ゼロドリフト、単電源 レ−ルtoレ−ル入/出力オペアンプ AD8551/AD8552/AD8554 特長 ピン配置 低オフセット電圧:1μV 入力オフセット・ドリフト:0.005μV/℃ 8ピンMSOP 8ピンSOIC (RM) (R) 入/出力振幅レ−ル toレ−ル +5V/+2.7V単電源動作 高ゲイン、CMRR、PSRR:130dB NC – IN A + IN A V– 超低入力バイアス電流:20μA 1 8 AD8551 4 5 NC V+ OUT A NC NC 1 8 NC – IN A 2 AD8551 +IN A 3 NC=接続なし V– 4 7 V+ 6 OUT A 5 NC 低消費電流:700μA/オペアンプ NC=接続なし オ−バ−ロ−ド・リカバリー時間:50μs 外部コンデンサ不要 8ピンTSSOP 8ピンSOIC (RU) (R) アプリケ−ション 温度センサ− 圧力センサ− OUT A – IN A +IN A V– 1 8 AD8552 4 5 V+ OUT B – IN B +IN B OUT A 1 – IN A 2 +IN A 3 高精度電流検出 V– ストレイン・ゲ−ジ・アンプ 8 V+ AD8552 7 OUT B 6 – IN B 5 +IN B 4 医療用機器 熱結合アンプ 14ピンTSSOP 14ピンSOIC (RU) (R) 概要 AD8551(シングル)AD8552(デュアル)AD8554(クワッ ド) は、非常に 低いオフセッ ト、 ドリフト、 バイアス電流仕様を実現する、入/出力振幅 レ−ル to レ−ルの新アンプ・ファミリーです。+2.7∼+5V単電源動作で 全性能を保証されています。 AD8551/AD8552/AD8554は、 これまで高価なオ−トゼロ動作型や、 チ ョッパ安定型のアンプでしか得られなかった利点を提供します。ゼロ・ ド OUT A – IN A + IN A V+ + IN B – IN B OUT B 1 14 AD8554 7 8 OUT D – IN D + IN D V– + IN C – IN C OUT C OUT A 1 14 OUT D – IN A 2 13 – +IN A 3 12 V+ 4 IN D +IN D 11 V– +IN B 5 10 +IN C – IN B 6 9 – OUT B 7 AD8554 8 IN C OUT C リフト ・アンプであり、当社の新しい回路配置により、 ロ−・コストながら高 精度の動作を実現し、 外部コンデンサも不要です。 AD8551は、 わずか1μVのオフセッ ト電圧と0.005μF/℃のドリフトを備え、 誤差の原因を極力抑えたいアプリケ−ションに最適です。全動作温度 範囲にわたってほぼゼロ・ ドリフトに近い特性によって、 温度・位置・圧力 センサ−、 ストレイン・ゲ−ジ・アンプに大きな利点をもたらします。AD855x ファミリーの入/出力振幅はレ−ル to レ−ルなので、 高/低電圧側の 両方においてセンサ−動作が容易です。 AD8551/AD8552/AD8554は、 工業/自動車用温度範囲(−40∼ 125℃) で仕様規定されています。パッケージは、 シングル・アンプ構成の AD8551は8ピンMSOP、 狭体SOIC。デュアルのAD8552は8ピン狭体 SOIC、TSSOP表面実装型パッケ−ジ。クワッ ドのAD8554は14ピン狭 体SOIC、 TSSOPパッケ−ジで供給されます。 アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、そ の情報の利用または利用したことにより引き起こされる第3者の特許または権利の侵害 に関して、当社はいっさいの責任を負いません。さらに、アナログ・デバイセズ社の特 REV.0 許または特許の権利の使用を許諾するものでもありません。 アナログ・デバイセズ株式会社 本 社/東京都港区海岸1-16-1 電話03 (5402)8400 〒105-6891 ニューピア竹芝サウスタワービル 大阪営業所/大阪市淀川区宮原3-5-36 電話06(6350)6868(代) 〒532-0003 新大阪第二森ビル AD8551/AD8552/AD8554−仕様 電気的特性 (特に指定のない限りVS=+5V、VCM=+2.5V、VO=+2.5V、TA=+25℃) パラメ−タ 記号 入力特性 オフセット電圧 VOS 条件 Min Typ Max 単位 1 5 10 50 1.5 70 200 5 μV μV pA nA pA pA V dB dB dB dB μV/℃ −40℃≦TA≦+125℃ 入力バイアス電流 10 1.0 20 150 IB −40℃≦TA≦+125℃ 入力オフセット電流 IOS −40℃≦TA≦+125℃ 入力電圧範囲 コモン・モ−ド除去比 CMRR 大信号電圧ゲイン1 AVO オフセット電圧ドリフト ΔVOS/ΔT 出力特性 出力電圧ハイ VOH 出力電圧ロ− VOL 短絡回路リミット ISC VCM=0∼+5V −40℃≦TA≦+125℃ RL=10kΩ,VO=+0.3∼4.7V −40℃≦TA≦+125℃ −40℃≦TA≦+125℃ GNDに対しRL=100kΩ −40℃∼+125℃ GNDに対しRL=10kΩ −40∼+125℃ V+に対しRL=100kΩ −40∼+125℃ V+に対しRL=10kΩ −40∼+125℃ 0 120 115 125 120 4.99 4.99 4.95 4.95 ±25 −40∼+125℃ 出力電流 IO −40∼+125℃ 電源 電源除去比 消費電流/アンプ ダイナミック特性 スルーレート オ−バ−ロ−ド・リカバリー時間 ゲイン・帯域幅積(GB積) ノイズ特性 電圧ノイズ 電圧ノイズ密度 電流ノイズ密度 PSRR ISY SR VS=+2.7∼+5.5V −40℃≦TA≦+125℃ VO=0V −40℃≦TA≦+125℃ 120 115 RL=10kΩ 0.05 GDP enp-p enp-p en in 0∼10Hz 0∼1Hz f=1kHz f=1kHz 140 130 145 135 0.005 4.998 4.997 4.98 4.975 1 2 10 15 ±50 ±40 ±30 ±15 130 130 850 1,000 0.4 0.3 1.5 1.0 0.32 42 2 0.04 10 10 30 30 975 1,075 V V V V mV mV mV mV mA mA mA dB dB μA μA V/μs ms MHz μVp-p μVp-p nV/ Hz fA/ Hz 注 1ゲイン・テストはテスト帯域に大きく依存します。 仕様は予告なく変更される場合があります。 2 REV.0 AD8551/AD8552/AD8554 電気的特性(特に指定のない限りVS=+2.7V、VCM=+2.5V、VO=+2.5V、TA=+25℃) パラメ−タ 記号 入力特性 オフセット電圧 VOS 条件 Min Typ Max 単位 1 5 10 50 1.5 50 200 2.7 μV μV pA nA pA pA V dB dB dB dB μV/℃ −40℃≦TA≦+125℃ 入力バイアス電流 10 1.0 10 150 IB −40℃≦TA≦+125℃ 入力オフセット電流 IOS −40℃≦TA≦+125℃ 入力電圧範囲 コモン・モ−ド除去比 CMRR 大信号電圧ゲイン1 AVO オフセット電圧ドリフト ΔVOS/ΔT 出力特性 出力電圧ハイ VOH 出力電圧ロ− VOL 短絡回路リミット ISC VCM=0∼2.7V −40℃≦TA≦+125℃ RL=10kΩ,VO=+0.3∼2.4V −40℃≦TA≦+125℃ −40℃≦TA≦+125℃ GNDに対しRL=100kΩ −40∼125℃ GNDに対しRL=10kΩ −40∼+125℃ V+に対しRL=100kΩ −40∼+125℃ V+に対しRL=10kΩ −40∼+125℃ 0 115 110 110 105 2.685 2.685 2.67 2.67 ±10 −40∼+125℃ 出力電流 IO −40∼+125℃ 電源 電源除去比 消費電流/アンプ PSRR ISY ダイナミック特性 スルーレート オ−バ−ロ−ド・リカバリー時間 ゲイン帯域幅積(GB積) GBP ノイズ特性 電圧ノイズ 電圧ノイズ密度 電流ノイズ密度 enp-p en in SR VS=+2.7∼+5.5V −40℃≦TA≦+125℃ VO=0V −40℃≦TA≦+125℃ RL=10kΩ 2.697 2.696 2.68 2.675 1 2 10 15 ±15 ±10 ±10 ±5 130 130 750 950 0.04 10 10 20 20 900 1,000 0.5 0.05 0∼10Hz f=1kHz f=10Hz 注 1ゲイン・テストはテスト帯域に大きく依存します。 仕様は予告なく変更される場合があります。 