NJU77903Z2 データシート

NJU77903-Z2
高耐圧 高出力 入出力フルスイング CMOS オペアンプ
■ 概要
NJU77903 は高出力可能な 36V 動作電圧 入出力フルスイング CMOS
オペアンプです。従来の外付けパワートランジスタを必要としていた高出
力用途に最適です。また、RF ノイズ耐性に優れています。
■ 特徴
● 高出力電流
● 動作温度範囲
● 入出力フルスイング特性
● 高 RF ノイズ耐性
● 動作電圧
● 消費電流
● 電圧利得
● 入力バイアス電流
● スルーレート
● ユニティゲイン周波数
● サーマルシャットダウン回路内蔵
● カレントリミット回路内蔵
● 外形
● AEC-Q100 準拠※
:±100mA typ.( 200mA pp typ.)
:Topr=-40ºC to +125ºC
■外形
NJU77903DL3-Z2
(TO252-5)
:6.8V to 36V
:9.5mA typ.
:100dB typ.
:1pA typ.
:3.5V/μs typ.
:1.5MHz typ.
:TO252-5
※AEC-Q100 の要求信頼性レベルを満足した製品となります。
■ アプリケーション
● レゾルバドライブ
● モータードライブ
● スピーカードライブ
● 半導体テスター
● リニアパワーブースター
■ 端子配列
NJU77903DL3-Z2
[ TOP VIEW ]
PAD
1
2
3
4
5
1
2
3
4
V+
OUTPUT
V-INPUT
+INPUT
5
● パッケージ底面の PAD は、IC の V− 端子と同電位になるように最短の経路で接続してください。
Ver. 2015-02-13
-1-
NJU77903-Z2
■ 絶対最大定格 (指定無き場合には Ta=25˚C)
項目
電源電圧
差動入力電圧 (注 1)
入力電圧 (注 2)
入力電流
出力印加電圧 (注 4)
消費電力 (注 7)
TO252-5
動作温度範囲
保存温度範囲
記号
+
V -V
VID
VIN
IIN
VO
定格
40
±36
+
V - 0.3 to V + 0.3
±10 (注 3)
+
V - 0.3 to V + 0.3
(2-layer / 4-layer)
1190(注 5) / 3125(注 6)
-40 to +125
-55 to +150
PD
Topr
Tstg
単位
V
V
V
mA
V
mW
°C
°C
(注 1)差動入力電圧は+INPUT 端子と-INPUT 端子の電位差です。
(注 2)入力端子に印加可能な電圧範囲です。
オペアンプとして正常に動作する範囲は電気的特性の同相入力電圧範囲になります。
(注 3)入力電圧が電源電圧を超える場合は、制限抵抗を用いて入力電流を 10mA 以下に抑えてください
(注 4)出力端子に印加可能な電圧範囲です。
2
(注 5)76.2 x 114.3 x 1.6mm(EIA/JEDEC 規格サイズ、2 層、FR-4)基板実装時、且つ銅箔面積 100mm
(注 6)76.2 x 114.3 x 1.6mm(EIA/JEDEC 規格サイズ、4 層、FR-4)基板実装時
(4 層内箔面積: 74.2  74.2mm、JEDEC standard JESD51-5 に準拠しサーマルビアホールを適用)
(注 7)Ta>25ºC で使用する場合、その値は 1ºC につき PD/(Tstg(MAX)-25)[mW/ºC]の割合で減少します。
下の図1を参照してください。
(注 8)パッケージ底面の PAD は、IC の V− 端子と同電位になるように最短の経路で接続してください。
3500
消費電力 PD [mW]
3000
TO252-5 (4-layer)
2500
2000
TO252-5(2-layer)
1500
1000
500
0
0
25
50
75
100
Ta
[ºC]
周囲温度
125
150
図1:消費電力 - 周囲温度特性
■ 推奨動作電圧 (Ta=25˚C)
項目
電源電圧
-2-
記号
+
-
V -V
値
単位
+6.8 to +36
V
Ver. 2015-02-13
NJU77903-Z2
■ 電気的特性
+
(指定なき場合, V = +12V, V = 0V, VIC = +6V, RL=10kΩ, Ta=25ºC)
項目
記号
入力オフセット電圧
VIO
入力オフセット電圧ドリフト
入力バイアス電流
入力オフセット電流
ΔVio/ΔT
IB
IIO
条件
最小
標準
最大
80
1
20
1
1
100
6
15
-
VO=1V to 11V, RL=10kΩ to V /2,
Ta= -40ºC to 125ºC
75
-
-
VIC=0V to 6V, VIC=6V to 12V
55
75
-
VIC=0V to 6V, VIC=6V to 12V,
Ta = -40ºC to 125ºC
50
-
-
CMR≧55dB
CMR≧50dB, Ta = -40ºC to 125ºC
