NJU7343 単相 DC ブラシレスモータドライバ IC ■ 概要 ■ 外形 NJU7343 は、 小型ファンモータ向けに開発した単相DC ブ ラシレスモータドライブ IC で、CMOS プロセスの採用によ り、大電流時においても低飽和出力電圧を実現しています。 帰還抵抗を内蔵し、リニア駆動方式を採用しており、モータ 駆動時の低騒音化が実現できます。 各ドライバはロック保護/自動復帰回路、サーマルシャッ トダウン回路を内蔵し、大電流化アプリケーションに対応し ています。また、FG 出力機能を備えています。 パッケージは VSP10 を採用し、モータの小型化、薄型化 に配慮しました。小型高出力のファンモータアプリケーショ ンに最適です。 NJU7343R ■ 特徴 ● 電源電圧動作 VDD =2.2 ∼ 5.5V ● 低消費電流 IDD = 3 mA (typ) ● 出力電圧 VOM=±0.25V @Io=±500mA ● サーマルシャットダウン ● ロック保護/自動復帰 ● FG 出力 ● 入力オフセット電圧 ±5mV ● C-MOS 構造 ● 外形 VSP10 ■ブロック図 1 10 LD 2 9 3 8 4 7 1 :Ct 2 :FG 3 :VDD 4 :OUT B 5 :VSS 6 :VSS 7 :OUT A 8 :VDD 9 :IN10:IN+ TSD 5 Ver.2013-09-09 6 (注意):全てのVDD端子とVSS端子は、それぞれIC 外部で接続して下さい。全ての端子を接続しない 場合は、電気的特性が仕様を満たさない場合があ ります。 -1- NJU7343 ■ 絶対最大定格 項 目 電 源 電 圧 入 力 電 圧 出力電流(ピーク) 動 作 温 度 範 囲 保 存 温 度 範 囲 消 費 電 力 ■推奨動作範囲 項 目 (Ta=25℃) 定 格 値 記号 (単位) 備考 +7.0 -0.3 ∼ VDD+0.3 1000 -40 ∼ +85 -50 ∼ +150 400 VDD (V) VID (V) IO PEAK (mA) Topr (℃) Tstg (℃) PD (mW) パッケージ単体 記号 条 件 最小 標準 (Ta=25℃、VDD=5V) 最大 単位 動作電源電圧範囲 VDD Ct=0V 2.2 5.0 5.5 V 動作温度(接合部) Tj − -40 − 125 ℃ 同相入力電圧範囲 VICM − 0.4 − 4.0 V 出力電流(定常時) IO − − − 500 mA -2- Ver.2013-09-09 NJU7343 ■ 電気的特性 項 目 (Ta=25℃、VDD=5V) 記号 条 件 最小 標準 最大 単位 ■全体 消費電流 I DD − − 3.0 4.0 mA 過熱保護動作温度 TTSD − − 180 − ℃ 過熱保護ヒステリシス THYS − − 50 − ℃ 入力オフセット電圧 VIO − -5 − 5 mV 帰還抵抗 RF − 22.0 27.5 33.0 kΩ オープンループゲイン AV − − 80 − dB 同相入力電圧範囲 VICM − 0.4∼4.0 − − V VOH Io=+350mA 4.65 4.75 − VOL Io= -350mA − 0.25 0.35 RONH Io=+500mA − 0.5 − RONL Io= -500mA − 0.5 − ロック保護動作電圧 VLOP − 4.0 − − V ロック検出充電電流 ICHG − − 0.6 − μA ロック検出放電電流 IDCHG − − 0.1 − μA クランプ電圧 VCL − − 2.8 − V 検出電圧 VID − − 0.8 − V FG L 出力電圧 VFG IN+(10pin)=0V,IN-(9pin)=5V, RP=10kΩ − − 0.3 V FG H リーク電流 IFG-LEAK IN+(10pin)=5V,IN-(9pin)=0V, RP=10kΩ − − 1.0 μA ■ホールアンプ ■モータ出力部 最大出力電圧 出力抵抗 V Ω ■ロック保護回路部 ■回転検出出力部 Ver.2013-09-09 -3- NJU7343 ■ アプリケーションノート NJU7343 は、単相全波駆動のブラシレスモータドライバ IC です。