3章 制御端子の詳細 PDF [320KB]

第3章
制御端子の詳細
内容
1. ローサイド・ハイサイド制御電源端子 VCCH,VCCL,COM ………………………
2. ハイサイド駆動電源端子 VB(U,V,W) …………………………………………
3. 内蔵ブートストラップダイオード機能 .……………….....................................
4. 入力端子 IN(HU,HV,HW), IN(LU,LV,LW) …………………………………..
5. 過電流保護検出端子 IS ….………………………………..………………….
6. アラーム出力端子 VFO ……………………………………………………….
7. 温度出力端子 TEMP ………………………………………….………………
8. 過熱保護機能 ………………………………………..…………………………
ページ
3-2
3-6
3-9
3-13
3-16
3-17
3-18
3-20
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3-1
第3章 制御端子の詳細
1. ローサイド・ハイサイド制御電源端子 VCCH,VCCL,COM
1. ローサイド・ハイサイド制御電源端子VCCH, VCCL の電圧範囲
本IPMの制御電源は、通常15Vの直流電源をVCCH, VCCL とCOM端子間に接続してください。適切な動作のた
めには、この電圧は15V ± 10%に調整して下さい。
表3-1は、この電源電圧の変化に対するIPMの動作状態を示しています。制御電源には、インピーダンスが低
い電解コンデンサと周波数特性の良いコンデンサを端子直近に接続して下さい。
制御電源の高調波ノイズにより、本IPMは誤動作及び異常信号を出力する恐れがあります。 これらの問題を
避けるために、制御電源の最大電圧変化は±1V/µs以下にして下さい。
COM端子電位とN(*)*1端子電位は異なる電位となります。全ての制御回路とインバータ回路においてN(*)*1端
子ではなくCOM端子を基準電位にして下さい。回路接続が不適切な場合、シャント抵抗に電流が流れ過電流
保護機能が誤作動する可能性があります。通常、プリント基板のレイアウトにおいてCOM端子をグランド電位
にすることを推奨します。
制御電源はブートストラップ回路にも接続され、上アームIGBTのゲート駆動用のフローティング電源へ供給し
ます。
ハイサイド制御電源電圧(VCCH)がVCCH UV(低入力電圧保護トリップ電圧)を下回ると入力信号が入力された
場合でもUVが機能した上アームIGBTのみオフ状態になります。
ローサイド制御電源電圧(VCCL)がVCCL UV(低入力電圧保護トリップ電圧)を下回ると入力信号が入力された
場合でも下アームIGBTは全相オフ状態になります。
表 3-1 ハイサイド・ローサイド制御電源電圧 VCCH, VCCL範囲の動作状態
電源電圧範囲 [V]
動作
0~4
本IPMは動作しておらず低入力電圧保護 (UV)とアラーム出力は機能しません。
P-N電源のdV/dtノイズにより、IGBTは誤動作する恐れがあります。
4 ~ 13
本IPMは動作し低入力電圧保護(UV)状態になります。入力信号が入力された
場合でもスイッチング動作せず、アラーム出力信号VFOを出力します。
13 ~ 13.5
低入力電圧保護動作はリセットされ、IGBTは入力信号に従いスイッチング動作
します。駆動電圧は推奨電圧より低い為、IGBTの導通損失とスイッチング損失
は通常動作条件より大きくなります。上アームIGBTは、VB(*)*2の初期充電後
VB(ON)に達するまでは、動作しません。
13.5 ~ 16.5
16.5 ~ 20
20 以上
推奨動作条件での通常動作となります。
スイッチング動作します。駆動電圧が推奨電圧より高い為、IGBTのスイッチング
は速くなり、システムのノイズ増加を招きます。また、適切な過電流保護設計を
した場合でも短絡ピーク電流は、非常に大きくなり破壊に至る可能性があります。
本IPMは破壊する恐れがあります。必要に応じてツエナーダイオードを各制御電
源端子に接続することを推奨いたします。
*1 N(*) : N(U), N(V), N(W)
*2 VB(*) : VB(U)-U, VB(V)-V,VB(W)-W
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3-2
