低歪み、高速レールtoレール 入出力アンプ AD8027 特長 接続図 高速動作 SOIC-8 (R) ・-3dB帯域幅:190MHz (G=+1) ・スルーレート:100V/μs 低歪み ・SFDR:120dBc @ 1MHz SOT-23-6 (RT) NC 1 8 SELECT ÐIN 2 7 +VS +IN 3 6 VOUT ÐVS 5 NC 4 ・SFDR:80dBc @ 5MHz VOUT 1 Ð VS 2 + Ð +IN 3 NC=未接続 6 +VS 5 SELECT 4 ÐIN ・入力クロスオーバーしきい値が選択可能 ローノイズ 図1. 接続図(上面図) ・4.3nV/√Hz ・1.6pA/√Hz AD8027アンプは広い電源電圧レンジ(2.7V∼12V)と広い帯域幅 低オフセット電圧:最大900μV (190MHz)を持ち、低電源電圧で速度と性能を求める様々なアプリケ 低消費電力 ーションで使用されるようにデザインされています。AD8027の高性能 ・電源電流:6mA は、わずか8.5mA(max) の静止電流で達成されています。また、この ・パワーダウン・ディスエーブル機能を装備 素子はパワーダウン・ディスエーブル機能も備えています。 フェーズリバーサルなし AD8027はSOIC-8およびSOT-23-6パッケージを採用し、-40℃∼ 広い電源電圧レンジ:2.7V∼12V +125℃の工業温度レンジで動作する仕様になっています。 小型パッケージ:SOIC-8、SOT-23-6 アプリケーション Ð20 フィルタ ADCドライバ レベル・シフト バッファリング 業務用ビデオ 低電圧計装機器 G = +1 周波数 = 100kHz RL = 1kΩ Ð40 Ð60 VS = +5V SFDR Ð dB VS = +3V 概要説明 VS =±5V Ð80 Ð100 AD80271は、低電源電圧で動作するレールtoレールの入出力を持 ち、高性能かつ広い信号ダイナミックレンジに最適化された高速アン _ _ プです。AD8027は、ローノイズ(4.3nV/√Hz、1.6pA/√Hz)かつ低歪み です。入力ダイナミックレンジの一部分または全体を使い、かつ低歪 みを必要とするアプリケーションでは、AD8027は最適です。 多くのレールtoレール入力アンプの入力段では、入力信号がクロス オーバーのしきい値を越えると、1つの差動ペアから別の差動ペア に切り替わりますが、これが歪み発生の原因になっています。AD8027 は、SELECTピンを使って入力クロスオーバーしきい値電圧を選択で きる独特な機能を持っています。この機能が、コンプリメンタリ・ トランジスタ入力ペアが切り替わる電圧を制御しています。また、 AD8027は本質的に低いクロスオーバー歪みも持っています。 Ð120 Ð140 0 1 2 3 図2. 4 5 6 出力電圧―V p-p 7 8 9 10 SFDR対出力振幅 1 米国特許No. 6,486,737 B1およびNo. 6,518,842 B1により保護されています。 アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、その情報の利用または利 用したことにより引き起こされる第3者の特許または権利の侵害に関して、当社はいっさいの責任を負いません。 さらに、アナログ・デバイセズ社の特許または特許の権利の使用を許諾するものでもありません。 *日本語データシートは、REVISIONが古い場合があります。最新の内容については英語版をご参照ください。 REV.0 アナログ・デバイセズ株式会社 本 社/東京都港区海岸1-16-1 電話03 (5402)8200 〒105-6891 ニューピア竹芝サウスタワービル (6350)6868 (代)〒532-0003 大阪営業所/大阪府大阪市淀川区宮原3-5-36 電話06 新大阪MTビル2号 AD8027 目次 AD8027―仕様 ………………………………………………………3 PCBレイアウト ……………………………………………………18 絶対最大定格 グラウンド …………………………………………………………18 ………………………………………………………6 最大消費電力 ……………………………………………………6 電源のバイパス …………………………………………………18 代表的な性能特性……………………………………………………7 アプリケーション ……………………………………………………19 動作原理 ……………………………………………………………15 AD8027のSELECTピンの使い方 ………………………………19 入力段 ……………………………………………………………15 16ビットADCの駆動 ………………………………………………19 クロスオーバー選択 ………………………………………………15 バンドパス・フィルタ………………………………………………20 出力段 ……………………………………………………………16 デザイン・ツールおよびテクニカル・サポート ……………………20 DC誤差 ……………………………………………………………16 外形寸法 ……………………………………………………………21 広帯域動作 …………………………………………………………17 オーダー・ガイド …………………………………………………21 回路の注意事項 …………………………………………………18 バランス入力インピーダンス ……………………………………18 改訂履歴 Revision 0:初版 2 REV.0 AD8027―仕様 表1. VS=±5V (特に指定のない限り、TA=25℃、RL=1kΩにて電源電圧中点に接続、G=+1) パラメータ ダイナミック性能 -3dB帯域幅 平坦性0.1dBでの帯域幅 スルーレート 0.1%へのセトリング・タイム ノイズ/歪み性能 スプリアス・フリー・ダイナミックレンジ(SFDR) 入力電圧ノイズ 入力電流ノイズ 差動ゲイン(DG)誤差 差動位相(DP)誤差 DC性能 入力オフセット電圧 入力オフセット電圧ドリフト 入力バイアス電流1 入力バイアス電流1 入力オフセット電流 オープン・ループ・ゲイン 入力特性 入力インピーダンス 入力容量 入力コモン・モード電圧レンジ コモン・モード除去比 SELECTピン クロスオーバー・ロー選択入力電圧 クロスオーバー・ハイ選択入力電圧 ディスエーブル入力電圧 ディスエーブル・スイッチング時間 イネーブル・スイッチング時間 出力特性 出力オーバードライブ復帰時間 (立ち上がり/立ち下がりエッジ) 出力電圧振幅 出力短絡電流 オフ時アイソレーション 容量負荷の駆動 電源 動作レンジ 静止電流 静止電流(ディスエーブル時) 電源変動除去比 条件 Min Typ G=+1、VO=0.2V p-p G=+1、VO=2V p-p G=+2、VO=0.2V p-p G=+1、VO=2Vステップ G=−1、VO=2Vステップ G=+2、VO=2Vステップ 138 20 190 32 16 90 100 35 MHz MHz MHz V/μs V/μs ns 120 80 4.3 1.6 0.10 0.20 dBc dBc _ nV/√Hz _ pA/√Hz % 度 fC=1MHz、VO=2V p-p、RF=24.9Ω fC=5MHz、VO=2V p-p、RF=24.9Ω f=100kHz