AN-573: 進化しているOP07 (Rev. B) PDF

AN-573
APPLICATION NOTE
進化している OP07
by Reza Moghimi
OP777/OP727/OP747 データシートでは+5 V と ±15 V の電
源でデバイスの特性が規定されています。OP7x7 ファミリ
は真の単電源駆動能力があるので単電源と両電源の両方のア
プリケーションで低い方は負電源又はグランドまで動作しま
す。
はじめに
OP07 は長期間手直しされながら、その改良版がまだプラス
チック・パッケージ品で供給されております。
このアプリケーション・ノートでは OP7x7 が新しい回路設
計にもたらしたいくつかの主な特徴をハイライトします。又
これらの特徴を利用した多くのアプリケーションを紹介しま
す。
図1は計装アンプ(U3 と U4 で構成)のゲインが 100 に設
定されていることを示します。AD589 は 1.235 V を発生し
ます。U1 アンプはブリッジを制御し、2.55 MΩ と 6.19 kΩ
の並列抵抗の両端電圧を一定に維持する事により 200 µA 電
流源を発生させます。この電流は均等に分かれ、ブリッジの
右半分、左半分の両側に流れるので RTD にも流れて、この
値に基づいた出力電圧を発生します。
単電源動作
今日の環境下で使用する電子部品として最大の問題の一つは
OP07 が両電源を必要とする事です。アナログ・デバイセズ
社から販売されているこのオペアンプ・ファミリはこの問題
を解決し、しかもオリジナルの特性に近い値に維持されてい
ます。シングル(OP777) , デュアル(OP727) , クワッド
(OP747)オペアンプの電源動作範囲は両電源では ±15V か
ら低い方は±1.35 V まであり、単電源では +30 V から低い
方は+2.7 V まであります。
5V
R4
26.7kΩ
AD589
N D1
2
1
U1
V–
1/4
OP747
R2
200Ω
GAIN = 100 (V2 – V1)
V2
R7
100Ω
RTD
100Ω
V1
R5
26.7kΩ
R8
2.55MΩ
R9
6.19kΩ
R12
1MΩ
R4
10.1kΩ
U3
VOUT
U4
1/4
OP747
R14
10.1kΩ
1/4
OP747
R15
1MΩ
02380-001
R3
37.4kΩ
V+
3
図 1.低消費電力単電源 RTD アンプ
アナログ・デバイセズ社は、提供する情報が正確で信頼できるものであることを期していますが、その情報の利用に関して、あるいは利用に
よって生じる第三者の特許やその他の権利の侵害に関して一切の責任を負いません。また、アナログ・デバイセズ社の特許または特許の権利
の使用を明示的または暗示的に許諾するものでもありません。仕様は、予告なく変更される場合があります。本紙記載の商標および登録商標
は、各社の所有に属します。※日本語資料は REVISION が古い場合があります。最新の内容については、英語版をご参照ください。
Rev. B
©2010 Analog Devices, Inc. All rights reserved.
本
社/〒105-6891 東京都港区海岸 1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワービル
電話 03(5402)8200
大阪営業所/〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原 3-5-36 新大阪トラストタワー
電話 06(6350)6868
Rev. B | Page 1 of 9
AN-573
APPLICATION NOTE
目次
はじめに ...................................................................................1
レール to レール出力 ............................................................. 6
単電源動作 ...............................................................................1
負レール入力 .......................................................................... 6
改訂履歴 ...................................................................................2
3 V 超過の入力電圧 ............................................................... 7
