NJU7085 ealaサラウンド付きステレオオーディオパワーアンプ ■概 要 NJU7085 は、携帯機器用に開発されたサラウンド技術 ’ealaMOBILE’を内蔵した低電圧動作オーディオステレオパワーア ンプです。 差動出力形式のため、スピーカのカップリングコンデンサは不要 です。電圧利得は 2 本の外付け抵抗で調整ができます。 また、スタンバイ機能によって消費電流の低減が可能です。 さらに、動作モード切り替え時のノイズ及び RF の飛び込みによ るノイズ検波についても対策を施しています。 ■外 形 NJU7085SF7 ■アプリケーション ・ ・ ・ ・ ■特 NJU7085V ポータブル DVD プレイヤ−/ポータブル TV クレードルスピーカ コードレス電話/ボタン電話 携帯電話/PHS 徴 ●動作電圧範囲 ●低消費電流 2.8∼5.5V 4.6mA typ.(Mobile mode 時) 2µA max. (Standby mode 時) ●出力電力 400mW typ.(V+=3V, RL=4Ω時) ●低出力雑音電圧 25µVrms typ. ●3D 効果可変ボリュームによる音場調整 ●スタンバイ機能 ●ミュート機能 ●C-MOS 構造 ●外形 PCSP32F7 , SSOP32 ■ブロック図 ブロック図 PS NFLO NFLI NFRI ROUT eala RINP ROUT- RIN eala Processor Block ROUT+ LIN LOUT+ Bias Block V+ GND Vref Control Block LOUT- ealaTC DNC D2 D1 D0 LOUT eala LINP –1– NJU7085 ■端子配列(SSOP32) 端子配列 No. 1 端子名 D2 2 3 4 5 D1 D0 NC GND 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 LOUT+ V+ V+ LOUTGND NC LINP LOUTeala PS NFLO NFLI 1 D2 ealaTC 32 2 D1 DNC 31 3 D0 VREF 30 4 NC 5 GND 6 LOUT+ 7 V+ V+ 26 8 V+ V+ 25 9 LOUT- 10 GND 11 NC 12 LINP 13 LOUTeala 14 PS 15 NFLO 16 RIN 18 16 NFLI LIN 17 NC 29 GND 28 ROUT+ 27 ROUT- 24 GND 23 NC 22 RINP 21 ROUTeala 20 NFRI 19 No. 17 端子名 LIN GND 端子 18 19 20 21 RIN NFRI ROUTeala RINP Lch+ 出力端子 電源端子 電源端子 Lch- 出力端子 GND 端子 パワーアンプ Lch 入力端子 eala プロセッサ Lch 出力端子 フィルタ端子 フィルタ端子 フィルタ端子 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 NC GND ROUTV+ V+ ROUT+ GND NC VREF DNC ealaTC 機能 動作切り替え端子 2 動作切り替え端子 1 動作切り替え端子 0 - 機能 Lch 入力端子 Rch 入力端子 フィルタ端子 eala プロセッサ Rch 出力端子 パワーアンプ Rch 入力端子 GND 端子 Rch- 出力端子 電源端子 電源端子 Rch+ 出力端子 GND 端子 基準電源端子 Do Not Connect 時定数コンデンサ接続端子 (✳ ) –2– 電源端子は全て接続して下さい NJU7085 ■端子配列(PCSP32F7) 端子配列 A6 B6 C6 D6 E6 F6 A5 B5 C5 D5 E5 F5 A4 B4 C4 D4 E4 F4 A3 B3 C3 D3 E3 F3 A2 B2 C2 D2 E2 F2 A1 B1 C1 D1 E1 F1 PCSP32F7 (TOP VIEW) PCSP32F7 端子番号 端子名 端子番号 端子名 端子番号 端子名 端子番号 端子名 端子番号 端子名 端子番号 端子名 A1 B1 C1 D1 E1 F1 GND LOUT+ V+ LOUTGND LOUTeala A2 B2 NC C2 NC D2 NC E2 F2 D0 LINP PS A3 B3 C3 NC D3 NC E3 F3 NFLO D2 D1 NFLI A4 B4 C4 NC D4 NC E4 F4 LIN DNC ealaTC RIN A5 B5 NC C5 NC D5 NC E5 F5 NFRI