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2. ハイサイド・ローサイド制御電源端子VCCH,VCCLの低入力電圧保護機能
図.3-1にハイサイド・ローサイド制御電源(VCCH,VCCL)の低入力電圧保護回路を示します。図.3-2と図3-3に
VCCHとVCCLの低入力電圧保護動作のシーケンスを示します。
図.3-1に示すようにVCCH-COMとVCCL-COM端子間に電気的にダイオードが接続されています。これらのダイ
オードはIPMをサージ入力から保護するために内蔵しており、電圧クランプダイオードとして使用した場合、本
IPMは破壊する恐れがありますので、電圧クランプダイオードとして使用しないでください。
C3 +
C4
VB(U,V,W)
<BSD>
R
D
P
<HVIC>
internal supply
Vcc
VB
VCCH
UV
VCCH
IGBT(H)
in
R
Driver
R HV
level
shift
OUT
U,V,W
GND
Vs
<LVIC>
internal supply
Vcc
VCCL
VCCL
UV
(OH) OC
in
R
Driver
U,V,W
OUT
IGBT(L)
GND
Vcc
C1 + C2
VFO
FO
COM
Alarm
timer
N(U,V,W)
図.3-1 ハイサイド・ローサイド制御電源 VCCH, VCCL の低入力電圧保護回路
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3-3
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入力信号
≤20µs
VCCL 電源電圧
VCCL(ON)
VCCL(ON)
VCCL(OFF)
UV 検出
>20µs
VCCL(ON)
VCCL(OFF)
UV 検出
UV 検出
下アームIGBT
コレクタ電流
VFO 出力電圧
tFO 20µs(min.)
<1>
<2>
<3>
tFO
<4>
<3>
図.3-2 VCCL低入力電圧保護動作シーケンス (ローサイド)
<1> VCCLがVCCL(ON)より低い場合、下アームIGBTは全相オフ状態になります。
VCCLがVCCL(ON)以上に上昇した場合アラーム出力電圧 VFOはLレベルからHレベルにリセットされます。
また、下アームIGBTは次の入力信号からスイッチング動作を開始します。
<2> VCCLがVCCL(OFF)を下回った場合、アラーム出力電圧 VFOが有効になり、下アームIGBTは全相オフ状態にな
ります。
電圧低下期間が20us以下であれば、アラーム出力の最小パルス幅はtFO=20us(min)で、その期間中は入力
信号に関わらず、下アームIGBTは全相オフ状態になります。
<3> tFO経過後、VCCLがVCCL(ON)を上回ったら低入力電圧保護動作(UV)はリセットされ、同時にアラーム出力電圧
VFOもリセットされます。また、下アームIGBTは次の入力信号からスイッチング動作を再開します。
<4> 電圧低下期間がtFOより長ければ、それと同等な時間幅のアラーム出力パルス幅を出力します。その期間中、
下アームIGBTは全相オフ状態になります。
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3-4
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入力信号
≤20µs
VCCH 電源電圧
VCCH(ON)
UV 検出
VCCH(OFF)
>20us
VCCH(ON)
VCCH(ON)
VCCH(OFF)
UV 検出
UV 検出
上アームIGBT
コレクタ電流
VFO 出力電圧 : High-level (no fault output)
<1>
<2> <3>
<2>
<3>
図.3-3 VCCH低入力電圧保護動作シーケンス (ハイサイド)
<1> VCCHがVCCH(ON)より低い場合、上アームIGBTはオフ状態になります。VCCHがVCCH(ON)を上回った場
合、上アームIGBTは次の入力信号からスイッチング動作を開始します。アラーム出力電圧 VFOは、
VCCHに依存せず変わりません。
<2> VCCHがVCCH(OFF)を下回った場合、上アームIGBTはオフ状態になります。ただしアラーム出力電圧
VFOはHレベルから変化しません。
<3> 低入力電圧保護動作(UV)がリセットされた後、上アームIGBTは次の入力信号からスイッチング動作を
