(4096/Z1) – 1] – Ryplate*[1 – (Yposition/4096)] MS0482-J-01 8 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] ON ON YP YP XP VREF+ AIN+ VREF- AIN- touch XP ADC VREF+ AIN+ VREF- AIN- touch ADC XN XN ON ON YN a) YN b) Z1-Position Measurement Differential Mode Z2-Position Measurement Differential Mode Figure 3 筆圧測定回路 ■ 基準電圧源(VREF) AK4182A は、2.5V 出力の基準電圧源を内蔵しています。この内蔵 VREF は、制御コマンドの PD1 bit を “1” に設定する と、パワーアップし、 “0” に設定するとパワーダウンします。この内部基準電圧源を用いて、タッチスクリーンのシン グルエンド測定を行う場合や、バッテリ電圧および温度測定時は、予め PD1 bit を “1” に設定する必要があります。 VREF 回路の安定性を確保するため、VREF pin に 0.1μF 以上のコンデンサを接続して下さい。VREF の立ち上がり時間 は、外付けコンデンサの値に依存しますが、0.1μF を接続した場合、セトリング時間として 500μs 程度取ってください。 外部から基準電圧を入力する場合は、PD1 bit を “0” にして下さい。 また、内蔵基準電圧源を使用する場合は、電源電圧は 2.7V 以上にして下さい。 ■ バッテリ電圧の測定 AK4182Aは、電源電圧が 2.2~3.6Vの状態で、リチウムイオンバッテリ等 5Vまでの電圧を直接VBAT pinに入力し測定す ることが可能です。Figure 4に示す通りVBAT入力電圧は内部でR1、R2(7.5k、2.5k)の抵抗により分割されます。 トラ ッキング時間は、バッテリのソースインピーダンス(R0)に依存しますが、少なくとも 5μs程度取ってください。 VREF PD1 Internal VREF(2.5V) VBAT AIN+ R0 VREF+ ADC R1=7.5K AIN- VREF- R2=2.5K Enable Figure 4 バッテリ電圧測定回路 MS0482-J-01 9 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] ■ 温度測定 ダイオードの特性は、以下の式で近似出来ます。 iD = I0exp(vD/VT) (ただし VT = kT/q) I0: 暗電流 q : 1.602189×10-19 (電子の電荷) k : 1.38054×10-23(ボルツマン定数) vD: ダイオード接合電圧 T: 絶対温度 <1> ダイオード接合電圧は温度に比例するため、この電圧を測定することで温度を知ることが可能です。 Temp. Sensor iD1 =I TEMP0 iD2 = 91 x I TEMP1 Figure 5 温度測定回路 AK4182Aは、Figure 5 のように異なる 2 種類の電流を出力する定電流回路とダイオードを内蔵しており、2 種類の方法 (1回変換方式、2 回変換方式)で温度測定を行うことが可能です。 2回変換方式では、2 種類の異なる電流に対するダイオード接合電圧を測定することで、予め、特定温度に対するリフ ァレンス電圧を知ることなく、直接絶対温度を知ることが可能です。 <1>式より (iD2 / iD1) = exp {(V(91 x I) – V(I))/VT} ただし N = (iD2 / iD1) = 91 (電流比) T°C = ΔVbe * q / (k * ln N) – 273 ΔVbe = V(91 x I) – V(I) T°C = 2.573×103 × ΔVbe – 273 ある温度でダイオード接合電圧が分かっている場合は、<2>式より 1 回の測定でも現在の温度を知ることが可能です。 T = (k/q)* vD/ln(iD/I0) MS0482-J-01 <2> 10 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] ■ ディジタル I/F 低電圧で動作するマイクロプロセッサとのインタフェースを容易にするため、AK4182AのディジタルI/Fは、1.5Vから動 作することが可能です。ディジタルI/FのI/Oフルスケールレベルは、IOVDDに入力される電圧で規定されます。 VCC=2.2V – 3.6V IOVDD=1.5V – VCC IOVDD AK4182A Micro- DCLK Processor SDIN SDOUT BUSY Figure 6 ディジタル I/F ■ タッチスクリーンコントローラ制御コマンド タッチスクリーン電圧を印加する軸の選択や、入力チャネルの切り替え等の制御は、8 bit で、CSN = “L”後、DCLK の立 下りに同期して出力して下さい。