UL規格

■UL規格
材料
部品・中間製品
最終製品
UL
(Underwriters Laboratories.lnc)
は、
積層板
プリント配線板
家電・AV・情報機器など
米国の火災保険業者によって、1894年に
UL746E UL746F
UL94
UL796 UL796F
UL94
UL1492
設立された非営利の試験機関で、火災、盗
難、その他の事故から人命、財産を守るこ
とを目的として、材料、部品、および製品の
安全規格の制定、試験、承認登録、検査な
どの業務を行っています。当業界に特に関
係の深いものとして、次の規格があります。
規格サブジェクト
UL94:プラスチック材料の燃焼試験
UL746A:プラスチック材料の短期特性試験
UL746B:プラスチック材料の長期特性試験
UL746E:積層板の安全規格
UL746F:フレキシブル積層板の安全規格
UL796:プリント配線板の安全規格
UL796F:フレキシブルプリント配線板の
安全規格
UL1492:音響・映像機器の安全規格
UL60065:家庭用電気の安全規格
UL60950:情報機器の安全規格
認定条件
定格温度
ex.130℃
最高使用温度
(≧)
ex.105℃
温度上昇試験
電子回路基板の最高使用温度は積層板の定格温度を越えることはできない。
耐燃性
ex.94V-0
耐燃性
(≧)
・大電流アーク着火性
・熱線着火性
・耐トラッキング性
・耐電圧
・体積抵抗率
ex.94V-0
ダイレクトサポート
要求事項
・耐アーク性
・吸水率
・引張強度
同一性試験
・曲げ強さ
・IR
・TGA
・灰分
最小板厚
規格 規・制について
137
認定条件
(≦)
耐燃性
UL1492では必須
ピール強度
パターンリミット
(回路幅)
ソルダーリミット
銅箔厚さ
加工条件
・エッチャント
・レジスト
・めっき etc.
絶縁耐力試験
最小板厚
構 造
異常動作試験
CCIL認定プログラム
(3)
申請しようとする電子回路基板の認定
ANSIグレードのない電子回路基板の認定を
条件が、積層板のCCIL認定条件と既に認
受ける場合はCCIL認定利用の対象外となり
定 取得している同じUL/ANSIグレードの
ます。
積層板メーカーは銅箔を除去したサンプル
を提出し、絶縁層の認定を受け、さらに
CCILプ ログ ラ ム
(Copper Clad Industrial
Laminate Program)
により、銅張積層板の
試験を行うことでCCIL認定を受けることが
できます。
このCCIL認定プログラムは、電子回路基板
電子回路基板の認定条件の両方の範囲を
電子回路基板メーカーにとっては、このプ
超えない。
ログラムにより申請費用と期間が大幅に削
従ってはじめて電子回路基板の認定を受け
減できます。弊社主要品番のCCIL認定条件
る場合や、今までに認定を取得していない
は139ページの表2をご参照ください。
UL/ANSIグレードの電子回路基板やUL/
メーカーに代わって、積層板メーカーが予
通常の申請
CCILプログラム
積層板メーカー
積層板の認定取得
銅箔を除去した積層板に対し
て試験される。
1)
積層板の認定取得
2)
CCILの認定取得
所定の電子回路基板を作成し、
銅箔引きはがし強度、及びデラ
ミネーションテストなどの試験
を受ける。
電子回路基板メーカー
両面基板の場合は、左記
(1)
(2)
(3)
の条件を満足していれば書
類申請だけで電子回路基板の
電子回路基板の認定取得
認定が取得できる。
電子回路基板で銅箔引きはが
多層基板
(内層回路入り多層銅
し強度、デラミネーションテス
の場合は銅箔引き
ト、耐燃性などの試験を受ける。 張板は除く)
はがし強度や耐燃性などの試
験が必要。
め電子回路基板に関する試験を受けておき、
これを利用して電子回路基板メーカーが電
子回路基板の認定を取得するシステムです。
ただし、CCIL認定プログラムを利用するた
めには、次の条件を満足している必要があ
ります。
(1)積層板メーカーで、電子回路基板メー
カーが申請しようとする積層板のCCIL認定
が取得されている。
(2)
電子回路基板メーカーが、申請しようと
する電子回路基板と同じUL/ANSIグレード
の電子回路基板の認定を、既に取得してい
る。
UL796電子回路基板の▲マーキング
電子回路基板用のUL規格UL796では、電源電流
(120Vrms以下で、かつ15A以下)
を直接伝える導電部分を直接支持する電子回路基板を構成
する積層板はダイレクトサポートに適合しているものを適用することが定められています。ダイレクトサポートのルールは、セットメーカーで
の材料選定を容易にするため、セットメーカーのULフォローアップ検査を簡素化するための目的で運用されており、積層板に対する要求事項
は表1に示す通りです。
また、ダイレクトサポートに適合した電子回路基板は、▲マークまたは単一に品番表示をすることが義務付けられています。139ページの表2
