蓄積時間可変機能付CMOSリニアイメージセンサ/技術資料

技術資料
蓄積時間可変機能付/電流出力タイプ
CMOSリニアイメージセンサ
S10121∼S10124シリーズ
[図1] ブロック図
特長
1
(a) NMOSリニアイメージセンサ (S390Xシリーズ)
従来の電流出力タイプNMOSリニアイメージセンサの場
スタートパルス
合、
いったん読み出しを行うと、内蔵のシフトレジスタが、1
クロックパルス
MOS シフトレジスタ
画素目から最終画素までの読み出しスイッチをスキャンし
ビデオライン
て、すべての画素を読み出すため、全画素で蓄積時間が
スイッチ
同じになります。
フォトダイオード
蓄積時間可変機能付/電流出力タイプCMOSリニアイ
メージセンサの場合、
シフトレジスタの出力を読み出し制御
回路で制御することで、任意の画素のみを読み出すこと
1
2
.....
3
n
KMPDC0057JA
ができ、
画素ごとに適した蓄積時間を設定することが可能
(b) CMOSリニアイメージセンサ (S10121∼S10124シリーズ)
となります。
CMOSリニアイメージセンサを分光器などに用いる場
スタートパルス
合、波長ごとに分光された光が各画素に入射します。
この
クロックパルス
MOS シフトレジスタ
とき、画素ごとで入射光量が異なります。蓄積時間可変機
能を用いることによって、入射光量の少ない画素では長い
読み出し制御回路
制御パルス
蓄積時間に設定し、入射光量の多い画素では短い蓄積
時間に設定することにより、広い波長範囲でも高S/Nで測
ビデオライン
定することができます。
スイッチ
フォトダイオード
1
2
.....
3
n
KMPDC0487JA
[表1] NMOSリニアイメージセンサとCMOSリニアイメージセンサの比較
NMOSリニアイメージセンサ
(S3901∼S3904シリーズ)
品名
特長
高い紫外感度
紫外域におけるなめらかな
分光感度特性
優れた出力直線性
高い紫外感度
優れた出力直線性
低消費電力
用途
型名
分光分析
S3901
S3902
低消費電力
画素ごとに蓄積時間を変更可能
大飽和電荷量
分光分析
S3903
S3904
S10121
S10122
S10123
S10124
画素数
128, 256, 512
256, 512, 1024
128, 256, 512
256, 512, 1024
画素ピッチ [µm]
50
25
50
25
画素高さ [mm]
2.5
0.5
0.5
2.5
2.5
0.5
0.5
2.5
飽和電荷量 [pC]
50
10
5
25
140
28
14
70
3.25
7.25
18.25
1.75
3.75
8.25
最大感度波長 [nm]
Vdd-Vss間の
消費電力 [mW]*1
1
CMOSリニアイメージセンサ
(S10121∼S10124シリーズ)
*1:
600
-
-
750
-
-
f(CLK)=250 kHz (S10121/S10124シリーズ), 500 kHz (S10122/S10123シリーズ)
0.75
1.75
4.25
1.5
3.5
8.25
(b) 等価回路
[図2] 分光感度特性 (代表例)
(a) 200∼1200 nm
st 1
D Q
D Q
D Q
D Q
C Q
C Q
C Q
C Q
(Ta=25 °C)
0.4
CMOSリニア
イメージセンサ
S10111∼
S10114シリーズ
CMOSリニアイメージセンサ
S10121∼S10124シリーズ
読み出し制御回路付
シフトレジスタ
int 2
受光感度 (A/W)
0.3
NMOSリニア
イメージセンサ
S3901∼
S3904シリーズ
0.2
12 EOS
clk 22
9 Active
Video
読み出しスイッチ
Vdd 4,7
GND 5,6,11
フォトダイオード
1 ch
2 ch
最終ch
アンチブルーミング
機能用スイッチ
0.1
Vofg 3
10 Dummy
Video
Vofd 8
0
200
400
600
800
1000
1200
KMPDC0489JA
波長 (nm)
KMPDB0401JB
(b) 紫外域
2
(Ta=25 °C)
0.1
各部の説明
(1) フォトダイオード (受光部)
0.08
S10121∼S10124シリーズ
受光感度 (A/W)