超低電源電流 ...........................................................................4
高精度性能を得るための回路設計上の注意点 ................... 7
入力クランプ・ダイオードが不要 .......................................5
改訂履歴
3/10—Rev. A to Rev. B
Changes to Format .................................................. Universal
Changes to Introduction Section and Single-Supply
Operation Section ................................................................. 1
Changes to Figure 2 and Figure 4 ........................................ 3
Changes to Much Lower Supply Currents Section ............... 4
Changes to Absence of Clamping Diodes at the Inputs
Section and Figure 10 .......................................................... 5
Changes to Figure 14 and Figure 16 .................................... 6
Changes to 3 V Over the Input Section ................................ 7
6/03—Rev. 0 to Rev. A
11/02—Revision 0:初版
Rev. B | Page 2 of 9
AN-573
APPLICATION NOTE
VIN 0V TO 3V
R23
10kΩ
R24
100kΩ
R21
182kΩ
R20
1.21MΩ
V+
3
2
VIN
R26
100Ω
3
OP777
1
2
R25
220Ω
V–
R22
1kΩ
12V TO
30V
T1
TRIM
Q1
2N1711
VOUT
TWIST
PAIR
5
R29
100Ω
4mA TO 20mA
6
GND
C2
220pF
2
1
HP5082-2800
REF-02A/D
R28
100kΩ
4
02380-002
D2
R27
100kΩ
図 2.セルフパワード 4mA~20 mA 電流ループ・トランスミッタ
+VS
2
VS
+VS
REF192
OUTPUT
GND
4
6
3
V+
1
C7
0.1µF
2
V–
1/4
OP747
R1
R1 (1 + δ)
A = 300
AR1 × VREF
VOUT =
δ + 2.5V
2R2
VOUT
R91
10.1kΩ
R1 (1 + δ)
R1
1/4
OP747
+VS
1/4
OP747
2
R83
1MΩ
VS
R2
REF192
OUTPUT
R84
6 1MΩ
R82
10.1kΩ
02380-003
GND
R85
10kΩ
4
図 3.単電源線形応答ブリッジ
2.67kΩ
図 2 に示すように、回路は単電源(12V~30V)リターンか
らフローティングになっています。この回路の消費電流
はわずか 1.5 mA なので、他の信号処理回路を駆動するた
めに必要な 2.5mA を供給できます。

R
R
+3V
V+
3
2
V–
100kΩ
1/4
OP747
1µF
2.67kΩ
2.67kΩ
2µF
1.33kΩ
2.67kΩ
A2
VOUT
1/4
OP747
1kΩ
1kΩ
+3V
1MΩ
1µF
単電源システムで AC 信号を処理する時、仮想グラウン
ド・バイアス回路を利用する方が良い場合があります。
図 4 ではアンプ A3 によって仮想グラウンドが行われて
います。50 Hz.を除去するにはツイン-T 回路の抵抗 2.67
kΩ を 3.16 kΩ に置き換えてください。感度はツイン-T 回
路のキャパシタンスと抵抗それぞれの相対的なマッチン
グ度に依存します。満足できる結果を得るためマイラ
(5%)と 1%抵抗を使用してください。
1µF
1
A1
1MΩ
1/4
OP747
499Ω
A3
0.01µF
100kΩ
1µF
02380-004
OP7x7 は多くのブリッジ・アプリケーションに非常に有
用です。図 3 はその出力がブリッジの微小偏差(δ) に直線
的に比例する単電源ブリッジ回路です。ここで δ は次の
式の値です。
VIN
図 4.仮想グランドの 3 V 単電源 50 Hz/60 Hz アクティブ・
ノッチ・フィルタ
Rev. B | Page 3 of 9
AN-573
APPLICATION NOTE
超低電源電流