Vref ROUTeala A6 B6 C6 D6 E6 F6 GND ROUT+ V+ ROUTGND RINP –3– NJU7085 ■絶対最大定格 項 電 源 (Ta=25°C) 目 記 電 圧 号 定 + V 1) 消 費 電 力 PD 出 力 電 流 Io 動 保 作 存 温 温 度 度 Topr Tstg 950* 2) 1500* 1) 720* 2) 1700* 格 単 +7 (SSOP32) (SSOP32) (PCSP32) (PCSP32) 500 位 V mW mA °C °C -40∼+85 -40∼+125 注1) EIA/JEDEC仕様基板(76.2×114.3×1.6mm、2層、FR-4)実装時 注2) EIA/JEDEC仕様基板(76.2×114.3×1.6mm、4層、FR-4)実装時 *本製品は、パッケージパワーに対して電流能力が大きいため、実際のセット時の環境条件、 出力や消費電流の温度特性を考慮した熱設計をお願いします。 ・ジャンクション温度(Tj)の推定 Tj=θja(熱抵抗)×Pd(実使用での消費電力) + Ta(周囲温度) Tj が許容最高温度(最大保存温度)の 80%以下になるように熱設計することをお勧めいたします。 ■推奨動作範囲 項 目 記 動 作 電 圧 範 囲 号 条 件 + 小 2.8 V ■電気的特性 最 標 準 3.0 最 大 単 5.5 位 V + ◆電源特性 (指定無き場合 Ta=25°C, V =3V) 項 消 基 費 準 目 電 電 記 流 圧 号 条 件 最 小 標 準 最 大 単 位 IDD1 無信号、RL=∞、Mobile mode - 4.6 8.0 mA IDD2 無信号、RL=∞、Mute mode - 4.6 8.0 mA IDD3 無信号、RL=∞、Charge mode - 200 400 µA IDD4 無信号、RL=∞、STBY mode - - 2.0 µA 1.27 1.50 1.72 V VREF + ◆ AC 特性 (指定無き場合 Ta=25°C , V =3V, Gv=6dB, VIN=-20dBV, f=1kHz, RL=4Ω, Bypass mode) 項 目 記 号 条 件 最 小 全 高 調 波 歪 率 ( T H D + N ) THD1 Po=200mW - 標 準 -4.0 (630) -21.4 (85) -92 (25.1) -90 (31.6) 0.1 THD2 Po=200mW, eala mode - 0.1 - バ イ パ ス 利 得 GVBYP 5.0 6.0 7.0 dB サラウンド利得 1 GVSUR1 17.5 20.5 23.5 dB サラウンド利得 2 GVSUR2 6.5 8.5 10.5 dB サラウンド利得 3 GVSUR3 17.5 20.5 23.5 dB サラウンド利得 4 GVSUR4 Bypass mode VIN=-26dBV, f=100Hz, Lin→Lout, eala mode, R1+R2=4.7kΩ f=100Hz, Lin→Lout, eala mode R1+R2=54.7kΩ VIN=-26dBV, f=100Hz, Lin→Lout, Mobile mode, R1+R2=4.7kΩ f=100Hz, Lin→Lout, Mobile mode, R1+R2=54.7kΩ 6.5 8.5 10.5 dB VIM1 THD=1% VIM2 THD=1%, f=100Hz, eala mode Lin→Lout, R1+R2=4.7kΩ - VNO1 Rg=0Ω,A-weighted - 最 大 入 力 電 圧 - 出 力 雑 音 電 圧 VNO2 –4– Rg=0Ω, A-weighted, eala mode - 最 大 - 単 位 dBV (mVrms) dBV (µVrms) % NJU7085 ◆ AC 特性 + (指定無き場合 Ta=25°C , V =3V, Gv=6dB, VIN=-20dBV, f=1kHz, RL=4Ω, Bypass mode) 項 出 力 目 電 記 力 電源リップル除去比 ミ ュ ー ト 減 衰 率 チ ャ ン ネ ル セ パ レ ー シ ョ ン 入 力 抵 抗 出 力 間 電 位 差 号 Po 条 件 最 THD≤2%, Gv=12dB 小 320 標 準 最 400 大 - 単 位 mW PSRR Vripple=1kHz/100mVrms - 55 - dB MAT1 Mute mode - -95 - dB MAT2 STBY mode - -130 - dB CS RS=600Ω, VO=1Vrms, f=1kHz, A-weighted - 70 - dB RIN LIN, RIN 端子 - 100 - kΩ Mode Control 端子 10 - - MΩ VIN=0V -60 - 60 mV RMODE VOD + ◆制御部特性 (指定無き場合 Ta=25°C, V =3V) 項 目 記 号 条 件 最 小 + 標 準 最 大 単 位 + H レベル入力電圧 VIH - 0.7V - V L レベル入力電圧 VIL - 0 - 0.25 V ■制御端子説明 制御端子説明 ●待機/動作モード選択(Mode Control 端子) 制御端子 動作モード D2 D1 L STBY L L Charge H L MUTE H H Bypass L eala L L Mobile H H 設定禁止 上記以外 D0 L L H H H H 説 明 IC を待機状態にします Vref を充電して動作時に備えます 出力をミュートします 入力信号をバイパスします eala-ON eala Mobile-ON - –5– NJU7085 ■ 端子等価回路 ■ 端子 端子 SSOP32 PCSP32 1 2 3 A3 B3 A2 端子名 D2 D1 D0 機能名 等価回路 端子電圧 動作切り替え端子 100 7,8, 25,26 C1 C6 V+ 電源端子 5,10, 23,28 A1 A6 E1 E6 GND GND 端子 V+ 電源端子 0 GND 端子 6 9 24 27 B1 D1 D6 B6 LOUT+ LOUTROUTROUT+ 12 21 E2 F6 LINP RINP Lch+出力端子 Lch-出力端子 Rch-出力端子 Rch+出力端子 V+/2 パワーアンプ Lch 入力端子 パワーアンプ Rch 入力端子 V+/2 100 –6– NJU7085 端子 端子 SSOP32 PCSP32 13 20 F1 E5 14 F2 端子名 機能名 LOUTeala ROUTeala eala プロセッサ Lch 入力端 子 eala プロセッサ Rch 入力端 子 PS 等価回路 端子電圧 V+/2 20k V+/2 フィルタ端子 20k 100 15 F3 NFLO V+/2 フィルタ端子 20k 16 19 E3 F5 NFLI NFRI V+/2 フィルタ端子 20k 100 –7– NJU7085 端子 端子 SSOP32 PCSP32 17 18 F4 E4 端子名 LIN RIN 機能名 等価回路 端子電圧 V+/2 Lch 入力端子 Rch 入力端子 VREF 100 100k 10p 100 10p 30 A5 Vref V+/2 基準電源端子 20k 100 20k 32 B4 ealaTC 時定数コンデンサ接続端子 200k 100 200k 4,11 22,29 31 –8– B2,B5 C2,C3, C4,C5 D2,D3 D4,D5 A4 NC DNC 未接続端子 DO NOT CONNECT NJU7085 ■応用回路例 応用回路例 C6=3.3nF R1=4.7kΩ C5= 22nF PS Ci=0.1uF NFLO R2=50kΩ NFLI Ri=20kΩ C7=3.3nF ROUT eala NFRI Rf=20kΩ RINP ROUT- RIN Rch RL eala Processor Block Ci=0.1uF ROUT+ LIN LOUT+ Lch V+ Bias Block RL Control Block LOUT- + GND C1= 10uF Vref C2= 1uF ealaTC DNC C3= R9= 0.1uF 100k Ω D2 D1 R8= 100kΩ D0 LOUT eala R3= 100kΩ LINP Ri=20kΩ Rf=20kΩ Mode Control –9– NJU7085 ■アプリケーションノート NJU7085 は、携帯電話やポータブル機器用に開発された、サラウンド機能付きステレオパワーアンプです。 電源電圧 2.8V から動作でき、BTL 接続とすることで高出力電力、出力カップリングコンデンサレスを実現しま す。入力スルーの Bypass モード、ステレオサラウンドの eala モード、狭間隔スピーカ時に適したサラウンド eala Mobile モード(Mobile)を選択することができます。また、スタンバイ機能を装備しており、スタンバイ 時は消費電流を低減すると同時にミュート状態といたします。スタンバイの切り替え時に発生するノイズ、い わゆるボツ音を低減しております。また、Charge モードにより外付けの Vref コンデンサを急速充電すること でデバイスの起動時間を短縮することができます。 