受光部は、P型シリコン基板とその上に形成されたN型
拡散層から成るPN接合フォトダイオードから成り、光信号
0.06
を電気信号に変える光電変換機能と、得られた信号電荷
従来品
S10111∼S10114シリーズ
0.04
を一時蓄積する機能を備えています。
Vssはフォトダイオー
ドのアノードに接続されています。
フォトダイオードは紫外
0.02
感度が高く、暗電流が小さくなるように設計されています。
0
200
図4に構造図を示します。Aはフォトダイオードの画素ピッ
220
240
260
280
チ、Bはフォトダイオードの拡散層の幅、Cはフォトダイオー
300
ドの高さを示します。
波長 (nm)
KMPDB0411JB
[図4] 受光部の構造図
[図3] デバイス構造
Dummy
Video
9 Active
Video
10
Vofg 3
ビデオライン
8 Vofd
Vdd 4
読み出しスイッチ
7 Vdd
GND 5
ダミー
フォト
ダイオード
フォトダイオードアレイ
ダミー
フォト
ダイオード
6 GND
アンチブルーミング機能用SW
B
A
1.0 µm
読み出し制御回路付
シフトレジスタ
int 2
11 GND
酸化Si
N型Si
KMPDC0488JA
1.0 µm
st 1
EOS
12
400 µm
clk
22
C
(a) ブロック図
P型Si
A
B
C
2.5 mm
S10121シリーズ
50 µm 45 µm
0.5 mm
S10122シリーズ
0.5 mm
S10123シリーズ
25 µm 20 µm
2.5 mm
S10124シリーズ
KMPDA0124JC
2
(2) 読み出しスイッチ
読み出しスイッチは、
フォトダイオードのカソードをソー
[図5] 読み出し制御機能付シフトレジスタの回路
1 ch
Q1
D Q
ST
ス、
ビデオラインをドレイン、
アドレスパルス入力部をゲート
とするNチャンネルMOSトランジスタから成るアドレススイッ
チアレイにより構成されています。
フォトダイオードはアドレ
C Q
2 ch
Q2
D Q
Q1
C Q
Q2
最終ch
Qn
D Q
C Q
D Q D型フリップ
フロップ
Qn
C Q
Qn+1
INT
ススイッチを介してアクティブビデオラインに接続されてい
NORゲート
S1
ます。
シフトレジスタからのアドレスパルスにより、
このアド
S2
Sn
アドレススイッチへ
レススイッチがオンし、
ビデオラインに出力信号が出力され
ます。
読み出しスイッチのオン抵抗は約500 Ωです。
(3) アンチブルーミング機能用スイッチ
EOS
CLK
KMPDC0490JA
INT信号とD型フリップフロップ出力は、NORゲートに入
力されます。連続した画素を読み出す場合、図6のグレー
アンチブルーミング機能用スイッチはフォトダイオードの
部分で隣合った画素のシフトレジスタ出力が、
同時にオン
カソードをソース、
オーバーフローゲートをゲート、
オーバーフ
することを避け、確実に1画素のみオンするように、INT信
ロードレインをドレインとするNチャンネルMOSトランジスタか
号にHigh期間を設ける必要があります。
INT信号はCLKの
ら成るスイッチで構成されています。
立ち下がり信号の前後の期間に対し、
それぞれ30 ns以上
飽和露光量以上の光量が特定のフォトダイオードに入
射すると、飽和電荷量以上の信号電荷はそのフォトダイ
のHigh期間が必要になります。
ただし、
EOSとST信号の次
の立ち上がりの間では、
Highの期間は必要ありません。
オードに蓄積できず、
あふれ出した余剰信号電荷は隣接
フォトダイオードやビデオラインに拡散し、信号の純度が
タイミングチャート
3
劣化するブルーミング現象が起こります。
S10121∼S10124シリーズでは、
ビデオラインへの通常の
図6にシフトレジスタ部のタイミングチャートを示します。
信号出力経路とは別に各フォトダイオードにもう1つのアンチ
STがHighの期間にCLKを1度だけHighからLowに立ち下
ブルーミング機能用スイッチを付け、余剰電荷をそのスイッ
げます。
これにより、
シフトレジスタを構成するD型フリップフ
チから逃がす構造を採用しています。
(4) 読み出し制御機能付シフトレジスタ
ロップが動作を開始します。
[図6] シフトレジスタの動作
読み出し制御機能付シフトレジスタは、