開始します。
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3-5
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2. ハイサイド駆動電源端子 VB(U,V,W)
1.ハイサイド駆動電源端子 VB(U,V,W) の電圧範囲
VB(U,V,W)とU,V,W間の電圧VB(*)は、IPM内部のHVICのハイサイド駆動電源となります。この電源を13.0~
18.5V範囲内に設定すれば、HVICは上アームIGBTを駆動することができます。本IPMは、VB(*)の低入力電
圧保護機能を内蔵しており、VB(*)電圧が規定の電圧を下回ると上アームIGBTを駆動することはできません。
この機能により、IGBTの損失が増加することを防いでいます。VB(*)の低入力電圧保護機能(UV)は、機能が
有効となったハイサイド相のみでIGBTをオフ状態とします。この時、アラーム出力はありません。
ブートストラップ回路を使用する場合、ハイサイド・ローサイド制御電源からハイサイド駆動電源を生成すること
ができます。従来の上アームIGBT駆動回路はハイサイド・ローサイド制御電源の他に三つの独立したフロー
ティング電源が必要です。
ハイサイド駆動電源は、下アームIGBTがオン状態もしくはフリーホイール電流が下アームFWDを還流するタ
イミングで充電されます。表 3-2にハイサイド駆動電源電圧の変化による動作状態を示します。高周波ノイズ
による本IPMの誤動作を防止するため、ハイサイド駆動電源には、インピーダンスが低い電解コンデンサと周
波数特性の良い平滑コンデンサを端子直近に接続して下さい。
ハイサイド駆動電源電圧(VB(U)-U,VB(V)-V,VB(W)-W))がVB(OFF) (低入力電圧保護トリップ電圧)を下回り
ますと、入力信号が入力された場合でもUVが機能した上アームIGBTのみオフ状態になります。
表 3-2 各ハイサイド駆動電源電圧 VB(*)範囲の動作状態
ハイサイド駆動電圧範囲 [V]
IPM動作
0~4
本IPMは動作しておらず低入力電圧保護 (UV)動作は機能しません。P-N電源
のdV/dtノイズにより、IGBTは誤動作する恐れが有ります。
4 ~ 12.5
本IPMは動作し低入力電圧保護(UV)状態になります。入力信号が入力された
場合でもスイッチング動作はしません。
12.5 ~ 13
低入力電圧保護動作はリセットされ、上アームIGBTは入力信号に従いスイッ
チング動作をします。ハイサイド駆動電圧は推奨電圧より低い為、IGBTの導
通損失とスイッチング損失は通常動作条件より大きくなります。
13 ~ 18.5
推奨動作条件での通常動作となります。
18.5 ~ 20
上アームIGBTはスイッチング動作します。ハイサイド駆動電圧が推奨電圧より
高い為、IGBTのスイッチング速度は速くなり、システムのノイズ増加を招きま
す。また、適切な過電流保護設計をした場合でも短絡ピーク電流は、非常に大
きくなり破壊に至る可能性があります。
20 以上
本IPMは破壊する恐れがあります。必要に応じてツエナーダイオードを各ハイ
サイド駆動電源端子に接続することを推奨いたします。
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2. ハイサイド駆動電源端子 VB(U,V,W)の低入力電圧保護機能
図.3-4にハイサイド駆動電源の(VB(U)-U,VB(V)-V,VB(W)-W) 低入力電圧保護回路を示します。
図.3-5にVB(U)-U,VB(V)-V,VB(W)-Wの低入力電圧保護動作のシーケンスを示します。
図.3-4に示すようにVB(U,V,W)-(U,V,W)とVB(U,V,W)-COM端子間に電気的にダイオードが接続されていす。
これらのダイオードはIPMをサージ入力から保護するために内蔵しており、電圧クランプダイオードとして使用
した場合、本IPMは破壊する恐れがありますので、電圧クランプダイオードとして使用しないでください。
C3 +
C4
VB(U,V,W)
<BSD>
R
D
P
<HVIC>
VCCH
VB
Vcc
VB
UV
IGBT(H)
in
R
Driver
OUT
U,V,W
GND
Vs
<LVIC>
VCCL
VFO
Vcc
Vcc
FO
C1 + C2
Alarm
timer
VCCL UV
OC
U,V,W
OUT
IGBT(L)