f=100kHz NTSC、G=+2、RL=150Ω NTSC、G=+2、RL=150Ω SELECT=トライ・ステート またはオープン、PNPアクティブ SELECT=ハイレベル、NPNアクティブ TMIN ∼TMAX VCM=0V、NPNアクティブ TMIN ∼TMAX VCM=0V、PNPアクティブ TMIN ∼TMAX VO=±2.5V VCM=±2.5V 6 2 -5.2∼+5.2 105 MΩ pF V dB -3.3∼+5 -3.9∼-3.3 -5∼-3.9 980 45 V V V ns ns 40/45 ns 90 トライ・ステート< ±20μA 入力の50%から最終VO値の10%以内まで VI=+6V∼−6V、G=−1 -VS+0.10 シンク電流およびソース電流 VIN=0.2V p-p、f=1MHz、 SELECT=ローレベル 30%オーバーシュート 3 90 5.50 -10.5 ±0.9 VS−0.10 μV μV μV/℃ μA μA μA μA μA dB 120 -49 V mA dB 20 pF + 2.7 SELECT=ローレベル VS ± 1V 800 900 単位 200 240 1.50 3.80 4 -7.8 -8 ±0.1 108 1 無符号または+符号はピンへの流入電流、-符号はピンからの流出電流。 REV.0 Max 6.5 370 107 12 8.5 500 V mA μA dB AD8027―仕様 表2. VS=+5V (特に指定のない限り、TA=25℃、RL=1kΩにて電源電圧中点に接続) パラメータ ダイナミック性能 -3dB帯域幅 平坦性0.1dBでの帯域幅 スルーレート 0.1%へのセトリング・タイム ノイズ/歪み性能 スプリアス・フリー・ダイナミックレンジ(SFDR) 入力電圧ノイズ 入力電流ノイズ 差動ゲイン(DG)誤差 差動位相(DP)誤差 DC性能 入力オフセット電圧 入力オフセット電圧ドリフト 入力バイアス電流1 入力バイアス電流1 入力オフセット電流 オープン・ループ・ゲイン 入力特性 入力インピーダンス 入力容量 入力コモン・モード電圧レンジ コモン・モード除去比 SELECTピン クロスオーバー・ロー選択入力電圧 クロスオーバー・ハイ選択入力電圧 ディスエーブル入力電圧 ディスエーブル・スイッチング時間 イネーブル・スイッチング時間 出力特性 オーバードライブ回復時間 (立ち上がり/立ち下がりエッジ) 出力電圧振幅. オフ時アイソレーション 出力短絡電流 容量負荷の駆動 電源 動作レンジ 静止電流 静止電流(ディスエーブル時) 電源変動除去比 条件 Min Typ G=+1、VO=0.2V p-p G=+1、VO=2V p-p G=+2、VO=0.2V p-p G=+1、VO=2Vステップ G=−1、VO=2Vステップ G=+2、VO=2Vステップ 131 18 185 28 12 85 100 40 MHz MHz MHz V/μs V/μs ns fC=1MHz、VO=2V p-p、RF=24.9Ω fC=5MHz、VO=2V p-p、RF=24.9Ω f=100kHz f=100kHz NTSC、G=+2、RL=150Ω NTSC、G=+2、RL=150Ω 90 64 4.3 1.6 0.10 0.20 dBc dBc _ nV/√Hz _ pA/√Hz % 度 SELECT=トライ・ステートまたはオープン、 PNPアクティブ SELECT=ハイレベル、NPNアクティブ TMIN ∼TMAX VCM=2.5V、NPNアクティブ TMIN ∼TMAX VCM=2.5V、PNPアクティブ TMIN ∼TMAX 200 800 μV 900 VO=1V∼4V 240 1.5 3.7 4 -7.8 -7.9 ±0.1 105 μV μV/℃ μA μA μA μA μA dB VCM=0V∼2.5V 6 2 -0.2∼+5.2 105 MΩ pF V dB 1.7∼5 1.1∼1.7 0∼1.1 1100 50 V V V ns ns 50/50 ns 90 トライ・ステート< ±20μA 入力の50%から最終VO値の10%以内まで VI=−1V∼+6V、G=−1 RL=1kΩ VIN=0.2V p-p、f=1MHz、 SELECT=ローレベル シンク電流およびソース電流 30%オーバーシュート -VS+0.08 90 5.5 -10.5 ±0.9 VS−0.08 単位 -49 V dB 105 20 mA pF + 2.7 SELECT=ローレベル VS ± 1V Max 6 320 107 12 8.5 V mA μA dB 1 無符号または+符号はピンへの流入電流、-符号はピンからの流出電流。 4 REV.0 AD8027―仕様 表3. VS=+3V (特に指定のない限り、TA=25℃、RL=1kΩにて電源電圧中点に接続) パラメータ ダイナミック性能 -3dB帯域幅 平坦性0.1dBでの帯域幅 スルーレート 0.1%へのセトリング・タイム ノイズ/歪み性能 スプリアス・フリー・ダイナミックレンジ(SFDR) 入力電圧ノイズ 入力電流ノイズ 差動ゲイン(DG)誤差 作動位相(DP)誤差 DC性能 入力オフセット電圧 入力オフセット電圧ドリフト 入力バイアス電流1 入力バイアス電流1 入力オフセット電流 オープン・ループ・ゲイン 入力特性 入力インピーダンス 入力容量 入力コモン・モード電圧レンジ コモン・モード除去比 SELECTピン クロスオーバー・ロー選択入力電圧 クロスオーバー・ハイ選択入力電圧 ディスエーブル入力電圧 ディスエーブル・スイッチング時間 イネーブル・スイッチング時間 出力特性 出力オーバードライブ復帰時間 (立ち上がり/立ち下がりエッジ) 出力電圧振幅 出力短絡電流 オフ時アイソレーション 容量負荷の駆動 電源 動作レンジ 静止電流 静止電流(ディスエーブル時) 電源変動除去比 条件 Min Typ G=+1、VO=0.2V p-p G=+1、VO=2V p-p G=+2、VO=0.2V p-p G=+1、VO=2Vステップ G=−1、VO=2Vステップ G=+2、VO=2Vステップ 125 19 180 29 10 73 100 48 MHz MHz MHz V/μs V/μs ns fC=1MHz、VO=2V p-p、RF=24.9Ω fC=5MHz、VO=2V p-p、RF=24.9Ω f=100kHz f=100kHz NTSC、G=+2、RL=150Ω NTSC、G=+2、RL=150Ω 85 64 4.3 1.6 0.15 0.20 dBc dBc _ nV/√Hz _ pA/√Hz % 度 SELECT=トライ・ステートまたはオープン、 PNPアクティブ SELECT=ハイレベル、NPNアクティブ TMIN∼TMAX VCM=1.5V、NPNアクティブ TMIN∼TMAX VCM=1.5V、PNPアクティブ TMIN ∼TMAX 200 800 μV 900 VO=1V∼2V 240 1.5 3.5 3.8 -7. 