ASAHI KASEI [AK4552] AK4552 3V 96kHz 24Bit ∆Σ CODEC 概 要 AK4552はディジタルオーディオ機器用に開発された低電圧24bit 96kHz対応 A/D, D/Aコンバータです。 スイッチト・キャパシタフィルタ(SCF)技術の採用によりクロックジッタによる、S/Nの劣化はほとん どありません。アナログ入出力はシングルエンドになっており、外付け部品をほとんど必要としません。 また、AK4552は16pin TSSOPパッケージを採用しており、機器の小型化には最適です。 特 長 o DC-offset キャンセル用HPF内蔵 (fc=3.4Hz@fs=44.1kHz) o シングルエンドADC - S/(N+D): 89dB@VA=3.0V - Dynamic Range, S/N: 97dB@VA=3.0V o シングルエンドDAC - ディエンファシス内蔵 (32kHz, 44.1kHz, 48kHz対応) - S/(N+D): 88dB@VA=3.0V - Dynamic Range, S/N: 100dB@VA=3.0V o オーディオデータI/Fフォーマット: MSB First, 2’s Compliment - ADC: 24bit 前詰め, DAC: 24bit 後詰め o 入出力レベル: ADC = 1.85Vpp@VA=3.0V DAC = 1.75Vpp@VA=3.0V o サンプリングレート: 8kHz ∼ 50kHz (通常速) 50kHz ∼ 100kHz (2倍速, 2倍速モニタ) 100kHz ∼ 200kHz (4倍速モニタ) o マスタクロック: 256fs, 384fs, 512fs or 768fs@通常速 256fs or 384fs@2倍速 128fs or 192fs@2倍速モニタ 64fs, 96fs, 128fs or 192fs@4倍速モニタ o 電源電圧: 2.4 ∼ 4.0V o 消費電流: 14mA o Ta = -40 ∼ 85℃ o 超小型パッケージ: 16pin TSSOP VA LIN RIN VCOM VSS VD ∆Σ Modulator Decimation Filter ∆Σ Modulator Decimation Filter Clock Divider MCLK LRCK BCLK Serial I/O Interface Common Voltage SDTO SDTI DEM0 LOUT ROUT LPF ∆Σ Modulator LPF ∆Σ Modulator 8X DEM1 Interpolator 8X Interpolator MS0055-J-01 PDN 2001/02 -1- ASAHI KASEI [AK4552] n オーダリングガイド -40 ∼ +85°C AK4552用評価ボード AK4552VT AKD4552 16pin TSSOP (0.65mm pitch) n ピン配置 RIN 1 16 ROUT LIN 2 15 LOUT VSS 3 14 VCOM VA 4 13 PDN VD 5 12 BCLK DEM0 6 11 MCLK DEM1 7 10 LRCK SDTO 8 9 SDTI Top View ピン/機能 No. ピン名称 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 RIN LIN VSS VA VD DEM0 DEM1 SDTO SDTI LRCK MCLK BCLK I I I I O I I I I 13 PDN I 14 15 16 VCOM LOUT ROUT O O O 機 I/O 能 Rch アナログ入力ピン Lch アナログ入力ピン グランドピン アナログ電源ピン ディジタル電源ピン ディエンファシスコントロールピン ディエンファシスコントロールピン オーディオシリアルデータ出力ピン オーディオシリアルデータ入力ピン L/Rチャネルクロックピン マスタクロック入力ピン オーディオシリアルデータクロックピン ADC & DAC パワーダウン & リセットモードピン “L”:パワーダウンモード。電源ON時は必ず一度リセットして下さい。 コモン電圧出力ピン, 0.45 x VA Lch アナログ出力ピン Rch アナログ出力ピン MS0055-J-01 2001/02 -2- ASAHI KASEI [AK4552] 絶対最大定格 (VSS=0V; 注 1) パラメータ 電源電圧 アナログ電源 ディジタル電源 入力電流 (電源ピンを除く) アナログ入力電圧 (LIN, RIN pin) ディジタル入力電圧 (LIN, RIN pin以外の入力ピ ン) 動作周囲温度 保存温度 Symbol VA VD IIN VINA min -0.3 -0.3 -0.3 max 4.6 4.6 ±10 VA+0.3 Units V V mA V VIND -0.3 VD+0.3 V Ta Tstg -40 -65 85 150 °C °C 注 1. 