GND
COM
N(U,V,W)
図.3-4 ハイサイド駆動電源VB(*)の低入力電圧保護回路
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第3章 制御端子の詳細
入力信号
≤20µs
VB(*) 電源電圧
VB(ON)
VB(OFF)
UV 検出
>20us
VB(ON)
VB(ON)
VB(OFF)
UV 検出
UV 検出
コレクタ電流t
VFO 出力電圧
<1>
<2> <3>
<2>
<3>
図.3-5 VB(*)*1低入力電圧保護動作のシーケンス(ハイサイド)
<1> VB(*)がVB(ON)より低い場合、上アームIGBTはオフ状態になります。
VB(*)がVB(ON)以上に上回った場合、上アームIGBTは次の入力信号からスイッチング動作を開始し
ます。アラーム出力電圧VFOはVB(*)に依存せず、 Hレベルのまま変化しません。
<2> VB(*)がVB(OFF)を下回った場合、上アームIGBTはオフ状態になります。ただしアラーム出力電圧
VFOはHレベルのまま変化しません。
<3>低入力電圧保護動作(UV)がリセットされた後に上アームIGBTは次の入力信号からスイッチング動作を
再開します。
*1 VB(*) : VB(U)-U,VB(V)-V,VB(W)-W
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3-8
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3. 内蔵ブートストラップダイオード(BSD)機能
VB(*)ハイサイド駆動電源の供給には幾つかの方法があり、ここでは、ブートストラップ回路について説明いた
します。ブートストラップ回路は簡単且つ安く実現できる方法ですが、ブートストラップコンデンサの充電動作条
件からデューティ比とオン時間が制限されます。図.3-6,図.3-8,図.3-11に示す電流経路のように、このブートス
トラップ回路は、内蔵する制限抵抗付きブートストラップダイオードと外付けコンデンサから構成されます。
1.インバータ動作時のブートストラップコンデンサの充放電動作
a) ブートストラップコンデンサ(C)の充電動作タイミング
<シーケンス (図3-7) : 下アームIGBTターンオン(図.3-6)>
C
下アームIGBTがオン状態の時、ブートストラップコンデンサの
充電電圧Vc(t)は、次式のようになります。
VC(t1) = VCC-VF-VCE(sat)-Ib·R …… 過渡状態
…… 定常状態
VC(t1) ≈ VCC
<BSD> VB(U,V,W)
R
D
VF : ブートストラップダイオードの順方向電圧 (D)
VCE(sat) : 下アームIGBTの飽和電圧
R : ブートストラップ抵抗 (R)
Ib : ブートストラップ充電電流
P
<HVIC>
VCCH
Vcc
VB
IGBT(H)
OFF
OUT
下アームIGBTがターンオフするとモータ電流は上アーム
FWDに流れます。Vs電位がVcc以上になった時、Cへの
充電動作は止まり、ハイサイド駆動回路の消費電流により
ブートストラップコンデンサ電圧は徐々に低下します。
Vcc
GND
COM
U,V,W
Vs
N(U,V,W)
ON
IGBT(L)
図.3-6 充電動作回路図
*1 VB(*) : VB(U)-U,VB(V)-V,VB(W)-W
上アームIGBT
ゲート信号
ON
下アームIGBT
ゲート信号
ON
Vb(t1)
ブートストラップ
コンデンサ電圧(Vb)
Vcc
上アームIGBT駆動回路の
消費電流による低下
Cの自然放電
Vs
図.3-7 充電動作のタイミングチャート
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3-9
第3章 制御端子の詳細
<シーケンス (図3-9): 下アームIGBTオフ、下アームFWDオ
ン(フリーホイール動作) (図.3-8) >
C
下アームIGBTがオフ、下アームFWDがオン状態の時、フ
リーホイール電流は下アームFWDを流れます。この時、
ブートストラップコンデンサ電圧Vc(t2)は次式のようになりま
す。
<BSD> VB(U,V,W)
R
D
P
<HVIC>
Vc(t2) = VCC-VF+VF(FWD)-Ib・R…………過渡状態
…………定常状態
Vc(t2) ≈ VCC
VCCH
Vcc
VB
IGBT(H)
OFF
OUT
