日本語版

超ローノイズ・プリアンプ と
プログラマブルRIN内蔵のデュアルVGA
AD8332
特長
機能ブロック図
超ローノイズのプリアンプ
・電圧ノイズ:0.74nV/√Hz
・電流ノイズ:2.5pA/√Hz
3dB帯域幅:120MHz
低消費電力:125mW/チャンネル
プログラマブルなポストアンプ付きの広いゲインレンジ
・−4.5dB∼+43.5dB
・+7.5dB∼+55.5dB
低い出力換算ノイズ:48nV/√Hz (typ)
入力インピーダンスのアクティブ・マッチング
10ビット/12ビットADCに最適化
出力クランプ・レベルが選択可能
5V単電源動作
省スペースのチップ・スケール・パッケージを採用
LON1 LOP1 VIP1 VIN1
25
24
VPSV
VCM1 VCM2
15
21
22
VPS1 26
20
19
VMID
COM1 23 +19dB
3.5dB/
15.5dB
[(−48 to 0) + 21] dB
INH1 27
ポスト
アンプ1
VGA 1
LNA 1
HILO
9
LMD1 28
バイアス
(VMID)
LMD2
1
INH2
2
VSP2
3
COM2
6
バイアスおよび
インターポレータ
LNA 2
ゲイン
INT
ポスト
アンプ2
VGA 2
17
VOH1
16
VOL1
10
GAIN
13
VOL2
12
VOH2
クランプ
アプリケーション
4
7
5
8
LON2 LOP2 VIP2 VIN2
超音波およびソナーのタイム・ゲイン制御
高性能AGCシステム
I/Q信号処理
高速デュアルADCドライバ
50
概要
30
図1
14
18
11
COMM
ENB
RCLMP
28ピンTSSOP
VGAIN = 1V
40
0.8V
0.6V
ゲイン―dB
AD8332は超ローノイズ、デュアル・チャンネルかつdB値
で直線的な可変ゲインを持つアンプ(VGA)です。超音波シス
テム向けに最適化されていますが、最大周波数120MHzまで
のアプリケーションにおけるローノイズ可変ゲイン制御用に
使うこともできます。
AD8332の各チャンネルは、超ローノイズ・プリアンプ
(LNA)、48dBのゲインレンジを持つX-AMP VGA、調整可能な
出力制限機能を持つゲインが選択可能なポストアンプから構
成されています。LNAはシングルエンド入力と差動出力を持
ち、ゲインは19dBで、外付けの帰還抵抗を選択することによ
り、正確でプログラマブルな入力インピーダンスのアクティ
ブ・マッチングが可能です。このアクティブ・インピーダン
ス制御機能により、入力マッチング機能を使用するアプリケ
ーションにおけるノイズ性能が最適化されます。
AD8332のVGAは48dBのゲインレンジを持っているため、
様々なアプリケーションに適しています。レンジ全体にわた
って、帯域幅の均一性が十分に維持されます。ゲイン制御イ
ンターフェースは、40mV∼1Vの制御電圧に対して高精度か
つdB値で直線的な50dB/Vのスケーリングを提供します。出荷
時の調整により、デバイスおよびチャンネル毎の優れたゲイ
ン・マッチングを保証しています。差動信号パスにより、優
れた2次および3次の歪み性能とロー・クロストークが可能で
す。
VGAの低い出力換算ノイズは、高速差動ADCを駆動する際
に有効です。ポストアンプのゲインは、ピン設定により3.5dB
20
0.4V
10
0.2V
0
0V
−10
−20
100k
1M
10M
100M
1G
周波数―Hz
図2
周波数応答対ゲイン
または15.5dBの選択が可能で、12ビットまたは10ビットのコ
ンバータ・アプリケーションのゲインレンジと出力ノイズを
最適化できます。ユーザーが選択するクランピング・レベル
に出力を制限できるため、後段のADCに対する入力過負荷を
防止できます。外付け抵抗によりクランピング・レベルを調
整できます。
AD8332は28ピンTSSOPおよび32ピンLFCSPパッケージを採
用しており、5Vの単電源で動作します。合計静止消費電力は
250mWで、パワーダウン・ピンも用意されています。動作温
度レンジは-40℃∼+85℃です。
アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、その情報の利用または利
用したことにより引き起こされる第3者の特許または権利の侵害に関して、当社はいっさいの責任を負いません。
さらに、アナログ・デバイセズ社の特許または特許の権利の使用を許諾するものでもありません。
*日本語データシートは、REVISIONが古い場合があります。最新の内容については英語版をご参照ください。
REV.0
アナログ・デバイセズ株式会社
本 社/東京都港区海岸1-16-1
電話03
(5402)8200
〒105-6891
ニューピア竹芝サウスタワービル
(6350)6868
(代)〒532-0003
大阪営業所/大阪府大阪市淀川区宮原3-5-36 電話06
新大阪MTビル2号
AD8332
目次
AD8332―仕様‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
絶対最大定格 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
AD8332―代表的な性能特性‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6
テスト回路‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥14
動作原理‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
概要‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
ローノイズ・アンプ(LNA)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15
可変ゲイン・アンプ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥18
ポストアンプ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥19
アプリケーション‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥21
LNA ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥21
VGA ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥22
ADCの駆動 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥23
過負荷‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥23
レイアウト、グラウンド、およびバイパス‥‥‥‥‥‥‥‥24
複数入力のマッチング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥24
測定時の考慮事項‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥25
超音波TGCアプリケーション‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥25
ピン機能説明‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥26
ピン配置‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥27
外形寸法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥28
オーダー・ガイド‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥28
改訂履歴
レビジョン0:初期バージョン
2
REV.0
AD8332−仕様
(特に指定のない限り、TA=25℃、VS=5V、RL=500Ω、RS=RIN=50Ω、RFB=280Ω、CSH=22pF、f=10MHz、RCLMP=∞、
CL=1pF、VCM=2.5V、ゲイン=−4.5dB∼+43.5dB (HILO=LO)、差動出力電圧。)
パラメータ
ゲイン
入力電圧レンジ
入力抵抗
LNAの特性
LNA+VGAの特性
入力容量
出力インピーダンス
−3dB小信号帯域幅
スルーレート
入力電圧ノイズ
入力電流ノイズ
ノイズ係数
アクティブ終端マッチ
終端なし
高調波歪み(HD) (LOP1またはLOP2で)
HD2
HD3
出力短絡電流
−3dB小信号帯域幅
−3dB大信号帯域幅
スルーレート
入力電圧ノイズ
ノイズ係数
アクティブ終端マッチ
終端なし
出力換算ノイズ
出力インピーダンス、ポストアンプ
出力信号レンジ、ポストアンプ
差動
出力オフセット電圧
差動
コモン・モード
出力短絡電流
高調波歪み(HD)
HD2
HD3
HD2
HD3
REV.0
条件
シングルエンド入力から差動出力まで
入力から出力まで(シングルエンド)
AC結合
RFB= 280 Ω
RFB= 412 Ω
RFB= 562 Ω
RFB= 1.13 kΩ
RFB= ∞
Min
シングルエンド、いずれかの出力
VOUT = 0.2 V p-p
RS=0Ω、HIまたはLOゲイン、RFB=∞、f=5MHz
RFB=∞、HIまたはLOゲイン、f=5MHz
f = 10 MHz, LOP 出力
RS = RIN = 50 Ω
RS=50Ω、RFB=∞
VOUT=0.5Vp-p、シングルエンド、f=10MHz
LONピン、LOPピン
VOUT = 0.2 V p-p
VOUT = 2 V p-p
LOゲイン
HIゲイン
RS=0Ω、HIまたはLOゲイン、RFB=∞、f=5MHz
VGAIN = 1.0 V
RS = RIN= 50Ω, f = 10 MHzで測定
RS = RIN= 200Ω, f = 5 MHzでシミュレート
RS = 50Ω, RFB=∞, f = 10 MHzで測定
RS = 200 Ω, RFB=∞, f = 5 MHzでシミュレート