チャンネル数 +1
個分のD型フリップフロップとNORゲートから構成されてい
ます [図5]。
シフトレジスタを構成するすべてのチャンネルのD型フ
リップフロップのC端子にCLK信号が入力され (①)、
ST信
号は1 ch目のD型フリップフロップのD端子に入力されます
(②)。
D型フリップフロップ回路はCLKの立ち下がりのエッ
ジでD端子の入力値がQ端子の出力として保持されます。
1 ch目のQ端子が2 ch目のD端子と接続されており (③)、
そ
T1 T2
T3
D
F
F
出
力
信
号
Q1
Q2
Q3
Q4
N
O
R
出
力
信
号
S1
S2
S3
S4
れが最終チャンネルまで順番に接続されています。
ST信号
アドレススイッチON
アドレススイッチON
Active Video
アドレススイッチON
アドレススイッチOFF
2 ch
3 ch
4 ch
1 ch
読み出される
とCLK信号を外部から入力することで、
D型フリップフロップ
回路が動作し、
1 ch目から順番に信号が出力されます。
す (④)。INT信号を制御することで、各チャンネルのアドレ
ススイッチのオン/オフを制御することができます。
全画素の読み出しが終わると、最終画素の次のタイミン
グでEOS (エンドオブスキャン)パルスが出力されます。
読み出されない
QX: X ch目のQ端子出力
SX: X ch目のNORゲート出力
さらに、読み出し制御を行うため、Q端子の反転信号と
INT信号がNORゲートの2入力端子にそれぞれ入力されま
T4
入 CLK
力 ST
信
号 INT
KMPDC0491JA
・T1
読出し制御機能付き
シフトレジスタ
CLKがLowレベルになりQ1がLowレベルになります。INT
信号がHighレベルのため、
S1はLowレベルのままです。
読出しスイッチ
・T2
フォトダイオード
Q1がLowレベルのときにINT信号がLowレベルになると
S1がHighレベルとなり、
1 ch目のシフトレジスタの読み出し
スイッチがオンになります。
アンチブルーミング
機能用スイッチ
・T3
Q1はLowレベルですが、INT信号がHighレベルになると
3
S1がLowレベルとなり、1 ch目のシフトレジスタの読み出し
スイッチがオフになります。
[図8] タイミングチャート (蓄積時間可変機能)
CLK
・T4
1 サイクル
ST
Q4はLowレベルですが、INT信号がHighレベルであると
S4はLowレベルのままであり、4 ch目のシフトレジスタの読
読み出し
タイミング
1 2 3 4
1 2 3 4
1 2 3 4
1 2 3 4
1 2 3 4
INT
1 ch蓄積時間
み出しスイッチがオフのままになります。
2 ch蓄積時間
3 ch蓄積時間
[図7] タイミングチャート
4 ch蓄積時間
CLK
出力
tpi(ST), 蓄積時間
無効データ
ST
有効データ
KMPDC0233JD
INT
Active Video
(有効期間)
最終画素
1st 2nd 3rd 4th
1st 2nd 3rd 4th
EOS
拡大図
tf(CLK)
5
動作原理
tr(CLK)
CLK
図9にフォトダイオードと読み出しスイッチの1画素の構
1/f(CLK)
tr(ST)
成を、
図10にその等価回路を示します。
以下に具体的な読
tf(ST)
み出し動作について説明します。
ST
t(ST-CLK)
t(CLK-ST)
t(INT-CLK)
t(CLK-INT) 画素を読み出さない場合は
INTをHighにする
INT
tr(INT)
Active Video (有効期間)
項目
S1012*-128
S1012*-256
スタートパルス (ST)周期
S1012*-512
S1012*-1024
INTパルス上昇/下降時間
INTパルス−クロックパルスタイミング
クロックパルス−INTパルスタイミング
スタートパルス上昇/下降時間
クロックパルスデューティ比
クロックパルス上昇/下降時間
クロックパルス−スタートパルスタイミング
スタートパルス−クロックパルスタイミング
1st
3rd
tr(INT), tf(INT)
t(INT-CLK)
t(CLK-INT)
tf(ST), tr(ST)
tf(CLK), tr(CLK)
t(CLK-ST)
T(ST-CLK)
Min.