AK4182A は、DCLK の立ち上がりでラッチします。 Table 2 にAK4182Aの制御コマンドを示します。 D7 S D6 A2 BIT 7 6-4 3 Name S A2-A0 MODE 2 SER/ DFR 3 PD1-PD0 A2 D5 A1 D4 A0 D3 MODE D2 SER/ DFR D1 PD1 D0 PD0 機能 スタートビット。コマンドの先頭ビットで必ず “H” チャネル選択ビット。ADC アナログ入力および基準電圧を選択。詳細は下表を参照。 A/D データ出力時 12 ビット/8 ビット切り替えビット。 “L”:12 ビット出力 “H”:8 ビット出 力。 シングルエンド/ディファレンシャル選択ビット ADC 基準電圧として、シングルエンドかディファレンシャルかを選択するビット パワーダウンモード選択ビット(詳細は、『パワーダウン制御』参照) 制御コマンド A1 A0 SER/ ドライバスイッチの状態 XP XN YP YN ADC入力(ΔAIN) AIN+ AIN- 基準電圧 (ΔVREF) VREF+ VREF- Note DFR 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 OFF OFF OFF OFF OFF ON OFF OFF OFF OFF OFF ON ON ON OFF OFF OFF ON OFF ON ON OFF OFF OFF OFF ON OFF OFF OFF OFF OFF OFF TEMP0 XP VBAT XP(Z1) YN(Z2) YP IN TEMP1 GND GND GND GND GND GND GND GND VREF VREF VREF VREF VREF VREF VREF VREF GND GND GND GND GND GND GND GND OFF OFF ON ON XP YN YP YN OFF OFF ON ON ON ON ON ON OFF OFF OFF OFF XP(Z1) YN(Z2) YP XN XN XN YP YP XP XN XN XN TEMP0温度測定 Y軸測定 バッテリ電圧測定 筆圧(Z1)測定 筆圧(Z2)測定 X 軸測定 IN 測定 TEMP1 温度測定 NA Y 軸測定 NA 筆圧(Z1)測定 筆圧(Z2)測定 X 軸測定 スリープモード NA Table 2 制御コマンド MS0482-J-01 11 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] ■ 電源立ち上げシーケンス 電源投入直後に PD1、PD0 などの内部レジスタや、A/D コンバータのシーケンスレジスタなどを初期化するために、8bit 制御コマンドを発行し、内部レジスタの値を確定して下さい。電源立ち上げシーケンスは CSN= “H” または CSN = “L” で電源投入後 CSN = “H” にしてから CSN = “L” にして制御コマンドを発行後、再度 CSN = “H” にして下さい。 1 度制御コマンドを発行すれば、それ以降、前回発行された制御コマンドの状態が保持されます。 ■ スリープモード AK4182Aは、タッチパネルとの接続をOPENにしたり、ペン割り込みを無効にする事が可能なスリープモードをサポー トしています。下記制御コマンドを発行するによりAK4182Aはスリープモードに入ります。MODE bitでスリープモード 選択を行います。また、PD1, PD0で設定された各パワーダウン状態でスリープモードに入ります。PD1 = 0設定でスリー プモードに入ると、消費電流を最小にすることが出来ます。 PENIRQN pin の出力、タッチパネルとの接続は以下の表 (Table 3)の通りです。 一度スリープモードに入ると再度コマンドを受け取るまでは、スリープ状態のままです。 発行コマンド MODE bit 111010XX 111000XX 1 0 CSN = “L”の時 PENIRQN タッチパネル 通常動作 通常動作 通常動作 通常動作 Table 3 スリープコマンド設定 CSN = “H”の時 PENIRQN タッチパネル Hi-z Open Open H 出力 スリープモードに入るタイミングは 8DCLK↑です。但し、動作は CSN = “H”で有効になります。 スリープモードから通常状態に移行するためには、通常のコマンドを発行して下さい。通常モードへの移行タイミング は、8DCLK↑です。再度、スリープコマンドを発行した場合は、スリープモードを継続します。また電源投入後の初期 状態は、通常状態モードです。 ■ パワーダウン制御 PD1, PD0 の 2 ビットで、パワーダウン制御を行います。