VGAIN = 0.5 V, LO ゲイン
VGAIN = 0.5 V, HI ゲイン
DC∼1MHz
RL≧500Ω、クランプなし、出力ピンのどちらも
VCM= 2.5 V
−50
−125
Typ
19
13
±275
50
75
100
200
6
13
5
130
650
0.74
2.5
Max
単位
dB
dB
mV
Ω
Ω
Ω
Ω
kΩ
pF
Ω
MHz
V/μs
nV/√Hz
pA/√
Hz
3.7
2.5
dB
dB
−56
−70
165
120
110
300
1200
0.82
dBc
dBc
mA
MHz
MHz
V/μs
V/μs
nV/√Hz
4.15
2.0
2.5
1.0
48
178
1
VCM ± 1.125
4.5
dB
dB
dB
dB
nV/√Hz
nV/√Hz
Ω
V
V p-p
±5
−25
45
+50
+75
mV
mV
mA
VGAIN = 0.5 V, VOUT = 1 V p-p
f = 1 MHz
f = 10 MHz
3
−88
−85
−68
−65
dBc
dBc
dBc
dBc
AD8332
パラメータ 条件
入力1dB圧縮ポイント
2調波相互変調歪み(IMD3)
出力3次インターセプト
チャンネル間クロストーク
過負荷回復
群遅延変動
絶対ゲイン誤差2
精度
ゲインLOの適合性 3
チャンネル間ゲイン・マッチング
ゲイン・スケーリング係数
ゲイン制御
インターフェース
(GAINピン)
コモン・モード・
インターフェース
(VCM1ピン、VCM2ピン)
ゲインレンジ
入力電圧(VGAIN)レンジ
入力インピーダンス
応答時間
入力抵抗
出力コモン・モード ・オフセット電圧
電圧レンジ
電源をイネーブルするロジック・レベル
電源をディスエーブルするロジック・レベル
イネーブル・
インターフェース
(ARパッケージ: 入力抵抗
ENBピン;ACパッ
ケージ:ENBLピン、
パワーアップ応答時間
ENBVピン)
HILOゲインレン
ジ・インターフェ
ース(HILOピン)
出力クランプ・
インターフェース
(RCLMPピン;
HIまたはLOゲイン)
HIゲインレンジを選択するロジック・レベル
LOゲインレンジを選択するロジック・レベル
入力抵抗
精度
HILO = LO
HILO = HI
Min
VGAIN = 0.25 V, VOUT = 1 V p-p,
f = 1 MHz−10 MHz
VGAIN = 0.72 V, VOUT = 1 V p-p, f = 1 MHz
VGAIN = 0.5 V, VOUT = 1 V p-p, f = 10 MHz
VGAIN = 0.5 V, VOUT = 1 V p-p, f = 1 MHz
VGAIN = 0.5 V, VOUT = 1 V p-p, f = 10 MHz
VGAIN = 0.5 V, VOUT = 1 V p-p, f = 1 MHz
VGAIN = 1.0 V, VIN = 50 mV p-p/1 V p-p,
f = 10 MHz
5MHz <f <50MHz、フル・ゲインレンジ
0.05 V < VGAIN < 0.10 V
0.10 V < VGAIN < 0.95 V
0.95 V < VGAIN < 1.0 V
0.1 V < VGAIN < 0.95 V
0.1 V < VGAIN < 0.95 V
0.10 V < VGAIN < 0.95 V
LO ゲイン
HI ゲイン
フル・スケール90%までの48dBのゲイン変化
±1mAに電流制限
VCM = 2.5 V
VOUT = 2.0 V p−p
−10
−1
−2
−125
Typ
dBm1
−80
−72
38
33
−84
dBc
dBc
dBm
dBm
dB
5
ns
±2
0.5
±0.3
−1
±0.2
±0.1
50
−4.5 ∼ +43.5
+7.5 ∼ +55.5
0 ∼ 1.0
10
750
30
−25
1.5 ∼ 3.5
50
ns
dB
dB
dB
dB
dB
dB/V
dB
dB
V
MΩ
ns
Ω
mV
V
V
V
kΩ
kΩ
kΩ
μs
ms
V
V
kΩ
±50
mV
RCLMP = 2.21 kΩ, VOU T = 1 V p−p (クランプあり)
表1
+75
5
1.0
2.25
0
正ゲイン・スロープに対するロジック・レベル
モード・インター
フェース(MODEピン、 負ゲイン・スロープに対するロジック・レベル
ACパッケージのみ)
入力抵抗
電源電圧
電源(VPS1、VPS2、 チャンネル当たりの静止電流
消費電力
両チャンネルがアクティブ、信号なし
VPSVピン)
ディスエーブル電流
PSRR
VGAIN = 0, f = 100 kHz
+2
+1
+1
25
40
70
300
4
RCLMP = 2.74 kΩ, VOU T = 1 V p−p (クランプあり)
5
1.0
±75
2.25
0
4.5
単位
7
2.25
0
ENBピン
ENBLピン
ENBVピン
VINH = 30 mV p−p
VINH = 150 mV p−p
Max
mV
5
1.0
200
5.0
25
250
300
−68
5.5
600
V
V
kΩ
V
mA
mW
μA
dB
仕様
1 特に指定のない限り、すべてのdBm値は50Ωを基準とします。
2 理論ゲイン式に対する適合性(式1参照)。
3 dB値最適直線近似カーブに対する適合性。
4
REV.0
AD8332
絶対最大定格
パラメータ
電圧
消費電力
温度レンジ
θJA
電源電圧(VPS1、VPS2、VPSV)
入力電圧(INH1、INH2)
ENB、ENBL、ENBV、HILOの電圧
GAINの電圧
ARパッケージ1
ACパッケージ
動作温度
保管温度
ピン温度(ハンダ処理60秒)
ARパッケージ1
ACパッケージ2
表2
上記の絶対最大定格を超えるストレスを加えるとデバイスに恒久的な
損傷を与えることがあります。この規定はストレス定格の規定のみを
目的とするものであり、この仕様の動作セクションに記載する規定値
以上でのデバイス動作を定めたものではありません。デバイスを長時
間絶対最大定格状態に置くとデバイスの信頼性に影響を与えます。
1 4層JEDECボード(252P)
2 露出パッドをボードにハンダ付け、パッドには9つの温度バイアス。JEDEC 4層ボード J-STD51-9
REV.0
5
定格
5.5 V
VS + 200 mV
VS + 200 mV
2.5 V
0.96W
1.97W
−40°
C ∼ +85°
C
−65°
C ∼ +150°
C
300°
C
68℃/W
33°
C/W
AD8332−代表的な性能特性
(特に指定のない限り、TA=25℃、VS=5V、RL=500Ω、RS=RIN=50Ω、RFB=280Ω、CSH=22pF、f=10MHz、RCLMP=∞、
CL=1pF、VCM=2.5V、ゲイン=−4.5dB∼+43.5dB (HILO=LO)、差動信号電圧。)
60
50
サンプル・サイズ=80ユニット
VGAIN = 0.5V
50
40
HILO = HI
30
ユニット数の%
ゲイン―dB
40
MODE = HI
(AC パッケージ
のみ)
MODE = LO
20
30
20
10
HILO = LO
10
0
−10
0
0
0.4
0.2
0.6
0.8
1.0
1.1
−0.5 −0.4 −0.3 −0.2 −0.1
VGAIN − V
図3
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
ゲイン誤差―dB
ゲイン対VGAINおよびMODE (ACパッケージでのMODE)
図6
2.0
ゲイン誤差のヒストグラム
25
サンプル・サイズ=50ユニット
20 VGAIN = 0.2V
1.5
15
1.0
10
+25°
C
ユニット数の%
ゲイン誤差―dB
−40°
C
0.5
0
−0.5
+85°
C
5
0
25
20
VGAIN = 0.7V
15
−1.0
10
−1.5
0.4
0.2
0.8
0.6
1.0
1.1
VGAIN − V
図4
0.01
0.03
0.05
0.07
0.09
0.11
0.13
0.15
0.17
0.19
0.21
0
0
−0.17
−0.15
−0.13
−0.11
−0.09
−0.07
−0.05
−0.03
−0.01
−2.0
5
チャンネル間ゲイン・マッチ―dB
絶対ゲイン誤差対VGAINおよび温度
図7 VGAIN=0.2Vおよび0.7Vに対するゲイン・マッチのヒストグラム
2.0
50
VGAIN = 1V
1.5
40
0.8V
30
10 MHz
0.5
0.6V
1 MHz
ゲイン―dB
ゲイン誤差―dB
1.0
0
−0.5
0.4V
10
0.2V
0
−1.0
30 MHz
70 MHz
0V
−10
−1.5
−2.0
20
0
0.2
図5
0.4
0.6
VGAIN − V
0.8
1.0
−20
100k
1.1
絶対ゲイン誤差対VGAINおよび周波数
1M
図8
6
10M
周波数―Hz
100M
1G
周波数応答対ゲイン、HILO=LO
REV.0
AD8332
0
60
VGAIN = 1V
−10
50
0.9V
0.7V
−20
クロストーク―dB
ゲイン―dB
40
0.5V
30
0.3V
20
0.1V
−30
−40
−50
VGAIN = 1V
−60
10
0.9V
−70
0V
0
0.7V
−80
−10
100k
10M
周波数―Hz
図9
100M
−90
100k
1G
1M
10M
100M
周波数―Hz
周波数応答対VGAIN、HILO=HI
図12
30
チャンネル間クロストーク対周波数およびVGAIN、
VOUT=1Vp-p
50
VGAIN = 0.5V
RIN = RS = 50Ω
20
45
10
RIN = RS = 1kΩ
40
RIN = RS = 500Ω
35
RIN = RS = 200Ω
30
0
群遅延―ns
ゲイン―dB
0.4V
0.5V
−10
−20
25
20
15
−30
10
5
−40
100k
1M
図10
30
10M
周波数―Hz
100M
1G
0
100k
1M
周波数応答、アクティブ終端マッチ
図13
VGAIN = 0.5V
RFB = ∞
周波数―Hz
10M
100M
群遅延対周波数
25
20
20
T = +85°
C
15
オフセット電圧―mV
