(No.33, 2007年度)二次元MEMSミラーアレイデバイスの開発(7P/1,046KB)

二次元MEMSミラーアレイデバイスの開発
A Two-Dimentional MEMS Mirror Array Device based on New Structure
加藤 静一*
南條 健*
大高 剛一*
Seiichi KATOH
Takeshi NANJYO
Koichi OHTAKA
要
旨
MEMS二次元ミラーアレイデバイスにはねじり梁ヒンジを用いた構造のものが多いが,小型化
の障害になっていた.我々はヒンジのない新規構造二次元MEMSミラーアレイを開発した.基板
上のピボットとミラーコーナーに近接するストッパによりミラーは自由に傾斜変位可能である.
ミラー電位はピボットを囲む電極から静電誘導で誘起され,電極とミラー間の電位差による静電
力でミラーは傾斜変位する.デバイス試作は二段階の犠牲層プロセスを含んだ表面マイクロマシ
ニングにより行った.試作15μmミラーデバイスの応答時間は2300Paの減圧雰囲気でシミュレー
ションと良く合うことが分かった.
ABSTRACT
The development of a two-dimensional MEMS mirror array device based on a new structure is reported.
The feature of the device is that the mirror is not supported by hinges on the substrate. The combination
of the pivot formed beneath the mirror and the stoppers formed at the corners of the mirror enables the
inclination of the mirror. A floating potential in the metal mirror is generated by the electric field of the
electrodes arranged around the pivot. The mirror is inclined by the electrostatic force between the mirror
and the electrodes. The device is fabricated by surface micromachinning technology with a two-step
sacrificial layer process. The response time of 15μm mirror in reduced pressure at 2300Pa agrees with
the simulation results.
* 研究開発本部 東北研究所
Tohoku R&D Center, Research and Development Group
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点とし自由に傾斜できる.ミラーに対向しピボットを
1.背景と目的
囲むように4つの電極が配置されており,これらの電極
近年のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)
からの静電誘導によりミラー電位が誘起される.これ
技術の発達により,多数の微細なミラーをLSI基板上に
により電極とミラー間に静電力が発生しミラーを傾斜
製作し,個別に動作制御することが可能になっている.
変位させることができる.傾斜したミラーとストッパ
このような二次元MEMSミラーアレイは空間変調器と
は非接触で,ミラーの偏向角はミラーサイズとピボッ
して,プリンタ,ビデオプロジェクタ,マスクレス露
ト高さからなる傾斜角により設計することができる.
1-3)
光機などへの応用が検討されている
.これらの応用
では,高解像度かつ高い階調性が求められ,さらによ
Mirror
り高密度で高速のスイッチング速度が要求されてきて
Stopper
いる.多くのミラー型空間変調器では,ねじり梁ヒン
ジという板バネで吊られたミラーを静電力や電磁力で
駆動する方式がよく用いられている.ビデオプロジェ
Electrode
Pivot
Post
(beneath mirror)
クタ用ミラーデバイスではフィルファクタを向上する
(a)
(b)
Fig.1 Schematic structure of the device.
ため,ミラー下にヒンジを形成する複雑な構造がとら
4)
れている例 もある.ねじり梁ヒンジでミラーを支持
する構造では高解像度を得るためミラーサイズを縮小
2-2
すると,ねじり梁ヒンジの剛性が増加し駆動エネル
動作原理
Fig.2(a)と(b)に本デバイスの電極の構成とミラー偏
ギーの増大を招く.
我々はねじり梁ヒンジを用いない新規構造の静電型
向のための印加電圧例を示す.ミラーは電極とミラー
二次元ミラーアレイを開発したので報告する.このデ
間の電位差による静電力で傾斜変位する.ミラー電位
バイスは構造がシンプルで,バネ剛性による反発力が
Vmは電極からミラーに静電誘導で誘起され,次のよう
生じないためミラーを小型化しても駆動力すなわち駆
に求めることができる.電極A,電極B,電極C,電極
動電圧が極端に増加しない.さらにヒンジを持たず傾
Dとミラー間の静電容量をそれぞれCa,Cb,Cc,Cdと
斜方向が一軸に制限されないため,傾斜の向きを自在
すると本デバイスの等価回路はFig.2(c)のようになる.
に選択でき二軸の光偏向が可能である.