0
0
-
12
12
11.97
11.97
11.4
11.2
-
11.99
11.65
0.01
0.35
-
0.03
0.03
0.6
0.8
250
375
495
200
-
495
200
375
545
記号
入力特性
RS=50Ω
RS=50Ω, Ta = -40ºC to 125ºC
Ta = -40ºC to 125ºC
+
VO=1V to 11V, RL=10kΩ to V /2
電圧利得
AV
同相信号除去比
CMR
同相入力電圧範囲
VICM
+
mV
µV/ºC
pA
pA
dB
dB
V
出力特性
+
VOH
最大出力電圧
VOL
出力ソース電流リミット1
RL=10kΩ to V /2
+
RL=10kΩ to V /2, Ta = -40ºC to 125ºC
Isource=100mA
Isource=100mA, Ta = -40ºC to 125ºC
+
RL=10kΩ to V /2
+
RL=10kΩ to V /2, Ta = -40ºC to 125ºC
Isink=100mA
Isink=100mA, Ta = -40ºC to 125ºC
ISOURCELIM1
V
V
V
mA
Ta = -40ºC to 125ºC
出力シンク電流リミット1
V
ISINKLIM1
mA
Ta = -40ºC to 125ºC
175
-
575
70
65
9.5
85
-
12.5
12.5
-
-
1.5
75
-
2.5
3.5
-
GV=0dB, RL=10kΩ to V /2, CL=10pF,
Vin=4Vpp (4V to 8V), Ta = -40ºC to 125ºC
2
-
-
f=10kHz, RS=50Ω
-
50
-
nV/√Hz
GV=6dB, RF=10kΩ, RL=10kΩ, CL=10pF,
Vo=2Vpp, f=10kHz
-
0.03
-
%
電源特性
消費電流
IDD
電源電圧変動除去比
SVR
ダイナミック特性 AC 特性
ユニティゲイン周波数
位相余裕
fT
ΦM
No Signal, RL=OPEN
No Signal, RL=OPEN, Ta = -40ºC to 125ºC
+
V = 6.8V to 36V
+
V = 6.8V to 36V, Ta = -40ºC to 125ºC
+
RL=10kΩ to V /2, CL=10pF
+
RL=10kΩ to V /2, CL=10pF
mA
dB
MHz
deg
+
スルーレート
(注 9)
ノイズ特性
入力換算雑音電圧
全高調波歪率
SR
en
THD
GV=0dB, RL=10kΩ to V /2, CL=10pF,
Vin=4Vpp (4V to 8V)
V/µs
+
(注 9)正または負のスルーレートの遅いほうの値を、スルーレート値とします。
Ver. 2015-02-13
-3-
NJU77903-Z2
■特性例
消費電流 対 電源電圧 特性例
消費電流 対 周囲温度 特性例
(周囲温度)
AV=0dB, RL=OPEN, V-=0V
(電源電圧)
AV=0dB, RL=OPEN
20
20
18
18
Ta=125ºC
16
16
Ta=85ºC
消費電流 [mA]
消費電流 [mA]
14
Ta=25ºC
12
10
8
6
14
+
10
8
6
+
Ta=-40ºC
4
-
V /V =12V/0V
4
2
2
0
V+/V-=6.8V/0V
0
0
5
10
15
20
25
30
35
40
-50
-25
0
+
電源電圧 V [V]
入力オフセット電圧 対 電源電圧 特性例
25
50 75
周囲温度 [ºC]
(電源電圧)
AV=0dB
AV=0dB, V =0V
10
100 125 150
入力オフセット電圧 対 周囲温度 特性例
(周囲温度)
-
10
8
8
4
Ta=25ºC
入力オフセット電圧 [mV]
Ta=125ºC
6
入力オフセット電圧 [mV]
-
V /V =30V/0V
12
Ta=85ºC
2
0
-2
-4
Ta=-40ºC
-6
-8
6
4
+
-
V /V =30V/0V
2
0
-2
V+/V-=12V/0V
V+/V-=6.8V/0V
-4
-6
-8
-10
-10
0
5
10
15
20
25
30
35
40
-50
-25
0
+
電源電圧 V [V]
25
50
75
周囲温度 [ºC]
100 125 150
入力オフセット電圧 対 出力電流 特性例
V+/V-=±6V
入力オフセット電圧 対 同相入力電圧 特性例
+
30
-
V /V =±6V
15
出力ソース電流
20
9
入力オフセット電圧 [mV]
入力オフセット電圧 [mV]
12
Ta=-40℃
6
Ta=25℃
Ta=125℃
3
0
-3
-6
-9
10
Ta=25℃
0
出力シンク電流
-10
-20
-12
Ta=50℃
Ta=85℃
Ta=125℃
-15
-8