ゲイン―dB
10
0
−10
−20
−30
10
5
0
T = +25°
C
−5
T = −40°
C
−10
−15
−20
−40
100k
1M
図11
REV.0
T = −40°
C
10M
周波数―Hz
100M
1G
−25
周波数応答、終端なし、RS=50Ω
0
0.1
図14
7
0.2
0.3
0.4
0.5 0.6 0.7
VGAIN − V
0.8
0.9
1.0
差動出力オフセット対VGAINおよび温度
1.1
AD8332
50j
35
サンプル・サイズ=100
0.2V < VGAIN < 0.7V
30
f = 100kHz
RIN = 50Ω,
RFB = 270Ω
RIN = 75Ω,
RFB = 412Ω
25
合計%値
100j
25j
RIN = 100Ω,
RFB = 549Ω
20
17Ω
0Ω
15
RIN = 200Ω,
RFB = 1.1kΩ
10
5
RIN = 6kΩ,
RFB = ∞
−25j
0
49.6
図15
−100j
49.7 49.8 49.9 50.0 50.1 50.2 50.3 50.4 50.5
ゲイン・スケーリング係数
−50j
ゲイン・スケーリング係数のヒストグラム
図18
スミス・チャート、S11対周波数、0.1MHz∼200MHz
20
100
RIN = 50Ω, 75Ω
AND 100 Ω
15
10
ゲイン―dB
出力インピーダンス―Ω
RIN = 200Ω
10
RIN = 1k Ω
5
RIN = 200Ω
RIN = 500Ω
0
−5
1
−10
−15
0.1
100k
10M
1M
−20
100k
100M
1M
周波数―Hz
図16
出力インピーダンス対周波数、シングルエンド、VOH、
VOL、RL=∞
10M
周波数―Hz
100M
1G
図19 LNAの周波数応答、アクティブ終端マッチ、シングルエンド
20
10k
RFB = ∞, CSH = 0pF
15
1k
RFB = ∞
RFB = 3.01kΩ, CSH = 0pF
ゲイン―dB
入力インピーダンス―Ω
10
RFB = 6.65kΩ, CSH = 0pF
RFB = 1.1kΩ, CSH = 1.2pF
100
RFB = 549Ω, CSH = 8.2pF
5
0
−5
−10
RFB = 412Ω, CSH = 12pF
RFB = 270Ω, CSH = 22pF
10
100k
−15
1M
10M
−20
100k
100M
周波数―Hz
図17
LNA入力インピーダンス対周波数
図20
8
1M
10M
周波数―Hz
100M
1G
LNAの周波数応答、終端なし、シングルエンド
REV.0
AD8332
500
1.00
f = 10MHz
400
0.90
300
200
0.85
入力ノイズ―nV/√Hz
出力換算ノイズ―nV/√Hz
RS = 0, RFB = ∞,
VGAIN = 1V, f = 10MHz
0.95
HILO = HI
0.80
0.75
0.70
0.65
100
0.60
HILO = LO
0.55
0
0
0.2
0.4
図21
1.6
0.8
0.6
VGAIN − V
0.50
−50
1.0
−10
10
30
50
70
90
温度―℃
出力換算ノイズ対VGAIN
図24
短絡時入力換算ノイズ対温度
10
RS = 0, RFB = ∞,VGAIN = 1V
HILO = LO OR HI
1.4
−30
f = 5MHz, R FB = ∞, VGAIN = 1V
入力ノイズ―nV/√Hz
入力ノイズ―nV/√Hz
1.2
1.0
0.8
0.6
1.0
0.4
RS=熱ノイズのみ
0.2
0
100k
1M
10M
0.1
100M
1
10
周波数―Hz
図22
短絡時入力換算ノイズ対周波数
図25
1k
入力換算ノイズ対RS
7
100
VGAのノイズを含む
RS = 0, RFB = ∞,
HILO = LO OR HI, f = 10MHz
6
5
RIN = 50Ω
10
ノイズ係数―dB
入力ノイズ―nV/√Hz
100
ソース抵抗―Ω
1
4
75Ω
3
100Ω
200Ω
2
RFB = ∞
1
0.1
0
0.2
図23
REV.0
0.4
0.6
VGAIN − V
0.8
0
1.0
50
100
1k
ソース抵抗―Ω
短絡時入力換算ノイズ対VGAIN
図26
9
ノイズ係数対RSおよび固定RIN
AD8332
50
−30
45
−40
HILO = LO, R IN = 50Ω
40
HILO = HI, R IN = 50Ω
30
25
20
HILO = LO, R FB = ∞
15
HILO = LO,
HD3
−50
高調波歪み―dBc
35
ノイズ係数―dB
f = 10MHz
VOUT = 1V p-p
f = 10MHz, R S = 50Ω
HILO = LO,
HD2
−60
−70
HILO = HI,
HD2
−80
HILO = HI, R FB = ∞
10
HILO = HI,
HD3
−90
5
0
0
0.1
0.2
0.3
0.4
図27
0.5 0.6 0.7
VGAIN − V
0.8
0.9
1.0
−100
1.1
0
200
ノイズ係数対VGAIN
400
600
図30
800 1.0k 1.2k
RLOAD − Ω
1.8k
2.0k
高調波歪み対RLOAD
f = 10MHz
VOUT = 1V p-p
HILO = HI, R IN = 50Ω
25
−50
HILO = HI, R FB = ∞
20
高調波歪み―dBc
ノイズ係数―dB
1.6k
−40
30
HILO = LO, R IN = 50Ω
15
10
HILO = LO, R FB = ∞
5
0
10
20
25
35
30
40
ゲイン―dB
45
50
55
ノイズ係数対ゲイン
10
HILO = LO,
HD2
20
図31
30
40
50
高調波歪み対CLOAD
ñ40
G = 30dB
VOUT = 1V p-p
f = 10MHz
−50
−30
HILO = LO,
HD3
高調波歪み―dBc
HILO = LO,
HD3
−40
−50
−70
HILO = HI,
HD3
−80
CLOAD − pF
−20
−60
−70
−100
0
60
0
−10
HILO = HI,
HD2
HILO = LO,
HD3
−60
−90
f = 10MHz, R S = 50Ω
15
図28
高調波歪み―dBc
1.4k
HILO = LO,
HD2
HILO = HI,
HD2
HILO = HI,
HD3
−80
HILO = HI,
HD3
−60
−70
HILO = LO,
HD2
HILO = HI,
HD2
−80
−90
−90
−100
1M
10M
周波数―Hz
図29
−100
100M
高調波歪み対周波数
0
1
図32
10
2
VOUT − V p-p
3
4
高調波歪み対差動出力電圧
REV.0
AD8332
0
0
f = 1MHz
VOUT = 1V p-p
−20
HILO = LO,
HILO=LOのとき、 HD3
入力レンジ制限
−20
−30
HILO = LO,
HD2
IMD3 − dBc
歪み―dBc
−40
VOUT = 1V p-p コンポジット (f 1 + f 2)
G = 30dB
−10
HILO = HI,
HD2
−60
−80
−40
−50
−60
HILO = HI,
HD3
−70
−100
−80
−120
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
−90
1M
1.0
10M
VGAIN − V
図33
高調波歪み対VGAIN、f=1MHz
図36
0
35
−20
出力IP3―dBm
HILO = LO,
HD2
−60
HILO = HI,
1MHz
30
IHILO=LOのとき、
HILO = LO,
入力レンジ制限
HD3
−40
歪み―dBc
IMD3対周波数
40
f = 10MHz
VOUT = 1V p-p
HILO = HI,
HD2
25
HILO = LO,
10MHz
HILO = HI,
10MHz
HILO = LO,
1MHz
20
15
ñ80
VOUT = 1V p-p コンポジット (f 1 + f 2)
HILO = HI,
HD3
10
−100
−120
100M
周波数―Hz
5
0.1
0
0.3
0.2
図34
0.4
0.5
0.6
VGAIN − V
0.7
0.8
0.9
0
0
1.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
VGAIN − V
高調波歪み対VGAIN、f=10MHz
図37
出力3次インターセプト対VGAIN
10
2mV
5
f = 10MHz
100
0
入力電力―dBm
HILO = HI
90
HILO = LO
−5
−10
−15
−20
10
−25
0
−30
0
0.1
0.2
図35
REV.0
0.3
0.4 0.5 0.6
VGAIN − V
0.7
0.8
0.9
50mV
1.0
入力1dB圧縮対VGAIN
図38
11
10ns
小信号パルス応答、G=30dB、上:入力、下:出力電圧、
HILO=HIまたはLO
AD8332
5
20mV
4
100
HILO = HI
VOUT − V p-p
90
HILO = LO
3
2
1
10
0
500mV
図39
0
10ns
0
10
図42
大信号パルス応答、G=30dB、HILO=HIまたはLO、
上:入力、下:出力電圧
20
30
RCLMP − kΩ
40
50
クランプ・レベル対RCLMP
4
2
G = 40dB
G = 30dB
CL = 50pF
3
RCLMP = 48.1kΩ
RCLMP = 16.5kΩ
RCLMP = 7.15kΩ
RCLMP = 2.67kΩ
2
入力
1
1
VOUT − V
VOUT − V
CL = 0pF
0
0
−1
−2
−1
−3
−4
−10
入力のスケールは調整してあります。
−2
−40 −30 −20 −10
図40
0
10 20 30
時間―ns
40
50
60
70
0
80
図43
10
20
30
時間―ns
40
50
60
クランプ・レベル・パルス応答
様々な容量負荷(CL=0pF、10pF、20pF、50pF)に