ミラーは電気的に浮いており各電極から誘導される電
荷の総和は零で,かつ各電極に対する電荷量は
2.技術
2-1
電荷量=静電容量×(電極電位-ミラー電位)
であるので,
デバイス構造
Fig.1は開発した二次元ミラーアレイの概略図である.
(a)はアレイ内の1ピクセルを,(b)は二次元アレイを示
Ca(Va-Vm)+Cb(Vb-Vm)+Cc(Vc-Vm)
+Cd(Vd-Vm)=0
している.電極を示すため,(a)においてはミラーの一
となる.上式より,ミラーのフローティング電位Vmは
部を,(b)においてはアレイ中央の二枚のミラーをそれ
次式で示される.
ぞれ取りさった.ミラーの各コーナー付近にポストお
Vm=(CaVa+CbVb+CcVc+CdVd)/(Ca+Cb+Cc+Cd)
よびストッパが形成され,ミラー下にはピボットが設
各電極のミラーに対向する面積が同じであり,ミラー
けられている.ミラーを支持するねじり梁ヒンジは存
が電極A,電極B側と電極C,電極D側の間で傾斜変位
在せず,ポストとストッパの作る空間でピボットを支
する場合,傾斜変位中の角度に関わらず静電容量の関
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係は
動作シミュレーション
2-3
Ca=Cb,Cc=Cd
K. Jungらの報告5)を基に下記(1),(2),(3)の仮定に
である.
よって,本デバイスの動作をFig.3のような簡単なモデ
Fig.2(a)では,電極A,電極B,電極C,電極Dの電位
ルでシミュレーションを行うことができる.
(1)
はそれぞれ,V,-V,0,0に印加される.
Va=V,Vb=-V,Vc=0,Vd=0であるので,ミラー
ミラーの傾斜による移動距離dは,平行平板ミ
ラーの(3/4)
dから(1/4)
dまでの並進運動距離に
電位Vmは0Vとなる.
等価である.
(2)
このときミラーへの静電力は電極Aと電極Bに発生す
並進移動距離はm個の微小距離(⊿d,d/2=
るが,電極Cと電極Dはミラーと同電位であり静電力が
m⊿d)に分割できる.但し静電力は⊿dの間一
生じない.この静電力でミラーは電極A,B側に傾斜変
定である.
(3)
位する.一方,Fig.2(b)では,電極A,電極B,電極C,
電極Dの電位はそれぞれ,0,0,V,-Vに印加され,ミ
ミラーの質量Mによる運動エネルギーが保存され
る.
ラーの電位は0Vとなる.電極A,電極B側はミラーと同
2-2動作原理の項で述べたように電圧Vがミラーと電
電位で静電力は生じない.電極C,電極Dにはミラーと
静電力が発生し,ミラーは電極C,D側に傾斜変位する.
極間に印加される.
さらに,4電極の電位の組み合わせにより,前述のミ
i番目の微小距離における,静電力(Fi ),加速度
ラー変位と直交する方向への傾斜変位させることも可
(ai),速度(vi),時間(ti)の関係は式(1),(2),
能である.
(3),(4)のように記述される.ε0は真空中の誘電率,
Aは1つの電極の面積を示す.ミラーの応答時間すなわ
Electrostatic force
mirror:~0v
Electrostatic force
mirror:~0
ち傾斜開始から完了までの時間は微小時間tiの総和と
することができる.
A
C
A
C
B
D
B
D
A:V, B:-V, C:0, D:0
1
V2
ε 0 (2 A)
3
i −1
2
d−
∆d
4
m
F
ai = i
M
Fi =
A:0, B:0, C:V, D:-V
 i

2 ∑ Fi ∆d 
 1

M
(b)
(a)
Va
電極A
vi =
Vc
電極C
Ca
Cc
ti =
Vmミラー電位
ミラー
Cb
(2)
(3)
(4)
この計算方法による時間に対するミラー変位の様子
Cd
電極B
Vb
v i − v i −1
ai
(1)
をFig.4で示した.サイズ20μm×20μm×0.3μm厚,
電極D
Vd
傾斜角10°のミラーを30Vで駆動した場合のシミュ
(c)
レーション結果である(以下,ミラーサイズ20μm角
Fig.2 Operation principle.
のものを20μmミラーと称し,他サイズも同様であ
る).