5 -7.7 ±0.1 100 μV μV/℃ μA μA μA μA μA dB RL=1kΩ VCM=0V∼1.5V 6 2 -0.2∼+3.2 100 MΩ pF V dB 1.7∼3 1.1∼1.7 0∼1.1 1150 50 V V V ns ns 55/55 ns 88 トライ・ステート< ±20μA 入力の50%から最終VO値の10%以内まで VI=−1V∼+4V、G=−1 RL=1kΩ シンク電流およびソース電流 VIN=0.2V p-p、f=1MHz、 SELECT=ローレベル 30%オーバーシュート SELECT=ローレベル VS ± 1V 5 88 5.5 -10.5 ±0.9 VS−0.07 単位 72 -49 V mA dB 20 pF + 2.7 1 無符号または+符号はピンへの流入電流、-符号はピンからの流出電流。 REV.0 -VS+0.07 Max 6.0 300 100 12 8.0 420 V mA μA dB AD8027 絶対最大定格 PD=静止電力+ (合計駆動電力−負荷電力) 表4. パラメータ 定格 電源電圧 12.6V 消費電力 図3参照 コモン・モード入力電圧 ±VS ± 0.5V 差動入力電圧 ±1.8V 保存温度 -65℃∼+125℃ 動作温度レンジ -40℃∼+125℃ 端子温度(ハンダ処理、10秒) 300℃ 内部ジャンクション温度 150℃ × × RMS出力電圧も検討する必要があります。単電源動作のように、RL が−VSを基準とすると、合計駆動電力は+VS×IOUTになります。 rms信号レベルが未確定の場合は、電源電圧の中点を基準とする RLに対してVOUT=+VS/4のワースト・ケースを検討します。 × −V Sを基準とするR Lを使う単電源動作では、ワースト・ケースは VOUT=+VS/2になります。 空気の流れがあると放熱効果が良くなりθJAが小さくなります。また、 上記の絶対最大定格を超えるストレスを加えるとデバイスに恒久的な 損傷を与えることがあります。この規定はストレス定格の規定のみを メタル・パターン、スルー・ホール、グラウンド、電源プレーンからパッ 目的とするものであり、動作仕様書の項に記載された規定値以上で ケージ・ピンへ直接接続される金属配線が増える場合にも、θJAが小 のデバイス動作を定めたものではありません。デバイスを長時間絶対 さくなります。 「ボード・レイアウト」で説明するように、高速オペアンプ 最大定格状態に置くとデバイスの信頼性に影響を与えます。 の入力ピンでの寄生容量を小さくするように注意する必要があります。 最大消費電力 JEDEC標 準 4層 ボ ードに 実 装した SOIC-8 (125℃ /W)パッケージと 図3に、パッケージでの安全な最大消費電力と周囲温度の関係を、 SOT-23-6 (170℃/W)パッケージについて示します。θ JA値は近似値 AD8027のパッケージでの安全な最大消費電力は、チップのジャン です。 クション温度(TJ)の上昇によって制限されます。チップをプラスチッ ク封止すると、局所的に規定のジャンクション温度に到達します。 出力の短絡 ガラス遷移温度である約150℃で、プラスチックの属性が変わります。 出力をグラウンドへ短絡した場合、またはAD8027に過大な電流を この規定温度を一時的に超えた場合でも、パッケージからチップに加 流した場合には、致命的な故障が発生することがあります。 えられる応力が変化して、AD8027のパラメータ性能を永久的にシフ トしてしまうことがあります。175℃の接合温度を長時間超えると、シ リコン・デバイス内に変化が発生して、故障の原因になることがありま 2.0 す。 パッケージとPCBの静止空気内での熱抵抗 (θJA)、周囲温度(TA)、 パッケージ(PD)内の合計消費電力によって、チップのジャンクション 1.5 ×θ 最大消費電力―W 温度が決定されます。ジャンクション温度は次式で計算されます。 パッケージ内の消費電力(PD)は、静止消費電力とすべての出力で の負荷駆動に起因するパッケージ内の消費電力との和になります。静 止電力は、電源ピン(+VS、−VS)間の電圧×静止時電流値として求 SOIC-8 1.0 SOT-23-6 0.5 められます。負荷(RL)を電源電圧の中点を基準とするものと仮定す ると、合計駆動電力は{(+VS)−(−VS)}/2×IOUTになり、この電力が パッケージ内と負荷(VOUT×IOUT)で消費されます。合計駆動電力と負 0 Ð55 荷電力の差が、パッケージ内で消費される駆動電力です。 Ð35 Ð15 5 図3. 6 25 45 周囲温度―℃ 65 85 105 125 最大消費電力 REV.0 代表的な性能特性―AD8027 デフォルト条件 VS=+5V (特に指定のない限り、TA=+25℃、RL=1kΩ) 2 6.9 0 G = +1 Ð1 クローズ・ループ・ゲイン―dB 正規化クローズ・ループ・ゲイン―dB G = +2 6.8 RL = 150Ω VOUT = 200mV p-p 1 Ð2 Ð3 G = +10 Ð4 G = +2 Ð5 Ð6 Ð7 Ð8 G = Ð1 Ð9 Ð10 0.1 1 図4. 10 周波数―MHz 100 6.4 6.3 6.2 VOUT = 2V p-p 6.1 5.9 0.1 1000 1 図7. G = +2 7 VOUT = 200mV p-p VS = +3V 10 周波数―MHz 100 1000 0.1dB平坦性の周波数応答 8 VS = +3V RF = 24.9Ω VS = +3V 6 クローズ・ループ・ゲイン―dB 0 クローズ・ループ・ゲイン―dB 6.5 ゲインに対する小信号周波数応答 G = +1 1 VOUT = 200mV p-p Ð1 Ð2 VS =±5V Ð3 Ð4 Ð5 Ð6 Ð7 Ð8 Ð10 0.1 1 図5. 10 周波数―MHz 100 VS = +5V 5 4 3 2 1 VS = ±5V 0 Ð1 Ð2 VS = +5V Ð9 Ð3 Ð4 1000 0.1 電源に対する小信号周波数応答 1 図8. 2 10 周波数―MHz 100 1000 電源に対する小信号周波数応答 8 G = +2 7 VOUT = 2.0V p-p G = +1 1 VOUT = 2V p-p 0 6 VS = ±5V Ð1 クローズ・ループ・ゲイン―dB クローズ・ループ・ゲイン―dB VOUT = 200mV p-p 6.6 6.0 2 Ð2 Ð3 VS = +3V Ð4 Ð5 Ð6 Ð7 Ð8 5 VS = ±5V 4 3 VS = +5V 2 1 0 VS = +3V Ð1 Ð2 VS = +5V Ð9 Ð10 0.1 1 図6. REV.0 6.7 10 周波数―MHz Ð3 100 Ð4 1000 0.1 電源に対する大信号周波数応答 1 図9. 7 10 周波数―MHz 100 電源に対する大信号周波数応答 1000 AD8027 4 4 G = +1 3 VOUT = 0.2V p-p 1 2 クローズ・ループ・ゲイン―dB 2 CL = 5pF 0 Ð1 Ð2 Ð3 CL = 0pF Ð4 Ð5 Ð6 0 Ð1 VICM = VSÐ + 0.2V SELECT = TRI Ð2 Ð3 Ð4 VICM = 0V SELECT = HIGH OR TRI Ð5 Ð6 Ð7 Ð8 Ð8 0.1 1 図10. 8 10 周波数―MHz 100 1000 0.1 CLOADに対する小信号周波数応答 VOUT = 200mV p-p 100 1000 G = +2 VOUT = 0.2V p-p RL = 150Ω クローズ・ループ・ゲイン―dB 6 5 4 3 2 VOUT = 2V p-p 1 0 Ð1 Ð2 Ð4 0.1 1 図11. 