SM5304A アナログフィルタ内蔵ビデオバッファ ■概要 SM5304A は、アナログフィルタを内蔵した 75Ω 終端抵抗駆動ビデオバッファです。フィルタのカットオフ 周波数は RFC 端子に接続する抵抗によりコントロール可能で、使用するシステムの解像度にあわせた設定が 自由に行えます。出力バッファは、0dB, 6dB, 12dB のゲイン切り換えが可能です。 外部カップリングコンデン サ後から内部にフィードバックを行ない、カップリングコンデンサの定数を低減することができます。 ■特長 ■端子配列 • 電源電圧:5V ± 10% (Top view) • 外部抵抗によるカットオフ周波数調整可能 • ロジ ック信 号によ りゲイン 調整可 能:0dB, 6dB, 12dB • ゲイン誤差:± 0.5dB • 2 系統までの負荷抵抗を駆動可能 • 出力ひずみ率:0.7% VIN 8 1 VF ENABLE • サグ補正回路内蔵 RFC • パッケージ:8 ピン VSOP ( 鉛フリー対応 ) VCC GSEL VOUT 5 4 GND ■アプリケーション • DVD • ディジタルスチルカメラ • ディジタル VHS ■外形寸法図 0 to 10 0.5 ± 0.2 8-pin VSOP 6.4 ± 0.3 SM5304AV 4.4 ± 0.2 Package 0.575typ + 0.1 5 0.0 0.15 − 3.1 ± 0.3 1.15 ± 0.05 Device (Unit : mm) Weight:0.04g 0.65 0.10 0.1 ± 0.05 ■オーダーインフォメーション 0.22 ± 0.1 0.12 M SEIKO NPC CORPORATION —1 SM5304A ■ブロック図 VCC ENABLE GSEL 8th order LPF VIN Buffer VOUT Clamp RFC VF GND ■端子説明 端子番号 端子名 I/O 1 A/D2 1 VIN I A 入力信号端子 2 ENABLE I D イネーブル信号入力端子 ( プルダウン抵抗付き ) 3 RFC O A LPF カットオフ周波数設定端子 4 VCC − − 5V 電源接続端子 5 GND − − グラウンド端子 6 VOUT O A 出力信号端子 7 VF I A サグ補正回路用出力信号フィードバック端子 8 GSEL I D ゲイン設定信号入力端子 機能説明 1. I:入力、O:出力を示します。 2. A:アナログ、D:ディジタルを示します。 SEIKO NPC CORPORATION —2 SM5304A ■絶対最大定格 項目 記号 条件 定格 単位 電源電圧範囲 V CC − 0.3 ∼ 7 V 保存温度範囲 TSTG − 55 ∼ + 125 °C 300 mW 125 °C 許容損失 PD ジャンクション温度 Tj θja = 214°C/W 注 1) 注 1) Tj は、T j = PD × θja + Ta (PD:消費電力 (= V CC × ICC), θja:熱抵抗 , Ta:動作周囲温度 ) で求められます。θja は当社規定の実装条件 ( ガラスエポキシ材プリント基板 , 40mm × 40mm, 基板配線率:10%, 無風 ) での測定 値です。 ■推奨動作条件 項目 記号 条件 規格 単位 電源電圧範囲 V CC 4.5 ∼ 5.5 V 動作温度範囲 Ta − 40 ∼ + 85 °C ■ディジタル入力特性 特記なき場合 VCC = 5.0V, Ta = 25°C 項目 記号 規格 単位 テスト レベル V I V I V I 0.5 V I VCC/2 − V CC/2 + 0.5 0.5 V I 200 µA I 条件 MIN 入力 "H" 電圧 1 V IH1 ENABLE 端子 入力 "L" 電圧 1 VIL1 ENABLE 端子 入力 "H" 電圧 2 V IH2 GSEL 端子 入力 "L" 電圧 2 VIL2 GSEL 端子 VOPEN GSEL 端子 入力 "OPEN" 電圧 TYP MAX 2.4 0.8 VCC − 0.5 入力 "H" 電流 1 IIH1 ENABLE 端子 , VIN = V CC 入力リーク電流 1 ILL1 ENABLE 端子 , VIN = 0V 1 µA I 入力リーク電流 2 ILL2 GSEL 端子 , ENABLE = "L", VIN = 0V 1 µA I 入力 "H" 電流 2 IIH2 GSEL 端子 , ENABLE = "H", VIN = V CC 250 400 µA I 入力 "L" 電流 2 