電圧はすべてグランドピンに対する値です。 注意: この値を超えた条件で使用した場合、デバイスを破壊することがあります。また通常の動作は保証さ れません。 推奨動作条件 (VSS=0V; 注 1) パラメータ アナログ電源 (VA pin) 電源電圧 ディジタル電源 (VD pin) (注 2) Symbol min typ max Units VA VD 2.4 2.4 or VA-0.3 3.0 3.0 4.0 VA V V 注 1. 電圧はすべてグランドピンに対する値です。 注 2. min値は、2.4VまたはVA-0.3Vのどちらか高い方の値です。 注意: 本データシートに記載されている条件以外のご使用に関しては、当社では責任負いかねますので十分 ご注意下さい。 MS0055-J-01 2001/02 -3- ASAHI KASEI [AK4552] アナログ特性 (特記なき場合は Ta=25°C; VA, VD=3.0V; VSS=0V; Signal Frequency=1kHz; BCLK=64fs; 24bit Data; Measurement frequency=10Hz ∼ 20kHz at fs=44.1kHz, 20Hz ∼ 40kHz at fs=96kHz) パラメータ min typ max ADCアナログ入力特性: (注 3) 24 分解能 S/(N+D) (-0.5dB Input) fs=44.1kHz 80 89 fs=96kHz 80 89 D-Range (-60dB Input) fs=44.1kHz, A-weighted 90 97 fs=96kHz 87 94 fs = 96kHz, A-weighted 100 S/N fs=44.1kHz, A-weighted 90 97 fs=96kHz 87 94 fs=96kHz, A-weighted 100 90 110 チャネル間アイソレーション 0.2 0.5 チャネル間ゲインミスマッチ 1.65 1.85 2.05 入力電圧 (注 4) 入力インピーダンス fs=44.1kHz 20 34 fs=96kHz 14 24 DACアナログ出力特性: 24 分解能 S/(N+D) (0dB Output) fs=44.1kHz 78 88 fs=96kHz 75 85 D-Range (-60dB Output) fs=44.1kHz, A-weighted 92 100 fs=96kHz 88 96 fs=96kHz, A-weighted 100 S/N fs=44.1kHz, A-weighted 92 100 fs=96kHz 88 96 fs=96kHz, A-weighted 100 90 110 チャネル間アイソレーション 0.2 0.5 チャネル間ゲインミスマッチ 1.56 1.75 1.94 出力電圧 (注 4) 10 負荷抵抗 30 負荷容量 電源 Units Bits dB dB dB dB dB dB dB dB dB dB Vpp kΩ kΩ Bits dB dB dB dB dB dB dB dB dB dB Vpp kΩ pF 電源電流 (VA+VD) Power up PDN= “H” 14 18 10 fs=44.1kHz fs=96kHz Power down (注 5) PDN= “L” 21 27 100 mA mA µA 注 3. ADCのオフセットは内部のHPFで除去されます。 注 4. ADC, DACの入出力電圧はVAに比例します。(ADC=0.617 x VA, DAC=0.583 x VA) 注 5. パワーダウン時、クロック(MCLK, BCLK, LRCK)を含むすべてのディジタル入力ピンはVDあるいはVSS に固定した場合の値です。ただし、PDNはVSSに固定です。 