生産(汚染予防)

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環境保全活動
生産(汚染予防)
リコーグループは、化学物質管理システ
ムを構築し、製品に含まれる化学物質お
リコーグループのPRTR対象物質*1 調査結果一覧
単位:t /年
よび製造工程での化学物質のフローを
*
管理しています。日本のPRTR 法対象物
質だけでなく、
世界各地で規制の対象となっ
ている物質を「使用禁止物質」
「削減対
象物質」
「管理対象物質」に分類し、厳し
い自主基準によって、
それぞれの使用量・
排出量・廃棄量を管理するとともに、使用
量の削減を推進。また、
お客様やOEM先、
市民団体などからの化学物質使用状況
に対する問い合わせに対しても、迅速に
情報提供ができる体制づくりも進めてい
ます。
塩素系有機溶剤による土壌汚染につい
ては、1992年から調査・改善に取り組み、
1999年には環境基準よりも厳しい自主基
準を盛り込んだ「リコーグループ土壌改
善マニュアル」を制定。生産系事業所お
よび研究開発事業所について、調査・改
善を行っています。
* PRTR:Pollutant Release and Transfer Register
(環境汚染物質排出・移動登録制度)
。潜在的に有害な
環境汚染物質の大気・水域・土壌への排出量および製
環境影響度
取扱量
係数*3
物 質 名
移動量
大気への排出量 消費量 除去処理量 (場外持出し廃棄物) リサイクル
酸化亜鉛*2
1
99.8
―
96.9
―
0.8
2.1
塩化亜鉛*2
10
38.2
―
36.3
―
―
1.9
100
12.4
―
11.6
―
0.0
0.7
10
16.4
14.4
0.0
0.2
―
1.8
ジクロロメタン
100
199.7
165.7
2.0
―
0.1
32.0
N,N-ジメチルホルムアミド
100
24.3
1.3
―
―
―
22.9
テトラクロロエチレン
100
4.2
0.3
―
―
―
3.9
*2
酸化銅( )
10
2.4
―
2.4
―
0.0
―
*2
酸化銅( )
1
76.2
―
73.6
―
0.8
1.8
酸化アンチモン*2
キシレン類(混合体)
トルエン
10
1,250.9
291.7
95.4
363.6
1.1
499.2
硫酸ニッケル*2
100
29.5
―
17.5
―
2.9
9.1
硫酸バリウム*2
1
2.4
―
2.2
―
0.1
0.1
4,4-イソプロピリデンジフェノール
1
23.7
―
21.0
―
―
2.7
エチレングリコールモノエチルエーテル
100
7.3
0.6
―
4.6
―
2.2
10
23.3
0.1
21.2
―
―
2.0
セロソルブアセテート
100
6.6
0.4
―
―
6.2
―
1.3-ジクロロ-2-プロパノール
100
9.9
9.9
―
―
―
―
10
135.9
54.7
―
25.9
―
55.3
テトラフルオロメタン
100
1.7
1.2
0.5
―
―
―
ヘキサフルオロエタン
100
2.9
2.0
0.9
―
―
―
鉛はんだ
100
36.8
―
23.3
―
0.9
12.6
グリオキサール
テトラヒドロフラン
※ 取扱量が年間1 t 以上の物質を記載しています。 ー =なしを意味します。
一部の物質で公共用水・下水への排出がありますが、すべて年間 0.1t 未満のため記載していません。
*1 電気電子4団体におけるPRTR 対象物質について調査をしました。用語についても電気電子4団体のガイドライ
ンに従っています。PRTR 法の対象物質とは若干異なります。
*2 金属化合物は金属換算した量で記載しています。
*3 環境影響度係数は毒性、発ガン性、
オゾン層破壊影響などを考慮して、
リコーで設定した値です。
PRTR対象物質の使用量、
および排出量については以下の算出方法に基づいています。
使用量 = Σ
{(取扱量−消費量)× 環境影響度係数 }
排出量 = Σ
{(大気排出量 + 水域排出量 + 土壌排出量)× 環境影響度係数 }
品含有や廃棄物としての移動量を、事業者などが調査し、
第三者機関において集計・公表する制度。アメリカ、
カナ
リコーグループのPRTR 対象物質の使用量・排出量推移
ダ、
イギリス、オランダ、
そして日本を含むOECD加盟国で
使用量
法制化に先立って経済団体連合会が自主的に開始した
50,000
40,000
0
1997年度
1998年度
21,894
10,000
26,136
20,000
排出量の削減に取り組んでいます。
30,638
30,000
29,949
国内外のリコーグループ全社のPRTRデータを報告して
います。さらに1999年度からは、PRTR対象物質の使用・
排出量
41,907
タを集計し、経済団体連合会に報告。1998年度からは、
47,668
PRTR制度に参加し、1997年度の全事業所のPRTRデー
49,929
60,000
55,237
採択され、
日本でもPRTR法が制定されました。リコーでは、
1999年度
2000年度
2001年度目標
(1998年策定)
リコーグループの公害防止関連項目の排出量推移
大 気(NOx、SOx)
水 質(BOD)
( t /年)
100
( t /年)
60
NOx
