新製品紹介 温水パネル Hot Water Panel for Snow Melting System Hot water panel 積雪地域においては,積雪による交 通障害の低減や歩行者の安全確保, り,効率のよいシステムの開発が望ま パターンで形成し, 圧力損失を抑えた。 れている。 システムの例を図 3 に,製品の特長 を以下に示す。 日立金属では,薄板鋼板を用いた 鉄道等の安全運行を目的としてさまざ まな雪害への取り組みがなされている。 熱交換器を製作し,水源が不要で騒 雪害対策としては,直接散 水して 音や凍結の心配がなく,省エネルギー (1)高い放熱性能 放熱面は厚さ 2.3 mm の鋼板であ 融雪を行う散水融雪方式と,パイプ 性に優れた温水パネルを製品化した。 り,流路を循環する熱媒体の熱は鋼 やパネルを敷設し,温水を循環させて 製品の外観を図 1 に示す。 板のみを介して交換されるため,低温 熱源でも融雪が可能(図 4) 。 融雪する無散水融雪方式の 2 つの方 この温水パネルは,歩道や道路脇 法がある。地下水が豊富で気温が比 あるいは鉄道軌道脇に設置し,除雪 較的高い地域では散水融雪方式が, 車によって集められた雪を,パネル内 鋼板製の流路が剛性を受け持つた 気温が低く散水の凍結が問題となる を循環する熱媒体と熱交換し,融雪 め,歩廊としても使用可能な強度を有 場所や水源の確保が困難な場所で を行うものである。図 2 に融雪運転の は,無散水融雪方式が採用されるこ 状況を示す。 (2)耐荷重性 する。 (3)耐食性 溶融亜鉛めっきを施し,塩害地域 構造は,薄板鋼板で放熱面を形成 とが多い。 いずれの方式も,資源の循環利用 し,これに流路部を溶接した構造に と省エネルギーへの要請が高まってお なっている。流路部は連続した台形 (a) でも使用可能。 (配管機器カンパニー) (b) (a) (b) (c) 200 mm 200 mm 図 2 融雪運転状況(a)運転開始 , (b)15 分後 ,(c)45 分後 Fig. 2 Example of snow melting operation (a) start, (b) 15min. later, (c) 45min. later 温水パネル 補給水 (不凍液) 加熱機 膨張 タンク 循環ポンプ Amount of heat radiation (W/m2) 図 1 温水パネル(幅 2,735 mm ×奥行 950 mm)の外観 ,(a)放熱面,(b)流路面 Fig. 1 Appearance of hot water panel (a) heat radiation side, (b) channel side 7,000 Panel inlet temp. :8℃ 6,000 :12℃ 5,000 :15℃ 4,000 :30℃ 3,000 2,000 1,000 0 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 3 Flow rate (m /h) 図 3 温水パネルシステム例 Fig. 3 Example of hot water panel system 図 4 温水パネルの放熱特性 Fig. 4 Heat radiation characteristics of hot water panel 日立金属技報 Vol. 28(2012) 59