REV.0 120 115 130 130 140 130 0.005 3 V V V V mV mV mV mV mA mA mA mA dB dB μA μA V/μS ms 1 MHz 1.6 75 2 μVp-p nV Hz fA/ Hz AD8551/AD8552/AD8554 絶対最大定格1 電源電圧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・+6V 入力電圧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・GND∼VS+0.3V 差動入力電圧2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・±5.0V ESD(人体モデル) ・・・・・・・・・・・・・・・・2,000V 出力短絡期間∼GND ・・・・・・・・・・・・・・・・・不定 保管温度範囲 パッケージ・タイプ θJA1 θJC 単位 8ピン MSOP(RM) 8ピン TSSOP(RU) 8ピン SOIC(R) 8ピン TSSOP(RU) 8ピン SOIC(R) 190 240 158 180 120 44 43 43 36 36 ℃/W ℃/W ℃/W ℃/W ℃/W 注 1θJAは最悪条件下、すなわちデバイスをP-DIPパッケージに接続した場合、デバイスをSOICおよ RM,RU,Rパッケ−ジ ・・・・・・・・・・・・−65∼150℃ びTSSOPパッケージの回路板にハンダ付けして使用しています。 動作温度範囲 AD8551A/AD8552A/AD8554A ・・・・・・・・−40∼+125℃ 接合温度範囲 RM,RU,Rパッケ−ジ ・・・・・・・・・・・・・−65∼150℃ ピン温度範囲(ハンダ付け、60秒)・・・・・・・・・+300℃ 注記 1 上記の絶対最大定格を超えるストレスを加えると、デバイスに永久的な損傷を与えることが あります。この定格はストレス定格の規定のみを目的とするものであり、この仕様の動作セ クションに記載する規定値以上でのデバイス動作を定めたものではありません。デバイスを 長期間絶対最大定格条件に置くと、デバイスの信頼度に影響を与えることがあります。 2 差動入力電圧は±5.0V、または電源電圧以下に抑えられます。 オ−ダ−・ガイド パッケ−ジ モデル AD8551ARM2 温度範囲 −40∼+125℃ パッケ−ジ 8ピンMSOP オプション RM-8 AD8551AR −40∼+125℃ 8ピンSOIC SO-8 AD8552ARU3 −40∼+125℃ 8ピンTSSOP RΜ-8 AD8552AR −40∼+125℃ 8ピンSOIC SO-8 AD8554ARU3 −40∼+125℃ 14ピンTSSOP RΜ-14 AD8554AR −40∼+125℃ 14ピンSOIC SO-14 ブランド1 AHA 注 1 パッケ−ジ・サイズの制約から、これらの番号は部品番号を表すものです。 2 リ−ルでのみ供給可能。リ−ルあたり1,000個または2,500個です。 3 リ−ルでのみ供給可能。リ−ルあたり2,500個です。 注 意 ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000Vもの高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯電し、 検知されることなく放電されることがあります。本製品には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高エネル ギーの静電放電を受けたデバイスには回復不可能な損傷が発生することがあります。このため、性能低下や機能喪 失を回避するために、適切なESD予防措置をとるようお奨めします。 4 WARNING! ESD SENSITIVE DEVICE REV.0 AD8551/AD8552/AD8554 180 50 VSY = +2.7V VCM = +1.35V TA = +25 ℃ 160 40 140 80 60 入力バイアス電流 −pA 入力バイアス電流 +85℃ 20 10 +25℃ 0 –10 40 −40℃ 0 – 2.5 0 2.5 図1 +2.7Vにおける入力オフセッ ト電圧分布 180 140 –1,000 1 5 2 3 4 入力コモン・モ−ド電圧 −V 図2 入 力 バ イ ア ス 電 流 対 コ モ ン・モ−ド電圧 アンプ数 80 60 5 VSY = +5V TA = +25℃ 1k 8 100 1 2 3 4 入力コモン・モ−ド電圧 −V 10k VSY = +5V VCM = +2.5V TA = –40 ∼ +125 ℃ 10 120 0 図3 入 力 バ イ ア ス 電 流 対 コ モ ン・モ−ド電圧 12 VSY = +5V VCM = +2.5V TA = +25℃ 160 2 500 –2,000 –30 – 1.5 – 0.5 1.5 0.5 オフセット電圧 –μV 0 –1,500 –20 20 500 出力電圧−mV アンプ数 100 VSY = +5V TA = +125℃ 1,000 30 120 アンプ数 1,500 VSY = +5V TA = –40 ℃, +25 ℃, +85 ℃ 6 100 ソース 10 シンク 4 40 1 2 20 0 – 2.5 0 – 1.5 – 0.5 0.5 1.5 オフセット電圧 −μV 0 2.5 図4 入力オフセット電圧分布 (+5V) 0.1 0.0001 0.001 6 図5 入力オフセット電圧ドリフト (+5V) VSY = +2.7V TA = +25℃ SOURCE SINK 10 +5V –250 +2.7V –500 0.4 0.2 1 0.01 0.1 負荷電流 −mA 10 100 図6 電源レ−ルへの出力電圧 対 出力電流(+5V) REV.0 0.6 –750 1 0.1 0.0001 0.001 100 0.8 消費電流 −mA 入力バイアス電流−pA 100 10 1.0 VCM = +2.5V VSY = +5V 1k 1 0.01 0.1 負荷電流 −mA 図3 入 力 バ イ ア ス 電 流 対 コ モ ン・モ−ド電圧 0 10k 出力電圧−mV 2 3 4 5 1 入力オフセット・ドリフト −nV/℃ –1000 –75 –50 –25 0 25 50 75 100 温度 −℃ 125 150 図7 電源レ−ルへの出力電圧 対 出力電流(+2.7V) 5 0 –75 –50 –25 0 25 50 75 100 温度 −℃ 図8 バイアス電流 対 温度 125 150 AD8551/AD8552/AD8554 400 300 200 100 0 45 30 20 90 10 135 0 180 – 10 225 – 20 270 オープン・ル−プ・ゲイン – dB 500 40 1 2 3 4 電源電圧 – V 5 – 40 10k 6 図10 消費電流 対 電源電圧 100k 1M 周波数 – Hz 10M 20 A V = – 10 10 0 A V = +1 – 10 90 10 135 0 180 – 10 225 – 20 270 40 A V = – 100 30 20 A V = – 10 10 0 A V = +1 – 10 210 180 150 120 – 30 30 – 40 100 10M 図13 クローズド・ループ・ゲイン 対 周波数(+2.7V) 1k 10k 100k 周波数 – Hz 1M 10M 図14 クローズド・ループ・ゲイン 対 周波数(+5V) A V = 100 90 – 40 100 1M 100M 240 – 30 10k 100k 周波数 – Hz 10M VSY = +2.7V 270 60 1k 1M 周波数 – Hz 300 VSY = +5V CL = 0pF RL = 2kΩ 50 – 20 – 20 100k 図12 オープン・ループ・ゲイン、 位相シフト 対 周波数(+5V) 出力インピ−ダンス –Ω A V = – 100 30 クローズド・ループ・ゲイン – dB 40 45 20 – 40 10k 100M 60 VSY = +2.7V CL = 0pF RL = 2kΩ 0 30 図11 オープン・ループ・ゲイン、 位相シフト 対 周波数(+2.7V) 60 50 40 – 30 – 30 0 VSY = +5V CL = 0pF RL = 50 位相シフト – 度 オープン・ル−プ・ゲイン – dB アンプ当たりの電源電流 –mA 600 クローズド・ループ・ゲイン – dB VSY = +2.7V CL = 0pF RL = 50 700 0 60 60 TA = +25℃ 位相シフト – 度 800 A V = 10 AV = 1 0 100 1k 