SPI制御によるLTE対応アンテナスイッチ

携帯端末向け GaAs MMIC
CXM3548XR, SPI 制御による LTE 対応アンテナスイッチ
CXM3549XR
ソニーのアンテナスイッチは、独自の JPHEMT ※ 1 プロセスにより低挿入損失、低歪みを実現してきました。
今回は、これまで使用してきたパラレル 信号(GPIO)からシリアル 信号(SPI ※ 2)制御方式を搭載しています。
また、次世代高速移動通信規格 LTE ※ 3 でサポートされる周波数に対応し、受信ダイバーシチ用のアンテナスイッチもご用意しました。
“CXM3548XR”および“CXM3549XR”は、最近の携帯端末向け RF デバイスのトレンドであるシリアル制御を
サポートするマルチバンド対応アンテナスイッチです。
※1:JPHEMT:Junction Gate Pseudomorphic High Electron Mobility Transistor
※2:SPI:Serial Peripheral Interface
※3:LTE:Long Term Evolution
■ LTE 対応と SPI インタフェース
■ 低挿入損失、低歪み特性:
挿入損失:
0.88 [email protected] GHz(CXM3548XR)
0.56 [email protected] GHz(CXM3549XR)
IMD3:
‒110 [email protected] GHz(CXM3548/49XR)
■ 小型低背パッケージ:
3.3 mm×3.1 mm×0.35 mm(CXM3548XR)
3.3 mm×2.4 mm×0.35 mm(CXM3549XR)
■ RF ポートへの DC カットコンデ
ンサ不要
LTE 対応
LTE は将来の第4 世代移動通信「4G」
をスムーズに導入するため提唱されまし
た。現在、世界中の通信事業者がこの導
入を予定しています。国内では NTT ド
コモが2010 年12 月24 日からサービスを
開始しました。
将来的には海外ローミング、MIMO 受
信ダイバーシチの対応が想定されます
が、CXM3548XR および CXM3549XR を
使用することで対応が可能となります
(図 -1)
。
SPI 信号
SPI 信号は FRM 、CLK 、DATA の3 線か
らなる同期式のシリアル通信規格です。
高速で通信することが可能となり、他
デバイスとの共通仕様になっています
(図 -2)。
マルチモード・マルチバンド化に対応し
た携帯電話では、これまでの GPIO と呼
ばれるパラレル信号制御に比べ、接続端
子数が少なくて済みます。
これまでの R F デバイスにはあまり馴 染
みのなかった信号制御ですが、ソニーの
MMIC は時代の変化に素早く対応します。
小型低背パッケージ
CXM3548XR お よ び CXM3549XR は 小
型低背である XQFN パッケージを採用
しており、従来品(VQFN パッケージ)
との高さ比で50% 以上の低減となります
(図 -4)。
低挿入損失、低歪み特性
CXM3548XR および CXM3549XR は、ソ
ニー独自の JPHEMT プロセスにより、
低挿入損失を実現しています。これは送
信時の消費電流の低減並びに受信感度の
向上に大きく貢献します(表 -1)。
また LTE では2.6 GHz というこれまで
よりさらに高い周波数をサポートするた
め、挿入損失の影響が大きくなります。
JPHEMT プロセスは今後の高周波数化
に対し、これまで以上の優位性が見込ま
れます。
設 計者
池田 昌宏
今 回 紹 介 し た CX M 3 5 4 8 X R お よ び
CXM3549XR は、これまでのソニー独自
の技術と世の中のトレンドであるシリア
ル信号制御を組み合わせた新しいタイプ
の商品です。時代に素早く対応すること
はソニー MMIC の強さの一つです。
現在は SPI だけでなく MIPI などさまざま
なシリアル・インタフェースに対応したア
ンテナスイッチを提供しておりますので、
ご興味のある方はぜひご連絡ください。
図-1 SPI 制御イメージ図(LTE)
図-2 SPI 信号
SPI信号 タイミング図
tCB
tCC
tCE