PD1 bit により、内蔵基準電圧源のパワーダウン制御を行います。 また、PD0 bit は、A/D コンバータおよびタッチスクリーンドライバスイッチのパワーダウン制御を行います。 内蔵基準電圧源のパワーダウン制御の切り替えは、CSN = “L” の状態で、7DCLK↑で反映されます。 A/D コンバータのパワーダウン制御の切り替えは、CSN = “L” の状態で、8DCLK↑で反映されます。 PD0 = “1” に設定すると、次の CSN = “L” 後、5DCLK↑まで前回のドライバスイッチ状態を保持します(CSN = “H” では、 YN を除き XP, YP, XN の各ドライバスイッチは OFF になります。) PD1 PD0 PENIRQN 機能 0 0 Enabled オートパワーダウンモード。 内蔵A/Dコンバータは、変換開始時に自動的にパワーアップし、変換が終了すると自動的 にパワーダウンします。また、CSN = “H” でも、パワーダウン状態です。パワーダウン状 態では、タッチスクリーンドライバスイッチはOPENになります。(ただし、YN pinは GND)。このモードでは、トラッキング中およびA/D変換中以外は、ペン割り込み機能が 有効です(詳細は『 ペン割り込み』参照)。内蔵基準電圧源は、A/D変換中も含め常に パワーダウン状態です。 0 1 Enabled ADC ON モード CSN = “L”では ADC は常に ON 状態です。内蔵基準電圧源は常にパワーダウン状態で す。入力チャネルとして X 軸あるいは Y 軸が選択されている場合、CSN = “L”の期間は常 にタッチスクリーンドライバは ON です。このため、A/D コンバータのセトリング時間を 長く取る場合に有効です。 CSN = “H” では、A/D コンバータはパワーダウン状態です。 1 0 Enabled VREF ON モード CSN の状態に関係なく、基準電圧源は常に ON 状態です。AD コンバータはオートパワー ダウンモードで動作します。5DCLK↓〜20DCLK↓以外の区間では、CSN の状態に関係な く PENIRQN は有効です。 1 1 Disabled 基準電圧源、ADC 共に ON モード CSN = “H” では、PEN 割り込みは無効で、常に PENIRQN は “H” です。CSN = “L” の状態 では、ドライバスイッチの ON/OFF を含む前回設定された入力チャネルに設定されま す。 Table 4 パワーダウン制御 MS0482-J-01 12 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] ■ タッチスクリーンコントローラ制御シーケンス タッチスクリーンの制御は、CSN, DCLK, DIN, DOUT の 4 線式インタフェースで行ないます。 詳細なタイミング規定に関しては、『スイッチング特性』を参照して下さい。 CSN 1 2 3 4 5 6 7 8 MO SER/ DFR PD1 PD0 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 DCLK S DIN A2 A1 A0 S A2 5 4 A1 A0 MO SER/ DFR PD1 PD0 Hi-Z BUSY Hi-Z 11 10 9 8 7 6 3 2 1 0 11 10 DOUT Touch Screen Driver SW (SER/ DFR =”1”, PD0 =”0”) Touch Screen Driver SW (SER/ DFR =”0”, PD0 =”0”) Figure 7 シリアルインタフェース CSN の↓ で、BUSY および DOUT は、Hi-Z 状態から、“L” になります。AK4182A は、DCLK の↑で、8ビットのコマン ドを DIN よりラッチします。CSN の↓後、最初に “H” をラッチした時点でコマンドの開始を認識するため、コマンドの MSB(S ビット)は必ず “H” でなければなりません。 5DCLK↓から、8DCLK↓ までは、ADC のトラッキング時間になります。SER/ DFR = “1”、パワーダウン制御ビット PD0 = “0” で、かつタッチスクリーンの位置検出あるいは筆圧検出の場合、この区間タッチスクリーンドライバが ON になります。SER/ DFR = “0” の場合は、5DCLK↓から、20 DCLK↓までタッチスクリーンドライバは ON です。パワー ダウン制御ビット PD0 = ”1”でタッチスクリーンの位置検出あるいは筆圧検出の場合、5DCLK↓以降、CSN = “H” になる までタッチスクリーンドライバは常に ON です。 8DCLK↓から、9DCLK↓まで、BUSY は “H” になります。それ以外の区間では “L” です。 9DCLK↓から、MSB ファーストで DOUT より A/D データを出力します。 