このアプリケーションノートでは、動作概要と使用上の注意について述べています。 1. 注意事項 1.1 1.2 1.3 FM 音源及びモノラル信号のような残響成分のない音に対して、十分なサラウンド効果は得られません。 eala Mobile モードでは、スピーカ間隔が 20cm 以上ある場合、十分なサラウンド効果が得られません。 この場合、eala モードをご使用下さい。 電波被りの対策は行ってますが、事前に実機による評価が必要です。 2. . 動作概要 図 1 は NJU7085 のブロック図で、eala サラウンド、パワーアンプ、バイアス源、TSD(サーマルシャット ダウン) 、コントロール部で構成されています。外部コントロール端子 D0、D1、D2 により、Bypass / eala / Mobile の 3 種類の動作を選択することができ、外付け抵抗によりサラウンド効果の調整ができます。パワーアンプは BTL 構成となっており、外付け抵抗により利得を決めることができます。スタンバイ機能は全回路を停止させ ますので低消費電流に貢献します。スタンバイ、及び各モードの切替時には、外付け容量 C2、C3 を利用し、 ボツ音を低減しております。ボツ音の詳細については 3.電源 ON/OFF 及びモード切替時ボツ音についてを参照 してください。 C6=3.3nF R1=4.7kΩ C5= 22nF PS Ci=0.1uF NFLO R2=50kΩ NFLI Ri=20kΩ C7=3.3nF ROUT eala NFRI Rf=20kΩ RINP ROUT- RIN Rch RL eala Processor Block Ci=0.1uF ROUT+ LIN LOUT+ Lch V+ Bias Block RL Control Block LOUT- + GND C1= 10uF Vref C2= 1uF ealaTC DNC C3= R9= 0.1uF 100k Ω D2 D1 R8= 100kΩ Mode Control 図 1 ブロック図 – 10 – D0 LOUT eala R3= 100kΩ LINP Ri=20kΩ Rf=20kΩ NJU7085 2.1 外付け素子 2.1.1 電源バイパスコンデンサ 電源バイパスコンデンサ C1 は、温度特性に余裕があり、高周波特性の良いものを使用し、IC からの 配線抵抗が低くなるように近傍に配置してください。 2.1.2 入力カップリングコンデンサ 入力信号は、入力カップリングコンデンサ Ci と内部入力抵抗 100kΩ とで形成されるハイ・パス・ フィルタによって低域がカットされます。実際に使用されるスピーカの低音再生限界を考慮して容量 値を決めてください。 2.1.3 パワーアンプ入力抵抗と帰還抵抗 パワーアンプの利得は入力抵抗 Ri と帰還抵抗 Rf の比によって決定されます。BTL 接続にて 0∼ 43dB の範囲になるように決めてください。抵抗比以外として、Ri‖Rf の抵抗値の増加は出力雑音電 圧の増加に影響しますので、考慮したうえで抵抗値をお選びください。図 1 の場合、パワーアンプの 利得 Gv は Gv=20LOG(2Rf/Ri) = 6 [dB] となります。 2.1.4 基準電圧バイパスコンデンサ 基準電圧バイパスコンデンサ C2 は PSRR に影響します。C2 を大きくすることで PSRR が改善され ます。 2.1.5 ボリューム抵抗 ボリューム抵抗 R2 はサラウンド効果を連続可変できるようになっています。効果を固定にする場合 は、R1+R2 の抵抗を固定抵抗に置き換えることができます。 2.1.6 ealaTC コンデンサ ealaTC コンデンサ C3 はモード切替時(Bypass⇔eala、Bypass⇔Mobile、eala⇔Mobile)のボツ音に 影響します。C3 を大きくすることでモード切替時にボツ音が改善されます。 2.1.7 PS コンデンサ PS コンデンサ C5 は Moblie モード時の位相処理用に使用します。サラウンド時に音の中抜けが目立 つ場合、小さくすることで改善されます。 2.1.8 コントロール端子外付け抵抗 コントロール端子 D0,D1,D2 に外付けされる抵抗 R3,R8,R9 はスイッチ切替時のボツ音を低減する目 的で挿入されています。 – 11 – NJU7085 2.2 動作説明 2.2.1 Bypass 図 2 は Bypass モード時の信号経路を示します。 LIN から入力された信号は LOUT へ、RIN から入力された信号は ROUT へ出力されます。 