4 3 1 0 Ð1 100 Ð4 1000 0.1 95 クローズ・ループ・ゲイン―dB 0 Ð1 Ð2 Ð40¡C +125¡C Ð4 Ð5 +25¡C Ð7 1 図12. 10 周波数―MHz 100 10 周波数―MHz 100 1000 RLOAD値に対する小信号周波数応答 110 1 0.1 1 図14. VOUT = 200mV p-p Ð6 VOUT = 2.0V p-p RL = 1kΩ Ð3 出力振幅に対する周波数応答 Ð3 VOUT = 2.0V p-p RL = 150Ω 2 Ð2 10 周波数―MHz G = +1 VOUT = 0.2V p-p RL = 1kΩ 5 VOUT = 4V p-p Ð3 Ð8 10 周波数―MHz 入力コモン・モード電圧に対する 小信号周波数応答 7 6 2 1 図13. 8 G = +2 7 クローズ・ループ・ゲイン―dB VICM = VS+ Ð 0.3V SELECT = HIGH VICM = VS+ Ð 0.2V SELECT = HIGH 1 Ð7 クローズ・ループ・ゲイン―dB VICM = VSÐ + 0.3V SELECT = TRI 75 50 55 35 35 20 15 5 Ð5 図15. 8 95 フェーズ 65 10 小信号周波数応答対温度 115 80 Ð10 1000 135 ゲイン 100 1k 10k 100k 1M 周波数―MHz 10M 100M フェーズ―度 クローズ・ループ・ゲイン―dB G = +1 3 VOUT = 200mV p-p CL = 20pF Ð25 1G オープン・ループ・ゲインおよびフェーズ対周波数 REV.0 AD8027 Ð20 Ð20 G = +1 (RF = 24.9Ω) VOUT = 2.0V p-p 2次高調波:実線 Ð40 3次高調波:点線 G = +1 VOUT = 2V p-p RL = 1kΩ Ð40 2次高調波:実線 3次高調波:点線 Ð60 歪み―dB Ð60 歪み―dB VS = +3V Ð80 VS = +5V Ð100 VS = ±5V Ð140 0.1 1 周波数―MHz 図16. Ð20 Ð140 20 0.1 図19. Ð55 20 高調波歪み対周波数および負荷 G = +1 (RF = 24.9Ω) VOUT = 1.0V p-p @ 2MHz SELECT = TRI SELECT = HIGH VS = +5V Ð75 歪み―dB VS = ±5V Ð85 Ð95 Ð100 Ð105 Ð120 Ð115 2次高調波:実線 3次高調波:点線 0 1 2 3 図17. Ð50 Ð60 4 5 6 出力電圧―V p-p 7 8 9 Ð125 10 0.5 図20. 高調波歪み対出力振幅 Ð60 VS = +5V 2次高調波:実線 3次高調波:点線 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 入力コモン・モード電圧―V 4.0 4.5 G = +1 (RF = 24.9Ω) VOUT = 1.0V p-p @ 100kHz VS = +3V VS = +5V Ð70 VS = +3V Ð80 歪み―dB Ð80 Ð90 Ð100 Ð90 Ð100 Ð110 Ð110 Ð120 Ð120 Ð130 SELECT = HIGH SELECT = TRI 高調波歪み対入力コモン・モード電圧、VS=+5V Ð50 G = +1 (RF = 24.9Ω) VOUT = 1.0V p-p @ 100kHz RL = 1kΩ Ð70 歪み―dB 10 Ð65 Ð80 Ð130 2次高調波:実線 3次高調波:点線 0.5 図18. REV.0 1 周波数―MHz Ð45 VS = +3V 歪み―dB 10 高調波歪み対周波数および電源電圧 Ð60 Ð140 RL = 150Ω Ð120 G = +1 (RF = 24.9Ω) 周波数 = 100kHz RL = 1kΩ Ð40 Ð80 Ð100 Ð120 Ð140 RL = 1kΩ 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 入力コモン・モード電圧―V 3.5 4.0 Ð140 0.5 4.5 高調波歪み対入力コモン・モード電圧、 SELECT=ハイレベル 2次高調波:実線 3次高調波:点線 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 入力コモン・モード電圧―V 4.0 図21. 高調波歪み対入力コモン・モード電圧、 SELECT=トライ・ステートまたはオープン 9 4.5 AD8027 Ð20 VS = +5 VOUT = 2.0V p-p 2次高調波:実線 Ð40 3次高調波:点線 G = +2 2.5 G = +2 2.0 VS = ±2.5V 1.5 歪み―dB Ð60 VOUT = 4V p-p VOUT = 2V p-p 1.0 G = +10 0.5 G = +1 Ð80 0 Ð0.5 Ð100 Ð1.0 Ð120 Ð1.5 Ð2.0 Ð140 0.1 1 周波数―MHz 図22. 10 20 図25. 高調波歪み対周波数およびゲイン 0.20 0.15 20ns/DIV 大信号過渡応答、G=+2 0.20 G = +1 VS = ± 2.5V 0.15 0.10 0.10 0.05 0.05 0 0 Ð0.05 Ð0.05 Ð0.10 Ð0.10 Ð0.15 G = +1 VS = ±2.5V CL = 20pF CL = 5pF Ð0.15 50mV/DIV 20ns/DIV 50mV/DIV Ð0.20 20ns/DIV Ð0.20 図23. 2.0 50mV/DIV Ð2.5 G = +1 VS = ±2.5V 小信号過渡応答 図26. 4.0 G = Ð1 3.5 RL = 1kΩ 3.0 V = ±2.5V S 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0 Ð0.5 Ð1.0 Ð1.5 Ð2.0 Ð2.5 Ð3.0 Ð3.5 500mV/DIV Ð4.0 VOUT = 4V p-p VOUT = 2V p-p 1.0 0 Ð1.0 Ð2.0 500mV/DIV 図24. 容量負荷での小信号過渡応答 100ns/DIV 大信号過渡応答、G=+1 図27. 10 50ns/DIV 出力オーバードライブ特性 REV.0 AD8027 図28. 入力バイアス電流(SELECT=ハイレベル)―μA Ð7.0 4.0 SELECT = HIGH 3.5 VS = ±5V VS = +3V 3.0 Ð8.0 SELECT = TRI 2.5 Ð40 Ð25 Ð10 50ns/DIV Ð7.5 VS = +5V 入力オーバードライブ特性 5 20 図31. 35 50 65 温度―℃ 80 95 Ð8.5 110 125 入力バイアス電流対温度 Ð10 Ð8 G = +2 Ð6 VIN (200mV/DIV) SELECT = TRI 入力バイアス電流―μA Ð4 +0.1% VOUT Ð 2VIN (2mV/DIV) Ð0.1% Ð2 VS = +5V 2 4 VS = +3V 6 SELECT = HIGH 8 10 5μs/DIV 図29. 長時間セトリング VS = ±5V 0 0 図32. 