NJU7356 単相 DC ブラシレスモータドライバ IC ■ 概要 ■ 外形 NJU7356 は、小型ファンモータ向けに開発した単相 DC ブラシレスモータドライブ IC で、CMOS プロセスの採用に より、大電流時においても低飽和出力電圧を実現しています。 帰還抵抗を内蔵し、リニア駆動方式を採用しており、モータ 駆動時の低騒音化が実現できます。 ロック保護/自動復帰回路 (C レスタイプ)、サーマルシャ ットダウン回路を内蔵し、大電流化アプリケーションに対応 しています。 パッケージは TVSP8 を採用して、モータの小型化、薄型 化に配慮しました。小型高出力のファンモータアプリケー ションに最適です。 NJU7356RB1 ■ 特徴 ● 電源電圧動作 VDD =2.2 ∼ 5.5V ● 低消費電流 IDD = 2 mA (typ) ● 出力電圧 VOM=±0.2V @Io=±400mA ● 入力オフセット電圧±10mV ● サーマルシャットダウン ● ロック保護/自動復帰(Ct コンデンサレス) ● FG 出力 ● ホールバイアス端子 ● C-MOS 構造 ● 外形 TVSP8 ■ ブロック図 ブロック図 1 8 LD 2 TSD 7 Control 6 3 4 端子配列 1:OUT B 2:IN + 3:HB 4:IN 5:FG 6:VDD 7:OUT A 8:VSS 5 Hall Bias -1- NJU7356 (Ta=25°C) ■ 絶対最大定格 項 目 定 格 値 記号 (単位) 備考 VDD (V) VID (V) IO PEAK (mA) Topr (°C) Tstg (°C) PD (mW) Tjmax(°C) (*1) :入力電圧は、実際に使用する電源電圧を越えないこと。 (*2) : Pd 値を超えないこと。 電 源 電 圧 入 力 電 圧 出力電流(ピーク) 動 作 温 度 範 囲 保 存 温 度 範 囲 消 費 電 力 接 合 部 温 度 +7.0 -0.3 ∼ VDD 1000 -40 ∼ +85 -50 ∼ +150 400 150 (*1) (*2) パッケージ単体 ( Ta=25°C) ■推奨動作範囲 項 目 動作電源電圧範囲 記号 VDD 条 件 - 最小 2.2 標準 5.0 単位 V ( Ta=25°C, VDD=5V ) ■ 電気的特性 項 目 最大 5.5 記号 条 件 最小 標準 最大 単位 ■全体 消費電流 I DD - - 2.0 5.0 mA 過熱保護動作温度 TTSD - - 180 - °C 加熱保護ヒステリシス THYS - - 50 - °C 入力オフセット電圧 VIO - -10 - 10 mV 帰還抵抗 RF - - 27.5 - kΩ オープンループゲイン AV - - 70 - dB VICM - 0.4 - 4.0 V VOH 4.65 4.80 - VOL Io= + 400mA Io= - 400mA - 0.20 0.35 RONH Io= + 400mA - 0.5 - RONL Io= - 400mA - 0.5 - VFG IN+=5V, IN-=0V, RL=10kΩ - - 0.3 V IFG-LEAK IN+=0V, IN-=5V, FG=5V - - 1.0 µA TON - 0.5 - sec ■ホールアンプ部 同相入力電圧範囲 ■出力部 最大出力電圧 出力抵抗 FGL 出力電圧 FGH リーク電流 V Ω ■ロック保護部 ロック保護 ON 時間 ロック保護 OFF 時間 ロック保護 ON/OFF 時間比 T0FF - - 3.5 - sec TRATIO - - 1:7 - - VHB - 1.1 1.3 1.5 V ■ホールバイアス部 ホールバイアス電圧 -2- NJU7356 ■真理値表 IN+ IN - OUTA OUTB FG H L L H H L L H L ( 出力トランジスタ ON ) Z ( 出力トランジスタ OFF ) ■タイミングチャート Motor locked Lock release ININ+ OUTA OUTB FG Toff Ton Toff Motor lock protection ■ディレーティングカーブ 400 350 POWER DISSIPATION [mW] 300 250 200 150 100 50 0 25 50 AMBIENT [D 75 85 100 125 150 TEMPERATURE C] -3- NJU7356 ■特性例 VDD-Idd IN+=VDD, IN-=GND VDD-Vhb VDD=5V, IN+=2.5V, IN-=GND (Io=5mA) 1.28 2.5 1.27 2.0 1.5 Vhb (V) Idd (mA) 1.26 1.0 1.25 1.24 1.23 0.5 1.22 0.0 1.21 0 1 2 3 4 5 6 7 8 0 