MS0055-J-01 2001/02 -4- ASAHI KASEI [AK4552] フィルタ特性 (Ta=25°C; VA, VD=2.4 ∼ 4.0V; fs=44.1kHz; DEM0=“1”, DEM1=“0”) パラメータ Symbol min ADC部ディジタルフィルタ (LPF): PB 0 通過域 (注 6) ±0.1dB -1.0dB -3.0dB SB 27.0 阻止域 (注 6) PR 通過域リップル SA 65 阻止域減衰量 GD 群遅延 (注 7) 群遅延歪 ∆GD ADC部ディジタルフィルタ (HPF): 周波数応答 (注 6) -3dB FR -0.5dB -0.1dB DAC部ディジタルフィルタ: 通過域 (注 6) ±0.1dB -6.0dB PB typ max Units 17.4 17.0 0 kHz kHz kHz kHz dB dB 1/fs µs 3.4 10 22 Hz Hz Hz 20.0 21.1 ±0.1 0 20.0 15.4 0 kHz kHz kHz dB dB 1/fs µs ±0.5 ±1.0 dB dB 22.05 SB 阻止域 (注 6) PR 通過域リップル SA 阻止域減衰量 GD 群遅延 (注 7) 群遅延歪 ∆GD DAC部ディジタルフィルタ + アナログフィルタ: 振幅特性 0 ∼ 20.0kHz FR 0 ∼ 40.0kHz (注 8) 24.1 ±0.06 43 注 6. 各振幅特性の周波数はfs(システムサンプリングレート)に比例します。 例えば、PB=20.0kHz(@ADC : -1.0dB, DAC : -0.1dB)は0.454 x fsです。 注 7. ディジタルフィルタによる演算遅延で、ADC部はアナログ信号が入力されてから両チャネルの24bitデー タが出力レジスタにセットされるまでの時間です。DAC部は24bitデータが入力レジスタにセットされて からアナログ信号が出力されるまでの時間です。 注 8. fs=96kHz時。 DC特性 (Ta=25°C; VA, VD=2.4 ∼ 4.0V) パラメータ ハイレベル入力電圧 ローレベル入力電圧 ハイレベル出力電圧 (Iout= -20µA) ローレベル出力電圧 (Iout= 20µA) 入力リーク電流 Symbol VIH VIL VOH VOL Iin MS0055-J-01 min 70%VD VD-0.1 - typ - max 30%VD 0.1 ±10 Units V V V V µA 2001/02 -5- ASAHI KASEI [AK4552] スイッチング特性 (Ta=25°C; VA, VD=2.4 ∼ 4.0V; CL=20pF) パラメータ Master Clock Timing Frequency Pulse Width Low Pulse Width High LRCK Frequency Normal Speed Double Speed Quad Speed Duty Cycle Serial Interface Timing BCLK Period Normal Speed Double Speed Quad Speed BCLK Pulse Width Low Pulse Width High LRCK Edge to BCLK “↑” (注 9) BCLK “↑” to LRCK Edge (注 9) LRCK Edge to SDTO (MSB) BCLK “↓” to SDTO SDTI Hold Time SDTI Setup Time Reset Timing PDN Pulse Width PDN “↑” to SDTO Valid (注 10) Symbol min fCLK tCLKL tCLKH typ max Units 2.048 10 10 38.4 MHz ns ns fsn fsd fsq Duty 8 50 100 45 50 100 200 55 kHz kHz kHz % tBCK tBCK tBCK tBCKL tBCKH tLRB tBLR tDLR tDBS tSDH tSDS 1/96fsn 1/64fsd 1/64fsq 33 33 20 20 tPW tPWV 150 40 40 20 20 2081 ns ns ns ns ns ns ns ns ns ns ns ns 1/fs 注 9. この規格値は LRCKのエッジとBCLKの“↑”が重ならないように規定しています。 注 10. PDNを立ち上げてからの LRCKクロックの“↑”の回数です。 MS0055-J-01 2001/02 -6- ASAHI KASEI [AK4552] n タイミング波形 1/fCLK VIH VIL MCLK tCLKH tCLKL 1/fs VIH VIL LRCK tBCK VIH VIL BCLK tBCKH tBCKL 図 1. クロックタイミング VIH VIL LRCK tBLR tLRB VIH VIL BCLK tDLR tDBS SDTO 50%VD tSDS tSDH VIH VIL SDTI 図 2. オーディオデータ入出力タイミング tPW PDN VIL tPWV SDTO 50%VD 図 3. リセットタイミング MS0055-J-01 2001/02 -7- ASAHI KASEI [AK4552] 機能説明 n システムクロック MCLKピンに入力されるクロックとサンプリングレートとの関係は表 1で示されます。