1 2 3 4 5 6 7 入力コモン・モード電圧―V 8 9 10 入力バイアス電流対入力コモン・モード電圧 250 VIN (200mV/DIV) 200 COUNT = 1780 SELECT HIGH MEAN 49μV STD. DEV 193μV TRI 55μV 150μV SELECT = TRI 150 VOUT (400mV/DIV) VOUT Ð 2VIN (0.1%/DIV) 頻 度 +0.1% SELECT = HIGH 100 Ð0.1% 50 0 Ð800 20ns/DIV Ð600 Ð400 Ð200 0 200 400 入力オフセット電圧―μV 図30. REV.0 0.1%短時間セトリング 図33. 11 入力オフセット電圧分布 600 800 入力バイアス電流(SELECT=トライ)―μA Ð6.5 4.5 4.0 G = +1 3.5 RL = 1kΩ 3.0 V =±2.5V S 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0 Ð0.5 Ð1.0 Ð1.5 Ð2.0 Ð2.5 Ð3.0 Ð3.5 500mV/DIV Ð4.0 AD8027 270 360 VS = +3V 340 320 250 300 入力オフセット電圧―μV 入力オフセット電圧―μV SELECT = HIGH 280 SELECT = TRI 260 VS = ±5V 240 VS = +3V 220 SELECT = HIGH 200 180 VS = +5V 160 140 230 210 SELECT = TRI 190 120 170 100 80 60 Ð40 Ð25 Ð10 図34. 5 20 35 50 65 温度―℃ 80 95 110 150 125 0 図37. 入力オフセット電圧対温度 0.50 1.00 1.50 2.00 入力コモン・モード電圧―V 2.50 3.00 入力オフセット電圧対入力コモン・モード電圧、 VS=+3 120 290 VS = ±5V 270 100 250 80 CMRR Ð dB 入力オフセット電圧―μV SELECT = HIGH 230 210 60 SELECT = TRI 40 190 20 170 150 Ð5 図35. Ð4 Ð3 Ð2 Ð1 0 1 2 入力コモン・モード電圧―V 3 4 0 1k 5 100k 1M 周波数―Hz 図38. 入力オフセット電圧対入力コモン・モード電圧、 VS=±5 290 10M 100M CMRR対周波数 0 VS = +5V Ð10 270 Ð20 250 Ð30 SELECT = HIGH Ð40 230 PSSR Ð dB 入力オフセット電圧―μV 10k 210 SELECT = TRI 190 ÐPSRR Ð50 +PSRR Ð60 Ð70 Ð80 Ð90 170 Ð100 150 0 図36. 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 入力コモン・モード電圧―V 4.0 4.5 Ð110 5.0 100 入力オフセット電圧対入力コモン・モード電圧、 VS=+5 1k 10k 図39. 12 100k 1M 周波数―Hz 10M 100M 1G PSRR対周波数 REV.0 AD8027 100 出力サチレーション電圧―mV 10 10 45 電流ノイズ― pA/ Hz 電圧ノイズ―nV/ Hz 100 電圧 電流 1 10 100 1k 10k 100k 1M 10M 100M 1 1G VS = +5V RL = 1kΩ電源電圧の中点に接続 40 VOL Ð VSÐ 35 VS+ Ð VOH 30 25 Ð40 Ð25 Ð10 5 20 周波数―Hz 図40. 電圧および電流ノイズ対周波数 図43. Ð20 65 80 95 110 125 出力飽和電圧対温度 130 VIN = 0.2V p-p G = +1 Ð30 SELECT = LOW 120 オープン・ループ・ゲイン―dB Ð40 オフ時アイソレーション―dB 35 50 温度―℃ Ð50 Ð60 Ð70 Ð80 Ð90 ±5V 110 +5V 100 +3V 90 80 70 Ð100 10k 100k 図41. 1M 10M 周波数―Hz 100M 60 1G オフ時アイソレーション対周波数 200 10 図44. 20 30 ILOAD Ð mA 40 50 60 オープン・ループ・ゲイン対負荷電流 1M 負荷抵抗を電源電圧の 中点に接続 150 0 SELECT = LOW 出力インピーダンス―Ω 出力サチレーション電圧―mV 100k 100 VOL Ð VSÐ 50 VS = +3V 0 VS = +5V VS = ±5V Ð50 VOH Ð VS+ Ð100 10k 1k 100 Ð150 Ð200 100 図42. REV.0 1000 負荷抵抗―Ω 10 100k 10000 出力サチレーション電圧対出力負荷 図45. 13 1M 10M 周波数―Hz 100M 1G 出力ディスエーブル時インピーダンス対周波数 AD8027 100 1.5 SELECTピン(Ð2.0V∼Ð0.5V) 1.0 出力 0.5 1 出力電圧―V 出力インピーダンス―Ω 10 G = +5 0.1 G = +2 RL = 1kΩ Ð0.5 RL = 10kΩ G = +1 0.01 Ð1.0 0.001 1k 10k 特性46. 100k 1M 周波数―Hz 10M 100M 0.5 1 図49. 2 3 4 5 6 時間―μs 7 8 9 10 ディスエーブル・ターンオフ・タイミング 9.0 +125¡C VS = +5V G = Ð1 VS = ±2.5V VIN = Ð1.0V Ð1.5 1G 出力イネーブル時インピーダンス対周波数 80 8.5 60 VS = +10V @ +25¡C 40 8.0 7.5 +25¡C 20 電源電流―mA SELECT電流―μA RL = 100Ω 0 Ð40¡C 0 Ð20 VS = ±5V 7.0 VS = +5V 6.5 VS = +3V 6.0 5.5 Ð40 5.0 Ð60 Ð80 4.5 0 図47. 0.5 1.0 1.5 2.0 SELECT電圧―V 2.5 4.0 Ð40 3.0 SELECTピン電流対SELECTピン電圧および温度 Ð25 図50. Ð10 5 20 35 50 温度―℃ 65 80 95 110 125 静止電源電流対電源電圧および温度 1.5 SELECTピン(Ð2.0V∼Ð0.5V) 1.0 出力 出力電圧―V 0.5 RL = 100Ω 0 RL = 1kΩ Ð0.5 RL = 10kΩ Ð1.0 Ð1.5 G = Ð1 VS = ±2.5V VIN = Ð1.0V 0 図48. 50 100 150 時間―ns 200 250 イネーブル・ターンオン・タイミング 14 REV.0 AD8027 動作原理 ペアは正側レールより200mV上まで動作できるようになります。両差動 AD8027はアナログ・デバイセズのXFCBプロセスでデザインされ ペアは、入力の4個のダイオードによって、差動入力信号が1.4Vより高 た、レールtoレール入出力アンプです。XFCBプロセスの採用により、 くならないように保護されています(図51参照)。