-4-
Ta=- 40℃
-6
-4
-2
0
2
同相入力電圧 [V]
4
6
8
-30
-250 -200 -150 -100 -50
0
50
100 150 200 250
出力電流 [mA]
Ver. 2015-02-13
NJU77903-Z2
電源電圧変動除去比 対 周波数 特性例
100
電源電圧変動除去比 対 周囲温度 特性例
V+/V-=12V/0V , VIN:2VPP, GV=40dB, RS=1kΩ, RF=100kΩ, Ta=25ºC
+
-
V =6.8V to 36V , V =0V
120
80
‐
電源電圧変動除去比 [dB]
電源電圧変動除去比 [dB]
90
V
70
60
50
V+
40
30
20
100
80
60
40
20
10
0
100
0
1k
10k
100k
-50
周波数 [Hz]
0
25
50
75
周囲温度 [ºC]
100 125 150
同相信号除去比 対 周波数 特性例
同相信号除去比 対 周囲温度 特性例
+
-25
-
V /V =±6V
100
120
V+/V-=±6V, VIN=3VPP, GV=40dB, RS=1kΩ, RF=100kΩ, Ta=25ºC
90
100
80
同相信号除去比 [dB]
同相信号除去比 [dB]
VICM=-6 to 0V
VICM=0 to 6V
80
60
40
70
60
50
40
30
20
20
10
0
-50
-25
0
25
50
75
周囲温度 [ºC]
0
100
100 125 150
+
11.8
1.8
11.6
1.6
最大出力電圧 [V]
最大出力電圧 [V]
2
Ta=-40℃
Ta=25℃
11
Ta=85℃
Ta=125℃
10.8
-
V /V =12V/0V
12
11.2
100k
最大出力電圧 対 出力シンク電流 特性例
-
V /V =12V/0V
11.4
10k
周波数 [Hz]
最大出力電圧 対 出力ソース電流 特性例
+
1k
10.6
1.4
Ta=125℃
1.2
Ta=25℃
0.8
Ta=-40℃
0.6
10.4
0.4
10.2
0.2
10
Ta=85℃
1
0
0
Ver. 2015-02-13
50
100
150
出力ソース電流 [mA]
200
0
50
100
150
出力シンク電流 [mA]
200
-5-
NJU77903-Z2
入力バイアス電流 対 周囲温度 特性例
入力オフセット電流 対 周囲温度 特性例
(電源電圧)
VICM=0V
10n
10n
+
入力オフセット電流 [A]
100n
入力バイアス電流 [A]
(電源電圧)
VICM=0V
-
V /V =±15V
1n
1n
V+/V-=±15V
100p
100p
+
10p
-
10p
V /V =±6V
+
-
V /V =±6V
1p
1p
-50
-25
0
25
50
75
周囲温度 [ºC]
過渡応答 特性例
100 125 150
-50
4
104
-2
Ta=25ºC
-4
Ta=85ºC
Ta=125ºC
2
4
0
2
-2
0
-6
出力電圧 [V]
0
60
入力電圧 [V]
5
スルーレート [V/usec]
8
-8
出力電圧
-12
0
1
2
3
4
5
時間 [usec]
6
7
8
Rise
4
3
Fall
2
1
-10
-4
-1
0
9
-50
-25
0
25
50 75
周囲温度 [ºC]
100 125 150
入力換算雑音電圧 対 周波数 特性例
電圧利得 対 周囲温度 特性例
V+/V-=±6V, VO=-5V to 5V, RL=10kΩ
160
100 125 150
6
2
2
Ta=-40ºC
25
50
75
周囲温度 [ºC]
V+/V-±6V, VIN4VP-P, f=100kHz
PulseEdge=10nsec, Gv=0dB, CL=10p, RL=10k
入力電圧
4
0
スルーレート 対 周囲温度 特性例
(周囲温度)
V+/V-±6V, VIN4VP-P, f=100kHz
PulseEdge=10nsec, Gv=0dB, CL=10p, RL=10k
12
-25
RF=2KΩ, RG=20Ω, Ta=25ºC
10000
入力換算雑音電圧 [nV/Hz]
140
電圧利得 [dB]
120
100
80
60
40
V+/V-=30V/0V
1000
100
V+/V-=12V/0V
10
20
0
1
-50
-6-
-25
0
25
50
75
周囲温度 [ºC]
100 125 150
1
10
100
1k
周波数 [Hz]
10k
100k
Ver. 2015-02-13
NJU77903-Z2
40
30
-40℃
25℃
85℃
125℃
ユニティゲイン周波数 対 負荷容量 特性例
(周囲温度)
V+/V-=±6V, Gv=20dB, VIN=-30dBm, RL=10kΩ, CL=10pF
180
135
利得
90
10
45