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ミラー移動距離d=20μm×sin10°=3.47μmを並進
5HVSRQVHWLPH˩VHF
動作距離として100の微小距離に分割した.ミラーに用
いるAl合金の密度3200kg/m3から質量をM=3.84×10-13kg,
一つの電極面積A=90μm2,真空中の誘電率ε0=8.855
×10-12F/mとした.ねじり梁ヒンジによる復元力が存
在しないので,傾斜変位の終わりに近づくに従い,曲
線の傾きすなわち速度が増加していることが分かる.
10
9
8
7
6
˩P
˩P
˩P
5
4
3
2
1
0
'ULYLQJYROWDJH9
図 に 示 す よ う に デ バ イ ス の 応 答 時 間 ( Response
Time)は変位開始から終了までの時間とした.
Fig.5
Estimation of response time of the device.
Fig.5はミラーサイズと印加電圧を変えた場合のシ
ミュレーションによる傾斜角10°のミラーの応答時間
2-4
を表している.ミラーサイズは10μm,15μm,20μ
デバイス試作
mで,ピボット高さはそれぞれ0.87μm,1.30μm,
MEMS二次元ミラーアレイでは駆動LSIを製作済みの
1.74μmであり,対応する電極の面積はそれぞれ18μ
基板上に表面マイクロマシン技術によりマイクロメカ
2
2
2
m ,45μm ,90μm である.ヒンジによる反発力や復
ニカル構造を形成する方法がよく用いられる.従って,
元力がないため,応答時間はミラーサイズと駆動電圧
マイクロメカニカルな構造を形成するプロセスはSi半
で決まり,ミラーサイズを小さくすると同じ応答時間
導体CMOSプロセスに整合性がよく,かつ製作済みの
を得る駆動電圧を減少させることができる.
LSIに影響を与えないプロセス温度で形成されることが
必要である.今回の報告では,デバイスの基本的な動
Mirror plate
作評価をする目的でLSI回路は形成せずに,二層メタル
d
配線を形成した後に二段階の犠牲層プロセスにより
θ
MEMSミラーアレイ構造を形成した.Fig.6にプロセス
Virtual
neutral
surface line
Mirror mass M
d
3d/4
d/4
m
フローを示す.
(a)
(Fi,ai,vi,ti)
i:integer
1≦i≦m
上にピボットを作製する.
(b)
Fig.3 Model for mirror motion.
2-1 デバイス構造の項で示した電極としてTiN膜
をスパッタ法で成膜する.
(c)
ピボットを完全に覆うように第一犠牲層のフォト
レジストを塗布し平坦化する.
'LVSODFHP
LVSODFHPHQW
HQW˩P
P
第一メタルのAlSiCu膜が形成されたシリコン基板
(d)
ミラーとなるAl合金をスパッタ法で第一犠牲層の
上に成膜する.
(e)
Response Time
さらに,第二犠牲層であるフォトレジストを塗布
し平坦化する.
(f)
る孔を開け,酸化膜を成膜し,孔を埋める.
7LPH
7L
H˩VHF
VHF
(g)
Fig.4 Numerically calculated displacement vs. time.
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第二犠牲層のミラーのコーナー付近にポストとな
最後に犠牲層を酸素プラズマでアッシング除去す
る.
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metal 1
metal 2
pivot
(a) pivot
(b) electrode
60um
(c) sacrificial layer 1
(d) mirror
(e) sacrificial layer 2
(f) post and stopper
(a) 20μm
30um
(b) 15μm
stopper
(g) sacrificial layer removal
Fig.6 Process flow.
pivot
mirror
electrode
同一基板上に形成した3種類のミラーサイズのデバイ
15um
ス(a)20μmミラー,(b)15μmミラー,(c)10μmミ
(c) 10μm
ラーのSEM像をFig.7に示す.ポストの直径を1.2μm,
ストッパの直径を4μmにした.ピボット高さは0.8μm
3um
であり,10μm,15μm,20μmミラーの傾斜角はそ
れぞれ9.2°,6.1°,4.6°である.各サイズともミ
ラー表面が平坦に得られ,試作プロセスがミラーデバ
イス形成に適していることが分かった.ポストとス
トッパの拡大写真を(d)に示す.ミラーが傾斜変位動作
中にはポストだけでなくストッパにも接することがあ
(d) post and stopper
り,ストッパにより4本のポストが繋がり機械的な強度
Fig.7 The fabricated two-dimensional mirror array
device.
