3600AP_ND14010J00

SM3600AP
磁気センサモジュール
■概要
SM3600APは、磁気センサ素子、アンプIC及び、バイアス磁石を小型パッケージに収めた磁気センサモジュールです。
小型パッケージに機能を集約したことにより、外乱ノイズの影響を受けにくくなります。また、磁気センサ素子に超小型の
ナノグラニュラーTMR*1 型素子を採用し、高感度な磁気検出を可能にしています。 SM3600AP はオートバイアス機能を
内蔵し、安定した出力特性を実現できます。SM3600AP は非接触で磁気検出を可能にしたことにより、さまざまな識別機器
に適しています。
*1. TMR: Tunnel Magneto-Resistance
■特長
■外形寸法図
・非接触による磁気検出可能
(Unit: mm)
・磁気センサ素子、アンプ IC、バイアス磁石を 1 パッケージ化
・アンプ IC
9.4±0.3
増幅率:60dB, DC 出力
6.5±0.2
・オートバイアス機能内蔵
磁界変化分を増幅した信号を VDD/2 基準で出力可能
2.7±0.1
1.1±0.1
・磁気検出幅:3.0mm
・電源電圧範囲:4.5~5.5V
1.0 +0.3
-0.05
3.6±0.3
6.8±0.5
・検出速度に依存せず、高安定な出力が可能
1.5 +0.3
-0.05
・動作温度範囲:-40~+80℃
3.2±0.2
・出力電圧範囲:1.0~4.0V(VDD=5.0V 時)
・パッケージ:DIP-8 (9.4mm×6.5mm×6.8mm)
2.54
0.89TYP
0.5±0.1
7.6
0.25 +0.1
-0.05
0.25 M
0°~15°
■オーダーインフォメーション
Device
Package
SM3600AP-G*1
8 pin DIP
*1. “-G” オプションコード 鉛フリーパッケージ
■応用回路例
0→5V
1μF
5V
VDD
CE
SET
VREF
SM3600AP
OUT
ADC or CMP
820pF(C)
G1
C=1/ (2π×100k×fc)
VSS
SEIKO NPC CORPORATION - 1
SM3600AP
■端子配置
Top View
CE 1
8 VDD
VREF 2
7 TEST
SET 3
6 G1
VSS 4
5 OUT
DIP8
■端子説明
端子番号
端子名
I/O*1
1
CE
I
チップイネーブル端子(High:通常動作、Low:待機状態)
2
VREF
O
基準電圧出力端子(VDD/2 を出力)
3
SET
I
オートバイアス機能端子
Low→High にするとオートバイアス機能により OUT を VDD/2 に調整
4
VSS
S
GND 端子
5
OUT
O
磁気検出信号出力端子(CE=Low 時は VSS レベルを出力)
6
G1
O
ローパスフィルタ用コンデンサ接続端子
G1-OUT 端子間にコンデンサを接続することでローパスフィルタを形成
7
TEST
O
TEST 端子、オープンでご使用下さい。
8
VDD
S
電源端子、通常 5V印加
*1. I:入力端子
O:出力端子
機能
S:電源端子
■ブロック図
VDD
CE
VREF
VREF
Magnetic
Sensor
AMP
+
100kΩ
–
AMP
Magnetic
Sensor
100kΩ
Offset
Correction
Circuit
VSS
OUT
SET
G1
TEST
SEIKO NPC CORPORATION - 2
SM3600AP
■絶対最大定格
VSS=0V
項目
電源電圧*1
*1*2
入力電圧
記号
条 件
VDD
VDD 端子
VIN
CE 端子、SET 端子
出力電圧*1*2
VOUT
保存温度*3
TSTG
VREF 端子、 OUT 端子、 G1 端子,
TEST 端子
-
定格
単位
-0.3 ~ +6.0
V
-0.3 ~ VDD+0.3
V
-0.3 ~ VDD+0.3
V
-40 ~ +85
℃
*1. 一瞬たりとも超えてはならない値です。万が一、定格を超えた場合は、IC の破壊、電気的特性、信頼性などに影響を与える
恐れがあります。
*2. 定格に記載の“VDD”は、推奨動作条件に定める動作電源電圧(VDD)の規格値を示します。
*3. 超えないようにご使用ください。万一超えた場合は、特性劣化、信頼性低下の懸念があります。
■推奨動作条件
VSS=0V
項目
記号
電源電圧
VDD
動作温度
Ta
条 件
VDD 端子
-
MIN
TYP
MAX
単位
4.5
5.0
5.5
V
-40
+25
+80
℃
Note. 推奨動作条件範囲外で使用すると信頼性に影響を与える場合がありますので、この範囲内で使用して下さい。
SEIKO NPC CORPORATION - 3