IIL2 GSEL 端子 , ENABLE = "H", VIN = 0V 250 400 µA I 100 プルダウン抵抗 1 RPD1 ENABLE 端子 40 50 60 kΩ I プルダウン抵抗 2 RPD2 ENABLE = "L" の場合の GSEL 端子 16 20 24 kΩ I SEIKO NPC CORPORATION —3 SM5304A ■電気的特性 特記なき場合 VCC = 5.0V, Ta = 25°C, 測定回路図参照 規格 項目 記号 条件 電源電流 1 ICC1 電源電流 2 テスト レベル TYP MAX V CC = 4.5 ∼ 5.5V, RFC = 2.7kΩ, Ta = − 40 ∼ 85°C, ENABLE = "H" 41 52 mA II ICC2 V CC = 4.5 ∼ 5.5V, RFC = 4.3kΩ, Ta = − 40 ∼ 85°C, ENABLE = "H" 39 49 mA II 電源電流 3 ICC3 ENABLE = "L", GSEL = "L" 10 µA I 信号増幅率 1 A V1 GSEL = "L", RFC = 4.3k Ω, f = 1MHz 5.7 6.2 6.7 dB I 信号増幅率 2 A V2 GSEL = "Open", RFC = 4.3k Ω, f = 1MHz −0.3 0.2 0.7 dB I 信号増幅率 3 A V3 GSEL = "H", RFC = 4.3k Ω, f = 1MHz 11.5 12.0 12.5 dB I 入力電圧範囲 VIN AC カップル入力 , f = 100kHz 1.4 Vp-p I 最大出力電圧 V out 負荷条件は接続例参照 2.4 Vp-p I V I 4.0 % III 0.7 % III クランプレベル VCLMP オーバー / アンダー シュート1 V OS 出力ひずみ率 THD カットオフ周波数範囲 RFC 端子外付け抵抗 (RFC) 範囲2 0.9 f = 1MHz, Vout = 2Vp-p, RFC = 4.3kΩ 1.2 1.45 fc 2 10 MHz I RFC 2.7 18 kΩ I ±15 % I − 70 dB III 12 ns III カットオフ周波数誤差 ∆FC 4fc 減衰率 fSB 群遅延変動量 MIN 単位 ∆T PD f ≥ 4fc RFC = 4.3kΩ, 100kHz と 5MHz の 群遅延差 1. RFC = 4.3kΩ, ゲイン = 6dB, 入力パルス 1Vp-p ( 立上がり立下がり時間 100ns) のときの出力パルス幅に対する比率 2. カットオフ周波数対 RFC 特性は、「■機能説明 : RFC 周波数コントロール」を参照して下さい。 テストレベル I :Ta = + 25°C で 100% 製品テストを実施する項目 II :Ta = + 25°C での代替テストを 100% 実施する項目 III:設計および特性評価の実施により仕様を保証する項目 SEIKO NPC CORPORATION —4 SM5304A ●測定回路図 4.7µF VCC + Input VIN VCC GSEL 22µF Output + RFC VF RFC VOUT VCC GND 75Ω 75Ω + ENABLE 100µF 75Ω 75Ω VCC ■機能説明 ● RFC 周波数コントロール ○特性 RFC 端子の抵抗 (RFC) を可変することによりカットオフ周波数をコントロールできます。R FC と fc の 関係を表 1 に示します。 表 1:R FC に対する周波数コントロール範囲 RFC [kΩ]] カットオフ周波数 [MHz] 18 1.9 15 2.3 12 2.8 10 3.3 8.2 3.9 6.8 4.6 5.6 5.5 4.7 6.4 4.3 6.9 3.9 7.5 3.3 8.7 2.7 10.5 SEIKO NPC CORPORATION —5 SM5304A ○調整方法 以下の方法で設定が可能です。抵抗はカットオフ周波数特性に影響を与えるため、高精度のものをご使 用下さい。 • 固定抵抗設定 RFC に外部抵抗を接続し調整します。 RFC • 半固定抵抗設定 RFC に VR( 半固定抵抗 ) を接続し調整します。 RFC • 電圧コントロール RFC に接続した抵抗を直流電圧源 (DAC 等 ) でコントロールし調整します。この場合、調整電圧は RFC 端子電圧 (1.5V typ) を超えないようにして下さい。 