Bypass eala LIN LOUT eala LINP LOUT+ Mobile L‐ R Phase Shifter eala,Mobile 3D SP FILTER MIN LOUT- Bypass VR MAX ROUT- RIN ROUT eala 図2 2.2.2 Bypass RINP ROUT+ Mode eala 図 3 は eala モード時の信号経路を示します。 LIN から入力された信号は L-R の加算器とスルーの信号に分けられます。L-R の信号は 3D SP FILTER で信号処理され、VR によりサラウンド効果の調節を行います。VR により調節されたサラウンド信号は、 元の LIN から入力されたスルーの信号に加算され、LOUT から出力されます。 RIN も LIN 同様の信号処理を行います。 Bypass eala LIN LOUT eala LINP LOUT+ Mobile L‐ R eala,Mobile 3D SP FILTER MIN Phase Shifter LOUT- Bypass VR MAX ROUT- RIN ROUT eala 図3 – 12 – eala Mode RINP ROUT+ NJU7085 2.2.3 Mobile 図 4 は Mobile モード時の信号経路を示します。 LIN から入力された信号は L-R の加算器とスルーの信号に分けられます。L-R の信号は 3D SP FILTER で信号処理され、VR によりサラウンド効果を調節を行います。VR により調節されたサラウンド信号は、 元の LIN から入力されたスルーの信号と加算され、Phase Shifter で位相処理されて LOUT から出力されま す。 RIN から入力された信号は L-R の加算器とスルーの信号に分けられます。L-R の信号は 3D SP FILTER で信号処理され、VR によりサラウンド効果の調節を行います。VR により調節されたサラウンド信号は、 元の RIN から入力されたスルーの信号と加算され、ROUT から出力されます。 Bypass eala LIN LOUT eala LINP LOUT+ Mobile Phase Shifter eala,Mobile 3D SP FILTER L‐ R MIN LOUT- Bypass VR MAX ROUT- RIN ROUT eala 図4 Mobile RINP ROUT+ Mode 3. . 電源 ON/OFF 及びモード切替時 モード切替時ボツ 切替時ボツ音 ボツ音について NJU7085 は容量の充放電を利用しボツ音を低減していますが、ご使用方法によってはボツ音が発生するお それがあります。ここでは、ボツ音を低減するためのポイントを示します。 3.1 電源の ON/OFF 電源の ON/OFF は STBY モード(D0,D1,D2=L,L,L)で行ってください。 3.2 スタンバイ → アクティブ(Bypass、eala、Mobile) STBY(L,L,L)→Charge(L,L,H)→MUTE(H,L,H)→各モードとしてください。 Charge モードは Vref を充電します。Vref の充電には約 50mS(C2=1uF 時参考値)を必要 とします。充電時間は Vref 安定用コンデンサ C2 に依存し、充電時間 T は概ね以下の式で算出 できます。 T=5×C2×100k [S] MUTE モード移行後、出力 Lo(Ro)の DC バイアス電圧が V+/2 へなります。Vref の充電が 完了しないうちに MUTE モード→各モードへ移行しますと、出力波形にクリップを生じ歪みま す。Charge モード移行後、上記式より算出した T[S] 経過した後に、MUTE→各モードと動作 させるようにしてください。 – 13 – NJU7085 3.3 アクティブ → スタンバイ 各モード→Mute(H,L,H)→STBY(L,L,L)としてください。 PSRR 対 C2 C2 は Vref を安定させるために用いられ、電源リップル除去比(PSRR)に影響を与えます。図 5 に PSRR の 周波数特性を示します。C2 を大きくすることで、低周波での特性が改善されることが分かります。C2 を大きく すれば、PSRR が改善されますが、充電時間にも影響しますので、評価、検討してください。 4. 