SM3600AP
■電気的特性
●DC 特性
特記なき場合、VDD=4.5~5.5V, Ta=-40~+80℃
項目
記号
条件
MIN
TYP
MAX
単位
待機時消費電流
IDDS
CE=L(待機時)、Ta=25℃
-
100
300
μA
動作時消費電流
IDDO
CE=SET=H(動作時)
-
3.5
7.0
mA
0.8VDD
-
-
V
-
-
0.2VDD
V
VIH
ロジック入力電圧
CE 端子、SET 端子
VIL
ロジック入力電流
ILI
CE 端子、SET 端子
Ta=25℃
-1
0
1
μA
出力電圧範囲
VO
OUT 端子
1
-
VDD-1
V
出力基準電圧
VREF
VREF 端子
0.49VDD
0.50VDD
0.51VDD
V
オートバイアス精度
VO2
OUT 端子
0.46VDD
0.50VDD
0.54VDD
V
許容負荷抵抗
RL
OUT 端子
100
-
-
kΩ
MIN
TYP
MAX
単位
-
25
-
mVp-p
●AC 特性
特記なき場合、VDD=4.5~5.5V, Ta=-40~+80℃
項目
記号
出力ノイズ*1
VNOISE
条件
OUT 端子
カットオフ周波数 2kHz 時、Ta=25℃
*1. ノイズの代表値です。
●測定回路
測定項目:IDDS, IDDO, VO, VREF, VO2
測定項目:VIH, VIL, ILI
1µF
1µF
VDD
CE
VDD
SET
CE
SET
VREF
VREF
SM3600AP
(open)
OUT
SM3600AP
G1
G1
(open)
(open)
VSS
TEST (open)
OUT
VSS
TEST (open)
SEIKO NPC CORPORATION - 4
SM3600AP
●磁気特性
特記なき場合、VDD=4.5~5.5V, Ta=+25℃
項目
記号
磁気感度
VMG
OUT 端子。 オートバイアス設定後,
H=0Oe、VDD=5V
WMG
OUT 端子
センサ素子が磁性体を検出可能な範囲
最大の振幅から-9.54dB (1/3)の振幅が
検出できる範囲 Gap=0.5mm
空間分解能
表面磁束密度
磁気検出幅*1
*2
条件
MIN
TYP
MAX
単位
3.0
4.0
-
V/Oe
0.037
0.050
-
V/(A/m)
3.0
3.5
-
mm
RMG
OUT 端子。 センサ素子が磁性体と
磁性体の間隔を検出可能な範囲
最大の振幅から-9.54dB (1/3)の振幅が
検出できる範囲 Gap=0.5mm
-
0.8
1.2
mm
BMG
パッケージ表面の磁束密度
-
60*
-
mT
*代表値
*1. 磁気検出幅測定方法
※Gap(パッケージ表面-磁気パターン間距離)=0.5mm 時
2.0mm
0.1mm
1.0mm
flow direction
SM3600AP
.0m
1
m
0.1m
m
1/3Vp-p max
Vp-p max
2.0mm
WMG
=(count number of pulse -1) ×0.1mm
magnetic pattern
*2. 空間分解能測定方法
※Gap(パッケージ表面-磁気パターン間距離)=0.5mm 時
RMG
flow direction
1.0mm
SM3600AP
1/3Vp-p max
Vp-p max
magnetic pattern
磁気の単位について
項目
SI 単位系
固有名称
磁束
ウエーバ
磁束密度
テスラ
磁界強度
-
CGS 単位系
記号
別表記
Wb
V・s
T
Wb/m2
-
A/m
固有名称
備考
記号
マックスウェル
Mx
1 [Mx] = 10-8 [Wb]
ガウス
G
1 [G] = 10-4 [T]
エルステッド
Oe
1 [Oe] = 103/(4π) [A/m]
通常は磁界(磁場)の強さを Oe、A/m という単位で表記し、単位面積あたりの磁束密度(磁力線の束の密度)で表すとき
は、G、T という単位で使用します。単位の定義が異なるので真空中、磁性材料の内部等、条件が異なると磁界強度、磁束
密度は比例関係にありませんが、通常測定を行う大気中(真空中)の場合は 1[Oe]≒1[G]で換算できます。
SEIKO NPC CORPORATION - 5
SM3600AP
■機能説明
●機能概要
SM3600AP は磁気を検出するために必要な磁気センサ素子、バイアス磁石およびアンプ IC を小型 DIP パッケージ
に収めた磁気センサモジュールです。
SM3600APに搭載された磁気センサ素子は、下図に示すY軸方向の磁場変化を検出することができます。そのため、
モジュールのパッケージ上方に配置した被測定物を Y 軸方向へ動かすことでバイアス磁石による磁界が変化するた