8bit コマンド発行終了後、最低 7DCLK の間は DIN = “L” として下さい。 破線のように A/D データの出力中にコマンドデータを送出することで、最速 15DCLK サイクルで A/D 変換を行うことが 可能です。 MS0482-J-01 13 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] ■ ペン割り込み ペン割り込みは、ペンがタッチスクリーンに接触したことを知らせる機能で、A/D コンバータがパワーダウン状態時に 動作します。割り込みイネーブルの状態では、YN pin は GND に接続します。また、XP pin は、内部抵抗(Ri:typ.50K Ω)でプルアップ状態になります。また、PENIRQN は、内部で XP 端子と接続されます。ペン等によりタッチスクリー ンが押されると、タッチスクリーンの 2 枚のシートが接続するため、(VCC)--- (Ri)--- (X+)---(Y-)経由で電流が流れます。 タッチスクリーンの抵抗は、一般に数百Ωなので、PENIRQN は “L” になります。ペンを離すと電流が流れないため、 PENIRQN は “H” になります。 CSN = “H” の状態では、PD1 bit と PD0 bit が(1,1)以外の場合、ペン等によりタッチスクリーンが押されると、PENIRQN は “L”になります。また、PD1 bit と PD0 bit が共に “1” の場合、CSN = “H” ではペンが押されたかどうかにかかわらず PENIRQN は常に “H” になります(割り込みディスエーブル) また、CSN = “L” の状態では、PENIRQNの動作はパワーダウンモード中のPD0 bitと関係があります。PD0 は 8DCLK↑で 切り替えが発生(詳細は、『 パワーダウン制御』の項参照)し、状態が変化します。従って、その直前までは、前回 設定されたPD0 値となります。(PD1 bitは内蔵基準電圧のON/OFFです。CSN = “H” でも内蔵基準電圧源はON状態で す。) i. CSN = “L” で 5DCLK↓までの区間 この区間での PENIRQN の動作は、前回選択された入力チャネルおよび PD0 bit により決まります。前回設定時 PD0 が “0” の場合、前回の入力チャネル設定に関係なく、ペンタッチしている場合は “L”、していない場合は “H” になります。 前回設定時 PD0 が “1” の場合、スクリーンの接触/非接触に関係なく前回の入力チャネル設定により PENIRQN が決ま ります。この場合、前回入力チャネルが X 軸あるいは Y 軸の場合、常に “L” です。また、前回入力チャネルが温度、 VBAT、IN1 の場合は常に “H” です。 ii. CSN = “L”で 5DCLK↓から 20DCLK↓までの区間 この区間では、選択された入力チャネルにより PENIRQN の動作が決まります。入力チャネルとして X 軸あるいは Y 軸 が選択された場合、スクリーンの接触/非接触に関係なく常に “L” になります。 また、入力チャネルとして、温度、 VBAT、IN1 が選択された場合、スクリーンの接触/非接触に関係なく常に “H” になります。 iii. CSN = “L”で 20DCLK↓以降の区間 この区間での PENIRQN の動作は、今回選択された入力チャネルおよび PD0 bit により決まります。今回の PD0 設定が “0” の場合、今回の入力チャネル設定に関係なく、ペンタッチしている場合は “L”、していない場合は “H” になります。 今回の PD0 設定が “1” の場合、スクリーンの接触/非接触に関係なく今回設定された入力チャネルにより PENIRQN が 決まりますこの場合、この入力チャネルが X 軸あるいは Y 軸の場合、常に “L” です。また、この入力チャネルが温度、 VBAT、IN1 の場合は常に “H” です。 コマンド発行中、および A/D データ出力中の不要な割り込みに関しては、CSN が “L” の間、ホストプロセッサ側が PEN 割り込みを禁止することで対処可能です。 