対する大信号パルス応答
200mV
500mV
100
90
10
0
100ns
200mV
図41
400ns
図44
ピン・ゲイン過渡応答、上:VGAIN、下:出力電圧
12
LNAのオーバードライブ回復、VINH 0.05Vp-p∼1Vp-pの
バースト、VGAIN=0.27V、VGA出力
REV.0
AD8332
2V
50mV
100
90
10
0
100ns
図45
1V
VGAのオーバードライブ回復、VINH 4mVp-p∼
70mVp-pバースト、VGAIN=1V、24dB減衰後のVGA出力
図48
1ms
イネーブル応答、大信号、上:VENB、下:VOUT、
VINH=150mVp-p
0
50mV
−10
VPS1, VGAIN = 0.5V
−20
100
90
PSRR − dB
VPSV, VGAIN = 0.5V
−30
−40
−50
VPS1, VGAIN = 0V
−60
10
−70
0
−80
100k
100ns
図46
図49
VGAのオーバードライブ回復、VINH 4mVp-p∼
275mVp-pバースト、VGAIN=1V、24dB減衰後のVGA出力
1M
周波数―Hz
10M
100M
PSRR対周波数(バイパス・コンデンサなし)
60
VGAIN = 0.5V
2V
静止電源電流―mA
55
50
45
40
35
200mV
図47
REV.0
30
−40
1ms
0
−20
20
40
60
温度―℃
図50
イネーブル応答、上:VENB、下:VOUT、VINH=30mVp-p
13
静止電源電流対温度
80
100
AD8332
テスト回路
ネットワーク・アナライザ
50Ω
50Ω
OUT
IN
1.8nF
FB*
75Ω @
100MHz
270Ω
237Ω
0.1μF
0.1μF
INH
28Ω
22pF
1:1
DUT
LMD
237Ω
0.1μF
28Ω
0.1μF
*フェライト・ビード
図51
ゲインおよび帯域幅の測定に使用
オシロスコープ
1.8nF
FB*
75Ω @
100MHz 0.1μF
270Ω
237Ω
0.1μF
50Ω
INH
IN
28Ω
22pF
50Ω
1:1
DUT
LMD
237Ω
0.1μF
28Ω
0.1μF
*フェライト・ビード
図52
過渡電圧の測定に使用
A
G
0.1μF
49Ω
1Ω
FB*
75Ω @
100MHz
LMD
IN
1:1
DUT
0.1μF
0.1μF
*フェライト・ビード
図53
スペクトル・
アナライザ
50Ω
0.1μF
INH
22pF
50Ω
B
ノイズ測定に使用
14
REV.0
AD8332
MODEがハイレベルに設定された場合は(ACパッケージのみ)、
GAIN(dB)=−50(dB/V)×VGAIN+45.5dB,(HILO=LO)
(3)
または、
GAIN(dB)=−50(dB/V)×VGAIN+57.5dB,(HILO=HI)
(4)
動作原理
概要
AD8332は2チャンネルのVGAです。各チャンネルには、
入力端子の終端インピーダンスがユーザー調整可能なLNA、
差動X-AMP VGA、出力電圧制限機能を調整可能なプログラ
マブル・ゲイン・ポストアンプが含まれています。図54に
簡略化したブロック図を示します。
VIN
LON
X-AMP VGA
プリアンプ
19dB
INH
+
LMD
-
LNAは、電圧ゲイン=19dBでシングルエンド入力を差動
出力に変換します。一方の出力のみを使用する場合は、ゲ
インは13dBになります。入力インピーダンスのアクティブ
終端には反転出力を使います。各LNA出力は、VGA入力へ
容量結合されます。VGAは、48dBのレンジを持つ減衰器と
その後に続く21dBのゲインを持つアンプから構成されてお
り、正味のゲインレンジは-27dB∼+21dBになります。XAMPゲイン/インタポレーション技術の採用によりゲイン
誤差が小さく、帯域幅が均一で、差動信号パスが歪みを最
小化します。
最終段は、ゲイン=3.5dBまたは15.5dBの、ロジックから
設定可能なアンプです。LOおよびHIゲイン・モードでは、
12ビットと10ビットのA/Dコンバータ・アプリケーションに
対して、出力換算ノイズと絶対ゲインレンジが最適化され
ています。出力電圧制限機能は、ユーザーが設定すること
ができます。
ポストアンプ
[(−48 to 0) + 21] dB
3.5dB/15.5dB
VOH
LNA
VOL
VIP
LOP
RCLMP
バイアス
(VMID)
ゲイン・
インターフェース*
バイアスおよび
インターポレータ*
VMID
クランプ*
HILO
VCM
GAIN
*チャンネル間で共用
図54
簡略化したブロック図
ローノイズ・アンプ(LNA)
AD8332の性能は、シグナル・チェーンの先頭に位置する
当社独自の超ローノイズ・プリアンプに依存しており、超
ローノイズ・プリアンプが後段のVGAに対するノイズの影
響を抑えます。アクティブ・インピーダンス制御機能によ
り、入力マッチング機能を使用するアプリケーションにお
けるノイズ性能が最適化されます。
図56に、LNAの簡略化した回路図を示します。INHは信
号源に容量結合されます。内蔵のバイアス・ジェネレータ
が、出力DCレベルの中心を2.5Vに、入力電圧の中心を
3.25Vに設定します。入力結合コンデンサCINHと同じ値を持
つコンデンサCLMDを、LMDピンとグラウンドの間に接続し
ます。
dB値で直線的なゲイン制御インターフェースは、スロー
プおよび絶対精度についてトリミングされています。
AD8332の全ゲインレンジは48dBで、HILOピンの設定に応
じて、-4.5dB∼+43.5dBまたは+7.5dB∼+55.5dBになりま
す。ゲイン制御インターフェースのスロープは50dB/Vで、
ゲイン制御レンジが40mV∼1Vなので、ゲインは次の式で得
られます。
(1)
GAIN(dB)=50(dB/V)×VGAIN−6.5dB,(HILO=LO)
または、
(2)
GAIN(dB)=50(dB/V)×VGAIN+5.5dB,(HILO=HO)
図55に、ゲイン特性を示します。
60
MODE = HI
(ACパッケージのみ)
50
HILO = HI
ゲイン―dB
40
30
20
10
HILO = LO
0
MODE = LO
−10
0
0.4
0.2
0.6
0.8
1.0
1.1
VGAIN − V
図55
REV.0
ゲイン制御特性
15
AD8332
CFB
ての負荷はAC結合にする必要があります。一般に、LOPピ
ン出力は、ドプラー・モードの超音波イメージングなどで
使用される補助回路に対するシングルエンド・ドライバと
して使用され、LONピンがRFBを駆動します。あるいは、ア
クティブ帰還終端に加えて、差動の外部回路も2つの出力か
ら駆動することができます。両ケースとも、「アプリケーシ
ョン」に記載された重要な安定性を十分に考慮する必要が
あります。
各LNA出力のインピーダンスは5Ωです。VGAを駆動する
ときは、開放時ゲインが13.1dBから12.7dBへ少し減少し、
さらに出力に100Ω負荷を追加すると12.3dBに減少します。
LNAの差動ゲインは6dB高くなります。一方の負荷が200Ω
より小さい場合は、他方の出力にも同じ負荷を使う必要が
あります。
RFB
VPOS
I0
I0
LOP
CINH
LON
INH
LMD
Q2
Q1
CLMD
CSH
RS
I0
図56
I0
簡略化したLNAの回路図
LNAのノイズ
AD8332の入力換算電圧ノイズは、システム性能の重要な
制約になります。LNAの短絡入力電圧ノイズは、VGAノイ
ズを含み、0.74nV/√Hzまたは0.82nV/√Hz (最大ゲイン時)です。
開放時の電流ノイズは2.5pA/√Hzです。帰還抵抗なしで測定
したこれらの測定値は、様々な構成での入力ノイズ性能と
ノイズ係数性能を計算する際の基礎を提供します。個別の
アプリケーション・ノートでこれらを詳しく説明していま
すが、図57、図58、図59にその概要を示しています。終端
なし時(RFB=∞)の動作は、最小の等価入力ノイズとノイズ
係数を示しています。図58にノイズ係数対ソース抵抗のプ
ロットを示します。ソース・ノイズに比べてLNA電圧ノイ
ズが大きいところでは、R Sが小さい所でノイズ係数が大き
くなり、電流ノイズに起因する大きなR Sでノイズ係数が再
び大きくなります。VGAの入力換算電圧ノイズ2.7 nv/√Hzは、
すべてのカーブに含まれています。
LNAは5Vp-pまでの差動出力電圧をサポートします。これ
は端子電圧で、コモン・モード 電圧+2.5V、振幅範囲正
負±1.25Vになります。差動ゲイン振幅が9なので、飽和し
ない最大入力信号は± 275mVまたは550mVp-pになります。
過負荷保護により、大きな入力電圧からの迅速な回復を保
証しています。入力が電源電圧の1/2付近のバイアス電圧に
容量結合されているため、非常に大きな入力もESD保護に
影響を与えずに処理することができます。
帰還抵抗値が小さく、出力段の電流駆動能力が大きいた
め、LNAでは0.74nV/√Hzの低い入力換算電圧ノイズが可能
です。これは、チャンネル当たり10mA (50mW)の小さな消
費電流で達成されます。内蔵のマッチング抵抗により、正
確なインピーダンス・コントロールに不可欠な片側4.5(差動
では9)の高精度ゲインが可能です。フル差動回路と負側帰
還の採用により、歪みが最小になっています。2次高調波歪
み(HD2)が低いことは、2次高調波の超音波イメージング・
アプリケーションでは特に重要です。差動信号処理により
各出力での振幅が小さくなり、さらに3次歪みを小さくしま
す。
アクティブ・インピーダンス・マッチング
AD8332のLNAは、LONピンとINHピンの間にシャント帰
還抵抗を外付けすることにより、アクティブ・インピーダ
ンス・マッチング機能をサポートしています。入力抵抗RIN
は式5で与えられます。ここで、Aはシングルエンド・ゲイ
ン=4.5で、6kΩは終端なし時の入力インピーダンスです。
RIN =
6 kΩ×RFB
RFB
6 kΩ=
1+ A
33 kΩ+ RFB
(5)
LONピンとINHピンのDCレベルが等しくないため、CFBは
RFBと直列に接続する必要があります。RINとしてのRFBの選