130/f(CLK)
258/f(CLK)
514/f(CLK)
1026/f(CLK)
0
30
30
0
40
0
20
20
記号
tpi(ST)
域から成るPN接合フォトダイオードです。
読み出しスイッチ
はフォトダイオードのカソードをソース、
ビデオライン側をド
tf(INT)
2nd
フォトダイオードは、
P型Si基板上に形成したN型拡散領
4th
Typ.
20
20
50
20
-
レイン、
シフトレジスタからのアドレスパルス入力部をゲート
5th
Max.
単位
s
30
ns
1 / [2 × f(CLK)] ns
1 / [2 × f(CLK)] ns
ns
30
%
60
ns
30
ns
ns
-
とするNチャンネルMOSトランジスタで構成されています。
フォトダイオードのアノード (Si基板)はGND、
ビデオライン
は正電位 Vbにバイアスされています。
シフトレジスタからアドレスパルスが読み出しスイッチの
ゲートに入り、
スイッチがオンします。
その結果、
フォトダイ
オードのカソードはビデオラインと同電位になり、
フォトダイ
オードは逆バイアス状態に初期化されます。
このときフォト
ダイオード接合容量 CjにはQj = Cj × Vbとなる電荷が電
KMPDC0249JE
源から充電されます。
スイッチがオフして蓄積が始まると、
4
蓄積時間可変機能
充電電荷は光入射で生成された電荷によって放電し、
カ
ソード電位はGND電位に近づいていきます。
この放電電
荷量は入射光量に比例して増加しますが、
その最大量は
INT端子のCLKの制御によって、蓄積時間を画素ごと
初期に充電された電荷量で、
これが飽和電荷量となりま
に
「読み出し1周期の整数倍」
に変えることができます。特
す。再びアドレスパルスにより読み出しスイッチがオンする
定画素の読み出しタイミングにおいて、INT端子のCLKを
と、蓄積時間中の放電電荷に相当する電荷が負荷抵抗
Highにすると、
その画素の信号は出力されません [図8]。
フォトダイオードは再び初
R Lを通じて電源から充電され、
指定画素から信号が出力されない場合、蓄積は継続する
期化されます。
このとき負荷抵抗 R Lの両端には充電電流
ことになります。
この機能によって、
たとえば読み出し1周期
による電位差が生じ、
出力電圧として検出されます。
この出
の蓄積時間が100 msの場合、3周期に1回だけ信号が出
力はビデオラインバイアス電圧 Vbを基準とした負極性の
力されるように設定した画素の蓄積時間は300 msになりま
微分波形です。
この信号読み出し方式を電流−電圧変換
す。特定の画素の蓄積時間を長くすることによって、分光
方式と呼び、
その動作の概略図を図11に示します。
された微弱な波長成分の信号を効率的に検出することが
できます。
蓄積時間可変機能についてのタイミングチャートを図8
に示します。
ここでは、1画素目の蓄積時間 (スタートパルス
の1周期)を基準として、2画素・3画素・4画素目の蓄積時間
をそれぞれ2倍・3倍・4倍に設定した場合の例を表していま
す。図8のようにINTパルスを入力することで、蓄積時間を画
素ごとに変更することが可能となります。
4
[図9] 読み出し部の構造
外部電流積分方式の駆動回路例
6
シフトレジスタからの
アドレスパルス
ビデオライン
出力信号
hυ
フォトダイオード
デオ信号処理部、電圧レギュレータ部などから構成され
たものを用意する必要があります。
タイミング信号発生部
スイッチ
N
駆動回路として、図12のようなタイミング信号発生部、
ビ
負荷抵抗 RL
N
P
では、
センサ、信号処理部などへ必要なパルスを発生しま
す。
ビデオ信号処理部では、
センサからのビデオ信号を電
印加電圧 V
流積分・増幅・直流再生をして出力します。