差動入力信号が1.4V AD8027は2.7V∼12Vの電源で、帯域幅190MHzかつ100V/μsを超え _ るスルーレートで動作できます。AD8027の広帯域ノイズは4.3nV/√Hz _ で、10Hzでのノイズは17nV/√ Hzです。この低ノイズ特性に加え900 流を10mAまでに制限するには、直列の入力抵抗が必要です。 μV (max)未満の低オフセット性能と1.5μV/℃(typ)の低ドリフト性能を クロスオーバー・セレクト を超えると、ダイオードが導通して、余分な電流を流します。入力電 クロスオーバー・セレクトと呼ばれるAD8027の新機能を使うと、 持つAD8027は、高速で高精度のアプリケーションに最適です。さら に、入力段は電源レールを200mV超えて動作することができ、フェー PNP/NPN差動ペア間でクロスオーバー・ポイントを選択することが可 ズリバーサルは発生しません。入力段には過電圧保護機能がありま 能になります。クロスオーバー領域が小さいのですが、出力信号にオ す。入力が電源レールを0.7V超えると、ESD保護ダイオードが導通し フセットと歪みが引きおこされるので、この領域内での動作は避ける て、余分な電流は差動入力ピンを通して流れます。入力電流を10mA 必要があります。クロスオーバー領域での動作を回避するために、 未満に抑えるには直列の入力抵抗を接続する必要があります。 AD8027ではSELECTピンを使って、予め定められた2つのクロスオー バー位置(電圧レベル)を選択することができます。図51に示す回路 入力段 図では、クロスオーバー領域は約200mVで、Q5のベース電圧レベル レールtoレール入力性能は、コンプリメンタリの差動入力ペアを で決定されます。内部で、各レールから約1.2Vで2つの電圧源が発生 動作させることで実現されています。オンになるペアは、差動入力 しています。SELECTピンに入力される電圧に基づいて、いずれか一 信号のコモン・モード・レベルにより決定されます。図51に示す回路図 方の電圧がQ5に接続されます。SELECTピンがオープンのときPNP対 で、テール電流(ITAIL)が、Q1とQ2で構成されるPNP差動入力構造を が動作し、SELECTピンがハイレベルのときNPN対が動作します。こ 流れます。内部リファレンス電圧が、Q5のベースに接続されていま のピンをローレベルにすると、従来型のパワーダウン機能を動作させ す。この電圧は常にコモン・モード入力電圧と比較されます。コモン・ ることもできます。この機能により、ハイサイドおよびローサイド信号ア モード・レベルが内部リファレンス電圧を超えると、Q5がテール電流 プリケーションに最適な精度とAC性能が実現可能です。SELECTピ (ITAIL)をPNP入力ペアからQ3とQ4で構成されるNPN入力ペアにソー ンの特性については、図45∼図49を参照してください。 ス電流を与えるカレント・ミラーへ切替えます。これにより、NPN入力 VCC + Ð ITAIL 1.2V VOUTP ICMFB Q5 Q3 Q1 Q2 VP VSEL Q4 VN VEE LOGIC VCC ICMFB + Ð 1.2V VEE 図51. REV.0 簡略化した入力段 15 VOUTN AD8027 クロスオーバー領域での動作を避けることができない場合は、全動 作領域で相互コンダクタンスを一定にし、かつオフセットを最小に抑え るために、入力段に特別な注意を払う必要があります。動作領域は、 PNP入力ペアがオン、NPN入力ペアがオン、両方が同時にオン AD8027のクロスオーバー・セレクト機能を使うと、この領域の回 (200mVのクロスオーバー領域で)の3つです。全領域で相互コンダク 避に役立ちます。領域を回避できない場合は、値(VOS、PNP−VOS、NPN) タンスを一定に維持すると、これらの領域間で切り替わるときに最適 を調節して、この影響を最小化します。 な広帯域歪み性能が得られます。AD8027ではこの技術を使って、± 2対の入力ペアはコンプリメンタリなので、クロスオーバー領域を 1.5V電 源 で 2V p-p、1MHz、G=+1の 信 号に 対して 80dB以 上 の 通過する際に入力バイアス電流の向きが変ります(図32)。両ペア間の SFDR性能を達成しています。この歪みレベルを達成するためのもう1 オフセットは次式で表されます。 つの条件は、各ペアのオフセットをレーザー・トリムして、低周波数信 × 号に対しても80dB以上のSFDRを達成することです。 出力段 IB, PNPはPNP入力ペアがアクティブのときの入力ひとつあたりのバ イアス電流で、IB, NPNはNPNペアがアクティブのときの入力ひとつあ AD8027では、コモン・エミッタ出力構造を使ってレールtoレールの 出力能力を実現しています。この出力段は50mAのリニア出力電流を たりのバイアス電流です。ゲイン倍したRSがRFに等しくなるようにRS 供給し、レールから200mV以内では40mAを、レールから35mV以内で を選択すると、この影響をなくすることができます。クロスオーバー領 は2.5mAを供給できるようにデザインされています。帰還ネットワーク 域を通過するとき、DC誤差と歪みを小さくするため、この方法でイン などを出力段に負荷として接続すると、アンプのオープン・ループ・ゲ ピーダンスをバランスさせることが強く推奨されます。一例として、PNP インが低下します。負荷接続時の動作については、図44を参照してく 入力ペアが6μAの入力バイアス電流を、NPN入力ペアが-2μAの入 ださい。容量負荷は、アンプのフェーズ・マージンを低下させます。 力バイアス電流を持つとすると、RF=0ΩかつRS=25Ωのとき、クロス AD8027はG=+1で最大20pFを駆動することができます(図10)。ゲイ オーバー領域を通過する際にオフセットが200μVシフトします。 両ペアの間での入力バイアス電流シフトに加えて、各入力ペアは、 ン=1で容量負荷が20pFを超える場合には、直列抵抗(RSNUB)を接続 する必要があります。容量負荷が20pFを超えるときは、小さい直列出 次のようにして全体オフセットに関与する入力バイアス電流オフセット 力抵抗(25Ω∼50Ω)を付加することが適切です。クローズ・ループ・ を持ちます。 ゲインを大きくすると、直列抵抗を接続しないで駆動できる容量負荷 が大きくなります。 Δ – DC誤差 「入力段」で説明したように、AD8027はコンプリメンタリ入力段 を使ってレールtoレール入力性能を実現しています。全コモン・モー ド・レンジでDC性能を要する時は、各ペアの入力バイアス電流と入 RF 力オフセット電圧を考慮する必要があります。 図52では、各ペアの出力オフセット電圧は次式で計算されます。 RG + VOS +V Ð IB Ð Ð VI + RS 図52. VOUT + Ð AD8027 SELECT + IB + 計算式が2種あるのは、クロスオーバー領域を通過する際に生じる Ð ÐV オペアンプDC誤差の原因 不連続性に起因します。不連続性の大きさは次式で決定されます。 16 REV.0 AD8027 広帯域動作 RF 電圧帰還アンプでは、ゲインを設定する際に広範囲の抵抗値を使 うことができます。アプリケーションの帰還ネットワークのデザインでは、 +V 次の問題について考慮することが必要です。 