択とC FBの選択については、「アプリケーション」で説明し
ています。CSHとフェライト・ビードを使うと、ループ・ゲ
インが減少する高い周波数での安定性が向上し、ピーキン
グを防止します。図19と図20に、LNAの周波数応答を示し
ます。帯域幅は50Ω∼200Ωの一致した入力インピーダンス
に対して約130MHzで、ソース・インピーダンスが高くなる
と狭くなります。終端なし時の帯域幅(RFB=∞)は約80MHz
です。
各出力は、VGAの入力インピーダンス100Ω(差動では
200Ω)の他に、100Ωまでの小さい外部負荷を駆動すること
ができます。容量負荷は最大10pFまで許容できます。すべ
16
REV.0
AD8332
7
終端なし
VGAのノイズを含む
RIN
6
RS
VIN
+
VOUT
5
ノイズ係数―dB
−
抵抗終端
RIN
RS
VIN
4
70Ω
+
RS
RFB = ∞
1
図59
IN
RS
+
1 + 4.5
図57
入力の構成
7
VGAのノイズを含む
6
抵抗終端
(RS = RIN)
5
ノイズ係数―dB
1k
アクティブ・マッチされた様々なRIN固定値に対するRS
対ノイズ係数
入力インピーダンス・マッチングの主な目的は、システ
ムの過渡応答を向上させることです。抵抗終端を使用する
場合は、マッチング抵抗の熱ノイズとLNAの入力電圧ノイ
ズ・ジェネレータの影響が大きくなるため、入力ノイズが
増加します。アクティブ・インピーダンス・マッチングを
使用する場合は、両方の影響は抵抗終端の場合に比べて
1/(1+LNAゲイン)に小さくなります。図58に、相対的なノ
イズ係数(NF)性能を示します。このグラフでは、各ポイン
トでR Sをマッチさせたまま入力インピーダンスを変えてい
ます。ソース・インピーダンス50Ωでのノイズ係数は、抵
抗、アクティブ、終端なしの各構成に対して7.1dB、4.1dB、
2.5dBです。200Ωでのノイズ係数は、それぞれ4.6dB、2.0dB、
1.0dBです。
図59に、様々なRIN値に対するRS対NFの関係を示します。
これは設計の際に役立ちます。アクティブ・マッチ入力で
のNFは平坦であるため、ソース・インピーダンスの変動は
緩和されます。比較のために、ゲイン=19dB、ノイズ・ス
ペクトル密度=1.0nV/√Hzを持つプリアンプと3.75nV/√Hz
のVGAを組合わせると、ノイズ係数が約1.5dB低下して(大
部分の入力インピーダンスに対して)、AD8332の性能を大
幅に下回ります。
LNAの等価入力ノイズは、シングルエンド・アプリケー
ションおよび差動出力アプリケーションと同じです。LNA
ノイズ係数はVGAノイズなしの50Ωで3.5dBに改善されます
が、この値はLOPに接続された外部回路からだけのノイズ
成分です。別ボード上の外部回路を駆動する場合には、安
定性のために直列出力抵抗の使用が推奨されます(「アプリ
ケーション」参照)。ローノイズ・アプリケーションでは、
フェライト・ビードの使用も推奨されます。
RFB
RIN =
4
3
アクティブ・インピーダンス・マッチ
2
終端なし
1
REV.0
100
VOUT
−
図58
50
RS − Ω
アクティブ・インピーダンス・マッチ
RFB
R
50
200Ω
VOUT
0
0
100Ω
3
2
−
VIN
RIN = 50Ω
100
RS − Ω
1k
抵抗、アクティブ・マッチ、終端なしの各入力構成での
RS対ノイズ係数
17
AD8332
ゲイン制御
VGA減衰器のタップ位置はシングルエンドのアナログ制
御電圧VGAINによって制御され、入力レンジは40mV∼1.0Vで
す。ゲイン制御のスケーリングは、50dB/V (20mV/dB)のス
ロープになるように調整されます。制御レンジを超える
VGAIN値は、最小ゲイン値または最大ゲイン値に抑えられま
す。AD8332の両チャンネルは1つのゲイン・インターフェ
ースから制御され、マッチングが維持されます。AD8332の
ゲインは、前述の式1と式2を使って計算することができま
す。
スケーリング係数と絶対ゲインの両方が出荷時に調整さ
れているため、AD8332のゲイン精度は非常に優れています。
理論ゲインに対する全体精度は、温度、製造プロセス、電
源電圧、インターポレータのゲイン・リップル、トリム誤
差、テスタの規定値の変動に対して±1dBです。与えられた
条件での最適直線近似に対するゲイン誤差は、±0.2dB (typ)
です。チャンネル間のゲイン・マッチングは0.1dB以上です
(制御レンジの中央でのゲイン誤差を示した図7参照)。
可変ゲイン・アンプ
差動X-AMP VGAは、高精度の入力減衰とインターポレー
ション機能を提供します。入力換算ノイズは2.7nV/√Hzと小
さく、優れたゲイン直線性を持っています。簡略化したブ
ロック図を図60に示します。
GAIN
ゲイン・インターポレータ
(両チャンネル)
+ ポストアンプ
gm
VIP
6dB
R
48dB
2R
VIN
−
図60
ポストアンプ
VGAIN < 0.1
簡略化したVGAの回路図
または > 0.95
の場合、ゲイン誤差は少し大きくなります。
図55に示す反転ゲイン機能は32ピンのACパッケージで使
用可能です。最大ゲインから最小ゲインまでのゲイン制御
レンジで、-50dB/Vのスロープでゲインが低下します。この
スロープは、制御電圧が測定された出力信号振幅に反比例
する、自動ゲイン制御などのアプリケーションで役立ちま
す。MODEピンをHIに設定すると、反転ゲイン・モードが
選択されます。
AD8332のゲイン制御応答時間は、最小ゲインから最大ゲ
インへの変化に対して、750ns以下で最終値の10%以内に整
定します。
X-AMP VGA
VGAの入力は1ステージ当たり6dBの差動R-2Rラダー減衰
器回路で、差動200Ωの正味の入力インピーダンスを持って
います。ラダー回路はLNAからのフル差動入力信号で駆動
され、シングルエンド動作はサポートしていません。LNA
出力は、オフセットを減らし、コモン・モード 電圧を分離
するためAC結合されています。VGA入力はラダーのセンタ
ー・タップを介してVCMにバイアスされており、その値は
標準で+2.5V、外部から提供されるクリーンなACグランド
にバイパスされます。
X-AMPの入力減衰器内のラダー抵抗により、信号レベル
は各タップポイントで 6dBステップの0∼−46dBに減衰され
ます。ゲイン・インタポレータが入力タップポイントに与
えるバイアス電流を重複させることにより、一連のタップ
からの信号を合流させて0dB∼−48dBの滑らかな減衰レン
ジを提供しています。この回路技術の採用により、優れた
dB値で直線的なゲイン則適合性、低い歪みレベル、理論値
からの偏差±0.2dB以下が実現されています。ゲイン・スロ
ープは制御電圧に対して単調であり、製造プロセス、温度、
電源の変動に対して安定しています。
X-AMP入力段は、VGAを構成するゲイン12の帰還アンプ
に含まれ、帯域幅は150MHzです。入力段は出力へのノイズ
混入を抑えるようにデザインされているため、ゲイン設定
に対して優れた周波数応答の均一性が保証されています(図
8および図9参照)。
VGAのノイズ
代表的なアプリケーションでは、AD8332は広いダイナミ
ックレンジの入力信号とADCとの間でブリッジとして機能
します。LNAの入力換算ノイズは識別可能な最小入力信号
を決定しますが、主にVGAに依存する出力換算ノイズは、
任意の特定ゲイン制御電圧で処理可能な最大瞬時ダイナミ
ックレンジを決定します。この制約は、ADCの量子化ノイ
ズ・フロアとの組合わせにより設定されます。
短絡入力状態に対する、VGAINの関数としての出力および
入力換算ノイズを図21と図23に示します。入力ノイズ電圧
は、制御レンジ内の各ポイントで測定されたゲインで除算
した出力ノイズ値に等しくなります。
出力換算ノイズは、VGAの固定出力換算ノイズが支配的
であるため、ゲインレンジ内の大部分で平坦です。LOゲイ
ン・モードでの値は48nV/√Hzで、HIゲイン・モードでは
178nV/√Hzです。ゲイン制御レンジの上端では、LNAのノイ
ズとソースが支配的になります。VGAの入力換算成分が非
常に小さくなる最大ゲイン制御電圧付近では、入力換算ノ
イズが最小値に近づきます。
18
REV.0
AD8332
ゲインが低いところでは、入力換算ノイズ、したがって
ノイズ係数はゲインの減少とともに増加します。ただし、
入力容量を大きくするとシステムの瞬時ダイナミックレン
ジも広くなるため、瞬時ダイナミックレンジがなくなって
しまうことはありません。ADCノイズ・フロアの成分も、
同じ依存性を持っています。ADCのノイズ・フロアの大き
さに対するVGA出力ノイズ・フロアの大きさの関係は重要
です。
AD8332は出力換算ノイズ・レベルが低いため、現在の
ADCに対するドライバとして最適です。コンバータのノイ
ズ・フロアは2ビットの分解能毎に12dB低下し、入力フル・
スケール電圧が低くなった場合およびサンプリング・レー
トが高くなった場合にも、低下します。ADC量子化ノイズ
については、「アプリケーション」で説明します。
前述のノイズ性能の説明は、差動VGA出力信号にも適用
されます。LNAのノイズ性能はシングルエンドおよび差動
のアプリケーションで同じですが、VGAの性能は同じでは
ありません。VGAのバイアス・ノイズ成分は差動信号内で
相殺されるようにデザインされているため、シングルエン
ドの場合にはVGAのノイズは遥かに大きくなります。ロー
ノイズが必要な場合は、シングルエンド・アプリケーショ
ンでトランスを使うことができます。
非常にローノイズのアプリケーションでは、ゲイン制御
ノイズがもう一つの問題点になります。ゲイン制御インタ
ーフェース内の熱ノイズによってAD8332のゲインが変調さ
れて、出力でノイズに似た変動が発生することがあります。
このノイズは出力信号レベルに比例し、通常は信号が大
きい場合にのみ顕著になります。この影響は、ノイズ・フ
ロアが非常に低いLOゲイン・モードでのみ観測できます。
ゲイン・インターフェースにはノイズ・フィルタが内蔵さ
れているため、この影響は5MHzを超える周波数で大幅に改
善できます。GAIN入力でのノイズを小さくするように注意
してください。外付けのRCフィルタを使うと、VGAINのソー