RFC SEIKO NPC CORPORATION —6 SM5304A • 抵抗スイッチコントロール RFC に接続した抵抗をロジック電圧により切り換え設定します。 RFC SW Control ●ゲインコントロール機能とイネーブル機能 ENABLE 端子 H ( イネーブル状態 ) GSEL 端子 ゲイン設定値 L 6dB Open 0dB H 12dB L L ( ディセーブル状態 ) Open ハイインピーダンス出力 H 注 ) GSEL 端子を Open にする場合は外来のノイズによる誤動作防止のため GND 間にコンデンサを接続することを推奨 します。 ○ 等価回路 GSEL 端子と ENABLE 端子の等価回路は図のようになります。ディーセブル状態では GSEL 端子はプ ルダウン抵抗にのみ接続されます。 ENABLE GSEL 3-level decoder SEIKO NPC CORPORATION —7 SM5304A ■代表特性例 特記なき場合 VCC = 5.0V, RFC = 4.3kΩ, Ta = 25°C 12 90 Gain 0 150n 6dB Gain 0 −6 0 130n −12 110n Phase −180 −18 −270 −24 −30 −24 90n Group Delay −360 −36 −450 −42 −540 −48 0.1 1 10 Frequency [MHz] 100 −36 −48 Group Delay [s] −12 Gain [dB] −90 Phase [deg] 70n 50n 0.1 図 1:Phase vs Frequency 1 10 Frequency [MHz] 100 図 2:Group Delay vs Frequency 6 18 0dB 12 12dB 0 Gain [dB] 6dB 0 0dB −6 −12 −6 −12 Rfc=10kΩ −18 −24 Rfc=4.3kΩ Rfc=18kΩ 0.1 1 10 Frequency [MHz] −18 100 0.1 図 3:Gain vs Frequency (Rfc = 4.3kΩ) 1 Rfc=2.7kΩ 10 Frequency [MHz] 100 図 4:Gain vs Frequency (0dB) 12 18 6dB 12dB 6 12 Gain [dB] Gain [dB] 6 Gain [dB] Gain [dB] 12 6dB 6 0 −6 Rfc=10kΩ Rfc=18kΩ −12 0.1 1 6 0 Rfc=4.3kΩ Rfc=10kΩ Rfc=2.7kΩ 10 Frequency [MHz] 図 5:Gain vs Frequency (6dB) 100 Rfc=4.3kΩ Rfc=18kΩ −6 0.1 1 Rfc=2.7kΩ 10 100 Frequency [MHz] 図 6:Gain vs Frequency (12dB) SEIKO NPC CORPORATION —8 SM5304A 12 14 10 12 fc [MHz] fc [MHz] Rfc=2.7kΩ 10 8 6 8 6 Rfc=4.3kΩ 4 4 Rfc=10kΩ 2 2 Rfc=18kΩ 0 1 10 Rfc [kΩ] 0 100 −50 0 50 100 Ta [°C] 図 7:fc vs Rfc 図 8:fc vs Ta 45 50 47.5 43 45 ICC [mA] ICC [mA] Rfc=2.7kΩ 42.5 40 Rfc=4.3kΩ 39 VCC=5.5V 37.5 41 VCC=5.0V 35 37 VCC=4.5V 32.5 35 −50 30 1 10 Rfc [kΩ] 100 0 50 100 Ta [°C] 図 10:ICC vs Ta 図 9:ICC vs Rfc 15 45 Rfc=2.7kΩ 12 12dB 43 Gain [dB] ICC [mA] 9 Rfc=4.3kΩ 41 39 6dB 6 3 37 0dB 0 35 4 4.5 5 VCC [V] 図 11:I CC vs VCC 5.5 6 −3 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 VIN [Vp-p] 1.4 1.6 1.8 図 12:Gain vs VIN SEIKO NPC CORPORATION —9 SM5304A 15 15 12 12 12dB (VIN=0.6Vp-p) 12dB (VIN=0.6Vp-p) 9 Gain [dB] Gain [dB] 9 6 6dB (VIN=1.2Vp-p) 3 6 6dB (VIN=1.2Vp-p) 3 0 