電源リップル除去比 対 周波数特性 V+=3V.RL=4Ω,Vripple=100mVrms,Bypass 70 60 PSRR[dB] 50 40 C2=2.2uF 30 C2=1.0uF 20 C2=0.47uF 10 0 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04 1.E+05 周波数[Hz] 図5 PSRR 対 C2 ※本動作説明については、動作原理を表しており特性、数値を保証するものではありません。設計に当たっては外 付部品及び当社 IC の特性、ばらつき等考慮し、使用の際は特性の確認を行ってください。 – 14 – NJU7085 ■特性例 基準電圧 対 周囲温度特性 V+=3V 基準電圧 対 電源電圧特性 Ta=25℃ 3 4 3.5 2.5 3 2 基準電圧[V] 基準電圧[V] 2.5 2 1.5 1.5 1 1 0.5 0.5 0 -50 0 0 1 2 3 4 電源電圧[V] 5 6 7 0 25 50 75 電源電圧[V] 100 125 150 消費電流 対 周囲温度特性 V+=3V、Gv=6dB、RL=OPEN 消費電流 対 電源電圧特性 RL=OPEN、Ta=25℃ 5 12 4 10 消費電流[mA] 8 消費電流[mA] -25 Bypass,eala eala mobile,Mute 6 3 Bypass,eala eala mobile,Mute 2 4 Charge 1 Charge 2 0 0 1 2 3 4 電源電圧[V] 5 6 7 0 -50 0 50 100 150 周囲温度[℃] Maximum Input Voltage vs. Pow er Supply Voltage RL=4Ω,f=100Hz,Reff=4.7kΩ,THD=1%,eala 消費電流 対 電源電圧特性 STBY -10 1.E-03 熱遮断回路特性 V+=3V、RL=OPEN 1.E-04 消費電流[mA] Maximum Input Voltage[dBV] 6 1.E-05 -12 Rch 消費電流[A] 5 1.E-06 -14 4 1.E-07 Lch -16 3 1.E-08 2 -18 1.E-09 1 1.E-10 0 1 2 3 4 電源電圧[V] 5 6 -20 7 2.5 0 140 3 150 3.5 4 4.5 Pow er Supply Voltage[V] 160 170 180 5 190 5.5 200 周囲温度[℃] – 15 – NJU7085 ■特性例 シャットダウ時ン消費電流 対 周囲温度特性 V+=3V,RL=OPEN,VSD=0.25V 1.E-01 1.E+00 1.E-02 1.E-01 1.E-03 1.E-02 1.E-04 1.E-03 シャットダウン時消費電流 消費電流[A] コントロール端子電圧 対 消費電流特性(Ta) V+=3V、RL=OPEN 1.E-05 1.E-06 Ta=125℃ 1.E-07 1.E-08 Ta=85℃ 1.E-09 1.E-11 1.E-06 1.E-07 1.E-08 1.E-10 Ta=-40℃ 1.E-11 -50 1.E-12 0 1.E-05 1.E-09 Ta=-25℃ 1.E-10 1.E-04 1 2 3 0 50 100 150 周囲温度[℃] Vsd端子電圧[V] 最大入力電圧 対 電源電圧特性 RL=4Ω、f=1kHz、THD=1%、Bypass 出力雑音電圧 対 周囲温度特性 V+=3V、Rg=0Ω、Reff=4.7kΩ、Vout=Lch、A-weighted 5 -80 mobile eala 最大入力電圧[dBV] 出力雑音電圧[dBV] -85 -90 -95 Bypass -100 0 Lch -5 Rch -105 -110 -50 -10 -25 0 25 50 75 周囲温度[℃] 100 125 150 2.5 3 3.5 4 4.5 電源電圧[V] 5 5.5 最大入力電圧 対 電源電圧特性 RL=4Ω、f=100Hz、Reff=4.7kΩ、THD=1%、eala 最大入力電圧 対 周囲温度特性 V+=3V、RL=4Ω、f=100Hz、THD=1%、Bypass -10 0 -1 -12 最大入力電圧[dBV] 最大入力電圧[dBV] Rch -2 Lch -3 -4 Lch -16 -18 -5 Rch -6 -50 0 50 周囲温度[℃] – 16 – -14 100 150 -20 2.5 3 3.5 4 4.5 電源電圧[V] 5 5.5 NJU7085 ■特性例 最大入力電圧 対 周囲温度特性 V+=3V、RL=4Ω、f=100Hz、THD=1%、eala 最大入力電圧 対 電源電圧特性 RL=4Ω、f=100Hz、Reff=4.7kΩ、THD=1%、mobile -15 -10 -16 -12 Rch -17 最大入力電圧[dBV] 