ス・ノイズを除去することができます。このフィルタ帯域
幅は、目的の制御帯域幅を確保できるように十分広いもの
を使用する必要があります。
ポストアンプ
AD8332の最終段のゲインは、HILOピンを使って3.5dBま
たは15.5dBが選択可能です。これらはリニア・ゲイン=1.5
または6に対応します。ポストアンプの簡略化したブロック
図を図61に示します。
個別の帰還減衰器により、2つのゲイン設定が可能です。
2つのゲイン・モード間で一定の3dB帯域幅(約150MHz)を維
持するため、適切にスケールされた入力段と組合わせて、
これらのゲインを選択します。HIゲイン・モードとLOゲイ
ン・モードでのスルーレートは、それぞれ1200V/μsと
300V/μsです。HIおよびLOゲイン・モードでの帰還回路は、
各チャンネルの絶対ゲインを調整するため出荷時に調整さ
れています。
ノイズ
ポストアンプのこの回路構成は、2種類のゲイン設定と可
変出力換算ノイズに対して一定の入力換算ノイズを提供し
ます。HIゲイン・モードにおける出力換算ノイズはゲイン
の増加とともに4倍に増えます。高いノイズ・フロアのコン
バータを駆動する際には、この設定が推奨されます。ゲイ
ンを大きくすると、AD8332の出力信号レベルとノイズ・フ
ロアが大きくなります。低い入力ノイズ・フロアの回路を
駆動する際には、LOゲイン・モードを使用すると出力ダイ
ナミックレンジが最適になります。
+
VOH
Gm1
F2
VCM
F1
Gm2
コモン・モード ・バイアス
電源電圧の1/2の値に接続された内部バイアス回路が、
VGAおよびポストアンプのコモン・モード 電圧を設定して
います。外部でバイパスされたバッファがこの電圧を維持
しています。VGAの差動入力減衰器のセンター・タップ、
VGAの固定ゲイン・アンプの帰還回路、両ゲイン設定にお
けるポストアンプの帰還回路など、多くの重要な内部接続
をVCM回路が構成しているため、バイパス・コンデンサは
重要なACグラウンド接続を構成しています。最適な結果を
得るため、1nFと0.1μFのコンデンサを並列接続し、1nFを
AD8332に近接して接続してください。VCMピンは各チャン
ネルに個別に用意されています。追加機能として、AD8332
のVCMピンに外付け電圧源を接続すると、コモン・モード
電圧を電源電圧の1/2の値以外に設定することができます。
例えば、3VのADCへのDC結合接続に対して1.5Vのコモン・
モード ・レベルを設定することができます。
REV.0
Gm2
VOL
−
Gm1
図61
ポストアンプのブロック図
ADCの量子化ノイズ・フロアは多くの要因に依存します
が、AD8332の48nV/√Hzおよび178nV/√Hzレベルは、ほとん
どの12ビットおよび10ビット・コンバータに適しています。
「アプリケーション」で説明する追加技術を使用すると、14
ビットADCを使えるように、ノイズ・フロアをさらに低下
させることができます。
19
AD8332
出力のクランピング
出力は、2.5Vのコモン・モード 電圧で動作時、差動レベ
ル4.5Vp-pに内部で制限されます。ポストアンプでは、RCLMP
とグラウンドの間に接続した抵抗による出力クランプ選択
できます。表4に、推奨抵抗値のリストを示します。
出力クランピング機能は必要に応じて、ADCの入力過負
荷防止または、1.5Vのような低いコモン・モード ・レベル
で動作させるときにポストアンプの過負荷防止に使うこと
ができます。出力レベルがクランピング・レベルに近づく
と歪み成分が増えるので、クランプ抵抗を調整する必要が
あることに注意してください。「アプリケーション」も参照
してください。
クランピング・レベルの精度は、LOモードまたはHIモー
ドで約±5%です。図62に、RCLMPの幾つかの値に対する出力
特性を示します。
5.0
4.5
RCLMP = ∞
4.0
8.8kΩ
3.5
VOH, VOL − V
3.5kΩ
3.0
2.5
RCLMP = 1.86kΩ
2.0
1.5
1.0
0.5
0
−3
−2
−1
0
1
2
3
VINH − V
図62
出力のクランピング特性
20
REV.0
AD8332
アプリケーション
図63に、AD8332の1つのチャンネルに対する基本的な回
路接続を示します。
CLMD
0.1μF
1
LMD2
LMD1
INH2
INH1
0.1μF
LNA
SOURCE
28
FB
LNA
AD8332のLNAは複数の外付け部品を必要とします。図63
に示すように、LMDピン(内部でバイアス回路に接続)はグ
ラウンドにデカップリングする必要があり、INHピンは信
号ソースに容量結合されます。両方とも、0.1μFのコンデ
ンサの使用が推奨されます。
LNAの終端なし時の入力インピーダンスは6kΩです。50
Ω∼6kΩの間で、任意のLNA入力抵抗を合成できます。RFB
は式6を使って計算するか、表3から選択できます。
RFB =
R IN(Ω
Ω)
50
75
100Ω
200
500
6k
33 kΩ×(RIN )
6 kΩ−(RIN )
+5V
3
4
VPS2
VPS1
LON2
LON1
LOP2
LOP1
COM2
COM1
6
7
(6)
9
0.1μF
CSH (pF)
VGAIN
1nF
10
1nF
22
12
8
1.2
なし
なし
11
12
13
14
VIP2
VIP1
VIN2
VIN1
VCM2
VCM1
GAIN
HILO
RCLMP
ENB
VOH2
VOH1
VOL2
VOL1
VPSV
COMM
表3 コモン・ソース・インピーダンスに対するLNAの外付け部品値
CSH*
CFB *
26
25
1nF
RFB *
5V
0.1μF
24
0.1μF
23
0.1μF
22
21
20
1nF
0.1μF
19
5V
18
5V
17
*
16
*
VGA OUT
VGA OUT
5V
15
1nF
0.1μF
*テキスト参照
図63 1つのチャンネルに対する基本接続(ARパッケージの場合)
アクティブ入力終端を使う場合は、0.1μFのコンデンサ
(CFB)を使って、LNAの入力バイアス電圧と出力バイアス電
圧を分離する必要があります。
シャント入力コンデンサCSHは、LNAのHFゲイン・ロール
オフによってアクティブ終端マッチが失われてしまう高い
周波数でのゲイン・ピーキングを減少させます。表3に推奨
値を示します。終端なしのアプリケーションでは、コンデ
ンサ値を1/2にします。
INHピンまでのパターンが長くなってしまう場合、また
は両LNA出力が外部回路を駆動する場合は、小型のフェラ
イト・ビード(FB)をINHピンに直列に接続すると、ノイズの
影響が小さくなるため、回路の安定性を維持できます。図
に示すビードは100MHzで75Ωです(MurataのBLM21または
同等品)。他の値でも有効な場合があります。
LNA出力の接続の詳細については、図64を参照してくだ
さい。LNA出力とVGA入力の間には、DCレベルの差があり、
さらにLNAのオフセットを除去するために、容量結合が必
要になります。0.1μFのコンデンサ値が推奨されます。
LNA出力とVGA入力の間には、5Ωの出力抵抗に起因して
0.4dBのゲイン損失があります。LOP出力とLON出力での負
荷の追加がLNAゲインに影響を与えます。
REV.0
27
LNA OUT
5
8
R FB(最寄りのSTDの1%値、Ω )
280
412
562
1.13k
3.01k
∞
2
外部回路へ
VIP
5Ω
50Ω
100Ω
LON
VCM
CSH
LNA
100Ω
5Ω
LOP
50Ω
VIN
外部回路へ
図64
LNAとVGAの間の接続
両方のLNA出力を外部回路の駆動に使うことができます。
この場合、シングルエンドLNA出力が必要なときはLOPピ
ンを使う必要があります。LNA出力の浮遊容量負荷の影響
に注意する必要があります(特にLON)。LNAは10pFと並列
に100Ωを駆動することができます。離れたPCボードに
LNA出力を接続する場合は、最大100pFまでの負荷容量と、
49.9Ωの直列抵抗またはフェライト75Ω/100MHzビードの追
加ができます。
21
AD8332
ロジック入力―ENB、MODE、HILO
ARパッケージでは、ENBピンは両チャンネルに共通で、
LNAとVGAを制御します。ACパッケージでは、ENBLピン
とENBVピンがLNAとVGAを制御します。ENBピンの入力
インピーダンスは25kΩ(nominal)で、5Vにプルアップす
るか(プルアップ抵抗の使用を推奨)、または3Vまたは5Vの
ロジック・ファミリーから駆動することができます。GAIN
ピンの場合と同様に、複数のデバイスを並列に接続するこ
とができ、共通のソースから駆動できます。
HILOピンも、3Vまたは5VのCMOSロジック・ファミリー
と互換性を持っています。必要なゲインレンジと出力ノイ
ズに応じて、グラウンドへの接続または5Vへのプルアップ
を選択できます。
VGA
ゲイン入力
GAINピンの入力インピーダンスは10MΩ(nominal)です。
GAINピンは両チャンネルに共通で、バイパスには100pF∼1
nFのコンデンサが必要です。
複数のAD8332を並列に接続する場合は、共通の電圧ソー
スまたはDACで駆動することができます。駆動波形の帯域
幅を考慮する際は、ソース・デカップリングを考慮する必
要があり、デバイス間に分散配置されたバイパス容量の合
計値を使用します。
LOゲイン・モードでゲイン制御ノイズが大きくなってし
まう場合には、GAINピンでのノイズを15nV/√Hz以下に維持
すると、満足なノイズ性能が得られます。内部ノイズは
GAINピンで15nV/√Hz以下になります。HIゲイン・モードで
は、ゲイン制御ノイズは無視できます。
オプションの出力電圧制限
RCLMPピンを使うと、入力のオーバードライブを防止す
る機能がない負荷に接続する際に、出力電圧の振幅を制限
することができます。制限電圧のピークtoピーク値は、グ
ラウンドとの間に抵抗を接続することで調節できます。表4
に、幾つかの電圧レベルとそれに対応する抵抗値のリスト
を示します。抵抗を接続しない場合、制限レベルはデフォ
ルトの4.5Vp-pになります。
波形振幅がクリップ・レベルに近づくと、3次高調波歪み
が増えることに注意してください。歪みを小さくするには、