位相
0
0
-10
-45
-20
-90
-30
-135
-40
1k
100k
1M
周波数 [Hz]
10M
-180
100M
CL=10pF
CL=1nF
2.0
1.5
CL=10nF
1.0
0.5
-60
-30
0
30
60
90
周囲温度 [ºC]
120
位相余裕 対 負荷容量 特性例
位相余裕 対 温度特性例
V+/V-=±6V, RL=10kΩ, VIN=-30dBm, Gv=20dB
V+/V-=±6V, RL=10kΩ, VIN=-30dBm, Gv=20dB
90
80
80
70
70
60
Ta=25℃
50
Ta=-40℃
40
Ta=125℃
30
150
CL=10pF
60
50
40
20
10
10
0
0
CL=1nF
CL=10nF
30
20
-10
-10
10p
40
100p
1n
負荷容量 [F]
10n
-60
-30
0
30
60
90
周囲温度 [ºC]
120
利得余裕 対 負荷容量特性例
位相余裕 対 温度特性例
V+/V-=±6V, RL=10kΩ, VIN=-30dBm, Gv=20dB,
V+/V-=±6V, RL=10kΩ, VIN=-30dBm, Gv=20dB
90
35
150
80
30
70
Ta=125℃
位相余裕 [deg]
25
利得余裕 [dB]
2.5
0.0
位相余裕 [deg]
位相余裕 [deg]
90
10k
位相 [deg]
電圧利得 [dB]
20
V+/V-=±6V, RL=10kΩ, VIN=-30dBm, Gv=20dB
3.0
ユニティゲイン周波数 [MHz]
閉ループ電圧利得 対 周波数 特性例
20
15
Ta=-40℃
10
5
CL=10pF
60
50
40
CL=10nF
30
CL=1nF
20
0
10
Ta=25℃
-5
0
-10
-10
10p
Ver. 2015-02-13
100p
1n
負荷容量 [F]
10n
-60
-30
0
30
60
90
周囲温度 [ºC]
120
150
-7-
NJU77903-Z2
全高調波歪率 対 出力電圧 特性例
V+/V-=±6V, GV=20dB, RF=9.1kΩ, RS=1kΩ, Ta=25ºC
100
全高調波歪率 + ノイズ [%]
全高調波歪率 + ノイズ [%]
10
全高調波歪率 対 出力電力 特性例
V+/V-=±6V, GV=20dB, RF=9.1kΩ, RS=1kΩ, Ta=25ºC
1
f=10kHz
0.1
0.01
10
f=10kHz
1
0.1
0.01
f=1kHz
f=1kHz
f=100Hz
0.001
0.01
f=100Hz
0.001
0.1
1
出力電力 [mW]
10
0.1
1
10
出力電圧 [Vpp]
100
サーマルシャットダウン温度 対 電源電圧 特性例
-
V =0V
220
ジャンクション温度 [ºC]
200
シャットダウン温度
180
160
140
復帰温度
120
100
0
5
10
15
20
25
30
35
40
+
電源電圧 V [V]
-8-
Ver. 2015-02-13
NJU77903-Z2
■ アプリケーションノート
NJU77903 は高出力可能な 40V 耐圧の入出力フルスイングオペアンプであり、外付けトランジスタなどのパワーブ
ースター無しで高出力電流を得ることができます。
このオペアンプを用いて高出力電流を扱うアプリケーションを設計するに際しては、内部損失による発熱を理解する
事や、サーマルシャットダウン、カレントリミット等の動作を把握することは、思いがけないトラブルを回避する方法
の一つとして有効です。
本アプリケーションノートは高出力オペアンプとしてご使用いただく際の参考として、以下の内容で構成されていま
す。
・
・
・
・
・
内部損失の計算
サーマルシャットダウン
カレントリミット
レゾルバ信号出力回路
過大入力における対策
なお、本アプリケーションノートの記載内容は実際の動作を保証するものではございません。実際の動作は必ず実機
にてご確認ください。
Ver. 2015-02-13
-9-
NJU77903-Z2
1. 内部損失の計算
NJU77903 の内部損失は接続される負荷によって異なります。本アプリケーションノートでは、抵抗負荷の場合とイ
ンダクタンス負荷の場合の内部損失を説明します。また、この章においては V+を VDD として、V−を VSS と定義して計算
します。
1.1 抵抗負荷での内部損失
時間 0∼π までと時間 π∼2π までに分けて内部損失を考えます。
■t=0∼π まで
図 1.1 は時間 0∼π までの NJU77903 の内部電流を、図 1.2 は出力電流と出力電圧の時間変化を示しています。Io は
出力電流、IA は NJU77903 の出力段以外に流れる電流です。ここで時間 0 から π までの内部損失は次式で表されます。
PR1  V DD  VSS I A 

