NJU77806 5.5nV/√Hz ローノイズ, 500μA ローパワー 出力フルスイング CMOS オペアンプ 特徴 概要 ●入力換算雑音電圧 f=10Hz 11nV/√Hz f=1kHz 5.5nV/√Hz ●消費電流 500μA typ. ●GB 積 4.4MHz ●スルーレート 1.1V/μs ●電源電圧 単電源 1.8V to 5.5V 両電源 ±0.9 to ±2.75 ●出力フルスイング (RL=10kΩ) 50mV from rail ●グランドセンス ●同相入力電圧範囲 VSS-0.1V to VDD-0.9V ●入力オフセット電圧 2mV max. ●入力オフセット電圧ドリフト 1.5µV/°C typ. ●高 RF ノイズ耐性 ●パッケージ SC-88A アプリケーション ●ローノイズマイクアンプ ●フォトダイオードアンプ ●ショックセンサーアンプ ●加速度センサーアンプ ●セキュリティ機器 ●ワイヤレス LAN ●通信機器 特性例 NJU77806 は、1kHz で 5.5nV/√Hz という非常に小さ い入力換算雑音電圧を実現した出力フルスイング CMOS オペアンプで、利得帯域幅積は 4.4MHz、スルー レートは 1.1V/µsec です。これらの低雑音・広帯域特 性を備えながら、消費電流を 500µA という小さい値に 抑えているため、バッテリー駆動などの消費電力を低 く抑えたいアプリケーションにおいて低雑音と低消費 を実現する電力効率の優れたシステム設計に最適です。 NJU77806 は、低周波数の 10Hz にてわずか 11nV/√Hz の極めて小さな入力換算雑音電圧を実現しています。 消費電流 500µA という小さい値に抑えながら、1/f 雑音 による低周波数領域の雑音悪化を抑えた高性能オペア ンプです。これらの特性は低周波数を扱うアプリケー ションの信号忠実度に有効であり、オーディオ、セン サ・ベース、またはアクティブフィルタの用途に最適 です。 NJU77806 は、1.8V から 5V 電源電圧範囲での特性 を保証しています。低雑音、且つ低消費電流特性に加 えて、1.8V からの低電圧動作も実現しているため、バ ッテリーの寿命を最大限に利用できます。 NJU77806 は、高い RF ノイズ耐性を備えており、携 帯電話や無線などを使用する環境においても誤作動を 起こしにくいように対策しています。 NJU77806 は、実装面積の小さい SC-88A パッケー ジで供給されます。この小型パッケージにより省スペ ース化を必要とするポータブル機器や携帯電話などの アプリケーションに最適です。 端子配列 入力換算雑音電圧 対 周波数 特性例 VDD=5.0V 50 (Top View) 入力換算雑音電圧 [nV/ Hz] 45 40 端子配列 35 30 従来ローノイズ CMOS オペアンプ 25 +INPUT 1 VSS 2 -INPUT 3 5 VDD 4 OUTPUT 20 15 パッケージ NJU77806 10 5 製品名 0 10 100 1k 周波数 [Hz] SC-88A NJU77806F3 10k © New Japan Radio Co.,Ltd. Ver.00 [ 1] NJU77806 ■絶対最大定格 電源電圧 同相入力電圧範囲 差動入力電圧範囲 消費電力 (1) 記号 定格 単位 VDD 7 V VICM VSS - 0.3 to VDD + 0.3 VID ±7 (3) (2-layer) PD SC-88A V (2) 280 V mW 動作温度範囲 Topr -40 to +105 °C 保存温度範囲 Tstg -55 to +125 °C (1) 差動入力電圧は+INPUT 端子と-INPUT 端子の電位差です。 (2) 電源電圧が 7V 以下の場合は、電源電圧と等しくなります。 (3) 消費電力は Ta=25°C の時に IC で消費できる電力値で、JEDEC 標準 規格に準拠して測定された値です。Ta>25°C で使用する場合、その 値は 1°C につき PD/(Tstg(MAX)-25)[mW/°C]の割合で減少します。 2-layer: EIA/JEDEC 仕様基板(76.2x114.3x1.6mm, 2 層, FR-4)実装時 ディレーティングカーブ 500 400 消費電力 PD [mW] 項目 300 200 100 0 5 25 45 65 85 周囲温度 [ºC] 105 125 ■推奨動作条件(Ta=25°C) 項目 電源電圧 記号 VDD 条件 最小 標準 最大 単位 1.8 - 5.5 V © New Japan Radio Co.,Ltd. Ver.00 [ 2] NJU77806 ■電気的特性(指定なき場合には VDD=1.8V to 5.0V, VSS=0V, VICM=VDD/2, Ta=25°C) 項目 記号 条件 最小 標準 最大 単位 - 