通常速、2倍速、4倍速 の切り替えは自動検出され、入力されるMCLKにより表2で示される動作をします。2倍速動作時には、通常 出力と1/2間引き出力があります。1/2間引きが選択された場合、ADCは“L”を出力しますがパワーダウンはさ れません。また、4倍速動作時には、通常出力はありませんが1/2, 1/4間引き出力があります。1/2, 1/4間引きの 場合、ADCは“L”を出力しますがパワーダウンはされません。サンプリングクロック(LRCK)はMCLKと同期す る必要はありますが位相を合わせる必要はありません。*fsはサンプリングレートです。 動作中にクロックを切り替える場合は、PDNピンでリセットして下さい。また、切り替えた時にクロックが 止まる可能性がある場合はパワーダウン状態にして下さい。 パワーダウン時(PDN = “L”)以外は、各外部クロック(MCLK, BCLK, LRCK)を止めてはいけません。これらの クロックが供給されない場合、内部にダイナミックなロジックを使用しているため、過電流が流れ、動作が 異常になる可能性があります。 MCLK 64fs 96fs 128fs 192fs 256fs 384fs 512fs 768fs MCLK 64fs 96fs 128fs 192fs 256fs 384fs 512fs 768fs 通常速 2倍速 (fs=44.1kHz) (fs=88.2kHz) N/A N/A N/A N/A N/A 11.2896MHz N/A 16.9344MHz 11.2896MHz 22.5792MHz 16.9344MHz 33.8688MHz 22.5792MHz N/A 33.8688MHz N/A 表 1. マスタクロック周波数例 4倍速 (fs=176.4kHz) 11.2896MHz 16.9344MHz 22.5792MHz 33.8688MHz N/A N/A N/A N/A 通常速 2倍速 4倍速 ADC N/A N/A “L”出力 DAC N/A N/A 1/4間引き ADC N/A N/A “L”出力 DAC N/A N/A 1/4間引き ADC N/A “L”出力 “L”出力 DAC N/A 1/2間引き 1/2間引き ADC N/A “L”出力 “L”出力 DAC N/A 1/2間引き 1/2間引き ADC O O N/A DAC O O N/A ADC O O N/A DAC O O N/A ADC O N/A N/A DAC O N/A N/A ADC O N/A N/A DAC O N/A N/A 表 2. マスタクロック周波数とADC/DACの動作 * 表中、O印は通常出力、N/AはNot availableです。 MS0055-J-01 2001/02 -8- ASAHI KASEI [AK4552] • 間引き時のDAC内部のデータ処理について 図4を参照して下さい。1/2間引きはLRCKの2周期に1回データを取り込み、1/4間引きはLRCKの4周期に1回デ ータを取り込みます。従って、1/2間引き時のアナログ出力はfs/2の帯域までの信号のみが出力され、1/4間引 き時のアナログ出力はfs/4の帯域までの信号のみが出力されます。 LRCK SDTI Input Data Lch Rch Lch Rch Lch Rch Lch Rch Lch Rch 24bit, LSB justified Normal Output 24bit, LSB justified SDTI 1/2 Decimation SDTI 1/4 Decimation 24bit, LSB justified 24bit, LSB justified 図 4. 間引き時のDAC内部のデータ処理について MS0055-J-01 2001/02 -9- ASAHI KASEI [AK4552] n オーディオデータI/Fフォーマット オーディオデータフォーマットはBCLKとLRCKを使ってSDTI/SDTOピンから入出力されます。データフォー マットは2’sコンプリメントのMSBファーストです。 