V


 V DD  VSS I A 
V

 V DD
1
0
1

0
DD
 VO sin  I O sin d
 VO sin  
VO
sin d
R
2
2V V
V
 VSS I A  DD O  O
R
2R
IO
V DD
IA
DD
IOsinθ
IO
-IO
VO
Vosinθ
R
V SS
図 1.1 時間 0∼π までの NJU77903 の内部電流
- 10 -
-VO
0
π
2π
図 1.2 抵抗負荷での出力電流、出力電圧の時間変化
Ver. 2015-02-13
NJU77903-Z2
■t=π∼2π まで
一方、
図 1.3 は時間 π から 2π までの NJU77903 の内部電流を表しており、
このときの内部損失は次式で表されます。
PR 2  VDD  VSS I A 

V

 
1
2
O
sin   VSS I O sin d
 VDD  VSS I A 

V

 
 VDD  VSS I A 
2VSSVO VO

R
2R
1
2
O
sin   VSS 
VO
sin d
R
2
ここで VDD=-VSS とすると、内部損失 PR は以下のように求められます。
2
2V V V
PR  VDD  VSS I A  DD O  O
R
2R
IO
IOsinθ
VDD
IA
-IO
VO
IO
Vosinθ
R
-VO
VSS
0
図 1.3 時間 π∼2π までの NJU77903 の内部電流
π
2π
図 1.4 抵抗負荷での出力電流、出力電圧の時間変化
■使用実例
電源電圧 VDD/VSS=+6V/-6V、Vo=1Vpk、R=20Ω(Io=1Vpk/20Ω=50mApk=100mApp)
、IA=1.5mA とすると
PR  VDD  VSS I A 
2
2VDDVO VO