10k 100k 周波数 – Hz 1M 10M 図15 出力インピ−ダンス 対 周波 数(+2.7V) 300 270 出力インピ−ダンス –Ω VSY = +5V CL = 300pF RL = 2kΩ A V = +1 VSY = +2.7V CL = 300pF RL = 2kΩ A V = +1 VSY = +5V 240 210 180 150 120 A V = 100 90 60 A V = 10 30 0 100 500mV 2μs 5μs 1V AV = 1 1k 10k 100k 周波数 – Hz 1M 10M 図16 出力インピ−ダンス 対 周波数 (+5) 図17 大信号過渡応答(+2.7V) 6 図18 大信号過渡応答(+5V) REV.0 AD8551/AD8552/AD8554 50 VSY = ±1.35V CL = 50pF RL = A V = +1 VSY = ±2.5V CL = 50pF RL = A V = +1 50mV 5μs VSY = ±1.35V RL = 2kΩ TA = +25℃ 小信号オ−バ−シュ−ト – % 45 50mV 5μs 40 35 30 +OS 25 – OS 20 15 10 5 0 10 100 1k 10k 容量 – pF 図19 小信号過渡応答(+2.7V) 図20 小信号過渡応答(+5V) 図21 小信号オ−バ−シュ−ト 対 負荷容量(+2.7V) 45 VSY = ±2.5V RL = 2kΩ TA = +25℃ 小信号オ−バ−シュ−ト – % 40 35 VIN 0V VIN 30 25 +OS – OS VOUT 20 0V VSY = ±2.5V VIN = – 200mVp-p (RET ∼ GND) CL = 0pF RL = 10kΩ A V = – 100 VSY = ±2.5V VIN = +200mVp-p (RET ∼ GND) CL = 0pF RL = 10kΩ A V = – 100 0V 15 VOUT 10 0V 20μs 5 0 10 100 1k 20μs 1V 底辺スケ−ル:1V/DIV 上辺スケ−ル:200mV/DIV 底辺スケ−ル:1V/DIV 上辺スケ−ル:200mV/DIV 10k 1V 容量 – pF 図22 小信号オ−バ−シュ−ト 対 負荷容量(+5V) 図23 正の過電圧リカバリー 図24 負の過電圧リカバリー 140 140 1V 120 120 100 100 CMRR – dB CMRR – dB V S = ± 2.5V R L = 2k Ω A V = – 100 V IN = 60mV p-p 200μs 80 60 REV.0 80 60 40 40 20 20 0 100 図25 位相反転なし VSY = +5V VSY = +2.7V 1k 10k 100k 周波数 – Hz 1M 10M 図26 CMRR 対 周波数(+2.7V) 7 0 100 1k 10k 100k 周波数 – Hz 1M 10M 図27 CMRR 対 周波数(+5V) AD8551/AD8552/AD8554 140 140 3.0 VSY =± 2.5V 120 100 100 80 60 – PSRR 40 +PSRR 2.5 出力振幅 – V p-p 120 PSRR – dB PSRR – dB VSY = ±1.35V 80 +PSRR 60 – PSRR 40 0 100 1k 10k 100k 周波数 – Hz 1M 0 100 10M 図28 PSRR 対 周波数(±1.35V) 1.0 0.5 20 20 VSY = ±1.35V RL = 2kΩ 2.0 A V = +1 THD+N < 1% TA = +25℃ 1.5 1k 10k 100k 周波数 – Hz 1M 0 100 10M 図29 PSRR 対 周波数(±2.5V) 1k 10k 100k 周波数 – Hz 1M 図30 最大出力振幅 対 周波数 (+2.7V) 5.5 4.5 出力振幅 – V p-p 4.0 VSY = ± 2.5V A V = 10,000 VSY = ±1.35V A V = 10,000 VSY = ±2.5V RL = 2kΩ A V = +1 THD+N < 1% TA = +25℃ 5.0 3.5 0V 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 2mV 1s 2mV 1s 0.5 1k 10k 周波数 – Hz 100k 1M 図31 最大出力振幅 対 周波数 (+5V) 図32 0.1∼10Hzでのノイズ (+2.7V) VSY = +2.7V RS = 0Ω 182 VSY = +2.7V RS = 0Ω 112 en – nV/ Hz 130 104 78 78 80 64 48 65 52 39 52 32 26 26 16 13 0 0.5 1.0 1.5 周波数 – kHz 2.0 図34 0∼2.5kHzでの電圧ノイズ密度 (+2.7V) 2.5 VSY = +5V RS = 0Ω 91 96 156 en – nV/ Hz 図33 0.1∼10Hzでのノイズ(+5V) en – nV/ Hz 0 100 0 5 10 15 周波数 – kHz 20 図35 0∼25kHzでの電圧ノイズ密度 (+2.7V) 8 25 0 0.5 1.0 1.5 周波数 – kHz 2.0 2.5 図36 0∼2.5kHzでの電圧ノイズ密度 (+5V) REV.0 AD8551/AD8552/AD8554 150 VSY = ±5V RS = 0Ω 112 168 64 48 120 96 72 32 48 16 24 5 10 15 周波数 – kHz 20 25 5 周波数 – kHz 10 125 – 75 – 50 – 25 80 VSY = +2.7V ISC– 225 ISC+ 出力電圧振幅 – mV 短絡電流 – mA – 10 – 20 20 0 – 20 ISC+ – 40 175 100 75 50 – 40 – 80 25 25 50 75 100 温度 – ℃ 125 150 図40 出力短絡電流 対 温度 – 100 – 75 – 50 – 25 0 25 50 75 100 温度 – ℃ 図41 出力短絡電流 対 温度 250 225 VSY = +5.0V 200 175 RL = 1k Ω 150 125 100 75 50 25 0 – 75 – 50 – 25 RL = 10k Ω 0 RL = 100k Ω 25 50 75 100 温度 – ℃ 125 150 図43 電源レ−ルへの出力電圧 対 温度 REV.0 9 125 150 RL = 1k Ω 125 – 60 0 VSY = +5.0V 150 – 30 – 50 – 75 – 50 – 25 125 150 200 ISC– 40 0 25 50 75 100 温度 – ℃ 250 VSY = +5.0V 60 20 0 図39 電源除去 対 温度 100 10 135 図38 0∼10Hzでの電圧ノイズ密度 (+5V) 50 30 140 130 0 図37 0∼25kHzでの電圧ノイズ密 度(+5V) 40 電源除去 – dB 80 0 出力電圧振幅 – mV VSY = +2.7 ∼ +5.5V 145 144 en – nV/ Hz en – nV/ Hz 96 短絡電流 – mA VSY = +5V RS = 0Ω 0 RL = 10k Ω – 75 – 50 – 25 0 RL = 100k Ω 25 50 75 100 温度 – ℃ 125 150 図42 電源レ−ルへの出力電圧 対 温度 AD8551/AD8552/AD8554 機能説明 されたDC電圧ソ−スとしてモデル化できます。これらは図44、 AD855xアンプは、単電源動作可能な高精度のレ−ルtoレ−ル・ 45のV OSX にあたり、xはオフセットに対応するアンプ、Aがヌ オペアンプです。1μV(typ)を下回るオフセット電圧により、 ル・アンプ、Bがメイン・アンプです。各アンプの+IN、−IN 過度の出力電圧を生じる危険なしに、容易に高ゲインの構成を のオープン・ループ・ゲインはAXです。また、各アンプは対応 実現します。5nV/℃という非常に小さな温度ドリフトによって、 するオープン・ループ・ゲインBXを持った3番目の電圧入力を備 全動作温度範囲−40∼+125℃にわたって最小のオフセット電圧 えています。 誤差が保証されているので、フ−ド下やブレ−キ、サスペンシ アンプ内部の2組のスイッチ動作によって決定される、2つの動 ョン系統など、厳しい動作環境での微妙な測定アプリケ−ショ 作モ−ドがあります。オートゼロ位相と、アンプ動作位相です。 ンに理想的です。 AD855xはCMOSアンプであり、オ−トゼロ安定機能によって高 オ−トゼロ位相 精度を達成しています。