高精度抵抗材料

新製品紹介
高精度抵抗材料
High Accuracy Resistance Alloy
Resistance alloy :MC-1, MC-2
金属材料は,一般的に図 1 に示す
電気抵抗,低 TCR 材料を販売して
Ω・m,MC-2 が 29 × 10 − 8 Ω・m
純 銅(Cu)の よ う に, 温 度 変 化 に
きたが,2010 年代以降,自動車に
と,低い体積抵抗率を実現した。
伴い電気抵抗が変化する特性を有す
おける電装化の急速な進行,またハ
る。金属材料の中でも抵抗の温度係
イブリット車や電気自動車の躍進に
TCR は± 10 ppm/K であり,これ
数(TCR: Temperature Coefficient
より,大電流を流す用途で正確に電
まで量産化していた当社従来品と
of Resistance)が小さいものは,抵
流を測定する必要が高まった。
比較して,最も低い値である。こ
抗材料と呼ばれている。
そこで,NEOMAX マテリアルは,
れにより,環境の温度変化に対し
抵抗材料は,スマートフォンなど
低電気抵抗,低 TCR である高精度
て精度良く電流が測定できる。
の情報機器や自動車などに搭載さ
抵抗材料(MC シリーズ)を開発,量
れ,充放電電流の測定による電池容
産化した
(図 2)
(表 1)。
基板の銅配線や銅線などに接続して
量の管理や,過電流などの電流検出
1.特 長
も,熱起電力(EMF: Electromotive
force)が小さく,信頼性の高い測定
NEOMAX マテリアルは,Ni-Cu
大電流を流してもジュール発熱が
系の低電気抵抗材料と Ni-Cr 系の高
−8
25
20
15
10
5
0
−5
が可能である。
(株式会社 NEOMAX マテリアル)
1,600
TCR (23∼100℃) (ppm/K)
Electrical resistance
change ratio (%)
抑えられるよう,MC-1 が 44 × 10
MC−1
MC Line
MC−2
Cu
NC−130
30
(3)対銅熱起電力
(1)体積抵抗率
などに使用されている。
35
(2)TCR
1,400
1,200
1,000
800
Ni-Cu
System
600
400
Ni-Cr
System
200
MC Line
0
20
40
60
80
100
0
20
40
60
80
100
−8
Electrical resistivity (x10
Temperature (℃)
図 1 金属材料の温度と抵抗変化率の関係
Fig. 1 Relationship between temperature and electrical resistance
change ratio of metal material
120
Ω・m)
図 2 抵抗材料の体積抵抗率と TCR の関係
Fig. 2 Relationship between electrical resistivity and TCR of
resistance alloys
表 1 抵抗材料のラインアップ
Table 1 Line-up of resistance alloys
System
MC Line
Ni-Cu
Ni-Cr
54
Material code
Chemical component
(mass%)
Electrical resistivity
(×10−8 Ω・m)
TCR
(23∼100℃) (ppm/K)
Thermal EMF against Cu
(0∼100℃) (μV/K)
−1
MC−1
12Mn−3Ni−Cu
44
±10 (20℃∼55℃)
MC−2
7Mn−2.3Sn−Cu
29
±10 (20℃∼55℃)
NC−105
2Ni−Cu
5
1,500
−13
NC−110
6Ni−Cu
10
700
−18
NC−115
10Ni−Cu
15
500
−25
NC−120
14Ni−Cu
20
400
NC−130
23Ni−Cu
30
200
NC−140
33Ni−Cu
40
100
NC−150
44Ni−Cu
49
±80
CTME
9.5Cr−Ni
69
350
NRH−1
20Cr−Ni
108
50
NRH−50
20Cr−3AI−2Cu−Ni
130
±25
日立金属技報 Vol. 30(2014)
140
−1
−32
−40
+20.5
+5
+2.5