2
R12
1MΩ
V2
V+
U4
U3
1
1/2
V– OP727
10V
1 F
AD680AD
2
1/2
OP727
IN4002
R48
6 10kΩ
VOUT
VIN
GND
R13
10.1kΩ
R14
10.1kΩ
3
V+
抵抗回路の精度を抵抗対抵抗の不一致(パーセント)で規
定するのが一般的です。これを反映させて CMRR の公式
を書き直すと次の式になります。
CMRR = 20 × log(10000/% mismatch)
CMRR を高くするために重要な事は、抵抗比と相対的ド
リフトの両方の面でよくマッチングしている抵抗網です。
抵抗の絶対値とそれらの絶対的なドリフトは重要ではなく、
マッチング度が重要です。抵抗回路のミスマッチ度が
0.1%の場合 CMRR は 100dB です。CMRR を最大にする
ために、R12 のような抵抗の一つを調整する必要がありま
す。一個のパッケージに収納された 2 個のオペアンプ
(OP727)を精度よくマッチングをとる事により性能が大き
く向上し、3 個使いのオペアンプ構成以上の性能が得られ
ます。
5V
10kΩ
10kΩ
2.5V
1/4
OP747
図 6.複数出力トラッキング電圧リファレンス
図 7 はホールドバック電流制限回路付き電圧レギュレータ
又はクローバ保護回路付き高電流電源回路に組み込む事が
できる、5V 単電源電流モニターの例を示します。回路は
グラウンドまである OP777 の同相範囲を利用しています。
電流は電源リターンでモニターされ、0.1 Ω シャント抵抗
RSENSE で非常に小さな電圧降下を生じます。反転端子の
電圧は Q1(2N222A 又は等価の NPN トランジスタ)のフ
ィードバックを通して非反転端子の電圧に等しくなります。
これにより R3 の電圧降下が RSENSE の電圧降下に等しく
なります。それ故 Q1 を流れる電流は RSENSE を流れる電
流に直接比例するので、出力電圧は次の式で与えられます。
VOUT = 5 V − (R2/R3) × RSENSE × IL)
IL が増加すると R2 の電圧降下が増加します;それ故より
高い電源電流が検出された時 VOUT が減尐します。図7に
示されている部品の値の場合、リターン電流 1A で VOUT
は 2.5 V です。
RETURN TO
GROUND
5V
この回路の場合、 0.02 mV ≤ (V1 − V2) ≤ 290 mV, 2 mV ≤
VOUT ≤ 29 V で、VO = 100(V2 − V1) となります。
図 6 に示すように、OP747 は優れた dc 精度と性能がある
ので、単一の信号源から複数出力トラッキング電圧リファ
レンスを発生する回路に使用できます。
10kΩ
1/4
OP747
C8
1µF
図 5. 単電源マイクロパワー計装アンプ
CMRR = 20 × log(100/(1 − (R15 × R14)/(R13 × R12))
7.5V
1
1/4
V– OP747
R50
10kΩ
OP727 はオペアンプ2個使いの計装アンプ回路に使用で
きます。1 個の OP727 アンプを使用した単電源計装アン
プを図 5 に示します。真の差動出力を得るには R14/R12
= R15/R13 でなければなりません。dc 回路の CMRR の公
式を次に示します。
1/4
OP747
2µF
4
R15
1MΩ
10kΩ
+VS
2
3
TEMP
VOUT
R49
10kΩ
02380-005
3
V1
22kΩ
02380-006
5V
+15V
R2
2.49kΩ
VOUT
Q1
2N2222A/ZTX
RSENSE
0.1Ω
R3
100Ω
3 V+
2
U1
V–
図 7.ローサイド電流検出回路
Rev. B | Page 4 of 9
1
OP777
02380-007
OP07 の静止電流は、今日携帯アプリケーションで要求さ
れるレベルより大きいです。±15 V 動作の場合、計装アン
プ OP777 の静止電流は 350 µA 以下ですが、OP07 の静
止電流は 4mA です。電力消費に関しては、OP777 は多く
の携帯アプリケーションに使用できます。
AN-573
APPLICATION NOTE
図 8 は単純な加算アンプとして構成された OP777 を示し
ます。出力は V1 と V2 の合計です。
+15V
+15V
VIN
V+
OP777
1
2
V1
TRIM
21
17
VOUT
16
V–
10kΩ
15
14
13
02380-008
–15V
V2
10kΩ
12
11
10
図 8.加算アンプ
9
入力クランプ・ダイオードが不要
8
7
アンプの差動電圧が大きいので、整流回路や高精度コンパ
レータ・アプリケーションでの動作が可能です。外付けク
ランプ・ダイオード(OP07 には内蔵)の必要がありませ
ん;このようなダイオードはしばしば高精度オペアンプに
必要ですが、多くのコンパレータ回路では問題となります。