に示す通り、基本的に弊社積層板材料はダイレクトサポートに適合しております。
表1:積層板のダイレクトサポートに要求される特性一覧
特性項目
(c)
大電流アーク着火性
熱線着火性
体積抵抗率──常態
耐電圧────常態
耐電圧────吸湿
94V-0,-1,-2/94HB
厚さ(mm)
(d)
アーク数
15以上
実際厚さ(a)
秒数
7以上
実際厚さ(a)
50以上
1.6
10以上
1.6
6.89以上
1.6
Ω-cm×106
kV/mm
6.89以上
1.6
耐トラッキング性
V
100以上
3.0
熱変形温度
℃
b
3.2
規格 規・制について
体積抵抗率──吸湿
単位
a:調査される材料の実際の厚さまたは最小の厚さ。
b:熱硬化性材料には要求されない。熱可塑性材料では定格使用温度より少なくとも
10℃以上、だだし、最低90℃であること。
c:試験は高分子材料−短期的特性の評価、UL746Aの規定による。
d:指数値を決めるための試験サンプルの厚さ。
138
表2-1 UL認定条件
(抜粋)
File E81336
最小板厚
(mm)
品番
UL/ANSI UL94
グレード フレーム 積層板厚さ
両面銅張
#5
クラス /ビルドアッ
プリプレグ
プ厚さ
(#)
(片面銅張)
(mm)
R-6715
─
XPC
94HB
0.71
(R-6710)
0.71
R-8705
─
FR-1
94V-0
(R-8700)
R-8505
─
FR-1
94V-0
(R-8500)
CCIL認定条件
耐トラッ
キング性
導体厚さ
ダイレクト
ソルダーリミット #3 最高使用
内は内層導体厚さ 最大導体径
サポート ( )
ビルドアップ構成
温度
(℃)
(DSR)
#2
(mm)
ラミネート プリプレグ PLC
最小
最大
温度
時間
♯4
(mm) (mm) 等級 #1
(μm) (μm)
(℃) (秒)
─
2
適合
─
1.45
─
0.71
─
0.71
─
0.71
─
0
0
適合
適合
35
70
35
105
50.8
260
50.8
105
50.8
18
105
50.8
35
105
18
70
50.8
130
274
12
288
6
※1
50.8
105
130
105
※2
25.4
105
105
※1
25.4
35
10
130
※2
130
※3, ※4
R-1786
(R-1781)
─
CEM-3
94V-0
0.64
─
0
適合
5
105
50.8
R-1787
(R-1782)
─
CEM-3
94V-0
0.64
─
0
適合
18
105
50.8
─
CEM-3
94V-0
1.40
─
0
適合
18
105
50.8
※3
130
─
CEM-3
94V-0
0.90
─
0
適合
18
70
50.8
※3
130
─
FR-4.0
94V-0
0.10
─
0.38
─
3
適合
5
50.8
※5
R-1788
(R-1783)
R-1586
(R-1581)
R-1705
(R-1700)
0.05
R-1766
(R-1761)
0.10
R-1661
FR-4.0
94V-0
0.38
─
5
3
適合
0.03
5
0.03
0.05
R-1566
(R-1561)
0.10
R-1551
FR-4.1
94V-0
─
1
(R-1561)
−
FR-4.1
94V-0
0.38
0.10
0.38
R-1533
R-1530
FR-4.1
94V-0
0.02
5
0.03
3
適合
─
2
規格 規・制について
R-1755C
R-1650C
FR-4.0
94V-0
50.8
※5
50.8
※6
3
0.12
50.8
※6
50.8
※6
105(18)
50.8
※6
0.02
50.8
105(70)
※6
R-1755D
(R-1750D)
R-1650D
FR-4.0
94V-0
0.38
139
115
120
120
120
130
120
130
120
120
120
130
50.8
※6
120
130
115
─
0.38
0.20
130
120
0.10
0.20
130
120
130
105(18)
5
120
120
400
0.38
110
120
105
適合
130
130
105
5
120
130
5
105(70)
130
120
※6
5
─
105(70)
130
110
50.8
─
0.38
0.20
※5
105(70)
適合
0.02
0.03
0.10
※3
5
0.38
0.05
20
105(18)
0.12
0.20
105(105)
※3, ※4
300
400
適合
0.12
0.20
105(70)
5
0.38
R-1566
400
50.8
20
103
0.38
0.20
175
105
0.38
0.20
105
300
5
2
0.03
400
50.8
※6
適合
120
130
5
105(70)
50.8
※6
120
130
CCIL認定条件
耐トラッ
最小板厚
(mm)
キング性
