LTE 基地局用5 mm 角高性能アイソレータXXX KB

新製品紹介
LTE 基地局用 5 mm 角高性能アイソレータ
5 mm Square-Sized High Performance Isolator for LTE Base Stations
Isolator :ESI-5CM series
移動体通信システムとしてはこ
る。基地局に用いられるアイソレー
有効な高磁界動作用の磁気回路およ
れま で W-CDMA(Wideband Code
タは送信 PA(Power Amplifier)の
び高 Q(低損失)Capacitor 材料を組
Division Multiple Access)や CDMA
後段に配置され,PA への外部環境
み合わせて高周波回路を最適化し,
2000(Code Division Multiple Access
変化による影響を緩和し,高品質の
LTE に割り当てられている各周波
2000)に代表される第 3 世代
(3G)と
信号を安定した動作で送信させる役
数帯に対応する 5 mm 角製品(商品
呼ばれるシステムが主流であった
割を担っており,スモールセル基地
名:ESI- 5 CM シリーズ)を開発した
が,2012 年より 3G システムよりさ
局の最終段や前段 PA との段間には
(図 1)。図 2 に製品の分解構造図を
らに高速・大容量通信を可能とした
数十 W 仕様の小型アイソレータが
示す。再現性の高い実績値として,
LTE (Long Term Evolution)
通信
多数使用されている。アイソレータ
LTE Band41 の 2.6 GHz 帯 / 帯域幅
方式のサービスが開始され,全世界
に要求されるのは低挿入損失・高ア
194 MHz で挿入損失 0.35 dB,アイ
で急速に普及している。
イソレーション(逆方向損失)・低コ
ソレーション 17 dB,相互変調歪−
3G 基地局では取扱い電力が最大
ストのほか,LTE 用途では特に低
70 dBc( 室 温 に て 1W を 2 波 入 力
で数百 W 仕様のマクロセル基地局
相互変調歪の要求が強い。
時)を達成した(表 1)
(図 3)
。
が主流であったが,LTE ではスモー
日立金属はこれらの技術課題に対
ルセルと呼ばれる最大で数十 W 程
応するため,低飽和磁化で低強磁性
度の小型基地局を多数配置すること
共鳴半値幅を特長とするガーネット
で広範囲のエリアをカバーしてい
新材料を開発し,相互変調歪低減に
*
(磁性材料カンパニー)
* LTE:欧州電気通信標準協会登録商標
表 1 ESI-5CM シリーズ品の主な特性一覧
Table 1 Specification of ESI-5CM series
ESI-5CM series
Item/Model
LTE band
5 mm
5 mm
Frequency
(GHz)
Bandwidth
(MHz)
Insertion loss
(dB)
Isolation
(dB)
V.S.W.R.*1 [IN]
図 1 開発品の外観写真
Fig. 1 Appearance of developed isolator
Upper case
V.S.W.R.*1 [OUT]
IMD*2 (1W x2tones)
(dBc)
typ
41
1
2
2.6
2.1
1.9
194
60
60
0.35
0.35
0.35
typ
17
18
18
typ
1.4
1.3
1.3
typ
1.4
1.3
1.3
typ
−70
−70
−75
*1: V.S.W.R. : Voltage Standing Wave Ratio
*2: IMD: Inter Modulation Distortion
Magnet
(a)
Resistor
Capacitor
Insertion loss (dB)
Garnet
(b)
0
0
0.2
10
Isolation (dB)
Center conductor
0.4
0.6
0.8
20
30
40
Resin Case
Lower case
1.0
2,400
2,500
2,600
2,700
Frequency (MHz)
図 2 開発品の分解構造図
Fig. 2 Configuration of developed isolator
2,800
50
2,400
2,500
2,600
2,700
2,800
Frequency (MHz)
図 3 電気特性一例(LTE バンド 41)
Fig. 3 Electrical characteristics of LTE band 41 (example) (a) insertion loss (b) isolation
日立金属技報 Vol. 30(2014) 59