VF : ブートストラップダイオードの順方向電圧 (D)
VF(FWD) : 下アームFWDの順方向電圧
Vcc
GND
U,V,W
Vs
-
R : ブートストラップ抵抗 (R)
Ib : ブートストラップ充電電流
N(U,V,W) +
COM
OFF
IGBT(L)
下アームと上アームIGBTが両方オフ状態の時、回生電流は、
下アームFWDを流れます。そのためVs電位がFWDの-VF
まで低下し、それによりブートストラップコンデンサは設定電
位に再充電されます。上アームIGBTがターンオンし、 Vs電
図.3-8 下アームFWDがオン状態の充電動作
位がVcc以上になった時、Cへの充電動作は止まり、駆動回
回路図
路の消費電流によりブートストラップコンデンサ電圧は徐々
に低下します。
上アームIGBT
ゲート信号
ON
下アームIGBT
ゲート信号
ON
ON
OFF
(FWD:ON)
(FWD:ON)
(FWD:ON)
Vb(t2)
ブートストラップ
コンデンサ電圧(Vb)
Vs
上アームIGBT駆動回路の
消費電流による低下
図.3-9 下アームFWDがオン状態時の充電動作タイミングチャート
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3-10
第3章 制御端子の詳細
2) ブートストラップコンデンサと最小オン/オフパルス幅の設定
ブートストラップコンデンサは、次式のように求められます。
C = Ib ⋅
t1
dV
* t1 : 上アームIGBTの最大オンパルス幅
* Ib : ハイサイド駆動回路の消費電流(温度と周波数特性に依存)
* dV: 許容放電電圧 (図.3-10をご参照ください)
ブートストラップコンデンサは計算値にマージンを加算して下さい。このコンデンサは一般的に計算結果の2~3
倍の値を選定します。
ブートストラップ動作における下アームIGBTの最小オンパルス幅(t2)の推奨値は、基本的にオン期間に放電
電圧(dV)分、再充電できるC・R時定数となります。
上アームIGBTがスイッチング動作し、下アームFWDオン時に充電するモード(シーケンス(図3-10))では、上
アームIGBTのオフ期間にオン期間で消費した電力を再充電できる時定数とします。
最小パルス幅は、下アームIGBTの最小オンパルス幅もしくは上アームIGBTの最小オフパルス幅のどちらか
短い条件となります。
t2 ≥
R ⋅ C ⋅ dV
Vcc − Vb(min)
* R : ブートストラップダイオードの直列抵抗 ΔRF(BSD)
* C : ブートストラップコンデンサ
* dV: 許容放電電圧
*Vcc : ハイサイド・ローサイド制御電源電圧 (ex.15V)
*Vb(min) : ハイサイド駆動電源の最小電圧 (低入力電圧保護リセット電圧のマージン加算値 ex.14V)
上アームIGBT
ゲート信号
t1
下アームIGBT
ゲート信号
t2
ブートストラップ
コンデンサ電圧(Vb)
Vs
dV
dV
上アームIGBT駆動回路の
消費電流による低下
図.3-10 充放電動作のタイミングチャート
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3-11
第3章 制御端子の詳細
3) ブートストラップコンデンサの初期充電の設定
C
ブートストラップコンデンサの初期充電は、インバータを起動
するために必要となります。
<BSD> VB(U,V,W)
R
D
パルス幅もしくはパルス数はブートストラップコンデンサをフ
ル充電できるように十分長い積算時間として下さい。
P
<HVIC>
参考として、内蔵するブートストラップダイオードで10uFのコ
ンデンサを充電する時間は約2msになります。
VCCH
Vcc
VB
IGBT(H)
OFF
OUT
Vcc
GND
COM
U,V,W
Vs
ON
IGBT(L)
N(U,V,W)
図.3-11 初期充電動作の回路図
主電源電圧
V(P-N)
ハイサイド・ローサイド
制御電源電圧Vcc
PWM
開始
ハイサイド
駆動電源電圧Vb(*)
下アームIGBT
ON
ゲート信号
初期充電期間
図.3-12 初期充電動作タイミングチャート
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3-12
第3章 制御端子の詳細
4. 入力端子 IN(HU,HV,HW), IN(LU,LV,LW)
1. 入力端子接続
図3-13にMPUとIPMの接続例を示します。入力端子は、直接MPUに接続することができます。入力端子には