め、被測定物の磁気パターンを検出することが可能です。SM3600AP のパッケージ表面は耐摩耗設計されていないた
め、被測定物はパッケージ表面に接触させないよう機構設計してください。推奨する Gap 値(パッケージ表面と磁気パ
ターン間の距離)は 0.5mm です。
バイアス磁石の磁場は下図の Z 軸方向成分が一番強く、パッケージ表面での磁束密度は最大 110mT です。
Gap
Y axis (magnetic detection direction)
magnetic pattern
⊗ X axis
Z axis (magnetic orientation of bias magnet)
磁気検出方向(Y 軸方向)、バイアス磁石の帯磁方向(Z 軸方向)
また、検出された磁気信号を電圧に変換し、内蔵アンプにて60dB(1000倍)に増幅されたのち、OUT端子よりアナロ
グ電圧で出力されます。適切な DC 電圧の出力信号を得るために、オートバイアス機能を内蔵しています。
●磁気センサ素子の配置
磁気センサ素子は以下の図に示した箇所にあります。磁気センサ素子の上部にて磁気パターンが検出できるよう、
被測定物を配置してください。
Top View
0.2mm
1.5mm
センサ位置 (※本図はセンサの位置を示すものであり、図面の形状は正確ではありません。)
SEIKO NPC CORPORATION - 6
SM3600AP
●動作手順
CE=High、SET=Low の状態では OUT 端子は VDD/2 の DC 電圧が出力されます(state2)。SM3600AP 周辺の磁場が
安定している状態で、SET 端子を Low から High に設定してください。後述のオートバイアス機能により最大 1ms の期
間にてバイアス電圧補正が行われます。この補正期間中もOUT端子からはVDD/2のDC電圧が出力されます(state3)。
補正完了後、OUT 端子からは VDD/2 を基準電圧とする磁気検出信号が出力されます(state4)。
VDD
VDD
CE
SET
OUT
VREF
VSS
High: VDD
Low: VSS
required ≧100µs
Low: VSS
state 1: Standby mode
High: VDD
state 3: Auto-bias function in progress
maximum 1ms
VDD/2
detected signal
VSS
state 2: Before the auto-bias function starts
state 4: Normal operation
VDD/2
VSS
state 1
state 2
state 3
state 4
タイミングチャート
●オートバイアス機能
オートバイアス機能は、SM3600AP に内蔵されたアンプのバイアス電圧を補正し、磁気検出信号の出力 DC 電圧を
基準電圧 VDD/2 に合わせる機能です。
SET 端子を Low から High に設定するとオートバイアス機能が起動し、このときの磁界状態での出力が基準電圧
VDD/2 となるように内部アンプのバイアス電圧が自動的に補正されます。最大 1ms で補正が完了した後、OUT 端子か
らは VDD/2 を基準電圧とする、内部アンプで増幅された磁気検出信号が出力されます。
SM3600AP は地磁気等の磁界にも敏感であるため、センサモジュールの周囲磁界状態が変化した場合や、長時間
連続動作させる場合には一定時間間隔で、オートバイアス機能を実施してください(一度SET 端子を Low にした後、再
度 High にします)
●待機モード
CE 端子を Low にすると待機モードになります(state1)。このとき、OUT 端子は VSS レベル出力になり、消費電流は
typ. 100 µA に下がります。待機モードから復帰する場合には、CE=High にした後に必ずオートバイアス機能を実施し
てください。
SEIKO NPC CORPORATION - 7
SM3600AP
■応用回路例
電源電圧変動をキャンセルする為、VREF と OUT との差分を取ってください。
●回路例 1 ローパスフィルタ構成
LPF(ローパスフィルタ)の fc(カットオフ周波数):1.94kHz
0→5V
1μF
5V
VDD
CE
SET
VREF
SM3600AP
OUT
ADC or CMP
820pF(C)
G1
C=1/ (2π×100k×fc)
VSS
●回路例 2 外付けアンプ使用
HPF(ハイパスフィルタ)の fc1(カットオフ周波数):1.59Hz
LPF(ローパスフィルタ)の fc2(カットオフ周波数):194Hz
0→5V
1μF
5V
VDD
CE
HPF:C1=1/ (2π×R1×fc1)
SET
VREF
SM3600AP