C1 0.1μF C2 10μF ・アンプの入力容量とアンプ入力ピンから見える抵抗によって構 RG VIN 成される極 Ð AD8027 ・ソース・インピーダンス不一致の影響 + ・アプリケーションの電圧ノイズ特性への抵抗値の影響 C3 10μF R1 = RF RG ・アンプ負荷の影響 R1 VOUT SELECT C4 0.1μF AD8027の入力容量は2pFです。この入力容量はアンプの帰還ネ ットワークとともに極を構成して、ループを不安定にする可能性があ V ります。このため、ある程度の容量が帰還ネットワークに含まれてい ない限り、一般にソース抵抗を500Ω以下に維持することが望まれま 図54. 広帯域反転ゲイン構成 す。同様に、ソース抵抗を小さく維持することは、AD8027の低い入力 _ 換算電圧ノイズ(4.3nV/√ Hz)をうまく利用することにもなります。 AD8027は190MHzを超える広帯域幅を持っているため、多くのア プリケーションおよび構成が可能です。図53に示すAD8027は非反転 表5. アンプを構成しています。図54には反転構成を、表5にはゲイン、抵抗 値、帯域幅、スルーレート、ノイズ性能のセレクション・テーブルを示し 部品値、帯域幅、ノイズ性能(VS=±2.5V) ノイズ・ゲイン (非反転) RSOURCE RF (Ω) (Ω) RG (Ω) 1 2 10 50 50 50 ― 499 54.9 ます。 RF +V C1 0.1μF C2 10μF RG Ð AD8027 VIN R1 + C3 10μF VOUT SELECT C4 0.1μF R1 = RF RG ÐV 図53. REV.0 広帯域非反転ゲイン構成 17 0 499 499 -3dB SS BW (MHz) 190 95 13 抵抗での 出力ノイズ ___ (nV/√Hz) 4.4 10 45 AD8027 回路の注意事項 多層ボードでは、オペアンプの真下部分の全層は、寄生コンデンサ 成分が構成されるのを防止するためメタルを配線してはいけません。 バランス入力インピーダンス これは、加算点(すなわち−入力)では特に必要です。加算点の容量 バランス入力インピーダンスにより、歪み性能を向上させること が大きいと、周波数応答でピーキングが増加する原因になり、フェー ができます。アンプがPNPペアの動作からNPNペアの動作へ切り替 ズ・マージンが減少します。 わるとき、入力バイアス電流の振幅と向きが変わります。入力インピ グラウンド ーダンスのアンバランスの倍数だけオフセットが変化します。こ の歪みを小さくするには、両入力で入力インピーダンスを平衡させる 高速で部品が密集するボードでの寄生インダクタンスとグラウンド・ ことが必要です。図55は、50Ωのソースインピーダンスに対する ループを小さくするため、グラウンド・プレーン層は不可欠です。回路 バランスとアンバランス時の性能差を、歪み特性として表したも 内のどこを電流が流れるかを理解することは、高速回路のデザインで のです。 は非常に重要です。電流パスの長さは寄生インダクタンスの大きさに 直接比例し、したがって配線経路の高周波インピーダンスにも比例し ます。誘導性のグラウンド・リターンに高速な電流変化があると、不要 なノイズとリンギングが発生します。 Ð20 G = +1 VOUT = 2V p-p Ð30 RL = 1kΩ VS = +3V 高周波数バイパス・コンデンサのパッドとパターンの長さも重要で す。バイパス・グランディング内の寄生インダクタンスは、バイパス・ 歪み―dB Ð40 コンデンサによって作られた低ACインピーダンスとは反対の働きをし ます。負荷電流は電源からもグラウンドからも流れるため、負荷はバ Ð50 イパス・コンデンサ・グラウンドと同じ場所に配置する必要があります。 Ð60 低周波用の大きな値のコンデンサの場合、電流リターンパスの長 RF = 0Ω Ð70 さの問題は、より小さくなります。 RF = 24.9Ω Ð80 電源のバイパス Ð90 電源ピンは実際には入力であり、これらの入力にはクリーンなロー RF = 49.9Ω Ð100 0.1 図55. 1 周波数―MHz ノイズDC電圧源を接続するように注意する必要があります。バイパ 10 20 ス・コンデンサには、次の2つの機能があります。 1. 不要周波数に対して電源入力からグラウンドへのロー・インピ SFDR対周波数および様々なRF値 ーダンス・パスを提供し、電源ラインに対するノイズの影響を 減らします。 PCBレイアウト 2. 高速スイッチング時に対応する十分な局所的電荷の蓄積場所 として働き、電源ピンとアンプ出力での電圧降下を最小化し すべての高速オペアンプと同様に、AD8027の最適性能を得るに ます。これには通常、大きな電解コンデンサが使われます。 は、PCBのレイアウトに十分な注意を払う必要があります。バイパス・ コンデンサのリード長を短くするように、特に注意が必要です。リード・ インダクタンスが大きいと、周波数応答に影響を与え、さらに高周波 デカップリング方法は、全周波数でバイパス・インピーダンスを最小 発振が生ずることもあります。内部グラウンド・プレーンを持つ多層ボ 化するようにデザインします。これは、グラウンド接続した並列コンデ ードを使用すると、グラウンド・ノイズが減るため、高密度なレイアウト ンサの組合わせにより実現されます。 高品質のセラミック・チップ・コンデンサを使用し、常にアンプ・パッ が可能になります。 反転入力でのリード長を短くするには、帰還抵抗RFをボードの真下 ケージのできるだけ近くに配置します。0.01μFのセラミック・コンデン に配置して、出力ピン6から入力ピン2までの最短距離にします。抵抗 サと10μFの電解コンデンサの並列組合わせにより、広いレンジで不 RGのリターン・ノードは、ピン4に接続された負電源バイパス・コンデン 要ノイズを除去できます。10μFのコンデンサは高周波バイパスにほ サのリターン・ノードのできるだけ近くに配置します。 とんど影響せず、多くの場合、電源ラインに1個あれば十分です。 18 REV.0 AD8027 アプリケーション +5V AD8027のSELECTピンの使い方 – AD8027は、2つの機能を持つSELECTピンを持っています。1つ目 15Ω AD8027 はパワーダウン機能で、AD8027を低消費電力モードにします。パワー アナログ入力 + + ダウン・モードでは、アンプには450μA (typ)の電源電流が流れます。 入力レンジ (0.15V∼2.65V) SELECT +5V 2.7nF 2つ目の機能では、 「動作原理「で説明したように、クロスオーバー・ AD7677 ポイント(NPN/PNP入力差動ペアが、一方から他方に切り替わるポイン 16 ビット +5V ト)を正電源レールまたは負電源レールの近くにシフトさせます。この選 – 択可能なクロスオーバー・ポイントにより、入力信号と動作環境による AD8027 アナログ入力 – 歪みを小さくすることができます。デフォルト状態は正電源から1.2V低 15Ω + 2.7nF いところにあり、SELECTピンはフローティングまたはトライ・ステートで SELECT +5V す。 4kΩ 1kΩ 表6に、SELECTピンの電圧とモードを示します。 表6. 