80
60
50
88
69
67
40
62
40
0
33
1997 1998 1999 2000
年度 年度 年度 年度
38
37
1997
年度
1998
年度
1999
年度
30
SOx
20
53
41
20
30
23
19
1997 1998 1999 2000
年度 年度 年度 年度
10
0
2000
年度
NOx、SOxについては、一部計算方法を見直し、値を修正しました。そのため、2000年版の報告書とは異なった数字になっています。
31
調達
生産
流通
販売
使用
環境保全活動
リサイクル
社会的活動
経済的活動
環 境 会 計
サプライ製品(トナーカートリッジ、感熱紙など)環境安全
化学物質管理システム
(RECSIS*)
法規制マスター
*RECS
I
S:
サプライ製品
環境安全
データベース
化成品原材料
データベース
R
i
cohEnv
i
ronmen
t
a
land
Chemi
ca
lSa
f
e
t
yI
n
f
o
rma
t
i
onSys
t
em
製品環境
情報
官公庁
グリーン購入ネットワーク
大手企業
一般消費者
製品環境情報
機器製品環境安全
化学物質
安全情報
データベース
材料安全性
情報シート
● 環境安全性評価
● 製品材料安全性
情報シート作成
● 法規制適合評価
サプライ開発区
材料・部品
メーカー
販売拠点
Publication
System
材料安全性情報シート
(情報公開システム)
機器材料
安全情報
データベース
製品化学物質
含有量報告
製品エミッション
管理
データベース
機器製品設計区
● 使用部品、素材抽出
● 禁止物質
製品環境安全情報
製品環境
情報
データベース
● エネルギー消費量
● オゾン、粉じん、スチレンなどの排出量
● 騒音 ● 電離放射線
機種別製造時環境負荷
事業所環境安全
取扱物質
管理
データベース
化学物質
取扱事業所
● 購入、使用、廃棄量報告
● 大気水質排出量データ
● 使用エネルギー
機種別製造時
環境負荷管理
データベース
生産事業所
社会環境本部
PRTR(環境汚染物質排出・移動登録制度)報告書企業評価アンケート
● 使用工数
● 生産台数
● 出荷単価など
官公庁
環境経営度評価機関
● PRTR(環境汚染物質排出・
移動登録制度)集計
● 製造環境負荷データ集計
化学物質管理システム
土壌汚染の調査と改善
すべての事業所ともに、周辺地域への問
製品をつくるためには有用であっても、環
リコーグループの国内のすべての生産系
題は発見されていません。2000年度は、迫
境に好ましくない影響を与える物質は数
事業所および研究開発事業所について、
リコーの浄化活動が完了しました。また、重
多く存在します 。これらの物質は使用を
塩素系有機溶剤に関する土壌・地下水調
金 属による汚 染 調 査も開 始しています。
中止したり、回収・廃棄を適切に行うため
査を完了し、結果を自治体に報告していま
海外の生産系事業所についても調査を
にフローを管理する必要があります。
リコー
す。改善が必要な事業所では、
さらに詳細
進めており、状況に応じて詳細調査・浄
グループの化学物質管理システム「REC
な調査を実施し、浄化活動を行っています。
化を行う予定です。
SIS」には、2000種類を超える化学物質に
ついての基本データ、環境有害性、毒性、
土壌・地下水への塩素系有機溶剤の影響に対する取り組み ※すべての事業所ともに周辺地域への問題は発見されておりません。
対象物質の使用履歴
リコー 御殿場事業所
―
現在の状況
―
リコー 福井事業所
―
―
リコー やしろ工場
―
―
リコー 池田事業所
○
汚染なし
リコー 厚木事業所
○
汚染なし
などを網羅しています。また、
リコーグルー
中央研究所
○
汚染なし
応用電子研究所
○
汚染なし
プで購入している部品・材料の化学物質
リコー 秦野事業所
○
浄化完了
リコー 沼津事業所 南プラント
○
浄化完了
含有量や、サプライ製品製造事業所にお
リコー 沼津事業所 北プラント
○
浄化完了
リコー 大森事業所
○
浄化中
リコーユニテクノ
―
―
リコーマイクロエレクトロニクス
○
汚染なし
リコー光学
○
浄化完了
迫リコー
○
浄化完了
東北リコー
○
浄化中
リコーエレメックス 岡崎事業所
○
浄化中
リコーエレメックス 恵那事業所
○
浄化中
リコー計器
○
浄化中
緊急時の処置法など、ISO基準に基づい
た164項目のデータをはじめ、化学物質に
関する各国の法規制の制定・改定情報
ける化学物質の使用・排出・廃棄量のデー
タも管理。これによって、製品および事業
所の汚染予防に関する目標に対して、適
切な改善を進めています。
対象物質の使用履歴欄の記号の意味:○ =ありを意味します。 ー =なしを意味します。
汚染なし:詳細な測定・調査の結果、事業所内外に対して、環境基準を超える汚染はありませんでした。
浄化完了:環境基準を超える汚染は発見されましたが、土壌もしくは地下水の浄化により、現在は基準を超える汚染はなくなりました。
浄 化 中:環境基準を超える汚染が発見され、現在、土壌もしくは地下水の浄化を行っています。ただし周辺地域への問題は発見されておりません。
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