6
19
20
4
22
18
図 9 に示した簡単な発振器は、図に示されている値の場合、
1 kHz で ±VS の矩形波出力を発生します。他の発振周波数
は次の式を利用する事により得られます。
DB0
ADR01
VDD
VOUT
DB1
GND
DB2
4
DB3
DB4
2
IOUTA
24
IOUTB
3
RFBA
23
RFBB
DB5
DB6
DB7
DB8
DB9
+5V
DB10
DB11
DAC8222
LDAC
WR
VREFA
V+
2
1/2
OP727
R68
10kΩ
VREFB
2N2222A/ZTX
1N4148
R67
10kΩ
5
1/2
OP727
図 10.プログラマブル高分解能ウインド・コンパレータ
OP777 は高精度閾値検出器回路に使用されます。この回
路で、 VIN < VT の時、アンプは負に振れダイオードは逆バ
イアスになります。ここで RL = 無限であれば、 VOUT =
VTH。VIN ≥ VTH の時、フィードバックが行われ、VOUT =
VTH + (VIN − VTH)(1 + RF/RS)になります。
C はループ応答を滑らかにするために選ばれます。
+VS
V+
1
2
V–
10kΩ
–15V
R61
100kΩ
C10
0.01µF
TTL OUT
VIN
f = 1/(2R3 × C10 × ln ((R61 + R60)/R61)
3
1kΩ
1N4148
V–
R60
100kΩ
1
10kΩ
DACA
DACB
AGND DGND
1
3
02380-010
10kΩ
3
OP777
VOUT
VOUT = ±(VS) @ 1kHz
R3
68kΩ
02380-009
–VS
+15V
2kΩ
V+
VIN
図 9.フリー・ランニング矩形波アンプ
1N4148
VOUT = VTH + (VIN – VTH) 1+
プログラマブル・ウインド・コンパレータは 12 ビット精
度があります。DAC8222 は上位と下位の閾値を設定する
電圧に使用されます。
VTH
RS
1kΩ
V–
OP777
–15V
RF
100kΩ
C
図 11.高精度閾値検出器/アンプ
Rev. B | Page 5 of 9
RF
RS
02380-011
3.3kΩ
AN-573
APPLICATION NOTE
VIN > 0 V で<2 kHz の場合、フィードバック抵抗を通って
電流は流れず、出力電圧は入力に追従します。VIN < 0 V
の場合、初段のアンプの出力は 0 V(すなわち、−VS)と
なり、2 段目のアンプが反転フォロア回路になります。出
力は入力信号を全波整流した波形になります。図 12 に示
す回路からわかるように、入力信号を半波整流した波形も
初段アンプの出力から得られます。
図 14 に単電源電流源を示します。マイクロパワー動作を
維持するために大きな抵抗値が使用されています。出力電
流は抵抗 R10 を変える事により調整されます。コンプラ
イアンス電圧は下記のようになります。
|VL| ≤ |VSAT| − |VS|; IOUT = R2/(R8 × R10) × VS;
IOUT = 1 mA to 11 mA; R2 = R10 + R7
2.7V TO 30V
R7
97.3kΩ
VOUT (HALF-WAVE RECTIFIED)
5V
V+
1
VOUT (FULL-WAVE
RECTIFIED)
100kΩ
100kΩ
1 IOUT = 1mA TO 11mA
RLOAD
OP777
V–
R9
100kΩ
1/2
OP727
02380-012
V–
V+
U3
2
C2
10pF
2
1/2
OP727
3
R6
100k
02380-014
3
2V p-p
R10
2.7kΩ
R8
100kΩ
C1
10pF
図 12.単電源半波整流と全波整流
図 14.単電源電流源
レール TO レール出力
単電源アプリケーションで、モーターあるいはアクチュエ
ータを 2 方向へ駆動する時、しばしばH-ブリッジ(図 15
を参照)が使用されます。このモーター駆動回路は負荷を
両方向に 0 V ~ 5 V の範囲駆動する能力があります。誘導
負荷を両方向に駆動する場合、誘導性キックバックからブ
リッジを保護するためにダイオード・クランプを追加して
ください。
出力は、軽負荷では上下それぞれの電源レールの 1mV 以
内まで振れ、デバイスは電圧フォロア回路で安定動作しま
す。出力短絡保護回路により±15 V 両電源の場合、30 mA
(5V 単電源では 10mA)に制限されデバイスが保護されま
す。
負レール入力
アンプは単電源回路でグラウンドの上 1mV 程度の低い信
号まで応答します。OP7x7 ファミリは真の単電源駆動が
可能なので、単電源、両電源アプリケーションの両方で下
は負電源あるいはグラウンドまで動作します。
5V
5V
3
1.67V
OP727 は高ゲイン、低 TCVOS なので、マイクロボルト・