プロセスに CMOS を使用しており、低消費・高出 力電流を実現しています。低消費なため、小型パッケージを採用することが可能となり、ノートパソコン等の小型機器 のファンモータに最適です。 [応用回路例] V+ D1 C1 GND R3 R1 VDD Hall element IN+ OUTA Motor INR2 Ct OUTB C2 VSS FG FG out [設計資料] V+=5V,ホール素子:HW101A(AKE),FAN モータ電流:500mA を例に説明します。 1. C1,D1 C1 は、ノイズ除去用のコンデンサです。実機の使用環境等に合わせて選択してください。 D1 は、電源配線の逆接続保護のダイオードです。 2. モータロック保護/自動復帰回路(C2 の設計) モータロック保護/自動復帰回路は、なんらかの異常でモータが回転停止したのを検出し、モータ電流を自動的に off します。その後ロックが解除されるとモータ回転に自動復帰します。 C2 のコンデンサ定数により、ロック検出時間(TON)とロック保護時間(TOFF)を設定します。設定します。ロック検 出時間、モータの起動時間(機械時定数)を考慮して決める必要があります。 ON 時間 TON は、 TON = C 2 VCL − VID [sec] Ich で与えられます。 たとえば、C2=0.15uF の時は、 TON = 0.15 × 10 −6 × 2 .8 − 0 .8 = 0.49[sec ] 0.6 × 10 −6 となります。 -4- Ver.2013-09-09 NJU7343 OFF 時間 TOFF は、 TOFF = C 2 VCL − VID [sec] Idis で与えられます。 C2=0.15uF の時は、 TOFF = 0.15 × 10 −6 × 2 .8 − 0 .8 = 3.00[sec ] 0.1 × 10 −6 となります。 ロック保護タイムチャートを以下に示します。 ホール入力 モータ出力 Ct端子電圧 TOFF TON モータロック保護期間 モータロック 正常動作に復帰 ※ 注意:電源電圧(VDD)が低下し 4V 未満になると、クランプ電圧(VCL)も追従して 低下します。これにより TON と TOFF の比が変わってしまうことから、 4V 未満で使用する場合は、モータでの評価が必要です。 3. 位置検出回路ホール素子(R1,R2 の設計) 位置検出回路は差動アンプとなっています。アンプ部の入力バイアス電圧は信号の振幅も含めてホール入力コモン モード電圧(0.4∼VDD-1V)内で使用する必要があります。ホール素子無励磁のバイアス電圧は電源電圧 VDD の半 分つまり VDD/2 とすることを推奨します。 従ってホールバイアス抵抗 R1,R2 は等しく設定することになります。 HW101A のカタログより、ホール素子の入力抵抗 Rin400Ω、バイアス電流は 5mA、バイアス電圧を VDD の中点とすると、 R1 + R 2 + Rin = VDD 5 = = 1kΩ Ihbias 5 × 10 −3 R1 = R 2 = 300 Ω となります。 ホール素子の出力電圧は、ホール素子のバイアス電流、ホール素子の磁束密度に関係しますが、入力レベルとして は、100mVp-p 以上を推奨します。 4. R3 の設計 FG 出力端子は、Nch のオープンドレイン出力となっています。VDD=5V 時の標準値は、10kΩです。 タイミングチャートを以下に記します。 Hall input IN+ FG output Ver.2013-09-09 <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには 万全を期しておりますが、掲載内容について 何らかの法的な保証を行うものではありませ ん。とくに応用回路については、製品の代表 的な応用例を説明するためのものです。また、 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴 うものではなく、第三者の権利を侵害しない ことを保証するものでもありません。 -5-