OUT
100kΩ(R1)
0 to 20dB
+
1μF(C1)
8200pF(C2)
G1
AMP
ADC or CMP
−
90kΩ
10kΩ
VSS
LPF:C2=1/ (2π×100k×fc2)
※ローパスフィルタを使用しない(コンデンサ(C、C2)を使用しない)場合は G1 端子をオープンにして下さい。
※この応用回路例は使用上の参考回路図であり、弊社が保証する回路ではありません。その使用に起因する損害に
ついては一切の責任を負いかねます。十分な評価のもとご使用ください。
SEIKO NPC CORPORATION - 8
SM3600AP
■代表特性例
特に指定のない限り VDD = 5.0V、Ta = 25°C
●磁気感度温度特性
7
8
sample 1
6
7
sample 2
5
6
sample 3
VMG [V/Oe]
IDDO [mA]
●消費電流特性(通常動作時)
4
3
5
4
3
2
2
1
1
0
0
4
4.5
5
5.5
-50
6
VDD [V]
動作時消費電流–電源電圧特性
●磁気検出幅
-25
0
25
50
Ta [°C]
75
100
磁気感度–温度特性
●空間分解能
5
3
RMG [mm]
WMG [mm]
4
3
2
2
1
1
0
0
0
0.5
Gap [mm]
1
磁気検出幅–Gap 特性
0
0.5
Gap [mm]
1
空間分解能–Gap 特性
●出力振幅特性
Output amplitude [VPP]
5
sample 1
sample 2
4
sample 3
3
2
1
0
0
0.5
1
Gap [mm]
1.5
出力振幅–Gap 特性
(パターン幅 1.0mm)
SEIKO NPC CORPORATION - 9
SM3600AP
■使用上の注意
●バイアス磁石・磁場の影響
SM3600AP はバイアス磁石を搭載しています。外部からの、特に磁気検出方向(下図の Y 軸方向)の磁場は SM3600AP
の機能・特性に影響を与えやすいため、機構設計時には十分な配慮と検証を実施してください。また、SM3600AP を複数
配置する際にはバイアス磁石同士の干渉を避けるため、Y軸方向の間隔を40mm以上確保してください。X軸方向は近接
配置が可能です。
10.16mm
X axis
Y axis (magnetic detection direction)
≥ 40mm
SM3600AP 複数配置例
●静電気による磁界への影響
紙などの非導電性物質を搬送する場合、搬送系の材料により静電気が帯電する場合があります。この静電気が放電す
る際、瞬間的に流れる電流により発生した磁界を SM3600AP が検出し、出力ノイズとして現れることがあります。機構設計
時には静電気対策に十分な配慮をお願いします。SM3600AP のパッケージ表面を覆う際には、導電性の樹脂材料または
非磁性の金属材料等、絶縁性でない材料の使用を推奨いたします。
SEIKO NPC CORPORATION - 10
SM3600AP
※この資料に記載されている商品のご使用に際しては、次の点にご注意くださいますようお願い申し上げます。
1.この資料に記載されている商品は、パーソナル機器・工作機器・計測機器などの一般的な信頼性を必要とする電子機器および電気機器に使用
されることを目的として設計・製造されたものであり、航空宇宙機器・原子力制御機器・医療機器・輸送機器・防災機器・防犯機器などの極めて高
い信頼性・安全性を必要とする機器に使用されることを想定したものではありません。また、その故障または誤動作が直接人命に関わる商品に
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5.この資料に記載されている商品の全部または一部が外国為替及び外国貿易法その他の関係法令に定める物資に該当する場合は、それらの法
令に基づく輸出の承認、許可が必要になりますので、お客様にてその申請手続きをお願いいたします。
セ イ コ - N P C 株 式 会 社
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TEL 0287-35-3111(代) FAX 0287-35-3120
関 西 営 業 所
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TEL 06-6444-6631(代) FAX 06-6444-6680
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Email: [email protected]
ND14010-J-00 2014.08
SEIKO NPC CORPORATION - 11