電圧レギュレー
タ部では、
Vofd (=Vb)、
Vofgを発生します。
外部から駆動回路へ、
デジタル電源電圧、
アナログ電源
KMPDC0061JA
力します。一方、駆動回路から外部へは、
データビデオ出
[図10] 電流−電圧変換方式の等価回路
シフトレジスタからの
アドレスパルス
電圧、
マスタークロックパルス、
マスタースタートパルスを入
力、
トリガパルス、
EOSパルスが出力されます。
ビデオライン
出力信号
スイッチ
タイミング信号発生部は、PLD (プログラマブル・ロジッ
ク・デバイス)で構成されており、
センサのシフトレジスタ動
負荷抵抗 RL
作のためにクロックパルス、
スタートパルスを、
出力信号処
フォトダイオード
理のために電流積分回路へのリセット信号、直流再生回
印加電圧 V
路へのクランプ信号をそれぞれ発生します。
また、外部で
のサンプルホールドのためのトリガ出力信号も併せて発
生し、バッファを介して外部に出力されます。
これらの信号
KMPDC0062JA
[図11] 電流−電圧変換方式の動作の概略
は外部からのマスタークロックパルスに同期し、
マスタース
タートパルスによって初期化されます。
ビデオ信号処理部は、初段アンプ・次段アンプ・クランプ
シフトレジスタからの
アドレスパルス
回路・最終段アンプの4つの部分から構成されています。
ま
ずセンサのビデオ出力電流は、初段アンプで積分されます。
+V
初段アンプの非反転入力端子には、
ビデオバイアス電圧
フォトダイオードの
電位
Vb (=Vofd)が掛かっています。積分容量には、
リセットスイッ
GND
チが並列に接続され、各画素を読み出すごとにリセット信
号がスイッチに入り、積分容量をリセットします。
またクロック
低出力時
パルスに同期したスイッチングノイズのキャンセルも行いま
す。初段アンプの出力はビデオバイアス 2 Vを基準とした正
高出力時
極性のボックスカー波形で、
出力電圧 V (単位: V)は出力電
出力電圧 +V
荷量をQ (単位: pC)とすると、式 (1)で表されます。
時間
V = Q/Cf ……(1)
KMPDC0063JA
[図12] 外部駆動回路例
実際には、前に述べた光電流の他にも、空乏層内の再
タイミング信号発生部
ビデオ信号処理部
結合電流や表面リーク電流によって、
充電電荷は徐々に放
電していきます。
この光照射に関係のない電流を暗電流、
MCLK
PLD
ST
INT
センサ
その出力を暗出力と呼びます。
Reset
CLK
MST
Cf
Active
Video
Amp
+
-
Buffer
Data
Video
C-V
Clamp
EOS
Trigger
Vofg
0.2 V
Vofd
Vb
2V
電圧レギュレータ部
KMPDC0492JA
5
次段アンプでは、非反転増幅を行います。
その後、容量
とスイッチから成るクランプ回路でCDS (Correlated Double
Sampling: 相関2重サンプリング)を行います。積分容量リ
セット直後のある期間 (クランプ期間)、
クランプスイッチを
オンし、
クランプ回路部の出力電位を強制的にグランドに
固定することで、
積分容量リセットスイッチで発生するリセッ
トノイズを除去します。最終段アンプは非反転増幅器で、
信号はデータビデオ信号として出力されます。
電圧レギュレータ部で発生する電圧は、VofgとVofdの2
種類があります。VofgはMOSトランジスタのゲートに印加さ
れるため、OFG端子にはほとんど電流が流れません。OFD
端子には過飽和の状態に応じた電流が流れ、最大で数十
7
Q&A
CMOSリニアイメージセンサ S10121∼S10124
シリーズとNMOSリニアイメージセンサ S3901∼
S3904シリーズの違いは何ですか?
