LTE/CDMA/UMTS/GSMマルチモード・マルチバンド対応 低挿入損失アンテナスイッチモジュール

携帯端末向け GaAs MMIC
CXM3555ER, LTE/CDMA/UMTS/GSM
CXM3558ER, マルチモード・マルチバンド対応
CXM3553ER 低挿入損失アンテナスイッチモジュール
次世代高速移動通信規格 LTE ※1 の登場で、光ファイバ通信並みの高速サービスを利用できる時代が目の前に迫っています。
LTE は、ノートパソコン、タブレット端末向けのデータ通信カードを皮切りに、スマートフォンを含む携帯電話機への展開が
期待されています。
今回ソニーは、LTE を含む CDMA、UMTS、GSM 通信システムに対応したマルチモード、マルチバンド対応の低挿入損失
アンテナスイッチモジュールを開発しました。ソニー独自の JPHEMT プロセスにより、低挿入損失、高アイソレーション、
低歪みを実現するとともに、使用するバンド数に応じた製品ラインアップを準備しています。
※1: LTE:Long Term Evolution
■ 低挿入損失、高アイソレーション、
低歪み
■ GaAs IPD-Dual LPF内蔵(高減衰)
■ 小型低背パッケージ
(VQFNリードフレームタイプ)
VQFN-26P: 3.0 mm × 3.8 mm × 0.8 mm
(CXM3555ER, CXM3558ER)
VQFN-30P: 3.4 mm × 4.0 mm × 0.8 mm
(CXM3553ER)
■ RF ポート DC カットコンデンサ不要
■ 大手モバイルプラットフォームの
リファレンスデザインに採用
マルチモード、マルチバンド対応
LTE 端末の実現には、現時点では場所に応じ
た通信システムの使い分けが必要です。LTE
のみならず既存の CDMA 、UMTS 、GSM など
の通信システムに対応したマルチモード化が
必要となります。LTEでは新たに700 MHz帯、
2.5 GHz 帯が追加となり、他の通信システム
含め多くの周波数帯に対応したマルチバンド
化も必須です。要求されるバンド数に応じて、
3 種類の製品を開発しました(図 -1)
。
CXM3555ER:SP10T
(5TRx/2Tx/3Rx)
CXM3558ER:SP10T
(4TRx/2Tx/4Rx)
CXM3553ER:SP12T
(6TRx/2Tx/4Rx)
低挿入損失、高アイソレーション、
低歪み
LTE を含むマルチモード、マルチバンド化で
は、高周波数帯(LTE(2.5 GHz 帯))の挿入
損失劣化や送受信信号の干渉(アイソレーショ
ンや歪み)が問題となってきます。ソニー独自
の JPHEMT ※2 プロセスを進化させた低歪みデ
バイスの採用、GaAs スイッチ回路構成の最適
化により、低挿入損失、高アイソレーション、
低歪みを実現し、課題を克服しました。 低挿
入損失は送信時の消費電流の低減に繋がり、
高アイソレーション、低歪みの実現と合わせ
て、受信感度向上に寄与しています(表 -1)
。
れにより、追加部品数の削減が可能となり、
セット基板の実装面積を小さくすることがで
きます。
※2:JPHEMT:Junction Gate Pseudomorphic
High Electron Mobility Transistor
制御ソフトウェア、半導体チップセットな
IPD-Dual LPF
大手モバイルプラットフォームの
リファレンスデザインに採用
端末機器メーカは、通信関連ハードウェア、
どをトータルに提案するモバイルプラット
フォームを活用しています。端末の設計に
※3
※4
GSM 送信系の Dual LPF は、IPD 技術を
採用しています。GaAs 基板上に、厚膜メッ
キ積層技術を用いた High-Q インダクタ、低
損失線路、キャパシタを構成しています。信
号通過帯域では低損失を実現し、基本周波数
に対する2 倍、3 倍の周波数帯では、十分な減
衰(25 dB 以上)を確保しています。さらに
4 倍以上の高周波においても広帯域で高減衰
(20 dB 以上)を達成しています(図 -2)
。
あたっては、モバイルプラットフォームが提
供するリファレンスデザイン(端末の基本回
路設計図)を参考にする傾向が高まっていま
す。本製品ラインアップは、大手モバイルプ
ラットフォームのリファレンスデザインに採
用され、推奨部品として認定されています。
※3: LPF:Low Pass Filter
※4: IPD:Integrated Passive Device
小型低背パッケージ
(リードフレームモジュール)
本製品ラインアップは、既存パッケージ技
術であるリードフレームをベースとした一
括樹脂モールドパッケージを採用しており、
JPHEMT スイッチ、CMOS デコーダ、IPDDual LPF の3チップで構成されています(図