1 2 3 VDD (V) 4 5 6 7 8 VDD (V) VDD-Voh VDD=5V, IN+=2.5V, IN-=GND (Io=400mA) VDD-Vol VDD=5V, IN-=2.5V, IN+=GND (Io=400mA) 600 180 160 500 140 120 Vol (mV) Voh (mV) 400 300 200 100 80 60 40 100 20 0 0 0 1 2 3 4 5 6 7 0 8 1 2 3 4 5 6 7 8 VDD (V) VDD (V) Io-Voh VDD=5V, IN+=2.5V, IN-=GND (Io=400mA) Io-Vol VDD=5V, IN-=2.5V, IN+=GND (Io=400mA) 600 450 400 500 350 300 Vol (mV) Voh (mV) 400 300 200 250 200 150 100 100 50 0 0 0 200 400 600 Io (mA) -4- 800 1000 0 200 400 600 Io (mA) 800 1000 NJU7356 ■特性例 VDD-LOCKon_time IN+=VDD/2, IN-=GND VDD-LOCKoff _time IN+=VDD/2, IN-=GND 4.5 0.7 4.0 0.6 3.5 3.0 0.4 Toff (s) Ton (s) 0.5 0.3 2.5 2.0 1.5 0.2 1.0 0.1 0.5 0.0 0.0 0 1 2 3 4 5 6 7 0 8 1 2 3 4 5 6 7 8 VDD (V) VDD(V) ■アプリケーションノート NJU7356 は、単相全波駆動のブラシレスモータドライバ IC です。プロセスに CMOS を使用しており、低消費・高出 力電流を実現しています。低消費なため、小型パッケージを採用することが可能となり、ノートパソコン等の小型機器 のファンモータに最適です。 [応用回路例] ① ホールバイアス回路未使用時 V+ D1 C1 GND RL R1 VDD Hall element OUTA IN+ Motor INR2 NJU7356 OUTB FG FG -5- NJU7356 ②ホールバイアス回路使用時 V+ D1 C1 GND RL HB Hall element VDD OUTA IN+ Motor INR3 NJU7356 OUTB FG FG [設計資料] V+=5V,ホール素子:HW101A(AKE),FAN モータ電流:400mA を例に説明します。 1. C1,D1 C1 は、ノイズ除去用のコンデンサです。実機の使用環境等に合わせて選択してください。 D1 は、電源配線の逆接続保護のダイオード(WO3C,10D1 同等)です。 2. 位置検出回路ホール素子 2-1.VDD を使用する場合(R1、 、R2 の設計) 位置検出回路は差動アンプとなっています。アンプ部の入力バイアス電圧は信号の振幅も含めてホール入力コモン モード電圧(0.4∼VDD-1V)内で使用する必要があります。ホール素子無励磁のバイアス電圧は電源電圧 VDD の半 分つまり VDD/2 とすることを推奨します。 従ってホールバイアス抵抗 R1,R2 は等しく設定することになります。 HW101A のカタログより、ホール素子の入力抵抗 Rin400Ω、バイアス電流は5mA、バイアス電圧を VDD の中点とすると、 R1 + R 2 + Rin = R1 = R 2 = 300 Ω VDD 5 = = 1kΩ Ihbias 5 × 10 −3 となります。 ホール素子の出力電圧は、ホール素子のバイアス電流、ホール素子の磁束密度に関係しますが、入力レベルとして は、100mVp-p 以上を推奨します。 2-2. HB を使用する場合(R3 の設計) ホールバイアス端子(HB)にホール素子を接続することにより、温度特性の良い一定のホール出力振幅となり 安定したリニアドライブとなります。ホール出力振幅の調整が必要な場合は R3 で行います。 -6- NJU7356 3. RL の設計 FG 出力端子は、Nch のオープンドレイン出力となっています。VDD=5V 時の標準値は 10kΩです。 タイミングチャートを以下に記します。 ホール入力 IN+ FG出力 <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには 万全を期しておりますが、掲載内容について 何らかの法的な保証を行うものではありませ ん。とくに応用回路については、製品の代表 的な応用例を説明するためのものです。また、 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴 うものではなく、第三者の権利を侵害しない ことを保証するものでもありません。 -7-