表1の比較表を参照してください。
S10121∼S10124シ
リーズは、大飽和電荷量と蓄積時間可変機能を特長と
しています。
また、紫外域において、
なめらかな分光感
度特性を実現しています [図2 (b)]。
ダミービデオ端子は、
どのようにして用いますか?
ダミービデオ端子からは、
スイッチングノイズ成分のみ
mA程度流れる場合があります。過飽和で使用する場合は、
が出力されます。
ダミービデオ端子は、電流−電圧変換
Vofdには駆動能力を上げて電流を流せるようにします。
方式の場合に使用しますが、
この方式では精度よく読
み出すことが難しいため、
推奨していません。
なお、
電流
[図13] 外部駆動回路のタイミングチャート例
−積分方式の読み出し回路を用いる場合には、
ダミービ
MST
MCLK
ST
CLK
INT
Reset
Clamp
Trigger
Data Video
EOS
デオ端子は使用しません。
電気的特性の条件欄に記載されたVbとは、
どの電圧
のことですか?
Vbは電流積分読み出し方式を行う場合のビデオバ
KMPDC0386JB
イアス電圧で、
イメージセンサにはVb用の端子はありま
せん。図12に積分回路の接続例とVbを示していますの
駆動回路を作成する際の注意点
で、参照してください。Vbは積分アンプの非反転入力端
・アナログ回路部とデジタル回路部のグランドを分離してく
ださい。
子の電圧で、
フォトダイオードのリセット電圧となります。
VbとVofdは、同じ電圧で動作させる必要がありますか。
・ビデオ出力端子からアンプ入力端子までを最短で配線
してください。
通常は、
VbとVofdを同じ電圧にして動作させてくださ
い。Vofdは、
オーバーフロードレイン用MOSトランジスタ
・アナログ/デジタル信号の交差・並走をできるだけ避け
て配線してください。
のドレイン部に接続されています。
図3 (b)に等価回路を
示しています。
過飽和時には、
Vofdからフォトダイオード
・電圧変動の小さいシリーズ電源を使用してください。
なお、CMOSリニアイメージセンサ S10121∼S10124シ
に電流が流れます。
たとえば10万lxといった非常に強い
光が照射された場合は、
数十mAの電流が流れるため、
リーズ用駆動回路として、C10808シリーズを用意していま
オペアンプをバッファ用に接続した回路を推奨します。
す。C10808シリーズの詳細については、
データシートを参
ビデオバイアス電圧 Vbの最適電圧を教えてください。
照してください。
ビデオバイアス電圧と飽和電荷量の測定例を図15
に示します。
ビデオバイアス電圧は、
0.5 V∼2.5 Vで2 V
[図14] C10808シリーズのブロック図
typ.です。
C10808シリーズ
ST
CLK
INT
タイミング信号発生部
EOS
ビデオ信号処理部
バッファ
PLD
バッファ
MStart, MCLK
EOS, Trigger
D.GND
Reset
ビデオ
Amp
センサ
C-V
+2 V +12 V -12 V
Buf
Data Video
Clamp
+3.3 V, +5 V
A.GND
+15 V
-15 V
電圧レギュレータ
KACCC0558JA
6
[図15] ビデオバイアス電圧−飽和電荷量 (代表例)
200 nm以下の波長の光に対して感度はありますか?
その際の使用上の注意はありますか?
(a) S10121-512Q
(Ta=25 °C, 駆動回路 C10808-01)
250
すが、
保証外のためお客様の責任で使用してください。
EOSパルスには、
どのような機能がありますか?