自動補正トポロジ−によって、広い温 この位相では、全φAスイッチは閉じ、全φBスイッチは開かれ 度範囲と動作寿命にわたって低い電圧オフセットを維持できま ています。2つの入力を短絡して、ヌル・アンプがゲイン・ル− す。 プから除外されます。もちろん、+INと−INの入力間の電圧差 を維持するヌル・アンプには、本質的にある程度のオフセット アンプのア−キテクチャ 電圧V OSAが存在します。ヌル・アンプのフィ−ドバック・ル− オペアンプIC AD855xは、メイン・アンプと、メイン・アンプの オフセット電圧を補正するセカンダリ・アンプの、2アンプ構成 プはφA2を通じて閉じられ、VOSAがヌル・アンプの出力、およ です。2つのアンプは、入力コモン・モ−ド電圧範囲が電源レー びAD855xの内部容量CM1に現われます。数学的には、これを時 ルの両側に達するように、レ−ルtoレ−ルの入力段で構成され 間領域で以下のように表現できます。 ています。入力段は、パラレルPMOS差動ペアと、同時に動作す [] [] [] VOA t = AAVOSA t − BAVOA t るNMOS差動ペアで構成されます。差動入力段からの出力は、 レ−ルtoレ−ルの出力段の駆動に使う、もう1つのゲイン段出力 と合成されます。 また、次式でも表せます。 [] アンプの電圧振幅は、コモン・ソ−ス構成の2つの出力トランジ VOA t = スタを使用して達成されます。出力電圧範囲は、これらのトラ (1) [] AAVOSA t 1 + BA (2) ンジスタのソ−ス抵抗へのドレインに制限されます。このアン プによって出力電流のソ−ス/シンクが増加するにつれ、トラ これにより、ヌル・アンプの出力および容量CM1に、ヌル・アン ンジスタのrDSが増加して、トランジスタを通じた電圧降下が増 プのオフセットにゲイン係数を乗じたものが現われるとわかり 大します。単純に言えば、出力電流が大きい条件下では、出力 ます。 電流が小さいときほど、出力電流をレ−ル近くまで振れません。 これはすべてのレ−ルtoレ−ル出力アンプに共通する特性です。 VIN+ 図6、7は、任意の出力電流に対して、出力電圧がどの程度まで VIN – VOUT AB レ−ルに接近できるかを示します。AD855xの出力は、約50mA BB ΦB までの電流に短絡保護がされています。 ΦA VOA VOSA + AD855xは非常に高いゲインを備え、2kΩ負荷で120dBを超える CM2 ΦB AA オープン・ループ・ゲインを達成します。出力トランジスタは VNB – BA コモン・ソ−ス構成なので、出力段のゲイン、つまりアンプの ΦA CM1 オープン・ループ・ゲインは負荷抵抗に依存します。オ−プ VNA ン・ル−プ・ゲインは負荷抵抗が小さくなると減少します。こ 図44 れは、レ−ルtoレ−ルのアンプのもう1つの特性です。 AD8554xのオ−トゼロ位相 基礎のオ−トゼロ・アンプ理論 アンプ動作位相 自動補正アンプは新しい技術ではありません。15年以上にわた スイッチφBが閉じてφAスイッチが開いているアンプ動作の位 ってあらゆるICが提供され、いくらかの改良も見られます。 相では、このオフセット電圧はCM1に保持され、ヌル・アンプか AD855xは、従来の製品に比べて多くの点で大きな特性向上が図 らの任意の誤差を補正します。CM1の両端にかかる電圧はVNAで られ、同時にデバイス・コストの本質的な削減も実現します。 示されます。また、メイン・アンプの2つの入力の電圧差をVIN この項目では、AD855xが、極めて低いオフセット電圧と高いオ とし、VIN=(VIN+−VIN−)と示します。よって、ヌル・アンプ ープン・ループ・ゲインを実現する理由を、簡単に紹介します。 出力は以下のように表現できます。 前述の通り、AD855xオペアンプは、アンプを2つ内蔵していま [] す。1つはメイン・アンプ、もう1つは自動補正またはヌル(ゼ ( [] [ ]) [] VOA t = AA VIN t − VOSA t − BAVNA t ロ化)アンプとして使用されます。各アンプはそれぞれ対応す (3) る入力オフセット電圧を備え、これは非反転入力に直列に接続 10 REV.0 AD8551/AD8552/AD8554 各項をまとめると、 次式のようになります。 VIN+ AB VIN– [] BB ΦB VOSA + ΦA ΦB VOA CM2 –BA ΦA て、 式(10) は以下のように簡略化できます。 CM1 [] 項により、 AD855xのオープン・ループ・ゲインが非常に大きくなります。VOSA この時点tでの電圧VNAはφAが閉じたときのヌル・アンプVOAの とVSOBのアンプ全体の総合実効オフセット電圧との関係を理解するため 出力電圧に等しくなります。自動補正スイッチング周波数の周 には、 以下の一般的なアンプの方程式を使う必要があります。 期をT Sとすれば、アンプは0.5×T S間隔ごとにスイッチします。 ( VOUT = k × VIN + VOS , よって、アンプ動作の位相では次式が成立します。 [] (4) [] EFF ) (12) kはアンプのオープン・ループ・ゲインで、VOS,EFFはその実効オフセット電圧 です。式(12) を式(11) の形に変形すると次式になります。 式(4)、(2)を式(3)に代入して、次式が得られます。 [] (11) ここで最も明白なのは、 メインおよびヌル・アンプのゲイン積です。AABAの ここでは、φAが開かれておりC M1の電荷が放電されないため、 1 VNA t = VNA t − TS 2 [] VOUT t ≈ VIN t AABA + AA (VOSA + VOSB ) アンプの出力位相 VOA t = AAVIN t + AAVOSA (10) ABよりも遥かに大きくなります。従っ れています。 また、 ABBBのゲイン積は、 VNA 図45 AABBVOSA + ABVOSB 1 + BA BA=BB、 BA>>1となるよう最適化さ AD855xのア−キテクチャは、 AA=AB、 VNB AA [] VOUT t = VIN t ( AB + AABB ) + VOUT 1 AABAVOSA t − TS 2 t − 1 + BA [] [] [] VOUT t ≈ VIN t AABA + VOS , EFF AA BA (13) これから、 次式が得られます。 (5) VOS , ここでは簡略化のため、自動補正の周波数がV OSAとV SOBにおけ る電圧変化の周波数のいずれよりも遥かに高いと仮定します。 EFF ≈ VOSA + VOSB BA (14) このように、 メインおよびヌル・アンプのオフセット電圧は、 ゲイン係数BAで オフセット電圧の変化は、AD855xのオ−トゼロの周波数の変化 除算されます。 よって入力オフセット電圧のtyp値は、数mVからμV未満 よりも遥かに遅い温度変化や長期劣化の関数になるので、適切 の実効入力電圧となります。 この自動補正機構によって、 AD855xファミ な仮定といえます。これによりVOSを時間の影響を受けずに表せ、 リーは世界で最も正確なアンプとなっています。 式(5)を次式のように書き換えられます。 [] [] VOA t = AAVIN t + AA (1 + BA ) VOSA − AABAVOSA 1 + BA 高ゲイン、CMRR、PSRR (6) コモン・モ−ドおよび電源除去は、入力されるコモン・モ−ド または電源の電圧によってアンプに発生する、オフセット電圧 または、 の大きさを示します。先述の通り、AD8554xの自動補正ア−キ VOA V t = AA VIN t + OSA 1 + B A [] [] テクチャは、オフセット電圧を極めて効果的に最小化できます。 (7) この手法は、コモン・モ−ド電圧の振幅と電源の変動によって 発生するオフセット誤差も補正します。よって、130dBを超える ここまでで、オ−トゼロ動作の大まかな概要が掴めました。VOS 優れたCMRR、PSRR値が得られます。自動補正は連続的に行わ の項は1+B Aの係数によって除算されることに注意してくださ れるため、動作温度範囲−40∼+125℃全域でこの値が保持され い。これにより、ヌル・アンプはメイン・アンプを補正する前 ます。 に自己のオフセット電圧誤差を激減させています。メイン・ア ンプの出力電圧は、AD855xアンプの出力電圧となります。以下 適正なレイアウトによる特性の向上 の式で表されます。 AD855xの、非常に大きなインピ−ダンスと低いオフセット電圧 [] ( [] ) VOUT t = AB VIN t + VOSB + BBVNB の特性を最大限に発揮するには、ボード・レイアウトの配慮が (8) 重要です。プリント基板の表面は、隣接する配線間のリ−クを 次式に書き換えられます。 