Primary (Main)
FRM
ANT1
tCWH tCWL
SPI信号
ANT2
CXM3548XR
RFIC
Slave
Master
CLK
DATA
tDS
Secondary (Sub)
FRM
ANT1
項目
CLK
CXM3549XR
ANT2
記号
SPI Bias Current
SPI Ctrl Current
SPI_Enable
Clock Frequency
Clock Cycle
Clock Begin Time
Clock End Time
Clock Width H
Clock Width L
Data Setup Time
Data Hold Time
DATA
Slave
図-3 ブロック図
CXM3548XR
ANT1
tDH
SPI信号 タイミング仕様
最小値
—
—
10
—
34
tCC/2
tCC/2
tCC × 0.4
tCC × 0.4
5
5
SPI_Idd
SPI_Ictl
SPI_EN
CLK_Freq
tCC
tCB
tCE
tCWH
tCWL
tDS
tDH
仕様
標準値
200
—
—
26
38.4
—
—
—
—
—
—
最大値
400
10
—
—
42
—
—
—
—
—
—
GSM Tx1
図-4 外形寸法図
GSM Tx2
ANT2
CXM3548XR
GSM Rx1
0.35 ± 0.05
3.3
GSM Rx2
20
GSM Rx3
14
21
UMTS TRx1
13
3.1
UMTS TRx2
UMTS TRx3
UMTS TRx4
26
UMTS TRx5
8
1
7
1 pin mark
CXM3549XR
ANT1
CXM3549XR
UMTS TRx1
3.3
UMTS TRx2
ANT2
18
UMTS TRx3
0.35 ± 0.05
12
19
11
UMTS TRx4
2.4
UMTS TRx5
22
8
1
1 pin mark
表-1 主要特性
CXM3548XR 電気的特性
CXM3549XR 電気的特性
TRx1 (Band7)
パラメータ
挿入損失
IMD2∗
IMD3∗
TRx1 (Band7)
周波数 [MHz]
2500∼2570
2620∼2690
Pjam = 120
Pjam = 5190
Pjam = 2415
Pjam = 7725
ANT1
標準値
0.88
0.95
–110
–117
–110
–115
ANT2
標準値
0.90
1.00
–109
–116
–110
–108
ANT1
標準値
0.67
0.70
–110
–115
–111
–115
ANT2
標準値
0.69
0.72
–108
–110
–111
–113
単位
dB
挿入損失
IMD2∗
IMD3∗
パラメータ
挿入損失
dBm
IMD2∗
dBm
IMD3∗
TRx2 (Band1)
パラメータ
7
周波数 [MHz]
2500∼2570
2620∼2690
Pjam = 120
Pjam = 5190
Pjam = 2415
Pjam = 7725
ANT1
標準値
0.56
0.62
–113
–110
–110
–115
ANT2
標準値
0.56
0.58
–113
–110
–110
–115
ANT1
標準値
0.48
0.51
–111
–116
–111
–115
ANT2
標準値
0.46
0.48
–109
–105
–111
–115
単位
dB
dBm
dBm
TRx2 (Band1)
周波数 [MHz]
1920∼1980
2110∼2170
Pjam = 190
Pjam = 4090
Pjam = 1760
Pjam = 6040
単位
dB
パラメータ
挿入損失
dBm
IMD2∗
dBm
IMD3∗
∗ Ptx = +21.5 dBm, Pjam = –15 dBm, meas. = Rx Band
周波数 [MHz]
1920∼1980
2110∼2170
Pjam = 190
Pjam = 4090
Pjam = 1760
Pjam = 6040
単位
dB
dBm
dBm
∗ Ptx = +21.5 dBm, Pjam = –15 dBm, meas. = Rx Band
[単位 : mm]
単位
µA
µA
µs
MHz
ns
ns
ns
ns
ns
ns
ns