R
2R
2  6V  1V
1V 2  184mW
 6V  6V   1.5mA 

  20
2  20
となります。また、電源電圧 VDD/VSS=+12V/0V、Vo=1Vpk、IA=1.5mA の場合でも抵抗 R=20Ω が中点の 6V に接地され
ていれば、内部損失は同様に PR=184mW となります。
Ver. 2015-02-13
- 11 -
NJU77903-Z2
1.2 インダクタンス負荷での内部損失
抵抗負荷の場合と同様に時間0∼π までと時間π∼2π までに分けて、
インダクタンス負荷での内部損失を導出します。
■t=0∼π まで
図 1.5 は時間 0∼π までの NJU77903 の内部電流を、図 1.7 は出力
電流と出力電圧の時間変化を示しています。インダクタンス負荷であ
るため出力電流と出力電圧の位相が 90°違います。Io は出力電流、IA
は NJU77903 の出力段以外に流れる電流です。ここで時間 0∼π まで
の出力電流による損失は次式で表されます。
V DD
IA
IO
1
PLO1  VDD  VO cos  I O sin   VDD I O sin   VO I O sin 2
2
L
よって、時間 0∼π までの内部損失は次式で表されます。
VSS

PL1  VDD  VSS I A 

 VDD  VSS I A 
2VDD I O
1
0
VDD I O sin d 
1


0
1
VO I O sin 2d
2
図 1.5 時間 0∼π までの NJU77903 の内部電流

■t=π∼2π まで
次に時間 t=π∼2π での損失を考えます。
このときの出力電流は図 1.6 に示すように NJU77903 に流れ込む方向に流れ
ます。したがって、出力電流によるオペアンプ内部での損失は、
1
PLO 2  VO cos   VSS I O sin   Vee I O sin   VO I O sin 2
2
となります。同様に t=π∼2π の間での内部損失を導出します。
PL 2  V DD  V SS I A 
2
1
 
 Vee I O sin d 
1
2
 
2V I
1
VO I O sin 2d  V DD  V SS I A  SS O
2

ここで VDD=-VSS とすると、内部損失は以下のように表されます。
PL  VDD  VSS I A 
2VDD I O

IO
IOsinθ
VDD
IA
-IO
VO
IO
VOcos θ
L
-VO
VSS
図 1.6 時間 π∼2π までの NJU77903 の内部電流
- 12 -
0
π
2π
図 1.7 インダクタンス負荷での出力電流、出力電圧の時間変化
Ver. 2015-02-13
NJU77903-Z2
■使用実例
例えば、電源電圧 VDD/VSS=+6V/-6V、Io=50mApk(100mApp)、IA=1.5mA とすると
PL  VDD  VSS I A 
2VDD I O

 6V  6V   1.5mA 
2  6V  50 mA
 209 mW

となります。
単電源回路で内部損失を計算する場合、図 1.8 のように両電源回路に置き換えて考えます。したがって、電源電圧
VDD/VSS=+12V/0V、Io=50mApk(0mA センターで 100mApp)、IA=1.5mA の場合、
PL  VDD  VSS I A 
2VDD I O