プルダウン抵抗を内蔵しており、外付けプルダウン抵抗をつける必要はありません。また、入力端子はハイア
クティブ動作であるため、外付けプルアップ抵抗をつける必要もありません。
信号配線が長くノイズが重畳する場合は、図.3-13に点線で示すRCフィルタ回路で除去して下さい。RCの定
数は、PWM制御方式やプリント基板の配線パターンに応じて調整下さい。
IN(HU), IN(HV), IN(HW)
MPU
IN(LU), IN(LV), IN(LW)
COM
図.3-13 IN(HU,HV,HW), IN(LU,LV,LW) 端子とMPU I/Oとの推奨接続回路
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3-13
第3章 制御端子の詳細
2. 入力端子回路
本IPMの入力端子はハイアクティブ動作です。この動作論理により、入力信号は制御電源の立上げ・立下げ
シーケンスにおいて制限が無いため、システムとしてフェイルセーフとなります。また、図.3-14に示すように入
力端子には、プルダウン抵抗を内蔵しているため、外付けプルダウン抵抗を必要とせずシステムの部品点数
を減らせます。更に、入力閾値電圧を低く設定していることにより3.3V電源のMPUに直接接続できます。
MPUとIPMの入力端子間に外付けフィルタ抵抗を接続する際には、図3-14に示す入力端子のプルダウン抵
抗を考慮して、入力端子電圧が入力閾値電圧以上になるようご注意下さい。
図.3-14に示すようにVCCL-IN(HU,HV,HW,LU,LV,LW)とIN(HU,HV,HW,LU,LV,LW)-COM端子間に電気的に
ダイオードが接続されています。これらのダイオードはIPMをサージ入力から保護するために内蔵しており、電
圧クランプダイオードとして使用した場合、本IPMは破壊する恐れがありますので、電圧クランプダイオードとし
て使用しないでください。
VB(U,V,W)
<BSD>
R
D
P
<HVIC>
VB
Vcc
VCCH
IGBT(H)
IN(HU)
IN(HV)
IN(HW)
+
IN
-
Input
Noise
Filter
R HV
level
shift
R
Driver
OUT
U,V,W
Vs
GND
<LVIC>
internal supply
Vcc
VCCL
IN(LU)
IN(LV)
IN(LW)
+
UIN
VIN
WIN
-
Input
Noise
Filter
Delay
R
Driver
U,V,W
OUT
IGBT(L)
GND
COM
N(U,V,W)
図.3-14 入力端子 IN(HU,HV,HW), IN(LU,LV,LW) 回路
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3-14
第3章 制御端子の詳細
3. IGBT駆動状態と入力信号パルス幅
tIN(ON)は、オフ状態から誤動作なくIGBTをオンする為に必要な最小入力オンパルス幅で、tIN(OFF)はオン状態から
誤動作なくIGBTをオフする為に必要な最小入力オフパルス幅です。図.3-15と図.3-16に各制御パルス幅での
IGBT駆動状態を示します。
A : 入力信号のオンパルス幅がtIN(ON)の最小値未満のときでも、IGBTはオンすることがあります。
また、 tIN(ON)の最小値未満でU-COM,V-COM,W-COM端子間に-5Vを下回る電圧が印加された場合、誤
動作によりオフしない可能性があります。
B : 定常動作状態で、IGBTは線形領域動作します。
C : 入力信号のオフパルス幅がtIN(OFF)の最小値未満のときでも、IGBTはオフすることがあります。
また、 tIN(OFF)の最小値未満でU-COM,V-COM,W-COM端子間に-5Vを下回る電圧が印加された場合、誤
動作によりオンしない可能性があります。
D : 定常動作状態で、IGBTは完全にオフします。
保証範囲外
保証範囲
A
B
0
tIN(ON)
最小値
図.3-15 IGBT駆動状態と入力信号のオンパルス幅
保証範囲外
保証範囲
C
0
D
tIN(OFF)
最小値
図.3-16 IGBT駆動状態と入力信号のオフパルス幅
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3-15
第3章 制御端子の詳細
5. 過電流保護検出端子 IS
過電流保護機能(OC)はN(*)*1とCOM端子間に接続される外付けシャント抵抗で発生する電圧を、IS端子で