-3、図 -4)
。
RF ポート DC カットコンデンサ不要
CMOS デコーダと JPHEMT スイッチを用い
たソニー独自の回路技術により、RF ポートの
DC カットコンデンサを不要にしました。こ
設 計者
栖原 章
本製品ラインアップは、大手モバイルプ
ラットフォームのリファレンスデザイン
に採用されていることもあり、すでに多
くのお客様から引き合いをいただいてお
ります。ぜひ、ご検討ください。今後も
ソニーの独自性を活かした性能向上に努
めるとともに、さらなるバンド数の増加
や制御系の変化(SPI 制御、MIPI 制御)
に対応した魅力ある小型低背アンテナス
イッチモジュールを開発していきます。
どうぞご期待ください。
図-1 ブロック図
CXM3555ER
CXM3558ER
CXM3553ER
SP10T
(5TRx / 2Tx / 3Rx)
SP10T
(4TRx / 2Tx / 4Rx)
SP12T
(6TRx / 2Tx / 4Rx)
ANT
ANT
Dual-LPF
ANT
Dual-LPF
Dual-LPF
Tx1
Tx1
Tx1
Tx2
Tx2
Tx2
Rx1
Rx1
Rx1
Rx2
Rx2
Rx2
Rx3
Rx3
Rx3
TRx1
Rx4
Rx4
TRx2
TRx1
TRx1
TRx3
TRx2
TRx2
TRx4
TRx3
TRx3
TRx5
TRx4
TRx4
TRx5
∗ TRx :LTE / UMTS / CDMA / GSM Rx 信号経路
Tx :GSM Tx1 (Low Band) / GSM Tx2 (High Band) 信号経路
Rx :GSM Rx 信号経路
TRx6
図-2 GSM Low-band/High-band LPF 減衰特性(CXM3555ER)
GSM Low-band Forward Transmission
図-3 外形寸法図
CXM3555ER
CXM3558ER
GSM High-band Forward Transmission
0
0
–10
–10
0.8 ± 0.5
3.8
dB (S (4, 3))
m2
m4
–30
–50
0
m6
m7
26
m5
4
6
8
10
Frequency [GHz]
経路
減衰
40.0
27.6
37.1
30.1
–50
14
単位
1 pin mark
0
2
4
6
8
10
Frequency [GHz]
経路
マーカ
周波数
m5
3420 MHz
2fo
m6
3820 MHz
ANT-Tx2
m7
5130 MHz
3fo
m8
5730 MHz
dB
8
12
減衰
37.8
28.2
29.3
28.7
14
CXM3553ER
24
dB
0.8 ± 0.5
4.0
単位
16
25
15
3.4
マーカ
周波数
m1
1648 MHz
2fo
m2
1830 MHz
ANT-Tx1
m3
2470 MHz
3fo
m4
2740 MHz
12
9
1
–40
2
13
m8
–30
m3
–40 m1
14
22
–20
3.0
dB (S (2, 1))
21
–20
30
10
1
9
1 pin mark
[単位 : mm]
図-4 内部構造図(3 in1 構成)
表-1 主要特性(CXM3555ER)
GaAs IPD
Dual LPF
項目
GaAsスイッチ
CMOS
デコーダ
挿入損失
経路
条件
標準値
Ant-Tx1
824 ∼ 915 MHz
1.00
Ant-Tx2
1710 ∼ 1910 MHz
1.00
452 ∼ 960 MHz
0.48
1710 ∼ 1990 MHz
0.59
2110 ∼ 2170 MHz
0.62
2300 ∼ 2690 MHz
0.88
869 ∼ 960 MHz
0.82
AntTRx1, 2, 3, 4, 5
Ant-Rx1, 2, 3
CMOS
デコーダ
GaAsスイッチ
GaAs IPD
Dual LPF
アイソレー
ション
IMD2
IMD3
1805 ∼ 1990 MHz
0.96
Tx1-Rx1, 2, 3
824 ∼ 915 MHz
> 35
Tx2-Rx1, 2, 3
1805 ∼ 1990 MHz
> 32
TRx1, 2, 3, 4, 5
-Ant
TRx1, 2, 3, 4, 5
-Ant
TRx1, 2, 3, 4, 5
-Ant
TRx1, 2, 3, 4, 5
-Ant
TRx: 835 MHz +20 dBm
Ant: 45 MHz –15 dBm
–120
TRx: 1950 MHz +20 dBm
Ant: 190 MHz –15 dBm
–108
TRx: 835 MHz +20 dBm
Ant: 790 MHz –15 dBm
–112
TRx: 1950 MHz +20 dBm
Ant: 1760 MHz –15 dBm
–110
単位
dB
dB
dBm
dBm