最大入力電圧[dBV] Rch -18 Lch -14 Lch -16 -19 -18 -20 -50 0 50 周囲温度[℃] 100 150 -20 2.5 3 3.5 4 4.5 電源電圧[V] 180 -15 135 90 Rch Ta=-40,25,85,125℃ -16 位相[deg] 45 最大入力電圧[dBV] 5.5 位相特性(Ta) V+=3V,RL=4Ω,Vin=-20dBV, mobile 最大入力電圧 対 周囲温度特性 V+=3V、RL=4Ω、f=100Hz、THD=1%、mobile Rch -17 0 -45 Lch,Ta=-40、25℃ -90 -18 Lch,Ta=85℃ -135 Lch -19 -180 Lch,Ta=125℃ -225 1.E+01 -20 -50 0 50 周囲温度[℃] 100 1.E+02 150 1.E+04 1.E+05 THD-Po特性 V+=3V,Gv=12dB(PA),f=100Hz,RL=4Ω,Vout=Lch,mobile 100 100 10 10 85℃ THD+N[%] 25℃ 85℃ 125℃ 1 0.1 25℃ 125℃ 1 0.1 -40℃ 0.01 1.E-03 1.E+03 周波数[Hz] THD-Po特性 V+=3V,Gv=6dB(PA),f=100Hz,RL=4Ω,Vout=Lch, mobile THD+N[%] 5 1.E-02 1.E-01 Po[W] -40℃ 1.E+00 1.E+01 0.01 1.E-03 1.E-02 1.E-01 Po[W] 1.E+00 1.E+01 – 17 – NJU7085 ■特性例 THD-Po特性 V+=5V,Gv=12dB(PA),f=100Hz,RL=8Ω,Vout=Lch,mobile 100 100 10 10 THD+N[%] THD+N[%] THD-Po特性 V+=5V,Gv=6dB(PA),f=100Hz,RL=8ΩVout=Lch,mobile 1 125℃ 0.1 1 125℃ 0.1 -40、25、85℃ -40、25、85℃ 0.01 1.E-03 1.E-02 1.E-01 Po[W] 1.E+00 0.01 1.E-03 1.E+01 100 100 10 10 85OC 1 125OC 25OC 1.E-01 Po[W] 85OC 125OC 25OC 1 -40OC -40OC 0.01 1.E-03 1.E-02 1.E-01 1.E+00 0.01 1.E-03 1.E+01 1.E-02 1.E-01 THD+N vs. Output Pow er V+=5V,Gv=6dB(PA),f=100Hz,RL=8Ω,Vout=Lch,eala 1.E+01 THD+N vs. Output Pow er V+=5V,Gv=12dB(PA),f=100Hz,RL=8Ω,Vout=Lch,eala 100 100 10 THD+N[%] 10 85OC 1 O 25 C 125OC 0.1 85OC 1 25OC 125OC 0.1 -40OC 0.01 1.E-03 1.E+00 Output Pow er[W] Output Pow er[W] THD+N[%] 1.E+01 0.1 0.1 1.E-02 1.E-01 Output Pow er[W] – 18 – 1.E+00 THD+N vs. Output Pow er V+=3V,Gv=12dB(PA),f=1kHz,RL=4Ω,Vout=Lch,Bypass THD+N[%] THD+N[%] THD+N vs. Output Pow er V+=3V,Gv=6dB(PA),f=1kHz,RL=4Ω,Vout=Lch,Bypass 1.E-02 1.E+00 1.E+01 0.01 1.E-03 -40OC 1.E-02 1.E-01 Output Pow er[W] 1.E+00 1.E+01 NJU7085 ■特性例 電圧利得 対 周波数特性(Ta) V+=3V、RL=4Ω、Reff=4.7kΩ、Vout=Lch、eala 電圧利得 対 周波数特性(Ta) V+=3V、RL=4Ω、Vout=Lch、Bypass 25 8 Ta=-40℃ Ta=25℃ 20 電圧利得[dB] 電圧利得[dB] 7 6 Ta=85℃ 15 Ta=125℃ 10 Ta=-40,25,85,125℃ 5 5 4 1.E+01 1.E+02 1.E+03 周波数[Hz] 1.E+04 0 1.E+01 1.E+05 1.E+02 1.E+03 周波数[Hz] 1.E+05 電圧利得 対 