クランプ・レベルをコンバータ入力スパンより高く設定す
る必要があります。クランプ・レベルとして、1Vp-pのリニ
ア出力レンジには1.5Vp-pを、2Vp-pには2.7Vp-pを、0.5Vp-p
には1Vp-pを推奨します。最適ソリューションは経験的に決
定することになります。図66に、2Vp-pの出力信号に対する
制限レベルの関数としての3次高調波歪みを示します。HIゲ
イン・モードでは、制限レベルを広くする必要があります。
VCM入力
VCMピン、VOLピン、VOHピンのコモン・モード 電圧の
デフォルト値は2.5VDCです。出力がAC結合されたアプリケ
ーションでは、VCMピンは終端なしになりますが、内部回
路のACグラウンドの近くにバイパスする必要があります。
VGA出力は、ADCのような差動負荷にDC結合することがで
きます。必要とする電圧をVCMピンに入力すると、1.5V∼
3.5Vのコモン・モード 出力電圧レベルをVOHピンとVOLピ
ンに設定することができます。別個のPCボード上の負荷を
駆動する場合には、DC結合動作はおすすめできません。
VCMピンの電圧は、30Ωの出力インピーダンスと±2mA
のデフォルト出力電流を持つバッファから供給されます(図
65参照)。VCMピンを外部ソースから駆動する場合は、
出力インピーダンス<<30Ω、電流駆動能力>> 2mA
である必要があります。複数のAD8332のVCMピンが並列に
接続されている場合には、外付けバッファは、合計出力電
流を供給する能力を持っている必要があります。2.5V以外
のコモン・モード 電圧を使う場合は、過負荷から保護する
ために、電圧制限抵抗RCLMPが必要です。
VGAIN = 0.75V
−30
−40
HD3 − dBc
2mA MAX
−20
内部回路
30Ω
VCM
RO << 30Ω
NEW VCM
−50
HILO = LO
−60
100pF
0.1μF
HILO = HI
−70
内部回路のACグラウンド
図65
VCMインターフェース
−80
1.5
図66
22
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
クランプ制限レベル―Vp-p
4.5
5.0
HD3対2Vp-p差動入力に対するクランピング・レベル
REV.0
AD8332
ADCの駆動
A8332は広範囲なADCに接続することができます。VGA
のノイズ・フロア条件は、ビット分解能、サンプリング・
レート、フル・スケール電圧、ノイズ/折り返し防止フィ
ルタ帯域幅など、多くのアプリケーション要因に依存しま
す。AD8332の出力ノイズ・フロアとゲインレンジは、ゲイ
ン・モードのHIまたはLOの選択により調節することができ
ます。
2つのゲイン・モードの相対ノイズ性能と相対歪み性能
は、図21および図27∼図37で比較することができます。LO
ゲイン・モードでの48nV/√Hzのノイズ・フロアは、高いサ
ンプリング・レートまたは分解能(例えば12ビット)のコンバ
ータに適しています。両ゲイン・モードとも、4Vp-pまでの
ADCフル・スケール電圧に対応できます。AD8332の歪み性
能は4Vp-p までの出力電圧に対して望ましい性能を維持し
ているため(図32)、出力に抵抗減衰器(またはトランス)を使
用することにより、出力換算ノイズをさらに低下させるこ
とができます。図68に示す回路は、2Vp-pの出力フル・スケ
ールレンジ、-10.5dB∼+37.5dBのゲインレンジ、24nV/√
Hzの出力ノイズ・フロアを持っているため、14ビットの
ADCアプリケーションに適しています。
クランプ抵抗値(kΩ)
HILO=LO
HILO=HI
1.21
2.74
2.21
4.75
4.02
7.5
6.49
11
9.53
16.9
14.7
26.7
23.2
49.9
39.2
100
73.2
クランプ・レベル
(Vp-p)
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
4.4
表4
クランプ抵抗値
出力フィルタリングと直列抵抗の条件
AD8332が大きな容量負荷または他のボード上の回路を駆
動する場合は、直列抵抗をVOH出力とVOL出力に接続して、
ゲイン制御レンジの上端での安定性を確保する必要があり
ます。これらの抵抗は、外付けノイズ・フィルタに含める
ことができます。
LOゲイン・モードとHIゲイン・モードに対する推奨抵抗
値は、それぞれ84.5Ωと100Ωです(図63)。これらの抵抗は
VOHピンとVOLピンの近くに配置します。負荷が近くにあ
るアプリケーション、またはゲインが40dB未満のアプリケ
ーションでは、これより小さい抵抗値を使うこともできま
す。これらの抵抗は、出力フィルタ回路に含めることもで
きます。小さい値が必要な場合は経験的に定めることもで
きますが、出力の周波数応答に問題を生じない場合は、上
記値の使用が推奨されます。
ADCに対しては、一般に折り返し防止ノイズ・フィルタ
が使用されます。フィルタ条件はアプリケーションによっ
て決まります。
ADCが別のボードに実装されている場合は、フィルタ部
品の大部分をそのボード上に実装する必要があります。こ
れにより、ボード間でのノイズ混入が軽減され、ADC入力
からの電荷の漏れが緩和されます。AD8332に必要とされる
以外のすべての直列抵抗は、ADCボード上に実装する必要
があります。図67に、帯域幅20MHzの2次ローパス・フィル
タを示します。コンデンサは、ADCの10pFの入力容量と合
わせて選択します。
4V p-p DIFF, 2V p-p DIFF,
48nV/ Hz
24nV/ Hz
AD8332
VOH
2:1
VOL
図68
84.5Ω
0.1μF
0.1μF
図67
REV.0
1.5μH
158Ω
1.5μH
158Ω
18pF
LPF
374
ADC
AD6644
187
14ビットADCでのノイズ・フロアの調節
過負荷
AD8332は、入力段で過負荷が生ずる大きな信号および、
ゲインが予想外に大きく設定された際にVGAで過負荷を生
ずる通常の信号に対して、安全に応答します。各ステージ
は、過負荷時にはクリーンな波形制限を、およびゲイン設
定または入力振幅が減少した際には高速な回復を、それぞ
れ行うようにデザインされています。
LNA入力で±275mVを超える信号は、VGAに入力される
前に差動5Vp-pにクリップされます。図44に、1Vp-pの入力
バーストに対する応答を示します。対称な過負荷波形は、
過負荷時のLNA出力のスペクトルが重要となるCWドプラー
超音波などのアプリケーションでは重要です。また、入力
段は、低速セトリングのESD入力保護ダイオードをトリガ
ーすることなく±2.5Vまでの高い信号に対応できるように
デザインされています。
オプションの
バックプレーン
84.5Ω
187
ADC
20MHzの2次ローパス・フィルタ
23
AD8332
VGAの両ステージは、過負荷の影響を受けやすくなってい
ます。ポストアンプの制限機能は広く採用されており、図45
に示すようにクリーンな出力特性を得ることができます。さ
らに極端な条件下では、X-AMPが過負荷になり、図46に示す
小さいグリッチが発生します。どのケースでも回復は高速で
す。図69のグラフに、様々な過負荷を発生する入力信号とゲ
インの組合わせをまとめています。
ポストアンプ
過負荷
43.5
15mV
X-AMP
過負荷
ポストアンプ
過負荷
25mV
56.5
4mV
0.01μF∼0.1μFの容量と100pF∼1nFの容量を並列接続しま
す。さらに、フェライト・ビードを使って、各電源ピンを共
通の5V電源から分離すると最適です。これらのコンデンサは
デカップリング・コンデンサと一体となって、電源ピンでの
不要高周波の除去に役立ちます(小さい値の抵抗を使う場合は
ヘッドルームが小さくなりますが、このようなことはありま
せん)。
AD8332には特別な注意が必要となる幾つかのクリティカル
な領域があります。特にLNAは重要です。LON出力とLOP出
力のパターンは、VINピンとVIPピンに接続されている結合コ
ンデンサまでの距離をできるだけ短くする必要があります。
RFBも、LONピンの近くに配置する必要があります。接続パタ
ーンの負荷の影響を軽減するため、抵抗はVGA出力のVOLピ
ンとVOHピンのできるたけ近くに配置する必要があります。
値は、「出力フィルタリング」と「直列抵抗の条件」で説明
しています。
寄生の影響を防止するため、信号パターンは短く、かつダ
イレクトにする必要があります。相補信号が存在する場合は、
対称なレイアウトを採用して波形のバランスを維持する必要
があります。差動信号が長い場合は、2本のPCBパターンを近
づけて並行して配置する必要があります。差動配線は、形成
されるループ面積を小さくするためにツイストする必要があ
ります。これにより、放射エネルギを減らし、回路は干渉に
強くなります。可能な場合には、信号をグラウンド・プレー
ンの上に配置して放射を防止するか、放射源に対する感受性
を小さくします。
X-AMP
過負荷
25mV
41dB
24.5dB
HIゲイン・モード
LNA過負荷
ゲイン―dB
24.5dB
LOゲイン・モード
LNA過負荷
ゲイン―dB
29dB
−4.5
1m
10m
0.1
入力振幅―V
図69
.275
1
7.5
1m
10m
0.1
0.275
1
入力振幅―V
ゲインと信号の過負荷条件
前述のクランプ・インターフェースは、ポストアンプの最
大出力振幅とその過負荷応答を制御します。RCLMP抵抗がな
い場合、このレベルはデフォルト値の差動約4.5Vp-pになり、
2.5Vのコモン・モード を中心にする出力を保護します。VCM
ピンを使って他のコモン・モード ・レベルを設定した場合、
RCLMP値は安全な過負荷になるように選択する必要がありま
す。1.5Vまたは3.5Vのコモン・モード ・レベルに対しては、
8.3kΩ以下の値が推奨されます(HIゲイン・モードに対しては
7.2kΩ)。これにより、出力振幅が差動2Vp-pに制限されます。
複数入力のマッチング
アクティブ終端マッチング機能は、一致しないインピーダ
ンスを持つ信号源では、特に役立ちます。リレーと低電源電
圧アナログ・スイッチを使って、複数の信号源と対応する帰