500 650 µA - 0.7 2 mV DC 特性 消費電流 IDD 入力オフセット電圧 VIO 入力オフセット電圧ドリフト 無信号時 ΔVIO/ΔT Ta = -40°C to 105°C - 1.5 - µV/°C 入力バイアス電流 IB - 1 - pA 入力オフセット電流 IIO - 1 - pA 入力容量 CIN 電圧利得 AV - 17 - pF RL=10kΩ to VDD/2 70 100 - dB 70 100 - dB 70 100 - dB -0.1 - VDD-0.9 V 同相信号除去比 CMR VICM=-0.1V to VDD-0.9V 電源電圧除去比 SVR VDD=1.8V to 5.5V 同相入力電圧範囲 VICM CMR≥70dB VOH 最大出力電圧 VOL RL=10kΩ to VDD/2 VDD-0.1 VDD-0.05 - Isource=1.5mA VDD-0.15 VDD-0.1 - V RL=10kΩ to VDD/2 - 0.05 0.1 Isink=1.5mA - 0.1 0.15 GV=14dB - 1.1 - V/µs GV=40dB, f=100kHz - 4.4 - MHz GV=40dB - 2.4 - MHz f=1kHz - 5.5 - f=10Hz - 11 - f=0.1Hz to 10Hz - 0.25 - µVpp VDD=5.0V, VO=4Vpp - 0.005 - % VDD=1.8V, VO=1.5Vpp - 0.01 - AC 特性 スルーレート 利得帯域幅積 ユニティゲイン周波数 入力換算雑音電圧 SR GBP fT VNI VNIPP nV/√Hz GV=20dB, f=1kHz, LPF=80kHz 全高調波歪率 + ノイズ THD+N 使用上の注意 回路利得は 14dB(5 倍)以上が実用的です。ボルテージフォロワでは発振防止に十分な配慮をしてください。14dB 以下で使用 する場合は、発振防止のために帰還抵抗: RF と並列に 20pF の補償容量: CF を挿入してください。 詳しい説明についてはアプリケーションノートの”入力容量”を参照ください。 CF RG RF © New Japan Radio Co.,Ltd. Ver.00 [ 3] NJU77806 ■特性例 消費電流 対 電源電圧 消費電流 対 周囲温度 特性例 GV=0dB 700 600 600 Ta=105ºC Ta=25ºC VDD=5V 500 消費電流 [µA] 消費電流 [µA] 500 400 Ta=-40ºC 300 400 300 200 200 100 100 0 VDD=1.8V 0 0 1 2 3 4 電源電圧 [V] 5 6 7 -50 入力オフセット電圧分布 特性例 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 VDD=5.0V, n=179 40% 35% 30% 30% 25% 25% 頻度 35% 20% 20% 15% 15% 10% 10% 5% 5% 0% 0% -0.6 -0.2 0.2 0.6 1.0 1.4 入力オフセット電圧 [mV] 1.8 0.1 入力オフセット電圧 対 周囲温度 特性例 0.5 0.9 1.3 1.7 2.1 2.5 入力オフセット電圧ドリフト [µV/ºC] 入力オフセット電圧 対 電源電圧 特性例 VDD=5.0V, n=80 1.4 VICM=VDD/2 4 3 入力オフセット電圧 [mV] 1.2 入力オフセット電圧 [mV] -25 入力オフセット電圧温度ドリフト分布 特性例 VDD=5.0V, Ta=25ºC, n=195 40% 頻度 GV=0dB 700 1 0.8 0.6 0.4 0.2 2 Ta=25ºC Ta=105ºC 1 0 Ta=-40ºC -1 -2 0 -3 -50 -25 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 0 1 2 3 4 電源電圧 [V] 5 6 7 © New Japan Radio Co.,Ltd. Ver.00 [ 4] NJU77806 ■特性例 入力オフセット電圧 対 同相入力電圧 特性例 入力オフセット電圧 対 同相入力電圧 特性例 VDD=5.0V 1.4 1.2 1 入力オフセット電圧 [mV] 1.2 入力オフセット電圧 [mV] VDD=1.8V 1.4 Ta=25ºC Ta=105ºC 0.8 0.6 0.4 0.2 Ta=105ºC 1 0.8 0.6 0.4 Ta=-40ºC 0.2 Ta=-40ºC 0 0 -0.6 0 0.6 1.2 1.8 2.4 3 同相入力電圧 [V] 3.6 4.2 4.8 -0.6 -0.3 同相信号 / 電源電圧除去比 対 周囲温度 特性例 130 110 電圧利得 [dB] 電源電圧除去比 [dB] 1.2 1.5 100 125 130 120 100 90 80 CMR (VDD=1.8V) 70 0.3 0.6 0.9 同相入力電圧 [V] RL=10kΩ to VDD/2 140 SVR CMR (VDD=5.0V) 120 0 電圧利得 対 周囲温度 特性例 VICM=VDD/2 140 VDD=5V 110 100 90 80 70 60 60 50 50 VDD=1.8V 40 40 -50 -25 0 25 50 周囲温度 [ºC] 75 100 -50 125 -25 最大出力電圧 対 出力電流 特性例 4.0 出力電圧 [V] Ta=105ºC 3.0 2.5 2.0 Ta=105ºC Ta=-40ºC 0.5 Ta=-40ºC Ta=25ºC 1.2 Ta=105ºC 1.0 0.8 0.6 Ta=105ºC 0.4 Ta=25ºC 1.0 VOH 1.4 Ta=25ºC 1.5 VDD=1.8V 1.6 Ta=-40ºC 3.5 25 50 75 周囲温度 [ºC] 1.8 VOH 4.5 0 最大出力電圧 対 出力電流 特性例 VDD=5.0V 5.0 出力電圧 [V] Ta=25ºC Ta=25ºC Ta=-40ºC 0.2 VOL 0.0 VOL 0.0 1 10 出力電流 [mA] 100 0.1 1 出力電流 [mA] 10 © New Japan Radio Co.,Ltd. Ver.00 [ 5] NJU77806 ■特性例 電圧利得/位相 対 周波数 特性例 VDD=5.0V, Gv=40dB, RS=100Ω, RL=10kΩ 電圧利得/位相 対 周波数 特性例 60 VDD=5.0V, Gv=40dB, RS=100Ω, RF=10kΩ 50 利得 Ta=25ºC 電圧利得 [dB] 30 Ta=105ºC 位相 30 40 0 30 -30 10 -60 0 -90 Ta=-40ºC -10 Ta=25ºC Ta=105ºC -20 -30 1k 10k 100k 周波数 [Hz] 1M 電圧利得 [dB] Ta=-40ºC 位相 [deg] 40 20 60 利得 30 CL=0pF 0 CL=47pF 位相 20 -30 10 -60 0 -90 -120 -10 -150 -20 -180 10M -30 -120 CL=0pF CL=47pF -150 CL=100pF 1k 10k 位相 [deg] 50 100k 周波数 [Hz] パルス応答 特性例 過渡応答 特性例 VDD=5.0V, GV=14dB VDD=5.0V, GV=14dB -180 10M 1M CL=0pF Ta=-40ºC 250mV/div 250mV/div Ta=25ºC Ta=105ºC CL=100pF 1µs/div 10μs/div 入力換算雑音電圧 対 周波数 特性例 0.1Hz to 10Hz 雑音電圧波形 特性例 VDD=5.0V f=0.1Hz to 10Hz, VDD=5.0V, VICM=2.5V 40 30 25 100nV/div 入力換算雑音電圧 [nV/ Hz] 35 20 15 10 5 0 1 10 100 周波数 [Hz] 1k 10k 1s/div © New Japan Radio Co.,Ltd. Ver.00 [ 6] NJU77806 ■特性例 THD+N 対 出力電圧 特性例 THD+N 対 出力電圧 特性例 VDD=5.0V, GV=20dB, RF=10KΩ, RS=1KΩ, Ta=25ºC, LPF=80kHz f=1kHz 0.1 f=20kHz 0.01 f=20Hz 0.001 0.01 0.1 1 出力電圧 [Vpp] 1 全高調波歪率 + ノイズ THD+N [%] 全高調波歪率 + ノイズ THD+N [%] 1 10 VDD=1.8V, GV=20dB, RF=10KΩ, RS=1KΩ, Ta=25ºC, LPF=80kHz 0.1 f=20kHz 0.01 f=1kHz f=20Hz 0.001 0.01 0.1 1 出力電圧 [Vpp] 10 © New Japan Radio Co.,Ltd. Ver.00 [ 7] NJU77806 ■アプリケーションノート ■トランスインピーダンスアンプ NJU77806 は、CMOS 入力段で構成されているので、 きわめて高い入力インピーダンスを備えています。合 わせて、低消費電流にも関わらずに低雑音特性である ため、バッテリー駆動機器など低消費電力が必要とさ れるトランスインピーダンス・アプリケーションに最 適なオペアンプです。代表的なトランスインピーダン ス・アンプを図 1 に示します。アンプの出力電圧は VOUT=-IIN・RF の式で求められます。アンプの出力振幅 は制限があるので、IIN のすべての値が検知できるよう に RF を選択してください。 