導体厚さ
UL/ANSI UL94
ダイレクト
ソルダーリミット #3 最高使用
内は内層導体厚さ 最大導体径
サポート ( )
ビルドアップ構成
グレード フレーム 積層板厚さ
温度
(℃)
両面銅張
/ビルドアッ
(DSR)
#2
#5
クラス
(mm)
プリプレグ
最小
最大
温度
時間
♯4
プ厚さ
(#) ラミネート プリプレグ PLC
(片面銅張)
(μm) (μm)
(℃) (秒)
(mm) (mm) (mm) 等級 #1
品番
0.10
R-1755E
(R-1750E)
─
0.38
R-1650E
FR-4.0
94V-0
5
0.12
2
0.20
適合
0.02
R-1755M
(R-1750M)
5
R-1650M
FR-4.0
94V-0
─
0.38
0.38
0.10
R-1755S
(R-1750S)
R-1650S
FR-4.0
94V-0
0.38
0.10
R-1650V
FR-4.0
94V-0
0.38
0.38
0.10
R-1577
(R-1577)
R-1570
FR-4.1
94V-0
0.38
0.38
0.10
R-5725
(R-5720)
0.38
R-5620
FR-4.0
94V-0
※6
400
50.8
※6
適合
※6
─
5
400
50.8
※6
適合
0.03
5
70(70)
50.8
※6
─
5
400
50.8
※6
適合
0.03
5
105(70)
50.8
※6
─
5
400
50.8
※6
適合
0.03
5
105(70)
50.8
※6
─
5
175
50.8
※6
3
─
0.03
105(70)
50.8
※6
適合
─
94V-0
─
3
0.20
0.03
R-1515E
(R-1510E)
R-1410E
R-1515W
(R-1510W)
R-1410W
─
94V-0
94VTM-0
94V-0
0.10 *
0.03
0.02
94V-0
0.02
0.38†*
0.22 *
1.00 † *
─
─
─
─
─
─
─
0.10 *
0.10
─
0.02
─
0.80†*
─
130
120
130
120
130
120
130
120
130
120
130
120
130
120
130
120
130
130
─
0.10
0.06
0.10
50.8
※7
120
130
120
5
105(70)
50.8
※7
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
─
130
140
規格 規・制について
R-1410A
105
適合
0.02
0.03
R-1515A
(R-1510A)
5
0.38
0.38
120
110
0.20
R-5670
120
130
0.10
R-5775
(R-5770)
130
120
5
0.80
120
130
50.8
0.20
0.38
50.8
105(70)
2
0.20
105(70)
5
3
0.20
※6
0.02
3
0.20
0.38
R-1755V
(R-1750V)
5
2
0.20
50.8
105(18)
0.38
0.10
105
CCIL認定条件
耐トラッ
最小板厚
(mm)
キング性
導体厚さ
UL/ANSI UL94
ダイレクト
ソルダーリミット #3 最高使用
内は内層導体厚さ 最大導体径
サポート ( )
ビルドアップ構成
グレード フレーム 積層板厚さ
温度
(℃)
両面銅張
/ビルドアッ
(DSR)
#2
#5
クラス
(mm)
プリプレグ
最小
最大
温度
時間
♯4
プ厚さ
(#) ラミネート プリプレグ PLC
(片面銅張)
(μm) (μm)
(℃) (秒)
(mm) (mm) (mm) 等級 #1
品番
プレマルチC-1810
(ラミネート:R-1766,
プリグレグ:R-1661)
FR-4.0
94V-0
プレマルチC-1510
(ラミネート:R-1566,
プリグレグ:R-1551)
FR-4.1
94V-0
0.20
0.38
0.03
3
適合
0.02
1
適合
5
105(70)
5
105(105)
0.12
プレマルチC-1850C
(ラミネート:R-1755C, FR-4.0
プリグレグ:R-1650C)
プレマルチC-1850D
(ラミネート:R-1755D, FR-4.0
プリグレグ:R-1650D)
プレマルチC-1850E
(ラミネート:R-1755E, FR-4.0
プリグレグ:R-1650E)
プレマルチC-1850S
(ラミネート:R-1755S, FR-4.0
プリグレグ:R-1650S)
プレマルチC-5820
(ラミネート:R-5725,
FR-4.0
プリグレグ:R-5620)
プレマルチC-5870
(ラミネート:R-5775,
─
プリグレグ:R-5670)
5
0.12
0.20
0.02
3
適合
5
0.20
0.03
0.38
2
適合
5
0.12
94V-0
94V-0
94V-0
0.20
0.02