アンプ動作の位相では、 VOA=VNBなので、 防止するために、清潔で湿気のないものでなければなりません。 基板を表面コ−トすれば表面の湿気の減少と防止ができ、基板 V VOUT t = ABVIN t + ABVOSB + BB AA VIN t + OSA (9) 1 + BA [] [] [] 上の寄生抵抗を減らせます。アンプの入力周辺にガ−ド・リン グを設ければ、リ−ク電流をさらに削減できます。図46にガ− ド・リングの構成、図47に表面実装の配置を示します。ガ− ド・リングの幅は限定されませんが、両入力のまわりに連続し たリングの形で設置してください。ガ−ド・リングの電圧を非 REV.0 11 AD8551/AD8552/AD8554 反転入力の電圧と等しくすれば、寄生容量も最小化されます。 部品のピン リ−ク電流をさらに減らすには、部品をテフロンのスタンドオ VSC1 フ絶縁体を使ってプリント基板に実装できます。 – VTS1 + + 表面実装部品 VSC2 – + + – ハンダ VTS2 – PC ボード TA1 VOUT VIN VIN AD8552 TA2 銅配線 VOUT TA1,TA2のとき VTS1 + VSC1 VTS2 + VSC2 AD8552 図48 VIN シ−ベック電圧の不一致による熱電気電圧誤差の発生 RF VOUT AD8552 R1 VOUT VIN 図46 ガ−ド・リングのレイアウト、PCボードのリ−ク電流を 減少させる接続 RS = R1 AD855x A V = 1 + (RF /R1) 注:シ−ベック電圧のバランスのため、RSをR1に近接・整列させて配置 V+ R1 R2 AD8552 VIN1 R2 R1 図49 VIN2 ガード・ リング 1/fノイズ特性 VREF VREF ガード・ リング オ−トゼロ・アンプのもう1つの利点として、フリッカ・ノイズ のキャンセル機能があります。フリッカ・ノイズは1/fノイズと V– 図47 熱電気電圧誤差をなくすダミ−部品の使用 も呼ばれ、半導体の物理特性から本質的に生じるもので、周波 ガ−ド・リングによるAD8552(SOIC)のレイアウト 数が1オクタ−ブ上昇するごとに3dBの割合で減少します。アン プの1/f折点周波数は、フリッカ・ノイズがアンプの広帯域ノイ 他の潜在的なオフセット誤差の要因として、ボードの熱電気 電圧があります。これはシ−ベック電圧とも呼ばれ、2つの 異質な金属の接合部分に発生し、接合部の温度に比例します。 ボード上で最も一般的な金属間の接合としては、ハンダと基 板の配線、ハンダと部品のピンがあげられます。図48は、熱 電圧誤差の諸要因の断面図です。ボード上の部品の一端での 温度(TA1)が他方の端での温度(TA2)と異なる場合、シ− ズと同一となる点です。低周波数では、フリッカ・ノイズが強 い影響を持ち、1Hz未満やDC精度のアプリケ−ションで誤差を 増大させます。 AD855xは自己補正式のオペアンプなので、低周波数でもフリッ カ・ノイズを増加させません。本質的に、低周波ノイズは緩や かに変化するオフセット誤差として扱われ、自動補正によって 大幅に減少できます。ノイズの周波数がDCに近づくにつれて補 ベック電圧が同一にならず、熱電圧誤差を生じます。 熱電圧誤差は、熱電気誤差に相当するダミ−部品を設置して 削減できます。ダミ−部品を対応する部品のなるべく近くに 設置することによって、両方のシ−ベック電圧を同一にでき、 熱電対誤差をなくせます。ボード上の周辺温度を一定に保て ば、この誤差はさらに減らせます。グラウンド・プレ−ンを 使用すれば、熱をボード全体に分配でき、EMIノイズを拾う ことも減らせます。 正が効果的となり、周波数の減少とともに指数関数的に増加す るノイズが増加する傾向を打ち消せます。よって、1/fノイズの 影響を受けやすい標準的なロ−・ノイズ・アンプに比べて、 AD855xはDCに近い領域でのノイズを小さくできます。 相互変調歪み AD855xは、1.5MHzまでのゲイン/帯域幅の組み合わせに対して、 従来タイプのオペアンプとして使用できます。オ−トゼロ補正 周波数は4kHzに固定されています。この周波数のうちのごく僅 かが出力にフィ−ドスル−されますが、アンプは遥かに高い周 波数で使用できます。図50にアンプをユニティ・ゲインに設定 して、入力をグラウンドに接続した場合のAD8552のスペクトル 出力を示します。 4kHzのオ−トゼロ・クロック周波数は、2μVを下回る周波数で 出力に現われます。高調波も出力されますが、基本的なオ−ト ゼロ・クロック周波数より低いレベルで出力されます。クロッ ク周波数の振幅はアンプのクローズド・ループ・ゲインに比例 します。他の自動補正のアンプと同様に、高いゲインほど多く のクロック周波数が現われます。図51にアンプのゲインを60dB に設定した場合のスペクトル出力を示します。 12 REV.0 AD8551/AD8552/AD8554 0 0 VSY = +5V A V = +60dB 出力信号 1Vrms @ 200Hz VSY = +5V A V = 0dB – 20 – 20 – 40 出力信号 出力信号 – 40 – 60 – 80 – 60 – 80 IMD < 100μVrms – 100 – 100 – 120 – 140 図50 0 1 2 3 4 5 6 周波数 – kHz 7 8 9 – 120 10 図50 ユニティ・ゲイン構成でのAD855x出力のスペクトル解析 0 1 2 3 4 5 6 周波数 – kHz 7 8 9 10 ユニティ・ゲイン構成でのAD855x出力のスペクトル解析 低周波数アプリケ−ションの大部分では、少量のオ−トゼロ・ クロック周波数がフィ−ドスル−しても、測定システムの精度 0 は影響を受けません。必要であれば、アンプの周りに設けたフ ィ−ドバック・コンデンサによってクロック周波数のフィ−ド VSY = +5V A V = +60dB – 20 スル−を減少できます。しかし、アンプの帯域幅が制限されま す。図53a、53bに、クロック・フィ−ドスル−を減少させる構 出力信号 – 40 成と出力での対応するスペクトル解析を示します。この構成で – 60 の−3dB帯域幅は480Hzとなります。 – 80 3.3nF – 100 100kΩ 100Ω – 120 – 140 0 図51 1 2 3 4 5 6 周波数 – kHz 7 8 9 VIN = 1m V rms @ 200Hz 10 ゲイン60dBでのAD855x出力のスペクトル解析 図53a フィ−ドバック・コンデンサによる自動補正クロック・ ノイズの減少 入力信号が印可されたとき、出力にはある程度の相互変調歪み (Intermodulation Distortion、IMD)が含まれます。これは、すべ ての自動補正アンプに共通する特性です。IMDは入力信号およ 0 VSY = +5V A V = +60dB び4kHzのクロック周波数(および高調波)の、周波数の加算さ – 20 れた形および差異の形で出力され、出力のクロック・フィ−ド スル−と同等か、それより以下のレベルになります。IMDもア – 40 出力信号 ンプのクローズド・ループ・ゲインに比例します。図52は高い ゲイン段(+60dB)に設定され入力信号が1mVの場合のAD8552 のスペクトル出力です。すべてのIMD出力および高調波歪みが 加算されて、入力信号に対して−60dBの出力誤差が生成されま – 60 – 80 す。ユニティ・ゲインの場合は、これらの総計は入力信号に対 して最大でもわずかに−120dBです。 – 100 – 120 0 1 2 3 4 5 6 周波数 – kHz 7 8 9 10 図53b フィ−ドバック・コンデンサを用いた場合のスペクトル解析 REV.0 13 AD8551/AD8552/AD8554 広帯域および外部抵抗器ノイズへの配慮 入力過電圧保護 あるアンプからの広帯域ノイズの総計は、 主にアンプからの入力電 AD855xはレ−ル to レ−ル入力のアンプですが、両入力の電圧差 圧ノイズ、アンプからの入力電流ノイズ、アンプの周囲で使用する が+5Vを超えないように注意してください。通常の動作条件では、 外部抵抗器からのジョンソン・ノイズの、3種類のノイズの関数で アンプの2入力が同じ電圧となるように出力を補正します。しかし、 使用するアンプの厳密な関数となります。 す。入力電圧ノイズenは、 AD855xをコンパレ−タとして構成する場合や、通常でない動作条 抵抗器からのジョンソン・ノイズは、 抵抗値と温度の関数です。入 件の場合には、両入力電圧が強制的に異なる電圧とされる場合が アンプ周囲で使用される抵抗に比例する等価電 力電流ノイズinは、 あります。これにより、AD855x内部の過電圧から入力段を保護す るためのESD保護ダイオ−ドに、 過電流が流れる場合があります。 