検出し、アラーム出力及び下アームIGBTをオフ状態にする保護機能です。
図.3-17に過電流検出入力のIS端子回路ブロック、図.3-18に過電流保護動作シーケンスを示します。
通常動作時のスイッチングノイズもしく
はリカバリー電流によるIPMの誤動作
を防ぐ為に、IS端子には外部RCフィル
タ(時定数はおおよそ1.5us)が必要と
なります。また、IPMとシャント抵抗間
の配線は可能な限り短くして下さい。
図.3-17に示すようにVCCL-ISとISCOM端子間に電気的にダイオードが
接続されています。このダイオードは、
IPMをサージ入力から保護するために
内蔵しており、電圧クランプダイオード
として使用した場合、本IPMは破壊す
る恐れがありますので、電圧クランプ
ダイオードとして使用しないでください。
<LVIC>
VCCL
IS
+
Ref
R
Driver
-
COM
N(U,V,W)
VFO
Alarm
timer
VCCL_UV
(OH)
図.3-17 過電流検出 IS端子回路図
*1 N(*) : N(U), N(V), N(W)
Lower side arm
Input signal
td(IS)
VIS(ref)
IS input voltage
OC detected
>tFO(min.)
VFO output voltage
t1
t2
t3
t4
図.3-18 過電流保護動作シーケンス
t1 : IS電圧がVIS(ref)以下のとき、下アームIGBTはスイッチング動作します。
t2 : IS電圧がVIS(ref)を越えたとき、過電流を検出します。
t3 : アラーム出力電圧VFOは、過電流保護遅延時間td(IS)経過後に出力し、同時に下アームIGBTを全相遮断しま
す。td(IS)は過電流検出してからアラーム出力を出すまでのブランキング時間です。
t4 : アラーム出力信号パルス幅tFO経過後、過電流保護状態はリセットされ、次の入力信号からスイッチングを再開
します。
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第3章 制御端子の詳細
6. アラーム出力端子 VFO
図.3-19に示すようにアラーム出力VFO端子はMPUと直接接続することが可能です。VFO端子はオープンドレ
イン出力となりますので、5Vもしくは3.3Vのロジック制御用の直流電源におおよそ10kΩの外付け抵抗でプル
アップして下さい。また、MPUラインにバイパスコンデンサC1と5kΩ以上の突入電流制限抵抗R1を接続するこ
とを推奨いたします。これらの信号ラインは、可能な限り最短距離で配線して下さい。
アラーム出力VFOは、VCCLの低入力電圧保護(UV), 過電流保護(OC), 過熱保護(OH)に対してアラーム出力
します。(過熱保護は、 ”6MBP15VSH060-50”, ”6MBP20VSC060-50”, ”6MBP30VSC060-50” に内蔵しま
す)
図.3-19に示すようにVCCL-VFOとVFO-COM端子間に電気的にダイオードが接続されています。このダイオー
ドは、IPMをサージ入力から保護するために内蔵しており、電圧クランプダイオードとして使用した場合、本IPM
は破壊する恐れがありますので、電圧クランプダイオードとして使用しないでください。
図.3-20にアラーム出力時のVFO端子の電圧-電流特性を示します。IFOは図.3-19に示すVFO端子のシンク
電流となります。
+5V
<LVIC>
internal supply
VCCL
Vcc
10kΩ
R1
IFO
VFO
MPU
FO
C1
Alarm
timer
COM
VCCL_UV
OC
(OH)
GND
図.3-19 VFO端子とMPU I/Oとの推奨接続回路
0.16
0.14
0.12
VFO[V]
0.10
0.08
0.06
0.04
10kΩ resistance to 5V pull-up
0.02
0.00
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
IFO[mA]
図.3-20 アラーム出力状態のVFO端子のVI特性
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7. 温度出力端子 TEMP
図3-21に示すように、温度出力TEMP端子はMPUに直接接続することが可能です。