還抵抗との選択ができます。図70に、ADG736デュアルSPDT
スイッチを使ってこの方式を実現する方法を示します。より
上位のスイッチも使用できます。スイッチとマルチプレクサ
については、当社のセレクション・ガイドを参照してくださ
い。
レイアウト、グラウンド、およびバイパス
他の高速デバイスの場合と同様に、AD8332もPCB環境に敏
感です。優れた性能仕様を実現するには、優れた高速性能に
要求される種々の一般的な事項およびAD8332に固有に要求さ
れる事項に注意を払う必要があります。
基本条件は、AD8332を取り囲むボード領域をできるだけ多
くカバーする、非常に堅固なグラウンド・プレーンです。た
だし、LNA出力ピン(LONとLOP)は例外で、グラウンド・プ
レーンから数ミリメートル離す必要があります。これらのノ
ードの浮遊容量を小さくして、帯域幅の維持に役立てるため、
これらのピンの真下からグラウンド・プレーンを除去する必
要があります。
デバイスに対する電源分配を強化するため複数の電源ピン
とグラウンド・ピンが用意されており、すべてのピンを接続
する必要があります。各電源ピン(VPS1、VPS2、VPSV)は、
グラウンド・プレーンの近くでバイパスする必要がありま
す。グラウンドまでの、広い周波数レンジでできるだけ低い
インピーダンス・パスを用意するため、複数の値を持つ高周
波セラミック・チップ・コンデンサの使用が推奨されます。
これらのコンデンサはデバイスのできるだけ近くに配置し、
ADG736
1.13kΩ
SELECT R FB
280Ω
18nF
LON
AD8332
5Ω
Ω
200Ω
INH
0.1μF
LMD
LNA
50Ω
5Ω
0.1μF
図70
24
LOP
複数の信号源への対応
REV.0
AD8332
測定時の考慮事項
図51、図52、図53に、50Ω条件での測定の代表的な測定構
成と正しいインターフェース値を示します。
短絡入力ノイズの測定は、図53を使って行います。入力換
算ノイズ・レベルは、出力ノイズをポイントAとポイントBの
間のゲインで除算して求め、スペクトル・アナライザのノイ
ズ・フロアも考慮します。ゲインは注目する各周波数で測定
し、50Ω負荷を直接駆動しているため、低い信号レベルを使
う必要があります。ノイズの測定を行うときは、ジェネレー
タを切り離します。
超音波TGCアプリケーション
AD8332は、医用および工業用の超音波アプリケーションに
最適です。TGCアンプは反射超音波エネルギの反響位置決定
の手段を提供するため、このようなアプリケーションでは重
要なサブシステムです。
AD8332とAD9238を使うと、フル差動システムを設計でき
ます。AD9238はデュアルのフル差動12ビットADCで、最大
65MSPSの変換速度を持っています。その他のフル差動高速
コンバータとしては、10ビットのAD9214 (シングル)、10ビッ
トのAD9218 (デュアル)、12ビットのAD9235 (シングル)など
があります。AD8332とADCの組み合わせの性能は、それぞ
れの評価ボードを組合わせて評価することができます。
REV.0
25
AD8332
ピン機能の説明
28ピンTSSOP (ARパッケージ)
ピン番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
名前
LMD2
INH2
VPS2
LON2
LOP2
COM2
VIP2
VIN2
VCM2
GAIN
RCLMP
VOH2
VOL2
COMM
VPSV
VOL1
VOH1
ENB
HILO
VCM1
VIN1
VIP1
COM1
LOP1
LON1
VPS1
INH1
LMD1
表5
32ピンLFCSP (ACパッケージ)
説明
CH2のLNA信号グラウンド
CH2のLNA入力
CH2の電源LNA、5V
CH2のLNA反転出力
CH2のLNA非反転出力
CH2のLNAグラウンド
CH2のVGA非反転入力
CH2のVGA反転入力
CH2のコモン・モード 電圧
ゲイン制御電圧
出力クランピング抵抗
CH2の非反転VGA出力
CH2の反転VGA出力
VGAグラウンド(両チャンネル)
VGA電源、5V (両チャンネル)
CH1の反転VGA出力
CH1の非反転VGA出力
イネーブル―VGA/LNA
VGAゲインレンジの選択(HIまたはLO)
CH1のコモン・モード 電圧
CH1のVGA反転入力
CH1のVGA非反転入力
CH1のLNAグラウンド
CH1のLNA非反転出力
CH1のLNA反転出力
CH1のLNA電源、5V
CH1のLNA入力
CH1のLNA信号グラウンド
ピン番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
ピン機能の説明―28ピンTSSOP
名前
LON1
VPS1
INH1
LMD1
LMD2
INH2
VPS2
LON2
LOP2
COM2
VIP2
VIN2
VCM2
MODE
GAIN
RCLMP
COMM
VOH2
VOL2
COMM
VPSV
VOL1
VOH1
COMM
ENBV
ENBL
HILO
VCM1
VIN1
VIP1
COM1
LOP1
表6
26
説明
CH1のLNA反転出力
CH1のLNA電源、5V
CH1のLNA入力
CH1のLNA信号グラウンド
CH2のLNA信号グラウンド
CH2のLNA入力
CH2のLNA電源、5V
CH2のLNA反転出力
CH2のLNA非反転出力
CH2のLNAグラウンド
CH2のVGA非反転入力
CH2のVGA反転入力
CH2のコモン・モード 電圧
ゲイン・スロープ・ロジック入力
ゲイン制御電圧
出力クランピング・レベル入力
VGAグラウンド(両チャンネル)
CH2の非反転VGA出力
CH2の反転VGA出力
VGAグラウンド(両チャンネル)
VGA電源、5V(両チャンネル)
CH1の反転VGA出力
CH1の非反転VGA出力
VGAグラウンド(両チャンネル)
VGAイネーブル
LNAイネーブル
VGAゲインレンジの選択(HIまたはLO)
CH1のコモン・モード 電圧
CH1のVGA反転入力
CH1のVGA非反転入力
CH1のLNAグラウンド
CH1のLNA非反転出力
ピン機能の説明―32ピンLFCSP
REV.0
AD8332
COM1
22
VIP1
VIP2 7
VIN2 8
AD8332
20
VCM1
GAIN 10
19
HILO
RCLMP 11
18
ENB
VOH2 12
17
VOH1
VOL2 13
16
VOL1
COMM 14
15
VPSV
26
25
LON1 1
24 COMM
ピン1の識別
VPS1 2
22 VOL1
LMD1 4
AD8332
21 VPSV
LMD2 5
上面図
(実寸ではありません)
20 COMM
INH2 6
19 VOL2
VPS2 7
18 VOH2
LON2 8
17 COMM
9
10
11
12
図72
図71
REV.0
23 VOH1
INH1 3
上面図
(実寸ではありません) 21 VIN1
VCM2 9
ENBV
23
27
28ピンTSSOP
27
13
14
15
16
RCLMP
COM2 6
ENBL
LOP1
28
GAIN
24
HILO
LOP2 5
29
MODE
LON1
VCM1
25
30
VCM2
LON2 4
VIN1
VPS1
31
VIN2
26
VIP1
VPS2 3
32
VIP2
INH1
COM1
27
INH2 2
COM2
LMD1
ピン1の識別
LOP2
28
LMD2 1
LOP1
ピン配置
32ピンLFCSP
AD8332
外形寸法
28
TDS03/2003/700
9.80
9.70
9.60
15
4.50
4.40
4.30
1
6.40 BS C
14
ピン1
0.65
BSC
1.20
MAX
0.15
0.10
0.30
0.19
平坦性 0.10
88
08
0.20
0.09
実装面
0.75
0.60
0.45
JEDEC標準MO-153AEに準拠
図73
28ピン薄型シュリンク・スモール・アウトライン・パッケージ[TSSOP] (RU-28)―寸法はミリメートルで示します。
5.00
BSC SQ
0.60 MA X
0.60 MA X
ピン1の
識別
25
24
ピン1の
識別
0.50
BSC
4.75
BSC SQ
上面図
0.50
0.40
0.30
128MAX
32 1
3.25
3.10 SQ
2.95
裏面図
17
16
9
8
3.50
REF
0.70 MAX
0.65 NOM
0.05 MA X
0.02 NOM
1.00
0.90
0.80
実装面
0.30
0.23
0.18
0.25 REF
平坦性 0.08
JEDEC標準MO-220-VHHD-2に準拠
図74
32ピン・フレーム・チップ・スケール・パッケージ[LFCSP] (CP-32)―寸法はミリメートルで示します。
注意
ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000Vもの高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯電し、
検知されることなく放電されることがあります。本製品には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高エネル
ギーの静電放電を受けたデバイスには回復不可能な損傷が発生することがあります。このため、性能低下や機能喪
失を回避するために、適切なESD予防措置をとるようお奨めします。
WARNING!
ESD SENSITIVE DEVICE
オーダー・ガイド
温度レンジ
−40℃∼+85℃
−40℃∼+85℃
−40℃∼+85℃
−40℃∼+85℃
−40℃∼+85℃
パッケージ
薄型シュリンクSO
薄型シュリンクSO
薄型シュリンクSO
チップ・スケール・パッケージ(営業へご相談ください)
チップ・スケール・パッケージ(営業へご相談ください)
表7
パッケージ外形
TSSOP
TSSOP
TSSOP
LFCSP
LFCSP
PRINTED IN JAPAN
AD8332製品
AD8332ARU
AD8332ARU-REEL
AD8332ARU-REEL7
AD8332ACP-REEL
AD8332ACP-REEL7
オーダー・ガイド
このデータシートはエコマーク認定の再生紙を使用しています。
28
REV.0