周波数特性(Ta) V+=3V、RL=4Ω、Reff=4.7kΩ、Vout=Lch、mobile 電圧利得 対 周波数特性(Ta) V+=3V、RL=4Ω、Reff=54.7kΩ、Vout=Lch、eala 25 25 Ta=-40℃ Ta=25℃ 20 電圧利得[dB] 20 電圧利得[dB] 1.E+04 15 Ta=-40℃ Ta=25℃ 10 15 Ta=85℃ Ta=125℃ 10 5 5 Ta=85℃ 0 1.E+01 1.E+02 Ta=125℃ 1.E+03 周波数[Hz] 1.E+04 0 1.E+01 1.E+05 電圧利得 対 周波数特性(Ta) V+=3V、RL=4Ω、Reff=54.7kΩ、Vout=Lch、mobile 1.E+02 1.E+03 周波数[Hz] 1.E+04 1.E+05 電源リップル除去比 対 周波数特性(Ta) V+=5V、RL=8Ω、RIN=GND、Rch、Bypass 25 70 60 20 Ta=-40℃ Ta=-40℃ PSRR[dB] 電圧利得[dB] 50 15 Ta=25℃ 10 40 Ta=25,85,125℃ 30 20 5 Ta=85℃ 0 1.E+01 1.E+02 10 Ta=125℃ 1.E+03 周波数[Hz] 1.E+04 1.E+05 0 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04 1.E+05 周波数[Hz] – 19 – NJU7085 ■特性例 消費電力 対 出力電力特性 V+=3V、Gv=6dB、f=1kHz、Ta=25℃、Vout=Lch、Bypass 電源リップル除去比 対 周波数特性(Ta) V+=3V、RL=4Ω、RIN=GND、Vout=Lch、Bypass 0.6 70 60 0.5 Ta=-40℃ 50 消費電力[W] PSRR[dB] 0.4 40 Ta=25,85,125℃ 30 RL=4Ω 0.3 0.2 20 RL=8Ω 0.1 10 0 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04 1.E+05 0 0 0.2 0.4 出力電力[W] 周波数[Hz] 消費電力 対 出力電力特性 V+=5V、Gv=6dB。RL=8Ω、f=1kHz、 Ta=25℃、Vout=Lch、Bypass 0.8 出力電力 対 電源電圧特性 Gv=12dB(PA),f=1kHz,RL=8Ω,Ta=25℃,Bypass 1.8 0.7 1.6 0.6 1.4 1.2 0.5 出力電力[W] 消費電力[W] 0.8 0.6 0.4 0.3 Lch,Rch:THD=10% 1 0.8 0.6 0.2 0.4 0.1 0.2 Lch,Rch:THD=1% 0 0 0 0.5 出力電力[W] 1 0 1.5 1 2 3 4 5 6 電源電圧[V] 出力電力 対 電源電圧特性 Gv=12dB(PA),f=1kHz,RL=4Ω,Ta=25℃,Bypass 1.2 100 1 80 チャンネルセパレーション 対 周波数特性 Rin→Lout V+=3V,Gv=6dB,RL=4Ω,Bypass Lch,Rch:THD=10% 0.8 出力電力[W] チャンネルセパレーション[dB] Reff=54.7kΩ 0.6 0.4 Lch,Rch:THD=1% 60 Reff=4.7kΩ 40 20 0.2 0 0 1 2 3 電源電圧[V] – 20 – 4 5 0 1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 周波数[Hz] 1.E+04 1.E+05 NJU7085 ■特性例 チャンネルセパレーション[dB] 100 チャンネルセパレーション 対 周波数特性 Lin→Rout V+=3V,Gv=6dB,RL=4,Bypass 80 60 Reff=54.7kΩ Reff=4.7kΩ 40 20 0 1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04 1.E+05 周波数[Hz] <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには 万全を期しておりますが、掲載内容について 何らかの法的な保証を行うものではありませ ん。とくに応用回路については、製品の代表 的な応用例を説明するためのものです。また、 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴 うものではなく、第三者の権利を侵害しない ことを保証するものでもありません。 – 21 –