2005 年 10月 フ ジ ク ラ 技 報 第 109 号 新 製 品 紹 介 GE-PON 用光トランシーバ 最近,国内では各家庭まで光ファイバを引き込 光ファイバを使った通信では,電気信号を光信 み高速なインターネット通信を可能にする光ブ 号に変換してファイバに送り出し,またその光信 ロードバンド通信(ファイバ・ツゥ・ザ・ホーム, 号を受信して電気信号に戻す機能をもったデバイ FTTH)が急速に立ち上がりつつある.日本電信電 スが必要になる.これをトランシーバと呼んでお 話株式会社殿をはじめ複数の通信事業者が,この り,PON のキーとなるデバイスである.PON では サービスを開始しており,世界に先駆けてアクセ 一心の光ファイバで送受信を行うため,上り用と ス系の光化が進んでいる. 下り用の 2 波長の光を分離して送受信できる構成 FTTH を経済的に実現するために世界的に注目 となっている. されている技術が,Passive Optical Network 当社では今回,各家庭に置かれる Optical (PON)と呼ばれる一台の局用装置(OLT: Optical Network Unit(ONU)装置側で使用されるトラン Line Terminal)を複数加入者で共有する方式であ シーバとOLT 側で使用されるトランシーバをそれ り,特に日本ではギガビット・イーサネット PON ぞれ開発した.ONU/OLT 用共に,形状は SFF と (GE-PON)と呼ばれる1.25Gb/s の高速伝送を32加 呼ばれる小形モジュール(49.4 × 13.4 × 9.8mm)で 入者でシェアする方式が主流となってきている. あり,低消費電力型のトランシーバとなっている. GE-PON は IEEE802.3ah という規格をもとにした 図 1 と図 2 にそれぞれ ONU 用と OLT 用トラン PON であり,一般的なローカルエリアネットワー シーバの外観を示す.また表 1 と表 2 に ONU/OLT ク(LAN)方式であるイーサネットで直接各家庭 用トランシーバの製品仕様を示す.それぞれにロ の端末とつなぐことができるため,インターネッ スバジェットの拡大版も用意しており,ユーザの ト接続とは親和性が高いという特徴を持つ. 仕様に合わせたカスタマイズも行う. 図1 表1 項 目 図2 ONUトランシーバ外観 表2 ONUトランシーバの製品仕様 単 位 仕 様 Gbit/s 1.250 伝送モード − Tx: burst, Rx: continuous 伝送距離 km 10 発光中心波長 nm 1,280∼1,350 dBm −1.0∼+4.0 発光パワー dB >9.0 消光比 最大受光電力 dBm −3.0 最小受光電力 伝送速度 発光パワー 消光比 dBm −25.2 電源電圧 V +3.3 +/−5% 動作温度範囲 ℃ 0∼70 消費電力 W 0.6(Typ.),1.0(Max.) mm 49.4×13.4×9.8 寸 法 項 目 伝送速度 OLT トランシーバ外観 OLT トランシーバの製品仕様 単 位 仕 様 Gbit/s 1.250 伝送モード − Tx: continuous, Rx: burst 伝送距離 km 20 発光中心波長 nm 1,480∼1,500 dBm +2.0∼+7.0 dB >9.0 最大受光電力 dBm −6.0 最小受光電力 dBm −27.0 電源電圧 V +3.3 +/−5% 動作温度範囲 ℃ 0∼70 消費電力 W 0.7(Typ.),1.0(Max.) mm 49.4×13.4×9.8 寸 法 [お問い合わせ] (株)シグマ・リンクス マーケティング部 TEL: 0426-62-0855 FAX: 0426-62-6412 E-mail: [email protected] 70