レベルの入力信号でも高精度動作を保証します。(図 13
を参照)この回路では、入力はオペアンプに対して常に同
相信号になります。OP727 の CMRR は 120dB 以上なの
で、誤差は 2 ppm 以下です。
R39
5kΩ
1/2
OP727
V–
R38
10kΩ
Q4
2N2222A/ZTX
1
U3
2
0V < VIN < 2.5V
Q3
2N2222A/ZTX
V+
VOUT
Q5
2N2907
Q6
2N2907
+15V
1
2kΩ
U3
1/2
OP727
V–
1/2
OP727
–15V
30pF
D3
1N4148
1kΩ
1kΩ
図 13.高精度絶対値アンプ
1/2
OP727
R40
10kΩ
0V < VOUT < 10V
2
R37
10kΩ
02380-015
D3
1N4148
V+
図 15.Hブリッジ
図 16 に示す電流源は接地されている負荷に正と負の両方
の電流を供給します。ZOUT は次の式で与えられます。
ZOUT = R2B × ((R2A/R1) + 1)/((R2B + R2A)/R1) −
R2/R5
ここで (R2A + R2B)/R1 = R2/R5 とすれば、ZOUT が無限大
になります。
R2A
1.8kΩ
VCC
R5
2kΩ
VIN
3
2
7
R2B
200Ω
V+
6 IOUT = VIN/200Ω
U1
V–
4
R1
2kΩ
OP777
VEE
R2 = R2A+R2B
R2
2kΩ
図 16. 双方向電流源
Rev. B | Page 6 of 9
RLOAD
02380-016
3
02380-013
VIN
AN-573
APPLICATION NOTE
3V超過の入力電圧
PNP 入力段は 500 Ω 電流制限抵抗で保護されているので
入力電圧が上下いずれの電源電圧から 3V まで超過しても
破損や位相反転を生じません。位相反転保護はいずれか一
つ又は両方の入力にそれらの入力同相電圧範囲を超えた電
圧が印加された時動作します。
VS = ±15V
AV = 1
INPUT
±15 V 動作回路向けに小型 8 ピン MSOP パッケージの低
ノイズ高精度アンプ OP777 があります。OP777 は 8 ピン
SOIC 表面実装パッケージもあります。
このオペアンプ・ファミリは計測器、リモート・センサ
ー・アクイジション、高精度フィルタに非常に便利です。
電圧範囲が広いので単電源電流源や広範囲計装アンプに使
用できます。単電源と両電源駆動のリニア応答ブリッジを
作成する事ができます。このデバイスは同相電圧範囲が単
電源回路でグランドまであるので、電源コントローラ回路
のローサイド電流モニターとして理想的です。
02380-017
VOLTAGE (5V/DIV)
OUTPUT
TIME (400µs/DIV)
図 17.位相反転なし
OP777/
OP727/
OP747
02380-018
30V
V p-p = 32V
VS = ±15V
AV = 1
VIN
VOLTAGE (5V/DIV)
高精度性能を得るための回路設計上の注意点
どのアプリケーションでも同じように、最良の性能を得る
にはグラウンド・プレーンをしっかり行うことが必要です。
基準点を低インピーダンスにする事より、グラウンド・ル
ープの好ましくない影響や I × R 損失を大幅に減らす事が
できます。多層基板設計を使いその一層をグラウンド・プ
レーンにする事により最良の結果が得られます。
センサーを使用する時、高周波干渉ノイズを最小にし、低
周波数のグラウンド・ループを防ぐためにシールド接地の
技術が必要です。ケーブル・シールド・システムにはケー
ブル端末コネクタを含む必要があります。
図 18.ユニティ・ゲイン・フォロア
02380-019
VOUT
TIME (400µs/DIV)
ゲイン特性は、もちろん、電源電圧が違うとかなり異なり
ます。25℃での最大電圧オフセットは 100 µV、入力オフ
セット電流は 2 nA、入力バイアス電流はわずか 10 nAmax
です。単電源 5V で、CMRR は 110 dBtyp となり、大信号
電圧ゲインは 10 kΩ 負荷で 500V/mV typ です。±15 V 電
源では CMRR は(驚くことではなく)10 dB 増加し 120
dB になり、大信号電圧ゲインは 2500 V/mV に増えます。
図 19.入力電圧は破損する事なく電源電圧を超える事ができます。
デバイスが単電源又は両電源のいずれで使われようと、そ
の動的性能とノイズ特性は類似しています。 2 kΩ 負荷で
のスルーレートは 200 mV/µs で、ゲイン帯域幅積は 700
kHz です。0.1 Hz ~ 10 Hz のピーク to ピーク・ノイズは
0.4µV で、1KHz での電圧ノイズ密度は 15 nV√Hz です。
多くのシステムで通常高い出力ノイズのあるスイッチング
電源が使用されます。このノイズは一般的に広帯域周波数