0.20
0.38
0.20
0.38
0.20
0.38
※6
105(70)
105(70)
105(70)
2
適合
5
50.8
※6
50.8
※6
50.8
※6
5
105(70)
50.8
※6
0.03
3
適合
5
105(70)
50.8
※7
適合
5
105(70)
120
120
130
120
130
適合
3
120
130
2
0.02
130
130
0.03
0.02
0.03
105(70)
120
120
105(18)
0.38
94V-0
50.8
105(18)
0.38
94V-0
※5
105(18)
0.20
0.38
94V-0
50.8
50.8
※7
120
130
120
130
120
130
#1 耐トラッキング性のPLC等級は以下で区分されています
PLC=0(600V≦)
、PLC=1(400V≦<600V)
、PLC=2(250V≦<400V)
、PLC=3(175V≦<250V)
、PLC=4(100V≦<175V)
、PLC=5(0V≦<100V)
#2 DSR:Direct Support Requirement/導体を直接支持する電子回路基板の要求事項です。
#3 ソルダーリミット条件のうち、マルチプルソルダーリミット条件については下記に示します
*1:180℃/3時間+230℃/80秒+260℃/10秒+冷却/5分+260℃/10秒
*2:180℃/2時間+230℃/80秒+260℃/10秒+冷却/5分+260℃/10秒
*3:180℃/3時間+230℃/2分+260℃/40秒+冷却/5分+260℃/20秒
*4:200℃/30分+250℃/40秒+260℃20秒
*5:180℃/3時間+200℃/40分+230℃/2分+260℃/40秒+冷却/5分+260℃/20秒
*6:180℃/3時間+200℃/40分+240℃/3分+260℃/40秒+冷却/5分+288℃/30秒
*7:180℃/3時間+200℃/40分+230℃/3分+260℃/40秒+冷却/5分+288℃/50秒
*8:180℃/3時間+230℃/2分+260℃/20秒+冷却/5分+260℃/20秒
#4 積層板の定格温度に対して電子回路基板では、最高使用温度となります。最高使用温度は、積層板で認定されている定格温度内で定められています。
† 最大認定厚さとなっています。
* ビルドアップ登録厚さと単板登録厚さを兼ねています。
規格 規・制について
141
表2-2 UL認定条件(抜粋) File E81336
フレキシブル基板材料
品番
ベースフィルム
UL/ANSI
グレード
両面銅張
(片面銅張)
Unclad
材料種類
品番
R-F705+
(R-F700+)
─
R-F608+
LCP
R-F775+
(R-F770+)
─
R-F678+
PI
R-F786+
(R-F871+)
─
R-F689+
PI
品番
UL/ANSI
グレード
UL94
フレーム
クラス
R-FR10
─
94VTM-0
#4
ダイレクト
サポート
PLC (DSR)
#2
等級 #1
UL94
フレーム
クラス
最小
最大
94VTM-0
0.025
< 0.100
94V-0
0.100
0.175
3
94VTM-0 0.0125 < 0.015
94V-0
0.015
0.200
94VTM-0 0.0125
0.025
CCIL認定条件
耐トラッ
キング性
板厚
(mm)
4
3
─
適合
─
適合
─
導体厚さ
最小
最大
(μm) (μm)
最大導体径
(mm)
ソルダーリミット
温度
(℃)
時間
(秒)
最高使用
温度
(℃)
♯3
9
70
50.8
280
10
130
2
150
50.8
280
10
160
2
70
50.8
280
10
130
CCIL認定条件
樹脂層厚み
銅箔厚み
最小
(μm)
最大
(μm)
最小
(μm)
最大
(μm)
20
35
2
35
最大導体径
(mm)
50.8
ソルダーリミット
温度
(℃)
時間
(秒)
最高使用
温度
(℃)
♯3
280
10
#5
#1 耐トラッキング性のPLC等級は以下で区分されています
PLC=0(600V≦CTI)
、PLC=1(400V≦CTI<600V)
、PLC=2(250V≦CTI<400V)
、PLC=3(175V≦CTI<250V)
、PLC=4(100V≦CTI<175V)
、
PLC=5
(0V≦CTI<100V)
#2 DSR:Direct Support Requirement/導体を直接支持するプリント配線板の要求事項です。
#3 積層板の定格温度に対してプリント配線板では、最高使用温度となります。最高使用温度は、積層板で認定されている定格温度内で定められています。
#4 内層材
(R-F775+ 15μm)との組み合わせです。
#5 UL申請中です。
規格 規・制について
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