0 0dB (VIN=1.4Vp-p) −3 4 4.5 5 VCC [V] 5.5 0dB (VIN=1.4Vp-p) −3 6 −50 −25 図 13:Gain vs VCC 0 25 Ta [°C] 50 75 100 図 14:Gain vs Ta 4 Input signal frequency=1MHz Vmaxout [Vp-p] 3.75 3.5 3.25 3 2.75 2.5 4 4.5 5 VCC [V] 5.5 6 図 15:Vmaxout vs VCC ■接続例 10µF 5V VCC + 0.1µF GSEL ENABLE Input 8th order LPF + 4.7µF VIN 100µF + Buffer 75Ω Output VOUT 75Ω Clamp RFC 22µF + VF RFC 75Ω Output GND 75Ω SEIKO NPC CORPORATION —10 SM5304A ■使用上の注意事項 ●電源端子間コンデンサ 電源端子間 (VCC, GND) には電源電圧の安定供給および出力の発振防止のためにコンデンサを必ず接続し て下さい。1 µF ∼ 10µF 程度の電解コンデンサと 0.01µF ∼ 0.1µF 程度のセラミックコンデンサを推奨します。 特にセラミックコンデンサは図に示すように電源端子間に極力近付けて下さい。 VCC GND ●消費電力と動作周囲温度の範囲 絶対最大定格項に記載したパッケージ許容損失 (PD) とジャンクション温度 (Tj) を超えない動作条件範囲 ( 消費電力と動作周囲温度 ) を図に示します。ただしこの範囲は当社規定の実装条件下でのパッケージ熱抵抗 から算出されるもので、実装条件が異なる場合はこの限りではありません。 PD = ( Tjmax − Ta ) / θja Tjmax = 125 C, θja = 214 C/W Power Dissipation [mW] 300 187 0 −40 60.8 85 Ta [ C] 当社規定実装条件 • ガラスエポキシ基板 • サイズ:40 × 40mm • 基板配線率:10% • 無風 熱抵抗を下げ、ジャンクション温度の上昇を防ぐには次の方法が有効です。 • SM5304A の端子に接続される配線面積を広くする。 • 冷却ファンなどで冷却する。 SEIKO NPC CORPORATION —11 SM5304A ※このカタログに記載されている製品のご使用に際しては、次の点にご注意くださいますようお願い申し上げます。 1. このカタログに記載されている製品は、 その故障または誤作動が直接人命に関わる製品に使用されることを意図しておりません。 このような使用をご検討の場合には、 必ず事前に当社営業部までご相談ください。 なお、 事前の ご相談なく使用され、そのことに よって発生した損害 等については、当社では一切責 任を負いかねますの でご了承 ください。 2. このカタログに記載されている内容は、 特性、信頼性等の改善のため予告なしに変更されることがありますので予めご了承ください。 3. このカタログに記載されている内容は、第三者の知的財産権その他の権利を侵害していないことを保証するものではありません。 したがって、 その使用に起因する第三者の権利に対する侵害について当社は責任を負いかねますのでご了承ください。 4. このカタログに記載されている回路等の定数は一例を示すものであり、 量産に際しての設計を保証するものではありません。 5. このカタログに記載 されている製品の全 部または一部が、外国為替及び外国 貿易法その他の関係 法令に定める物資に 該当する 場合は、 それ らの法令に基づく輸 出の承認、 許 可が必要になります ので、 お客様 の方でその申請手 続きをお取りくださ るようお 願いいたします。 セ イ コ ー N P C 株 式 会 社 本社・東京営業所 〒 1040032 東京都中央区八丁堀 199 TEL 0355416501 FAX 0355416510 那須塩原事業所 〒 3292811 栃木県那須塩原市下田野 5311 TEL 0287353111( 代 ) FAX 0287353120 関 西 営 業 所 〒 5500004 大阪市西区靭本町 232 大鰹・住友生命なにわ筋本町ビル 8F TEL 0664446631( 代 ) FAX 0664446680 http://www.npc.co.jp/ Email: [email protected] NC0118B 2006.04 SEIKO NPC CORPORATION —12