を確保しつつ,ミラーとポストやストッパとの接触面
積が小さくなる構造が得られている.ミラーがポスト
2-5
やストッパに接触するとき発生する機械的な抵抗力は
評価結果及び考察
ミラーの応答特性を悪くするので接触面積を小さくす
ミラーの動作はレーザドップラー振動計(グラフ
る構造が重要であり,本デバイス構造ではそれを実現
テック社製 AT7212)で評価した.測定は環境湿度変
することが出来ている.
動の影響を除くため,2300Paの減圧雰囲気と大気圧の
乾燥窒素雰囲気で行った.Fig.8に15μmミラーと20μ
mミラーを25Vで駆動した場合の傾斜変位の応答特性を
シミュレーション結果と共に示した.減圧雰囲気では
シミュレーションと測定結果が,残留振動成分を除き
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良く合っていることが分かる.窒素雰囲気では傾斜変
ミラーの傾斜動作を妨げているためと考えられる.窒
位が遅くなっており,窒素のような粘性気体を押しつ
素雰囲気でも駆動電圧が大きくなると駆動トルクも増
ぶす時に発生するスクィーズフィルムダンピング
加するため,シミュレーションや減圧雰囲気での応答
6)
(squeeze film damping) がミラーの傾斜動作に影響し
時間と差が少なくなっている.15V未満の駆動電圧で
たためと考えられる.また,傾斜変位後に数μsec間の
はミラーが動作せず,また,40Vを超えての駆動電圧
残留した振動が見られる.減圧雰囲気より窒素雰囲気
では第一メタルと第二メタル間でショートが発生した
で振動が小さいのは雰囲気の粘性抵抗による減衰が大
ため,測定の範囲を15Vから40Vとした.ミラーと接す
きいためと考えられる.但し,この残留振動波形には
る部材との間にファンデアワールス力などに起因する
レーザドップラー振動計の測定周波数の制限に起因す
固着力(stiction force)7), 8)が存在しているために,15V
る電気的に発生した振動波形も含まれており,今後詳
より低電圧での静電力ではミラーを動作させることが
細な解析が必要である.残留振動を含む波形では傾斜
できなかったと思われる.
変位開始から傾斜を完了する変位値に達するまでの時
15㱘m mirror
'LVSDFHPHQWDX
5HVSRQVHWLPH
HVSRQVHWLPH˩VHF
VHF
間を応答時間(Response time)とした.
VLPXODWLRQ
LQGU\1
LQ3D
VLPXODWLRQ
LQGU\1
LQ3D
15㱘m mirror
㪇
㪈
㪉
㪊
㪋
㪌
5HVSRQVHWLPH
HVSRQVHWLPH˩VHF
VHF
20㱘m mirror
'LVSODFHPHQWDX
'ULYHYROWDJH9
Fig.9
VLPXODWLRQ
LQGU\1
LQ3D
VLPXODWLRQ
LQGU\1
LQ3D
20㱘m mirror
㪍
7LPH˩VHF
7LPH
VHF
'ULYHYROWDJH9
Response time against driving voltage.
7LPH˩VHF
7LPH
VHF
Fig.8
Time response of the device.
3.結論
Fig.9に15μmと20μmミラーの駆動電圧に対する応
ねじり梁ヒンジを用いない新構造静電駆動二次元ミ
答時間を示した.応答時間を2300Paの減圧雰囲気と大
ラーアレイの開発を行った.簡単なシミュレーション
気圧の乾燥窒素雰囲気で測定し,シミュレーション結
により,ミラーの応答時間を見積もることができた.
果との比較を行った.15μmミラーと20μmミラーと
二層メタルの表面マイクロマシニングプロセスを用い
もに減圧雰囲気の応答時間はシミュレーションと良く
ミラーデバイスを製作し,応答特性を評価することが
一致しているが,窒素雰囲気の応答時間は遅くなって
できた.15μmミラーと20μmミラーの応答時間は減
いることが分かる.これは前述のような気体の抵抗が
圧雰囲気でシミュレーションと良く一致したが,窒素
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雰囲気では窒素の粘性抵抗により遅くなった.駆動電
圧が15V未満では動作せず,ミラー接触部に固着力が
作用しているものと考えられる.
今後の展開
高密度化のためさらに微細なミラーのプロセス開発
を行う.またLSI制御回路基板上に二次元マイクロミ
ラーアレイを一貫して製作し,個別ミラーの駆動およ
び制御方法を開発する.
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