LRCK 0 1 2 8 9 10 24 21 31 0 1 2 8 9 10 24 21 31 0 1 BCLK(64fs) SDTO(o) SDTI(i) 23 22 16 15 14 Don’t Care 23:MSB, 0:LSB 23 22 23 22 0 12 11 1 0 16 15 14 Don’t Care Lch Data 23 22 0 12 11 23 1 0 Rch Data 図 5. オーディオデータI/Fフォーマット n ディエンファシスフィルタ DACはIIRフィルタによる3周波数(32kHz, 44.1kHz, 48kHz)対応のディエンファシスフィルタ(50/15µs特性)を内 蔵しています。入力データに対してDEM0, DEM1ピンで選択された周波数のディエンファシスフィルタが有 効になります。ディエンファシスはDEM0=“1”, DEM1=“0”で無効にできます。 DEM1 DEM0 Mode 0 0 44.1kHz 0 1 OFF 1 0 48kHz 1 1 32kHz 表 3. ディエンファシスフィルタコントロール n ディジタルHPF ADCはDCオフセットキャンセル用のHPFを内蔵しています。HPFのカットオフ周波数は3.4Hz(@fs=44.1kHz) で、20Hzの時 -0.12dBです。これは、サンプリング周波数(fs)に比例します。 MS0055-J-01 2001/02 - 10 - ASAHI KASEI [AK4552] n パワーダウンとリセット AK4552のADCとDACはパワーダウンピン(PDN)を“L”にすることでパワーダウンでき、この時、同時に各ディ ジタルフィルタがリセットされます。パワーダウンピンによるリセットは電源投入時に必ず一度行って下さ い。ADCの場合、パワーダウンモードが解除されると初期化サイクルが開始されます。そのため、出力デー タSDTOは2081 x LRCKサイクル後確定します。DACにはこの初期化動作はありません。図6に電源立ち上げ シーケンスを示します。 PDN 2081/fs ADC Internal State Normal Operation DAC Internal State Normal Operation Power-down Init Cycle Normal Operation Normal Operation Power-down GD GD ADC In (Analog) ADC Out (Digital) “0”data Idle Noise DAC In (Digital) “0”data GD DAC Out (Analog) Idle Noise GD (1) (1) Clock In MCLK,LRCK,BCLK The clocks may be stopped. External Mute Mute ON 図 6. パワーアップシーケンス (1) PDN = “↓ ↑”で若干のノイズが出力されます。ノイズが問題になる場合はアナログ出力を外部でミュ ートして下さい。 MS0055-J-01 2001/02 - 11 - ASAHI KASEI [AK4552] システム設計 システム接続例を図7に示します。具体的な回路と測定例については評価用ボード(AKD4552)を参照して下さ い。 10u 0.1u 2.4V ~ 4.0V Analog Supply + + 10Ω Mode Control 1 RIN ROUT 16 2 LIN LOUT 15 3 VSS VCOM 14 4 VA 5 VD AK4552 + 1u 0.1u PDN 13 Reset BCLK 12 10u 0.1u 6 DEM0 MCLK 11 7 DEM1 LRCK 10 8 SDTO SDTI 9 Audio Controller 図 7. システム接続図 注: - LOUT/ROUTが容量性負荷を駆動する場合は直列に抵抗を入れて下さい。 - VCOMの電解コンデンサの容量は電源の低周波ノイズの大きさに依存します。 MS0055-J-01 2001/02 - 12 - ASAHI KASEI [AK4552] 1. グランドと電源のデカップリング 電源とグランドの取り方については十分注意して下さい。通常、VAはシステムのアナログ電源を、VDには VAから10Ωの抵抗を介した電源を供給します。もし、VAとVDが別電源で供給されても、電源立ち上げシー ケンスを考慮する必要はありません。VSSはアナロググランドに接続して下さい。システムのグランドはアナ ログとディジタルで分けて配線し、PCボード上の電源に近い所で接続して下さい。小容量のデカップリング コンデンサはなるべく電源ピンの近くに接続して下さい。 2. 内蔵基準電圧 VAピンに入力される電圧がアナログ入出力レンジを設定します。