新製品紹介 次世代基地局用小型ハイパワーアイソレーター Small-Sized High Power Isolator for Next Generation Base Stations Isolator : DSI-15,22,30 series 2012 年に本格サービス開始が見込 が求められる。また環境対応のため に応じてサイズ径 1 5 ∼ 30 mm(商 まれる LTE ®(Long Term Evolution) の低消費電力(低挿入損失)化,低 品名:DSI-15,22 ,30 シリーズ)の に代表される各種次世代通信方式 コスト化も重要な課題である。かか 製品を開発した(図 1) 。 は,広範囲・高速移動中において従 る技術的課題に対応するためには, 来通信方式と比べて高データ伝送速 高性能ガーネットおよびセラミック 再現性の高い実績値として,2.6 度とするために高出力・高線形特性 ス材料開発,磁気・高周波回路設計 GHz 帯 DSI-15 で挿入損失 0.15 dB, が求められる。その基地局に用いら の最適化が不可欠といえる。 アイソレーション 40 dB,相互変調 図 2 に製品の分解構造を示す。 歪 76 dBc(45 W を 2 波入力時)を れ る ア イ ソ レ ー タ ー は, 送 信 PA 日立金属はアイソレーターの高機 (Power Amplifier)の後段に接続さ 能化に対応するため,自社開発の低 達成した(表 1) 。さらに,3 次元電 れ,PA への外部環境変化による影 飽和磁化で低強磁性共鳴半値幅を特 磁界構造シミュレーションによる高 響を緩和し,高品質の信号を安定し 長とするガーネット新材料を開発 周波回路設計技術を高精度化して, た動作で送信させる役割を担ってい し,相互変調歪低減に有効な高磁界 特性最適化とともに開発期間・コスト る。アイソレーターには,耐電力性・ 動作用の磁気回路および高 Q(低損 の短縮にも取り組み中である(図 3) 。 低相互変調歪 ・高アイソレーショ 失)セラミック材料を組み合わせて *低相互変調歪:Inter Moduration Distortion ン(逆方向損失) ・小型・広帯域化 高周波回路を最適化し,設計周波数 * (情報部品カンパニー) I-30 DS Upper case I-22 Garnet 1 DS Iron plate 1 I-15 Center conductor DS Magnet Garnet 2 Iron plate 2 Lower case Shield plate 20 mm 図1 小型ハイパワーアイソレーターの外観写真 Fig. 1 Appearance of small-sized high power isolators DSI-15 Item / Model DSI-22 DSI-30 Frequency (GHz) 2.6 1.8 0.9 Insertion loss (dB) typ 0.15 0.14 0.18 Isolation (dB) typ V.S.W.R.[ IN ] V.S.W.R.[ OUT ] typ typ IMD*(45W x2)(dBc) typ Handling power (W) max IMD*: Inter Moduration Distortion 40.0 1.08 1.08 76.0 700 40.0 1.04 1.04 80.0 700 40.0 1.06 1.06 0.0 0 Isolation (dB) 表 1 DSI-15,22,30 シリーズ品の主な特性一覧 Table 1 Characteristics of DSI-15,22,30 series Insertion Loss(dB) 図2 製品分解構造図 Fig. 2 Configuration of developed isolator 0.4 0.8 1.2 Trial sample Simulation 1.6 2.0 1.6 20 40 60 Trial sample Simulation 80 2.0 2.4 Frequency (GHz) (a)Insertion Loss 100 1.6 2.0 2.4 Frequency (GHz) (b)Isolation 83.0 700 図3 試作とシミュレーション結果との比較 Fig. 3 Comparison between simulation and trial sample results (a) Insertion loss and (b) Isolation 日立金属技報 Vol. 27(2011) 61