ただし、MPUラインにバイパスコンデンサと10kΩ以上の突入電流制限抵抗を接続することを推奨いたします。
これらの信号ラインは、可能な限り最短距離で配線して下さい。
本IPMは温度センサを内蔵しており、LVICのジャンクション温度に従ってアナログ電圧を出力します。
この機能は、IPM自身を保護する目的ではないため、アラーム出力はありません。
ただし、 “6MBP15VSH060-50”, “6MBP20VSC060-50”, “6MBP30VSC060-50”は過熱保護も内蔵している
ため、TOHを超える温度で、過熱保護機能によりアラーム出力します。
図.3-21に示すようにTEMP-COM端子間に電気的にダイオードが接続されています。このダイオードは、IPMを
サージ入力から保護するために内蔵しており、電圧クランプダイオードとして使用した場合、本IPMは破壊する
恐れがありますので、電圧クランプダイオードとして使用しないで下さい。
図.3-22にLVICのジャンクション温度とTEMP端子出力電圧特性を示します。MPU電源電圧が3.3Vの場合は、
TEMP端子に電圧クランプ用ツェナーダイオードを接続して下さい。また、室温以下で出力電圧はクランプ特性
を示しますので、線形性が必要な場合は、TEMP端子に10kΩのプルダウン抵抗を接続して下さい。
図.3-23に電源立上げと立下げ時のTEMP端子の動作シーケンスを示します。
<LVIC>
VDD internal
power supply
TEMP
+
Ref
Temperature
signal
MPU
COM
Output voltage of temperature sensor: V(temp) [V]
図.3-21 TEMP端子とMPU I/Oとの推奨接続回路
5
Temperature sensor Characteristics
V(temp)=f(Tj);VCCL=VCCH=VB(*)=15V
4
max
3
typ
min
2
1
0
-40 -25
0
25
50
75
100
125
150
Junction Temperature of LVIC:Tj(LVIC) [°c]
図.3-22 LVIC温度とTEMP出力電圧特性
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VCCL上昇時
VCCL下降時
VCCL(ON)
VCCL 電圧
VCCL(OFF)
VFO
端子電圧
TEMP
端子電圧
t1
t2
t3 t4
図.3-23 IPM起動と停止時のTEMP端子の動作シーケンス
t1-t2 : TEMP端子の温度出力機能は、VCCLがVCCL(ON)以上のとき、有効になります。 VCCLがVCCL(ON) 未満の
場合、TEMP端子電圧は、クランプ特性となります。
t2-t3 : TEMP端子電圧は、LVICのジャンクション温度上昇に従って上昇します。
クランプ動作となる温度条件では、 VCCLがVCCL(ON)以上の場合でもクランプ特性となります。
t3-t4 : TEMP端子の温度出力機能は、VCCLがVCCL(OFF)以下のとき、リセットされ、TEMP端子電圧はクランプ
特性なります。
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8. 過熱保護機能
過熱保護機能は、 “6MBP15VSH060-50”, “6MBP20VSC060-50”, “6MBP30VSC060-50”に内蔵します。
本IPMは、LVICのジャンクション温度をモニターして過熱保護動作をします。
TOHセンサの位置を図.2-2に示します。
図.3-24に示すようにLVICのジャンクション温度がTOHを上回った場合、IPM の下アームIGBTは全相オフしま
す。 LVICのジャンクション温度が TOH – TOH(hys) 未満になった場合、過熱保護状態はリセットされます。
図.3-24 過熱保護機能シーケンス
t1 : LVICのジャンクション温度が過熱保護(OH)温度(TOH)を上回った場合、過熱保護状態になりアラーム出力
し、下アームIGBTは全相遮断します。
t2 : LVICのジャンクション温度がTOH-TOH(hys)を下回り且つtFO経過後に過熱保護状態及びアラーム出力はリ
セットされ、次の入力信号から下アームIGBTはスイッチング動作を再開します。TOH(hys)は、過熱保護の
ヒステリシス温度となります。
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