図56. SELECTピンのモード制御テーブル モード SELECTピンの電圧(V) VS=±5V ディスエーブル -5∼-4.2 正電源から1.2Vを基準 -4.2∼-3.3 とするクロスオーバー 負電源から1.2Vを基準 -3.3∼+5 とするクロスオーバー VS=+5V 0∼0.8 0.8∼1.7 VS=+3V 0∼0.8 0.8∼1.7 1.7∼5.0 1.7∼3.0 ゲイン=1での差動駆動 図57に示すように、AD8027とAD7677の組合わせは、優れた積分 非直線性(INL)を提供します。図56の回路図に対するテスト・データ の一覧を表8に示します。 表8. ADCドライバの性能、 fC=100KHz、VOUT=4.7V p-p 入力段が一方の入力差動ペアから他方の入力差動ペアに切り替 わるとき、出力波形にはほとんど変化はありません。 AD8027アンプのディスエーブル時間は負荷に依存します。表7に 代表的なデータを示します。スイッチングの実測値については図48と パラメータ 測定値 2次高調波歪み -105dB 3次高調波歪み -102dB THD -102dB SFDR 105dBc 図49を参照してください。 表7. ディスエーブルのスイッチング時間 1.0 電源電圧(RL=1kΩ) ±5V 45ns 980ns +5V 50ns 1100ns +3V 50ns 1150ns 0.5 INL―LSB数 tON tOFF 16ビットADCの駆動 0 AD8027は調整可能なクロスオーバー歪みセレクトポイントを持ち、 Ð0.5 かつローノイズなので、AD7677などの高分解能ADCに対する入力信 号の駆動またはバッファリングに最適なアンプです。図56に、ADCを駆 動する代表的な回路図を示します。AD7677を駆動しているAD8027は Ð1.0 非レールtoレールのアンプに近い性能を提供するため、ADCで既に使 0 16384 用している5V単電源以外に電源を追加する必要はありません。このア プリケーションでは、SELECTピンがAD8027のクロスオーバー領域を 図57. 回避するようにバイアスされているため、低歪み動作が可能です。 REV.0 19 32768 コード 積分非直線性 49152 65536 AD8027 バンドパス・フィルタ 通信システムでは、信号処理にアクティブ・フィルタが広く使用され ています。AD8027は、アクティブ・フィルタ・アプリケーションには優れ +5 R2 105Ω た選択肢です。このフィルタを実現する際には、アンプが中心周波数 R1 316Ω fOの少なくとも10倍の大信号帯域幅を持つことが重要で、そうしないと VIN アンプによりフェーズ・シフトが発生して、不安定と発振の原因にな C3 0.1μF C1 1000pF + C2 500pF ります。 AD8027 R3 634Ω – 図58に示す回路図で、AD8027は1MHzのバンドパス・フィルタを構 VOUT SELECT 成しています。目標の仕様は、f O=1MHz、かつ-3dB通過帯域= C4 –5 0.1μF 500kHzです。バンドパス・フィルタのデザインは、fO、Q、C1、R4の選 択から開始する必要があります。次に、次式を使って残りの変数を計 R5 523Ω 算します。 R4 523Ω 図59に示すテスト・データは、このデザインが中心周波数fO=1MHz、 帯域幅=450kHzのフィルタ応答を持つことを示しています。 図58. バンドパス・フィルタの回路図 π 10 0 CH1 S21 LOG 5dB/REF 6.342dB 1:6.3348dB 1.00 000MHz ゲイン―dB 1 Ð10 Ð20 Ð30 0.1 1 周波数―MHz 図59. 10 バンドパス・フィルタの応答 デザイン・ツールおよびテクニカル・サポート アナログ・デバイセズは、テクニカル・サポートとオンライン・デザイ ン・ツールを提供して、デザイン・プロセスの簡素化を助けています。 www.analog.comから使用可能な無償の評価ボード、サンプルIC、対 話型評価ツール、データシート、アプリケーション・ノート、電話サポー ト、emailサポートにより、テクニカル・サポートを提供しています。 20 REV.0 AD8027 外形寸法 5.00(0.1968) 4.80(0.1890) 6.20(0.2440) 5.80(0.2284) 4.00(0.1574) 3.80(0.1497) 1.27(0.0500) BSC 0.25(0.0098) 0.10(0.0040) 平坦性 0.10 実装面 1.75(0.0688) 1.35(0.0532) 0.51(0.0201) 0.33(0.0130) 0.50(0.0196) 45° 0.25(0.0099) 8° 0.25(0.0098) 0° 1.27(0.0500) 0.41(0.0160) 0.19(0.0075) JEDEC標準MS-012AAに準拠 寸法管理はミリメータ。インチ寸法はミリメータに丸め処理 した参考用であり、デザインでの使用には適しません。 図60. 8ピン・スタンダードSOP、小型ボディ[SOIC] (RN-8)―寸法はミリメータおよび(インチ)で表示 2.90 BSC 2.80 BSC 1.60 BSC ピン1 0.95 BSC 1.30 1.15 0.90 1.90 BSC 1.45 MAX 0.15 MAX 0.50 0.30 0.22 0.08 実装面 10° 0° 0.60 0.45 0.30 JEDEC標準MO-178ABに準拠 図61. 6ピン・プラスチック表面実装パッケージ[SOT-23] (RT-6) ―寸法はミリメータ 注意 ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000Vにおよぶ高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯 電し、検知されることなく放電されることがあります。本製品には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高 エネルギーの静電放電を受けたデバイスには回復不可能な損傷が発生することがあります。このため、性能低下や 機能喪失を回避するために、適切なESD防止措置をとるようお奨めします。 WARNING! ESD SENSITIVE DEVICE オーダー・ガイド AD8027製品 最小注文数量 温度レンジ パッケージ パッケージ外形 ブランド AD8027AR AD8027AR-REEL AD8027AR-REEL7 AD8027ART-R2 AD8027ART-REEL AD8027ART-REEL7 1 1,000 400 250 10,000 3,000 -40℃∼+125℃ -40℃∼+125℃ -40℃∼+125℃ -40℃∼+125℃ -40℃∼+125℃ -40℃∼+125℃ 8ピンSOIC 8ピンSOIC 8ピンSOIC 6ピンSOT-23 6ピンSOT-23 6ピンSOT-23 RN-8 RN-8 RN-8 RT-6 RT-6 RT-6 H4B H4B H4B REV.0 21 AD8027 22 REV.0 AD8027 REV.0 23 PRINTED IN JAPAN TDS06/2003/500 AD8027 このデータシートはエコマーク認定の再生紙を使用しています。 24 REV.0