200
飽和電荷量 (pC)
200 nm以下の波長の光に対して多少の感度はありま
EOSパルスを確認することで、
シフトレジスタがすべ
150
ての段において正常に動作しているかどうかを判断す
ることができます。
100
電流積分方式の読み出し回路を用いる際、Cfの値は
どのように設定すればよいですか。
50
飽和出力電荷量 Qsatと使用するアンプの出力電圧な
0
0
1
2
3
どを考慮して設定してください。
たとえば、S10121シリー
ズの場合では、
飽和出力電荷量 Qsatが140 pCであり、
ビデオバイアス電圧 (V)
KMPDB0402JA
オペアンプの出力電圧がビデオバイアス電圧に対して5
Vの振幅が取れる場合は、
Cf=Qsat/V=140 pC/5 V=28
(b) S10124-1024Q
pFと算出され、
Cf=28 pFとなります。
(Ta=25 °C, 駆動回路 C10808-01)
120
電流積分方式の読み出し回路を作製する際の注意点
を教えてください。
100
飽和電荷量 (pC)
電流積分方式の読み出し回路として、ICを選定する際
80
は、以下の点に留意してください。
① 初段アンプ: 初段アンプには、低ノイズで入力バイア
60
ス電流の少ないものを、切り替えスピードを考慮して
40
選んでください。
② 2段/3段アンプ: 負荷容量に強いアンプを選んでく
20
ださい。
0
0
1
2
3
はアナログスイッチを使用します。
なるべくオン抵抗が
ビデオバイアス電圧 (V)
KMPDB0403JA
オーバーフローゲート電圧 Vofgは、
0.2 Vにする必
要がありますか? 0 Vでは問題がありますか?また、
抵抗分割で印加してもよいですか?
Vofgのバラツキにより、飽和電荷量の値が影響を受
小さく、
リセットノイズとチャージインジェクションの小さ
いものを選んでください。
また、信号の電圧範囲を考
慮する必要があります。
石英窓以外の窓材や窓なしへの対応は可能ですか?
窓なしへの対応は可能です。営業所にご相談ください。
けます。Vofgが大きくなるほど、飽和電荷量は小さくなり
石英窓以外の窓材の対応についても、
ご相談ください。
ます。Vofgは、
センサ内ではアンチブルーミング用MOS
蓄積時間可変機能を用いずに、
すべての画素を読み
トランジスタのゲート部に接続されているため、High入
出す場合は、
INTパルスはLow電圧に保持したままで
力インピーダンスとなっており、
ほとんど電流は流れませ
問題ありませんか?
ん。
したがって、Vofgについては抵抗分割で印加しても
シフトレジスタから発生される内部パルス Qは、
CLKの
問題ありません。
また、
Vofgを0 Vにして使用すると、
タイ
立ち下がり時 [図6 グレー部分]に立ち下がり・立ち上が
ムラグ (信号の読み残し)の増加、
飽和出力付近での画
りが重なっており、INTパルスを常時Low電圧とした場
素間感度均一性の悪化などの問題が生じるため、Vofg
合、2画素の読み出しスイッチが同時にオンしてしまう恐
は0.2 Vで使用してください。
れがあります。
そのため、CLKの立ち下がり時の±30 ns
オーバーフロー防止機能 (アンチブルーミング機能)は、
は必ずHighになるようにINTパルスを入力する必要があ
どの程度の光量まで機能しますか?
ります。
標準条件の場合、飽和露光量の100倍まではブルー
ミングが発生しないことを確認しています。
7
③ リセット用スイッチおよびクランプ用スイッチ: FETまた
暗出力リファレンスは、
ビデオ出力のどの部分を参照
すればよいでしょうか。
ダーク時の各画素のビデオ出力を参照してください。
本製品には、
CCDのオプティカルブラックのような暗出力
リファレンスはありません。
はんだ付け条件を教えてください。
はんだ温度 260 ℃以下、5秒以内で行ってください。
この条件は、
1端子に対しての加熱時間ですが、
複数の
端子を連続してはんだ付けを行っても問題ありません。
また、製品のパッケージ部に熱が伝わらないように、
リー
ド根元をピンセットなどでつまんで放熱させることを推
奨します。
この条件内であれば、鉛フリーはんだの使用
も問題ありません。
なお、本製品は、
フロー方式によるは
んだ付けには対応していません。
本資料の記載内容は、平成26年9月現在のものです。
製品の仕様は、改良などのため予告なく変更することがあります。本資料は正確を期するため慎重に作成されたものですが、まれに誤記などに
よる誤りがある場合があります。本製品を使用する際には、必ず納入仕様書をご用命の上、最新の仕様をご確認ください。
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Cat. No. KMPD9008J02 Sep. 2014 DN
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