圧ノイズです。これらのノイズは、 互いに相関関係がなく、 ノイズの どちらかの入力がどちらかの電源レ−ルを0.3V以上超過する場合、 合計は、 ル−ト−2乗−合計の形になります。全体の方程式は次式に アンプ内部のESD保護ダイオ−ドに大電流が流れはじめます。ダイ なります。 1 2 2 2 e n, TOTAL = e n + 4kTrS + (inrS ) オ−ドは、 静電的放電現象から入力トランジスタを保護するために (15) 入力と電源レ−ルの間に接続され、 通常は逆方向にバイアスされて います。しかし、 入力電圧が電源電圧を超えた場合、 これらのESDダ イオ−ドは順方向にバイアスされます。電流制限がないと、これら ここで、 enはアンプの入力電圧、 のダイオ−ドを通じて過大な電流が流れて、AD855xに永久的な損 inはアンプの入力電流ノイズ、 傷を与えます。入力に過電圧が与えられる可能性がある場合には。 rsは非反転端子に接続されたソ−スの抵抗値、 適当な直列抵抗を挿入して、 ダイオ−ド電流を最大2mA以内に制限 kはボルツマン定数(1.38×10−23J/K) してください。 Tは周囲温度の華氏温度(Kelvin,K=273.15+℃) です。 出力位相反転 AD855xの入力電圧ノイズ密度enは42nV/ Hz 、 入力ノイズinは2fA/ Hz 一部のアンプでは、 入力コモン・モ−ド電圧を超えたときに出力反 ソ−ス抵抗値が106kΩを下回る場合、 入力電圧ノ です。en,TOTALでは、 転が発生します。コモン・モ−ド電圧がコモン・モ−ド範囲の外側 イズの影響が大きくなります。ソ−ス抵抗が106kΩを超えると、 シス に移動すると、 アンプの出力は突然電源レ−ルの反対側にジャンプ テム・ノイズの総計での抵抗器自体のジョンソン・ノイズの影響 します。これは、 差動入力の入力対シャット・ダウンによるもので、 が大きくなります。 内部電圧の急激な変化を引き起こして、出力が不規則に変動しま AD855xの入力電流ノイズは非常に小さいため、 rSがソ−ス抵抗とし す。 AD855xは、両入力が電源電圧の範囲内に保たれる限り、出力位相 ては現実的ではない4GΩを超えない限りinの影響はほとんどあり 反転を防止するよう慎重に設計されています。一方または両方の ません。 入力がどちらかの電源電圧を超える可能性がある場合には、 入力に V/二乗−ル−トHzの形で表され、 特定の帯域幅 全ノイズen,TOTALは、 直列抵抗を接続して電流を2mA以下に制限してください。これで に対する等価rmsノイズは次式で求められます。 e n = e n, TOTAL × BW 出力位相反転を防止できます。 (16) 容量性負荷の駆動 AD855xは、優れた容量性負荷ドライブ能力を持っており、 +5V単 BWは帯域幅をHzで表したものです。 電源動作で10nFまでの負荷を安全に駆動できます。AD855xは安定 回路ノイズ解析についての完全な論文については、 当社から1995年 していますが、 容量性負荷により、 アンプの帯域は制限されます。ま 発行のLinear Design Seminarを参照してください。 た、 容量性負荷により、 出力のオ−バ−シュ−トとリンギングが増加 します。図54のRC緩衝ネットワークによって、 アンプの容量性負荷 出力オ−バ−ドライブ・リカバリー によるリンギングとオ−バ−シュ−トを補償できます。 AD855xアンプは、電源レ−ル両端から200μsの優れたオ−バ−ドラ イブ・リカバリーを実現します。ヌル・アンプが誤差補正を行って +5V メイン・アンプの出力を有効にするため、 ある程度の時間を必要が 必要なので、この特性は、自動補正のアンプの中で特に難しいもの VOUT AD855x VIN 200mV p-p です。図23、24は、AD855xの正/負の両極性についてのオ−バ−ド ライブ・リカバリー時間です。 RX 60Ω CX 0.47μF 自動補正アンプの出力オ−バ−ドライブ・リカバリーは、出力を CL 4.7nF オ−バ−ロ−ド状態から最終的な電圧に補正するための時間と定義 されます。これは、 アンプを高ゲインに設定し、 出力電圧を強制的に 図54 容量性負荷駆動のための緩衝ネットワーク構成 電源レ−ルに振らせる入力信号を与えて測定します。次に入力電圧 をアンプの線形領域 (大抵は両電源電圧の中間) まで低下させます。 緩衝回路を用いても、容量性負荷によるアンプ帯域幅の損失は 入力電圧が低下してから、 出力が最終的な値から100μV以内にセト 取り戻せませんが、オ−バ−シュ−トとリンギングを最小限に リングするまでの時間がオ−バ−ドライブ・リカバリ時間です。競 抑えながら、アンプが大きな値の容量を駆動可能になります。 業他社の自動補正アンプの大部分では、 出力オ−バ−ドライブから 図55に、緩衝回路のある場合とない場合での、1nF容量を駆動し の復帰に数クロック・サイクル経過し、 一部製品では出力が適正値 たAD855xの出力を示します。 にセトリングするのに数ms必要とします。 14 REV.0 AD8551/AD8552/AD8554 10μs VSY = 0 ∼ +5V 100kΩ 緩衝あり VOUT 100kΩ 図55 緩衝なし VSY = +5V CLOAD = 4.7nF AD8552の非常に低いオフセット電圧は、計量スケ−ルまたはス トレイン・ゲ−ジなど、高ゲインと高精度を要求されるアプリ ケ−ションに理想的です。図57は、単電源、高精度のストレイ 抵抗とコンデンサの最適値は負荷容量の関数であり、現実の ン・ゲ−ジ測定システムでの構成です。 C LOAD が浮遊容量を含むために公称の容量性負荷とは実質的に REF192は、A2の+2.5Vの高精度リファレンスとなります。アン 異なるので、経験的に定めるのが最善の方法といえます。表I プA2はこの電圧を増幅して、ストレイン・ゲ−ジ抵抗ブリッジ に、スタ−ト地点として使用できる緩衝回路の値を示します。 CLOAD の上方の点に対する+4.0Vのリファレンス電圧を生成します。 Q1は、350Ωのブリッジ回路網を駆動する電流を供給します。 容量性負荷駆動のための緩衝回路の値 RX CX 1nF 4.7nF 10nF 200Ω 60Ω 20Ω 緩衝回路を使用したオ−バ−シュ−トとリンギングの削減 アプリケ−ション A+5V高精度ストレイン・ゲ−ジ回路 100mV 図55 緩衝回路を使用したオ−バ−シュ−トとリンギングの削減 表I. AD855x A1は、以下の式で示されるフルスケ−ルのブリッジの出力を増 幅するために使われます。 2 × (R1 + R2 ) 1nF 0.47μF 10μF (17) RB RBは負荷セルの抵抗です。図57の値を使えば。出力電圧がスト パワ−アップ時の動作 レインなしの0Vからフル・ストレインの+4.0Vまで、直線的に AD855xは、パワ−アップから5μF以内に有効な出力にセトリン 変化します。 グします。図56aは、アンプ出力と電源電圧のオシロスコ−プに よる測定結果で、図56bがテスト回路です。アンプがユニティ・ 2 +5V ゲインに設定されると、AD855xが最終的な出力電圧にセトリン +2.5V Q1 2N2222 または同等品 グするのに約5μsかかります。AD855xのタ−ンオン応答時間は、 1kΩ 20kΩ R1 1 7 . 4Ω k 40mV フルケース 350Ω 負荷セル R2 100 Ω VOUT A1 AD8552-A R3 17.4kΩ 0V 3 4 12.0kΩ +4.0V VOUT REF192 AD8552-B 他のセトリングに数百μsまたはそれ以上かかる殆どの自動補正 型アンプよりも速くなっています。 6 A2 0∼+4.0V R4 100Ω 注:誤差0.1%の抵抗器を使用 V+ 図57 +5V高精度ストレイン・ゲ−ジ・アンプ 0V 5s +3V計装用アンプ 1V 高コモンモ−ド除去、高オープン・ループ・ゲイン、+3Vから 底辺配線 = 2V/DIV 上辺配線 = 1V/DIV 図56a の電源電圧などの特性を備えたAD855xは、ディスクリ−トで単 パワ−アップ時のAD855xの出力動作 電源の計装用アンプを構成するのに優れた選択肢となります。 AD855xのコモン・モ−ド除去比は120dBを超えますが、システ ムのCMRRは、外部抵抗の誤差の関数ともなります。図58に示 す差動アンプのゲインは、次式で求められます。 R4 R2 R1 VOUT = V 1 1 + − V 2 R2 R3 + R4 R1 REV.0 15 (18) AD8551/AD8552/AD8554 高精度熱電対アンプ R2 図60に、冷接合補償のKタイプ熱電対アンプの構成を示します。 R1 V2 AD8551を使用して、+5V電源からでも0∼500℃の範囲で0.02℃ VOUT V1 R3 より良好な精度を達成するに十分な精度が得られます。