CF 図 2、および図 3 にマイクロホンやオーディオ・プリア ンプの反転増幅回路と非反転増幅回路を示します。図 2 は反転増幅回路で、10kΩ の帰還抵抗 R2 と 1kΩ の入力 抵抗 R1 が使われているため、-10 倍の利得が得られま す。図 3 は、非反転増幅回路で、10kΩ の帰還抵抗 R2 と 1kΩ の入力抵抗 R1 が使われているため、11 倍の利 得が得られます。 C1 および R1 によってローパス・フ ィルタのカットオフ周波数が決まります。また、C2 お よび R2 によってハイパス・フィルタのカットオフ周波 数が決まります。従いまして、R1 および R2 により利 得を決定し、C1 および C2 を調整することで所望の帯 域のみを通過・増幅させるバンドパス・フィルタ付き マイクロホン、オーディオ・プリアンプを構成するこ とが出来ます。 RF C2 1 nF R2 10 kΩ IIN CIN + CD - C1 10 µ F VOUT VIN VB R1 1 kΩ C3 + - + R3 - 図 1. トランスインピーダンスアンプ R4 下図にトランスインピーダンス・アンプ回路において、 CD はフォトダイオードの寄生容量、CIN はアンプの入力 容量です。これらの容量は高周波において動作を不安 定にさせます。発振が起こらないように、トランスイ ンピーダンス・アンプの回路設計には注意が必要です。 回路の安定性の確保と周波数応答の制御を目的に、補 償容量 CF を RF に並列に追加します。出来るだけフラ ットな二次応答を実現するために、RF と CF は次式を使 って求めます。 VOUT V+ R2 R1 AV 10[V / V ] 図 2. 反転マイクロフォン・オーディオアンプ V+ R3 CF C IN C D GBP 2 RF C3 VIN + - + R4 - VOUT R2 10 kΩ ■バンドパスフィルタ付きマイクロフォン、オーデ ィオアンプ NJU77806 は、低消費電流にも関わらず 10Hz の低周波 領域において 11nV/√Hz の優れた低入力換算雑音電圧 を実現しております。 加えて、低電圧動作、広い利得 帯域幅積、および、低高調波歪の特性を備えているた めマイクロホンやオーディオのプリアンプ・アプリケ ーションに最適です。500µA の低消費電流であるため バッテリー駆動の消費電力を抑えたいポータブル機器 において、NJU77806 は低消費設計、且つ、低雑音設 計に最適な選択肢です。 R1 1 kΩ C1 10 µ F C2 1 nF AV 1 R2 R1 11[V / V ] 図 3. 非反転マイクロフォン・オーディオアンプ © New Japan Radio Co.,Ltd. Ver.00 [ 8] NJU77806 ■アプリケーションノート ■入力容量 Voltage Gain vs. Frequency VDD=5.0V, AV=-1, CF=OPEN, Ta=25ºC 40 30 RF=RS=100kΩ Gain [dB] 20 RF=RS=10kΩ 10 0 -10 RF=RS=5kΩ -20 1k 10k 100k Frequency [Hz] 1M 10M 図 5. 異なる RF、RS における周波数特性 Voltage Gain vs. Frequency VDD=5.0V, AV=-1, RF=RS=10kΩ, Ta=25ºC 40 30 CF=0pF 20 Gain [dB] CMOS 入力段は入力バイアス電流が極めて低い一方で、 入力換算雑音電圧が大きいという性質を備えておりま す。NJU77806 は 500µA の低消費電流にもかかわらず 5.5nV/√Hz の低入力換算雑音電圧を実現しています。こ のような性能を達成するために大きな CMOS 入力段を 採用しています。そのため、NJU77806 の代表的な入 力容量は、17pF 程度となっています。この入力容量は ゲイン抵抗や帰還抵抗など他のインピーダンスと組み 合わさって、アンプの入力部に周波数応答における極 を形成します。 この極は低周波および DC ではアンプの 出力特性にはほとんど影響を及ぼしませんが、高周波 になるにつれて大きな影響が出ます。高周波において、 この極の存在は位相余裕を減少させ、ゲイン・ピーキ ングを招きます。入力容量を補償して安定性を高くす るために帰還抵抗の値に合わせた補償容量を帰還パス に追加して安定性を高くすることを推奨します。 図 4 は代表的な反転アンプ例です。図 4 において帰還 抵抗の選択は図 5 に示しますように、帰還抵抗が大き いときは周波数帯域が狭く、大きなゲイン・ピーキン グを持ちます。他方、帰還抵抗が小さい場合では周波 数帯域は広く、ゲイン・ピーキングも小さくなります。 従って、帰還抵抗の値を小さくすることを推奨します。 更に、ゲイン・ピーク特性を減少させるために帰還抵 抗 RF に補償容量 CF を並列に追加する方法があります。 