PENIRQN IOVDD VCC Ri = 50kΩ VCC EN2 Driver OFF XP EN1 YN Driver ON Figure 8 ペン割り込み回路 MS0482-J-01 14 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] 区間 i 区間 iii 区間 ii CSN 1 2 3 4 5 6 7 8 MO SER/ DFR PD1 PD0 9 10 11 12 13 14 15 16 9 8 7 6 5 17 18 19 20 21 22 23 24 DCLK DIN S A2 A1 A0 BUSY 11 10 4 3 2 1 0 DOUT CONV Internal AXIS = ((!A2) & (!A1) & (A0)) | ((!A2) & (A1) & (A0)) | ((A2) & (!A1) & (!A0)) | ((A2) & (!A1) & (A0)); /* X 軸測定 */ /* Z1 測定 */ /* Z2 測定 */ /* Y 軸測定 */ EN1 = ((!CSN) & (!CONV) & AXIS & PD0) /* CSN = “L”、 X/Y/Z1/Z2 軸測定、PD0 = “1”、5DCLK↓ 〜 20DCLK↓ 以外の区間の場合アクティブ*/ | ((!CSN) & AXIS & CONV); /* CSN = “L”, X/Y/Z1/Z2 軸測定、5DCLK↓ 〜 20DCLK↓ の区間の場合アクティブ */ EN2 = ((!CSN) & (!CONV) & (!PD0)) /* CSN = “L”, PD0 = “1”, 5DCLK↓ 〜 20DCLK↓ 以外の区間の場合アクティブ */ | (CSN & (!DCLK) & (!(PD1& PD0)); /* CSN = “H” かつ DCLK = “L” かつ(PD0, PD1)が(1,1)以外の場合アクティブ */ MS0482-J-01 15 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] パッケージ 16pin QFN (Unit: mm) TOP VIEW BOTTOM VIEW 2.1 ± 0.15 4.0 ± 0.1 #9 #12 #13 #5 #16 A #4 B #1 0.3 ± 0.05 #1Pin Indicator with Laser Maker 0.75 ± 0.05 0.55 ± 0.1 4.0 ± 0.1 2.1 ± 0.15 #8 0.10 M PIN #1 I.D. (0.35 ×45 ) EXPOSED THERMAL DIE PAD 0.65 0.2 0.08 * パッケージ裏面のDIE PADの部分は、オープンまたはグランドに接続して下さい。 ■ 材質・メッキ仕様 パッケージ材質: エポキシ系樹脂 ダイパッド、リードフレーム材質: 銅合金 ダイパッド、リードフレーム処理: パラジウムメッキ(無鉛) MS0482-J-01 16 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] マーキング 4182A XXXX 1 XXXX : Date code identifier (4 桁) MS0482-J-01 17 2007/12 ASAHI KASEI [AK4182A] 改訂履歴 Date (YY/MM/DD) 06/03/23 07/12/10 Revision 00 01 Reason 初版 仕様追加 Page Contents 5 仕様変更 6 誤記修正 7 Differential Nonlinearity (DNL) Error 上限値追加 max ±2 LSB Tri-state Leakage Current 変更 (XP, YP, XN, YN pins) max 50μA → 10μA min -50μA → -10μA アナログ入力 トラッキング時間説明文修正 パッケージ裏 DIE PAD 部の注意分修正 DIE PAD の部分は、基板 GND と接続 → オープンまたはグランドに接続 16 重要な注意事項 •本書に記載された製品、及び、製品の仕様につきましては、製品改善のために予告なく変更すること があります。従いまして、ご使用を検討の際には、本書に掲載した情報が最新のものであることを弊 社営業担当、あるいは弊社特約店営業担当にご確認下さい。 •本書に掲載された情報・図面の使用に起因した第三者の所有する特許権、工業所有権、その他の権利 に対する侵害につきましては、当社はその責任を負うものではありませんので、ご了承下さい。 •本書記載製品が、外国為替及び、外国貿易管理法に定める戦略物資(役務を含む)に該当する場合、輸 出する際に同法に基づく輸出許可が必要です。 •医療機器、安全装置、航空宇宙用機器、原子力制御用機器など、その装置・機器の故障や動作不良が、 直接または間接を問わず、生命、身体、財産等へ重大な損害を及ぼすことが通常予想されるような極 めて高い信頼性を要求される用途に弊社製品を使用される場合は、必ず事前に弊社代表取締役の書面 による同意をお取り下さい。 •この同意書を得ずにこうした用途に弊社製品を使用された場合、弊社は、その使用から生ずる損害等 の責任を一切負うものではありませんのでご了承下さい。 •お客様の転売等によりこの注意事項の存在を知らずに上記用途に弊社製品が使用され、その使用から 損害等が生じた場合は全てお客様にてご負担または補償して頂きますのでご了承下さい。 MS0482-J-01 18 2007/12