D1は温 AD855x R4 度測定部品で、熱電対の冷接合誤差を補正しますが、終端のジ ャンクションのなるべく近くに設置してください。熱電対の計 R4 R2 R2 = の場合 VOUT = ×(V1 – V2) R3 R1 R1 図58 測用の先端を0℃の氷水の槽に浸した状態で、R6の出力が0Vとな るように調整してください。 差動アンプとしてのAD855x構成 図60の値を使うと、出力電圧は温度の10mV/℃の割合で追従し 想的な差動アンプでは、抵抗の比は次式の値に正確に等しくな ます。広温度範囲の測定のためには、R9を62kΩにまで減少でき ります。 ます。すると、出力は5mV/℃で変化し、1000℃までの測定が可 AV = 能となります。 R2 R4 = R1 R3 (19) これにより、 システムの出力電圧が、 以下のように設定されます。 VOUT = AV (V 1 − V 2) +12V REF02EZ 6 2 0.1μF R1 R5 10.7kΩ 40.2kΩ (20) +5V 10μF + D1 は一致せず、この不一致によってシステムのコモン・モ−ド除 去特性が低下します。図58によれば、正確なコモン・モ−ド除 K タイプ 熱電灯 40.7μV/℃ 去比は次式で表されます。 R1R4 + 2R2R4 + R2R3 2R1R4 − 2R2R3 124kΩ 1N4148 部品には一定の誤差が存在するため、4つの抵抗間の比は正確に CMRR = +5.000V – + – 図59の3個のオペアンプによる構成では、4抵抗の値を同一にす 図60 R8 453Ω 8 2 + R6 200Ω R4 5.62kΩ (21) 0.1μF R2 2.74kΩ 3 R3 53.6Ω 1 AD8551 0 ∼ 5.00V (0 ∼ 500℃) 冷接合補償を用いた高精度Kタイプ熱電対アンプ ることによって、出力差動アンプがユニティ・ゲインに設定さ れます。回路の誤差をδとすれば、計装用アンプのCMRRの最 高精度電流計 悪値は次式で求められます。 単電源動作での小バイアス電流と優れたオフセット電圧を実現 CMRRMIN = するAD855xは、高精度電流監視に最適のアンプです。入力が 1 2δ (22) レ−ルtoレ−ルなので、アンプを高電圧/低電圧両側の電流モ ニターに使用できます。AD8552の2アンプを使って、電流源お よび帰還経路の両方を監視して、負荷や欠陥の検出ができます。 AD8554-A V2 図61は、高電圧側の電流モニターの構成です。アンプのコモ R ン・モ−ド電圧は正の電源電圧かこれに近い値となります。ア R R R V1 AD8554-B VOUT = 1 + 図59 ンプのレ−ルtoレ−ルの入力により、入力コモン・モ−ド電圧 VOUT RG R R が電源電圧となる場合でも、正確な測定が可能です。CMOSの AD8554-C 入力構造により入力バイアス電流が引き込まれないため、測定 誤差が最小限にできます。 RTRIM 0.1Ωの抵抗を使うと、AD855xの非反転入力で電圧降下が生じま 2R (V1 – V2) RG す。この電圧が反転入力に現われるまで、アンプの出力が補正 されます。これにより、R 1経由で電流が生じ、これが次にR 2を ディスクリ−トの計装用アンプの構成 流れます。モニター出力は以下の式で求められます。 よって、誤差1%の抵抗を使用した場合には、システムのCMRR RSENSE × IL R1 モニター出力 = R2 × の最悪値は0.02、つまり34dBとなります。従って、高いコモ ン・モ−ド除去比を得るためには、高精度の抵抗を使用するか、 (23) 図59のような可変抵抗を用いる必要があります。この可変抵抗 図61で使う部品の場合、モニター出力の伝達関数は2.5V/Aとな の値は、Rにその許容誤差を乗じたものに等しくしてください。 ります。 例えば、誤差1%以内の10kΩの抵抗の場合、100Ωの直列可変抵 抗が必要です。 16 REV.0 AD8551/AD8552/AD8554 図62は、低電圧側のモニターの等価回路です。この回路では、 SPICEモデル AD8552のコモン・モ−ド電圧はグラウンドかそれに近い値とな 19ページに、AD855xのSPICEマクロ・モデルを示します。この ります。ここでも、0.1Ωの抵抗によって帰還電流に比例する電 モデルはAD855xの代表的な仕様をシミュレ−トしたもので、当 圧降下が発生します。出力電圧は以下の式で求められます。 社webサイトhttp://www.analog.comからダウンロ−ドできます。 VOUT R = V + − 2 × RSENSE × I L R1 図63は、このマクロ・モデルの概略図です。 (24) トランジスタM1∼M4は、AD855xのレ−ルtoレ−ル入力差動ペ アをシミュレ−トしています。非反転入力と直列に接続された 図62での部品の値の場合、出力伝達関数はV+から−2.5V/Aまで EOS電圧源は、1μVのオフセット電圧を安定させるだけではな 減少します。 く、コモン・モ−ドと電源除去比、入力電圧ノイズも安定させ RSENSE 0.1Ω +3V され、アンプのオープン・ループの2次のゼロ極の組み合わせを V+ +3V R1 100Ω ます。ノ−ド14∼16およびノ−ド17、18の差動電圧がE1に反映 IL 3 2 シミュレ−トするために使用されます。 0.1μF 次に、ノ−ド32の電圧がG1に反映され、これがゲイン段を追加 8 し、CFとの関係において、モデルのスルーレートを0.5V/μsに 1 1/2 AD8552 安定させます。M5、M6はコモン・ソ−ス構成であり、AD855x の出力段と類似した構成となっています。EG1とEG2は、これら 4 M1 Si9433 S G の2つのトランジスタのゼロ入力電流を100μAに固定して、アン プのVOUT対IOUT特性の正確なシミュレ−トを実現させます。 D モニター 出力 ECM1の周辺の回路はコモン・モ−ド電圧誤差を生成し、CCM1 R2 2.49kΩ はCMRRのロ−ル・オフの折点周波数を設定します。電源除去 誤差がEPS1の周辺の回路によって生成され、CPS3がPSRRの 図61 高電圧側負荷電流モニター ロ−ル・オフの折点周波数を設定します。ノ−ド80、81の周り の2つの電流ル−プは、RN2の両端の42nV/ V+ Hz のノイズ値の生成 に使用されます。これら3つの誤差源は、EOS経由でオペアン プ・モデルへの入力に反映されます。最後に、AD855xでの消費 R2 2.49kΩ 電流対電源電圧を正確にモデル化するために、GSYが使用され VOUT ます。 Q1 このマクロ・モデルは、AD855xの数多くの仕様をシミュレ−ト V+ するために設計され、殆どのオペアンプに関するモデルの中で も最も現実に即したマクロ・モデルとなっています。これ R1 100Ω 0.1Ω RSENSE 図62 は、+27℃動作に最適化されています。モデルは他の温度でも 1/2 AD8552 動作できますが、AD855xの実際の動作に対する正確さを欠くこ グラウンドへ の帰還 ととなります。 低電圧側負荷電流モニター 高精度電圧コンパレ−タ AD855xは、オープン・ループで使用でき、高精度のコンパレ− タとしても使用できます。AD855xのオフセット電圧は、この構 成で動作する場合、50μVを下回ります。自動補正のア−キテク チャは、クローズド・ループの構成、すなわち負帰還の場合に おいて最も低いオフセットで動作するという事実から、オフセ ット電圧はわずかに上昇します。50mVのオ−バ−ドライブでは、 AD855xの伝播遅延は、立ち上がりエッジにおいて15μs、立下 りエッジにおいて8μsです。 AD855xの最大差動電圧を超えないように注意してください。よ り詳細な情報については、入力過電圧保護の項を参照してくだ さい。 