図 6 に、周波数応答における補償容量 CF の影響を示し ます。20pF の容量を追加するとゲイン・ピーキングを 除去できます。この補償容量 CF の値は、選択した帰還 抵抗および寄生容量等の値に合わせて適切に調整する 必要があります。 NJU77806 は Gv=14dB(5 倍)以上での使用を推奨して いますが、これらのテクニックを用いることで図 7 の 過渡応答特性に示しますように、低い回路利得でも発 振安定度を向上することが可能です。 CF=5pF 10 CF=10pF 0 -10 CF=20pF -20 10k 100k 1M Frequency [Hz] 10M 図 6. 異なる CF における周波数特性 CF Pulse Response VDD=5.0V, AV=-1, RS=RF=10kΩ, CF=20pF, Ta=25ºC RF CL=100pF CL=0pF VIN + CIN - + - VOUT 0.5V/div [V] RS CL=220pF 図 4. 反転アンプ 4µs/div 図 7. 異なる CL における過渡応答特性 © New Japan Radio Co.,Ltd. Ver.00 [ 9] NJU77806 ■アプリケーションノート ■容量性負荷の駆動 Pulse Response VDD=5.0V, AV=+1, RISO=330Ω 0.5V/div RISO=330Ω CL=330pF 4µs/div 図 9. 過渡応答特性(RISO=330Ω) Isolation Resistance vs. Capacitive Load Av=+1, Ta=25ºC 400 Isolation Resistance RISO [Ω] ボルテージ・フォロワ構成は、容量性負荷から最も影 響を受けやすい回路構成です。アンプ出力に接続され ている容量性負荷とアンプの出力インピーダンスの組 合せによって、位相余裕を減らす位相遅れが発生しま す。位相余裕が減少すると、リンギングが発生した状 態か、もしくは発振に至ります。 NJU77806 は低入力換算雑音電圧を実現するために大 きな CMOS 入力段を採用しており、ボルテージフォロ ワ時に発振を生じることなく駆動出来る容量性負荷は 33pF 程度です。このため、使用する回路利得は 14dB(5 倍)以上が実用的となっております。 しかしながらボルテージ・フォロワ構成において容量 性負荷を駆動するテクニックとして図 8 に示すアイソ レーション抵抗:RISO を使用する方法があります。この RISO と容量性負荷:CL が極を形成し、位相遅れの緩和、 またはシステム全体の位相余裕の増加が得られます。 RISO を高抵抗にすると出力電圧はより安定します。た だし、RISO を高抵抗にすると最大出力振幅範囲、出力 短絡電流が低下するとともに、出力での最大信号周波 数帯域も低下します。 NJU77806 の代表的な RISO の値は 330Ω 以上が実用的 です。図 9 に RISO=330Ω での容量性負荷に対する過渡 応答を示します。図 10 に、ボルテージ・フォロワ構成 において安定動作のために必要なアイソレーション抵 抗 RISO 対 容量性負荷 CL のグラフを示します。発振を 防ぐために、容量性負荷に応じて下右図に示す抵抗値 以上のアイソレーション抵抗を挿入してください(図の 抵抗値は基板の寄生容量を最小にした場合の目安の値 です)。 350 300 250 200 150 100 50 0 0 200 400 600 800 Capacitive Load CL [pF] 1000 図 10. 容量性負荷安定のための アイソレーション抵抗 RISO VOUT VIN CL 図 8. 容量性負荷のアイソレーション © New Japan Radio Co.,Ltd. Ver.00 [ 10] NJU77806 ■パッケージ外形図 0.425±0.2 2.0±0.2 1.3±0.2 2 (0.245) 3 0.425±0.2 +0.1 0.23-0.05 0-10° 単位: mm 0.05±0.05 0.9±0.1 +0.2 0.2- 0.1 0.65±0.07 +0.05 0.95- 0.15 1 2.1±0.2 4 1.25±0.1 5 +0.1 0.13-0.03 SC88A パッケージ <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには万全を 期しておりますが、掲載内容について何らかの法的 な保証を行うものではありません。とくに応用回路 については、製品の代表的な応用例を説明するため のものです。また、工業所有権その他の権利の実施 権の許諾を伴うものではなく、第三者の権利を侵害 しないことを保証するものでもありません。 © New Japan Radio Co.,Ltd. Ver.00 [ 11]