 6V  6V   1.5mA 
2  12V 2   50 mA

 209 mW
となります。
参考までに図 1.9 にインダクタンス負荷での内部損失の電源電圧依存性を示します。ただし電源電圧は単電源です。
実使用上では、内部損失がパッケージパワーPD 以下となる条件でご使用ください。
VDD /2
V DD
L
L
VDD /2
-VDD /2
図 1.8 単電源回路と等価な両電源回路
内部損失の電源電圧依存性
インダクタンス負荷, IA=1.5mA
1400
Io=200mApp
1200
内部損失 [mW]
1000
Io=150mApp
800
Io=100mApp
600
Io=50mApp
400
200
0
0
5
10
15 20 25
電源電圧 [V]
30
35
40
図 1.9 インダクタンス負荷での内部損失の電源電圧依存性(電源電圧は単電源)
Ver. 2015-02-13
- 13 -
NJU77903-Z2
1.3 NJU77903 の出力段以外に流れる電流
NJU77903 の出力段以外に流れる電流 IA は図 1.10 の回路で計測できます。この計測結果を図 1.11、図 1.12 に示しま
す。
V DD
A
IA
Open
V SS
図 1.10 出力段以外に流れる電流 IA を計測する回路
出力段以外の消費電流 対 電源電圧 特性例
AV=0dB, RL=OPEN
出力段以外の消費電流 [mA]
6
5
4
Ta=-40ºC
3
Ta=25ºC
Ta=-55ºC
2
1
Ta=125ºC
Ta=85ºC
0
0
5
10
15
20
25
電源電圧 [V]
30
35
40
図 1.11 出力段以外に流れる電流 IA の電源電圧特性例
出力段以外の消費電流 対 周囲温度 特性例
AV=0dB, RL=OPEN
出力段以外の消費電流 [mA]
6
5
4
V+=12V
3
+
V =30V
2
1
V+=6.8V
0
-50
-25
0
25
50 75
周囲温度 [ºC]
100 125 150
図 1.12 出力段以外に流れる電流 IA の周囲温度特性例
- 14 -
Ver. 2015-02-13
NJU77903-Z2
2. サーマルシャットダウン
NJU77903 はパッケージの放熱性を超える発熱、つまり内部損失がパッケージパワーPD を超えた場合に備えて、サー
マルシャットダウン機能を有します。図 2.1 にサーマルシャットダウン温度、復帰温度の電源電圧特性例を示します。
例えば電源電圧 12V では、
NJU77903 のジャンクション温度が約 175 ºC になったときサーマルシャットダウンが ON
し、出力電流をストップします。このとき NJU77903 の出力端子はハイインピーダンスであり、出力端子電位はオープ
ン状態と等価となります。もし、サーマルシャットダウン時の出力電圧を GND 電位にしたい場合は、出力端子と GND
を抵抗で接続してください。
出力電流がストップすることで NJU77903 自身のジャンクション温度が低下すると、NJU77903 は自動的に復帰し、
再び出力電流を流し始めます。このときの復帰温度は、電源電圧 12V において約 160 ºC です。
なお、サーマルシャットダウン機能はヒートシンクの代わりとなるものではありません。もしものオーバーロードに
備えた機能です。NJU77903 はジャンクション温度 Tj の絶対最大定格値 150 ºC 以下でご使用ください。
サーマルシャットダウン温度 対 電源電圧
220
200
ジャンクション温度 [℃]
シャットダウン温度
180
160
140
復帰温度
120
100
0
5
10
15
20
25
電源電圧 [V]
30
35
40
図 2.1 サーマルシャットダウン温度/復帰温度の電源電圧特性
Ver. 2015-02-13
- 15 -
NJU77903-Z2
3. カレントリミット
NJU77903 は地絡、天絡に備えてカレントリミット機能を備えます。図 3.1 は出力ソース電流、図 3.2 は出力シンク
電流のカレントリミット値の周囲温度特性例です。出力ソース電流、出力シンク電流ともに温度上昇に伴ってカレント
リミット値が引き下がる特性を有します。
出力ソース電流 リミット値 対 周囲温度
V DD =12V, R L =1Ω
1000
900
900
800
800
出力シンク電流 リミット値 [mA]
出力ソース電流 リミット値 [mA]
出力シンク電流 リミット値 対 周囲温度
V DD =12V, R L =1Ω
1000
700
600
500
400
300
200
100
700
600
500
400
300
200
100
0
0
-50
-25
0
25
50
75
100
125
150
-50
-25
周囲温度 [℃]
0
25
50
75
100
125
150
周囲温度 [℃]
図 3.1 出力ソース電流のカレントリミット値の
周囲温度特性例
図 3.2 出力シンク電流のカレントリミット値の
周囲温度特性例
図 3.3 には t=0sec で地絡したときの出力ソース電流リミット値の時間変化を示しています。時間経過とともに出力ソ
ース電流リミット値が低下します。この低下は出力電流によって NJU77903 のジャンクション温度 Tj が上昇すること