REV.0 17 AD8551/AD8552/AD8554 99 CCM 1 21 I1 99 RC8 C2 17 18 RC4 + – EOS 81 VN1 RN1 HN 2 M4 98 10 D2 99 I2 13 99 RC2 CPS3 CPS1 70 V1 RPS1 72 0 GSY 50 14 RPS2 16 C1 R C5 50 RC6 73 RPS3 – EPS1 + 98 99 50 + 98 – EVP + D3 30 R1 R3 51 + + E1 – 45 D4 G1 EVN – 32 M5 CF 47 M6 + 31 EG1 46 97 98 – 50 C2 RPS4 71 CPS2 – R C1 R N2 M2 12 M3 80 + M1 98 C3 11 1 RCM2 – C7 7 + ECM1 8 22 RCM1 – D1 9 V1 EG2 98 + EREF – 50 98 0 図63 AD855xのSPICEマクロ・モデルの概略図 18 REV.0 AD8551/AD8552/AD8554 * VOLTAGE NOISE REFERENCE OF 42nV/rt(Hz) * VN1 80 98 0 RN1 80 98 16.45E-3 HN 81 98 VN1 42 RN2 81 98 1 * * INTERNAL VOLTAGE REFERENCE * EREF 98 0 POLY(2) (99,0) (50,0) 0 .5 .5 GSY 99 50 (99,50) 48E-6 EVP 97 98 (99,50) 0.5 EVN 51 98 (50,99) 0.5 * * LHP ZERO AT 7MHz, POLE AT 50MHz * E1 32 98 POLY(2) (4,6) (11,12) 0 .5814 .5814 R2 32 33 3.7E+3 R3 33 98 22.74E+3 C3 32 33 1E-12 * * GAIN STAGE * G1 98 30 (33,98) 22.7E-6 R1 30 98 259.1E+6 CF 45 30 45.4E-12 D3 30 97 DX D4 51 30 DX * * OUTPUT STAGE * M5 45 46 99 99 POX L=1E-6 W=1.111E-3 M6 45 47 50 50 NOX L=1E-6 W=1.6E-3 EG1 99 46 POLY(1) (98,30) 1.1936 1 EG2 47 50 POLY(1) (30,98) 1.2324 1 * * MODELS * .MODEL POX PMOS (LEVEL=2,KP=10E-6, + VTO=-1,LAMBDA=0.001,RD=8) .MODEL NOX NMOS (LEVEL=2,KP=10E-6, + VTO=1,LAMBDA=0.001,RD=5) .MODEL PIX PMOS (LEVEL=2,KP=100E-6, + VTO=-1,LAMBDA=0.01) .MODEL NIX NMOS (LEVEL=2,KP=100E-6, + VTO=1,LAMBDA=0.01) .MODEL DX D(IS=1E-14,RS=5) .ENDS AD8552 SPICE macro-model for the AD855x * AD8552 SPICE Macro-model * Typical Values * 7/99, Ver. 1.0 * TAM / ADSC * * Copyright 1999 by Analog Devices * * Refer to “README.DOC” file for License * Statement. Use of this model indicates * your acceptance of the terms and * provisions in the License Statement. * * Node Assignments * noninverting input * | inverting input * | | positive supply * | | | negative supply * | | | | output * | | | | | * | | | | | .SUBCKT AD8552 1 2 99 50 45 * * INPUT STAGE * M1 4 7 8 8 PIX L=1E-6 W=355.3E-6 M2 6 2 8 8 PIX L=1E-6 W=355.3E-6 M3 11 7 10 10 NIX L=1E-6 W=355.3E-6 M4 12 2 10 10 NIX L=1E-6 W=355.3E-6 RC1 4 14 9E+3 RC2 6 16 9E+3 RC3 17 11 9E+3 RC4 18 12 9E+3 RC5 14 50 1E+3 RC6 16 50 1E+3 RC7 99 17 1E+3 RC8 99 18 1E+3 C1 14 16 30E-12 C2 17 18 30E-12 I1 99 8 100E-6 I2 10 50 100E-6 V1 99 9 0.3 V2 13 50 0.3 D1 8 9 DX D2 13 10 DX EOS 7 1 POLY(3) (22,98) (73,98) (81,98) + 1E-6 1 1 1 IOS 1 2 2.5E-12 * * CMRR 120dB, ZERO AT 20Hz * ECM1 21 98 POLY(2) (1,98) (2,98) 0 .5 .5 RCM1 21 22 50E+6 CCM1 21 22 159E-12 RCM2 22 98 50 * * PSRR=120dB, ZERO AT 1Hz * RPS1 70 0 1E+6 RPS2 71 0 1E+6 CPS1 99 70 1E-5 CPS2 50 71 1E-5 EPSY 98 72 POLY(2) (70,0) (0,71) 0 1 1 RPS3 72 73 15.9E+6 CPS3 72 73 10E-9 RPS4 73 98 16 REV.0 19 AD8551/AD8552/AD8554 D9165-2.7-2/00,1A 外形寸法 寸法はインチと(mm)で示します 8 ピン MSOP 8 ピン SOIC (RM ) (R) 0.1968 (5.00) 0.1890 (4.80) 0.122 (3.10) 0.114 (2.90) 8 8 0.122 (3.10) 0.114 (2.90) 0.199 (5.05) 0.187 (4.75) 1 4 ピン 1 0.120 (3.05) 0.112 (2.84) 0.120 (3.05) 0.112 (2.84) 0.043 (1.09) 0.037 (0.94) 0.018 (0.46) 0.008 (0.20) 実装面 0.011 (0.28) 0.003 (0.08) 33° 27° 0.0196 (0.50) x 45° 0.0099 (0.25) 8° 0° 0.0500 (1.27) 0.0160 (0.41) 0.028 (0.71) 0.016 (0.41) 8 ピン TSSOP 14 ピン TSSOP (RU) (RU) 0.201 (5.10) 0.193 (4.90) 14 8 1 7 4 0.256 (6.50) 0.246 (6.25) 0.177 (4.50) 0.169 (4.30) 5 0.256 (6.50) 0.246 (6.25) 0.177 (4.50) 0.169 (4.30) 1 0.0688 (1.75) 0.0532 (1.35) 0.0500 0.0192 (0.49) (1.27) 0.0138 (0.35) 0.0098 (0.25) BSC 0.0075 (0.19) 実装面 0.122 (3.10) 0.114 (2.90) 8 0.2440 (6.20) 0.2284 (5.80) 4 0.0098 (0.25) 0.0040 (0.10) ピン 1 0.0256 (0.65) BSC 0.006 (0.15) 0.002 (0.05) 5 0.1574 (4.00) 0.1497 (3.80) 1 5 ピン1 0.006 (0.15) 0.002 (0.05) 実装面 ピン 1 0.0256 (0.65) BSC 0.0433 (1.10) MAX 0.0118 (0.30) 0.0075 (0.19) 0.0079 (0.20) 0.0035 (0.090) 0.006 (0.15) 0.002 (0.05) 8° 0° 0.028 (0.70) 0.020 (0.50) 実装面 0.0433 (1.10) MAX 0.0256 (0.65) BSC 0.0118 (0.30) 0.0075 (0.19) 0.0079 (0.20) 0.0035 (0.090) 8° 0° 0.028 (0.70) 0.020 (0.50) 14 ピン SOIC (R) 0.1574 (4.00) 0.1497 (3.80) 14 8 1 7 ピン 1 0.0098 (0.25) 0.0040 (0.10) 実装面 0.0500 (1.27) BSC 0.2440 (6.20) 0.2284 (5.80) 0.0688 (1.75) 0.0532 (1.35) 0.0192 (0.49) 0.0138 (0.35) このデータシートはエコマーク認定の再生紙を使用しています。 PRINTED IN JAPAN 0.3444 (8.75) 0.3367 (8.55) 20 0.0099 (0.25) 0.0075 (0.19) 0.0196 (0.50) x 45° 0.0099 (0.25) 8° 0° 0.0500 (1.27) 0.0160 (0.41) REV.0