に拡散しており、伝導性ノイズや放射ノイズとして不要な
電界、又は磁界を生じます。スイッチング電源の電圧出力
ノイズは簡単に 100 MHz あるいはさらに高い周波数成分
にまで及ぶ短期間電圧トランジェント又はスパイクです。
スイッチング電源を rms ノイズについて規定する事は通
常メーカーのやり方ですが、ユーザーは個々のシステムの
出力負荷でのスイッチング・スパイクのピーク(又はピー
ク to ピーク)振幅も規定する必要があります。ノイズ除
去フィルタにはコンデンサ、インダクタ、フェライト・ビ
ーズ、抵抗が使用されます。リニア・ポスト・レギュレー
ションも使用され影響を受けやすいアナログ回路から電源
回路を分離します。アナログ・デバイセズ社は多数の
anyCAP®低ドロップアウト・リニア・レギュレータを製
造しています。これらデバイスとして例えば電源電圧 12V
以下の ADP3300 ~ ADP3310 と ADP3335 ~ ADP3339
があります。
Rev. B | Page 7 of 9
AN-573
APPLICATION NOTE
コンデンサはおそらくスイッチング素子にとって単一のも
っとも重要なフィルタ部品です。スイッチング素子に適し
た 10 kHz ~ 100 MHz 周波数範囲でのフィルタに有効な
コンデンサには一般的に 3 クラスがあります。コンデンサ
はそれらの汎用誘電体タイプにより幅広く区別されま
す:電解、フィルム、セラミックコンデンサに関する背景
とチュートリアル情報は Walter G. Jung, Richard Marsh,
Picking Capacitors, Part 1 と Part 2, AUDIO (February,
March 1980) 記事、多数の部品メーカーのカタログにあり
ます。
電源バイパスにはチップ・コンデンサを使用し、コンデン
サの一端はグラウンド・プレーンに接続し、もう一端は各
電源ピンから⅛インチ以内に接続してください。 さらに
追加の大きな値のタンタル電解コンデンサ (4.7 µF to 10
µF)を並列に接続してください。このコンデンサは必ずし
も電源ピンの近くに接続する必要はありません。なぜなら
デバイスの出力での高速で大きな信号変化に必要な電流を
供給するからです。
電圧降下を低減し、インダクタンスを最小限にするために、
短く幅広い PCB パターンを使用してください。最小の
DCR にするには 1 インチのパターン長あたり尐なくとも
200ml のパターン幅にしてください、そして IR 降下やイ
ンダクタンスをさらに低減するには 1 オンス又は 2 オンス
の銅 PCB パターンを使用してください。
オペアンプの最大ジャンクション温度又は最大電源消費電
力の定格を超えないように注意してください。アンプ出力
に容量性負荷が接続されている場合は、負荷に流れる rms
ac 電流によって起こる電力消費も計算にいれてください。
ピン・インダクタンスを最小限にするために、短いピンの
部品又はリードレス部品を使用してください。そうすれば
余分な ESL と/又は ESR が加わる可能性を最小限に抑え
る事ができます。表面実装パッケージがお勧めです。イン
ピーダンスを最小にするため、大きな面積のグラウンド・
プレーンを使用してください。周波数、電流、温度の変化
に対して部品がどのように動作するか注意してください。
試作設計のシミュレーションにメーカーの部品モデルを利
用し、実験室での測定結果がシミュレーション結果にほぼ
一致するか確認してください。スパイス・モデルはアナロ
グ回路の特性を推定するための強力なツールです。アナロ
グ・デバイセズ社はそのほとんどの IC のマクロモデルを
提供しています。スパイス・モデルは OP777 製品ページ
からダウンロードできます。
モデルは多くの実際の回路の影響を除外しており、デスク
リート部品や PCB パターンのすべての寄生的な影響をシ
ミュレーションする事は不可能なので、生産に入る前に試
作を作り立証してください。試作を成功させるために、高
精度又は高周波数回路には常にグラウンド・プレーンを使
ってください。寄生抵抗、寄生容量、寄生インダクタンス
を最小にしてください。ソケットが必要であれば、ピン・
ソケット(ケージ・ジャック)を使用してください。試作、
最終設計の両方とも、信号配線、部品配置、接地、デカッ
プリングにも同様の注意を払ってください。良く知られて
いる試作技術にはポイント to ポイント配線のフリーハン
ド・デッドバック、半田実装、CAD レイアウトによって
加工された PCB、追加のポイント to ポイント配線が必要
な両面多層基板があります。
Rev. B | Page 8 of 9
AN-573
APPLICATION NOTE
ノート
©2008 Analog Devices, Inc. All rights reserved.
商標および登録商標は各社の所有に属します。
Rev. B | Page 9 of 9