通常、VAとVSSピン間に0.1µFのセラミッ クコンデンサを接続します。VCOMはアナログ信号のコモン電圧及び基準電圧として使われます。このピン には高周波ノイズを除去するために1µF (typ; max: 2.2µF)程度の電解コンデンサと並列に0.1µFのセラミックコ ンデンサをVSSピンとの間に接続して下さい。特に、セラミックコンデンサはピンにできるだけ近づけて接続 して下さい。VCOMピンは当LSI専用のピンですので、他の回路へ接続しないで下さい。また、ディジタル信 号、特にクロックは変調器へのカップリングを避けるため VA, VD, VCOMピンからできるだけ離して下さい。 3. アナログ入力 ADC入力はシングルエンドになっており、内部でVCOMにバイアスされています。入力レンジは0.617 x VA Vpp (typ)です。出力コードのフォーマットは2’sコンプリメント(2の補数)で、正のフルスケール以上の入力電 圧に対しては7FFFFFH(@24bit)、負のフルスケール以下に対しては800000H(@24bit)、無入力時の理想値は 000000H(@24bit)です。 AK4552は64fsでアナログ入力をサンプリングします。ディジタルフィルタは、64fsの整数倍付近の帯域を除 く阻止域以上のノイズをすべて除去します。AK4552は64fs付近のノイズを減衰させるためにアンチェリアジ ングフィルタ(RCフィルタ)を内蔵しています。 4. アナログ出力 DAC出力はシングルエンドになっており、出力レンジはVCOM電圧を中心に0.583 x VA Vpp (typ)です。入力 コードのフォーマットは2’sコンプリメント(2の補数)で、7FFFFFH(@24bit)に対しては正のフルスケール、 800000H(@24bit)に対しては負のフルスケール、000000H(@24bit)での理想値はVCOM電圧が出力されます。 ∆Σ変調器が発生する帯域外ノイズ(シェーピングノイズ)が気になる場合は、外付けのフィルタで減衰させて 下さい。 アナログ出力はVCOM+数mV程度のDCオフセットを持つため、通常の使用ではコンデンサでDC成分をカット します。 MS0055-J-01 2001/02 - 13 - ASAHI KASEI [AK4552] パッケージ 16pin TSSOP (Unit: mm) 5.0 16 1.10max 9 4.4 6.4±0.2 A 1 0.22±0.1 8 0.17±0.05 0.65 0.1±0.1 0.5±0.2 Detail A Seating Plane 0.10 0∼10° n 材質・メッキ仕様 パッケージ材質: リードフレーム材質: リードフレーム処理: エポキシ系樹脂 銅 半田メッキ MS0055-J-01 2001/02 - 14 - ASAHI KASEI [AK4552] マーキング AKM 4552VT XXYYY 1) 2) 3) 4) Pin #1 indication Date Code : XXYYY (5 digits) XX: lot# YYY: Date Code Marketing Code : 4552VT Asahi Kasei Logo 重要な注意事項 • 本書に記載された製品、及び、製品の仕様につきましては、製品改善のために予告なく変更する ことがあります。従いまして、ご使用を検討の際には、本書に掲載した情報が最新のものであること を弊社営業担当、あるいは弊社特約店営業担当にご確認下さい。 • 本書に掲載された情報・図面の使用に起因した第三者の所有する特許権、工業所有権、その他の 権利に対する侵害につきましては、当社はその責任を負うものではありませんので、ご了承下さい。 • 本書記載製品が、外国為替及び、外国貿易管理法に定める戦略物資(役務を含む)に該当する場合、 輸出する際に同法に基づく輸出許可が必要です。 • 医療機器、安全装置、航空宇宙用機器、原子力制御用機器など、その装置・機器の故障や動作不 良が、直接または間接を問わず、生命、身体、財産等へ重大な損害を及ぼすことが通常予想される ような極めて高い信頼性を要求される用途に弊社製品を使用される場合は、必ず事前に弊社代表 取締役の書面による同意をお取り下さい。 • この同意書を得ずにこうした用途に弊社製品を使用された場合、弊社は、その使用から生ずる損害 等の責任を一切負うものではありませんのでご了承下さい。 • お客様の転売等によりこの注意事項の存在を知らずに上記用途に弊社製品が使用され、その使用 から損害等が生じた場合は全てお客様にてご負担または補償して頂きますのでご了承下さい。 MS0055-J-01 2001/02 - 15 -