でカレントリミット値が引き下がるため生じます。使用温度範囲は超えますが、図 3.3 に示されるように Ta=150 ºC で
地絡した場合、ジャンクション温度 Tj がサーマルシャットダウン動作温度に到達し、一時的に出力電流が停止します(図
3.3 の t=55msec∼75msec)
。ジャンクション温度 Tj がサーマルシャットダウンの復帰温度まで低下すると、再び出力
電流を流し始めます(図 3.3 の t=75msec∼100msec)
。
過電流保護回路動作
V DD =12V, R L =1Ω
500
450
Ta=25℃
Ta=85℃
出力ソース電流 [mA]
400
Ta=125℃
Ta=150℃
350
300
250
200
150
100
サーマル
シャットダウン
サーマル
シャットダウン
50
100
50
0
-25
0
25
75
125
150
時間 [msec]
図 3.3 出力ソース電流のカレントリミット値の時間変化
- 16 -
Ver. 2015-02-13
NJU77903-Z2
4. レゾルバ励磁信号 出力回路
図 4.1 に典型的なレゾルバ励磁信号出力回路を示します。回路の前段には 2 回路入り汎用オペアンプ NJM2904、後
段には NJU77903 を使用しています。NJM2904(A)は中点電位を形成するために用いますが、図 4.2 のように省略する
こともできます。NJM2904(B)は正弦波信号の位相を反転させるために用います。位相が反転した正弦波信号を予め準
備されている場合は図 4.3 のように NJM2904 を省略できます。
図 4.4 に出力信号例を示します。出力電圧 Vout はインダクタンスの両端の電圧、出力電流 Iout は上側の NJU77903
から流れ出る方向を正としています。インダクタンス負荷であるため、出力電圧 Vout と出力電流 Iout には約 90 度の位
相差を生じます。ただしインダクタンス負荷に内部抵抗が含まれるため、丁度 90 度の位相差にならないことにご注意
ください。
なお、ご使用の際は必ず実機にて動作の確認、検証をしてください。
AC
AC
DC
NJU77903
NJU77903
Iout
Iout
Vout
NJM2904(A)
Vout
NJU77903
NJU77903
NJM2904(B)
NJM2904
図 4.1 典型的なレゾルバ励磁信号出力回路
AC1
図 4.2 典型的なレゾルバ励磁信号出力回路
(中点電位生成用のアンプ削除)
NJU77903
Iout
Vout
AC2
NJU77903
図 4.3 典型的なレゾルバ励磁信号出力回路
(位相の異なる正弦波が準備されている場合)
Ver. 2015-02-13
- 17 -
NJU77903-Z2
レゾルバ励磁 出力電圧信号例
+
レゾルバ励磁 出力電流信号例
-
+
V /V =12V/0V, Freq=10kHz
-
V /V =12V/0V, Freq=10kHz
5
80
4
60
出力電流 Iout [mA]
出力電圧 Vout [V]
3
2
1
0
-1
-2
-40℃
25℃
125℃
-3
40
20
0
-20
-40℃
25℃
125℃
-40
-60
-4
-5
-80
0
0.05
0.1
0.15
0.2
0
時間 [msec]
0.05
0.1
0.15
0.2
時間 [msec]
図 4.4 レゾルバ励磁 出力信号例
- 18 -
Ver. 2015-02-13
NJU77903-Z2
5. 過大入力における対策
入力信号電圧が電源ラインを超える場合は、図 5.1 に示すように電流制限用抵抗を用いて入力電流を定格以下に制限
する必要があります。電流制限用の抵抗値については、以下の式より算出することができます。
IIN
VSIG-
V+
RIN
V+
IIN
VOUT
RIN
VSIG-
VOUT
VSIG+
VSIG+
IIN
IIN =
RIN
VSIG − V+
RIN
IIN
V≦10mA, (VSIG>V+)
図 5.1a 入力端子印加電圧例(VSIG>V+)
Ver. 2015-02-13
IIN =
RIN
V- − VSIG
RIN
V≦10mA, (VSIG<V-)
図 5.1b 入力端子印加電圧例(VSIG<V-)
- 19 -
NJU77903-Z2
■ パッケージ外形図
TO252−5
2.29± 0.09
1.14 ± 0.13
6.54 ± 0.19
0.52 ± 0.06
6.0 4 ± 0.06
5.34 ±0 .12
0.5 ±0.12
1. 2 7
0. 51
2 .5 ± 0. 5
0 ∼ 0.25
0.52 ±0 .06
MIN4.15
(1.7)
(1.4)
(0.9)
5.34 ± 0.12
(2.5)
(4.8)
単位:mm
<注意事項>
このデータブックの掲載内容の正確さには万全を期しておりますが、
掲載内容について何らかの法的な保証を行うものではありません。
とくに応用回路については、製品の代表的な応用例を説明するためのも
のです。また、工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴うものでは
なく、第三者の権利を侵害しないことを保証するものでもありません。
- 20 -
Ver. 2015-02-13